JP2003528572A - アスパルテートでの酵素トランスアミノ化によるl−ホスフィノトリシンの製造方法 - Google Patents

アスパルテートでの酵素トランスアミノ化によるl−ホスフィノトリシンの製造方法

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JP2003528572A
JP2003528572A JP2000615782A JP2000615782A JP2003528572A JP 2003528572 A JP2003528572 A JP 2003528572A JP 2000615782 A JP2000615782 A JP 2000615782A JP 2000615782 A JP2000615782 A JP 2000615782A JP 2003528572 A JP2003528572 A JP 2003528572A
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クラウス・バールトシュ
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バイエル クロップサイエンス ゲーエムベーハー
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    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
    • C12P13/00Preparation of nitrogen-containing organic compounds
    • C12P13/04Alpha- or beta- amino acids

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Abstract

(57)【要約】 本特許出願には、アミノ供与体としてのアスパルテートでの対応するケト酸PPOからのトランスアミノ化によってL−ホスフィノトリシンをを酵素的にキラル合成する方法が記載されている。大体等モル量のアミノ供与体およびアミノ受容体を使用する好適な反応技術によって定量的転化を行うことができ、これによって供与体アミノ酸アスパルテートが完全に使用される。熱安定性のトランスアミナーゼの使用によって、大きな反応速度および対応する大きな空間/時間効率が可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、作物保護剤の合成の技術領域、殊にPPO−特異性アスパルテート
トランスアミナーゼ(Asp−TA)の存在とアスパルテートの存在で、酵素ト
ランスアミノ化によって、4−(ヒドロキシメチルホスフィニル)−2−オキソ
酪酸(HMPB、PPO)からL−2−アミノ−4−(ヒドロキシメチルホスフ
ィニル)酪酸(L−ホスフィノトリシン、L−PPT)を合成する技術領域に関
する。化合物L−PPT、その塩およびそのいくつかの誘導体は除草活性のある
非タンパク質生成性のアミノ酸またはその塩および誘導体(DE-A-2717440)であ
る。各々の場合、L型が生物学的活性があるが、各々の場合、D型は事実上不活
性である(DE-A-2856260)。
【0002】 トランスアミナーゼは、その対応するケト酸前駆体からのアミノ酸のキラル酵
素合成に関して、その立体選択性が大きくまた基質特異性が比較的広いので、特
に好適であることがすでに開示されている。しかしながら、トランスアミナーゼ
を工業的に使用することの1つの欠点は、その平衡定数が約1であることであり
、従って、必要な生成物はただの50%の収率でしか一般に得ることができない
(US-A4,826,766)。EP-A-0344683およびUS-A-5,221,737には、Escherichia coi
lからの4−アミノ−ブチレート:2−ケトグルタレートトランスアミナーゼ(
GABAトランスアミナーゼ、EC 2.6.1.19)による対応するケト酸[(2−オ
キソ−4−(ヒドロキシ)(メチル)ホスフィノイル酪酸、PPO)]からのト
ランスアミノ化によって除草剤L−ホスフィノトリシン[L−ホモアラニン−4
−イル(メチル)ホスフィン酸、L−2−アミノ−4−(ヒドロキシメチルホス
フィニル)酪酸、L−PPT)]、非タンパク質生成性のアミノ酸の製造が記載
されている。定量的な転化では、モル大過剰のアミノ供与体グルタメートを必要
とし、これは反応生成物の精製を困難にする。
【0003】 対応するケト酸オキサロアセテートは水性媒体中で不安定でありまたピルベー
トへと自然的に脱カルボキシル化するので、この問題の1つの解決はアスパルテ
ートをアミノ供与体として使用することにより可能である。1つの反応生成物を
平衡から除去すると、逆反応が不可能になり、また定量的転化はケト酸と供与体
アミノ酸とを等モルで使用する際でさえ可能である。この種の方法は例えばEP-A
-0135846中に記載されている。
【0004】 しかしながら、上記のGABAトランスアミナーゼはアミノ供与体としてアス
パルテートを受容せず、またL−ホスフィノトリシンおよび既知のアスパルテー
トに対する共同特異性を有する他の任意のトランスアミナーゼも受容しないので
、L−ホスフィノトリシンの酵素合成に本発明の原理を適用することは今日まで
不可能であった。
【0005】 別法として、PPT−特異性のトランスアミナーゼおよびグルタメート:オキ
サロアセテートトランスアミナーゼ(GOT、EC 2.6.1.1)からなる連結した二酵
素系が提案されている(EP-A-0249188およびEP-A-0477902)。この反応方式では
、L−PPTの合成で使用されるグルタメートはGOTによってアスパルテート
から再生される。アスパルテートトランスアミナーゼそのものは、L−PPT/
PPOに対する特異性はない。オキサロアセテートのピルベートへの自発的な転
化もまた、総体的な反応に関してL−PPT合成の方向に平衡の移動をもたらす
。この場合、等モル量より著しく少ないグルタメートともにPPOとアスパルテ
ートとを等モルで使用すると定量的な生成物収率が可能である。
【0006】 この連結酵素法は、基質溶液中に存在する供与体アミノ酸の過剰投与が、受容
体ケト酸PPOと比較して顕著に減少することを可能にし、これは生成物溶液の
仕上げ操作を簡単にする。しかしながら、この連結反応方式においてグルタメー
トを使用すくことがやはり必要であり、ケトグルタメートとの平衡にあるこのグ
ルタメートは反応生成物中に残存しあるいは構造的に極めて似たアミノ酸L−P
PTから精妙な精製工程によって除去されねばならない。加えて、動力学的パラ
メータが異なるため、反応方式の最適化は2つの酵素では1つの酵素より一層困
難である。
【0007】 例えばGOTのようなこれまでに開示されたアスパルテートトランスアミナー
ゼはPPOの転化をなんら示さないが、基質として大きな特異性を有するL−P
PT/PPOを基質として同様に受容する微生物からのアスパルテートトランス
アミナーゼが驚くべきことに現在見いだされている。この酵素は、アスパルテー
トのアルファ−アミノ基のPPOへの直接的な転換を触媒する。
【0008】 本発明は従って、式(I)
【化3】 のL−2−アミノ−4−(ヒドロキシメチルホスフィニル)酪酸(L−ホスフィ
ノトリシン、L−PPT)、その誘導体および/または塩を、受容体としての式
(II)
【化4】 の4−(ヒドロキシメチルホスフィニル)−2−オキソ酪酸(HMPB、PPO
)、その誘導体および/または塩から、供与体としてのアスパルテートの存在で
酵素トランスアミノ化によって製造する方法に関し、トランスアミノ化は、1つ
またはそれ以上の受容体特異性の、好ましくはPPO−特異性のアスパルテート
トランスアミナーゼ(Asp−TA)の存在で行われ、オキサロアセテートおよ
び式(I)の化合物、その誘導体および/または塩が、1つまたはそれ以上の熱
安定性のおよび/または単離されたアスパルテートトランスアミナーゼの存在で
、また特に極めて好ましくはピルベートに対する基質特異性が最小である1つま
たはそれ以上のアスパルテートトランスアミナーゼの存在で生成され、従って、
副生物アラニンの生成が減少しあるいは実質的に回避することができる。
【0009】 L−PPTの塩は一般に、無機および/または有機の酸または無機および/ま
たは有機の塩基との一塩基性塩および二塩基性塩である。酸との塩(酸付加塩)
は例えば、塩酸(塩化水素)または硫酸(硫酸塩)のような鉱酸との、または炭
酸(炭酸塩、炭酸水素塩)との、または酢酸(酢酸塩)、ギ酸(ギ酸塩)、プロ
ピオン酸(プロピオネート)または酒石酸(酒石酸塩)との塩である。塩基との
塩は例えば、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、第1
級、第2級または第3級アミンのような有機アミンとの塩、ならびに第4級アン
モニウム塩である。
【0010】 誘導体は例えば、ホスフィン酸基上で例えばメタノール、エタノール、n−プ
ロパノール、i−プロパノール、n−、i−および第2級または第3級ブタノー
ルのようなC1〜C12のアルカノールならびにシクロアルカノールのようなC3
6のシクロアルカノールによってエステル化されたL−PPTのエステルであ
る。誘導体はカルボン酸基上で例えば上記のアルコールによって別途あるいは追
加的にエステル化されたL−PPTのエステルでもある。誘導体はまたL−PP
Tのカルボキサミドおよびその誘導体、および適切なら、アルキル部分に炭素原
子を好ましくは1〜4個有するN−アルキルアミドまたはN,N−ジアルキルア
ミドでもある。
【0011】 PPOの誘導体は例えば、その無機および/または有機の塩基との塩であり、
このために好適な塩基はL−PPTとの関連ですでに述べて来た。誘導体は例え
ばカルボン酸基もしくはホスフィン酸基またはこれら双方上でエステル化された
PPOのエステルでもある。エステル基にとって好適なアルコールは公式的には
L−PPTのエステルにとって好適なアルコール、好ましくは上記に述べたアル
カノールである。誘導体はまたPPOのカルボキサミドおよびそのホスフィン酸
基上でエステル化された誘導体、そして適切なら対応するN−アルキルアミドま
たはN,N−ジアルキルアミドでもある。
【0012】 アスパルテートはL−アスパラギン酸またはその塩、好ましくはアルカリ金属
塩をさすのが好ましい。しかしながら、L−アスパラギン酸とD−アスパラギン
酸との混合物、例えばD,L−アスパラギン酸をアスパルテートとして使用する
ことも可能である。
【0013】 本発明の方法における別な可能性は、反応媒体中に妥当なら存在するピルベー
トを、物理的、化学的および/または酵素的手段によって、好ましくは酵素触媒
作用による転化によって、例えばアセトラクテートシンターゼ、ピルベートデカ
ルボキシラーゼ、ピルベートオキシダーゼ、特にアセトラクテートシンターゼに
よって除去することであり、比較的熱安定性である酵素の存在でピルベートの転
化を行うのが特に極めて好ましい。使用される酵素は、妥当ならこのようにして
固定されることができる。
【0014】 両方の基質(供与体および受容体)は例えば0.5:1〜2:1のモル比(L
−アスパラギン酸:PPOに基づく)、好ましくは0.75:1〜1.5:1で、
殊に大体等モルで使用される。L−アスパラギン酸(塩)とD−アスパラギン酸
(塩)との混合物を使用する際、L−アスパラギン酸(塩)のモル量は決定的で
ある。PPO誘導体はPPOに等しいモル量で使用せねばならない。基質溶液中
にグルタメートが存在することは必要でない。見いだされた酵素のいくつかは優
れた熱安定性を示す。従って、本発明は広い温度範囲例えば10〜95℃、好ま
しくは40〜90℃、特に60〜85℃で実施することができる。熱安定性を特
に示さない酵素の好ましい温度範囲は20〜70℃、特に30〜40℃である。
【0015】 比較的高い温度は反応速度をかなり加速するのを可能にし、これはまた、一層
濃厚な基質溶液(濃度10%)が大きな空間/時間収率で転化するのを可能にす
る。反応は6.5〜10、好ましくは7.5〜8.5の範囲のpHで、7〜9のp
Kaを有する妥当に適切な緩衝系、特に燐酸塩またはトリス緩衝剤中で行われる
のが好ましい。生化学的に詳細に特徴把握されている酵素がGABAに対する特
異性をもたず、従って、すでに開示したL−PPT/PPO−特異性トランスア
ミナーゼとは異なることは驚くべきことである。
【0016】 トランスアミノ化に際してアラニンの生成が回避されあるいは最小化されるな
ら、反応において特に大きな転化率を得ることができる。適当ならば、ピルベー
トに関する基質特異性をもたない最適化されたASP−TA変異体を使用するこ
とができる。別な可能性は、物理的に、例えば選択的に透過可能な膜の使用によ
り、そして/または化学的もしくは酵素的に、例えばピルベートデカルボキシラ
ーゼ、ピルベートオキシダーゼまたはアセトラクテートシンターゼによル転化に
よって反応混合物からピルベートから除去することである(例えば、Taylorら、
TIBTECH(1998)、16巻、412〜418;Fotheringhamら、CHIMICA OGGI/chemistry
today(1997)、9/10、33〜38;WO 98/53088を参照)。
【0017】 反応溶液からの生成物、L−PPTの精製は適切なら既知のおよび慣用の方法
によって、例えばメチルイソブチルケトンでの抽出によってまたは、例えばAmbe
rlite(登録商標)IR 120(Sigmaによって製造される)による陽イオン交
換クロマトグラフィーによって行うことができる。 本発明の方法は以下の実施例によってさらに説明されまた本発明は特許請求の
範囲に規定される。以下の実施例はこの点で限定的であると解すべきでない。
【0018】 実施例: 1) L−PPT特異性アスパルテートトランスアミナーゼ活性を有する土壌微
生物の単離 それぞれ1gのいろいろな土壌試料(腐食土、ローム、砂/Schwanheimer Due
ne Frankfurt)をpH=7.0の10mMの燐酸ナトリウム緩衝液10mlによって
室温で1時間抽出した。以下の媒体中の富化培養基に抽出物から接種した。 5mMのグルコース 5mMのスクシネート 10mMのグリセロール 10mMのPPO 10mMのL−アスパラギン酸 50ml/Lの溶液A 25ml/Lに溶液B
【0019】 溶液A:50g/LのK2HPO4 溶液B:2.5g/LのMgSO4 0.5g/LのNaCl 以下を含有するストック溶液からの25ml/L 1g/LのFeSO4×7H2O 0.22g/LのMnSO4×H2O 0.1g/LのH3BO3 0.1g/LのNa2MoO4×2H2O 0.18g/LのZnSO4×7H2O 0.16g/LのCuSO4×5H2O 0.1g/LのCoCl2×6H2O 1ml/Lの1NのHCl
【0020】 培養基を震盪機上で28℃および200rpmで3〜5日培養した。唯一のN源
としてのL−アスパラギン酸によって増殖することができる微生物の富化は、試
験した試料(腐食土)の1つから可能であった。培養基を同じ媒体中でさらに数
回継代し、次いで同じ組成の寒天媒体上に薄く乗せて、単一のコロニーを分離し
た。28℃で3〜5日間培養の後、全部で100の単一コロニーを分離しそれぞ
れ再び液体媒体(上記を参照)中に接種した。純粋な培養基を得るために、寒天
プレート上での分離を2回以上反復した。 これらの淘汰サイクルの後、唯一のN源としてのL−アスパラギン酸によって
増殖することができる個々の20の株を入手した。
【0021】 PPO/Aspトランスアミナーゼ活性について試験するために、各々の株の
2mlの培養基を上記のように増殖した。次いで、各々の培養基400μlを0.5
%トルエン、0.5%エタノールを用いて30分浸透性化した。各々の細胞ペレ
ットをPPO 50mM、L−アスパラギン酸50mM、pH=8.0のTris/H
Cl 50mM、ピリドキサルホスフェート10μMからなる反応混合物50μl中
に再び懸濁しそして28℃で一晩培養した。
【0022】 生成したPPTの定性的決定のために、反応の上澄み液を水中で1:5に希釈
しそしてその5μlの部分を、移動相としてのn−ブタノール:氷酢酸:水=6
0:15:25によるセルロースHPTLCプレート(Merck)上の薄層ク
ロマトグラフィーによって分析した。ニンヒドリン染色によってアミノ酸を可視
化した。4つの株(DSM 13353、DSM 13354、DSM 1335
5、DSM 13356;すべての株は“Deutsch Sammlung von Mikroorganisme
n und Zellkulturen GmbH”に寄託されている)でホスフィノトリシンの生成を
検出することができた。反応生成物の鏡像異性体純度はキラルHPLC[基質と
してペニシラミン(Phenomenoxによって製造)を用いて分離カラム Chirex(登録
商標)(D)によって調べられる](移動層:2mMのCuSO4、10%メタノー
ル、流速:0.5ml/分、紫外線の検出:254nm、保持時間:L−PPT:約
17分、D−PPT:約21分)によった。従って、調べた4つの試験試料にお
いて反応生成物としてL−PPTを検出できまたD−PPTは検出できなかった
【0023】 生物学的形質転換によるL−PPTの調製および反応の進行の定量的分析のた
めに、土壌バクテリア株DSM 13354、DSM 13355およびDSM
13356のそれぞれの11の培養基を7ページに記載した媒体中で28℃で4
8時間増殖した。細胞を遠心分離によって収得し、10mMのNaCl、10mMの
燐酸ナトリウム(pH=7.5)中で1回洗浄し、次いで1晩凍結乾燥した。
【0024】 生物学的形質転換を実施するために、上記で同定した土壌バクテリア株を以下
の基質溶液10ml中に再度懸濁した。 100mMのPPO 200mMのL−アスパラギン酸 100mMのTris/HCl、pH=8.0 1mMのピリドキサルホスフェート
【0025】 培養震盪機上で混合物を200rpmおよび37℃で培養した。1、2、4、8
および30時間後に試料200μlをとりそして8ページで説明したようにHP
LCで分析した。L−PPTおよびL−アスパラギン酸に関する測定結果を表1
に要約した。達成された最大の転化率[基質中の生成されたL−PPT/PPO
×100]は約59%であった(DSM)。
【0026】
【表1】
【0027】 2) トランスアミナーゼ酵素調合物を用いる直接PPO/アスパルテートトラ
ンスアミノ化の検出 市販で入手できる全部で7つの異なるトランスアミナーゼをPPO/アスパル
テートトランスアミノ化に関して試験した。微生物誘導から(Diversa CAT# AM
N-001(1998)からのアミノトランスフェラーゼ試験キット中に含まれる熱
安定性トランスアミナーゼAMN−001−01、−001−02、−001−
03、−001−04、−001−05;グルタメート−オキサルアセテートト
ランスアミナーゼ(GOT)、グルタメート−ピルベートトランスアミナーゼ(
GPT)、Sigma)。酵素調合物をpH=8.0のTris/HCl緩衝剤50mM中の
蛋白濃厚液5mg/mlによって溶解し、次いで同じ緩衝剤に対して4℃で一晩透析
した。これは、酵素調合物中に存在するおそれがありまたトランスアミノ化で中
間的担体として働くであろうアミノ供与体および受容体を除去することを意図す
る。次いで、酵素溶液を1mg/mlに調整し、そしてPPO 50mM、L−アスパ
ラギン酸50mM、pH=8.0のTris/HCl 50mM、ピリドキサルフォスフェ
ート10μMからなる反応緩衝剤によって、特定の酵素にとって最適な温度で混
合物50μl中で1時間培養した。
【0028】 薄層クロマトグラフィー酵素試験および実施例1の記載のキラルHPLCによ
って酵素試験を解析した。L−アスパラギン酸からトランスアミノ化によるL−
PPTの鏡像選択的生成は熱安定性酵素の2つ、AMN−001−03およびA
MN−001−04によって検出できた(反応温度:80℃)。他の酵素はいず
れも反応性を示さなかった。
【0029】 3) 熱安定性トランスアミナーゼAMN−001−03によるPPO/アスパ
ルテートトランスアミノ化の定量的測定 特異的活性が比較的高いので、L−PPT合成反応を一層正確に特徴把握する
ためにトランスアミナーゼAMN−001−03を選定した。PPO40mM、L
−アスパラギン酸48mM、pH=8.0のTris/HCl 50mM、ピリドキサルホ
スフェート0.1mMからなる基質溶液1mlをAMN−001−03トランスアミ
ナーゼ1mgによって培養した。反応の進行を解析するために、50μlの分取物
を24時間にわたって採取しそして−20℃で凍結した。PPTおよびアスパル
テートをアミノ酸分析機(Biotronic LC 5001)中で測定した。結果を表2に示
す。選定した条件の下で、L−PPT合成反応は2〜4時間後に平衡に達した。
使用したアミノ供与体、L−アスパラギン酸は7時間後に完全に消費された。転
化率[基質中で生成したL−PPT/PPO×100]約75%を得た。
【0030】
【表2】
【0031】 4) 部分的に精製された熱安定性のトランスアミナーゼAMN−001−03
によるPPOとアスパルテートからのL−PPTの酵素キラル合成 合成実験のために、107nkat/タンパク質mg(1nkat=アスパルテート1n
モル/秒)の特異的活性を有する部分的に精製されたトランスアミナーゼAMN
−001−03を使用した。体積1mlの反応溶液は、PPO(10%)552m
M、L−アスパラギン酸700mM、KHCO3によってpH=8.0に調整された
ピリドキサルホスフェート、および酵素11.5mgを含有した。混合物を80℃
で培養した。実施例3に記載したように試料採取および分析を行った。
【0032】 結果を表3にまとめた。この実験では、ただの1時間後に反応平衡に達した。
4時間後、アミノ供与体L−アスパラギン酸はほとんど完全に消費された。転化
率は約52%でありまた空間/時間収率[L−PPTg/生体触媒g/時間]は
4.5であった。同一基質溶液および酵素濃度を用いるが反応温度が60℃であ
る並行する実験においては、反応速度が顕著に低下したが類似する転化率が得ら
れた。空間/時間収率[L−PPTg/生体触媒g/時間]はただの0.95で
あった。これらの結果は、転化率および効率的な反応方式に対するトランスアミ
ナーゼの高い熱安定性の著しい重要性を例証する。転化率が52%というほんの
中程度であるのは、ピルベートのトランスアミノ化によって副生物アラニンが生
成することに主として帰せられる。反応に際してアラニンの生成が回避されるな
ら、かなりより大きい転化率を得ることができる。
【0033】
【表3】
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年4月27日(2001.4.27)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【化1】 のL−2−アミノ−4−(ヒドロキシメチルホスフィニル)酪酸(L−ホスフィ
ノトリシン、L−PPT)、カルボン酸エステルおよびカルボキサミドおよびホ
スフィン酸エステルからなる群から選択されるその誘導体ならびに/またはその
対応する塩を、受容体としての式(II)
【化2】 の4−(ヒドロキシメチルホスフィニル)−2−オキソ酪酸(HMPB、PPO
)、そのカルボン酸エステルおよびカルボキサミドおよびホスフィン酸エステル
からなる群から選択されるその誘導体ならびに/またはその対応する塩から、供
与体としてのアスパルテートの存在で酵素トランスアミノ化によって製造する方
法であって、1つまたはそれ以上の受容体特異性アスパルテートトランスアミナ
ーゼ(Asp−TA)の存在でトランスアミノ化が行われ、オキサロアセテート
および式(I)の化合物、その誘導体および/または塩が生成される上記の方法
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12R 1:00) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CN,CR,C U,CZ,DM,DZ,EE,GD,GE,HR,HU ,ID,IL,IN,IS,JP,KG,KP,KR, KZ,LC,LK,LR,LT,LV,MA,MD,M G,MK,MN,MX,NO,NZ,PL,RO,RU ,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,TT,UA, US,UZ,VN,YU,ZA

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I) 【化1】 のL−2−アミノ−4−(ヒドロキシメチルホスフィニル)酪酸(L−ホスフィ
    ノトリシン、L−PPT)、その誘導体および/または塩を、受容体としての式
    (II) 【化2】 の4−(ヒドロキシメチルホスフィニル)−2−オキソ酪酸(HMPB、PPO
    )、その誘導体および/または塩から、供与体としてのアスパルテートの存在で
    酵素トランスアミノ化によって製造する方法であって、1つまたはそれ以上の受
    容体特異性アスパルテートトランスアミナーゼ(Asp−TA)の存在でトラン
    スアミノ化が行われ、オキサロアセテートおよび式(I)の化合物、その誘導体
    および/または塩が生成される上記の方法。
  2. 【請求項2】 供与体としてのアスパルテートと受容体としての式IIの化合
    物、その誘導体および/または塩との反応が熱的に安定な受容体特異性アスパル
    テートトランスアミナーゼの存在で行われる請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 受容体特異性アスパルテートトランスアミナーゼのピルベー
    トに対する基質特異性が低く、副生物アラニンの生成ができるだけ回避される請
    求項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 存在するピルベートが物理的、化学的および/または酵素的
    方法によって反応混合物から除去される請求項1〜3のいずれか一項に記載の方
    法。
  5. 【請求項5】 1つまたはそれ以上のアセトラクテートシンターゼ(ALS
    )の存在でピルベートの転化が行われアセトラクテートが生成される請求項4に
    記載の方法。
  6. 【請求項6】 ピルベートデカルボキシラーゼの存在でピルベートの転化が
    行われアセトアルデヒドが生成される請求項4に記載の方法。
  7. 【請求項7】 ピルベートオキシダーゼの存在でピルベートの転化が行われ
    アセチルホスフェートが生成される請求項4に記載の方法。
  8. 【請求項8】 熱安定性の酵素の存在でピルベートの転化が行われる請求項
    5〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 【請求項9】 1つまたはそれ以上のトランスアミナーゼが固定化された形
    である請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 【請求項10】 寄託番号DSM 13353の微生物。
  11. 【請求項11】 寄託番号DSM 13354の微生物。
  12. 【請求項12】 寄託番号DSM 13355の微生物。
  13. 【請求項13】 寄託番号DSM 13356の微生物。
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