JP2004004102A - 蛍光x線分析装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】測定線評価手段43が、指定された2次X線ごとに、薄膜の各層について指定された厚さおよび組成での、試料全体からの理論強度である全体強度、基板または薄膜の各層からの理論強度である各層強度、その各層強度から上層による吸収を除外した理論強度である単層強度、前記各層強度を単層強度で除した減衰比、ならびに、薄膜の各層をX線的に無限厚とした場合の単層強度に対する前記指定された厚さでの単層強度の比である無限厚との比からなる5種の数値のうちの少なくとも2種の数値を算出するとともに、その算出した数値に基づいて、予め記憶した分析に関する注意事項を選択する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウエハ等のいわゆる薄膜試料に1次X線を照射して発生する2次X線の強度を測定する蛍光X線分析装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、試料に1次X線を照射して、試料中の元素から発生する蛍光X線等の2次X線の強度を測定し、その測定強度に基づいて、試料における元素の濃度等を求めるいわゆる蛍光X線分析装置がある。かかる蛍光X線分析においては、分析する試料の品種によって、分析対象とすべき成分(元素)、測定すべき2次X線、測定雰囲気、検量線の次数等における適切な分析条件が異なる。そこで、従来の蛍光X線分析装置においては、主に操作者が経験に基づいて、これらの適切な分析条件を設定していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、半導体ウエハ等のいわゆる薄膜試料においては、薄膜の各層の厚さと組成の両方を分析したり、同一元素が異なる層に含まれる場合もあり、とりわけ測定すべき2次X線の選択が、操作者にとって容易でなく、選択が不適切であれば、正確な分析ができない。
【0004】
本発明は前記従来の問題に鑑みてなされたもので、蛍光X線分析において、分析対象の試料が薄膜試料である場合に、適切な測定すべき2次X線の選択を容易にし、正確な分析ができる装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1の装置は、単層もしくは多層の薄膜を基板上にまたは独立して形成した試料に、1次X線を照射して発生する2次X線の強度を測定する蛍光X線分析装置であって、測定線評価手段と表示制御手段とを備えている。測定線評価手段は、指定された測定すべき2次X線ごとに、薄膜の各層について指定された厚さおよび組成での第1理論強度ならびに厚さまたは含有率を所定量変更した厚さおよび組成での第2理論強度を算出し、前記第1および第2理論強度を用いて所定の厚さ精度または含有率精度を算出し、その厚さ精度または含有率精度に基づいて、前記指定された測定すべき2次X線による分析の可否を判断する。また、表示制御手段は、測定線評価手段により判断された分析の可否を表示器に表示させる。
【0006】
請求項1の装置によれば、かかる構成により、薄膜試料について、指定した測定すべき2次X線による分析の可否が表示されるので、操作者は、それに基づいて容易に適切な測定すべき2次X線を選択でき、正確な分析ができる。
【0007】
請求項2の蛍光X線分析装置は、請求項1の装置において、前記測定線評価手段が、前記指定された測定すべき2次X線が検量線法による薄膜の層の厚さ分析に適用される場合には、その薄膜の層に対する含有率分析の指定の有無に応じて、前記指定された測定すべき2次X線が検量線法による薄膜の層の含有率分析に適用される場合には、その薄膜の層に対する厚さ分析の指定の有無または厚さ分析の可否に応じて、検量線法への適用の可否を判断する。また、前記表示制御手段が、前記測定線評価手段により判断された検量線法への適用の可否を表示器に表示させる。
【0008】
請求項2の装置によれば、かかる構成により、指定した測定すべき2次X線の検量線法への適用の可否が表示されるので、操作者は、それに基づいて特に検量線法で分析する場合に容易に適切な測定すべき2次X線を選択でき、正確な分析ができる。
【0009】
請求項3の装置は、単層もしくは多層の薄膜を基板上にまたは独立して形成した試料に、1次X線を照射して発生する2次X線の強度を測定する蛍光X線分析装置であって、測定線評価手段と表示制御手段とを備えている。測定線評価手段は、試料からの2次X線ごとに、薄膜の各層について指定された厚さおよび組成での第1理論強度ならびに厚さまたは含有率を所定量変更した厚さおよび組成での第2理論強度を算出し、前記第1および第2理論強度を用いて所定の厚さ精度または含有率精度を算出し、その厚さ精度または含有率精度に基づいて、測定すべき2次X線を選択するとともに、その選択した測定すべき2次X線による分析の可否を判断する。また、表示制御手段は、測定線評価手段により判断された分析の可否を表示器に表示させる。
【0010】
請求項3の装置によれば、薄膜試料について、測定線評価手段により、測定すべき2次X線が所定の厚さ精度または含有率精度に基づいて適切に自動選択されるので、操作者は、分析条件のうち測定すべき2次X線を選択する必要がなく、正確な分析ができる。しかも、自動選択された測定すべき2次X線による分析の可否が表示されるので、操作者は、それに基づいて不正確な分析を回避でき、より確実に正確な分析ができる。
【0011】
請求項4の蛍光X線分析装置は、請求項3の装置において、与えられた分析条件にしたがって試料の分析を実行する制御装置を備え、前記測定線評価手段が、前記判断した分析の可否にしたがって、前記選択した測定すべき2次X線を適切な分析条件の一部として前記制御装置に与える。
【0012】
請求項4の装置によれば、前記測定線評価手段による分析の可否判断にしたがって、自動選択された測定すべき2次X線が適切な分析条件の一部として自動設定されるので、操作者は、分析条件のうち測定すべき2次X線を設定する手間が軽減される。
【0013】
請求項5の蛍光X線分析装置は、請求項1ないし4の装置のいずれかにおいて、前記測定線評価手段が、2次X線ごとに、そのバックグラウンドの理論強度をも算出し、そのバックグラウンド理論強度ならびに前記第1および第2理論強度を用いて所定の厚さ精度または含有率精度を算出する。
【0014】
請求項5の装置によれば、測定線評価手段において、バックグラウンドの理論強度をも用いて所定の厚さ精度または含有率精度を算出するので、測定すべき2次X線による分析の可否判断がより正確になり、操作者は、それに基づいていっそう正確な分析ができる。
【0015】
請求項6の装置は、単層もしくは多層の薄膜を基板上にまたは独立して形成した試料に、1次X線を照射して発生する2次X線の強度を測定する蛍光X線分析装置であって、測定線評価手段と表示制御手段とを備えている。測定線評価手段は、指定された2次X線ごとに、薄膜の各層について指定された厚さおよび組成での、試料全体からの理論強度である全体強度、基板または薄膜の各層からの理論強度である各層強度、その各層強度から上層による吸収を除外した理論強度である単層強度、前記各層強度を単層強度で除した減衰比、ならびに、薄膜の各層をX線的に無限厚とした場合の単層強度に対する前記指定された厚さでの単層強度の比である無限厚との比からなる5種の数値のうちの少なくとも2種の数値を算出するとともに、その算出した数値に基づいて、予め記憶した分析に関する注意事項を選択する。また、表示制御手段は、測定線評価手段により算出された数値および選択された分析に関する注意事項を表示器に表示させる。
【0016】
請求項6の装置によれば、かかる構成により、全体強度、各層強度等とともに適切な分析に関する注意事項が表示されるので、操作者は、それに基づいて容易に適切な測定すべき2次X線を選択でき、正確な分析ができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施形態の装置について説明する。まず、この装置の構成について、図1にしたがって説明する。この装置は、単層もしくは多層の薄膜を基板上にまたは独立して形成した試料3、いわゆる薄膜試料3が載置される試料台8と、試料3に1次X線2を照射するX線管等のX線源1と、試料3から発生する2次X線6の強度を測定する検出手段9とを備えている。ここで、薄膜が基板上に形成されている試料3においては、基板も試料3に含める。検出手段9は、試料3から発生した2次X線4を分光する分光器5と、分光器5で分光された波長ごとの2次X線6の強度を測定する検出器7からなる。
【0018】
この装置は、分光器5と検出器7がゴニオメータによって連動されるいわゆるスキャン型の蛍光X線分析装置である。また、この装置は、与えられた分析条件にしたがってX線源1、ゴニオメータ、検出器7等を作動させ試料3の分析を実行する制御装置15、CRT等の表示器16、ならびに、以下の表示制御手段22および測定線評価手段23を含む分析条件作成手段20を備えている。
【0019】
測定線評価手段23は、指定された測定すべき2次X線ごとに、薄膜の各層について指定された厚さおよび組成での第1理論強度ならびに厚さまたは含有率を所定量変更した厚さおよび組成での第2理論強度を算出し、前記第1および第2理論強度を用いて所定の厚さ精度または含有率精度を算出し、その厚さ精度または含有率精度に基づいて、前記指定された測定すべき2次X線による分析の可否を判断する。ここで、この測定線評価手段23は、指定された測定すべき2次X線ごとに、そのバックグラウンドの理論強度をも算出し、そのバックグラウンド理論強度ならびに前記第1および第2理論強度を用いて所定の厚さ精度または含有率精度を算出することもできる。
【0020】
また、この測定線評価手段23は、前記指定された測定すべき2次X線が検量線法による薄膜の層の厚さ分析に適用される場合には、その薄膜の層に対する含有率分析の指定の有無に応じて、前記指定された測定すべき2次X線が検量線法による薄膜の層の含有率分析に適用される場合には、その薄膜の層に対する厚さ分析の指定の有無または厚さ分析の可否に応じて、検量線法への適用の可否を判断する。
【0021】
そして、表示制御手段22は、測定線評価手段23により判断された分析の可否、検量線法への適用の可否を表示器16に表示させる。
【0022】
次に、この第1実施形態の装置の動作について、銅と亜鉛からなる単層の薄膜(Cu Zn 層)を銅の基板(Cu 層)上に形成した試料3について薄膜の厚さと組成を分析する場合を例にとり、図2のフローチャートにしたがって説明する。まず、操作者が、分析条件作成手段20(図1)の図示しない入力手段を用いて(以下の操作者による指定、入力において同様)、理論強度計算のもととなる各層の厚さおよび組成(その層の含有率構成)を指定する。この例では、Cu 層は無限厚(X線的に)でCu 100mass%、Cu Zn 層は厚さ100nmでCu 60mass%,Zn 40mass%(残分)と指定する(ステップ1)。なお、Cu 層(基板)は無限厚で組成も既知であるので、あらかじめ入力しておけば、ここで指定する必要はない。
【0023】
次に、操作者が、厚さ分析を行う層と、含有率(特定成分の濃度)分析を行う層およびその成分とを指定する。この例では、Cu Zn 層の厚さ分析を行い、また、Cu Zn 層のCu の含有率分析を行う旨を指定する。Cu Zn 層のZn は、Cu を除いた残分として求めることができる(ステップ2)。
【0024】
次に、ステップ1、2の指定内容に基づいて、測定線評価手段23(図1)が、層ごとに、厚さのみ分析、含有率のみ分析、厚さと含有率の両方の分析、分析なしのいずれかを設定する。この例では、プログラム上、Cu Zn 層には厚さと含有率の両方の分析のフラグがセットされ、Cu 層(基板)は厚さも含有率も既知で分析不要ゆえ分析なしのフラグがセットされる(ステップ3)。
【0025】
次に、操作者が、測定すべき2次X線(以下、測定線ともいう)を、未知パラメータの数だけ指定する。この例では、未知パラメータは、Cu Zn 層の厚さとCu の含有率の2つであるので、Cu −Kα線を厚さ分析に割り当てて指定し、Zn −Kα線をZn の含有率分析に割り当てて指定する(ステップ4)。すなわち、実際にはCu の方がZn の残分として求められることになる。ここで、測定線として、X線管の特性X線やバックグラウンドを用いてもよい。すなわち、これらも試料からの2次X線に含まれる。なお、分析そのものをFP法と検量線法のいずれで行うかも、この段階で指定できる。
【0026】
次に、測定線評価手段23(図1)が(以下、特に明示しない限り、動作の主体は測定線評価手段23である)、指定された測定線ipごとに、FP法により前記指定された厚さおよび組成で第1理論強度IT O (ip)を算出する。この例では、Cu −Kα線とZn −Kα線について、第1理論強度IT O (ip)を算出する(ステップ5)。
【0027】
次に、以下のステップ6〜10を層ごとに行う。まず、厚さのみ分析の層については前記指定された厚さを所定量(所定率を含む。以下同様)変更し、含有率のみ分析の層については前記指定された組成から含有率を所定量変更し、厚さと含有率の両方の分析の層については前記指定された厚さおよび組成から厚さおよび含有率をそれぞれ所定量変更する。この例では、厚さと含有率の両方の分析を行うCu Zn 層において、次式(1),(2)のように、厚さを元Torg の100nmから1%増加させて(α=0.01)Tnew の101nmに変更して組成は元のままの第1組と、厚さは元Torg のままでCu の含有率をもとのWorg の60mass%からΔW=1mass%増加させてWnew の61mass%に変更した第2組とを作成する。第2組では残分のZn の含有率は39mass%になる。なお、含有率を分析する成分が複数ある層では、それら成分ごとに含有率を所定量変更した組を作成する(ステップ6)。
【0028】
Tnew =Torg ×(1.0+α) …(1)
【0029】
Wnew =Worg +ΔW …(2)
【0030】
次に、前記指定された測定線ごとに、厚さまたは含有率を所定量変更した厚さおよび組成で、FP法により第2理論強度IT diff(ip)を算出する。この例では、Cu −Kα線とZn −Kα線について、前記第1組、第2組で、第2理論強度IT diff(ip)を算出する(ステップ7)。
【0031】
次に、第1理論強度IT O (ip)を、装置感度定数k(ip)を用いて測定強度スケールに換算する。すなわち、FP法により算出した理論強度には、その装置で実際に測定した強度と異なり、装置ファクター(装置ごとの特性)が含まれていないので、あらかじめ測定線ipごとに記憶しておいた装置感度定数k(ip)を用いて、次式(1)のように、第1理論強度IT O (ip)から推定測定強度Im O (ip)(単位:kcps)を求める(ステップ8)。
【0032】
Im O (ip)=k(ip)×IT O (ip) …(3)
【0033】
ここで、装置感度定数k(ip)は、代表的な標準物質を用いてその装置または同型の装置で測定した強度の理論強度に対する比として求められ、測定線評価手段23(図1)に記憶される。そのように測定していない測定線については、波長において前後に位置する測定された測定線から内挿または外挿して求められる。なお、理論強度は、1次X線分布を用いて算出するが、1次X線分布は、X線管の種類ごとの特性を反映して求められあらかじめ記憶されているので、使用するX線管の種類を変更しても問題なく推定測定強度が求められる。
【0034】
次に、前記指定された測定線ipごとに、第1および第2理論強度IT O (ip),IT diff(ip)を用いて所定の厚さ精度または含有率精度を算出する。この例では、Cu Zn 層において厚さと含有率の両方の分析を行うので、厚さ精度および含有率精度を算出する。これらの精度の計算にあたり、まず、次式(4)のように推定測定強度の相対精度SigIntを算出する。ここで、測定時間tは、40秒としている。
【0035】
SigInt={Im O (ip)/(t×1000)}1/2 /Im O (ip) …(4)
【0036】
この強度の精度SigIntを用いて、次式(5),(6)のように厚さ相対精度SigThkおよび含有率相対精度SigCncを算出する(ステップ9)。
【0037】
【数1】
【0038】
【数2】
【0039】
次に、厚さのみ分析する層では感度および厚さ精度のチェックを、含有率のみ分析する層では感度および含有率精度のチェックを、厚さと含有率の両方を分析する層では感度、厚さ精度および含有率精度のチェックを行う。この例では、厚さと含有率の両方を分析するCu Zn 層について、以下のように、感度、厚さ精度および含有率精度のチェックを行う。
【0040】
感度のチェックでは、推定測定強度Im O (ip)が、あらかじめ決められた分析可能な最小強度、例えば0.001kcpsよりも小さければ感度不足とする。その成分の付着量が非常に小さい場合や、付着量が大きくても上層にほとんど吸収されてしまうような場合が該当する。
【0041】
厚さ精度のチェックでは、厚さ相対精度SigThkが、あらかじめ決められたチェック値、例えば0.1以下であれば厚さ分析を不可とする。その層がその測定線についてX線的に無限厚である場合には、前記強度の相対精度SigIntが十分良好でも(小さくても)該当する。
【0042】
含有率精度のチェックでは、含有率相対精度SigCncが、あらかじめ決められたチェック値、例えば0.1以下であれば含有率分析を不可とする。この例では、Cu −Kα線が、厚さ分析と含有率分析の両方において不可となる。各測定線についての感度、厚さ精度および含有率精度のチェック結果を、測定線評価手段23(図1)が記憶する(ステップ10)。
【0043】
そして、そのチェック結果を用いて以下のステップ11〜12を層ごとに行うことにより、前記指定された測定線による分析の可否の判断を、厚さ精度または含有率精度に基づいて行う。厚さのみ分析する層では、まず、その層に割り当てた測定線でチェック結果が感度不足であればその旨のエラーをセットする。そして、割り当てた測定線でチェック結果が厚さ分析可であれば分析可能であるが、不可であればその旨のエラーをセットする(ステップ11−A)。含有率のみ分析する層では、まず、その層の各成分に割り当てた測定線でチェック結果が感度不足のものがあればその旨のエラーをセットする。そして、層の各成分に割り当てた測定線でチェック結果が含有率分析可であればその成分の分析可能であるが、含有率分析不可の測定線があればその旨のエラーをセットする(ステップ11−C)。
【0044】
厚さと含有率の両方を分析する層では、その層に割り当てた測定線でチェック結果が感度不足のものがあればその旨のエラーをセットする。そして、層に割り当てた測定線でチェック結果が厚さ分析可のものが1つでもあれば厚さ分析可能であるが、1つもなければ厚さ分析不可の旨のエラーをセットし(ステップ11−B)、さらに、前記ステップ11−Cに進む。ここで、厚さ分析不可でかつ含有率分析不可の測定線があればその旨のエラーをセットする。この例では、CuZn 層においてCu −Kα線が厚さ分析不可でかつ含有率分析不可である旨のエラーをセットする(ステップ11−C)。
【0045】
次に、検量線法の指定がある場合において、前記指定された測定線が検量線法による層の厚さ分析に適用される場合には、その層に対する含有率分析の指定の有無に応じて検量線法への適用の可否を判断する。層の厚さを検量線法で分析するときには、その層の組成の影響を受けるため、含有率が変化しないことが前提となるからである。そこで、その層に対する含有率分析の指定があれば、検量線法では厚さ分析不可の旨の警告のエラーをセットする。
【0046】
また、前記指定された測定線が検量線法による層の含有率分析に適用される場合には、その層に対する厚さ分析の指定の有無または厚さ分析の可否に応じて検量線法への適用の可否を判断する。層の含有率を検量線法で分析するときには、その層の厚さが一定かまたは測定線に対してその層の厚さがX線的に無限厚であることが前提となるからである。そこで、その層に対する厚さ分析の指定があるか、または指定された測定線で厚さ分析が可能であれば、検量線法では含有率分析不可の旨の警告のエラーをセットする(ステップ12)。
【0047】
次に、表示制御手段22(図1)は、以上の測定線評価手段23(図1)により判断された分析の可否、判断された検量線法への適用の可否を表示器16に表示させる(ステップ13)。
【0048】
以上のように、第1実施形態の装置によれば、薄膜試料について、指定した測定線による分析の可否が表示されるので、操作者は、それに基づいて容易に適切な測定線を選択でき、正確な分析ができる。また、指定した測定線の検量線法への適用の可否も表示されるので、操作者は、それに基づいて特に検量線法で分析する場合に容易に適切な測定線を選択でき、正確な分析ができる。
【0049】
さて、ピークに比べバックグラウンド強度が非常に小さいときには問題とならないが、波長の短い測定線を測定するときには、バックグラウンド強度も考慮する必要がある。波長の短いK線の方がL線よりも強度は大きいがバックグラウンドも高く、強度は小さくてもバックグラウンドの低いL線の方が分析の精度がよくなることもある。そこで、第1実施形態の装置では、測定線評価手段23(図1)により、前記指定された測定線ごとに、そのバックグラウンドの理論強度をも算出し、そのバックグラウンド理論強度ならびに第1および第2理論強度を用いて前記所定の厚さ精度または含有率精度を算出することもできる。この場合には、ステップ8で、バックグラウンドの理論強度を、コンプトン散乱とトムソン散乱の和として、次式(7),(8)のように算出して測定強度スケールに換算する。
【0050】
ITB=IOB(λ)×ITBO (λ) …(7)
【0051】
IMB=k(λ)×ITB …(8)
【0052】
ここで、ITBO (λ)は1次X線強度を1.0としたときのバックグラウンド理論強度、IOB(λ)は1次X線分布、ITBは1次X線強度を含めたバックグラウンド理論強度、k(λ)は波長λのバックグラウンド感度係数、IMBはバックグラウンドの推定測定強度である。
【0053】
バックグラウンド感度係数k(λ)は、あらかじめ、その装置または同型の装置で試料を測定して波長ごとにバックグラウンド強度を測定するとともに理論強度を計算し、測定に使用したX線管と管電圧の1次X線分布を用いることにより算出され、測定線評価手段23(図1)に記憶される。バックグラウンド強度を測定しなかった波長のバックグラウンド感度係数k(λ)については、内挿または外挿で求められる。理論強度は、1次X線分布を用いて算出するが、1次X線分布は、X線管の種類ごとの特性を反映して求められあらかじめ記憶されているので、使用するX線管の種類を変更しても問題なく推定測定強度が求められる。
【0054】
なお、シリコンウエハ等のように基板が単結晶である場合には、散乱線の発生状況が特異である上、回折線によりバックグラウンドが大きくなる。このような場合については、使用する単結晶基板を用いてバックグラウンド感度係数k(λ)を求めるか、他のアモルファスや多結晶試料との強度比を波長ごとに求めておく。
【0055】
そして、ステップ9で、厚さ精度および含有率精度を算出するにあたり、前式(4)に代えて次式(9)のように推定測定強度の相対精度SigIntを算出する。
【0056】
SigInt={(Im O (ip)+IMB)/(t×1000)}1/2 /Im O (ip)
…(9)
【0057】
このバックグラウンドの強度も含めて考慮した強度の相対精度SigIntを用い、以降の厚さ相対精度SigThkおよび含有率相対精度SigCncの算出等は、前述したのと同様に行う。このように第1実施形態の装置によれば、測定線評価手段23(図1)において、バックグラウンドの理論強度をも用いて所定の厚さ精度または含有率精度を算出することができるので、測定線による分析の可否判断がより正確になり、操作者は、それに基づいていっそう正確な分析ができる。
【0058】
次に、本発明の第2実施形態の装置について説明する。まず、この装置の構成について、図1にしたがって説明する。この装置は、適切な測定線を自動選択する装置であって、測定線評価手段33が、試料からの2次X線ごとに、薄膜の各層について指定された厚さおよび組成での第1理論強度ならびに厚さまたは含有率を所定量変更した厚さおよび組成での第2理論強度を算出し、第1および第2理論強度を用いて所定の厚さ精度または含有率精度を算出し、その厚さ精度または含有率精度に基づいて、測定すべき2次X線を選択するとともに、その選択した測定すべき2次X線による分析の可否を判断し、さらに、その判断した分析の可否にしたがって、前記選択した測定すべき2次X線を適切な分析条件の一部として制御装置に与えるという点で、前記第1実施形態の装置と異なっている。
【0059】
また、測定線評価手段33が、測定線の検量線法への適用の可否を判断しない点でも、第1実施形態の装置と異なっている。その他の点では同様であるので、同一部分に同一番号を付して説明を省略する。
【0060】
次に、この第2実施形態の装置の動作について、第1実施形態の装置の場合と同様に、銅と亜鉛からなる単層の薄膜(Cu Zn 層)を銅の基板(Cu 層)上に形成した試料3について薄膜の厚さと組成を分析する場合を例にとり、図3のフローチャートにしたがって説明する。まず、ステップ3までは、第1実施形態の装置と同様である。
【0061】
次に、ステップ3の設定内容に基づいて、測定線評価手段33(図1)が、厚さまたは含有率を求める成分について、測定可能な2次X線(測定線の選択にあたり候補となる2次X線)を検索する。含有率のみ分析する層では、分析する各成分について、測定元素を、あらかじめ記憶したものから呼び出し(例えばAl2O3 ではAl 、Cu ではCu )、各元素で測定可能な線種のすべてを、あらかじめ記憶したものから呼び出す。厚さのみ分析する層、すなわち1成分のみか複数成分で組成が固定の層では、その層の元素または下層で含有率が固定された成分の測定元素を呼び出し、各元素で測定可能な線種のすべてを呼び出す。
【0062】
厚さと含有率の両方を分析する層では、厚さの分析成分については、バランス(残分)成分に割り当てて、含有率を分析する各成分について、測定元素を呼び出し、各元素で測定可能な線種のすべてを呼び出す。なお、各元素で測定可能な線種のすべてを呼び出すのではなく、主要線であるKα線、Lα線およびMα線のみから呼び出してもよい。この例では、Cu −Kα線、Cu −Lα線、Zn −Kα線およびZn −Lα線が検索される(ステップ4−2)。また、厚さのみ分析する層と同様に、下層で含有率が固定された成分の測定元素を呼び出し、各元素で測定可能な線種のすべてを呼び出す。
【0063】
以下、このように検索したすべての測定線について、前記第1実施形態の装置と同様に、ステップ5ないし10を実行する。その結果、この例では、Cu −Kα線が、厚さ分析と含有率分析の両方において不可となる。
【0064】
次に、算出した厚さ精度または含有率精度に基づいて、最適な測定線を選択する。最上層から順に、以下のように選択する。含有率のみ分析する層では、成分ごとに、その分析に割り当てられた線種のうち含有率精度の最もよい(小さい)線種を選択する。厚さのみ分析する層では、その分析に割り当てられた線種のうち厚さ精度の最もよい(小さい)線種を選択する。
【0065】
厚さと含有率の両方を分析する層では、まず、測定元素ごとに、含有率精度と厚さ精度の両方が最もよい(小さい)線種があれば、その線種を選択する。そのような線種がない場合であって、含有率精度の最もよい線種が厚さ分析不可の場合には、厚さ精度の最もよい線種を選択する。これら以外の場合には、含有率精度の最もよい線種を選択する。ここまでにおいて、厚さ分析については仮決定とする。
【0066】
さて、薄膜の分析では、同一元素の測定線でも複数線種を選択できる。そこで、前述したように選択された線種で厚さ精度の最も悪い線種に対し、選択されていない線種で厚さ精度のよりよい線種があれば、厚さ精度の最も悪い線種と入れ換えて選択する。また、下層に含まれる元素の線種で厚さ精度がさらによい線種があれば、厚さ精度の最も悪い線種と入れ換えて選択する。選択された測定線が重複しているときは、次の候補の測定線に変更する。この例では、Cu −Lα線とZn −Kα線が仮決定で選択されるが、Zn −Lα線がCu −Lα線と入れ換えて選択され、最終的には、Zn −Kα線とZn −Lα線が選択される。(ステップ10.5)
【0067】
以下、このように選択した測定線について、前記第1実施形態の装置と同様に、ステップ11を実行する。その結果、この例では、Zn −Kα線とZn −Lα線で、厚さ、含有率ともに分析に問題なしとなる。なお、第2実施形態の装置では、測定線の検量線法への適用の可否を判断しないので、ステップ12(図2)は実行しない。そして、第1実施形態の装置と同様に、表示制御手段32(図1)は、測定線評価手段33(図1)により判断された分析の可否を表示器16に表示させる(ステップ13−2)。
【0068】
以上のように、第2実施形態の装置によれば、薄膜試料について、測定線評価手段33(図1)により、測定線が所定の厚さ精度または含有率精度に基づいて適切に自動選択されるので、操作者は、分析条件のうち測定線を選択する必要がなく、正確な分析ができる。しかも、自動選択された測定線による分析の可否が表示されるので、操作者は、それに基づいて不正確な分析を回避でき、より確実に正確な分析ができる。
【0069】
なお、第2実施形態の装置でも、第1実施形態の装置と同様に、バックグラウンドの理論強度をも用いて所定の厚さ精度または含有率精度を算出することができる。
【0070】
さらに、この第2実施形態の装置では、測定線評価手段33(図1)が、前記判断した分析の可否にしたがって、選択した測定線を適切な分析条件の一部として制御装置15(図1)に与える。この例では、Zn −Kα線とZn −Lα線が、測定線として自動設定される。このように、第2実施形態の装置によれば、操作者は、分析条件のうち測定線を設定する手間が軽減される。
【0071】
次に、本発明の第3実施形態の装置について説明する。まず、この装置の構成について、図1にしたがって、説明する。この装置は、第1、第2実施形態の装置と同様に、試料台8、X線源1、検出手段9、制御手段15および表示器16を備えている。そして、この装置は、以下の表示制御手段42および測定線評価手段43を含む分析条件作成手段40を備えている。
【0072】
測定線評価手段43は、指定された2次X線ごとに、薄膜の各層について指定された厚さおよび組成での、試料全体からの理論強度である全体強度、基板または薄膜の各層からの理論強度である各層強度、その各層強度から上層による吸収を除外した理論強度である単層強度、前記各層強度を単層強度で除した減衰比、ならびに、薄膜の各層をX線的に無限厚とした場合の単層強度に対する前記指定された厚さでの単層強度の比である無限厚との比からなる5種の数値を算出するとともに、その算出した数値に基づいて、予め記憶した分析に関する注意事項を選択する。そして、表示制御手段42は、測定線評価手段43により算出された数値および選択された分析に関する注意事項を表示器16に表示させる。
【0073】
次に、この第3実施形態の装置の動作について説明する。従来より、同一元素が異なる層に含まれている薄膜試料などにおいては、特定の層の厚さ分析や含有率分析が不可能な場合があり、その特定の層の組成や厚さを固定して分析することが行われている。その際、薄膜試料から発生する2次X線の理論強度を計算して、測定線としての評価を行うが、従来の装置では、算出して表示される理論強度が、薄膜試料全体からの理論強度である全体強度であったため、評価が容易ではなかった。そこで、第3実施形態の装置では、測定線評価手段43および表示制御手段42により、前記全体強度のみならず、各層強度、単層強度、減衰比および無限厚との比からなる5種の数値を算出するとともに、その算出した数値に基づいて、予め記憶した分析に関する注意事項を選択し、算出された数値および選択された分析に関する注意事項を表示器16に表示させる。
【0074】
第1、第2実施形態の装置の場合と同様に、銅と亜鉛からなる単層の薄膜(Cu Zn 層)を銅の基板(Cu 層)上に形成した試料3について薄膜の厚さと組成を分析する場合を例にとる。まず、操作者が、理論強度計算のもととなる各層の厚さおよび組成(その層の含有率構成)を指定する。この例では、Cu 層は無限厚(X線的に)でCu 100mass%、Cu Zn 層は厚さ100nmでCu 60mass%,Zn 40mass%(残分)と指定する。なお、Cu 層(基板)は無限厚で組成も既知であるので、あらかじめ入力しておけば、ここで指定する必要はない。
【0075】
そして、操作者が、測定可能な2次X線のうち評価しようとするCu −Kα線を指定すると、図4のように表示される。層#1は、Cu Zn 層を意味する。全体強度と1)の各層強度から、Cu −Kα線が、ほとんど基板から発生していることが分かる。3)の減衰比は、上層による吸収の程度を示すものであるが、基板から発生したCu −Kα線が、Cu Zn 層によりほとんど吸収されていないことが分かる。
【0076】
4)の無限厚との比は、各層において、2)の単層強度を、その単層強度から組成はそのままで厚さを無限厚にして計算した強度で除した数値である。この基板のように、4)の無限厚との比が1.0000またはそれに近い値になれば、厚さの分析はできないことが分かる(もっとも、基板については、通常、分析の必要はない)。逆に、この数値が小さく、0.05以下の場合は、X線的にその層が非常に薄いので、薄膜がその層しかないとき、または、その層が薄膜の最上層で下層に同一元素がないときには、付着量と強度が直線関係にあることが分かる。
【0077】
前記分析に関する注意事項については、例えば以下のように選択され表示される。複数層に同一元素が含まれ、層#nにおいて、各層強度と全体強度との比が、所定値例えば0.05以下の場合には、「層#nからの強度は、全体強度と比べ小さく測定が困難です。」との注意事項が、選択され表示される。層#nにおいて、減衰比が、所定値例えば0.01以下の場合には、「層#nからは、上層による吸収が大きくほとんど測定されません。」との注意事項が、選択され表示される。層#nにおいて、無限厚との比が、所定値例えば0.95以上の場合には、「層#nの強度が無限厚に近く、層の厚さの測定は困難です。」との注意事項が、選択され表示される。
【0078】
このように第3実施形態の装置によれば、全体強度、各層強度等とともに適切な分析に関する注意事項が表示されるので、操作者は、それに基づいて容易に適切な測定線を選択でき、正確な分析ができる。なお、測定線評価手段43(図1)による全体強度、各層強度、単層強度、減衰比および無限厚との比の算出にあたり、第1、第2実施形態の装置の動作におけるステップ8と同様に、理論強度を測定強度スケールに換算することも可能である。また、蛍光X線のみならず、バックグラウンドを指定して、前式(7),(8)等を用いてバックグラウンドの理論強度を算出し、表示させることも可能である。
【0079】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の蛍光X線分析装置によれば、薄膜試料について、適切な測定すべき2次X線の選択が容易で、正確な分析ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1ないし第3実施形態の蛍光X線分析装置を示す概略図である。
【図2】第1実施形態の装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】第2実施形態の装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】第3実施形態の装置による表示の一例を示す図である。
【符号の説明】
2…1次X線、3…試料、4,6…2次X線、22,32,42…表示制御手段、15…制御装置、16…表示器、23,33,43…測定線評価手段。
Claims (6)
- 単層もしくは多層の薄膜を基板上にまたは独立して形成した試料に、1次X線を照射して発生する2次X線の強度を測定する蛍光X線分析装置であって、
指定された測定すべき2次X線ごとに、薄膜の各層について指定された厚さおよび組成での第1理論強度ならびに厚さまたは含有率を所定量変更した厚さおよび組成での第2理論強度を算出し、前記第1および第2理論強度を用いて所定の厚さ精度または含有率精度を算出し、その厚さ精度または含有率精度に基づいて、前記指定された測定すべき2次X線による分析の可否を判断する測定線評価手段と、
その測定線評価手段により判断された分析の可否を表示器に表示させる表示制御手段とを備えた蛍光X線分析装置。 - 請求項1において、
前記測定線評価手段が、前記指定された測定すべき2次X線が検量線法による薄膜の層の厚さ分析に適用される場合には、その薄膜の層に対する含有率分析の指定の有無に応じて、前記指定された測定すべき2次X線が検量線法による薄膜の層の含有率分析に適用される場合には、その薄膜の層に対する厚さ分析の指定の有無または厚さ分析の可否に応じて、検量線法への適用の可否を判断し、
前記表示制御手段が、前記測定線評価手段により判断された検量線法への適用の可否を表示器に表示させる蛍光X線分析装置。 - 単層もしくは多層の薄膜を基板上にまたは独立して形成した試料に、1次X線を照射して発生する2次X線の強度を測定する蛍光X線分析装置であって、
試料からの2次X線ごとに、薄膜の各層について指定された厚さおよび組成での第1理論強度ならびに厚さまたは含有率を所定量変更した厚さおよび組成での第2理論強度を算出し、前記第1および第2理論強度を用いて所定の厚さ精度または含有率精度を算出し、その厚さ精度または含有率精度に基づいて、測定すべき2次X線を選択するとともに、その選択した測定すべき2次X線による分析の可否を判断する測定線評価手段と、
その測定線評価手段により判断された分析の可否を表示器に表示させる表示制御手段とを備えた蛍光X線分析装置。 - 請求項3において、
与えられた分析条件にしたがって試料の分析を実行する制御装置を備え、
前記測定線評価手段が、前記判断した分析の可否にしたがって、前記選択した測定すべき2次X線を適切な分析条件の一部として前記制御装置に与える蛍光X線分析装置。 - 請求項1ないし4のいずれかにおいて、
前記測定線評価手段が、2次X線ごとに、そのバックグラウンドの理論強度をも算出し、そのバックグラウンド理論強度ならびに前記第1および第2理論強度を用いて所定の厚さ精度または含有率精度を算出する蛍光X線分析装置。 - 単層もしくは多層の薄膜を基板上にまたは独立して形成した試料に、1次X線を照射して発生する2次X線の強度を測定する蛍光X線分析装置であって、
指定された2次X線ごとに、薄膜の各層について指定された厚さおよび組成での、試料全体からの理論強度である全体強度、基板または薄膜の各層からの理論強度である各層強度、その各層強度から上層による吸収を除外した理論強度である単層強度、前記各層強度を単層強度で除した減衰比、ならびに、薄膜の各層をX線的に無限厚とした場合の単層強度に対する前記指定された厚さでの単層強度の比である無限厚との比からなる5種の数値のうちの少なくとも2種の数値を算出するとともに、その算出した数値に基づいて、予め記憶した分析に関する注意事項を選択する測定線評価手段と、
その測定線評価手段により算出された数値および選択された分析に関する注意事項を表示器に表示させる表示制御手段とを備えた蛍光X線分析装置。
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