JP4025149B2 - 縁材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物の壁と壁、壁と床、壁と天井などの隅の縁取り材などとして、あるいは引戸枠、扉枠などの枠材に使用されるケーシングなどとして用いられる縁材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の縁材としては、たとえば窯業系素材からなる基材の裏面に、この基材の一辺に平行し、その厚みにほぼ等しい深さでかつ90度より大きい角度の略V字状の溝を設け、この溝の底部に沿って弾性接着剤を付着させたもの(実開昭57−163936号公報)が知られている。
【0003】
また、表面に可撓性の化粧材が接着された基材の適所において、化粧材裏面に至る切欠部が設けられ、この切欠部における基材の切欠面および化粧材裏面にまたがって弾性体が接合されて折曲部が仕上げられたものが知られている(実用新案登録第2515498号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の縁材において、前者(実開昭57−163936号公報)は、溝を境にして両側の剛性のある二つの基材を溝の底部位置で曲げるものであるから、この縁材を曲げて形成した形状は角張るとともに、一定の形状のものしか得られず単調であった。また、壁の隅の下地に局部的な変形箇所があると、剛性のある二つの基材を隅の下地に合わせるものであるので、その隅の下地に密着せず、使い勝手が良くない場合があった。さらに、壁の隅形状ごとに略V字状の溝を成形しなければならないので縁材の加工が煩雑になるおそれがあった。
【0005】
また、後者(実用新案登録第2515498号)は、壁下地に接着剤や釘などを用いて取り付けるものであるから、壁などの出隅に取り付けられるが、入隅や腰壁などの部分には取り付けにくく使用に際して制約があった。
【0006】
本発明は、一つの部材を出隅や入隅などの種々の箇所の使用に兼用できることを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、一方向に延在する基材の一方の面に凹部を設け、この凹部の両側面を凸円弧状に面取りし、これら凹部および面取り部の表面を含めて該一方の面の全般にわたって化粧材を貼着し、且つ、該基材の他方の面において該凹部に対応する位置から化粧材に至る凹曲面形状の溝を形成して、これら凹部と溝との間に残された化粧材部分で両方向に曲げ可能であって、出隅に使用する際は凹部が凸曲面状に現れ、入隅に使用する際は凹部が凹曲面状に現れるように形成されてなる縁材である。
【0008】
このようにすることにより、溝に対応する基材部分は溝の中央に向かうにしたがって漸次薄く形成される。そして、溝に対応する基材部分で曲げるときに、溝に対応する基材部分はその厚みに応じた曲率半径で曲がる。溝の中央においては化粧材のみとなるので、溝の中央に向かうにしたがって曲がりの曲率半径が漸次小さくなり、凹曲面状の溝の最も深い部分(最下部)では曲率半径が最小になる。
【0009】
このとき、化粧材の厚みを厚く(大きくする)しておくと良い。化粧材は一般に薄く可撓性を有するが、その厚みを厚く(大きくする)ことにより溝の中央における局部的な応力が緩和され、溝の中央における曲率半径が大きくなり、滑らかに曲げられる。
【0010】
さらに、溝の表面に軟質材を設けると良い。このようにすると、溝に対応する基材部分が曲げられるとき、同時に軟質材も曲げられる。軟質材が曲げられるので、溝に対応する基材および化粧材部分の局部的な応力が緩和され、溝に対応する凹曲面状の部分全体の曲げ応力が平均化されるとともに曲率半径が大きくなり滑らかな曲面に曲げられる。
【0011】
さらに、軟質材は、溝の両縁から溝の中央に向かって漸次厚くなるように形成されると良い。このようにすると曲げ応力が集中する溝の中央において軟質材が厚く形成され、溝の中央から離れるにしたがって漸次薄く形成されるので、縁材を溝に対応する部分で曲げるときに、溝の中央に作用する最大曲げ応力が緩和されるとともに、中央から離れるにしたがって曲げ応力が緩やかに小さくなり、滑らかな曲面に曲げられる。そして曲げられた縁材の形状は、出隅の場合は凸曲面状に、入隅の場合は凹曲面状に曲げられ、丸みのある隅形状となり高級感のある出隅または入隅が得られる。
【0012】
また、溝に対応する基材および化粧材部分は薄く形成され柔軟性を有するので、出隅または入隅の壁、床、天井に多少の波状の凹凸または局部的な凹凸あるいは不陸があっても、このひずみは溝に対応する化粧材、基材および軟質材部分で吸収される。したがって、縁材を出隅または入隅などの隅に使用することができる。このように、一つの部材を出隅や入隅などの種々の箇所の使用に兼用でき、形状選択の幅を広げることができる。さらに、軟質材は、この縁材が出隅または入隅に取り付けられたときに、この縁材の角への異物の衝突による損傷を防止する。
【0013】
さらに、溝の両縁は、それぞれ基材の他方の面位置から凹んでいると良い。こうすることにより、縁材が溝に対応する部分で曲げられ、軟質材が変形して局部的に膨れても、基材の他方の面位置から外方に出にくくなるので、縁材を壁面に密着させて取り付けることができる。
【0014】
また、基材の一方の面に基材の一方向に沿って凹部を設けることにより、曲げられた縁材の形状が多様化するとともに、溝に対応する部分で曲げられたときに、縁材の形状に変化を与えることができ、意匠性を高めることができる。さらに、基材の一方の面に一方向に沿った切欠きを設けると良い。切欠きは、縁材を固定する際に釘を打つ箇所として利用することができ、釘を目立たなくし外観をすっきりさせる。
【0015】
また、上記縁材の製造方法は、一方向に延在する基材の一方の面に凹部を設け、この凹部表面を含めて該一方の面の全般にわたって化粧材を設けた後、一方向に沿わせるとともに基材の他方の面に開口する溝を設ける。この場合、溝の横断面は凹曲面状に形成され化粧材の基材側の面に至る。この段階で加工前に一つであった基材は二つの基材に分断されるが、二つの基材は化粧材で連結されている。さらに、溝の両縁をこの溝に沿って切削することにより縁材が得られる。さらに、凹曲面状の溝に軟質材を設ける場合、分断された二つ基材は化粧材で連結されているので、軟質材を設け易い。このため、縁材を効率良く製造できる。
【0016】
次に本発明を構成する各要件についてさらに詳しく説明する。本発明の縁材は、建物の壁と壁、壁と床または壁と天井などの出隅や入隅、あるいは幅木、廻り縁、腰壁のチェアレールなどとして、あるいは引戸枠、扉枠などの枠材に使用するケーシングなどとして用いられる。また、本縁材は溝に対応する部分が曲げられて使用されることが多いが、溝に対応する部分を曲げずに使用することもできる。
【0017】
縁材を形成する基材は、一方向と直交する横断面が略板状のもので造作材としての形状に適したものとされる。基材は溝を境に左右に厚肉部分を有するが、左右の厚肉部分は同じ幅寸法にしても良いし、異なる幅寸法にしても良い。厚肉部分の幅は縁材の使用目的や使用箇所を考慮して決められる。
【0018】
基材は、その一方の面に化粧材を設けることができれば特に限定されないが、合板、木質繊維板(MDFなど)、木削片板、単板積層板などの木質系、スチロール樹脂板、塩化ビニル樹脂板、強化プラスチック板、発泡スチロール樹脂板、発泡ウレタン樹脂板などの合成樹脂系、あるいは木質系や合成樹脂系の複合積層板などを使用できる。基材の厚みは用途、施工条件などにより適宜のものを選択するが、たとえば3〜20mmの範囲から決めても良い。
【0019】
基材の一方の面には化粧材が設けられる。この場合、化粧材は基材の一方の面に沿って、すなわち一方の面に溝や凹部が設けられる場合、これら溝や凹部の内面に対しても化粧材が設けられる。また、化粧材は接着剤を介して貼着されても良いし、付着力または粘着力を有する熱可塑性樹脂や流動性合成樹脂などが基材に直接塗布または流し込みにより形成されても良い。化粧材を基材に接着する接着剤は、熱可塑性接着剤、たとえば酢酸ビニル樹脂などに耐水性向上のために熱硬化性樹脂または尿素粉末などを混入させたものなどを用いることができる。
【0020】
さらに、化粧材は、基材の表面から基材の側面および他方の面に至るように設けると良い。こうすると、縁材を壁などに固定したときに、見える部分が化粧材で覆われ高級感を出すことができる。また、化粧材を基材の他方の面まで設けることにより化粧材の剥離を防止する。化粧材の材料は、たとえば天然木材を切削して得られる天然突板、人工突板および不織布、紙、合成樹脂シートなどとしても良いし、可撓性を有する材料のシートに各種模様を印刷したものとしても良い。化粧材として用いる合成樹脂シートとしては、たとえばオレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂などを用いても良い。
【0021】
さらに、化粧材として、上記合成樹脂シートの間に紙を挟んで圧着した複合シート、合成樹脂を含浸させた含浸紙なども利用できる。さらに、これら化粧材に上塗りをしても良い。化粧材の厚みは、たとえば0.05〜1mmの範囲で決めると良い。
【0022】
基材の他方の面に開口する溝は、その横断面が凹曲面状であるが、凹曲面の形状は特に限定されず、たとえば円弧、楕円、その他の曲線の一部などとしても良い。また、溝の最下部は化粧材の裏面に至る。溝の両縁は、それぞれ基材の他方の面位置から凹んで位置するが、その形状はたとえば凹曲面に接続する段形状でも良い。
【0023】
基材の他方の面に溝を形成する方法は、二段階に分けて形成しても良く、たとえば第1段階として基材の他方の面に断面コの字形の浅い溝を一方向に沿って形成し、次に第2段階としてこのコの字形の溝に凹曲面状の溝を形成しても良い。あるいは、コの字形の溝と凹曲面状の溝を同時に加工できる切削具を使用して一度に切削加工しても良い。
【0024】
溝の表面に設ける軟質材は、弾力性を有する材料をはじめ、合成ゴム材や天然ゴム材あるいは気泡を有する発泡材や気泡を有しない未発泡材などで、たとえばスチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン・ブタジエン・ラバー(SBR)、シリコン樹脂などの軟質合成樹脂材が含まれる。凹曲面状に形成された基材の溝に軟質材を設ける方法は、たとえばホットメルト法、すなわちスチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SBS)、シリコン樹脂などの熱可塑性樹脂を加熱溶融させた状態で塗布または流し込みする方法でも良いし、スチレン・ブタジエン・ラバー(SBR)やシリコン樹脂などを酢酸ビニル樹脂などの軟質材用接着剤で貼着しても良い。
【0025】
ホットメルト法により熱可塑性樹脂を基材の溝に塗布または流し込む際に注意すべき点は、ホットメルトの温度が高すぎないことである。ホットメルトの温度が高いと、熱可塑性樹脂を基材の溝に塗布または流し込んだときに、溝の最下部に露出する化粧材が熱で軟化し、皺を発生させる。
【0026】
本発明は、基材の一方の面に凹部を設け、且つ、該基材の他方の面に凹曲面状の溝を設けることにより、溝に対応する基材および化粧材部分を両方向に曲面状に曲げることができるが、さらに、凹曲面状の溝に軟質材を設けることにより基材自体の物理的、機械的特性のバラツキを吸収し滑らかな曲面に曲げることができる。特に、基材として中質繊維板(MDF)を使用し、凹曲面状の溝断面形状として円弧面を採用すると良い。中質繊維板は、方向性が無く、いずれの方向にも均質な材料であるので滑らかに曲げることが可能である。この中質繊維板に円弧面状の溝を形成することにより、中質繊維板の表裏層に比べ比重の低い中心層が溝の表面に露出するので、先の軟質材が浸透しやすく密着(付着)強度を大きくする。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る縁材の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、図1〜10において、同一または同等部分には同一符号を付けて示す。
【0028】
図1は、本発明に係る縁材の第1実施形態を示す断面図である。第1実施形態の縁材1は、一方向(紙面に垂直な方向)に延在する基材3と、この基材3の表面(一方の面)5に設けられた化粧材20とを備える。化粧材20としては、たとえばオレフィン樹脂などの合成樹脂シートが用いられ、その厚みは、たとえば0.1mmである。
【0029】
基材3は、その一方の側に位置する厚肉部分3aと、他方の側に位置する厚肉部分3bとの間に凹部13が設けられ、一方の面の該凹部13に対応する他方の面の位置に溝9を形成する凹曲面部分(溝に対応する基材部分)3cとを有する。基材3の左側の厚肉部分3aの幅W1は右側の厚肉部分3bの幅W2より大きく形成されるが、本発明はこれに限定される必要はない。基材3は、木質繊維板(MDFなど)で形成され、その厚みは、たとえば6〜15mmのものが使用される。
【0030】
さらに、基材の表面5側に長手方向(一方向)に沿って形成される凹部13は、溝9に対応させて基材の表面5に形成される。凹部13の開口縁は滑らかな曲面、たとえば円弧面状に形成される。凹部13の幅Bと深さDは、この縁材1を表面5側に曲げた際に左右の厚肉部分3a、3bが接触しないように、かつ意匠性も考慮して決められる。左右の厚肉部分3a、3bの一方の面5側において、その縁寄りには長手方向に延びる断面V字状の切欠き15、17が形成される。
【0031】
基材3は、長手方向に沿って形成された溝9を有し、溝9はこの基材の裏面(他方の面)7に開口する。溝9の横断面は円弧面状(凹曲面状)に形成され、溝9に対応する凹曲面部分3cが曲げ可能であるように薄く形成される。溝の最下部10は、化粧材20の裏面に至る。また、溝9の両縁には、それぞれ他方の面7位置から凹んで位置する段状部分12が形成される。
【0032】
図2は、図1に示した第1実施形態の縁材1を壁と壁の間の出隅に使用した状態の断面図である。第1実施形態の縁材1は、少なくとも凹曲面部分3cの内側が圧縮された状態で出隅に取り付けられるので、厚肉部分3a、3bともにそれぞれ切欠き15、17位置において壁25に釘22で固定される。曲げられた縁材の角33は、中央において化粧材が曲率半径の小さい円弧面となり、その両側において化粧材および基材がこれより大きい曲率半径の円弧面となり、曲げられた部分が比較的突き出た形状の曲面である。
【0033】
図1に示した第1実施形態の縁材の製造方法を図1を用いて説明する。先ず、中質繊維板(MDF)などの長手方向に延在する板状素材をルーターなどの切削機械を使用して加工する。すなわち、板状素材の長手方向(紙面に垂直な方向)に沿って表面側に樋状の凹部13と、V字状の切欠き15、17とを形成し、仕掛基材とする。仕掛基材の各コーナーは円弧面状に丸く成形されるが、必ずしも丸く成形されなくても良い。次に、成形された仕掛基材の表面(一方の面)5、側面6および裏面(他方の面)7の両縁側にオレフィン樹脂などの化粧材20を酢酸ビニル樹脂などの接着剤で貼着する。
【0034】
仕掛基材の表面に化粧材20を貼着した後、表面の凹部13に対応する裏面位置に円弧面状の溝9を切削加工する。溝9は仕掛基材の長手方向に延在する。この際、円弧面状の溝9を形成するに当たって、この溝9の最下部10が化粧材20の裏面に至るように形成される。すなわち、仕掛基材は溝9が形成されることにより分断されるが、化粧材20により連結されている。さらに、溝9の両縁11を溝9に沿って切削して段状部分12を形成することにより縁材1が製造される。なお、溝9と段状部分12とを同時に切削加工しても良い。
【0035】
以上の構造を有する第1実施形態の縁材1は、次のように作用する。すなわち、図1に示すように基材3は一方の面に凹部13を有し、他方の面に溝9を有する。溝9の横断面は円弧面状(凹曲面状)に形成され、かつ溝9は化粧材20の基材3側の面に至っているので、溝9に対応する基材3c部分は溝9の中央に向かうにしたがって漸次薄く形成される。したがって、溝9に対応する部分で曲げるときに、溝9に対応する基材3c部分はその厚みに応じた曲率半径で曲がる。すなわち溝9の中央に向かうにしたがって曲率半径が漸次小さくなるように曲がり、円弧面状の溝の最も深い部分(最下部)10で曲率半径が最小になるように曲がる。
【0036】
このとき、化粧材20の厚みを厚く(大きくする)しておくと良い。化粧材20は一般に薄く可撓性を有するが、その厚みを厚く(大きくする)ことにより溝9の中央における局部的な応力が緩和され、溝9の中央における曲率半径が化粧材20の厚みに応じて大きくなり、滑らかに曲がる。
【0037】
さらに、基材の表面5に凹部13を設け、該凹13に対応させて基材の裏面7に溝9を設けることにより、縁材1の形状が多様化するとともに、溝9に対応する部分で曲げたときに、縁材1の形状に変化を与えることができ、意匠性を高めることができる。さらに、基材の表面5に長手方向に沿った切欠き15、17を設けることにより、縁材1を固定する際に釘を打つ箇所として利用することができ、釘が目立たず外観がすっきりする。また、先に記した縁材1の製造方法により、縁材1を効率良く製造できる。
【0038】
図3は、本発明に係る縁材の第2実施形態を示す断面図である。第2実施形態の縁材1は、長手方向(一方向、紙面に垂直な方向)に延在する基材3と、この基材3の表面(一方の面)5に設けられた化粧材20とを備える。化粧材20としては、たとえばオレフィン樹脂などの合成樹脂シートが用いられ、その厚みは、たとえば0.1mmである。
【0039】
基材3は、その一方の側に位置する厚肉部分3aと、他方の側に位置する厚肉部分3bと、これら二つの厚肉部分3a、3bの間に位置し溝9を形成する凹曲面部分(溝に対応する基材部分)3cとを有する。基材3の左側の厚肉部分3aの幅W1は右側の厚肉部分3bの幅W2より大きく形成されるが、本発明はこれに限定される必要はない。基材3は、木質繊維板(MDFなど)で形成され、その厚みは、たとえば6〜15mmのものが使用される。
【0040】
さらに、基材の表面5側に長手方向(一方向)に沿って形成される凹部13は、溝9に対応させて基材の表面5に形成される。凹部13の開口縁は滑らかな曲面、たとえば円弧面状に形成される。凹部13の幅Bと深さDは、この縁材1を表面5側に曲げた際に左右の厚肉部分3a、3bが接触しないように、かつ意匠性も考慮して決められる。左右の厚肉部分3a、3bの一方の面5側には一方向に延びる断面V字状の切欠き15、17が形成される。
【0041】
図4は、図3に示した第2実施形態の縁材1の要部断面図である。基材3は、長手方向に沿って形成された溝9を有し、溝9はこの基材の裏面(他方の面)7に開口する。溝9の横断面は円弧面状(凹曲面状)に形成され、溝9に対応する凹曲面部分3cが曲げ可能であるように薄く形成される。溝の最下部10は、化粧材20の裏面に至る。円弧面状の溝9には合成ゴム材(軟質材)23が設けられる。合成ゴム材23の厚みは、溝の縁寄り9a位置における厚みT1から溝の中央9bに向かって漸次厚くなり、中央9bにおいては最大の厚みT2となる。また、溝9の両縁には、それぞれ他方の面7位置から凹んで位置する段状部分12が形成される。
【0042】
図4において、円弧面状に形成された基材の溝9に合成ゴム材23を設ける方法は、ホットメルト法、すなわち溶融した合成ゴム材(スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SBS))23を円弧面状の溝9の表面に塗布または流し込みにより固化させることで設けられる。溶融した上記材質の合成ゴム材23は、それ自体基材に対して付着力(または密着力)があるので溝9に付着する。この場合、溶融した合成ゴム材23の温度は、摂氏165度未満とする。これより高温の場合は溶融した合成ゴム材23が化粧材20を軟化させて変質させたり化粧材20の無用な皺、ひずみを発生させたりするおそれがある。
【0043】
図5は、第2実施形態の縁材1を壁25と床27の間の幅木として使用した状態の断面図である。縁材1は、壁25と床27とが形成する入隅の箇所に曲げて用いられる。縁材1の溝9に対応する凹曲面部分3cで曲げられ、厚肉部分3aが壁25側に、厚肉部分3bが床27側に配置されて取り付けられる。縁材1の壁25への固定は切欠き15の位置で釘22を打って行われ、床27への固定は切欠き17の箇所で釘22を打って行われる。
【0044】
図6は、第2実施形態の縁材の製造方法を示し、(A)は仕掛基材4aの断面図、(B)は仕掛基材4aに化粧材20を貼着した状態の断面図、(C)は仕掛基材4aの裏側に溝9を切削して基材3を形成した状態の断面図、(D)は基材3の裏側の溝9に合成ゴム材23を設けた状態の断面図である。
【0045】
図6(A)に示すように、中質繊維板(MDF)などの板状素材をこの図に示すような形状にルーターなどの切削機械を使用して加工する。すなわち、素材の長手方向(紙面に垂直な方向)に沿って表面側に樋状の凹部13と、V字状の切欠き15、17とを形成し、仕掛基材4aとする。仕掛基材4aの各コーナーは円弧面状に丸く成形されるが、必ずしも丸く成形されなくても良い。次に、図6(B)に示すように、成形された仕掛基材4aの表面(一方の面)5、側面6および裏面(他方の面)7の両縁側にオレフィン樹脂などの化粧材20を酢酸ビニル樹脂などの接着剤で貼着する。
【0046】
図6(C)に示すように、仕掛基材4aの表面に化粧材20を貼着した後、表面の凹部13に対応する裏面位置に円弧面状の溝9を切削加工する。溝9は仕掛基材4aの長手方向に延在する。この際、円弧面状の溝9を形成するに当たって、この溝9の最下部10が化粧材20の裏面に至るように形成される。すなわち、図6(B)に示した仕掛基材4aは溝9を形成することにより分断される。
【0047】
さらに、溝9の両縁11(図3に表示)を溝9に沿って切削して段状部分12を形成することにより基材3が製造される。なお、溝9と段状部分12とを同時に切削加工しても良い。次に、図6(D)に示すように、基材の溝9の上に沿って加熱、溶融させた合成ゴム材を供給し、塗布または流し込みにより、溝9上に合成ゴム材23の層を設ける。このようにして第2実施形態の縁材1が製造される。
【0048】
以上の構造を有する第2実施形態の縁材1は、次のように作用する。すなわち、図3に示すように、溝9の横断面が円弧面状に形成され、かつ溝9は化粧材20の基材側の面に至っているので、溝9に対応する部分で曲げるときに円弧面状の溝の中央部で曲がる。この場合、溝9の表面には合成ゴム材23が設けられ、しかも溝9の両縁から溝9の中央に向かって漸次厚くなるように設けられるので、局部的にかかる曲げ応力が緩和され滑らかな曲面に曲げられる。曲げられた縁材1の形状は、出隅の場合は凸曲面状に、入隅の場合は凹曲面状に曲げられ、丸みのある隅形状となり高級感のある出隅または入隅が得られる。本実施形態の縁材1は、一つの部材で出隅や入隅などの種々の箇所の使用に兼用でき、形状選択の幅を広げる。
【0049】
また、溝9に対応する部分は、薄く形成された基材3cと化粧材20ならびに合成ゴム材23で形成されるので柔軟性を有することになり、出隅または入隅の壁、床、天井に多少の波状の凹凸または局部的な凹凸あるいは不陸があっても、このひずみを吸収する。また、合成ゴム材23は、この縁材1を曲げて出隅または入隅に取り付けられたときに、この縁材1の角への異物の衝突による損傷を防止する。
【0050】
さらに、溝9の両縁がそれぞれ基材の裏面7位置から凹むことにより、縁材1を溝9に対応する部分で曲げたときに合成ゴム材23が変形して局部的にはみ出しても、縁材の裏面7位置から外方に出ないので、縁材1を壁面に密着させて取り付けることができる。
【0051】
さらに、基材の表面5に凹部13を設け、該凹13に対応させて基材の裏面7に溝9を設けることにより、縁材1の形状が多様化するとともに、溝9に対応する部分で曲げたときに、縁材1の形状に変化を与えることができ、意匠性を高めることができる。さらに、基材の表面5に一方向に沿った切欠き15、17を設けることにより、縁材1を固定する際に釘を打つ箇所として利用することができ、釘が目立たず外観がすっきりする。また、先に記した縁材1の製造方法により、縁材1を効率良く製造できる。
【0052】
図7は、第3実施形態の縁材1を示し、天井29と壁25の間の廻り縁として使用した状態の断面図である。第3実施形態の縁材1は、第2実施形態の縁材に比べ、厚肉部分3aの幅が小さいもので、天井29と壁25の入隅形式の廻り縁に使用された形態である。この縁材1は、凹曲面部分3cおよび合成ゴム材23が引き伸ばされた状態で取り付けられるので、壁25側に位置する厚肉部分3aをV字状の切欠き15位置において壁25に釘22で固定することにより、天井側に位置する厚肉部分3bは凹曲面部分3cおよび合成ゴム材23の弾性により天井29に押し付けられ、厚肉部分3bを釘で固定しなくても良い。図7におけるその他の部分の構造と作用は、図3〜6に示した第2実施形態の縁材の構造および作用と同じであるので、その説明を省略する。
【0053】
図8は、第3実施形態の縁材1を壁25と壁25の間の出隅に使用した状態の断面図である。第3実施形態の縁材1は、凹曲面部分3cおよび合成ゴム材23が圧縮された状態で取り付けられるので、厚肉部分3a、3bともにそれぞれ切欠き15、17位置において壁25に釘22で固定される。曲げられた縁材の角33は、凹曲面部分3cの裏側に合成ゴム材23が設けられるので、角33に物が当たった場合、その衝撃は合成ゴム材23で緩和され損傷が防止される。図8におけるその他の部分の構造と作用は、図3〜6に示した第2実施形態の縁材の構造および作用と同じであるので、その説明を省略する。
【0054】
図9は、第3実施形態の縁材1を曲げずに壁25と床27の間の幅木として使用した状態の断面図である。壁25への取り付けは切欠き15位置における釘22で固定されるが、切欠き17位置側においても釘22を用いて固定しても良い。本実施形態の縁材1は、このように曲げずに使用した場合であるが、第3実施形態の縁材1に限らず、本発明における縁材1は種々の箇所に兼用できるものである。なお、第3実施形態の縁材1の製造方法についても、先に記した図6(A)〜(D)に示した第2実施形態の縁材1の製造方法と同様の方法で製造できる。図9におけるその他の部分の構造と作用は、図3〜6に示した第2実施形態の縁材の構造および作用と同じであるので、その説明を省略する。
【0056】
以上この発明を図示の実施形態について詳しく説明したが、それを以ってこの発明をそれらの実施形態のみに限定するものではなく、この発明の精神を逸脱せずして種々改変を加えて多種多様の変形をなし得ることは云うまでもない。
【0057】
【発明の効果】
本発明によれば、一つの部材を出隅や入隅などの種々の箇所の使用に兼用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る縁材の第1実施形態を示す断面図である。
【図2】図1に示した第1実施形態の縁材を壁と壁の間の出隅に使用した状態の断面図である。
【図3】本発明に係る縁材の第2実施形態を示す断面図である。
【図4】図3に示した縁材の要部断面図である。
【図5】第2実施形態の縁材を壁と床の間の幅木として使用した状態の断面図である。
【図6】第2実施形態の縁材の製造方法を示し、(A)は仕掛基材の断面図、(B)は仕掛基材に化粧材を貼着した状態の断面図、(C)は仕掛基材の裏側に溝を切削して基材を形成した状態の断面図、(D)は基材の裏側の溝に合成ゴム材を設けた状態の断面図である。
【図7】第3実施形態の縁材を示し、天井と壁の間の廻り縁として使用した状態の断面図である。
【図8】第3実施形態の縁材を壁と壁の間の出隅に使用した状態の断面図である。
【図9】第3実施形態の縁材を曲げずに壁と床の間の幅木として使用した状態の断面図である。
【符号の説明】
1 縁材
3 基材
5 表面(一方の面)
7 裏面(他方の面)
9 溝
9a 溝の縁寄り
9b 溝の中央
11 縁
20 化粧材
23 合成ゴム材(軟質材)

Claims (4)

  1. 一方向に延在する基材の一方の面に凹部を設け、この凹部の両側面を凸円弧状に面取りし、これら凹部および面取り部の表面を含めて該一方の面の全般にわたって化粧材を貼着し、且つ、該基材の他方の面において該凹部に対応する位置から化粧材に至る凹曲面形状の溝を形成して、これら凹部と溝との間に残された化粧材部分で両方向に曲げ可能であって、出隅に使用する際は凹部が凸曲面状に現れ、入隅に使用する際は凹部が凹曲面状に現れるように形成されてなる縁材。
  2. 請求項1において、前記溝の表面に軟質材を設けてなる縁材。
  3. 請求項2において、該軟質材は、前記溝の両縁から該溝の中央に向かって漸次厚くなるように形成されてなる縁材。
  4. 請求項1ないし3のいずれかにおいて、前記溝の両縁は、それぞれ前記他方の面位置から凹んでなる縁材。
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