JP4025141B2 - 縁部材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物の壁と壁、壁と床、壁と天井などの隅の縁取り材などとして用いられる縁部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の縁部材としては、たとえば窯業系素材からなる基材の裏面に、この基材の一辺に平行し、その厚みにほぼ等しい深さでかつ90度より大きい角度の略V字状の溝を設け、この溝の底部に沿って弾性接着剤を付着させた縁部材(実開昭57−163936号公報)が知られている。
【0003】
また、表面に可撓性の化粧材が接着された基材の適所において、化粧材裏面に至る切欠部が設けられ、この切欠部における基材の切欠面および化粧材裏面にまたがって弾性体が接合されて折曲部が仕上げられたものが知られている(実用新案登録第2515498号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の縁部材において、前者(実開昭57−163936号公報)は、壁の出隅や入隅に用いることはできるが、溝を境にした両側の剛性のある二つの基材を溝の底部位置で曲げるものであるから、この縁部材を使用して形成される形状は角張るとともに、一定の形状のものしか得られず単調であった。また、壁の隅の下地に局部的な変形箇所があると、剛性のある二つの基材を隅の下地に合わせるものであるので、その隅の下地に密着しないおそれがあった。さらに、壁の隅形状ごとに略V字状の溝を成形しなければならないので縁部材の加工が煩雑になるおそれがあった。
【0005】
また、後者(実用新案登録第2515498号)は、壁下地に接着剤や釘などを用いて取り付けるものであるから、壁などの出隅には取り付けられるが、入隅や腰壁などの部分には取り付けにくいし、適しているとは云えなかった。
【0006】
本発明は、一つの部材を出隅や入隅などの種々の箇所の使用に兼用できることを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、一方向に延在する基材の一方の面に凹部を設け、この凹部の両側面を凸円弧状に面取りし、これら凹部および面取り部の表面を含めて該一方の面の全般にわたって化粧材を貼着し、且つ、該基材の他方の面において該凹部に対応する位置に凹曲面形状の溝を形成して、これら凹部と溝との間の基材部分で両方向に曲げ可能であって、出隅に使用する際は凹部が凸曲面状に現れ、入隅に使用する際は凹部が凹曲面状に現れるように形成されてなる縁部材である。
【0008】
このようにすることにより、基材はその他方の面に開口する溝を有する。この溝の横断面は凹曲面状に形成され、かつ溝に対応する基材部分が曲げ可能であるように形成される。したがって、基材は、その溝に対応する基材部分のところで曲げることができる。この場合、溝の横断面は凹曲面状に形成されるので、溝に対応する基材部分で曲げられた縁部材の形状は、出隅の場合は凸曲面状に、入隅の場合は凹曲面状に曲げられ、丸みのある隅形状となり高級感のある出隅または入隅が得られる。
【0009】
また、溝に対応する基材部分は両方向に曲げ可能、すなわち凹部を内側にして曲げることも凹曲面形状の溝を内側にして曲げることも可能であるように形成されるので、比較的柔軟性を有することになり、出隅または入隅の壁、床、天井に多少の波状の凹凸または局部的な凹凸あるいは不陸があっても、このひずみを凹部や凹曲面形状の溝の部分で吸収する。したがって、一つの部材を出隅や入隅などの種々の箇所の使用に兼用できる。
【0010】
さらに、溝の表面に弾力性を有する材料が設けられると良い。弾力性を有する材料を溝の表面に設けることにより、溝に対応する基材部分で曲げたときに凸曲面または凹曲面となり易い。さらに、溝の表面、すなわち溝に対応する凹曲面部分に弾力性を有する材料が設けられることにより、この縁部材を曲げて出隅または入隅に取り付けたときに、この縁部材の角に異物が衝突しても損傷が防止される。
【0011】
さらに、溝の両縁は、それぞれ他方の面位置から凹んで位置してなると良い。こうすることにより、縁部材を溝に対応する基材部分で曲げたときに弾力性を有する材料がはみ出しても、縁部材の他方の面位置から外方に出ないので、縁部材を壁面に密着させて取り付けることができる。
【0012】
また、縁部材の製造方法において、一方向に延在させた基材の一方の面に凹部を設け、この凹部表面を含めて該一方の面の全般にわたって化粧材を貼着した後、一方向に沿って設けるとともに基材の他方の面に開口する凹曲面の溝を形成するに当たって、この溝に対応する基材部分が曲げ可能であるように形成され、次の溝の両縁を溝に沿って切削した後、溝の表面に弾力性を有する材料を設けると良い。このようにすると、一つの部材を出隅や入隅などの種々の箇所の使用に兼用できる縁部材を効率良く製造できる。
【0013】
また、基材の一方の面に基材の一方向に沿って凹部を設けることにより、縁部材の形状が多様化するとともに、溝に対応する基材部分で曲げたときに、縁部材の形状に変化を与えることができ、意匠性を高めることができる。さらに、基材の一方の面に一方向に沿った切欠きを設けると良い。切欠きは、縁部材を固定する際に釘を打つ箇所として利用することができ、釘が目立たず外観がすっきりする。
【0014】
次に本発明を構成する各要件についてさらに詳しく説明する。本発明の縁部材は、建物の壁と壁、壁と床または壁と天井などの出隅や入隅、あるいは幅木、廻り縁、腰壁のチェアレールなどとして用いられる。また、本縁部材は溝に対応する基材部分を曲げて使用することが多いが、溝に対応する凹曲面部分を曲げずに使用することもできる。
【0015】
縁部材を形成する基材は、一方向に延在する断面が略板状のもので造作材としての形状に適したものとされる。基材は溝を境に左右に溝に対応する基材部分の厚みより大きい厚みを有する厚肉部分を有するが、左右の厚肉部分は同じ幅寸法にしても良いし、異なる幅寸法にしても良い。厚肉部分の幅は縁部材の使用目的や使用箇所を考慮して決められる。基材の一方の面には化粧材が設けられるが、この場合、化粧材は基材の一方の面に沿って、すなわち一方の面に溝や凹部が設けられる場合、これら溝や凹部の内面に対しても化粧材が設けられる。そして、化粧材は接着剤を介して貼着しても良いし、付着力または粘着力を有する合成樹脂などの流動性材料を基材に直接塗布して形成されても良い。
【0016】
基材は、その一方の面に化粧材を設けることができれば特に限定されないが、合板、木質繊維板(MDFなど)、木削片板、単板積層板などの木質系、スチロール樹脂板、塩化ビニル樹脂板、強化プラスチック板、発泡スチロール樹脂板、発泡ウレタン樹脂板などの合成樹脂系、あるいは木質系や合成樹脂系の複合積層板などを使用できる。基材の厚みは用途、施工条件などにより適宜のものを選択するが、たとえば3〜20mmの範囲から決めても良い。
【0017】
化粧材は、基材の一方の面に設けられるが、基材の一方の面から側面に及び、さらに他方の面に至るように設けても良い。こうすると、縁部材を壁などに固定したときに、見える部分が化粧材で覆われ、高級感を出すことができる。また、化粧材を基材の他方の面まで設けることにより、化粧材の剥離を防止する。化粧材の材料は、たとえば天然木材を切削して得られる天然突板、人工突板および不織布、紙、合成樹脂シートなどとしても良いし、可撓性を有する材料のシートに各種模様を印刷したものとしても良い。化粧材として用いる合成樹脂シートとしては、たとえばオレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂などを用いても良い。
【0018】
さらに、化粧材として、上記合成樹脂シートの間に紙を挟んで圧着した複合シート、合成樹脂を含浸させた含浸紙なども利用できる。さらに、これら化粧材に上塗りをしても良い。化粧材を基材に接着する接着剤は、熱可塑性接着剤、たとえば酢酸ビニル樹脂などに耐水性向上のために熱硬化性樹脂または尿素粉末などを混入させたものなどを用いることができる。化粧材の厚みは、たとえば0.05〜1mmの範囲で決めると良い。
【0019】
基材の他方の面に開口する溝は、その横断面が凹曲面状であるが、凹曲面は特に限定されず、たとえば円弧、楕円、その他の曲線の一部などとしても良い。また、溝に対応する基材部分は曲げ可能であるように肉厚が薄く形成されると良い。特に、溝の最下部に対応する基材部分は他の部分に比べ薄く形成されると良く、その厚みは、たとえば0.05〜1mmの範囲で曲げ易さ、曲げ形状、加工性などを考慮して選定される。溝の両縁は、それぞれ他方の面位置から凹んで位置するが、その形状はたとえば凹曲面に接続する段形状でも良い。
【0020】
また、基材の他方の面に溝を形成するに当たって、先ず他方の面に断面コの字形の溝を一方向に沿って形成し、このコの字形の溝に凹曲面の溝を形成しても良く、あるいは、コの字形の溝と凹曲面の溝を同時に加工できる切削具を使用して一度に成形加工しても良い。このようにしても同じ形状が得られる。弾力性を有する材料は、溝の凹曲面に設けられるが、その材料はたとえばスチレン・ブタジエン・ラバー(SBR)などの合成ゴムまたは軟質合成樹脂材が使用される。
【0021】
また、溝の表面に軟質材を設け、かつこの軟質材が溝の両縁からこの溝の中央に向かって漸次厚くなるように形成されると良い。このようにすると縁部材を溝に対応する基材部分で曲げるときに、曲げ応力が集中する溝の中央において軟質材が厚く形成され、中央から離れるにしたがって漸次薄くなるので、溝の中央に対応する基材および軟質材の応力集中が緩和され滑らかな曲面に曲げることができる。
【0022】
ここで、軟質材は、弾力性を有する材料をはじめ、合成ゴム材や天然ゴム材あるいは気泡を有する発泡材や気泡を有しない未発泡材などで、たとえばスチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン・ブタジエン・ラバー(SBR)、シリコン樹脂などの軟質合成樹脂材が含まれる。凹曲面状に形成された基材の溝に軟質材を設ける方法は、たとえばホットメルト法、すなわちスチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SBS)、シリコン樹脂などの熱可塑性樹脂を加熱溶融させた状態で塗布する方法でも良いし、スチレン・ブタジエン・ラバー(SBR)やシリコン樹脂などを酢酸ビニル樹脂などの軟質材用接着剤で貼着しても良い。
【0023】
ホットメルト法により熱可塑性樹脂を基材の溝に塗布する方法は、本発明のように基材が残されるように凹曲面状の溝が形成されるので、残された基材が断熱の役目を果たし、溶融した熱可塑性樹脂の熱により基材の一方の面に設けられた化粧材を溶かしたり、軟化させて変質させたりすることを防止し、また化粧材の無用なひずみの発生を防止する。
【0024】
本発明は、基材の一方の面に凹部を設け、かつ、該基材の他方の面に開口する凹曲面状の溝を設けることによって、軟質材を設けずに基材自体を滑らかに曲げることができるが、さらに凹曲面状の溝に軟質材を設けることにより基材自体の物理的、機械的特性のバラツキを吸収し確実に滑らかな曲面に曲げることができる。さらに、凹曲面状の溝は円弧状の溝にすると製作上形成しやすい。基材としては、先に記した木質系、合成樹脂系あるいは木質系や合成樹脂系の複合積層板などを使用することができるが、特に、中質繊維板(MDF)に円弧状の溝を形成したものを使用すると良い。中質繊維板は、その表面の粗さが軟質材を付着させるに適したものであり、かつ、この表面に円弧状の溝を形成することにより滑らかに仕上げることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る縁部材の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、図1〜7において、同一または同等部分には同一符号を付けて示す。
【0026】
図1は、本発明に係る縁部材の第1実施形態を示す断面図である。第1実施形態の縁部材1は、一方向(紙面に垂直な方向)に延在する基材3と、この基材3の一方の面5に設けられた化粧材20とを備える。
【0027】
基材3は、その一方の側に位置する厚肉部分3aと他方の側に位置する厚肉部分3bとの間に凹部13が設けられ、該凹部13に対応する他方の面の位置に溝9を形成することにより凹曲面部分(溝に対応する基材部分)3cを有する。基材3の左側の厚肉部分3aの幅W1は右側の厚肉部分3bの幅W2より大きく形成されるが、これに限定される必要はない。
【0028】
また、基材の一方の面5側に長手方向(一方向)に沿って形成される凹部13の開口縁は滑らかな曲面、たとえば円弧状に形成される。凹部13の幅Bと深さDは溝9部分で一方の面側に曲げた際に左右の厚肉部分3a、3bが接触しないように、かつ意匠性も考慮して決められる。左右の厚肉部分3a、3bの一方の面5側には一方向に延びる断面V字状の切欠き15、17が形成される。
【0029】
さらに、基材3は、一方向に沿って形成された溝9を有し、溝9はこの基材の他方の面7に開口する。溝9の横断面は円弧状に形成され、溝9に対応する凹曲面部分3cが曲げ可能であるように形成される。溝9の最下部に対応する基材部分の厚みは、たとえば0.1mmである。溝9の両縁には、それぞれ他方の面7位置から凹んで位置する段状部分12が形成される。
【0030】
さらに、溝9の表面にはスチレン・ブタジエン・ラバーなどの合成ゴム材(弾力性を有する材料)23が設けられる。基材3は、木質繊維板(MDFなど)などで形成され、その厚みは用途、意匠性、施工性などを考慮して適宜のものが選択されるが、たとえば9mmのものを使用する。また、化粧材20としては、たとえばオレフィン樹脂などの合成樹脂シートが用いられ、その厚みは、たとえば0.1mmである。
【0031】
図2は、第1実施形態の縁部材1を壁25と床27の間の幅木として使用した状態の断面図である。縁部材1は、壁25と床27とが形成する入隅の箇所に曲げて用いられる。縁部材1の溝9に対応する凹曲面部分3cで曲げられ、厚肉部分3aが壁25側に、厚肉部分3bが床27側に配置されて取り付けられたものである。縁部材1の壁25への固定は切欠き15の箇所で釘22を打って行われ、床27への固定は切欠き17の箇所で釘22を打って行われる。
【0032】
図3は、第1実施形態の縁部材の製造方法を示し、(A)は仕掛基材4aの断面図、(B)は仕掛基材4aに化粧材20を貼着した状態の断面図、(C)は仕掛基材の裏側に溝9を切削して基材3を形成した状態の断面図、(D)は基材3の裏側の溝9に合成ゴム材(弾力性を有する材料)23を設けた状態の断面図である。
【0033】
図3(A)に示すように、MDFなどの板状素材をこの図に示すような形状にルーターなどの切削機械を使用し加工する。すなわち、素材の長手方向(紙面に垂直な方向)に沿って表面側に樋状の凹部13と、V字状の切欠き15、17とを形成し、仕掛基材4aとする。仕掛基材4aの各コーナーは円弧状に丸く成形される。次に、図3(B)に示すように、成形された仕掛基材4aの表面(一方の面)5、側面6および裏面(他方の面)7の両側にオレフィン樹脂などの化粧材20を酢酸ビニル樹脂などの接着剤で貼着する。
【0034】
仕掛基材4aの表面に化粧材20を貼着した後、図3(C)に示すように、表面の凹部13に対応する裏面位置に円弧状(凹曲面状)の溝9を切削加工する。溝9は仕掛基材4aの長手方向に延在する。この際、円弧状の溝9を形成するに当たって、この溝9に対応する凹曲面部分3cが曲げ可能であるような厚みに形成される。さらに溝9の両縁11(図1に表示)を溝9に沿って切削して段状部分12を形成することにより基材3が製造される。なお、溝9と段状部分12とを同時に切削加工しても良い。
【0035】
次に、図3(D)に示すように、基材の溝9の上に沿って流動性のある合成ゴム流動体を供給し固化させて、溝9上に合成ゴム材23を設ける。なお、後述の第2実施形態の縁部材の製造方法についても、ここで説明した第1実施形態の縁部材1の製造方法と同様の方法で製造できるものである。
【0036】
以上の構造を有する縁部材1は、次のように作用する。すなわち、図1に示すように、基材3は一方の面に凹部13を有しその他方の面7に開口する溝9を有する。この溝9の横断面は凹曲面状に形成され、かつ溝9に対応する凹曲面部分3cが曲げ可能であるように形成される。したがって、基材3は、その溝9のところで両方向に曲げることができる。この場合、溝9の横断面は凹曲面状に形成されるので、溝9のところで曲げられた縁部材1の形状は、出隅の場合は凸曲面状、入隅の場合は凹曲面状に曲げられ、丸みのある隅形状となり高級感のある出隅または入隅を形成できる。
【0037】
また、溝9に対応する凹曲面部分3cは曲げ可能であるように形成されるので、比較的柔軟性を有し、出隅または入隅の片側の壁または双方の壁、床、天井に多少の波状の凹凸または不陸があっても、このひずみを溝9に対応する凹曲面部分3cで吸収する。したがって、一つの部材を出隅や入隅などの種々の箇所に兼用できる。
【0038】
さらに、弾力性を有する材料である合成ゴム材23を溝9の表面に設けることにより、溝9に対応する凹曲面部分3cで曲げたときに凸曲面または凹曲面を出し易い。さらに、溝9の表面に合成ゴム材23が設けられることにより、この縁部材1を曲げて出隅または入隅の下地に取り付けたときに、この縁部材1の角に異物が衝突しても損傷が防止される。
【0039】
さらに、縁部材1を溝9に対応する凹曲面部分3cで曲げたときに合成ゴム材23がはみ出しても、縁部材の他方の面7位置から外方に出ないので、縁部材1を壁面に密着させて取り付けることができる。また、縁部材1を製造するに当たり、先の方法を採用することにより、一つの部材を出隅や入隅などの種々の箇所に兼用できる縁部材を効率良く製造できる。
【0040】
次に、図4は、第2実施形態の縁部材1を示し、天井29と壁25の間の廻り縁として使用した状態の断面図である。第2実施形態の縁部材1は、第1実施形態の縁部材に比べ、厚肉部分3a、3bの幅が小さいもので、天井29と壁25の入隅形式の廻り縁に使用される。この縁部材1は、凹曲面部分3cと合成ゴム材23が引き伸ばされた状態で取り付けられるので、壁25側に位置する厚肉部分3aをV字状の切欠き15位置で壁25に釘22で固定することにより、天井側に位置する厚肉部分3bは天井29に押し付けられ、厚肉部分3bを釘で固定する必要がない。図4におけるその他の部分の構造と作用は、図1〜3に示した第1実施形態の縁部材の構造および作用と同じであるので、その説明を省略する。
【0041】
図5は、第2実施形態の縁部材1を壁25と壁25の間の出隅に使用した状態の断面図である。この場合の第2実施形態の縁部材1は、凹曲面部分3cと合成ゴム材23が圧縮された状態で取り付けられるので、厚肉部分3a、3bともにそれぞれ切欠き15、17位置で壁25に釘22で固定される。曲げられた縁部材の角33は、凹曲面部分3cの裏側に合成ゴム材23が設けられるので、角33に物が当たっても損傷が防止される。図5におけるその他の部分の構造と作用は、図1〜3に示した第1実施形態の縁部材の構造および作用と同じであるので、その説明を省略する。
【0042】
図6は、第2実施形態の縁部材1を曲げずにそのまま壁25と床27の間の幅木として使用した状態の断面図である。壁25への取り付けは切欠き15における釘22で固定されるが、切欠き17側も釘22を用いて固定しても良い。第2実施形態の縁部材1は、このように曲げずに使用することができ、種々の箇所に兼用できるものである。図6におけるその他の部分の構造と作用は、図1〜3に示した第1実施形態の縁部材の構造および作用と同じであるので、その説明を省略する。
【0043】
図7は、円弧状の溝9に溶融状態の合成ゴム材(スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SBS))23を流し込み固化させた状態の要部断面図である。円弧状に形成された基材の溝9に合成ゴム材23を設ける方法は、ホットメルト法、すなわち溶融した合成ゴム材23を流し込み形成する。合成ゴム材23は、それ自体基材に対して付着力があるので溝9に貼着する。
【0044】
円弧状の溝9に設ける合成ゴム材23は、溝の縁寄り9a位置における厚みT1から溝の中央9bに向かって漸次厚くなり、中央9bにおいては最大の厚みT2となる。このようにすると縁部材を溝9に対応する基材部分で曲げるときに、曲げ応力が集中する溝の中央9bにおいて合成ゴム材23が厚く形成され、中央9bから離れるにしたがって合成ゴム材23が漸次薄くなるので、溝9に対応する基材部分の応力集中が緩和され滑らかな曲面に曲げることができる。
【0045】
本実施形態のように基材3は、円弧状の溝9に対応する基材3c部分が残されるように切削されるので、溶融した合成ゴム材23を溝9に流し込んだときに、残された基材3cが断熱材としての役目を果たし、溶融した合成ゴム材23が基材3の一方の面に設けられた化粧材20を溶かしたり、軟化させて変質させたりすることを防止し、また化粧材20の無用なひずみを発生させることを防止する。
【0046】
このように凹曲面状の溝に合成ゴム材23を設けることにより一層確実に滑らかな曲面に曲げることができる。さらに、円弧状の溝9とすることにより製作上形成しやすい。基材3としては、先に記した木質系、合成樹脂系あるいは木質系や合成樹脂系の複合積層板などを使用することができるが、本実施形態においては中質繊維板(MDF)を使用し、これに円弧状の溝9を形成したものである。中質繊維板は、方向性が無く、いずれの方向にも均質な材料であるので滑らかに曲げることが可能である。この中質繊維板に溝9を形成することにより、中質繊維板の表裏層に比べ比重の低い中心層が溝9の表面に露出するので、合成ゴム材23が浸透しやすく密着(付着)強度が向上する。
【0047】
以上この発明を図示の実施形態について詳しく説明したが、それを以ってこの発明をそれらの実施形態のみに限定するものではなく、この発明の精神を逸脱せずして種々改変を加えて多種多様の変形をなし得ることは云うまでもない。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、一つの部材を出隅や入隅などの種々の箇所の使用に兼用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る縁部材の第1実施形態を示す断面図である。
【図2】第1実施形態の縁部材を壁と床の間の幅木として使用した状態の断面図である。
【図3】第1実施形態の縁部材の製造方法を示し、(A)は仕掛基材の断面図、(B)は仕掛基材に化粧材を貼着した状態の断面図、(C)は仕掛基材の裏側に溝を切削して基材を形成した状態の断面図、(D)は基材の裏側の溝に合成ゴム材(弾力性を有する材料)を設けた状態の断面図である。
【図4】第2実施形態の縁部材を示し、天井と壁の間の廻り縁として使用した状態の断面図である。
【図5】第2実施形態の縁部材を壁と壁の間の出隅に使用した状態の断面図である。
【図6】第2実施形態の縁部材を曲げずに壁と床の間の幅木として使用した状態の断面図である。
【図7】円弧状の溝に溶融状態の合成ゴム材を流し込み固化させた状態の要部断面図である。
【符号の説明】
1 縁部材
3 基材
5 表面(一方の面)
7 裏面(他方の面)
9 溝
9a 溝の縁寄り
9b 溝の中央
11 縁
20 化粧材
23 合成ゴム材(弾力性を有する材料または軟質材)
Claims (4)
- 一方向に延在する基材の一方の面に凹部を設け、この凹部の両側面を凸円弧状に面取りし、これら凹部および面取り部の表面を含めて該一方の面の全般にわたって化粧材を貼着し、且つ、該基材の他方の面において該凹部に対応する位置に凹曲面形状の溝を形成して、これら凹部と溝との間の基材部分で両方向に曲げ可能であって、出隅に使用する際は凹部が凸曲面状に現れ、入隅に使用する際は凹部が凹曲面状に現れるように形成されてなる縁部材。
- 請求項1において、前記溝の表面に弾力性を有する材料を設けてなる縁部材。
- 請求項1または2において、前記溝の両縁は、それぞれ前記他方の面位置から凹んで位置してなる縁部材。
- 請求項1において、前記溝の表面に軟質材を設け、該軟質材は、前記溝の両縁から該溝の中央に向かって漸次厚くなるように形成されてなる縁部材。
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