JP2872926B2 - 蛍光x線分析方法 - Google Patents

蛍光x線分析方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、組成が既知の標準試料
についての検量線を用いないで、分析対象試料に含まれ
る各元素の含有率を算出する蛍光X線分析方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の分析方法として、試
料の組成を仮定して計算した各含有元素の蛍光X線の理
論強度と、試料に1次X線を照射して発生した各含有元
素の蛍光X線の実測強度とを用い、両強度が一致するよ
うに、前記仮定した組成を構成する各元素の含有率を逐
次近似的に修正計算して、試料の各含有元素の含有率を
算出することにより試料の組成を求める蛍光X線分析方
法、いわゆるファンダメンタルパラメータ法がある。こ
こで、試料から発生する各含有元素の蛍光X線の実測強
度とは、測定された強度そのものではなく、実際には、
例えば、以下のようにして求める。
【0003】まず、あらかじめ使用する蛍光X線分析装
置において、組成が既知の標準試料について、1次X線
を照射して発生した蛍光X線の強度Im を測定する。一
方、前記既知の組成における含有率での理論強度It
算出する。そして、各元素ごとに、その理論強度It
前記測定強度Im で除したものIt /Im を、装置感度
t /Im として記憶しておく。そして、組成が未知の
分析対象の試料に、1次X線を照射して発生した蛍光X
線の強度im を測定し、その蛍光X線を発生させた元素
ごとに、測定強度im と前記装置感度との積it を次式
のように算出する。 it =im ×(It /Im )=im ×It /Im この積it は、試料から発生した蛍光X線の強度im
いわば理論強度スケールに換算した強度it であり、す
なわち前記実測強度it として用いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、1元素から
発生する蛍光X線は、1種類すなわち1波長ではなく、
蛍光X線の発生に係わる電子の遷移との関係から、Kα
1 ,Kα2 ,Kβ1 ,Kβ2 ,Kβ3 ,Lα1 ,L
α2 ,Lβ1 ,Lβ2 ,Lβ3 …,Lγ1 ,Lγ2 ,L
γ3 …などと名付けられた複数の波長の相異なる蛍光X
線、すなわち各スペクトル線が発生する。ここで、Kα
1 線とKα2 線とは2重線で一般には分離が困難なた
め、合わせてKα線と呼ばれる。したがって、標準試料
を用いて装置感度を求めたときには、ある元素について
Kα線を基準としてKα線についての装置感度ItA/I
mAを求めたが、分析対象の試料では、Kα線に妨害スペ
クトル線が重なっているため、代わりにKβ1 線につい
てその強度imBを測定したというような事態が生ずる。
【0005】この場合の前記実測強度itBは、前述した
ように、itB=imB×ItB/ImBで求められるが、この
うち標準試料におけるKβ1 線での測定強度ImBは測定
していないので、従来は、これを、標準試料におけるK
α1 線での測定強度ImAと理論強度比ItB/ItAとを用
いてImA×(ItB/ItA)として置き換えていた。その
結果、実測強度itBは、itB=imB×ItA/ImA=imB
×(ItA/ImA)となり、基準となるKα1 線での装置
感度ItA/ImAを、分析対象の試料におけるKβ1 線で
の測定強度imBに対してもそのまま用いることとなって
いた。前記置換は、理論強度比ItB/ItAと測定強度比
mB/ImAが等しいという仮定に基づいているのである
が、以下のような理由で、両者は実際には一致しない。
【0006】まず、第1に、測定強度は、分析装置にお
ける分光結晶等の分光系の波長特性によって異なるが、
理論強度においては、この分光系の波長特性を考慮して
いない。第2に、たとえばKα1 線とKα2 線とは完全
な分離測定が困難なため、理論強度では、それらの加重
平均波長であって合計の強度をもつKα線として扱う
が、実際の測定では、装置の分解能によってKα1 線と
Kα2 線との分離の度合いが異なる。第3に、理論強度
計算に用いる各蛍光X線の発生効率の物理定数が、誤差
を含んでいる。
【0007】これらの理由から、理論強度比ItB/ItA
と測定強度比ImB/ImAは、実際には一致しない。すな
わち、従来の技術では、標準試料から発生する基準とな
るスペクトル線の強度を測定して装置感度を求めたとき
と、分析対象試料から発生するスペクトル線の強度を測
定したときとにおいて、各元素について測定したスペク
トル線が異なる場合には、分析対象試料の正確な実測強
度が求められず、したがって、各含有元素の正確な含有
率を算出することができない。
【0008】本発明は前記従来の問題に鑑みてなされた
もので、標準試料から発生する基準となるスペクトル線
の強度を測定して装置感度を求めたときと、分析対象試
料から発生するスペクトル線の強度を測定したときとに
おいて、各元素について測定したスペクトル線が異なる
場合においても、分析対象試料における各含有元素の正
確な含有率を算出することができる蛍光X線分析方法を
提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、請求項1の方法では、X線が照射された試料から発
生する蛍光X線の強度に基づいて試料における元素の含
有率を算出する蛍光X線分析方法において、まず、主た
る構成元素が相異なりその含有率が既知である複数の標
準試料に1次X線を照射して、前記主たる構成元素から
発生する蛍光X線について、各スペクトル線ごとに、そ
の強度を測定し、その測定強度と理論強度とに基づいて
装置感度を算出する。そして、各元素ごとに、前記算出
した装置感度のうち、基準となるスペクトル線について
の装置感度を基準装置感度として記憶するとともに、前
記基準となるスペクトル線以外のスペクトル線について
のそれぞれの装置感度を記憶しておく。
【0010】次に、構成元素の含有率が未知である分析
対象試料に、1次X線を照射して発生した蛍光X線の強
度を測定し、その蛍光X線を発生させた元素ごとに、強
度を測定した蛍光X線が前記基準となるスペクトル線で
ある場合には前記基準装置感度を用い、強度を測定した
蛍光X線が前記基準となるスペクトル線以外のスペクト
ル線である場合には前記それぞれの装置感度を用いて、
分析対象試料における元素の含有率を算出する。
【0011】
【作用および効果】本発明によれば、標準試料の主たる
構成元素から発生する各スペクトル線について、各元素
ごとに、基準となるスペクトル線以外のスペクトル線に
ついてもそれぞれの装置感度を算出して記憶しておき、
分析対象試料において強度を測定した蛍光X線が基準と
なるスペクトル線以外のものである場合には、前記それ
ぞれの装置感度を用いるので、常に、分析対象試料にお
ける各含有元素の正確な含有率を算出することができ
る。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面にしたがって説
明する。まず、使用する蛍光X線分析装置において、主
たる構成元素が相異なりその含有率が既知である複数の
標準試料3を、順次、図1の試料台8に取り付けて、X
線源1から発生させた1次X線2を照射して、発生した
2次X線4を分光器5に入射させ、分光された主たる構
成元素から発生する蛍光X線6について、各スペクトル
線ごとに、その強度ImA,ImB…を検出器7で測定す
る。一方、前記既知の含有率での理論強度ItA,ItB
を算出し、各スペクトル線6について、その理論強度I
tA,ItB…をそれぞれの測定強度ImA,ImB…で除する
ことにより、それぞれの装置感度ItA/ImA,ItB/I
mB…を算出する。ここで用いる標準試料3は、多くの場
合純物質である。
【0013】この算出を、各標準試料3ごと、すなわ
ち、各元素ごとに行い、また、各元素ごとに、算出した
装置感度ItA/ImA,ItB/ImB…のうち基準となるス
ペクトル線、たとえばKα線での装置感度ItA/ImA
基準装置感度ItA/ImAとして記憶するとともに、基準
となるスペクトル線以外のスペクトル線についてのそれ
ぞれの装置感度ItB/ImB…も記憶しておく。ここで、
この基準となるスペクトル線は、各元素についてたとえ
ば強い強度で測定されたものを採用すればよく、ある元
素についてはKα線で、別の元素についてはKβ1 線で
ある、といったように、元素ごとに異なっていてもよ
い。
【0014】次に、同様に、分析対象試料13に1次X
線2を照射して、発生した蛍光X線6の強度を測定す
る。そして、各元素について、その強度を測定した蛍光
X線6が基準となるスペクトル線、たとえばKα線であ
る場合には基準装置感度ItA/ImAを用い、その強度を
測定した蛍光X線6が基準となるスペクトル線すなわち
Kα線以外のスペクトル線である場合にはそれぞれの装
置感度ItB/ImB…を用いて、測定強度との積を実測強
度として算出する。そして、この実測強度と、分析対象
試料13の組成を仮定して計算した各含有元素の蛍光X
線の理論強度とを用い、両強度が一致するように、仮定
した組成を構成する各元素の含有率を逐次近似的に修正
計算して、分析対象試料13の各含有元素の含有率を算
出することにより試料の組成を求める。
【0015】以上のように、本実施例によれば、標準試
料3の主たる構成元素から発生する各スペクトル線6に
ついて、各元素ごとに、基準となるスペクトル線以外の
スペクトル線についてもそれぞれの装置感度を算出して
記憶しておき、分析対象試料13において強度を測定し
た蛍光X線6が基準となるスペクトル線以外のものであ
る場合には、前記それぞれの装置感度を用いるので、常
に、分析対象試料13の正確な実測強度が求められ、し
たがって、分析対象試料13における各含有元素の正確
な含有率を算出することができる。
【0016】なお、本実施例では、各元素ごとに、基準
となるスペクトル線以外のスペクトル線についても、そ
れぞれの装置感度そのものを算出してかつ記憶したが、
基準となるスペクトル線での装置感度との比を算出して
その装置感度比を記憶し、実測強度を求める際に、その
装置感度比と基準装置感度とからそれぞれの装置感度を
再度算出して用いてもよい。また、これらの装置感度や
装置感度比は、それらを求めるのに用いた蛍光X線分析
装置の特性に依存するものなので、ある1台の装置で求
めておけば、それと同型の他の装置にも用いることがで
きる。また、同一装置においても、X線管の管電圧等の
分析条件が変化しても、用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す側面図である。
【符号の説明】
2…1次X線、3…標準試料、6…蛍光X線、13…分
析対象試料。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線が照射された試料から発生する蛍光
    X線の強度に基づいて試料における元素の含有率を算出
    する蛍光X線分析方法において、 主たる構成元素が相異なりその含有率が既知である複数
    の標準試料に1次X線を照射して、前記主たる構成元素
    から発生する蛍光X線について、各スペクトル線ごと
    に、その強度を測定し、その測定強度と理論強度とに基
    づいて装置感度を算出し、 各元素ごとに、前記算出した装置感度のうち、基準とな
    るスペクトル線についての装置感度を基準装置感度とし
    て記憶するとともに、前記基準となるスペクトル線以外
    のスペクトル線についてのそれぞれの装置感度を記憶
    し、 構成元素の含有率が未知である分析対象試料に、1次X
    線を照射して発生した蛍光X線の強度を測定し、 その蛍光X線を発生させた元素ごとに、強度を測定した
    蛍光X線が前記基準となるスペクトル線である場合には
    前記基準装置感度を用い、強度を測定した蛍光X線が前
    記基準となるスペクトル線以外のスペクトル線である場
    合には前記それぞれの装置感度を用いて、 分析対象試料における元素の含有率を算出することを特
    徴とする蛍光X線分析方法。
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