JP2001304843A - 膜厚測定方法と装置 - Google Patents

膜厚測定方法と装置

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JP2001304843A
JP2001304843A JP2000126451A JP2000126451A JP2001304843A JP 2001304843 A JP2001304843 A JP 2001304843A JP 2000126451 A JP2000126451 A JP 2000126451A JP 2000126451 A JP2000126451 A JP 2000126451A JP 2001304843 A JP2001304843 A JP 2001304843A
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film
ray
target film
film thickness
specific
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Application number
JP2000126451A
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English (en)
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Akira Kobayashi
彰 小林
Hiroyasu Kubo
泰康 久保
Shoji Kuwabara
章二 桑原
Makoto Nishino
誠 西埜
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Shimadzu Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Shimadzu Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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  • Length-Measuring Devices Using Wave Or Particle Radiation (AREA)
  • Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 40μmを越える厚膜でも膜厚を高精度に測
定できるようにする。 【解決手段】 対象膜2の下地3に対象膜2を透過して
励起線4を照射することにより下地3中の元素Pbの原
子を励起し、この励起の結果前記下地3の元素Pbから
放射され対象膜2を透過してくる固有X線5を検出する
とともに、検出された固有X線5の強度を対象膜2の膜
厚に換算して対象膜2の膜厚を測定することにより、上
記のような目的を達成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はX線や電子線を利用
して、例えばプラズマディスプレイパネルの誘電体層の
膜厚を測定する膜厚測定方法および装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、電気、電子製品、部品、デバイス
の積層化、高精度化にともない、不透明な各種の膜につ
き、膜厚の測定を非接触、非破壊で計測し、検査するニ
ーズが増大している。そこで、X線や電子線を照射した
ときに元素固有のX線、つまり固有X線が放射されるこ
とを利用して膜厚を測定する方法が有効な手段の1つと
して既に研究されている。
【0003】このような方法は、今後、生産現場での計
測、検査、管理への導入が期待されている。特に、今後
のデジタル化時代のフラットディスプレイとして期待さ
れているプラズマディスプレイパネルの製造において、
現在誘電体層の膜厚測定による検査、生産の管理が現実
的な重要な課題になってきており、上記固有X線による
方法を採用している。
【0004】ところで、プラズマディスプレイパネル
は、図4に示すように、ガラス基板bの上に電極cとガ
ラス基板bおよび電極cを覆うように設けられた誘電体
層dとを持った背面板eと、ガラス基板f上に電極gと
ガラス基板fおよび電極gを覆うように設けられた誘電
体層hとを持った表面板iとが、それらの誘電体層d、
hが対向するように向かい合い、それらの間に背面板e
の誘電体層dの上に形成されたストライプ状の隔壁jが
ピクセルkを形成している。各ピクセルkはその背面板
e側の内面に蛍光体mの層が形成され、背面板eおよび
表面板iの各電極c、g間の放電により蛍光体mが発光
して表示を行う。
【0005】しかし、誘電体層d、hの膜厚に過不足が
あったり、バラツキがあったりすると、表示特性や寿命
に影響する。そこで、上記の蛍光X線を利用した膜厚検
査を誘電体層d、hの膜厚測定に適用し膜厚の検査を行
なっている。この従来の膜厚測定方法につき説明する
と、図5に示すように、X線源制御手段nにより制御さ
れるX線源oからのX線を例えばガラス基板f上の誘電
体層hに照射し、誘電体層h中の特有の元素からの固有
X線を分光検出器qにより分光検出する。次いで、検出
された固有X線の図6に示すような強度分布から誘電体
層hの特有の元素からの固有X線を検出する。プラズマ
ディスプレイの誘電体層hは鉛Pbを主成分としている
ことから、このPbの元素の原子から放射される特定の
波長帯の出力PbLa、PbLb1を抽出してその強度
を誘電体層hの膜厚に換算し膜厚の測定、検査を行なっ
ている。
【0006】前記分光検出器qにて分光検出される固有
X線は、照射したX線が透過する誘電体層hの下地であ
るバリウム層rなど他の層の元素からのものも含まれて
図6に示すような強度分布を示す。図6におけるBaK
aは前記下地のバリウム層rのBa元素から放射される
固有X線の波長帯を示している。上記膜厚検出方法は、
対象膜である誘電体層hからの固有X線である波長帯P
bLaなどの固有X線の強度が誘電体層hの膜厚に比例
している関係を利用している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
従来の測定方法であると、誘電体層hの膜厚が40μm
以下であれば測定できるが、40μmを越えると誘電体
層hの特有の元素Pbからの固有X線の強度が飽和して
しまうので膜厚の測定精度が保証できなくなる。このた
め、40μmを越える膜厚でも高精度に測定できる方法
が強く望まれている。
【0008】本発明の目的は、上記従来の問題点を解決
するもので、40μmを越える厚膜でも膜厚を高精度に
測定できる膜厚測定方法と装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記のような目的を達成
するために、本発明の膜厚測定方法は、対象膜の下地に
対象膜を透過して励起線を照射することにより下地中の
元素の原子を励起する工程と、この励起の結果前記下地
の元素から放射され対象膜を透過してくる固有X線を検
出する工程と、検出された固有X線の強度を対象膜の膜
厚に換算して対象膜の膜厚を測定する工程と、を備えた
ことを主たる特徴としている。
【0010】このような構成では、対象膜とその下地の
元素が既知であって、励起線を照射したときに下地中の
元素から放射される固有X線の波長帯と、この波長帯が
対象膜を透過するときの固有X線の強度から、FP法
(ファンダメンタルパラメータ法)や検量線法により対
象膜の膜厚に換算して、対象膜の膜厚をその大小にかか
わらず高精度に測定することができる。
【0011】検出する工程が、下地に特有の元素からの
固有X線を抽出するか邪魔なノイズを除去するフィルタ
リングを行なう工程を備え、フィルタリング後の特定の
蛍光X線を検出するようにすると、対象膜など他から放
射される固有X線と区別でき、しかも強度の高い波長帯
となる特定の元素からの固有X線を抽出し検出すること
により、下地に特有の元素からの固有X線をノイズなく
容易に検出することができるので、より高精度な測定が
行なえる。
【0012】これらにより、対象膜が40μm以上とな
るプラズマディスプレイパネルの誘電体層の膜であって
も、その膜厚を上記のような特長を持って高精度に測定
することができ、そのときの特定の固有X線は下地中の
バリウム元素からのものとするのが好適である。
【0013】上記に加え、さらに、対象膜を持った対象
物のロットが切り替わる都度、対象膜および下地の材料
を特定する工程と、検出された固有X線の強度から対象
膜の膜厚への換算条件を前記特定した材料に基づき変更
する工程とを備え、変更した換算条件にてロットが切り
替わった対象膜についての膜厚の測定を行なうようにす
ると、対象物のロットが切り替わって同種の部品や製品
でも対象膜やその下地の材料が微妙に変化しているよう
な場合に、その材料変化を反映した換算条件を設定して
対応し膜厚の測定精度がロットの違いによって狂うよう
なことを防止することができる。
【0014】上記のような膜厚測定方法を達成する膜厚
測定装置としては、基本的に、対象膜の下地に対象膜を
透過して励起線を照射する励起線照射手段と、前記励起
線の照射により下地中の元素から放射される固有X線を
検出する検出手段と、検出手段により検出される固有X
線の強度を対象膜の膜厚に換算する換算手段とを備えた
もので足り、上記のような特長のある方法を自動的に安
定して達成することができる。
【0015】この場合、検出手段が、下地に特有の元素
からの固有X線を抽出するか邪魔なノイズを除去するフ
ィルタリング手段を備え、フィルタリング後の特定の元
素からの固有X線を検出するようにするのが好適であ
る。
【0016】また、対象膜を持った対象物のロットが切
り替わる都度、換算手段における、検出された固有X線
の強度から対象膜の膜厚への換算条件を、切り替える切
り替え手段を備えたものであると、切り替わったロット
の対象膜およびその下地の材料に合わせた換算条件によ
る膜厚の測定が達成される。
【0017】本発明のそれ以上の特徴は、以下の詳細な
説明および図面の記載から明らかになる。本発明の各特
徴は、それ単独で、あるいは可能な限り種々な組み合わ
せで複合して用いることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態に係る膜
厚測定方法と膜厚測定装置につき図面を参照しながら詳
細に説明し、本発明の理解に供する。
【0019】本実施の形態は図1に示すようなプラズマ
ディスプレイパネルのガラス基板1の上に設けられる誘
電体層2を対象膜としてその膜厚を測定し、検査する場
合の一例である。しかし、本発明はこれに限られること
はなく、二層以上の積層構造における上層の膜を対象膜
としてその膜厚を下層の元素から放射される固有X線に
より測定するあらゆる場合に適用して有効であり、本発
明の範疇に属する。
【0020】従来例で述べたように、プラズマディスプ
レイパネルの誘電体層2はPbを主成分とし、ガラス基
板1の上にBaまたはこれを主成分とするバリウム層3
が下地となって形成されている。
【0021】そこで、本実施の形態の膜厚測定方法は、
図1に示すように対象膜である誘電体層2の下地である
バリウム層3に誘電体層2を透過して励起線4を励起線
照射手段11から照射することによりバリウム層3中の
元素の原子を励起する図2に示すステップ1の工程と、
この励起の結果前記バリウム層3の元素から放射され誘
電体層2を透過してくる固有X線5を検出手段12によ
り検出する図2のステップ2、3の工程と、検出された
固有X線5を処理部26で処理してその強度を誘電体層
2の膜厚に換算して誘電体層2の膜厚を測定する図2の
ステップ4〜6の工程と、を備え、誘電体層2とその下
地であるバリウム層3の元素が既知であって、励起線4
を照射したときに下地のバリウム層3中の元素から放射
される固有X線5の波長帯と、この波長帯が誘電体層2
を透過するときの固有X線の強度から、FP法や検量法
により誘電体層2の膜厚に換算して、誘電体層2の膜厚
をその大小に関わらず高精度に測定することができ、図
2のステップ7に示すように誘電体層2の膜厚の良否を
精度よく判定し検査することができる。これにより、製
品の品質の向上および安定化が図れるとともに、良品を
不良品と判定して良品率が徒らに低下するようなことを
防止することができる。
【0022】ここに、励起線4は一例としてX線であり
図1に示すように誘電体層2の下地であるバリウム層3
に照射して得られる各元素に固有の固有X線5は、誘電
体層2およびその下地であるバリウム層3はもとより、
さらに下にあるガラス基板1など照射X線が透過する領
域での各元素から放射されるものが複合しており、従来
例で示した図6に見られるような分光と強度分布が得ら
れる。
【0023】これに対応して、実際には、まず、前記検
出の工程で図のステップ2、3に示すように固有X線5
は邪魔になる誘電体層2におけるPb元素からの固有X
線であるPbLb、PbLb1などのノイズを図1に示
すNi、Cuよりなるフィルタ6などで除去するフィル
タリング後のものを分光検出する。続く、膜厚を測定す
る工程ではステップ4〜6で示すように、分光検出した
固有X線5の強度分布を作成した上で、下地である誘電
体層2中に特有の元素Baから放射される固有X線5の
強度を検出し、検出した強度を所定の換算条件により膜
厚に換算する。
【0024】このようなフィルタリング後の特定の固有
X線5を検出するようにすると、対象膜である誘電体層
2など他の層の元素からのものと区別でき、しかも強度
の高い波長帯となる特定の元素からの固有X線5を抽出
することにより、誘電体層2の膜厚に対応した固有X線
5をノイズなく容易に検出することができるので、より
高精度な測定が行なえる。ここに、バリウム層3に特有
の元素はBaを選定しており、従来の図6の強度分布に
対し、前記フィルタリングによって図3に示すようにB
aの波長帯が他に比して大きなピークを示す強度分布が
得られ、検出しやすくかつ誘電体層3の膜厚による変化
を検出しやすい特徴がある。特に、照射X線の強度を高
めても検出手段12の出力が飽和するようなこともな
く、70〜80μmにも達する厚膜の誘電体層2であっ
てもその膜厚を高精度に測定することができた。
【0025】本実施の形態では、さらに、膜厚を測定す
る工程において、誘電体層2を持った対象物であるガラ
ス基板1のロットが切り替わる都度、図2のステップ8
で示す、誘電体層2およびその下地のバリウム層3の材
料を特定する工程と、図2のステップ9で示す、検出さ
れた固有X線5の強度から誘電体層2の膜厚への換算条
件を前記特定した材料に基づき変更する工程とを実行
し、変更した換算条件にてロットが切り替わった誘電体
層2についての膜厚の測定を行なうようにする。これに
より、対象物のロットが切り替わって同種の部品でも誘
電体層2やその下地であるバリウム層3の材料が微妙に
変化しているような場合に、その材料変化を反映した換
算条件を設定して対応し膜厚の測定精度がロットの違い
によって狂うようなことを防止することができる。
【0026】ところで、ファンダメンタルパラメータ法
(FP法)では、例えば、島津評論「ファンダメンタル
パラメータ法による薄膜の蛍光X線分析」に記述されて
いるように、蛍光X線の理論強度は、各元素に対して式
(1)のように算出される。
【0027】
【数1】 また、1次励起X線の強度Il(ip)は式(2)によ
り算出する。
【0028】 Il(ip)=1/sinΨ・Qip(λ)/A・ (1−exp(−Mm・A))・exp(−Σ(Mm・B)) Qip(λ)=μi(λ)・Wi・Ki・ωi・Rpi A=μm(λ)/sinΦ+μm(ip)/sinΨ B=μn(λ)/sinΦ+μn(ip)/sinΨ Mm=ρm・Tm Mn=ρn・Tn ・・・(2) 但し、Qip(λ):単位重量当たりの蛍光X線の発生
率 Φ:励起X線のp入射角(rad) Ψ:蛍光X線の取り出し角(rad) i:定量元素 μi(λ):励起X線に対するiの質量吸収係数(cm
2/g) μm(λ):λに対する第n層の質量吸収係数(cm2
/g) μm(ip):ipに対する第m層の質量吸収係数(c
2/g) μn(λ):λに対する第n層の質量吸収係数(cm2
/g) μn(ip):ipに対する第n層の質量吸収係数(c
2/g) Wi:含有量 Ki:ジャンプ比 ωi:蛍光収率 Rpi:スペクトル比 Mm:第m層の面積密度(g/cm2) Mn:第n層の面積密度(g/cm2) ρm:第m層の密度(g/cm3) Tm:第m層の厚さ(cm) ρn:第2層の密度(g/cm3) Tn:第n層の厚さ(cm) ここで、対象物の膜厚測定のためには、まず、標準試料
の測定を以下の手順〜で行なう。
【0029】標準試料の固有X線の測定強度を求め
る。
【0030】面積密度と特定の元素の含有量から固有
X線の理論強度を算出する。
【0031】これらの測定強度と理論強度の間には式
(3)の関係がある。これによりKを算出する。
【0032】 K=測定強度/理論強度 ・・・・・(3) 但し、K=元素感度係数 次に、未知試料の測定を以下の〜により行なう。
【0033】未知試料の測定強度を求める。
【0034】面積密度と特定元素の含有量の初期値を
決定する。
【0035】理論強度を計算する。
【0036】理論強度に、標準試料から求めた元素感
度係数を乗じて推定測定強度を求める。
【0037】測定強度と推定測定強度を比較する。
【0038】定量値すなわち面積密度と含有量を修正
する。
【0039】予め入力してある値よりも定量値の修正
幅が少なければ、修正された定量値を正式の定量値とし
て計算を終了する。もし、修正幅が多ければ修正された
定量値で再び理論計算する。
【0040】最後に以上のようにして得られる面積密度
から膜厚を 膜厚=面積密度/膜密度 の関係から算出することができ、算出した膜厚の良否を
判定して検査することができる。
【0041】上記のような膜厚測定方法を達成する膜厚
測定装置としては、基本的には、対象膜である誘電体層
2の下地であるバリウム層3に誘電体層2を透過して励
起線4を照射する前記励起線照射手段11と、前記励起
線4の照射によりバリウム層3中の元素から放射される
固有X線5を検出する前記検出手段12と、前記処理部
26として検出手段12により検出される固有X線5の
強度を誘電体層2の膜厚に換算する膜厚換算手段13と
を備えたもので足り、上記のような特長のある方法を自
動的に安定して達成することができる。
【0042】さらに具体的には、励起線照射手段11お
よび検出手段12は支持部材14により所定の位置関係
に支持し、ガラス基板1は検査テーブル15の上に保持
して取扱う。支持部材14と検査テーブル15とは互い
に直角なXY2方向に相対移動できるようにして、誘電
体層2の必要域全体を励起線4により走査して膜厚を測
定できるようにしている。励起線照射手段11はX線源
からのX線照射のオン、オフや照射強度を調節するため
にX線源制御手段16によって動作制御する。
【0043】検出手段12はフィルタリングのための前
記フィルタ6を持ち、下地であるバリウム層3に特有の
元素Baから放射される固有X線5を受光しやすくして
ある。これにより、図3に示すように特定の元素Baか
らの固有X線5が他に比して大きなピークを示す分光強
度となる分光検出が実現する。
【0044】もし、フィルタリングにより元素Baから
の固有X線のみを取り出すことができると、検出手段1
2は分光機能を持たなくてもよく、例えば比例係数管や
シンチレータにより特定波長帯の蛍光X線を検出するよ
うにすることもできる。
【0045】検出手段12が分光検出するものであるこ
とに対応して、検出手段12は分光検出器制御手段21
により制御して分光検出した出力を膜厚換算手段13に
入力する。膜厚換算手段13は前記入力される分光検出
出力をA/D変換するA/D変換手段22、上記換算条
件切り替え手段23、および膜厚測定結果によって膜厚
の良否を判定し検査をする膜厚良否判定手段24、およ
び全体の動作を操作盤からの入力に応じて制御するCP
U25とともに前記した1つの処理部26を構成してお
り、CPU25による一連の動作制御によって誘電体層
2の膜厚の測定およびそれによる膜厚の良否の検査を自
動的に遂行する。
【0046】膜厚換算手段13は蛍光X線強度分布作成
部13a、特定波長帯強度検出部13b、および膜厚換
算部13cを内部機能として持ち、それらが順次動作す
ることで膜厚の測定を行ない、その結果を膜厚良否判定
手段24に出力して膜厚良否判定手段24にて膜厚の良
否を判定する検査が行なわれるようにする。換算条件切
り替え手段23は、操作盤からのロット切り替えの入力
などから、ロットが切り替わったことを検知したときに
働き、材料定性手段23aにて膜厚の測定に供される対
象物の誘電体層2およびその下地のバリウム層3の材
料、つまり注目したい元素の含有量などを定性し特定す
るとともに、この定性データに基づき膜厚換算式制御手
段23bにより換算条件を切り替えて膜厚換算手段13
の膜厚換算部13cに与え、それ以降の膜厚換算操作に
適用されるようにする。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、上記の説明で明らかな
ように、対象膜とその下地の元素が既知であって、励起
線を照射したときに下地中の元素から放射される固有X
線の波長帯と、この波長帯が対象膜を透過するときの対
象膜の膜厚と固有X線の強度から対象膜の膜厚に換算し
て、対象膜の膜厚をその大小に関わらず高精度に測定す
ることができる。
【0048】フィルタリングにより下地に特有の元素か
らの固有X線を抽出した後の、あるいは邪魔なノイズを
除去した後の特定の蛍光X線を検出するようにすると、
対象膜など他の層の元素からのものと区別でき、しかも
強度の高い波長帯となる特定の元素からの固有X線を抽
出することにより、下地に特有の元素からの固有X線を
ノイズなく容易に検出することができより高精度な測定
が行なえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1つの実施の形態に係る膜厚測定装
置、およびそれによる膜厚検査装置を示す装置構成図で
ある。
【図2】本発明の1つの実施の形態に係る膜厚測定方
法、およびそれによる膜厚検査方法と、図1の装置によ
る膜厚測定、検査処理を示すフローチャートである。
【図3】図1の装置で分光検出される固有X線の強度分
布を示すグラフである。
【図4】プラズマディスプレイパネルの構造を示す断面
図である。
【図5】従来の膜厚測定、検査装置を示す主要構成図で
ある。
【図6】図5の装置で分光検出される固有X線の強度分
布を示すグラフである。
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 誘電体層 3 バリウム層 4 励起線 5 固有X線 11 励起線照射手段 12 検出手段 13 膜厚換算手段 23 換算条件切り替え手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保 泰康 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 桑原 章二 京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式会 社島津製作所内 (72)発明者 西埜 誠 東京都千代田区神田錦町1丁目3 株式会 社島津総合分析試験センター内 Fターム(参考) 2F067 AA27 BB01 BB16 CC00 DD10 EE03 FF01 HH04 JJ03 KK01 LL13 LL14 MM00 MM04 NN03 PP12 QQ01 RR00 RR12 RR24 TT06 2G001 AA01 BA04 CA01 EA06 EA20 FA02 FA14 GA01 KA01 KA11 LA11 MA05 NA15 PA03

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対象膜の下地に対象膜を透過して励起線
    を照射することにより下地中の元素の原子を励起する工
    程と、 この励起の結果前記下地の元素から放射され対象膜を透
    過してくる固有X線を検出する工程と、 検出された固有X線の強度を対象膜の膜厚に換算して対
    象膜の膜厚を測定する工程と、 を備えたことを特徴とする膜厚測定方法。
  2. 【請求項2】 検出する工程は、下地に特有の固有X線
    を抽出するか邪魔なノイズを除去するフィルタリングを
    行なう工程を備え、フィルタリング後の特定の固有X線
    を検出する請求項1に記載の膜厚測定方法。
  3. 【請求項3】 対象膜は、プラズマディスプレイパネル
    の誘電体層である請求項1、2のいずれか1項に記載の
    膜厚測定方法。
  4. 【請求項4】 特定の固有X線は下地中のバリウム元素
    からのものである請求項2、3のいずれか1項に記載の
    膜厚測定方法。
  5. 【請求項5】 対象膜を持った対象物のロットが切り替
    わる都度、対象膜および下地の材料を特定する工程と、
    検出された固有X線の強度から対象膜の膜厚への換算条
    件を前記特定した材料に基づき変更する工程とを備え、
    変更した換算条件にて切り替わったロットの対象膜につ
    いて膜厚の測定を行なう請求項1〜4のいずれか1項に
    記載の膜厚測定方法。
  6. 【請求項6】 対象膜の下地に対象膜を透過して励起線
    を照射する励起線照射手段と、 前記励起線の照射により下地中の元素から放射される固
    有X線を検出する検出手段と、 検出手段により検出される固有X線の強度を対象膜の膜
    厚に換算する換算手段とを備えたことを特徴とする膜厚
    測定装置。
  7. 【請求項7】 検出手段は、下地に特有の元素からの固
    有X線を抽出するか邪魔なノイズを除去するフィルタリ
    ング手段を備え、フィルタリング後の特定の元素からの
    固有X線を検出する請求項6に記載の膜厚測定装置。
  8. 【請求項8】 対象膜は、プラズマディスプレイパネル
    の誘電体層である請求項7に記載の膜厚測定装置。
  9. 【請求項9】 特定の固有X線はバリウム元素からのも
    のである請求項7、8のいずれか1項に記載の膜厚測定
    装置。
  10. 【請求項10】 対象膜を持った対象物のロットが切り
    替わる都度、換算手段における、検出された蛍光X線の
    強度から対象膜の膜厚への換算条件を、切り替える切り
    替え手段を備えた請求項7〜9のいずれか1項に記載の
    膜厚測定装置。
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