JP3377328B2 - 蛍光x線分析方法 - Google Patents

蛍光x線分析方法

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、組成が既知の標準試料
についての検量線を用いないで、分析対象試料に含まれ
る各元素の含有率を算出する蛍光X線分析方法に関する
ものである。 【0002】 【従来の技術】従来より、この種の分析方法として、試
料の組成を仮定して計算した各含有元素の蛍光X線の理
論強度と、試料に1次X線を照射して発生した各含有元
素の蛍光X線の実測強度とを用い、両強度が一致するよ
うに、前記仮定した組成を構成する各元素の含有率を逐
次近似的に修正計算して、試料の各含有元素の含有率を
算出することにより試料の組成を求める蛍光X線分析方
法、いわゆるファンダメンタルパラメータ法がある。こ
こで、試料から発生する各含有元素の蛍光X線の実測強
度とは、測定された強度そのものではなく、実際には、
例えば、以下のようにして求める。 【0003】まず、あらかじめ使用する蛍光X線分析装
置において、組成が既知の標準試料について、1次X線
を照射して発生した蛍光X線の強度Im を測定する。一
方、前記既知の組成における含有率での理論強度It
算出する。そして、前記測定強度Im をその理論強度I
t で除することにより、各元素ごとに、理論強度に対す
る測定強度の感度Im /It を算出しておく。そして、
組成が未知の分析対象の試料に、1次X線を照射して発
生した蛍光X線の強度im を測定し、発生した蛍光X線
のスペクトルごとに、その測定強度im と前記感度との
比it を次式のように算出する。 it =im /(Im /It )=im ×It /Im この比it は、試料から発生した蛍光X線の強度im
いわば理論強度スケールに換算した強度it であり、す
なわち前記実測強度として用いられる。 【0004】前記組成が既知の標準試料としては、特定
元素を高い含有率で含む純物質または酸化物にそれぞれ
1元素を代表させた標準試料(以下、単一元素型の標準
試料と呼ぶ)を複数用いる場合と、1個で複数の元素を
含みそれらの元素を代表する標準試料(以下、複数元素
型の標準試料と呼ぶ)を単数用いる場合とが考えられ
る。一般にファンダメンタルパラメータ法においては、
試料の組成が異なると共存元素によるX線吸収の効果が
異なることなどから、分析対象試料に組成が近似する複
数元素型の標準試料を用いると、正確な組成が求められ
ることが知られている。そこで、ファンダメンタルパラ
メータ法を用いるにあたって、あらかじめ組成が相異な
る複数元素型の標準試料を複数用意しておき、分析対象
試料の概略の組成を求め、分析対象試料に組成が近似す
る複数元素型の標準試料を検索して用いようとすること
が従来より行われており、具体的には主に以下の2方法
がある。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】従来の第1の方法は、
分析対象試料に1次X線を照射して発生した各含有元素
の蛍光X線のX線強度を測定し、概略組成の代用とし、
複数の複数元素型の標準試料に1次X線を照射して発生
した各含有元素の蛍光X線のX線強度と比較して、近似
したものを検索する方法である。この方法には以下のよ
うな問題がある。今、複数用意した複数元素型の標準試
料の中に、表1に示すようなセルロース[(C6 10
5 n ]を主成分として鉄(Fe )を含む標準試料No
.1と、表2に示すようなポリプロピレン[(C3
6 n ]を主成分として鉄を含む標準試料No .2とが
含まれていたとする。 【0006】 【表1】 【0007】 【表2】 【0008】ここで、一般に蛍光X線分析では、C、
H、O等の軽元素から発生する蛍光X線は強度が低くま
た発生過程も複雑で正確な分析が困難なため、これらか
ら発生する蛍光X線の強度はデータとして用いないこと
が多い。また、この第1の方法では、含有元素の蛍光X
線の測定強度を概略組成の代用とするので、分析対象試
料との比較に用いられるデータは、標準試料No .1お
よびNo .2において、鉄から発生した蛍光X線の強度
がそれぞれ 1m および 2m であるということだけで
ある。このとき、分析対象試料が、表3に示すようにセ
ルロース[(C6105 n ]を主成分として鉄(Fe
)を含んでいるとすると、前記と同様の理由で、標準
試料との比較に用いられるデータは、分析対象試料中の
鉄から発生した蛍光X線の強度がim であるということ
だけである。 【0009】 【表3】 【0010】したがって、この第1の方法では、各試料
中の鉄から発生した蛍光X線の強度においてim 2
m であれば、分析対象試料に組成が近似する標準試料と
して標準試料No .2を検索する。ところが、分析対象
試料の主成分はセルロースであり、標準試料No .2の
主成分はポリプロピレンであるので、両者の組成は近似
したものとはいえず、その結果、標準試料No .2を用
いてファンダメンタルパラメータ法により分析対象試料
を分析すると、正確な組成が得られない。この場合は、
むしろ主成分が一致する標準試料No .1を、分析対象
試料に組成が近似する標準試料として用いるべきであ
る。 【0011】これに対し、第2の方法では、単一元素型
の標準試料を用いたファンダメンタルパラメータ法によ
り、分析対象試料の概略組成を求め、分析対象試料と複
数元素型の標準試料との比較において、両者の成分含有
率のデータを用いる。したがって、例えば、表1におい
ては、標準試料No .1には鉄が2%含まれ、残りの9
8%は主成分のセルロースであるということまでが分析
対象試料との比較に用いられるデータとなる。これによ
り、分析対象試料の概略組成において主成分がセルロー
スであることまで求められれば、組成が近似する標準試
料として標準試料No .1を検索できる。したがって、
この第2の方法には前記第1の方法のような問題はない
が、以下のような別の問題がある。 【0012】一般に、酸素よりも原子番号の小さいいわ
ゆる超軽元素においては、1次X線が照射された場合、
蛍光X線の発生よりも光電子の発生の方が多く、しかも
その光電子は他の蛍光X線を発生させるという複雑な現
象が起きる。ファンダメンタルパラメータ法は、この現
象の効果を考慮していないため、分析対象試料が超軽元
素を含む場合、前記第2の方法では、概略組成が不正確
なものとなり、やはり、分析対象試料に組成が近似する
標準試料を正しく検索できない。その結果、前記第1の
方法と同様に、組成が近似しない複数元素型の標準試料
を用いてファンダメンタルパラメータ法により分析対象
試料を分析することになり、正確な組成が得られない。 【0013】本発明は前記従来の問題に鑑みてなされた
もので、X線を用いて、組成が未知の分析対象試料に対
し、その分析対象試料がいわゆる超軽元素を含むもので
あっても、組成と各含有元素から発生する蛍光X線強度
とが既知で組成が相異なる複数の標準試料の中から、組
成が近似する標準試料を検索できる方法を提供すること
を目的とする。 【0014】 【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、請求項1の方法では、まず、X線を用いて、組成が
未知の分析対象試料に対し、組成と各含有元素から発生
する蛍光X線強度とが既知で組成が相異なる複数の標準
試料の中から、組成が近似する標準試料を検索する方法
において、分析対象試料の組成を仮定して計算した各含
有元素の蛍光X線の理論強度または予め計算した理論マ
トリックス補正定数と、分析対象試料に1次X線を照射
して発生した各含有元素の蛍光X線の測定強度とに基づ
いて、ファンダメンタルパラメータ法またはセミファン
ダメンタルパラメータ法を用いて分析対象試料の各含有
元素の含有率を算出することにより分析対象試料の概略
の組成を求める。 【0015】次に、前記概略組成とすべての標準試料の
組成を対比し、前記概略組成に所定の元素よりも原子番
号の小さい元素が含まれない場合には、前記概略組成を
そのまま比較用組成とし、前記概略組成に前記所定の元
素よりも原子番号の小さい元素が含まれる場合には、対
比する標準試料における当該元素の蛍光X線強度および
含有率ならびに分析対象試料における当該元素の蛍光X
線強度から前記概略組成を補正して比較用組成とする。
そして、前記比較用組成を構成する各元素の含有率と対
比する標準試料の組成を構成する当該元素の含有率との
差に基づいて、分析対象試料に組成が近似する標準試料
を検索する。 【0016】 【作用および効果】本発明によれば、分析対象試料の各
含有元素の含有率を算出することにより分析対象試料の
概略の組成を求め、なおかつ、前記概略組成に酸素等所
定の元素よりも原子番号の小さい元素が含まれる場合に
は、対比する標準試料における当該元素の蛍光X線強度
および含有率ならびに分析対象試料における当該元素の
蛍光X線強度から前記概略組成を補正するので、分析対
象試料がいわゆる超軽元素を含むものであっても、組成
が近似する標準試料を検索できる。 【0017】 【実施例】以下、本発明の実施例を図面にしたがって説
明する。まず、使用する蛍光X線分析装置において、概
略組成を求めるために用いる組成が既知で相異なる複数
の単一元素型の標準試料3を、図1の試料台8に取り付
けて、X線源1から発生させた1次X線2を照射して、
発生した2次X線4を分光器5に入射させ、分光された
主たる構成元素から発生した蛍光X線6の強度Im を、
検出器7で測定する。一方、前記既知の組成における含
有率での理論強度It を算出する。そして、前記測定強
度Im をその理論強度It で除することにより、各元素
ごとに、理論強度に対する測定強度の感度Im /It
算出しておく。 【0018】また、その蛍光X線分析装置において、分
析対象試料13と組成を比較するために用いる組成が既
知で相異なる複数の複数元素型の標準試料3について
も、各元素ごとに、同様に1次X線2を照射して発生し
た蛍光X線6の強度Im を測定しておく。なお、分析対
象試料13は通常は複数の元素を含むと考えられるの
で、組成を比較するための標準試料3には複数元素型の
標準試料3を用いるが、分析対象試料13が単一の元素
しか含まないことも予想される場合には、単一元素型の
標準試料3を組成を比較するための標準試料3に含めて
もよい。 【0019】次に、同様に、分析対象試料13に1次X
線2を照射して、発生した蛍光X線6の強度im を測定
し、従来の技術で前述したように、発生した蛍光X線6
のスペクトルごとに前記実測強度it (=im ×It
m )を算出し、この実測強度it と、分析対象試料1
3の組成を仮定して計算した各含有元素の蛍光X線の理
論強度とを用い、ファンダメンタルパラメータ法によっ
て、分析対象試料13の各含有元素の含有率を算出する
ことにより概略組成を求める。 【0020】ここで、この分析対象試料13の概略組成
は、上述の厳密な意味でのファンダメンタルパラメータ
法に限らず、予め計算した理論マトリックス補正定数
と、分析対象試料13に1次X線2を照射して発生した
各含有元素の蛍光X線6の測定強度im とに基づいて、
分析対象試料13の各含有元素の含有率を算出すること
により分析対象試料13の組成を求める、いわゆるセミ
ファンダメンタルパラメータ法によって求めてもよい。
セミファンダメンタルパラメータ法では、例えば、以下
のようにして、分析対象試料13の各含有元素の含有率
を算出する。 【0021】まず、前記ファンダメンタルパラメータ法
で説明したのと同様に、使用する蛍光X線分析装置にお
いて、複数の単一元素型の標準試料3について、主たる
構成元素kから発生した蛍光X線6の強度Imkを測定す
る。次に、セミファンダメンタルパラメータ法では、次
式(1)のマトリックス補正式を用いる。 【0022】 【数1】 【0023】(1)式を用い、前記複数の単一元素型の
標準試料3における、既知である元素kの含有率wk
測定強度Imk、共存元素jの含有率wj 、および理論マ
トリックス補正定数αkjから、元素kの純物質から発生
する推定測定X線強度Ipk(以下、この強度を標準強度
と呼ぶことにする)を算出しておく。なお、理論マトリ
ックス補正定数αkjの計算については後述する。 【0024】ここで、標準強度の算出のための測定は、
使用する蛍光X線分析装置において30元素程度につい
て、最初に1回行って得られた標準強度を記憶しておけ
ばよく、分析対象試料13の測定ごとに行う必要はな
い。分析対象試料13に、標準強度を求めていない元素
が含まれている場合には、その元素に対し原子番号にお
いて前後の元素についての標準強度から直線補間等し
て、その元素の標準強度の代用とする。 【0025】分析対象試料13に1次X線2を照射し
て、発生した蛍光X線6の強度imkを測定し、発生した
蛍光X線6ごとに、(1)式のマトリックス補正式に代
入して、各含有元素kの含有率wk を算出する。 【0026】前記理論マトリックス補正定数αkjについ
ては、以下のようにして、予め計算しておく。例えば、
含有率を算出しようとする元素Si に対する共存元素F
e の吸収の効果を補正するための理論マトリックス補正
定数αSiFeを計算するには、Si の含有率が100%の
試料と、Si およびFe の含有率がそれぞれ50%の試
料とを想定し、それらの試料中のSi から発生する蛍光
X線6の理論強度ItpおよびIt50 を計算する。(1)
式において、Ipk=Itp、Imk=It50 とし、wk =w
Si=50、wj =wFe=50であるから、 【0027】 【数2】 【0028】となり、この(2)式から、理論マトリッ
クス補正定数αSiFeが計算できる。このように、元素k
に対する共存元素jの吸収の効果を補正するための理論
マトリックス補正数αkjを予め計算しておく。 【0029】ところで、(1)式から、分析対象試料1
3の各含有元素kの含有率wk を算出するには、分析対
象試料13におけるk以外の元素jの含有率wj も必要
であるが、これに対しては、(1)式の右辺のwj をま
ずすべて0とおいて、左辺のwk として各元素のwj
求め、これを第0次近似 0j として使用する。1次近
似以降は、(n−1)次近似の定量値 n-1j をwj
使用し、全元素について、 n-1j nj の差(絶対
値判定)または比(相対値判定)が所定の許容値の範囲
内になるまで逐次近似計算を行う。 【0030】以上のように、セミファンダメンタルパラ
メータ法により、予め計算した理論マトリックス補正定
数αkjと、分析対象試料13から発生した各含有元素k
の蛍光X線6の測定強度imkとに基づいて、分析対象試
料13の各含有元素kの含有率wk を算出することによ
り分析対象試料13の概略組成が求められる。このセミ
ファンダメンタルパラメータ法は、広い意味でのファン
ダメンタルパラメータ法に含まれ、狭義の厳密なファン
ダメンタルパラメータ法よりも精度は劣るものの、計算
時間が短くて済むので、概略組成を求める本発明には適
している。 【0031】そして、このようにして求めた概略組成
に、所定の元素例えば酸素よりも原子番号の小さい元素
が含まれない場合には、概略組成をそのまま比較用組成
とし、概略組成に酸素よりも原子番号の小さい元素が含
まれる場合には、以下のように概略組成を補正して比較
用組成とする。 【0032】表4に示すような概略組成の分析対象試料
13と、表5に示すような組成の複数元素型の標準試料
3を対比したとする。 【0033】 【表4】 【0034】 【表5】 【0035】このとき、ファンダメンタルパラメータ法
(セミファンダメンタルパラメータ法を含む)で求めた
分析対象試料13における超軽元素たる炭素(C)の含
有率w1 (%)は、前述した理由で信頼性に乏しいので
無視し、表5の対比する標準試料3における炭素の蛍光
X線強度Im1および含有率W1 ならびに分析対象試料1
3における炭素の蛍光X線強度im1から比例計算W1 ×
(im1/Im1)をして、新たな炭素の含有率w1 =W1
×(im1/Im1)として置き換える。この置換を分析対
象試料13に含まれる超軽元素すべてについて行う。 【0036】分析対象試料13に含まれる全元素の含有
率の総和w1 +w2 +……は、ファンダメンタルパラメ
ータ法で算出された値によれば100%であったが、こ
のような置換により、100%とはならなくなるので、
これが100%となるように各含有率を一定比率で拡大
または縮小する。こうして補正された最終的な含有率w
1 ,w2 ,……を比較用組成とする。本実施例では、こ
のように概略組成の補正を簡便な比例計算により行った
が、時間を要してもより厳密な補正を行いたい場合に
は、この補正をファンダメンタルパラメータ法により行
うこともできる。 【0037】対比すべき複数元素型の標準試料3すべて
に対して、それぞれこのようにして求めた分析対象試料
13の比較用組成を用いて、組成を比較する。具体的に
は、例えば、表4に示すような前記補正後の比較用組成
をもつ分析対象試料13と、表5に示すような組成の複
数元素型の標準試料3とにおいて、各元素の含有率の差
の絶対値の合計、|w1 −W1 |+|w2 −W2 |+…
…を求め、この値が最も小さくなった複数元素型の標準
試料3を、分析対象試料13に組成が近似する標準試料
3として検索する。ここで、各元素の含有率の差の絶対
値の合計の代わりに、各元素の含有率の差の2乗の合
計、または各元素の含有率と原子番号の3乗の積の差の
絶対値の合計としてもよい。 【0038】以上のように、本実施例によれば、分析対
象試料13の各含有元素の含有率を算出することにより
分析対象試料13の概略の組成を求め、なおかつ、前記
概略組成に酸素よりも原子番号の小さい元素が含まれる
場合には、対比する標準試料3における当該元素の蛍光
X線強度および含有率ならびに分析対象試料13におけ
る当該元素の蛍光X線強度から前記概略組成を補正する
ので、分析対象試料13がいわゆる超軽元素を含むもの
であっても、組成が近似する標準試料3を検索できる。
その結果、本実施例によって検索した標準試料3を用い
て、ファンダメンタルパラメータ法により分析対象試料
13を分析すれば、分析対象試料13の正確な組成が得
られる。 【0039】なお、本実施例では、概略組成に酸素より
も原子番号の小さい元素が含まれる場合に概略組成を補
正することとしたが、この基準となる元素は酸素に限る
ものではなく、状況に応じて適切な原子番号の元素を選
択すればよい。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の一実施例に用いる蛍光X線分析装置を
示す側面図である。 【符号の説明】 2…1次X線、3…標準試料、6…蛍光X線、13…分
析対象試料。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−337252(JP,A) 特開 平6−331577(JP,A) 特開 平5−264480(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 23/223

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 X線を用いて、組成が未知の分析対象試
    料に対し、組成と各含有元素から発生する蛍光X線強度
    とが既知で組成が相異なる複数の標準試料の中から、組
    成が近似する標準試料を検索する方法において、 分析対象試料の組成を仮定して計算した各含有元素の蛍
    光X線の理論強度または予め計算した理論マトリックス
    補正定数と、分析対象試料に1次X線を照射して発生し
    た各含有元素の蛍光X線の測定強度とに基づいて、ファ
    ンダメンタルパラメータ法またはセミファンダメンタル
    パラメータ法を用いて分析対象試料の各含有元素の含有
    率を算出することにより分析対象試料の概略の組成を求
    め、 前記概略組成とすべての標準試料の組成を対比し、 前記概略組成に所定の元素よりも原子番号の小さい元素
    が含まれない場合には、前記概略組成をそのまま比較用
    組成とし、 前記概略組成に前記所定の元素よりも原子番号の小さい
    元素が含まれる場合には、対比する標準試料における当
    該元素の蛍光X線強度および含有率ならびに分析対象試
    料における当該元素の蛍光X線強度から前記概略組成を
    補正して比較用組成とし、 前記比較用組成を構成する各元素の含有率と対比する標
    準試料の組成を構成する当該元素の含有率との差に基づ
    いて、分析対象試料に組成が近似する標準試料を検索す
    ることを特徴とする検索方法。
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