JP2004003254A - 縁材およびその取り付け施工方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一方向に延在させた第1の基材5および第2の基材8を備え、第1の基材5と第2の基材8とを延在させた方向が揃うように配置するとともに互いに離れた距離Dに位置させ、これら第1の基材5と第2の基材8との間を可撓性を有する材料11で連結し、第1の基材5、第2の基材8および可撓性を有する材料11の表面に化粧層13を設ける。さらに、壁の隅に縁材1を取り付けるに当たっては、可撓性を有する材料11の壁側に裏当て材を設け、この裏当て材に可撓性を有する材料11をあてて取り付ける。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一方の壁の面と他方の壁の面とが交差する隅に取り付けられる縁材およびその取り付け施工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の縁材としては、たとえば可撓性に富む合成樹脂製の蝶番部を二つの硬質合成樹脂製の平板の間に一体的に連結して広幅板を形成し、この広幅板の片面に木目模様を付し、蝶番部をL字状に変形させて使用するもの(実開昭49−67418号公報)や窯業系素材からなる板状体の裏面に、板状体の一辺に平行し、その厚みにほぼ等しい深さでかつ90度より大きい角度の略V字状の溝を設け、この溝の底部に沿って弾性接着剤を付着させてなり、溝の底部位置にて折り曲げて縁材としたもの(実開昭57−163936号公報)などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の縁材において、可撓性に富む合成樹脂製の蝶番部をL字状に変形させて使用するもの(実開昭49−67418号公報)は、蝶番部の厚みが両側の硬質合成樹脂製の平板の厚みと同じものであるから、これを曲げた縁材は壁の隅に使用したときに、隅の形状に必ずしも適合しない場合があった。
【0004】
また、略V字状の溝部分で折り曲げるもの(実開昭57−163936号公報)は、剛性のある二つの板状体から形成されるので壁の隅に局部的な変形箇所があると、その隅に合わせにくいおそれがあった。さらに、壁の隅形状ごとに略V字状の溝を成形しなければならないので煩雑になるおそれがあった。
【0005】
本発明は、一方の壁の面と他方の壁の面とが交差する隅に凹凸があっても使用できることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、一方向に延在させた第1の基材および第2の基材を備え、第1の基材と第2の基材とを延在させた方向が揃うように配置するとともに互いに離して位置させる。さらに、第1の基材と第2の基材との間を可撓性を有する材料で連結し、第1の基材、第2の基材および可撓性を有する材料の表面に化粧層を設けてなることを特徴とする。
【0007】
このようにすることにより、壁の面に波状の凹凸があって第1の基材と第2の基材とが互いに異なった変形状態で壁に取り付けられていても、可撓性を有する材料は左右の第1の基材と第2の基材の変形の差違を吸収するので縁材を壁の隅に取り付けることができる。さらに、第1の基材、第2の基材および可撓性を有する材料の表面に化粧層が設けられるので、可撓性を有する材料の部分で曲げて壁の隅に取り付けることにより第1の基材、第2の基材および可撓性を有する材料は、造作材としての統一された一つの縁材となる。
【0008】
また、上記縁材を一方の壁の面と他方の壁の面とが交差する隅に取り付ける縁材の取り付け施工方法において、可撓性を有する材料の壁側に当てる裏当て材を壁の隅に設けた後、縁材を取り付けると良い。壁の隅に設けた裏当て材の上に縁材の可撓性を有する材料を当てて取り付けることにより、可撓性を有する材料は裏当て材の形状に沿った形状になり、可撓性を有する材料の部分を予め決めた裏当て材の形状に取り付けることができ、縁材の形状選択の幅を広げることができる。また、可撓性を有する材料の壁側に裏当て材を設けることにより、可撓性を有する材料の穴あきなどの損傷を防止できる。
【0009】
次に本発明を構成する各要件についてさらに詳しく説明する。本発明の縁材は、一方の壁の面と他方の壁の面とが交差する隅に取り付けられる。この場合、可撓性を有する材料は、折り曲げができるので隅が出隅であっても入隅であっても使用できる。また、可撓性を有する材料は、その両側に位置する第1の基材と第2の基材の厚さより薄くし、少なくともその壁側に隙間が空くように位置させると良い。こうすることにより縁材を壁の隅に取り付けたときに可撓性を有する材料の裏側と壁の面との間に空間が形成される。可撓性を有する材料の裏側に空間が形成されるので、一方の壁の面と他方の壁の面とが交差する交差線上または稜線上の角(稜)に凹凸ないし出入りがあっても、縁材を取り付けることができる。
【0010】
また、第1の基材および第2の基材は、造作材としての縁材に合った形状とする。たとえば、断面が略矩形で角を丸くしたものや曲面を有する板状のものなどである。第1の基材および第2の基材の材質は、表面に化粧層を設けることができれば特に限定されないが、合板、木質繊維板(MDFなど)、木削片板、単板積層板などの木製、硬質合成樹脂、アルミニウムなどの金属などとしても良い。
【0011】
可撓性を有する材料は、第1の基材と第2の基材の間に設けられるが、この場合連続的にまたは一様に設けられる。可撓性を有する材料の材質は、折り曲げができ、表面に化粧層を設けることができるものであれば特に限定されないが、二つの基材を連結するので強度のあるものが好ましい。軟質の合成樹脂シート、樹脂含浸紙、紙、不織布その他の軟質シートなどを利用する。
【0012】
裏当て材は、可撓性を有する材料に接触する面が円弧状やその他の曲面などに形成される。さらに、壁の角(稜)に当接する部分に凹み溝を設けておくと良い。凹み溝を設けることにより壁の角に凹凸があっても裏当て材を壁の隅に取り付けることができる。さらに、裏当て材の両端面のそれぞれが第1の基材または第2の基材の端面に当接する形状と大きさにすると良い。縁材を壁の隅に取り付ける際に第1の基材と第2の基材の各端面を裏当て材のそれぞれの端面に当てて取り付けることができるので、縁材の位置決めができ施工性が良い。裏当て材の材質は、特に限定されないが木材、硬質合成樹脂、軽金属などを使用することができ、ゴムなどの軟質材料を使用することも考えられる。
【0013】
化粧層は、第1の基材、第2の基材および可撓性を有する材料の表面に設けられるが、たとえば天然木材を切削して得られる天然突板、人工突板および不織布、紙、合成樹脂などとしても良いし、可撓性を有する材料のシートに各種模様を印刷したものとしても良い。さらに、これら化粧層の上に上塗り工程を設けることもできる。化粧層を形成する材料と可撓性を有する材料との接着は、熱可塑性接着剤、たとえば酢酸ビニル樹脂などに耐水性向上のために熱硬化性樹脂または尿素粉末などを混入したものなどを用いることができる。
【0014】
また、先の可撓性を有する材料の化粧層を設けた側と反対の側に軟質材を設けると良い。このようにすることにより、縁材は可撓性を有する材料部分で曲げられるときに、局部的に曲げられることが無くなり、滑らかな凸曲面または凹曲面に曲げられる。さらに、軟質材は、可撓性を有する材料部分で曲げられて出隅または入隅に取り付けられたときに、この縁材の角への異物の衝突による損傷を防止する。
【0015】
さらに、可撓性を有する材料の化粧層を設けた側と反対の側に軟質材を設けるときに、この軟質材の厚みは、その両縁より中央に向かうにしたがって漸次薄くし、中央において最も薄くすると良い。このようにすると、この縁材が第1の基材と第2の基材の間の可撓性を有する材料部分で曲げられるときに、可撓性を有する材料および軟質材の中央を境にして滑らかな曲面に曲げられる。さらに、この場合にも軟質材は、この縁材が曲げられて出隅または入隅に取り付けられたときに、この縁材の角への異物の衝突による損傷を防止する。
【0016】
可撓性を有する材料に設ける軟質材は、弾力性を有する材料をはじめ、合成ゴム材や天然ゴム材あるいは気泡を有する発泡材や気泡を有しない未発泡材などで、たとえばスチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン・ブタジエン・ラバー(SBR)、シリコン樹脂などの軟質合成樹脂材が含まれる。可撓性を有する材料に軟質材を設ける方法は、たとえばホットメルト法、すなわちスチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SBS)やシリコン樹脂などの熱可塑性樹脂を加熱溶融させた状態で塗布または流し込みをしても良いし、スチレン・ブタジエン・ラバー(SBR)やシリコン樹脂などを酢酸ビニル樹脂などの軟質材用接着剤で貼着しても良い。
【0017】
なお、ホットメルト法により熱可塑性樹脂の軟質材を加熱溶融させた状態で可撓性を有する材料に塗布または流し込みする場合、可撓性を有する材料は断熱性に優れた材質のものが好ましい。また、可撓性を有する材料と熱可塑性樹脂の軟質材との間に断熱性材料を介在させても良い。このようにすることにより、可撓性を有する材料自体または断熱性材料が断熱の役目を果たし、溶融した熱可塑性樹脂の熱により可撓性を有する材料が軟化して不要なしわ、ひずみなどが発生することを防止し、また可撓性を有する材料が変質し、化粧層に色違い、色むらなどが発生することを防止する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る縁材の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、図1〜11において、同一または同等部分には同一符号を付けて示す。
【0019】
図1は、本発明に係る縁材の第1実施形態を示す断面図である。縁材1は、一方向、すなわち紙面に垂直な方向に延在させた第1の基材5および第2の基材8を備える。さらに、第1の基材5と第2の基材8は、延在させた方向が揃うように配置されるとともに互いに離れた距離Dに位置させる。そして、第1の基材5と第2の基材8とは、その間を可撓性を有する材料11で連結される。また、第1の基材5、第2の基材8および可撓性を有する材料11の表面には太線で示した化粧層13が設けられる。
【0020】
第1の基材5および第2の基材8の形状は、造作材としての縁材に合ったものとするが、この第1実施形態では断面が略矩形で化粧層の設けられる側の角が丸く形成されている。材質は、合板、木質繊維板、木削片板、単板積層板などの木製である。可撓性を有する材料11は、第1の基材5と第2の基材8の両表面を覆い、さらに第1の基材5と第2の基材8の間の空間にも設けられ、これらの基材を連結する。
【0021】
可撓性を有する材料11は、一方向、すなわち図1の紙面に垂直な方向に連続的または一様に設けられ、かつその壁側に隙間が空くように位置させる。さらに、可撓性を有する材料11は、折り曲げが可能な材質で形成され機械的強度のあるものが好ましい。たとえば、軟質の合成樹脂シート、紙、不織布などである。可撓性を有する材料11の厚さは、その両側に位置する第1の基材5または第2の基材8の厚さより小さくする。
【0022】
化粧層13は、たとえば天然木材を切削して得られる天然突板、人工突板、不織布または紙などでも良く、可撓性を有する材料11に貼着される。また、可撓性を有する材料11の表面に木目模様などを印刷したものでも良い。したがって、可撓性を有する材料11の表面に化粧層を設けたものまたは木目模様を印刷したものは化粧シート14となる。また、化粧層13は第1の基材5または第2の基材8の表面はもちろん、その裏側にまで巻き込んだ状態で設けられる。
【0023】
図2は、図1に示した第1実施形態の縁材1を壁の出隅18に取り付けた状態の断面図である。縁材1は、一方の壁の面15と他方の壁の面17とが交差する出隅18に取り付けられる。可撓性を有する材料11で連結された第1の基材5と第2の基材8の背面側をそれぞれ一方の壁の面15、他方の壁の面17に当接させて固定する。このとき可撓性を有する材料11は、たとえば円弧状に形成される。このようにすると、可撓性を有する材料11の裏側と二つの壁の面15、17との間に空間27が形成される。
【0024】
第1の基材5と第2の基材8とは可撓性を有する材料11で連結されるので、一方の壁の面15または他方の壁の面17に波状の凹凸があって第1の基材5または第2の基材8が局部的に波状に取り付けられても、二つの基材の間にある可撓性を有する材料11が両基材の変形差を吸収し、縁材1を壁の隅に取り付けることを可能にする。
【0025】
さらに、第1の基材5、第2の基材8および可撓性を有する材料11の表面に化粧層13が設けられるので、可撓性を有する材料11の部分で曲げて壁の出隅18に取り付けることにより第1の基材5、第2の基材8および可撓性を有する材料11は、造作材としての統一された一体的な縁材1となる。なお、図2において、第1の基材5と一方の壁の面15との間および第2の基材8と他方の壁の面17との間に隙間があるように描かれているが、化粧層13を設けた可撓性を有する材料11は、非常に薄く、たとえば0.1mm前後の厚さであるので第1、第2の基材5、8の背面と壁の面15、18との間の隙間はほとんど無視できる。
【0026】
図3は、第1実施形態の縁材1を壁の入隅19に取り付けた状態の断面図である。縁材1は、一方の壁の面15と他方の壁の面17とが交差する入隅19に対しても取り付けることができ、可撓性を有する材料11で連結された第1の基材5と第2の基材8の背面側をそれぞれ一方の壁の面15または他方の壁の面17に当接させて固定する。このとき可撓性を有する材料11は、たとえば円弧状に形成される。このようにすると、可撓性を有する材料11の裏側と二つの壁の面15、17との間に空間28が形成される。
【0027】
縁材1は、一方の壁の面15または他方の壁の面17に波状の凹凸があって第1の基材5または第2の基材8が局部的に波状に取り付けられても、二つの基材の間にある可撓性を有する材料11がその変形の差を吸収し、縁材1を壁の入隅19に取り付けることができる。さらに、可撓性を有する材料11の裏側に空間28があるので壁の面15と壁の面17とが交差する交差線上、すなわち角(稜)に凹凸があっても縁材1を取り付けることができる。なお、図3において、その他の部分の構造と作用は、図1、2に示したものと同じであるのでその説明を省略する。
【0028】
図4は、図1に示した縁材1の製造法を示し、(A)は縁材の素材断面図、(B)は素材の表側中央部分に溝30を形成した状態の断面図、(C)は化粧シート14を貼着した状態の断面図、(D)は裏側の中央部分を削除した状態の断面図である。 縁材1の製造法について説明する。図4(A)に示すように、第1の基材5と第2の基材8とが形成できる大きさの素材29aを成形加工して準備する。素材29aの厚みTは、既に第1の基材5や第2の基材8の仕上げ厚みであり、この厚みに予め加工されている。素材29aの材質は、木質材、たとえば中質繊維板(MDF)である。
【0029】
次に、図4(B)に示すように、上記素材29aの表側の長手方向(紙面に垂直な方向)中央部分33に矩形状の溝30を切削加工により形成して素材29bとする。この場合、素材29bの表側両側の各幅はそれぞれ第1の基材5、第2の基材8の幅となるようにする。さらに、図4(C)に示すように、素材29bの表側に化粧シート14を貼着する。化粧シート14は、素材29bの表側面、溝の両側面30a、30aおよび底面30bならびに素材29b両側面31、31に貼着され、かつ裏側両端32、32にかかるように設けられる。最後に、図4(D)に示すように、上記素材29bの裏側の長手方向中央部分34を矩形状に削り落として化粧シート14だけが残るように切削加工される。
【0030】
以上説明したように、第1実施形態の縁材1は、一つの素材29aを削り出して溝30を形成し、その溝30を含む表面に化粧シート14を貼着するので、素材の位置決めが容易になるとともに、加工精度と生産効率が向上する。また、図4(C)に示した中間材は、これ自体を造作材として、すなわち腰壁のチェアーレールや巾木として利用できるものである。
【0031】
図5は、第2実施形態の縁材1を示す断面図である。第2実施形態の縁材1は、可撓性を有する材料11の厚さを第1の基材5の厚さおよび第2の基材8の厚さより小さくし、その可撓性を有する材料11の壁側に隙間が空くように位置させる。こうすると、この縁材1を壁の出隅18に取り付けたときに可撓性を有する材料11の裏側に空間が形成され、この空間に裏当て材22を設けることができる。裏当て材22は、可撓性を有する材料11に接触する面が円弧状に形成される。さらに、一方の壁の面15と他方の壁の面17に当接させる側の中央部に凹み溝23が形成される。
【0032】
縁材1を一方の壁の面15と他方の壁の面17とが交差する出隅18に取り付けるに当たって、先ず裏当て材22を出隅18に固定して設ける。次に、縁材の可撓性を有する材料11の裏側をこの裏当て材22に当てながら第1の基材5と第2の基材8とを取り付ける。このとき、裏当て材22の端面24、25にはそれぞれ第1の基材5の端面6、第2の基材8の端面9を当接させる。
【0033】
このようにすることにより、可撓性を有する材料11は裏当て材22の円弧形状に沿った形状となる。さらに、可撓性を有する材料11は裏当て材22で裏当てされているので穴あきなどの破損が防止される。また、裏当て材の端面24、25に第1の基材の端面6、第2の基材の端面9をそれぞれ当接させることにより、第1の基材5と第2の基材8の位置決めができる。凹み溝23を設けることにより壁の出隅の稜20に凹凸があっても裏当て材22を壁の出隅18に取り付けることができる。裏当て材22の材質は硬質合成樹脂などを使用する。図5におけるその他の部分の構造と作用は、図1〜4に示した第1実施形態のものと同じであるのでその説明を省略する。
【0034】
図6は、本発明に係る縁材の第3実施形態を示す断面図である。第3実施形態の縁材1は、第1の基材5と第2の基材8との間を可撓性を有する材料12で連結し、さらに第1の基材5、第2の基材8および可撓性を有する材料12の表面に化粧層13を設けたものである。第1の基材5と第2の基材8の上には化粧層13のみが設けられる。こうすることにより第1の基材5と第2の基材8との間を強度のある材料で連結することができ、縁材1の持ち運びが容易になる。また、取り付け施工後は、可撓性を有する材料12の穴あきなどの損傷を防止できる。図6におけるその他の部分の構造と作用は、図1〜5に示した第1、第2実施形態の縁材の構造および作用と同じであるので、その説明を省略する。
【0035】
図7は、第4実施形態の縁材を示す断面図である。第4実施形態の縁材1は、第1の基材5と第2の基材8との間に裏側が円弧状の曲面12aに形成された可撓性を有する材料12で連結し、さらに第1の基材5、第2の基材8および可撓性を有する材料12の表面に化粧層13を設けたものである。第1の基材5と第2の基材8の上には化粧層13のみが設けられる。可撓性を有する材料12の厚みは、その両縁12bより中央12cに向かって漸次薄くし、中央12cにおいて最も薄くする。
【0036】
こうすることにより、この縁材1を出隅または入隅に沿って曲げるときに、中央12cの部分が最も薄くなっているので、中央12cを境にして滑らかに曲面状に曲がる。図7におけるその他の部分の構造と作用は、図6に示した第3実施形態の縁材の構造および作用と同じであるので、その説明を省略する。
【0037】
図8は、第5実施形態の縁材1を示す断面図である。第5実施形態の縁材1は、第1の基材5と第2の基材8の間に位置する化粧シート14の化粧層13を設けた側と反対の側、すなわち可撓性を有する材料11側に合成ゴム材(軟質材)36を設けたものである。合成ゴム材36は、第1の基材5と第2の基材8の間で一定の厚みに設けられる。
【0038】
合成ゴム材36としては、たとえばスチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SBS)やシリコン樹脂などの熱可塑性樹脂、あるいはスチレン・ブタジエン・ラバー(SBR)やシリコン樹脂などの軟質合成樹脂が使用される。ここで、合成ゴム材36は、熱可塑性樹脂は可撓性を有する材料11の裏側に塗布または流し込まれることにより設けられる。一方、スチレン・ブタジエン・ラバー(SBR)やシリコン樹脂などの軟質合成樹脂は酢酸ビニル樹脂などの軟質材用接着剤で貼着されることにより設けられる。
【0039】
図9(A)は、第5実施形態の縁材1を壁の出隅18に取り付けた状態の断面図、図9(B)は、第5実施形態の縁材1を壁の入隅19に取り付けた状態の断面図である。図9(A)、(B)に示すように、可撓性を有する材料11および合成ゴム材36は曲げが可能であるので、出隅18または入隅19にこの縁材1を取り付けたときに、出隅18または入隅19に凹凸があっても、第1の基材5と第2の基材8の間の可撓性を有する材料11および合成ゴム材36はこの凹凸を吸収し、第1の基材5と第2の基材8は、各々一方の壁の面15、他方の壁の面17に取り付けられる。
【0040】
さらに、可撓性を有する材料11の裏側に合成ゴム材36が設けられることにより、第1の基材5と第2の基材8の間の部分は、局部的に曲げられることが無くなり、滑らかな凸曲面または凹曲面に曲げられる。そして、この縁材1が出隅18または入隅19に取り付けられたときに、可撓性を有する材料11と合成ゴム材36は、この縁材1の角への異物の衝突による損傷を防止する。
【0041】
また、図8に示したように、第1の基材5と第2の基材8との間で、二つの基材の延在する方向において化粧層側に溝30を設けることにより、図9(A)、(B)に示すように、曲げられた縁材1の形状に変化を与えることができ、縁材1の形状が多様化するとともに意匠性を高めることができる。図8、9に示した第5実施形態におけるその他の部分の構造と作用は図1〜4に示した第1実施形態の縁材と同じであるので、その説明を省略する。
【0042】
図10は、第6実施形態の縁材1を示す断面図である。第6実施形態の縁材1は、化粧シート14の化粧層13を設けた側と反対の側(裏側)に合成ゴム材(軟質材)36を設けたものである。合成ゴム材36の厚みは、その両縁より中央38に向かって漸次薄くし、中央38において最も薄くする。
【0043】
このようにすると、先の図8に示した第5実施形態の縁材と同様に、出隅または入隅に凹凸があっても化粧シート14と合成ゴム材36の部分でこれを吸収するので、出隅または入隅に取り付けることができる。さらに、この縁材1を出隅または入隅に沿って曲げるときに、中央38の部分の合成ゴム材36が最も薄くなっているので、中央38を境にして滑らかに曲面状に曲がる。さらに、この場合にも可撓性を有する材料12と合成ゴム材36は、この縁材1を曲げて出隅または入隅に取り付けたときに、異物の衝突による損傷を防止する。図10に示した第6実施形態において、その他の部分の構造と作用は、図8に示した第5実施形態の場合と同じであるのでその説明を省略する。
【0044】
図11は、第7実施形態の縁材1を示す断面図である。第7実施形態の縁材1は、図6に示した第3実施形態の縁材の可撓性を有する材料12の化粧層13を設けた側と反対の側(裏側)に合成ゴム材(軟質材)36を設けたものである。合成ゴム材36は、その厚みを、その両縁より中央38に向かって漸次薄くし、中央38において最も薄くする。
【0045】
このようにすると、先の第5、第6実施形態の縁材と同様に、出隅または入隅に凹凸があっても可撓性を有する材料12と合成ゴム材36の部分がこれを吸収するので、出隅または入隅に取り付けることができる。さらに、この縁材1を出隅または入隅に沿って曲げるときに、中央38の部分の合成ゴム材36が最も薄くなっているので、中央38を境にして滑らかに曲面状に曲がる。さらに、この場合にも可撓性を有する材料12と合成ゴム材36は、この縁材1を曲げて出隅または入隅に取り付けたときに、異物の衝突による損傷を防止する。図11に示した第7実施形態において、その他の部分の構造と作用は、図6に示した第3実施形態の場合と同じであるのでその説明を省略する。
【0046】
以上この発明を図示の実施形態について詳しく説明したが、それを以ってこの発明をそれらの実施形態のみに限定するものではなく、この発明の精神を逸脱せずして種々改変を加えて多種多様の変形をなし得ることは云うまでもない。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、一方の壁の面と他方の壁の面とが交差する隅に凹凸があっても使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る縁材の第1実施形態を示す断面図である。
【図2】第1実施形態の縁材を壁の出隅に取り付けた状態の断面図である。
【図3】第1実施形態の縁材を壁の入隅に取り付けた状態の断面図である。
【図4】図1に示した縁材の製造方法を示し、(A)は縁材の素材断面図、(B)は素材の表側中央部分に溝を形成した状態の断面図、(C)は化粧シートを貼着した状態の断面図、(D)は裏側の中央部分を削除した状態の断面図である。
【図5】第2実施形態の縁材を示す断面図である。
【図6】第3実施形態の縁材を示す断面図である。
【図7】第4実施形態の縁材を示す断面図である。
【図8】第5実施形態の縁材を示す断面図である。
【図9】(A)は第5実施形態の縁材を壁の出隅に取り付けた状態の断面図、(B)は第5実施形態の縁材を壁の入隅に取り付けた状態の断面図である。
【図10】第6実施形態の縁材を示す断面図である。
【図11】第7実施形態の縁材を示す断面図である。
【符号の説明】
1 縁材
5 第1の基材
8 第2の基材
11、12 可撓性を有する材料
13 化粧層
15 一方の壁の面
17 他方の壁の面
18 出隅(隅)
19 入隅(隅)
22 裏当て材
36 合成ゴム材(軟質材)
D 離れた距離
Claims (3)
- 一方向に延在させた第1の基材および第2の基材を備え、前記第1の基材と前記第2の基材とを延在させた方向が揃うように配置するとともに互いに離して位置させ、該第1の基材と第2の基材との間を可撓性を有する材料で連結し、前記第1の基材、前記第2の基材および前記可撓性を有する材料の表面に化粧層を設けてなる縁材。
- 請求項1に記載の縁材を一方の壁の面と他方の壁の面とが交差する隅に取り付ける縁材の施工方法において、前記可撓性を有する材料の壁側に当てる裏当て材を前記隅に設けた後、前記縁材を取り付けることを特徴とする縁材の取り付け施工方法。
- 請求項1において、前記可撓性を有する材料の前記化粧層を設けた側と反対の側に軟質材を設けてなる縁材。
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