JP2000199748A - 蛍光x線分析方法および蛍光x線分析装置 - Google Patents

蛍光x線分析方法および蛍光x線分析装置

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JP2000199748A
JP2000199748A JP10377187A JP37718798A JP2000199748A JP 2000199748 A JP2000199748 A JP 2000199748A JP 10377187 A JP10377187 A JP 10377187A JP 37718798 A JP37718798 A JP 37718798A JP 2000199748 A JP2000199748 A JP 2000199748A
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fluorescent
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JP10377187A
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Kojiro Yamada
康治郎 山田
Minoru Inoue
井上  稔
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Rigaku Corp
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Rigaku Industrial Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】試料の定性・定量分析を、高精度かつ短時間に
行うことができる蛍光X線分析方法および装置を提供す
る。 【解決手段】波長分散型X線検出手段5により、軽元素
領域が高い検出精度で測定され、エネルギー分散型X線
検出手段15により、主に重元素領域が短時間で測定さ
れる。したがって、試料Sの定性・定量分析を、短時間
かつ高精度に行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、X線を照射した試
料から発生する蛍光X線の強度を測定して、試料を定性
分析,半定量分析,定量分析する蛍光X線分析装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来から、X線を照射した試料から発生
する蛍光X線の強度を測定して、試料を定性分析,半定
量分析,定量分析する蛍光X線分析装置として、分光器
とX線検出器を有する波長分散型と、エネルギー分散型
検出器を有するエネルギー分散型とが知られている。
【0003】ここで、定量分析の精度を向上させるため
に、定量分析を行う前に、試料の測定対象元素につい
て、試料に含まれる元素の種類および含有率の概算値を
求める、いわゆる半定量分析を行う場合がある。含有率
の概算値のほかに、基板上に形成された薄膜の付着量や
膜厚の概算値を求める場合もある。これは、一般に蛍光
X線強度の測定値には、測定条件の差による変動がある
ので、試料に含まれる測定対象元素の複数の種類のピー
ク強度のみに基づいて、試料の種別の判定を行うと、誤
判定が起こり易いためである。この半定量分析により、
測定対象元素のピーク強度や含有率の概算値によって、
例えば鉄鉱石やセメント等のように、試料が属するグル
ープが選択される。このグループに応じて、適切な測定
対象元素の測定時間や測定波長等の測定条件を設定し、
この適切な測定条件の下で試料の蛍光X線強度を測定し
て、検量線法やファンダメンタルパラメータ法を使用し
て定量分析が行われるので、定量分析の精度が向上す
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の半定量
分析を行う場合、波長分散型では、広範囲の波長域の測
定対象元素を検出するのに、検出器を各元素の特性X線
の波長に対応する角度に一定の速度で変化させてスキャ
ンさせるので、測定時間が長くかかる。高速スキャンに
より測定時間を短くすると、得られるX線強度の統計変
動が大きくなり、微量元素を検出できなくなる。特に、
小径面積の試料の場合、大径面積の試料に比較して、検
出感度が低いので、低速スキャンが必要となり、測定に
長時間かかる。
【0005】一方、エネルギー分散型では、スキャンを
必要としないことから、広範囲の波長域の測定対象元素
について、短時間の測定が可能であるが、試料に含まれ
る軽元素の領域の検出感度が低く、軽元素の領域の高精
度化が図れない。また、微量元素の検出も困難である。
したがって、試料の定量分析を行う場合、波長分散型ま
たはエネルギー分散型のどちらか一方のみ半定量分析を
行うのでは、高精度化および短時間化の両方を図ること
が困難である。
【0006】試料の定性分析を行う場合も、波長分散型
またはエネルギー分散型のどちらか一方のみでは、上記
と同様に、高精度化および短時間化の両方を図ることが
困難な場合がある。
【0007】本発明は、上記の問題点を解決して、試料
の定性・定量分析を、高精度かつ短時間に行うことがで
きる蛍光X線分析装置を提供することを目的としてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1および請求項4の発明によれば、分光器と
X線検出器とからなる波長分散型X線検出手段によっ
て、主に軽元素の領域の蛍光X線強度を、エネルギー分
散型X線検出手段によって、主に重元素の領域の蛍光X
線強度を測定して第1の測定結果を得て、前記第1の測
定結果に基づき、試料の定性分析,半定量分析および定
量分析のうち少なくとも1つの分析を行う。波長分散型
X線検出手段は、主に軽元素の領域の蛍光X線強度を測
定するが、少数の重元素についても測定する場合があ
る。例えば、銅,鉄,亜鉛等の金属を多く含んだ産業廃
棄物中の重元素である微量砒素,鉛等の測定の場合、
銅,鉄,亜鉛等のスペクトルが重なり、分解能の低いエ
ネルギー分散型X線検出手段では砒素,鉛等の測定が困
難な場合があり、この場合に波長分散型X線検出手段を
使用する。一方、エネルギー分散型X線検出手段は、主
に重元素の領域の蛍光X線強度を測定するが、少数の軽
元素についても測定する場合がある。例えば、土壌や岩
石等のようにシリカ,アルミナ等の軽元素を主成分とす
る試料の場合、分析時間の短縮のためにエネルギー分散
型X線検出手段で測定することが有効だからである。上
記半定量分析には、(1) 少数の元素のみの定量分析、
(2) 少数(例えば2つ)の標準試料によって作成した検
量線を用いた定量分析、(3) 定性分析の粗いデータを用
いた定量分析が含まれる。また、上記定性分析と半定量
分析の結果を組み合わせてもよい。
【0009】上記の構成によれば、波長分散型X線検出
手段により、主に軽元素領域が高い検出精度で測定さ
れ、エネルギー分散型X線検出手段により、主に重元素
領域が短時間で測定される。したがって、試料の定性・
定量分析を、短時間かつ高精度に行うことができる。
【0010】請求項2および請求項5の発明によれば、
前記波長分散型X線検出手段により測定されたスペクト
ルに高次線の重なりがある場合には、エネルギー分散型
X線検出手段による測定結果を優先して第1の測定結果
に用いる。
【0011】上記構成によれば、波長分散型X線検出手
段からの測定結果に高次線による重なりがあって、測定
が困難になっても、エネルギー分散型X線検出手段では
高次線が測定されないので、この測定結果を優先するこ
とにより、試料の定性・定量分析を、一層高精度に行う
ことができる。
【0012】請求項3および請求項6の発明によれば、
前記求められた試料の定性分析または半定量分析の結果
から、試料が属するグループを選択し、グループに応じ
て測定対象元素を含む測定条件を設定し、設定された測
定条件の下で蛍光X線強度を測定させて第2の測定結果
を得て、前記得られた測定対象元素についての第2の測
定結果から、試料の定量分析値を求める。上記定量分析
値には、試料中に存在する元素の含有率のほか、試料が
基板上に形成された薄膜である場合には、薄膜の付着量
や膜厚も適用できる。
【0013】上記構成によれば、定性分析または半定量
分析により試料が属するグループを選択し、このグルー
プに応じて、適切な測定対象元素の測定時間、測定波長
等の測定条件を設定し、この測定条件の下で試料の蛍光
X線強度を測定するので、高精度の定量分析を行うこと
ができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る
蛍光X線分析装置の構成図を示す。本装置は、試料Sが
固定される試料台2と、試料表面に傾斜して1次X線B
1を照射するX線源4と、試料Sから発生した2次X線
の一種である蛍光X線B2が分光された蛍光X線B3の
強度を測定する波長分散型X線検出手段5と、エネルギ
ー分散型X線検出手段15と、検出した蛍光X線B2,
B3を電気的に信号処理する信号処理回路12と、装置
全体を制御するコントローラ20とを備えている。
【0015】上記波長分散型X線検出手段5は、平行化
のためのソーラスリット7、蛍光X線B2を分光する分
光器8、分光された蛍光X線B3を検出するX線検出器
9、分光器8とX線検出器9を一定の角度関係を保って
回動させる走査機構10とを備えている。
【0016】試料Sと波長分散型X線検出手段5との間
の蛍光X線B2の通路には、板材で形成された視野制限
用のコリメータ14が設けられている。コリメータ14
は複数の絞り孔14a,14bを有する。波長分散型X
線検出手段5で測定する場合には、モータおよび伝動機
構を含む移動機構16により、コリメータ14の位置を
移動させて、試料S上の被測定部の形状の大小に応じて
絞り孔14a,14bの中から1つの絞り孔を選択して
蛍光X線B2の通路に配置する。この移動機構16は、
後述するコントローラ20内の移動機構制御手段34に
より制御される。
【0017】上記コリメータ14における複数の絞り孔
14a,14bの側方に、例えばSSD(半導体検出
器)のようなエネルギー分散型X線検出手段15が取り
付けられている。エネルギー分散型X線検出手段15で
測定する場合には、移動機構16により、コリメータ1
4の位置を移動させて、SSD(半導体検出器)15を
蛍光X線B2の通路に配置する。信号処理回路12はS
SD15で得られた電気信号を信号処理する。
【0018】さらに、本装置のコントローラ20は、第
1,第2の測定制御手段22,24、同定手段25、優
先手段26、分析データ処理手段28、グループ選択手
段32、移動機構制御手段34および定量分析手段36
をCPU(コンピュータ)に内蔵し、その他に、各デー
タや検量線式等を記憶する記憶手段(メモリ)M、各動
作内容および各データ内容を画面に表示する表示部D、
画面の表示内容をプリントアウトする印刷手段Pを有す
る。
【0019】第1の測定制御手段22は、X線源4のシ
ャッタ(図示せず)を開放して1次X線B1を試料Sに
照射させるとともに、試料Sに含まれる元素の蛍光X線
強度を測定して第1の測定結果を得る。波長分散型X線
検出手段5の場合、走査機構10を駆動して波長を連続
的にスキャンさせ、信号処理回路12を制御して、X線
検出器9からの出力パルスを計数させ、試料Sから発生
する軽元素の領域の蛍光X線B3の強度を測定させる。
エネルギー分散型X線検出手段15の場合、信号処理回
路12を制御して、SSD15からの出力パルスを計数
させ、試料Sから発生する主に重元素の領域の蛍光X線
B2の強度を測定させる。
【0020】同定手段25は、蛍光X線B3の測定した
強度データに基づいて、測定対象元素のピーク検出およ
び同定解析を行い、試料Sに含まれる元素の種類を求め
る。優先手段26は、上記波長分散型X線検出手段5に
よる蛍光X線B3の測定結果に高次線とその他の蛍光X
線との重なりがある場合には、エネルギー分散型X線検
出手段15による蛍光X線B2の測定結果を優先して用
いる。重なりのない場合には、両測定結果がそのまま用
いられる。上記蛍光X線B3の測定結果での重なりは、
得られた元素の種類から、高次線の重なりを推定するこ
とにより、見い出される。分析データ処理手段28は、
上記第1の測定結果に基づいて、試料Sの定性分析,半
定量分析および定量分析のうち少なくとも1つの分析を
行う。一般に、少なくとも定性分析が含まれる。半定量
分析結果は、後の定量分析のためのグループ分けにも使
用できる。
【0021】グループ選択手段32は、分析データ処理
手段28で求められた試料Sの定性分析または半定量分
析の結果から、試料Sが属するグループを選択する。第
2の測定制御手段24は、グループに応じて測定対象元
素および測定時間を含む測定条件を設定し、波長分散型
X線検出手段5の走査機構10を駆動して、分光器8に
より測定対象元素の波長のみを選択してスキャンさせ、
信号処理回路12を制御して、設定された測定条件の下
で、X線検出器9からの出力パルスを測定時間にわたっ
て計数させ、蛍光X線B3の強度を測定させて第2の測
定結果を得る。上記半定量分析における波長分散型X線
検出手段5による蛍光X線B3の測定結果に重なりがあ
る場合には、エネルギー分散型X線検出手段15によっ
て、同様にグループに応じて設定された測定条件の下
で、蛍光X線B2の測定を行い、その結果を優先して用
いる。定量分析手段36は、上記得られた測定対象元素
についての第2の測定結果から、試料Sの定量分析値を
求める。
【0022】上記構成の蛍光X線分析装置の動作を、図
2のフローチャートに基づいて説明する。 (1)第1測定 まず、図1に第1の測定制御手段22を作動させ、移動
機構制御手段34によって移動機構16を制御し、コリ
メータ14の位置を移動させて、エネルギー分散型X線
検出手段(ED検出手段)であるSSD(半導体検出
器)15を蛍光X線B2の通路に配置する。そして、第
1の測定制御手段22により、比較的短い測定時間でS
SD15からの出力パルスを信号処理回路12によって
計数させて、試料Sから発生する主に重元素の領域の蛍
光X線B2の強度を測定させる(図2のステップS
1)。このED検出手段による第1測定により得られた
強度に基づいて、同定手段25により測定対象元素のピ
ーク検出および同定解析が行われる。ED検出手段によ
る第1測定において、SSD15は軽元素領域の元素に
ついての検出感度が低いが、この軽元素領域の大まかな
蛍光X線強度の測定により、試料Sに含まれる軽元素の
種類をある程度特定できる。
【0023】つぎに、第1の測定制御手段22を作動さ
せ、移動機構制御手段34によって移動機構16を制御
し、コリメータ14の位置を移動させて、試料S上の被
測定部の形状の大小に応じて波長分散型X線検出手段
(WD検出手段)の絞り孔14a,14bのいずれか1
つの絞り孔を選択して蛍光X線B2の通路に配置する。
そして、第1の測定制御手段22により、走査機構10
を軽元素の領域についてスキャンさせながら、通常の定
量分析の場合よりも短い測定時間でX線検出器9からの
出力パルスを信号処理回路12によって計数させて、試
料Sから発生する軽元素の領域の蛍光X線B3の強度を
測定させる(ステップS3)。このWD検出手段による
第1測定は、軽元素の領域についてのみ行われるので、
測定時間は長くならない。
【0024】なお、試料Sに含まれる軽元素の種類が予
め判明している場合には、WD検出手段による第1測定
でその軽元素についてのみ測定を行ってもよいし、ま
た、WD検出手段による第1測定で軽元素の測定を行っ
た後で、ED検出手段による第1測定で重元素領域の測
定を行ってもよい。
【0025】つぎに、軽元素についてのWD検出手段に
よる第1測定結果において、例えば1つの軽元素の強度
スペクトルに他の元素の高次線が重なって、測定が困難
になっている場合には、優先手段26により、ED検出
手段による第1測定結果が優先される(ステップS
4)。エネルギー分散型X線検出手段15から高次線は
測定されないので、ED検出手段による第1測定結果を
優先することにより、一層高精度の測定が可能になる。
重なりのない場合には、両測定結果をそのまま用いて、
第1の測定結果を得る(ステップS5)。
【0026】つぎに、分析データ処理手段28により、
上記第1の測定結果に基づいて、試料Sに含まれる元素
の種類と含有量の概算値が求められて、半定量分析を終
了する(ステップS6)。こうして、波長分散型X線検
出手段5により、軽元素領域が高い検出精度で測定さ
れ、エネルギー分散型X線検出手段15により、主に重
元素領域が短時間で測定されるので、試料Sに含まれる
元素の種類と含有量の概算値を求める半定量分析を、短
時間かつ高精度に行うことができる。
【0027】(2)グループ選択 メモリMには、試料Sの種類をグループ分けするための
条件として、元素の種類および含有量が、グループごと
に記憶されている。グループ選択手段32は、半定量分
析による試料Sに含まれた元素の種類および含有量の概
算値を、上記メモリMに記憶されたグループ分けの条件
と照合することによって、例えばステンレス鋼,鉄鉱
石,セメント等のように試料Sの属するグループを自動
的に選択する(ステップS7)。蛍光X線強度の測定値
に変動がある場合、測定対象元素のピーク強度のみでは
試料Sの誤判定が起こり易いので、測定対象元素のピー
ク強度だけでなく含有量の概算値に基づいて、グループ
を選択しているから、試料Sの種別の誤判定を少なくす
ることができる。
【0028】なお、試料Sの種類によって、WD検出手
段による第1測定結果に、高次線のような蛍光X線B3
の重なりが生じない場合には、優先手段26を省略して
もよい。
【0029】また、蛍光X線強度の測定値の変動を無視
できる場合、または、グループ分けが大まかでよい場
合、試料Sに含まれる測定対象元素の種類のみでグルー
プを選択するようにしてもよい。
【0030】(3)定量分析 つぎに、第2の測定制御手段24は、選択されたグルー
プに応じた測定条件、例えば、X線源4の電力やX線照
射時間、信号処理回路12のパルスカウント時間(測定
時間)等をメモリMから読み出して、X線源4,走査機
構10,信号処理回路12を制御し、各測定対象元素に
ついて同時に各測定時間にわたって、上記波長分散型X
線検出手段5のX線検出器9からの出力パルスを計数さ
せて、各測定対象元素のピーク強度を測定する(WD検
出手段による第2測定)(ステップS8)。ステップS
3における半定量分析のWD検出手段による第1測定結
果に重なりがない場合には(ステップS9)、このWD
検出手段による第2測定の結果がそのまま用いられて、
第2の測定結果を得る(ステップS12)。なお、この
場合、WD検出手段による第2測定の結果ではなく、後
述するエネルギー分散型X線検出手段(ED検出手段)
による第2測定の結果を用いるようにしてもよい。
【0031】ステップS9において、ステップS3にお
ける半定量分析のWD検出手段による第1測定結果に重
なりがある場合には、エネルギー分散型X線検出手段1
5によって、上記グループに応じて設定された測定条件
の下で、蛍光X線B2の測定を行うエネルギー分散型X
線検出手段(ED検出手段)による第2測定が行われ
(ステップS10)、その結果を優先して用いられて
(ステップS11)、第2の測定結果を得る(ステップ
S12)。
【0032】その後、定量分析手段36により、上記第
2の測定結果から、試料Sの定量分析値が求められる。
つまり、測定された各ピーク強度から、メモリMに予め
記憶された試料Sに含まれた元素の種類に応じた検量線
式を用いる検量線法またはファンダメンタルパラメータ
法を使用して、試料Sの含有量が求められる(ステップ
S13)。
【0033】この定量分析結果は、メモリMに一旦記憶
されたのち、表示手段Dに表示され、印刷手段Pにより
プリントアウトされる。このように、グループに応じた
測定条件に基づいた測定を行うことにより、定量分析を
短時間かつ高精度に行うことができる。
【0034】なお、試料Sが基板上に形成された薄膜で
ある場合、第1の測定において、含有率の概算値に代え
て、基板上の薄膜の付着量や膜厚の概算値を求め、グル
ープ選択後に、定量分析値として、薄膜の付着量や膜厚
を求めるようにしてもよい。
【0035】なお、上記のように、波長分散型X線検出
手段(WD検出手段)5によって主に軽元素の領域の蛍
光X線強度を、エネルギー分散型X線検出手段(ED検
出手段)15によって主に重元素の領域の蛍光X線強度
を測定した第1の測定結果に基づいて、試料Sの定性分
析を行ってもよい。
【0036】
【実施例】本装置は、図1のように、波長分散型X線検
出手段(WD検出手段)5による軽元素領域(F〜S
i)の測定と、エネルギー分散型X線検出手段(ED検
出手段)15による主に重元素領域(P〜U)の測定と
を組み合わせて半定量分析を行うものである。試料Sの
測定径は3mmφで、走査機構10のスキャン速度は3
0deg/minで、測定時間は約3分である。
【0037】〔比較例1〕これに対して、従来装置
(a),(b)は、波長分散型X線検出手段(WD検出
手段)のみで半定量分析を行うもので、試料の測定径は
それぞれ30mmφと3mmφで、走査機構のスキャン
速度は240deg/minで、測定時間は約3分であ
る。
【0038】半定量分析における元素の含有率の概算値
について、本装置と従来装置との比較例を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】表1において、測定径が3mmφの試料に
ついては、従来装置(b)によれば、元素を検出できな
い場合が生じていたが、本装置によれば、すべての元素
が検出された。また、本装置では、試料Sの測定径が3
mmφについて、試料Sの測定径が30mmφである従
来装置(a)と、同一の短い測定時間で同等の含有率の
概算値を得ることができた。このように、本装置によ
り、試料Sに含まれる元素の種類と含有量の概算値を求
める半定量分析を、短時間かつ高精度に行うことができ
る。
【0041】つぎに、半定量分析における元素の品種的
中率を調べた。
【0042】〔比較例2〕従来装置(c)〜(e)は、
測定径が3mmφの試料について測定を行ったもので、
従来装置(c),(d)は、波長分散型X線検出手段
(WD検出手段)のみで半定量分析を行ったものであっ
て、(c)は走査機構のスキャン速度が4deg/mi
nで、測定時間は約30分である。従来装置(e)は、
エネルギー分散型X線検出手段(ED検出手段)のみで
半定量分析を行ったもので、測定時間は約3分である。
【0043】半定量分析における元素の品種的中率につ
いて、本装置と比較例2の従来装置との比較を表2に示
す。
【0044】
【表2】
【0045】表2において、波長分散型X線検出手段
(WD検出手段)のみの従来装置(d)、エネルギー分
散型X線検出手段(ED検出手段)のみの従来装置
(e)で半定量分析を行った場合、品種的中率はそれぞ
れ3%、70%である。本装置では、測定時間30分の
従来装置(c)と同等の品種的中率95%を得ることが
できた。このように、本装置により、試料Sに含まれる
元素の種類を求める半定量分析を、短時間かつ高精度に
行うことができる。
【0046】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、波長分
散型X線検出手段により、軽元素領域が高い検出精度で
測定され、エネルギー分散型X線検出手段により、主に
重元素領域が短時間で測定される。したがって、試料の
定性・定量分析を、短時間かつ高精度に行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る蛍光X線分析装置を
示す概略構成図である。
【図2】上記装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
5…波長分散型X線検出手段、15…エネルギー分散型
X線検出手段、22…第1の測定制御手段、24…第2
の測定制御手段、26…優先手段、28…分析データ処
理手段、32…グループ選択手段、36…定量分析手
段、S…試料。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G001 AA01 BA04 CA01 DA02 DA06 EA01 EA03 EA08 EA20 FA06 FA29 GA01 GA03 JA02 JA05 JA06 JA11 JA20 KA01 KA11 LA02 LA03 MA05 NA16 SA01 SA02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分光器とX線検出器とからなる波長分散
    型X線検出手段によって、主に軽元素の領域の蛍光X線
    強度を、エネルギー分散型X線検出手段によって、主に
    重元素の領域の蛍光X線強度を測定して第1の測定結果
    を得て、 前記第1の測定結果に基づき、試料の定性分析,半定量
    分析および定量分析のうち少なくとも1つの分析を行う
    蛍光X線分析方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記波長分散型X線検出手段により測定されたスペクト
    ルに高次線の重なりがある場合には、エネルギー分散型
    X線検出手段による測定結果を優先して第1の測定結果
    に用いる蛍光X線分析方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、さらに、 前記求められた試料の定性分析または半定量分析の結果
    から、試料が属するグループを選択し、 グループに応じて測定対象元素を含む測定条件を設定
    し、設定された測定条件の下で蛍光X線強度を測定させ
    て第2の測定結果を得て、 前記得られた測定対象元素についての第2の測定結果か
    ら、試料の定量分析値を求める蛍光X線分析方法。
  4. 【請求項4】 分光器とX線検出器とからなる波長分散
    型X線検出手段と、エネルギー分散型X線検出手段とを
    備えた蛍光X線分析装置であって、 前記波長分散型X線検出手段によって、主に軽元素の領
    域の蛍光X線強度を測定させ、エネルギー分散型X線検
    出手段によって、主に重元素の領域の蛍光X線強度を測
    定させて第1の測定結果を得る第1測定制御手段と、 前記第1の測定結果に基づいて、試料の定性分析,半定
    量分析および定量分析のうち少なくとも1つの分析を行
    う分析データ処理手段とを備えた蛍光X線分析装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、さらに、 前記波長分散型X線検出手段により測定されたスペクト
    ルに高次線の重なりがある場合には、エネルギー分散型
    X線検出手段による測定結果を優先して第1の測定結果
    に用いる優先手段を備えた蛍光X線分析装置。
  6. 【請求項6】 請求項4または5において、さらに、 前記分析データ処理手段により求められた試料の定性分
    析または半定量分析の結果から、試料が属するグループ
    を選択するグループ選択手段と、 グループに応じて測定対象元素を含む測定条件を設定
    し、設定された測定条件の下で蛍光X線強度を測定させ
    て第2の測定結果を得る第2測定制御手段と、 前記得られた測定対象元素についての第2の測定結果か
    ら、試料の定量分析値を求める定量分析手段とを備えた
    蛍光X線分析装置。
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