JPH0824591B2 - L−トリプトフアン類の製造法 - Google Patents

L−トリプトフアン類の製造法

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JPH0824591B2
JPH0824591B2 JP14697287A JP14697287A JPH0824591B2 JP H0824591 B2 JPH0824591 B2 JP H0824591B2 JP 14697287 A JP14697287 A JP 14697287A JP 14697287 A JP14697287 A JP 14697287A JP H0824591 B2 JPH0824591 B2 JP H0824591B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はL−トリプトファンの新規な製造法に関し、
さらに詳しくは、酸素を用いてフマル酸から一挙に光学
活性のL−トリプトファン又は5−オキシトリプトファ
ンを製造する方法に関する。
(従来の技術と課題) L−トリプトファンは、必須アミノ酸の1種で、特に
栄養上生理上重要なアミノ酸である。現在L−トリプト
ファンは大量製造が困難であるため、その用途は主に医
薬用に限定されている。しかしながら、安価な製造技術
が確立されれば、食品、飼料添加剤、高分子素材等の新
規な規模の大きい市場が開拓されることが期待される。
L−5−オキシトリプトファンは、その特異な生理的
作用が注目されているアミノ酸であるが、現在有効な製
法が充分に確立されておらず、安価に製造可能な工業的
製法の開発が望まれている。
従来これら両アミノ酸の製法は、インドール又は5−
オキシインドールと、アンモニウムイオン及びピルビン
酸、オキザロ酢酸又はL−リンゴ酸を用いる方法が知ら
れている(特公昭49−46917号等)。
しかしながら、これらの原料の中ピルビン酸、オキザ
ロ酢酸又はL−リンゴ酸は大変高価であり、上記の方法
は工業的製造法としては不向きである。
本発明者らは先に、工業的に安価に入手することので
きるフマル酸を原料とし、これとアンモニウムイオン及
びインドール又は5−オキシインドールを (A)フマラーゼ、 (B)ピルビン酸−リンゴ酸カルボキシラーゼ、及び (C)トリプトファナーゼ の存在下に反応させて、L−トリプトファン又はL−5
−オキシトリプトファンを効率よく製造する方法を開発
し提案した(特願昭61−248474号)。
本発明者らは、上記提案した方法において、L−トリ
プトファン又はL−5−オキシトリプトファンをさらに
効率よく高収量で製造するため、さらに酵素反応条件等
について鋭意検討を重ねた結果、今回、反応系にNADHオ
キシダーゼを共存させると、より一層効率よくL−トリ
プトファン又はL−5−オキシトリプトファンを製造す
ることができることを見い出し本発明を完成した。
(発明の構成と効果) しかして、本発明によれば、 (A)フマラーゼ、 (B)ピルビン酸−リンゴ酸カルボキシラーゼ、及び (C)トリプトファナーゼ の存在下且つNADHオキシダーゼの存在下に、 (a)フマル酸、 (b)アンモニウムイオン及び (c)一般式 式中、Rは水素原子又は水酸基を表わす、 で示されるインドール化合物 を反応せしめることを特徴とする一般式 式中、Rは前記の意味を有する、 で示されるL−トリプトファン類の製造法が提供され
る。
本発明の方法は、(イ)フマラーゼの作用により、フ
マル酸からL−リンゴ酸を生成せしめる反応;(ロ)生
成するL−リンゴ酸をピルビン酸−リンゴ酸カルボキシ
ラーゼ(L−リンゴ酸をピルビン酸に転換する能力をも
つ酵素をいう)の作用によりピルビン酸に変える反応;
(ハ)そのピルビン酸とアンモニウムイオン及び上記式
(I)のインドール化合物とをトリプトファナーゼの作
用下に反応させて目的とする上記式(II)のL−トリプ
トファン類を生成せしめる反応;並びに(ニ)上記
(ロ)の反応により生ずる還元型補酵素NADHをNADHオキ
シダーゼにより酸化型補酵素NAD+に変換する反応からな
り、これらの反応をワン−ポット(one−pot)で一挙に
行なうものである。
上記(イ)〜(ニ)の各酵素反応に使用される酵素
は、上記反応の触媒作用を有する限り、その供給源は特
に制限されるものではなく、微生物由来のものでも、動
物由来のものでも或いは植物由来のものでも用いること
ができる。また、使用する酵素は単離された純粋なもの
である必要はなく、例えば上記各反応に作用する酵素を
含有する微生物菌体又はその処理物を使用することも可
能である。微生物菌体の処理物としては、例えば、ポリ
アクリルアミドゲル、カラギーナンゲル、膜状高分子等
に固定化したもの;凍結乾燥菌体;超音波破砕等による
破砕物;ボールミル等を用いる機械的破砕物;溶媒処
理、界面活性剤処理等の公知の手法による処理物等が挙
げられる。
上記微生物菌体又はその処理物は、フマラーゼ
(A)、ピルビン酸−リンゴ酸カルボキシラーゼ
(B)、トリプトファナーゼ(C)及びNADHオキシダー
ゼのうちのいずれか1つの酵素のみを含有するものであ
ってもよく、或いは2種又はそれ以上の酵素を同時に含
有するものであってもよい。後者の場合、そのような微
生物菌体又はその処理物は、上記(イ)〜(ニ)のうち
の複数の反応に共通して使用することができる。
しかして、フマラーゼ(A)とピルビン酸−リンゴ酸
カルボキシラーゼ(B)とを同時に産生する能力のある
微生物としては、ブレビバクテリウム属に属するものが
挙げられ、具体的には、 ブレビバクテリウム・フラバム(Brevibac-terium flav
um)MJ−233(FERM BP−1497)、 フレビバクテリウム・フラバム(Brevibac-terium flav
um)MJ−233−AB−41(FERM BP−1498) などの菌株が包含され、これら菌株は前記(イ)及び
(ロ)の反応に共通に用いることができる。
また、フマラーゼ(A)、ピルビン酸−リンゴ酸カル
ボキシラーゼ(B)、及びトリプトファナーゼ(C)を
同時に産生する能力のある微生物としては、エシエリヒ
ア属、プロテウス属又はエルビニア属に属する微生物が
挙げられ、具体的には、 エシエリヒア・コリ(Escherichia coli)K−12系菌株
(ATCC27325)、 エシエリヒア・コリ(Escherichia coli)K−12系菌株
(FERM BP−1733及びFERM BP−1734)、 プロテウス・モルガニー(Proteus morganii)(IFO−3
848)、 エルビニア・ヘルビコア(Erwinia herbicola)(ATCC2
1433) などが包含され、これら菌株は前記(イ)、(ロ)及び
(ハ)の反応に共通して用いることができる。
フマラーゼ(A)及びピルビン酸−リンゴ酸カルボキ
シラーゼ(B)の供給源としては、中でもブレビバクテ
リウム属に属する微生物菌体が、酵素活性の低下が極め
て少なく、再使用があるので好適である。
さらに、NADHオキシダーゼの供給源も、微生物、動物
及び植物のいずれであってもよく、例えば微生物由来の
ものとして、例えば、 ロイコノストック・メセンテロイデス(Leu-conostoc m
esenteroides)(ATCC9135)、 バチルス・セレウス(Bacillus cereus)(ATCC4342) などが挙げられる。
本発明の方法に用いる酵素は、以上に述べた微生物の
菌体又はその処理物の形で用いることができるが、場合
により酵素製品として入手できるものはそのような形の
ものでも使用することができる。そのような例には以下
のものが挙げられる。
(A)フマラーゼ:[EC4.2.1.2]など。
(B)ピルビン酸−リンゴ酸カルボキシラーゼ:EC1.1.3
8、EC1.1.1.39など。
(C)トリプトファナーゼ:EC4.1.99.1など。
以上に述べた酵素又は酵素を含有する微生物菌体又は
その処理物は、必要に応じて、適当な固定化担体に固定
して使用することもできる。
本発明の方法は、通常の酵素反応の場合と同様にして
行なうことができる。例えば、反応容器に、基質となる
フマル酸、アンモニウムイオン源及び前記式(I)のイ
ンドール化合物を仕込み、水又は0.1Mリン酸緩衝液など
の緩衝水溶液中で、一般にpH6〜9、好ましくは7〜8.5
の範囲内及び温度約20〜約50℃、好ましくは約30〜約40
℃の範囲内の条件下に実施することができ、反応時間は
通常約1〜約72時間程度である。
反応系中におけるフマル酸及びアンモニウムイオンの
濃度は厳密に制限されるものではないが、一般には0.1
〜20%(wt/vol)の範囲内が適当であり、また、式
(I)のインドール化合物の濃度も一般に0.1〜20%(w
t/vol)の範囲内とするのが好都合である。また、NADの
濃度も酵素反応速度の点で一般に0.01mM以上が用いられ
るが、通常0.01〜10mMの範囲内とするのが適当である。
フマル酸、アンモニウムイオン源及び式(I)のインド
ール化合物の添加の順序は、特に制限はなく、任意の順
序で添加することができる。
使用しうるアンモニウムイオン源としては、例えば、
硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニ
ウム、酢酸アンモニウムなどが挙げられ、好適に使用で
きる。
一方、前述した酵素又は酵素を含有する微生物菌体も
しくはその処理物の使用量もまた厳密に制限されるもの
ではなく、酵素活性等に応じて広く変えることができる
が、フマラーゼ(A)、ピルビン酸−リンゴ酸カルボキ
シラーゼ(B)及びトリプトファナーゼ(C)はそれぞ
れ一般に0.1〜10%(wt/vol)の範囲内で用いるのが適
当であり、また、NADHオキシダーゼは一般に0.1〜50%
(wt/vol)、好ましくは0.1〜10%(wt/vol)の範囲内
の濃度で用いるのが有利である。
本発明の方法に用いて酵素の供給源として使用しうる
微生物菌体の培養はそれ自体既知の方法に従い、合成培
地又は天然培地を用いて行なうことができる。かかる培
地のための炭素源としては、エシエリヒア属、プロテウ
ス属及びエルビニア属微生物に対しては、グルコース、
グリセロール、フラクトース、シュクロース、糖蜜等の
炭水化物を使用することができ、一方ブレビバクテリウ
ム属の微生物の場合には、上記の炭水化物の他にエタノ
ールを炭素源として用いることもできる。また、窒素源
としては、トリプトン、酵母エキス、コーン・スチープ
リカー、カゼインの加水分解物等の天然有機窒素源が挙
げられ、これらは窒素源と同時に炭素源にもなり得る。
その他の栄養源として、リン酸一カリウム、リン酸二カ
リウム等のリン酸塩、硫酸鉄、塩化鉄、硫酸マンガン、
塩化マンガン、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム等
のミネラル分;必要に応じて、ビオチン、チアミン塩酸
等のビタミン類を加えることができる。
培養は、振盪培養或いは通気撹拌槽培養などの好気的
条件下に行うことができる。培養温度は一般に20〜50℃
の範囲内であり、培地中の培地のpHは中性または微アル
カリ性付近に維持することが望ましい。培養期間は、通
常約5時間〜約3日である。
上記のような培養方法によって得られた菌体又はその
処理物を用いて、インドール又は5−オキシインドール
とフマル酸又はその塩とアンモニウムイオンから、イン
ドールを用いた場合はL−トリプトファンがそして5−
オキシインドールを用いた場合はL−5−オキシトリプ
トファンが高収量で生成する。
反応液中に生成したL−トリプトファン又はL−5−
オキシトリプトファンの分離・精製は、イオン交換樹
脂、活性炭等による吸着、脱着処理等のそれ自体既知の
方法により行うことができる。
以下、参考例及び実施例を掲げて本発明をさらに具体
的に説明する。
尚、以下の実施例において、L−トリプトファン及び
L−5−オキシトリプトファンの確認は次の通りに行っ
た。
L−トリプトファンの生成は、乳酸菌(ロイコノスト
ック・メセンテロイデスLeuconostoc mesenteroides AT
CC 8042)を用いたバイオアッセイにより確認すると同
時に、定量も同法及び高速液体クロマトグラフィーによ
り行なった。
L−5−オキシトリプトファンは、ペーパークロマト
グラフィーによりブタノール:酢酸:水(4/1/2)を用
いて展開し、クロマトグラムのエーリッヒ試薬による呈
色により確認した。定量の高速液体クロマトグラフィー
により行なった。
参考例1:ブレビバクテリウム・フラバム菌体の調製 下記第1表に示す組成の培地100ml2組を500ml容の三
角フラスコ2本に別々に分注し、120℃で15分間加熱滅
菌したものの各々にエタノールを2容量%無菌的に添加
し、これらにブレビバクテリウム・フラバム(Brevibac
terium flavum)MJ−233(FERM BP−1497)又はブレビ
バクテリウム・フラバム(Brevibacterium flavum)MJ
−233−AB−41(FERM BP−1498)を一白金耳ずつ植菌
し、30℃にて24時間培養した。
これら二組の培養液20mlを2l容ジャーファーメンター
中の下記第2表に示す組成の培地1にそれぞれ別に接
種し、33℃、pH7.6、通気量1vvmの条件下にて撹拌し、
エタノール濃度が1.0〜1.5容量%に保たれるようにエタ
ノールを断続的に添加した。30時間の培養後、培養液を
遠心分離(6,000rpm、15分)して得た菌体それぞれを供
試菌体とした。
第1表 尿素 4.0g 硫酸アンモニウム 14.0g KH2PO4 0.5g K2HPO4 0.5g MgSO4・7H2O 0.5g FeSO4・7H2O 6.0mg MnSO4・4〜6H2 6.0mg 酵母エキス 1.0g カザミノ酸 1.0g (第1表の続き) ビオチン 200μg チアミン塩酸塩 100μg 蒸留水 1000ml 第2表 硫酸アンモニウム 23.0g KH2PO4O 0.5g K2HPO4O 0.5g MgSO4・7H2O 0.5g FeSO4・7H2O 20mg MnSO4・4〜6H2O 20mg 酵母エキス 3g カザミノ酸 3g ビオチン 200μg チアミン塩酸塩 100μg 蒸留水 1000ml 参考例2:エシエリヒア・コリ菌体の調製 下記第3表に示す組成の培地50mlを500ml容三角フラ
スコに分注し、120℃で15分間滅菌処理したものにエシ
エリヒア・コリ(Escherichia coli)K−12系菌株(AT
CC 27325、FERM BP−1733又はFERM BP−1734)を植菌
し、37℃にて1日振盪培養したものを、同様に滅菌調製
したものを、同様に滅菌調製したL−トリプトファンを
200μg/mlの濃度で含有するL培地1000mlに20ml接種
し、同じく37℃にて8時間振盪培養した。培養終了液を
遠心分離(6000rpm、15分間、4℃)して得た菌体を供
試菌体とした。
第3表 L培地 トリプトン 10g 酵母エキス 5g NaCl 5g グルコース 1g 蒸留水 1 (pH 7.2) 参考例3:プロテウス・モルガニー菌体の調製 下記第4表に示す組成の培地50mlを500ml容三角フラ
スコに分注し、120℃で15分間滅菌処理したものにプロ
テウス・モルガニー(Proteus morganii)(IFO−384
8)を植菌し、37℃にて24時間振盪培養したものを、同
様に滅菌したL−トリプトファンを200μg/mlの濃度で
含有する下記第4表に示す組成の培地1000mlに20ml接種
し、同じく37℃にて8時間振盪培養した。培養終了液を
遠心分離(6000rpm、15分間、4℃)して得た菌体を供
試菌体とした。
第4表 KH2PO4 0.5g/l K2HPO4O 0.5g/l MgSO4・7H2O 0.5g/l FeSO4・7H2O 6ppm MnSO4・n、H2O ほ6ppm 酵母エキス 10g/l カザミノ酸 5g/l (pH 7.5) 参考例4:エルビニア・ヘルビコラ菌体の調製 菌株としてエルビニア・ヘルビコラ(Erwinia herbic
ola)(ATCC 21433)を用いた以外は、参考例3と同様
の培地及び操作にて37℃で8時間振盪培養を行った。培
養終了液を遠心分離(6000rpm、15分間、4℃)して得
た菌体を供試菌体とした。
参考例5:NADHオキシダーゼの調製法 ロイコノストック・メセンテロイテス(Leuconostoc
mesenteroides)(ATCC 9135)株を、ザ・ジャーナル・
オブ・ジェネラル・アンド・アプライド・マイクロバイ
オロジー(The Journal of General and Applied Micro
biology)第17巻、51〜52ページ(1971年)に記載され
ているKawaiらの方法により、培養し且つ生成するNADH
オキシダーゼを精製して、比活性がおよそ160(uuits/m
g)のNADHオキシダーゼを得た(ただし1unitは1分間あ
たり1μmolの補酵素を再生しうる酵素量である)。
実施例1 下記第5表に示す組成の反応液50mlを500ml容三角フ
ラスコに分注したのち、該反応液に前記参考例1で調製
したブレビバクテリウム・フラバム(Brevibacterium f
lavum)MJ−233(FERM P−3068)の培養液40mlから遠心
分離(6000rpm、15分間、4℃)により得た菌体と、前
記参考例2で調製したエシエリヒア・コリ(Escherichi
a coli)K−12系菌株ATCC 27325の培養液40mlから遠心
分離(6000rpm、15分間、4℃)により得た菌体と参考
例5に示したNADHオキシダーゼ液2mlとを添加し、37℃
にて24時間振盪反応を行った。反応終了後、遠心分離
(4000rpm、15分間、室温)にて菌体を除去し、その上
清液中のL−トリプトファンを定量したところ65mg/lの
生成が認められた。
なお、上記反応液に参考例1で調製したブレビバクテ
リウム・フラバム(Brevibacterium flavum)MJ−233
(FERM BP−1497)の培養液40mlから回収した菌体と参
考例2で調製したエシエリヒア・コリ(Escherichia co
li)K−12系菌株(ATCC 27325)の培養液40mlから回収
した菌体のみを添加して、37℃にて24時間振盪反応を行
った場合には、L−トリプトファンの生成量は21mg/lで
あった。
第5表 インドール 20mM フマル酸ナトリウム 50mM 塩化アンモニウム 300mM ニコチンアミドアデニン ジヌクレオチド(NAD) 0.1mM リン酸緩衝液(pH8.0) 100mM 実施例2 実施例1で用いたと同様の反応液50mlに、参考例1で
調製したブレビバクテリウム・フラバム(Brevibacteri
um flavum)MJ−233−AB−41(FERM BP−1498)の培養
液40mlから得た菌体と、参考例2で調製したエシエリヒ
ア・コリ(Escherichia coli)K−12系菌株(FERM BP
−1733)の培養液40mlから菌体と参考例5で調製したNA
DHオキシダーゼ液2mlを添加し、37℃にて15時間振盪反
応を行い、反応終了後の上清液中のL−トリプトファン
を定量したところ70mg/lであった。
反応上清液40mlをアンモニア型強酸性イオン交換樹脂
(ダイヤイオンSK−IB、三菱化成製)のカラムを通して
L−トリプトファンを吸着させたのち、アルカリ溶液で
溶出後濃縮しL−トリプトファンの粗結晶を析出させ
た。これをアセトンで洗浄し乾燥してL−トリプトファ
ンの結晶2.0mgをえた。
なお、ブレビバクテリウム・フラバム(Brevibacteri
um flavum)MJ−233−AB−41(FERM BP−1498)の培養
液40mlから得た菌体とエシエリヒア・コリ(Escherichi
a coli)K−12系菌株(FERM BP−1733)の培養液40ml
から得た菌体のみを用いた実施例1におけると同様反応
に供した場合、反応終了後の上清液中のL−トリプトフ
ァンの生成量は25mg/lであった。
実施例3 実施例1で用いたと同様の反応液50mlに、参考例1で
調製したブレビバクテリウム・フラバム(Brevibacteri
um flavum)MJ−233−AB−41(FERM BP−1498)の培養
液40mlから得た菌体と、参考例2で調製したエシエリヒ
ア・コリ(Escherichia coli)K−12系菌株(FERM BP
−1733)の培養液40mlから得た菌体と参考例5で調製し
たNADHオキシダーゼ液2mlを添加し、37℃にて15時間振
盪反応を行い、反応終了後の上清液中のL−トリプトフ
ァンを定量したところ66mg/lであった。
反応上清液40mlをアンモニア型強酸性イオン交換樹脂
(ダイヤイオンSK−IB、三菱化成製)のカラムを通して
L−トリプトファンを吸着させたのち、アルカリ溶液で
溶出後、濃縮しL−トリプトファンの粗結晶を析出させ
た。これをアセトンで洗浄し乾燥してL−トリプトファ
ンの結晶1.9mgを得た。
なお、ブレビバクテリウム・フラバム(Brevibecteri
um flavum)MJ−233−AB−41(FERM BP−1498)の培養
液40mlから得た菌体とエシエリヒア・コリ(Escherichi
a coli)K−12系菌株(FERM BP−1734)の培養液40ml
から得た菌体のみを用い、実施例1におけると同様の反
応に供した場合、反応終了後の上清液中のL−トリプト
ファンの生成量は24mg/lであった。
実施例4 実施例1と同様の反応液50mlに、参考例1で調製した
ブレビバクテリウム・フラバム(Brevibacterium flavu
m)MJ−233−AB−41(FERM BP−1498)の培養液40mlか
ら得た菌体と、参考例3で調製したプロテウス・モルガ
ニー(Proteus morganii)(IFO−3848)の培養液80ml
から得た菌体と参考例5で調製したNADHオキシダーゼ液
2mlとを添加し、37℃にて24時間振盪反応を行い、反応
終了後の上清液中のL−トリプトファンを定量したとこ
ろ62mg/lであった。
実施例2と同様の操作により、反応上清液40mlからL
−トリプトファンを回収したところ1.7mgの結晶が得ら
れた。
なお、ブレビバクテリウム・フラバム(Brevibecteri
um flavum)MJ−233−AB−41(FERM BP−1498)の培養
液40mlから得た菌体とプロテウス・モルガニー(Proteu
s morganii)IFO−3848の培養液80mlから得た菌体のみ
を用い、実施例1におけると同様の反応に供した場合、
反応終了後の上清液中のL−トリプトファンの生成量は
22mg/lであった。
実施例5 トリプトファナーゼ保有菌株として、プロテウス・モ
ルガニーの代わりに参考例4で調製したエルビニア・ヘ
ルビコラ(Erwinia hervicola)(ATCC 21433)を用い
た以外は実施例4におけると同様の操作にて37℃で24時
間反応を行った。反応終了後の上清液中のL−トリプト
ファンを定量したところ64mg/lの生成が認められた。
なお、ブレビバクテリウム・フラバム(Brevibacteri
um flavum)MJ−233−AB−41(FERM BP−1498)の培養
液40mlから得た菌体とエルビニア・ヘルビコラ(Erwini
a hervicola)ATCC−21433の培養液80mlから得た菌体の
みを用い、実施例1におけると同様の反応に供した場
合、反応終了後のL−トリプトファンの生成量は20mg/l
であった。
実施例6 下記第6表に示す組成の反応液50mlを500ml容三角フ
ラスコに分注したのち、実施例2と同様の操作にて反応
を行い、反応終了後の上清液中のL−5−オキシトリプ
トファンを定量したところ63mg/lであった。
反応上清液40mlをアンモニア型強酸性イオン交換樹脂
(ダイヤイオンSK−IB、三菱化成製)のカラムを通して
L−5−オキシトリプトファンを吸着させたのち、アル
カリ溶液で溶出後、濃縮し、L−5−オキシトリプトフ
ァンの粗結晶を析出させた。これをアセトンで洗浄し乾
燥してL−5−オキシトリプトファンの結晶を1.8mgを
得た。
なお、ブレビバクテリウム・フラバム(Brevibacteri
um flavum)MJ−233−AB−41(FERM BP−1498)の培養
液40mlから得た菌体とエシエリヒア・コリ(Escherichi
a coli)K−12系菌株(FERM BP−1733)の培養液40ml
から得た菌体のみを用い、実施例1と同様の反応に供し
た場合、L−5−オキシトリプトファンの生成量は19mg
/lであった。
第6表 5−オキシインドール 20mM フマル酸ナトリウム 50mM 塩化アンモニウム 300mM ニコチンアミドアデニン ジヌクレオチド(NAD) 0.1mM リン酸緩衝液(pH8.0) 100mM 実施例7 エシエリヒア・コリ(Escherichia coli)K−12系菌
株(FERM BP−1733)の代わりにエシエリヒア・コリ(E
scherichia coli)K−12系菌株(FERM BP−1734)を用
いた他は実施例6と同様の操作にて反応を行い、反応終
了後の上清液中のL−5−オキシトリプトファンを定量
したところ64mg/lであった。
反応上清液40mlをアンモニア型強酸性イオン交換樹脂
(ダイヤイオンSK−IB、三菱化成製)のカラムを通して
L−5−オキシトリプトファンを吸着させたのち、アル
カリ溶液で溶出後、濃縮し、L−5−オキシトリプトフ
ァンの粗結晶を析出させた。これをアセトンで洗浄し乾
燥してL−5−オキシトリプトファンの結晶を1.9mgを
得た。
なお、ブレビバクテリウム・フラバム(Brevibacteri
um flavum)MJ−233−AB−41(FERM BP−1498)の培養
液40mlから得た菌体とエシエリヒア・コリ(Escherichi
a coli)K−12系菌株(FERM BP−1734)の培養液40ml
から得た菌体のみを用い、実施例1におけると同様の反
応に供した場合には、L−5−オキシトリプトファンの
生成量は20mg/lであった。
実施例8 前記第6表に示す組成の反応液50mlを500ml容三角フ
ラスコに分注したのち、実施例4と同様の操作にて反応
を行い、反応終了後の上清液中のL−5−オキシトリプ
トファンを定量したところ66mg/lであった。
反応上清液40mlをアンモニア型強酸性イオン交換樹脂
(ダイヤイオンSK−IB、三菱化成製)のカラムを通して
L−5−オキシトリプトファンを吸着させたのち、アル
カリ溶液で溶出後、濃縮しL−5−オキシトリプトファ
ンの粗結晶を析出させた。これをアセトンで洗浄し乾燥
してL−5−オキシトリプトファンの結晶を2.0mgを得
た。
なお、ブレビバクテリウム・フラバム(Brevibacteri
um flavum)MJ−233−AB−41(FERM BP−1498)の培養
液40mlから得た菌体とプロテウス・モルガニー(Proteu
s morganii)IFO−3848の培養液80mlから得た菌体のみ
を用い、実施例1におけると同様の反応に供した場合に
は、L−5−オキシトリプトファンの生成量は21mg/lで
あった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12P 13/22 C12R 1:37) (C12P 13/22 C12R 1:18)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)フマラーゼ、 (B)ピルビン酸−リンゴ酸カルボキシラーゼ及び (C)トリプトファナーゼ の存在下且つNADHオキシダーゼの共存下に、 (a)フマル酸、 (b)アンモニウムイオン及び (c)一般式 式中、Rは水素原子又は水酸基を表わす、 で示されるインドール化合物 を反応せしめることを特徴とする一般式 式中、Rは前記の意味を有する、 で示されるL−トリプトファン類の製造法。
  2. 【請求項2】フマラーゼ(A)として、該酸素を含有す
    るブレビバクテリウム属に属する微生物菌体又はその処
    理物を用いる特許請求の範囲第1項記載の方法。
  3. 【請求項3】ピルビン酸−リンゴ酸カルボキシラーゼ
    (B)として、該カルボキシラーゼを含有するブレビバ
    クテリウム属、エシエリヒア属、プロテウス属又はエル
    ビニア属に属する微生物菌体又はその処理物を用する特
    許請求の範囲第1項記載の方法。
  4. 【請求項4】トリプトファナーゼ(C)として、該トリ
    プトファナーゼを含有するエシエリヒア属、プロテウス
    属又はエルビニア属に属する微生物菌体又はその処理物
    を用いる特許請求の範囲第1項記載の方法。
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