JP2001099792A - サンプルを蛍光x線分析するための方法及び装置 - Google Patents
サンプルを蛍光x線分析するための方法及び装置Info
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Abstract
た数のX線ラインの組合せしかサンプルを分析するのに
使用されないので、分析の可能性が厳しく制限されると
いう欠点を有している。これらの欠点を軽減した方法及
び装置を提供する。 【解決手段】サンプル4,5から放出する蛍光X線は、
ダイヤフラム12を介して長形の管11に進入し、長形
の管11に配される分析クリスタル13によって曲げら
れ、長形の管11に隣接する管14の方向に進行し、管
14には検出器15が配されている。このようなチャネ
ルの実施例は、低い検出限界で達成すべき良好な信号/
雑音比を可能にする。その上、このチャネルの長さは従
来使用される長さに比べかなり小さくなっている。結果
的に、蛍光X線は、チャネルの制限された距離だけを進
む必要があるので、信号/雑音比が更に改善される。
Description
を含む薄層と、を含むサンプルを分析する方法であり、
この方法は、 −一次X線によってこのサンプルを照射するステップ、
及び −この一次X線による照射によってこのサンプルに共に
生成される、比較的硬い蛍光X線と比較的軟らかい蛍光
X線とのX線ラインの強度を検出するステップ、を含む
方法に関する。
にも関する。
号第2706601号から既知である。この引用された
日本特許は、基板上の薄層の厚さを決定し、蛍光X線分
析によってこの薄層の化学要素の濃度を決定する方法を
記載している。このために、サンプルはX線源から生じ
るX線(一次X線)によって照射される。このサンプル
は、本事例においてシリコンである第1化学要素からな
る基板によって形成され、この要素の上に第1化学要素
(シリコン)と本事例においてタングステンである第2
化学要素とからなる薄層が設けられる。前記一次放射線
は、このサンプルにおいて蛍光X線を生成し、この蛍光
X線は、このサンプルに存在する化学要素、つまりシリ
コン及びタングステンの特性放射線を含む。この特性放
射線は、(例えば約0.02nmから1nmの大きさの
波長を持つ)比較的硬いX線と(例えば約2nmから1
5nmの大きさの波長を持つ)比較的軟らかいX線とを
含む。
基準サンプルにより決定される。このような装置応答を
使用することで、前記層の厚さ及びこの層の一方の化学
要素、例えばタングステンの濃度が比較的硬い蛍光放射
線と比較的軟らかい蛍光放射線との両方の測定強度に基
づいて決定される。このような決定は、蛍光X線の強度
を統計的に計算する既知の方法により実行される。すな
わちこの計算方法は「基礎パラメタ方法」(fundamental
parameter method)として知られている。このような統
計的に計算された蛍光X線の強度は、サンプルから射出
された直後に起こる強度であり、サンプルから検出器ま
でを含む全体の測定チャネルの影響は、ここでは考慮さ
れない。引用される日本特許において、2つの型式の蛍
光X線(すなわち比較的硬い蛍光X線及び比較的軟らか
い蛍光X線)の組合せは、タングステンのX線ラインK
とM、KとN及びLとNの組合せの1つ又はシリコンの
X線ラインKとM、KとN及びLとNの組合せの1つに
より形成される。
れた数のX線ラインの組合せしか前記サンプルを分析す
るのに使用されないので、分析の可能性が厳しく制限さ
れるという欠点を有している。例えば、珪化コバルト(c
obalt silicide)の薄層は前記方法ではカバーされな
い。
及び装置を提供することである。
びbのX線ラインの以下の組合せ、 − b−L/b−K; − b−K/a−L; − b−L/a−L; − b−L/a−M; − a−M/a−L; − a−M/a−N; − a−K/b−K; − a−K/b−L; − a−K/a−L; が1つ以上検出され、前記薄層の厚さ及び/又は第1又
は第2の化学要素の濃度は、比較的硬い蛍光X線と比較
的軟らかい蛍光X線とを決定するX線ラインに基づいて
決定される。
述された方法を実行する装置を提供し、この方法は、 −分析すべきサンプルを受け止めるサンプルホルダ、 −一次X線を生成するX線源、 −少なくとも比較的硬いX線と比較的軟らかいX線とを
随意に選択する選択手段、 −前記サンプルにより放出される蛍光X線のX線ライン
の強度を検出する検出手段、を含み、 −前記選択手段は、前記比較的軟らかい蛍光X線を選択
するために第1チャネルに配された第1選択器と、前記
比較的硬い蛍光X線を選択するために第2チャネルに配
された第2選択器とを含み、 −前記検出手段は、第1チャネルに配された第1検出器
と、第2チャネルに配された第2検出器とを含み、前記
検出器は、前記比較的硬い蛍光X線と比較的軟らかい蛍
光X線とを同時に検出する、方法である。
光X線と比較的軟らかい蛍光X線とを同時に検出するた
めに、検出に必要な時間が減少可能である。その上、選
択手段、検出手段及び焦点手段は、各チャネルにおける
検出感度を最適にするように選択される。
各々における圧力は10−6bar以下であり、これに
より比較的軽量な要素の分析を可能にする。
細は、好ましい実施例の記述で以下に説明されるであろ
う。
す。ハウジング3に収容されているX線管2は、ホルダ
4に取り付けられたサンプル5,6の方向に一次X線を
放射する。このサンプルはシリコンから成る基板5を含
み、この基板上にコバルトから成る薄層6が設けられ
る。一次X線によるサンプルの物質への照射によって、
光電子がこのサンプルの原子により放出される。これ
は、関連する原子の一つ以上の殻に電子空孔を作り、こ
れによりこれら原子を不安定にさせる。これら原子の安
定を取り戻すために、内側の殻にある空孔は、外側の殻
の電子により満たされる。このような遷移は、二次X線
又は蛍光放射線(fluorescent radiation)の形式のエネ
ルギー放射が伴う。様々な電子殻は、K、L、M、N等
と呼ばれ、各殻は所与のエネルギーレベルに対応してい
る。この結果、蛍光放射線のエネルギーレベルは、原子
の様々な殻の間を遷移する時のエネルギー差によって決
定される。放射された蛍光放射線のエネルギーレベル
は、この放射線の周波数に比例するので、どの遷移が起
こったかを決めるために、周波数分析が前記蛍光X線に
対し実行される。この情報は、原子の型式及び故に照射
されたサンプルの化学成分を決定するのに使用される。
蛍光放射線の強度も測定することは、このサンプル内の
様々な要素の各々の濃度の測定をもたらす。
び8によってこの放射線を遮断することで検出され、こ
れらクリスタルの各々は、既定波長の放射線のみを反射
する。この反射された放射線は、それぞれの検出器9及
び10により集められる。従って、検出器9及び10に
より集められる放射線の波長は、分析用クリスタル7及
び8を適切に位置決めすることにより調節される。
光X線をこの検出された蛍光X線の強度を表す出力信号
に変換する電子手段を具備する。
用クリスタル7は、(例えば約0.02から2nmの大
きさの波長を持つ放射線である)比較的硬い蛍光放射線
を選択するように構成される。本事例において分析用ク
リスタル8である他方の分析用クリスタルは、(例えば
約2から15nmの大きさの波長を持つ放射線である)
比較的軟らかい蛍光放射線を選択するように構成され
る。
ましい実施例を示す。サンプル4,5から放出する蛍光
X線は、ダイヤフラム12を介して長形の管11に進入
し、長形の管11に配される分析クリスタル13によっ
て曲げられ、長形の管11に隣接する管14の方向に進
行し、前記管14には検出器15が配されている。この
ようなチャネルの実施例は、低い検出限界で達成すべき
良好な信号/雑音比を可能にする。
ネル11,14において達成され、よって既知のチャネ
ルと比較して、検出器15により検出された蛍光X線の
高められた信号/雑音比を提供する。その上、このチャ
ネルの長さは従来使用される長さに比べかなり小さくな
っている。結果的に、蛍光X線は、前記チャネルの制限
された距離だけを進む必要があるので、信号/雑音比が
更に改善される。
光X線の測定された強度に基づいて前記薄層の化学要素
の濃度及びこの薄層の厚さを決定することが以下に詳細
に述べられている。
び大きさのサンプル)が既知のX線源(すなわち、この
スペクトル成分が十分に知られているX線源)からのX
線に曝されるとき、所与の波長の蛍光放射線の強度が計
算可能となる。この計算のアルゴリズムは、「基礎パラ
メタ方法」と一般的に呼ばれている。これにより計算さ
れる強度は、ここでは計算理論強度すなわちI
calc,thと呼ばれる。従って、後者の量は、様々
な波長に対し別々の値を持つ。既知であり、互いに異な
る成分からなる多数のサンプルは、(基準サンプル)を
取ることができ、これらサンプルの理論強度I
calc,thは、別々の波長で決められる。これらサ
ンプルは、本発明に従う測定法にも用いることもでき、
よってこの強度は前記波長で測定される。この強度は、
以下、測定強度すなわちImと呼ばれる。前記計算理論
強度Icalc,th及び測定強度Imは、よって各サ
ンプル及び前記波長の各々に対して決定される。従っ
て、蛍光放射線の前記波長の各々に対し、(例えば図に
よる)関係がIcalc,thとImとの間に確立され
る。この関係は、以下検量線(calibration curve)と呼
ばれる。
ーチャートを示す。この計算は、測定されたX線ライン
の波長λ1,λ2を決定することで開始される。その
上、薄層において関連する化学要素に対して計算すべき
濃度と薄層の厚さとに関する任意の開始値c0及びd0
(20)に関し、計算されることを仮定する。理論強度
Icalc,thは、基礎パラメタ方法(FPM)(2
1)によって2つの波長の各々に対し決定される。
計算された蛍光強度と関連する測定された蛍光強度との
間の関係を示す検量線は、この計算された理論強度I
cal c,thから関連する計算された測定強度I
m,th(22)を読み取るのに使用される。続いて、
計算された測定強度と実際の測定強度との差が決められ
る、すなわち、差Δ1=Im,th−Im及びΔ2=I
m,th−Im2が決められる(23)。Δ1及びΔ2
は、計算すべき濃度及び薄層の厚さの任意の開始値c 0
及びd0の実際の濃度c及び実際の厚さdからの偏差を
測定したものであり、χ2=Δ1 2+Δ2 2(24)に
従う既知のカイ2乗(χ2)検定(chi-squaretest)が全
体の偏差の測定を得るために用いられる。
統計的測定に従い最小となるまで、既知の反復方法、例
えば、最小2乗最小化アルゴリズム(最小2乗法又はL
SM)に従う毎に適応される(25)。このような統計
的測定が最小となる濃度及び厚さの値は、調査濃度c*
及び厚さd*を構成する(26)。上記最適化工程は、
統計において既知である多数の方法で実行可能であるこ
とに注意すべきである。
す。
施例の部分的に分解された透視図である。
学的要素の濃度の決定を説明するフローチャートを示
す。
Claims (6)
- 【請求項1】 −化学要素bを含む基板と、 −前記基板上に置かれ、前記同じ化学要素b及び化学要
素aを含む薄層と、を含むサンプルを分析する方法にお
いて、前記方法は、 −一次X線によって前記サンプルを照射するステップ、
及び −前記一次X線による照射によって前記サンプルに共に
生成される、比較的硬い蛍光X線と比較的軟らかい蛍光
X線とのX線ラインの強度を検出するステップであっ
て、前記化学要素a及びbのX線ラインの以下の組合
せ、 − b−L/b−K; − b−K/a−L; − b−L/a−L; − b−L/a−M; − a−M/a−L; − a−M/a−N; − a−K/b−K; − a−K/b−L; − a−K/a−L; が1つ以上検出され、前記薄層の厚さ及び/又は前記第
1又は第2の化学要素の濃度が、前記比較的硬い蛍光X
線と前記比較的軟らかい蛍光X線とを決定する前記X線
ラインに基づいて決定されるステップ、を含む方法。 - 【請求項2】 前記化学要素bがシリコンを含んでいる
請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】 前記化学要素aがコバルトを含んでいる
請求項1又は2に記載の方法。 - 【請求項4】 −分析すべき前記サンプルを受け止める
サンプルホルダ、 −前記一次X線を生成するX線源、 −少なくとも比較的硬いX線と比較的軟らかいX線とを
随意に選択する選択手段、及び −前記サンプルにより放出される前記蛍光X線の前記X
線ラインの強度を検出する検出手段、を含み、 −前記選択手段は、前記比較的軟らかい蛍光X線を選択
するために第1チャネルに配された第1選択器と、前記
比較的硬い蛍光X線を選択するために第2チャネルに配
された第2選択器とを含み、 −前記検出手段は、第1チャネルに配された第1検出器
と、第2チャネルに配された第2検出器とを含み、前記
検出器は、前記比較的硬い蛍光X線及び前記比較的軟ら
かい蛍光X線を同時に検出する、先行する請求項の何れ
か1項に記載の方法を実行する装置。 - 【請求項5】 前記チャネルの各々における圧力が10
−6bar以下である請求項4に記載の装置。 - 【請求項6】 前記化学要素は、タングステン、シリコ
ン及び/又はタンタルを含む請求項4又は5に記載の装
置。
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