JP2010223898A - 試料分析方法及び試料分析装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】化学結合状態に起因するケミカルシフトの影響を受けにくい分析手法を用いて、一つの分析対象元素について一つの標準試料で定量分析を可能とすることにより、標準試料の変更等の手間を省くことのできる試料分析方法及び試料分析装置を提供する。
【解決手段】試料5に電子線12を照射し、これにより試料5から発生する特性X線13を検出して、試料5中の特定の元素についての定量分析を行う際に、当該元素に対応する特性X線13における複数のL線の検出強度に基づいて定量分析を行う。
【選択図】図3
【解決手段】試料5に電子線12を照射し、これにより試料5から発生する特性X線13を検出して、試料5中の特定の元素についての定量分析を行う際に、当該元素に対応する特性X線13における複数のL線の検出強度に基づいて定量分析を行う。
【選択図】図3
Description
本発明は、試料に電子線を照射し、これにより試料から発生する特性X線に基づいて、試料中に含まれる元素についての定量分析を行うための試料分析方法及び試料分析装置に関する。
電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)の構成を備える試料分析装置においては、一次線としての集束された電子線(電子プローブ)を試料に照射し、この電子線の照射に応じて試料から発生する特性X線を波長分散型X線分光器もしくはエネルギー分散型X線分光器により分光して検出し、これによる特性X線ピークの検出位置における特性X線強度(ピーク強度)の測定を行う。
この特性X線強度の測定結果に基づいて、試料の分析位置における定量分析を行うことができる。
このような試料分析装置を用いて、試料から発生する特性X線のうちの比較的エネルギーの低い(例えば、1.5keV以下の)特性X線(例えば、Lα線等)のピーク強度の測定結果に基づいて定量分析を行う場合がある。
例えば、Feを含む化合物等からなる試料において、分析対象元素をFeとしたときに、Fe元素の特性X線のうちのLα線のピーク強度を測定し、これに基づいてFeについての定量分析が行われることがある。
ここで、このようなエネルギーの低いLα線のピーク強度を用いてX線分析を行うときには、分析対象元素の化学結合状態の相違に起因するケミカルシフトの影響を考慮する必要がある。
例えば、X線分析による試料(Feを含む化合物)の同定方法においては、ケミカルシフトによる影響を低減するために、当該試料に対して電子線を照射し、この電子線照射に応じて試料中のFe元素から発生するLα線及びLβ線を含んだ領域の特性X線を測定し、これにより化合物の同定を行う方法などがある(特許文献1参照)。
ただし、この特許文献1においては、このLα線及びLβ線に基づいて、試料の定量分析を行うことについては記載されていない。
上述のように、Lα線等の比較的エネルギーの低い特性X線のピーク強度を使ってX線分析を行うときには、ケミカルシフトの影響を考慮する必要がある。
よって、このようなエネルギーの低い特性X線のピーク強度に基づいて定量分析を行う際には、測定対象となる試料に近い構成の標準試料を使用することが好ましい。
また、ケミカルシフトによる影響を軽減するために、ピーク強度の代わりに面積強度を用いることも考えられる。しかし、この場合でも測定対象となる試料に近い構成の標準試料を使用することが好ましい。
従って、低エネルギーの特性X線を用いて定量分析を行う場合には、上記何れの手法を用いるにしても、測定対象に近い構成の標準試料を使用することが望まれている。
しかし、このように測定対象となる試料ごとに標準試料を変更する必要があると、各試料ごとに標準試料の変更を行う必要があり、定量補正計算を自動化することが困難となる。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、化学結合状態に起因するケミカルシフトの影響を受けにくい分析手法を用いて、一つの分析対象元素について一つの標準試料で定量分析を可能とすることにより、標準試料の変更等の手間を省くことのできる試料分析方法及び試料分析装置を提供することを目的としている。
本発明に基づく試料分析方法は、試料に電子線を照射し、これにより試料から発生する特性X線を検出して、試料中の特定の元素についての定量分析を行う試料分析方法であって、当該元素に対応する特性X線における複数のL線の検出強度に基づいて定量分析を行うことを特徴とする。
本発明に基づく試料分析装置は、試料に電子線を照射し、これにより試料から発生する特性X線を検出して、試料中の特定の元素についての定量分析を行う試料分析装置であって、当該元素に対応する特性X線における複数のL線の検出強度に基づいて定量分析を行うことを特徴とする。
本発明においては、定量分析の対象とされた当該特定の元素について、その対応する特性X線における複数のL線の検出強度に基づいて定量分析が行われる。
従って、その特定の元素について共通に用いられる一つの標準試料を使用しても、ケミカルシフトによる影響の少ない定量分析を行うことができる。
これにより、測定対象となる試料が代わっても、標準試料の変更を行う必要がなく、各試料ごとの定量補正計算を容易に自動化することができる。
まず、本発明において技術的背景となる原理について説明する。
電子プローブマイクロアナライザを使用して試料に電子線を照射し、これにより定量分析を行う場合において、L線を用いて定量分析を行う際には、通常Lα線が用いられる。これは、試料中の分析対象元素の原子のL殻のうちのL3軌道の電子が励起され、そのときに発生する特性X線としてはLα線の割合が高いということを前提としている。
しかし、実際には、L3軌道の電子の励起に対応して、量的には少ないがその他の特性X線も発生しており、1.5keV以下の低エネルギーの特性X線では、Lι線の強度が上昇する。
さらに、同じく低エネルギー線の特性X線では、L2軌道の電子の励起に対応して発生する特性X線も考慮する必要がある。ここで、L2軌道の電子の励起に対応して発生する特性X線のうちで、最も信号強度の高いものはLβ線である。
従って、低エネルギーの特性X線を用いた定量分析では、L2及びL3の各軌道の電子の励起に対応して発生する特性X線を考慮する必要がある。ここで、主要な特性X線のみを用いるとすると、Lα線、Lβ線、Lι線の3種類を測定対象とするのがよい。ただし、この3つの特性X線は、それぞれエネルギーが異なるため、各特性X線のエネルギーの違いを考慮して補正計算を行う必要がある。
なお、参考として、純鉄(Fe)を試料とし、分析対象元素をFe(鉄)とした場合でのFeについてのLα線、Lβ線、Lι線のピークを示すスペクトルの例を図1に示す。
また、図2に、ケミカルシフトによる影響を示すものとして、純鉄(Fe)を試料とした場合及び酸化鉄(Fe2O3)を試料とした場合の二つのケースにおいて、分析対象元素をFe(鉄)としたときのLα線及びLβ線の各強度変化を示すスペクトルの例を示す。
次に、図3に、本発明における試料分析装置の概略構成を示す。同図において、100は試料分析装置を示し、鏡筒10に配置された電子銃1からは、所定の加速電圧により加速された電子線12が試料5に向けて放出される。
電子銃1から放出された電子線12は、集束レンズ2及び対物レンズ4によるレンズ作用によって、細く集束された状態で試料5に照射される。これにより、試料5上には、集束された電子線12からなる電子プローブが照射される。
このとき、電子線12は、偏向器4によって偏向され、試料5上において指定された分析箇所(分析位置)を照射する。なお、鏡筒10内において、電子銃1、集束レンズ2、偏向器3及び対物レンズ4により電子光学系10aが構成される。
このようにして、試料5上において電子線12が照射された分析箇所からは、特性X線13が発生する。この特性X線13は、分光結晶6、分光結晶駆動機構7及びX線検出器8からなる波長分散形X線検出器(波長分散形X線分光器:WDS)9により、分光されて検出される。
X線検出器8からは、検出された特性X線に基づく出力信号が信号処理部16に出力される。この出力信号は、特性X線の波長に応じた検出強度となっている。信号処理部16においては、当該出力信号に基づく検出信号をデジタルデータとしてバスライン17に出力する。
ここで、試料5、分光結晶6及びX線検出器8は、試料室11内に配置されている。試料室11及び鏡筒10の内部は、真空排気系(図示せず)によって真空引きされる。また、試料5は、試料室11内において、図示しない試料ステージに載置されている。
鏡筒10に設けられた電子光学系10aは、電子光学系用の駆動部14により駆動される。駆動部14による駆動制御により、電子銃1、集束レンズ2、偏向器3及び対物レンズ4の各駆動動作が実行される。
また、試料室11に取り付けられた分光結晶駆動機構7は、モータからなる駆動源等を備え、分光結晶駆動機構用の駆動部15により駆動される。
これら駆動部14,15には、それぞれバスライン17を介して制御部18から駆動信号が供給される。駆動部14,15は、供給された駆動信号に基づいて、それぞれ電子光学系10a及び分光結晶駆動機構7の駆動を行う。これにより、電子光学系10a及び分光結晶駆動機構7は、制御部18によって駆動制御されることとなる。
なお、制御部18には、メモリ19が接続されている。メモリ19には、電子光学系10aを構成する電子銃1、集束レンズ2、偏向器4及び対物レンズ4の各駆動条件、及び分光結晶駆動機構7を駆動する駆動条件の各データ(駆動データ)が格納されている。制御部18は、メモリ19から分析条件に対応する各駆動データを読み出して、それに基づく各駆動信号を駆動部14,15に供給する。
さらに、バスライン17には、WDS定量分析部20及び演算部21が接続されている。演算部21は、信号処理部16から出力された検出信号に対して、所定の演算処理を実行する。当該演算処理後のデータは、バスライン17を介してWDS定量分析部20に送られる。WDS定量分析部20は、当該データに基づいて定量分析を行う。
また、バスライン17には、表示部22及び入力部23が接続されている。表示部22は、液晶表示ディスプレイ(LCD)等の表示デバイスからなり、上記定量分析結果の表示を行うことができる。
入力部23は、マウス等のポインティングデバイス及びキーボード等のキー入力デバイス等から構成される。本装置の操作を行うオペレータは、入力部23の手動操作を行うことができる。これによる操作信号は、バスライン17を介して制御部18に送られる。
さらに、試料室11内において試料5が載置される試料ステージは、モータ等の駆動源を備えるステージ移動機構(図示せず)の駆動に基づいて移動する。ステージ移動機構は、制御部18により駆動制御される。
上述した駆動部14,15、WDS定量分析部20、演算部21及び表示部22は、制御部18によって制御されている。以上が、本発明における試料分析装置100の構成である。次に本発明における試料分析方法について説明する。
鏡筒10に備えられた電子銃1から加速されて放出された電子線12は、集束レンズ2及び対物レンズ4によって、試料5上で細く集束された状態で、試料5に照射される。このとき、電子線12は、偏向器4による偏向作用によって偏向される。これにより、集束された電子線12は、電子プローブとして、試料5上の所定の分析箇所に照射される。本発明の場合、電子線12の加速電圧は10kV以下とされる。
電子線12が照射された試料5の分析箇所からは、特性X線13が発生する。この特性X線13は、波長分散形X線検出器9により、分光されて検出される。このとき、当該分光時では、波長分散形X線検出器9内において分光結晶6の走査が行われる。
ここで、本発明においては、試料5の分析箇所から発生する特性X線13のうち、比較的エネルギーの低い(1.5keV程度以下の)特性X線13を複数種類検出し、それらの各強度の測定結果に基づいて定量分析を行うことを目的としている。特に、分析対象とされる特定の元素に対応する特性X線13における複数種のL線(Lα線,Lβ線,Lι線)の強度の測定を行い、各強度の測定結果に基づいて定量分析を行う。定量分析を行う際には、標準試料における測定結果と、分析対象である未知試料での測定結果とに基づいて、定量分析が実行される。
従って、標準試料と、分析対象となる未知試料を、それぞれ個別に試料5として、波長分散形X線検出器9により、それぞれのLα線、Lβ線及びLι線の検出を行う。これにより、試料5として標準試料を用いた場合と未知試料を用いた場合の双方について、それぞれの場合での当該検出に基づき、波長分散形分光器9のX線検出器8からは出力信号が信号処理部16に出力される。信号処理部16は、当該各出力信号に基づく検出信号をデジタルデータとして出力する。それぞれの検出信号は、バスライン17を介して演算部21に送られる。
演算部21は、当該検出信号に基づき、標準試料の場合及び未知試料の場合について、それぞれのLα線、Lβ線及びLι線の3種の特性X線の強度を算出する。このとき、ピーク強度ではなく、面積強度によって算出するほうが望ましい。
さらに、演算部21は、上記の各場合について、これら3種の特性X線強度の加算値ILの算出を行う。このとき、Lα線、Lβ線及びLι線の各分光測定時における波長分散形分光器9の分光結晶6の有効受光立体角と反射率とに基づく補正を行うために、次の式に基づいて加算値ILの算出を行う。
上記式において、ALα、ALβ及びALιは、それぞれLα線の測定時、Lβ線の測定時及びLι線の測定時における分光結晶6の有効受光立体角である。また、BLα、BLβ及びBLιは、それぞれLα線の測定時、Lβ線の測定時及びLι線の測定時における分光結晶6の反射率である。ILα、ILβ及びILιは、それぞれLα線、Lβ線及びLι線の強度である。
ここで、分光結晶6の有効受光立体角Aは、図4に示すように、図中のY方向の角度については一定となり、X方向の角度については試料との距離Dに依存することから、以下の式で表すことができる。
上記に基づき、標準試料及び未知試料について、それぞれの加算値ILの算出が演算部21により行われる。その後、各加算値ILのデータは、バスライン17を介してWDS定量分析部20に送られる。WDS定量分析部20では、標準試料及び未知試料についての各加算値ILに基づいて、定量分析を実行する。このようにして行われた定量分析の結果(定量分析値)は、表示部22によって表示される。
ここで、従来の補正計算(例えばZAF法やPRZ法)では、一つの特性X線に対して補正係数を求めて定量分析を行っている。本発明においては、Lα線、Lβ線及びLι線の強度の加算値ILについて、強度の割合の最も高いLα線に対応する補正係数を求めて補正計算を行い、定量分析値を求める。なお、さらに高精度での補正計算を行いたい場合には、上記計算の代わりに、Lα線、Lβ線及びLι線の強度であるILα、ILβ及びILιのそれぞれに対する補正係数を求めて、補正計算を行うようにしてもよい。
実際に計算した例を図5に示す。TiO2、VN(バナジウム・ナイトライド)、Cr7C3、Cr3C2、Cr2O3、Fe2O3のそれぞれについて、メタルの標準試料を用いて定量分析を行ったところ、上述のようにして算出されたLα線,Lβ線,Lι線の強度加算値ILを用いて定量分析値を求めたほうが、良い結果が得られることがわかった。ここで、同図において、「×」は、Lα線のみの強度値に基づいて算出された定量分析値をグラフ上にプロットしたものであり、「○」は、Lα線,Lβ線,Lι線の強度加算値ILに基づいて算出された定量分析値をグラフ上にプロットしたものである。
本発明では、上述のようにLα線、Lβ線及びLι線の各検出強度に基づいて、定量分析値を求めるようにしている。これにより、低エネルギーの特性X線を用いた定量分析において、ケミカルシフトの影響の少ない定量分析が可能となり、一つの分析対象元素について一つの標準試料を用いて定量分析を行うことが可能となる。
なお、上記の例においては、波長分散形X線検出器を用いた例となっていたが、エネルギー分散形X線検出器(エネルギー分散形X線分光器:EDS)を用いるものにおいても本発明を適用することができる。この場合には、上述のように分光結晶の有効受光立体角及び反射率を考慮して補正係数を求める代わりに、エネルギー分散形X線検出器のX線検出器の検出効率のみを考慮して特性X線強度の補正を行うようにすればよい。この場合、当該補正後の特性X線強度のデータに基づいて、EDS用の定量分析部によって定量分析が行われる。
このように、本発明における試料分析方法は、試料5に電子線12を照射し、これにより試料5から発生する特性X線13を検出して、試料5中の特定の元素についての定量分析を行う試料分析方法において、当該元素に対応する特性X線13における複数のL線の検出強度に基づいて定量分析を行う。
また、本発明における試料分析装置では、試料5に電子線12を照射し、これにより試料5から発生する特性X線13を検出して、試料5中の特定の元素についての定量分析を行う試料分析装置において、当該元素に対応する特性X線13における複数のL線の検出強度に基づいて定量分析が行われる。
この試料分析方法及び試料分析装置においては、検出された複数のL線の検出強度をそれぞれ補正し、補正後の各強度を加算した強度値ILに基づいて、定量分析が行われる。
この場合、波長分散型X線検出器9を用いて、分光結晶6を走査することにより波長に対応した特性X線13の検出を行い、試料5上での特性X線13の発生位置から分光結晶6までの距離に応じて変化する分光結晶6の有効入射立体角Aに基づいて、複数のL線の検出強度が個別に補正される。
さらに、特性X線13の波長に応じて変化する分光結晶6の反射率Bに基づいて、複数のL線の検出強度が個別に補正される。
また、別の例においては、エネルギー分散型X線検出器を用いて、エネルギーに応じた特性X線13の検出を行い、エネルギーに応じて変化する特性X線13の検出感度に基づいて、複数のL線の検出強度が個別に補正される。
ここで、上記各例において、複数のL線としては、Lα線、Lβ線、及びLι線が用いられる。また、試料5に照射される電子線12の加速電圧は、10kV以下となっている。
本発明においては、このような構成により、定量分析の対象とされた当該特定の元素について、その対応する特性X線13における複数のL線の検出強度に基づいて定量分析が行われる。
従って、その特定の元素について共通に用いられる一つの標準試料を使用しても、ケミカルシフトによる影響の少ない定量分析を行うことができる。
これにより、測定対象となる試料が代わっても、標準試料の変更を行う必要がなく、各試料ごとの定量補正計算を容易に自動化することができる。
1…電子銃、2…集束レンズ、3…偏向器、4…対物レンズ、5…試料、6…分光結晶、7…分光結晶駆動機構、8…X線検出器、9…波長分散形X線検出器、10…鏡筒、10a…電子光学系、11…試料室、12…電子線、13…特性X線、14,15…駆動部、16…信号処理部、17…バスライン、18…制御部、19…メモリ、20…WDS定量分析部、21…演算部、22…表示部、23…入力部、100…試料分析装置
Claims (14)
- 試料に電子線を照射し、これにより試料から発生する特性X線を検出して、試料中の特定の元素についての定量分析を行う試料分析方法であって、当該元素に対応する特性X線における複数のL線の検出強度に基づいて定量分析を行うことを特徴とする試料分析方法。
- 検出された複数のL線の検出強度をそれぞれ補正し、補正後の各強度を加算した強度値に基づいて、定量分析を行うことを特徴とする請求項1記載の試料分析方法。
- 波長分散型X線検出器を用いて、分光結晶を走査することにより波長に対応した特性X線の検出を行い、試料上での特性X線の発生位置から分光結晶までの距離に応じて変化する分光結晶の有効受光立体角に基づいて、前記複数のL線の検出強度を個別に補正することを特徴とする請求項2記載の試料分析方法。
- さらに、前記特性X線の波長に応じて変化する分光結晶の反射率に基づいて、前記複数のL線の検出強度を個別に補正することを特徴とする請求項3記載の試料分析方法。
- エネルギー分散型X線検出器を用いて、エネルギーに応じた特性X線の検出を行い、エネルギーに応じて変化する特性X線の検出感度に基づいて、前記複数のL線の検出強度を個別に補正することを特徴とする請求項2記載の試料分析方法。
- 前記複数のL線は、Lα線、Lβ線、及びLι線であることを特徴とする請求項1乃至5何れか記載の試料分析方法。
- 試料に照射される電子線の加速電圧は、10kV以下であることを特徴とする請求項1乃至6何れか記載の試料分析方法。
- 試料に電子線を照射し、これにより試料から発生する特性X線を検出して、試料中の特定の元素についての定量分析を行う試料分析装置であって、当該元素に対応する特性X線における複数のL線の検出強度に基づいて定量分析を行うことを特徴とする試料分析装置。
- 検出された複数のL線の検出強度をそれぞれ補正し、補正後の各強度を加算した強度値に基づいて、定量分析を行うことを特徴とする請求項8記載の試料分析装置。
- 波長分散型X線検出器を備え、その分光結晶を走査することにより波長に対応した特性X線の検出を行い、試料上での特性X線の発生位置から分光結晶までの距離に応じて変化する分光結晶の有効受光立体角に基づいて、前記複数のL線の検出強度を個別に補正することを特徴とする請求項9記載の試料分析装置。
- さらに、前記特性X線の波長に応じて変化する分光結晶の反射率に基づいて、前記複数のL線の検出強度を個別に補正することを特徴とする請求項10記載の試料分析装置。
- エネルギー分散型X線検出器を備え、当該エネルギー分散型X線検出器によりエネルギーに応じた特性X線の検出を行い、エネルギーに応じて変化する特性X線の検出感度に基づいて、前記複数のL線の検出強度を個別に補正することを特徴とする請求項9記載の試料分析装置。
- 前記複数のL線は、Lα線、Lβ線、及びLι線であることを特徴とする請求項8乃至12何れか記載の試料分析方法。
- 試料に照射される電子線の加速電圧は、10kV以下であることを特徴とする請求項8乃至13何れか記載の試料分析装置。
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