JP4473246B2 - 蛍光x線分析装置および蛍光x線分析方法 - Google Patents

蛍光x線分析装置および蛍光x線分析方法 Download PDF

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本発明は、半導体集積回路製造に係わる分野、特にウエハー基板などの半導体基板を分析試料とする蛍光X線分析装置および方法に関する。
半導体集積回路製造プロセスにおいて、高誘電体ゲート絶縁膜としてシリコン酸化膜やシリコン酸窒化膜が用いられているが、静電容量を大きくするために、年々、その膜厚は薄くなり、絶縁性能を維持する限界に達しており、より高い誘電率を有する物質が望まれ、酸化ハフニウムやハフニウムとシリコンの複合酸化物が用いられるようになってきている。また、バリアメタル膜としてタンタル窒化膜が用いられている。
そのため近年、酸化ハフニウム膜が製膜された半導体基板上に銅、鉄などの遷移金属の不純物が存在すると絶縁性能を低下させるため、これらの極微量の不純物を全反射蛍光X線分析装置で分析を行うことが試みられている(特許文献1参照)。
従来の技術である特許文献1に記載されている全反射蛍光X線分析装置および分析方法では、半導体基板上にハフニウムまたはハフニウム含有化合物を主成分とする膜を形成した試料の形成膜に、イリジウムX線管から発生したX線の中から分光手段によりIr−Lα線を選択して照射し、試料から発生する蛍光X線を検出して前記膜に不純物として含まれる鉄と銅の分析を行っている。
特許文献1に記載されている全反射蛍光X線分析装置は、既存の全反射蛍光X線分析装置にイリジウムX線管を装着し、Ir−Lα線を分光手段としてはよく知られた人工累積膜や結晶を用いて選択して試料に照射している。この文献には、X線発生器(X線管)として、イリジウムを陽極とするX線管を製作し、実験を行ったことおよび金属製基体の表面にイリジウムから成るX線発生層が形成された回転対陰極(すなわち回転陽極)および電子線を発生するフィラメントなどから成るものを用いたことが記載されているが、20年前に、これと同じX線発生器に用いられると考えられるイリジウムX線管用回転陽極の技術が知られており(特許文献2参照)、イリジウムX線管も新規に考えられたものではない。
また、蛍光X線分析において分析目的に応じたX線管を選択することは、従来から広く知られたことであり、分析試料の種類や分析元素の種類によってX線管の対陰極を使い分けたり、分析線と重複する固有X線を発生するX線管を使用すると、X線管から放射される固有X線が試料面で散乱して高いレベルのバックグラウンドの原因となるから、このようなX線管の選択は避けるなど、X線管のスペクトル分布と微量分析成分の吸収端との関係を検討するなどしてX線管を選択する。このようなことは当該分野においては広く知られた技術である(非特許文献1参照)。
イリジウムX線管から発生するX線の中から試料への照射X線であるIr−Lα線を選択している分光手段は、蛍光X線分析では従来から広く知られたSiW人工累積膜やLiF、Si、Ge、黒鉛などの結晶であり、半導体基板上にハフニウムまたはハフニウム含有化合物を主成分とする膜を形成した試料を分析するために、新たに考えられたものではない。
試料への照射X線であるIr−Lα線を選択することは、X線管の選択と同様に分析者が日常的に行っていることである。蛍光X線分析で用いられる固有X線(特性X線)の波長(エネルギ)は、蛍光X線分析法が始まった頃から知られており、広く知られたX線分析法の書籍などにも数多く固有X線波長表として記載されており(非特許文献1参照)、分析者はこれらに記載された固有X線波長を参照にして分析試料に応じた波長の照射X線や分析線である試料から発生する蛍光X線の波長を適宜選択している。
特許文献1には、従来技術として、シリコン酸化膜上にある鉄や銅などの遷移金属の分析にW−Lβ線(9.671keV)が用いられているが、ハフニウム含有膜上の遷移金属の分析では、W−Lβ線がハフニウムLIII吸収端(9.554keV)よりエネルギが高く、かつハフニウム吸収端に近く非常に高い効率でHf−Lα線(7.898keV)を励起し、そのためX線検出器が飽和して測定ができなくなる。X線検出器が飽和しない測定条件で測定しても、Hf−Lα線がCu−K線(Kα:8.047keV、Kβ:8.903keV)と重なり分析ができない。
次に、Cu−K吸収端(8.978keV)より大きなエネルギで、ハフニウムLIII吸収端(9.554keV)より小さなエネルギのPt−Kα線(9.441keV)を用いて分析を行ったが、試料の膜中に存在するハフニウム原子によるラマン散乱による妨害線が発生し、ハフニウム膜上の微量の銅の分析が困難であり、この問題を解決するためにIr−Lα線を用いて分析を行ったことが記載されている。
しかし、蛍光X線分析法において、試料から発生するバックグランドが高く出たり、試料中の他の成分から発生する蛍光X線と分析線とが重なったり、X線散乱による妨害線の発生などは、日常的に起こることであり、分析者はこれらの条件を検討して分析試料に適したX線管、照射X線の波長、分析線を選択している。
例えば、十数年前の蛍光X線分析技術であるが、半導体基板であるシリコンウエハー上の不純物である銅、ニッケル、亜鉛などの遷移金属の全反射蛍光X線分析において、試料への照射X線としてW−Lβ線を用いると、散乱線によりエスケープピークが発生し、銅の分析線であるCu−Kα線(8.047keV)と重なり分析精度が低下し、また、照射X線であるW−Lβ線によりゴーストピークも現れ、ニッケルの分析線であるNi−Kα線(7.47keV)と重なり、ニッケルは測定できないために、試料への照射X線の散乱線によって発生するエスケープピークやゴーストピークによって分析元素である銅、ニッケル、亜鉛などの分析線と重ならないAu−Lβ線やPt−Lβ線を用いて、この問題を解決し分析精度を向上させている技術がある(特許文献3参照)。
特許文献3と同様に十数年前の蛍光X線分析技術であるが、半導体基板であるシリコンウエハー上の不純物であるナトリウム、アルミニウムなどの金属の全反射蛍光X線分析において、試料への照射X線として従来のW−Lβ線やAu−Lβ線を用いると、シリコンウエハーの主成分であるシリコン(Si)のSi−Kα線が非常に大きなピークとなり、アルミニウムやナトリウムの分析線であるAl−Kα線、Na−Kα線と重なり、微量のアルミニウムやナトリウムを分析することができないために、試料への照射X線によって発生するSi−Kα線を抑制し、分析元素であるアルミニウム、ナトリウムなどの分析線と重ならないようにすることができる照射X線であるW−Mα線、W−Mβ線、Ta−Mα線、Ta−Mβ線などを用いて、この問題を解決し分析精度を向上させている技術がある(特許文献4参照)。
前記したように特許文献1に記載の分析方法は、この技術が考えられた時より十数年前の特許文献や蛍光X線分析の分野で広く知られた非特許文献に記載された技術から明らかなように、分析目的に応じた試料への照射X線の選択であり、もはや、分析者が新しい試料を分析する場合に日常的に行っている単なる分析条件の選択に過ぎない。
特許文献1に記載された従来技術は、近年になって半導体集積回路製造プロセスにおいて利用されるようになった絶縁膜である酸化ハフニウム膜について、従来から不純物として問題になっている遷移金属である鉄や銅を全反射蛍光X線分析装置で分析を行っており、半導体集積回路製造プロセスにおいては重要なことである。
特開2006−53012号公報 特開昭61−143929号公報 特開平6−317547号公報 特開平8−75683号公報 X線分析法 5〜7、94、237頁 1987年 共立出版
しかし、新たな物質が半導体集積回路製造プロセスにおいて利用されるようになった場合、従来から問題になっている不純物だけでなく、新たな物質が汚染原因になり、新たな問題が発生する。半導体基板に酸化ハフニウム膜を用いると、ハフニウムが製造プロセスにおいて新たな不純物となる。したがって、半導体集積回路製造プロセスにおいて新たな物質が用いられるようになった場合には、従来の汚染元素(不純物)だけではなく、新たな物質による汚染の有無を分析により管理する必要がある。従来技術では、微量の銅や鉄などの遷移金属しか分析しておらず、半導体集積回路製造プロセスにおいて新たに発生するハフニウムやタンタルなどの汚染を分析し管理することができない。
従来の汚染分析において使用していたW−Lβ線をハフニウム分析に使用すると、図4に示すような分析データになり、またW−Lβ線をタンタル分析に使用すると、図5に示すような分析データとなり、銅のスペクトルとハフニウムのスペクトルおよびタンタルのスペクトルが重なり、正確で精度のよい分析ができない。
本発明は前記従来の問題に鑑みてなされたもので、高誘電体ゲート絶縁膜として酸化ハフニウム膜、バリアメタル膜としてタンタル窒化膜を製膜する半導体集積回路製造プロセスにおける半導体基板上の汚染物質であるハフニウム、タンタルを高感度、高精度で分析することができる蛍光X線分析装置およびその方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の第1構成にかかる蛍光X線分析装置は、イリジウムを含むターゲットを有するX線管と、前記X線管からのX線を分光手段でIr−Lα線に単色化し、半導体基板である試料に照射する第1照射手段と、前記X線管からのX線を前記分光手段でIr−Lβ線に単色化し、前記試料に照射する第2照射手段と、前記第1および第2照射手段によって照射された前記試料から発生する第1蛍光X線の強度および第2蛍光X線の強度を検出する検出器と、前記検出器が検出する前記第1蛍光X線の強度および前記第2蛍光X線の強度を演算する演算手段と、を備え前記試料のハフニウムおよび/またはタンタルを分析する。
本発明の第1構成においては、ウエハーや製膜された半導体基板を試料とするが、基板上に形成されたハフニウム酸化膜やタンタル窒化膜そのものを分析するのではなく、ハフニウムとタンタル以外の物質によって製膜された基板やウエハー、あるいはハフニウム酸化膜やタンタル窒化膜が形成された基板のハフニウム酸化膜やタンタル窒化膜以外の箇所の上の汚染物質(不純物)であるハフニウムおよび/またはタンタルを分析する。
X線管はイリジウムを含むターゲットを有するX線管であり、イリジウムを含む回転陽極であるX線管であってもイリジウムを含む固定陽極であるX線管であってもよく、分光手段である累積多層膜などの分光素子によりIr−Lα線とIr−Lβ線を選択して試料である半導体基板に照射する。第1照射手段は、イリジウムX線管からのX線の中からIr−Lα線を選択するのに適した格子定数(d値)を有する累積多層膜や結晶などの分光素子を用い、この分光素子にIr−Lα線を選択するのに適した照射角度で入射させて、イリジウムX線管からのX線をIr−Lα線に単色化し、試料に所定の照射角度で照射する。
第2照射手段は、イリジウムX線管からのX線の中からIr−Lβ線を選択するのに適した格子定数を有する累積多層膜や結晶などの分光素子を用い、この分光素子にIr−Lβ線を選択するのに適した照射角度で入射させて、イリジウムX線管からのX線をIr−Lβ線に単色化し、試料に所定の照射角度で照射する。この場合、Ir−Lα線用の分光素子とIr−Lβ線用の分光素子を切替え機構などで切替えて測定する。
第1照射手段と第2照射手段は、前記のように2種類の分光素子を切替える分光素子切替機構を有す分光手段を有してもよいし、1個の分光素子への一次X線の入射角度をIr−Lα線の単色化に適した角度とIr−Lβ線の単色化に適した角度に分光素子の角度を切替える角度切替機構を有する分光手段を有してもよいし、また1個の分光素子への一次X線の入射角度をIr−Lα線の単色化に適した角度とIr−Lβ線の単色化に適した角度になるようにイリジウムX線管を移動させる移動機構を有していてもよい。
本発明の第1構成においては、分析元素であるハフニウムとタンタルの吸収端はそれぞれHf−LIII(9.556keV)とTa−LIII(9.876keV)であり、1次X線であるIr−Lα線とIr−Lβ線のエネルギはそれぞれ9.173keVと10.706keVである。したがって、Ir−Lβ線(10.706keV)によってハフニウムとタンタルは充分に励起されるが、図4および図5に示すようにIr−Lα線(9.173keV)には励起されない。ハフニウム、タンタル、銅によって汚染されている半導体基板上に第2照射手段からIr−Lβ線を照射すると、ハフニウム、タンタル、銅が励起され、Cu−Kα線(8.047keV)がHf−Lα線(7.898keV)に重なったスペクトルとTa−Lα線(8.144keV)に重なったスペクトルが得られる。
予め実験により求められたCu−Kα線とTa−Lα線の重なり補正定数K1およびCu−Kα線とHf−Lα線の重なり補正定数K2が演算手段に記憶されている。Ir−Lα線を試料に照射すると銅は励起されるが、ハフニウムとタンタルは励起されない、したがって、前記の特許文献1に記載されているようにハフニウムが試料中に共存していても銅を正確に定量することができる。第1照射手段のIr−Lα線を照射することによって定量した銅の定量値を演算手段に記憶する。第2照射手段から照射されるIr−Lβ線によって得られたCu−Kα線がTa−Lα線と重なったスペクトルとHf−Lα線に重なったスペクトルを用いてタンタルおよびハフニウムを定量し、その定量値を演算手段に記憶する。演算手段に記憶したタンタルおよびハフニウムの各定量値から演算手段に記憶した銅の定量値に演算手段に記憶されている各重なり補正定数(K1、K2)を乗じた各値を差し引き、補正後のタンタルおよびハフニウムの定量値を求める。タンタルまたはハフニウムのどちらか一方によって汚染されている半導体基板の場合には、タンタルまたはハフニウムのみの定量値が同様に求められる。
本発明の第1構成における蛍光X線分析装置は全反射蛍光X線分析装置などのエネルギ分散型であっても、波長分散型のどちらであってもよい。X線検出器はエネルギ分散型の場合にはSSDやSDDなどの半導体検出器が用いられ、波長分散型の場合には比例計数管(PC)やシンチレーションカウンタ(SC)が用いられる。
本発明の第1構成によれば、従来技術では半導体基板にハフニウム酸化膜やタンタル窒化膜が形成される新たな半導体集積回路製造プロセスにおいても、従来の高誘電体ゲート絶縁膜としてシリコン酸化膜やシリコン酸窒化膜が用いられていた時と同様に、鉄や銅などの遷移金属しか分析されていないが、半導体基板にハフニウム酸化膜やタンタル窒化膜が形成される新たな半導体集積回路製造プロセスにおいて、新たに発生するハフニウムやタンタルなどの汚染物質を1本のイリジウムX線管のみで高感度かつ高精度に分析することができる。
本発明の第2構成にかかる蛍光X線分析方法は、イリジウムを含むターゲットを有するX線管からのX線を分光手段で単色化したIr−Lα線を半導体基板である試料に照射し、前記試料から発生する第1蛍光X線の強度を検出器で検出し、前記X線管からのX線を前記分光手段で単色化したIr−Lβ線を前記試料に照射し、前記試料から発生する第2蛍光X線の強度を前記検出器で検出し、前記検出器が検出する前記第1蛍光X線の強度および前記第2蛍光X線の強度を演算することにより前記試料のハフニウムおよび/またはタンタルを分析する。
本発明の第2構成の蛍光X線分析方法によれば、前記第1構成の蛍光X線分析装置を用いる分析方法であるので、第1構成と同様の作用効果が得られる。
以下、本発明の第1実施形態である全反射蛍光X線分析装置について説明する。図1に示すように、本発明の全反射蛍光X線分析装置1は、イリジウムを含むターゲットを有する封入型のX線管11と、イリジウムX線管11からのX線12を分光手段8の分光素子である累積多層膜13でIr−Lα線15に単色化した1次X線15を半導体基板であるウエハーSに照射する第1照射手段6と、イリジウムX線管11からのX線12を分光手段8の分光素子である累積多層膜14でIr−Lβ線16に単色化した1次X線16をウエハーSに照射する第2照射手段7と、第1照射手段6によって照射されたウエハーSから発生する第1の蛍光X線17と第2照射手段7によって照射されたウエハーSから発生する第2の蛍光X線18の強度を検出する検出器19と、検出器19からの第1の蛍光X線17と第2の蛍光X線18の強度を記憶し、演算する演算手段20とを有している。演算手段には、予め実験により求められたCu−Kα線とTa−Lα線の重なり補正定数K1およびCu−Kα線とHf−Lα線の重なり補正定数K2が記憶されている。
第1照射手段6はイリジウムX線管11と累積多層膜13とで構成され、第2照射手段6はイリジウムX線管11と累積多層膜14とで構成される。分光手段8は、分光素子である累積多層膜13、14を有し、第1照射手段6では累積多層膜13を、第2照射手段7では累積多層膜14を使用できるように、例えば図1の紙面に垂直な方向にスライドする切り替え機構(図示なし)を有し、切り替え機構は制御手段21によって制御されている。累積多層膜13、14は人工多層膜であり、累積多層膜13はIr−Lα線15の単色化に適したd値で構成され、累積多層膜14はIr−Lβ線16の単色化に適したd値で構成されている。また、累積多層膜13、14はイリジウムX線管11からのX線12をそれぞれIr−Lα線15またはIr−Lβ線16に単色化するのに適したブラッグ条件を満足する入射角度に設定されている。
第1照射手段6と第2照射手段7がウエハーSに照射する1次X線15、16がウエハーSの上面で全反射する角度、例えば0.05〜0.2°に設定されている。最適な照射角度は試料の半導体基板の材質と照射X線の波長によって決まるので、例えば試料を載置する試料テーブル23の位置を制御部(図示なし)により制御して設定される。試料であるウエハーSからの蛍光X線17、18を検出する検出器19は半導体検出器であるSSDである。
演算手段20は、予め実験によって求められた重なり補正定数K1、K2、測定した蛍光X線の強度、測定した蛍光X線の強度に基づいて定量した定量値などを記憶し、これらの記憶した数値に基づいて演算する手段であり、コンピュータにより構成されている。
予め実験によって求められ記憶されている重なり補正定数K1、K2は、下記のようにして求めることができる。例えば、Cu−Kα線とTa−Lα線の重なり補正定数K1は、半導体基板の汚染量相当量の単味の銅が表面に存在するウエハーを作製し、このウエハーWに第1照射手段からIr−Lα線を照射して得られた蛍光X線であるCu−Kα線の強度から銅の定量値C1を求める。次に、ウエハーWに第2照射手段からIr−Lβ線を照射して得られたピーク強度(Cu−Kα線のピーク強度)をTa−Lα線の強度とみなし、タンタルのみなし定量値T1を求める。このタンタルのみなし定量値T1を前記の銅の定量値C1で除した値が重なり補正定数K1である。同様の方法で求めたハフニウムのみなし定量値H1を銅の定量値C1で除した値がCu−Kα線とHf−Lα線の重なり補正定数K2である。このような方法で求めた重なり補正定数K1、K2が演算手段20に記憶されている。
全反射蛍光X線分析装置1の動作について説明する。試料であるウエハーSを試料テーブル23に載置し、試料テーブル23の位置を制御部(図示なし)により制御して、照射X線がウエハーSの上面で全反射する角度に設定される。例えば0.1°以下に設定される。第1照射手段6によって、1次X線であるIr−Lα線15がウエハーSに照射され、ウエハーSから発生した蛍光X線17が検出器19によって検出され、演算手段20などによってデータ処理され表示部(図示なし)に図2に示す分析データが表示されるとともに、検出された銅の定量値C2が演算手段20に記憶される。
次に、制御手段21の制御によりスライド切り替え機構(図示なし)をスライドさせ、第1照射手段6から第2照射手段7に切り替え、試料テーブル23の位置を制御部(図示なし)により第2照射手段7から照射されるIr−Lβ線14が全反射する角度、例えば、0.1°以下に設定される。第2照射手段7によって、1次X線であるIr−Lβ線16がウエハーSに照射され、ウエハーSから発生した蛍光X線18が検出器19によって検出され、演算手段20などによってデータ処理され表示部(図示なし)に図3に示す分析データが表示されるとともに、検出されたタンタルのみなし定量値T2が演算手段20に記憶される。図3に示されているタンタルのピークはTa−Lα線とCu−Kα線が重なったピークであるが、このピーク強度をTa−Lα線の強度とみなし、タンタルのみなし定量値T2を求める。このようにして求められたみなし定量値T2が演算手段20に記憶されている。
演算手段20に記憶されているタンタルの重なり補正定数K1、銅の定量値C2、タンタルのみなし定量値T2および演算手段20に記憶されている式(1)を用いて、演算手段20で演算され、補正後のタンタルの定量値T3が求められる。
T3=T2−K1×C2 (1)
ウエハーSがハフニウムに汚染されている場合は、前記のタンタルと同様の全反射蛍光X線分析装置の動作により、銅の定量値C2およびハフニウムのみなし定量値H2を求め、演算手段20に記憶されているハフニウムの重なり補正定数K2および演算手段20に記憶されている式(2)を用いて演算手段20で演算され、補正後のハフニウムの定量値H3が求められる。
H3=H2−K2×C2 (2)
ウエハーSがハフニウムおよびタンタルに汚染されている場合は、ハフニウムまたはタンタルの定量値を求めた場合と同様の装置動作および分析方法でハフニウムおよびタンタルを定量し補正後の定量値を求めることができる。
本発明の第1実施形態である全反射蛍光X線分析装置の概略図である。 Ir−Lα線によるウエハーの銅の分析データ Ir−Lβ線によるウエハーのタンタルの分析データ W−Lβ線とIr−Lα線によるHfOx膜の分析データ W−Lβ線とIr−Lα線によるTaN膜の分析データ
符号の説明
1 蛍光X線分析装置(全反射蛍光X線分析装置)
6 第1照射手段
7 第2照射手段
8 分光手段
11 イリジウムX線管
12 X線
15 Ir−Lα線
16 Ir−Lβ線
17 第1の蛍光X線
18 第2の蛍光X線
19 検出器
20 演算手段
S 試料(半導体基板 ウエハー)

Claims (2)

  1. イリジウムを含むターゲットを有するX線管と、
    前記X線管からのX線を分光手段でIr−Lα線に単色化し、半導体基板である試料に照射する第1照射手段と、
    前記X線管からのX線を前記分光手段でIr−Lβ線に単色化し、前記試料に照射する第2照射手段と、
    前記第1および第2照射手段によって照射された前記試料から発生する第1蛍光X線の強度および第2蛍光X線の強度を検出する検出器と、
    前記検出器が検出する前記第1蛍光X線の強度および前記第2蛍光X線の強度に基づき前記試料のハフニウムおよび/またはタンタルの量を演算する演算手段と、
    を備えた蛍光X線分析装置。
  2. イリジウムを含むターゲットを有するX線管からのX線を分光手段で単色化したIr−Lα線を半導体基板である試料に照射し、前記試料から発生する第1蛍光X線の強度を検出器で検出し、
    前記X線管からのX線を前記分光手段で単色化したIr−Lβ線を前記試料に照射し、前記試料から発生する第2蛍光X線の強度を前記検出器で検出し、
    前記検出器が検出する前記第1蛍光X線の強度および前記第2蛍光X線の強度に基づき前記試料のハフニウムおよび/またはタンタルの量を演算する蛍光X線分析方法。
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