JP2003514151A - 自動車ドアロック - Google Patents

自動車ドアロック

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JP2003514151A JP2001535686A JP2001535686A JP2003514151A JP 2003514151 A JP2003514151 A JP 2003514151A JP 2001535686 A JP2001535686 A JP 2001535686A JP 2001535686 A JP2001535686 A JP 2001535686A JP 2003514151 A JP2003514151 A JP 2003514151A
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locking
lever
door lock
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ナス・ウルリヒ
ブッシュマン・アレクサンダー
ベック・アンドレーアス
ショルツ・ドミニク
ブラックマン・ホルスト
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キーケルト・アクチエンゲゼルシヤフト
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Abstract

(57)【要約】 自動車ドアロックは、ロック機構(1,2)と、施錠レバー(5)、好ましくは中央施錠レバー(5)と、少なくとも1個の動力式駆動装置(9,10,11,12)とを備えている。簡単な構造を実現するために、本発明に従い、好ましくは施錠レバー(5)の施錠位置およびまたは盗難防止位置でこの施錠レバーに係合している係止レバー(13)が設けられ、この係止レバー(13)が動力式駆動装置(9,10,11,12)によって迅速解錠の途中で施錠レバー(5)から分離され、それによって施錠レバー(5)が好ましくはばね付勢されてその解錠位置に移動可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、通常は回転ラッチとこの回転ラッチに作用する係止爪とからなるロ
ック機構と、少なくとも1個の施錠レバー、好ましくは中央施錠レバーと、少な
くとも1個の動力式(電動式)駆動装置とを備えた自動車ドアロックに関する。
更に、少なくとも1個の操作レバーが内側操作およびまたは外側操作を実施可能
である。
【0002】 冒頭に述べた構造の自動車ドアロックは例えばドイツ連邦共和国特許出願公開
第19627246号公報(A1)によって公知である。この公報には特に、ド
アロックを迅速解錠するための装置が記載されている。この装置はこの公報では
迅速レリースと呼ばれている。この装置はソレノイドである。このソレノイドは
“追加保護された”(盗難防止)機能位置から“解錠された”機能位置に切換え
るために動かされる。従って、“解錠された”機能位置では、係止爪とレリース
レバーが協働し、それによって(外側)操作レバーの操作時に係止爪が回転ラッ
チから離れ、付設の自動車ドアが開放可能になる。
【0003】 上記の自動車ドアロックは基本的には有効性が実証されたがしかし、一方では
特別に形成された上記のソレノイドを必要とし、他方ではこのソレノイドに左右
されない中央施錠駆動装置を必要とする。このような構造はコストがかかる。
【0004】 更に、かなり前から自動車のために、いわゆるキーレスエントリシステムが知
られている。このキーレスエントリシステムによって、普通の機械式キーなしに
車両に入場することができる。キーレスエントリシステムの場合、車両使用者が
識別装置(例えばコードカード)を携帯し、例えば車両接近時あるいはドア外側
操作部(ドア把手)の操作時に、送受信装置を介して、車両内に配置された制御
装置と上記の識別装置の間で交信が開始され、しかも入場権限のチェック(コー
ドマッチング)のために交信が開始される。権限が識別された場合には、電子制
御装置が自動車の少なくとも1個のドアロックに信号を送信する。このドアロッ
クはアクチュエータによって動力で自動的に開放される。このような自動車ドア
ロックは例えばドイツ連邦共和国特許第3820248号公報(C2)によって
公知である。
【0005】 自動車のドアロックが例えばキーレスエントリシステムを備えている場合には
、特に盗難防止装置を使用する際に、あらゆる快適性制限を回避するために、ド
アロックを装備した自動車ドアの開放手順の開始から、自動車ドアを開放するこ
とができるまでの時間を短くする(できるだけ40ms未満)必要がある。これ
は、情報“ドア解錠”を受け取った後で、先ず最初に“盗難防止装置オフ”(“
追加保護オフ”)の位置から、そして“解錠された”位置から自動車ドアロック
を操作しなければならないことによって明らかである。その際一般的に、少なく
とも1個の偏心した制御ピンと少なくとも1個の二叉状受入れ部を備えた中央施
錠駆動装置は全体で2回転しなければならない。そのため、或る程度の時間的な
遅れが生じる(これに関連してドイツ連邦共和国特許第19632781号公報
(C2)参照)。そこで、本発明は全体的な対策を講じようとするものである。
【0006】 本発明の根底をなす技術的な課題は、構造的にきわめて少なくともコストで、
自動車ドアが実際に遅延なく開放されるように、冒頭に述べた構造の自動車ドア
ロックを改良することである。
【0007】 この課題を解決するために、本発明は、冒頭に述べた種類の自動車ドアロック
において、迅速解錠のために、好ましくは施錠レバーの施錠位置およびまたは盗
難防止位置でこの施錠レバーに係合している係止レバーが設けられ、係止レバー
が動力式(電動式)駆動装置によって迅速解錠の途中で(迅速解錠の経過におい
て)施錠レバーから分離され、それによって施錠レバーがその解錠位置に移行可
能であることを提案する。これは言わば能動的にあるいは受動的に行うことがで
きる。能動的に行う場合には、迅速解錠の後で施錠レバーが解放され、例えば固
有のアクチュエータによって解錠位置に移行させられる。しかし通常は、施錠レ
バーが迅速解錠の途中で、好ましくはばねで付勢されて解錠位置に自動的に移動
する。
【0008】 すなわち、本発明の範囲内で、上記の自動車ドアロックの迅速解錠が行われる
。その際、迅速解錠は、自動車ドアロックが通常“追加保護された”または“盗
難防止された”または“施錠された”位置から解錠位置に直接移行可能であるこ
とを意味する。これに続いて、自動車ドアは操作レバー(あるいはその他のもの
)の作動によって開放可能である。例えば、上記操作レバーがドア外側把手によ
って付勢されるので、係止爪が回転ラッチから離れ、従ってドアが開放可能であ
る。すなわち、基本的には、本来のロック機構の通常の作動を迅速解除に続けて
行うことができる。
【0009】 本発明の範囲内において、自動車ドアロックはあらゆるロック、すなわちサイ
ドドア用のロックだけでなく、例えばトランクリッド、テールゲートまたはエン
ジンフード、フューエルリッド等用のロックを意味する。更に、このような自動
車ドアロックに電気的な開放、盗難防止およびチャイルドセーフティのための追
加装置を装備することは、疑いもなく本発明の範囲に含まれる。この場合、電気
的な開放は、係止爪と回転ラッチとの係合または係止が、動力で(電動の力で)
解除されることを意味する。
【0010】 更に、入場がドアキー、ドア錠および所属のドア錠捻心によって機械的にある
いは電子キー(キーレスエントリ)によって行われる自動車ドアロックも含まれ
る。電子キーによって行われる場合には勿論、既に述べた交信が自動的に行われ
るかあるいは操作可能な遠隔操作装置(送信ケースを備えた)を介して車両使用
者によって開始可能である。
【0011】 本発明の第1の代替的な実施形では、施錠レバーが“解錠された”および“盗
難防止された”機能位置を実現するためあるいは“施錠位置”と“盗難防止位置
”を定めるために、2個の係止受入れ部を備えている。この係止受入れ部はそれ
ぞれ、係止レバーの係止突起と相互作用する。この場合、作用はドイツ連邦共和
国特許出願第19934128.1号明細書に記載された作用と同様に行われる
。これについては、図を参照して詳しく説明する。
【0012】 上記の両係止受入れ部は施錠レバーの回転軸線に対して異なる半径を有する円
弧状受入れ部として形成されている。その結果、一方では“施錠位置”において
、他方では“盗難防止位置”において、係止レバーの異なる位置が生じる。これ
は一般的に、操作レバーが例えば“施錠位置”で係止レバーを係止受入れ部から
外すことができるようにするために必要である。これに対して、自動車ドアロッ
クの“盗難防止位置”においてこのようなやり方は(もはや)不可能であり、望
ましくない。なぜなら、この機能位置で、操作レバーは自由回転を行うからであ
る。
【0013】 本発明の他の代替的な実施形では、施錠レバーが係止レバーと相互作用するピ
ンを備えている。このピンは係止レバーに設けたピン受入れ部に係合する。“盗
難防止位置”を設けることができるようにするために、(電動機で付勢される)
盗難防止レバーが付加的に設けられている。この盗難防止レバーは迅速解錠の途
中で係止レバーによって“盗難防止された”機能位置から“盗難防止されていな
い”機能位置に移行させられる。同時に、係止レバーのピン受入れ部が施錠レバ
ーのピンから離れるので、このピン、ひいては施錠レバーは解放される。これは
係止レバーを適当に付勢する既に述べた動力式駆動装置によって行われる。
【0014】 更に、係止レバーにばねで付勢された伝動レバーが付設され、この伝動レバー
が、動力式(電動式)駆動装置によって付勢されて迅速解錠のために施錠レバー
を連動させる。これは簡単な場合には、伝動レバーと施錠レバーが共通の軸に支
承され、通常は少なくとも一部が互いに重なるように配置され、迅速解錠の途中
で施錠レバーに接触する伝動レバーのエッジが上記の“連動”を生じることによ
って簡単に行われる。(動力式(電動式)駆動装置の)反対向きの操作方向にお
いて、伝動レバーは動力式駆動装置に対して避ける。これは、本発明の範囲内に
おいて駆動装置が追加機能を受け持つことができるようにするため、すなわち迅
速解錠だけでなく、中央施錠機能を受け持つことができるようにするために必要
である。
【0015】 他の代替的な実施形では、係止レバーが縦長切欠きを備え、この縦長切欠きに
おいてばねで支持されて摺動可能に支承されている。動力式(電動式)駆動装置
は迅速解錠のために係止レバーの操作輪郭部に作用する。(動力式(電動式)駆
動装置の)反対向きの操作方向において、係止レバーは(前述と類似の態様で)
避け、しかも縦方向に摺動可能な支承部によって避ける。
【0016】 本発明の範囲内においていろいろな機能を受け持つことができるようにするた
めに、動力式(電動式)駆動装置は中央施錠機能(および場合によっては盗難防
止機能)を実現するためおよび迅速解錠を実現するために使用され、かつそのた
めに被駆動ホイールすなわり被駆動ディスクと偏心した制御カムを有する電動機
を備えている。この制御カムは(中央)施錠位置を実現するために施錠レバーに
設けた少なくとも1つの二叉状受入れ部に係合する。好ましくは2つの二叉錠受
入れ部が設けられている。すなわち、“施錠位置”を実現するために1つの二叉
錠受入れ部が設けられ、“盗難防止位置”を実現するために1つの二叉錠受入れ
部が設けられている(付加的な盗難防止レバーが設けられていない場合)。
【0017】 動力式(電動式)駆動装置の二重機能のために、制御カムは伝動レバーおよび
または係止レバーの操作輪郭部と相互作用するだけでなく、上記のように、施錠
レバーの1つまたは両二叉錠受入れ部と付加的に相互作用する。
【0018】 結果的に、上記の自動車ドアロックのきわめてコンパクトな構造が達成される
。このドアロックは特に迅速解錠に特徴がある。被駆動ホイールの制御カムは通
常は、約4分の1回転した後で係止レバーまたは伝動レバーに作用する。それに
よって、自動車ドアロックの迅速な解錠時に、不所望な遅れが(もはや)生じな
い。これは“盗難防止位置”から解錠すべき場合にも、解錠命令が“(中央)施
錠位置”によって開始されて行われる場合にも当てはまる。実際に遅延のない解
錠が行われるので、接続された自動車ドアをすぐに開放することができる。
【0019】 動力式(電動式)駆動装置は同時に、施錠レバー、特に中央施錠レバーをその
“施錠位置”およびまたは“盗難防止位置”に移行させることができる機能を依
然として受け持つ。従って、他の駆動装置が不要である。これはコスト上の利点
につながる。同じ方向において、本発明の思想は1個の動力式(電動式)駆動装
置によって、オプションの盗難防止レバーを操作することをねらっている。しか
し、この基本的な可能性にもかかわらず、大部分が付加的な第2の駆動装置を用
いる。
【0020】 常に、きわめて簡単でコンパクト構造が得られる。これが本発明の重要な効果
である。
【0021】 次に、1つの実施の形態を示す図に基づいて本発明を詳しく説明する。
【0022】 図1には、自動車ドアロックが示してある。この自動車ドアロックは回転ラッ
チ1とこの回転ラッチ1に作用する係止爪2とからなるロック機構を備えている
。本実施の形態では、係止爪2は純機械的に係止解除される。本発明は勿論、ド
イツ連邦共和国特許出願公開第19650826号公報に記載されているような
、電動機で駆動される係止爪2も含む(図1参照)。更に、内側操作およびまた
は外側操作のための操作レバー3を備えた操作レバー装置は基本的な構造体に属
する。この操作レバー3には、はっきりと示していない操作ロッドまたは操作ボ
ーデンケーブルを接続することができる。この操作ロッドまたは操作ボーデンケ
ーブルは通常のごとくドア内側把手およびまたはドア外側把手と協働する(図2
〜4参照)。
【0023】 鎖錠シリンダははっきりと示していない。この鎖錠シリンダは錠捻心4に作用
する。この錠捻心4はそれ自体、施錠レバー5、本実施の形態では中央施錠レバ
ー5を揺動させるために役立つ。そのために、錠捻心4のブラケット6が施錠レ
バー5のアーム7に作用し、その回転運動を施錠レバー5に伝える。この回転運
動は図においてそれぞれ両方向矢印で示してある。この場合、文字“V”は、後
で詳しく述べる部品の“施錠位置”への揺動を示し、文字“E”は“解錠位置”
への回転運動を示している。
【0024】 施錠レバーすなわち中央施錠レバー5には、内側施錠レバー8が作用連結され
ている。この内側施錠レバーは錠捻心4を備えた鎖錠シリンダと類似の方法で、
施錠位置、解錠位置およびまたは盗難防止位置への施錠レバー5の所望な揺動運
動または回転運動を生じる。更に、電動式駆動装置9,10,11,12が基本
構造体に属する。この電動式駆動装置9,10,11,12は本実施の形態では
、電動機9と、被駆動軸10と、この被駆動軸にかみ合う被駆動ホイールすなわ
ち被駆動ディスク11とからなっている。この被駆動ホイール11は1個(また
は複数個)の偏心した制御カム12を備えている。この制御カム12はすべての
図において基本位置にある。
【0025】 電動機9に通電することにより、被駆動ディスク11は時計回りおよび反時計
回りに回転可能である。これは“施錠位置”と“解錠位置”(係止レバー13を
介して)を図示のように占めることに対応している。“盗難防止位置”にも達す
ることができる(ドイツ連邦共和国特許出願第19934128.1号参照)。
上記係止レバー13は自動車ドアロックを迅速に解錠するために使用される。
【0026】 この係止レバー13は、本実施の形態ではその施錠位置(図2参照)あるいは
その盗難防止位置(図3参照)において施錠レバー5に係合するように形成され
ている。そのために、施錠レバー5は2つの係止受け入れ部14,15を備えて
いる。この係止受入れ部には、係止レバー13の1個の係止突起16がそれぞれ
係合する。係止突起16が係止受入れ部14内にあると、施錠レバー5は“施錠
位置”にある(図2参照)。これに対して、係止突起16が係止受入れ部15に
係合していると、施錠レバー5の“盗難防止位置”にある(図3参照)。従って
、前述のドイツ連邦共和国特許出願第19934128.1号公報記載と同様に
作動し、唯一の違いは、このドイツ連邦共和国特許出願の場合他の係止受入れ部
または係止用相手方要素が設けられていることにある(この特許出願の参照符号
16,17参照)。
【0027】 両係止受け入れ部14,15は施錠レバー5の回転軸線17に対して異なる半
径R1 ,R2 を有する円弧状の受入れ部として形成されている。本実施の形態で
はR2 >R1 である。このような位相幾何により、操作レバー3は一方のエッジ
18が施錠レバー5の“盗難防止位置”で、施錠レバー13に対して自由に回転
する(図3参照)。
【0028】 これに対して、施錠レバー5の“施錠位置”において、エッジ18は、施錠レ
バー13をそのとき占めていた係止受入れ部14から外に揺動させ、所望な解錠
を生じることができる。これは、図2のエッジ18の作用点における矢印Eによ
って示してある。
【0029】 図4の変形実施の形態について同じようなことが当てはまる。この変形実施の
形態では、当該のエッジ18が操作レバー上ではなく、操作レバー3内に、すな
わち底の切欠き19内に設けられている。いかなる場合でも、施錠レバー5の“
施錠位置”において、操作レバー3によって解錠が可能であり、これは“盗難防
止位置”では達成されないので、普通の所望な機能性が存在する。
【0030】 図2,3および5,6の実施の形態では、係止レバー13に、ばね20で付勢
された伝動レバー21が付設されている。被駆動ディスク11ひいては制御カム
12が電動機9によって駆動されて時計回り(“解錠位置”Eの方向)に回転す
ると、この制御カム12は約4分の1回転後伝動レバー21に当接する。伝動レ
バー21と係止レバー13が互いに平行平面内に部分的に重ねて配置され、共通
の軸22に回転可能に支承されているので、制御カム12のこの当接により、伝
動レバー21のエッジ23が係止レバー13を連動させる。この場合、係止レバ
ー13は、矢印によって示した反時計回りに“解錠位置”Eの方向に回転する。
同時に、この“迅速解錠”の範囲内で、係止突起16が係止受け入れ部14また
は15から外に揺動させられるので、施錠レバー5は係止レバー13から解放さ
れる。
【0031】 施錠レバー5が脚付きばね24によって“解錠位置”Eの方向に付勢されてい
ることにより、施錠レバー5はそれに対する反応としてこの解除位置に回転する
。しかも、はっきりと示していないストッパーまで回転する。これに対応して、
自動車ドアロックが操作レバー3の作動によって開放可能であり、それによって
係止爪2が回転ラッチ1から外れる。
【0032】 被駆動ディスク11が反時計回りに“施錠位置”Vの方向に動かされると、既
に述べたばね20により、図2(または図5)に示した機能位置から出発して、
制御カム12が約4分の3回転した後で伝動レバー21がばねで支持されて避け
る。というのは、この制御カム12がこの伝動レバー21の付属の輪郭部25に
当接するからである。制御カム12が反時計回りに更に移動する際にこの輪郭部
25から再び離れるや否や、その前に回転軸線22上で時計回りに避けた伝動レ
バー21は再び揺動して戻り、図2,3または5,6に示した位置に固定される
。なぜなら、そのエッジ23が係止レバー13に当接し、伝動レバー21のそれ
以上の戻し揺動を阻止するからである。
【0033】 図4の変形実施の形態では同じように作動する。勿論、前述の伝動部材21は
設けられていない。その代わりに、係止レバー13は縦長切欠き26を備えてい
る。この縦長切欠きは係止レバー13の軸線方向摺動を可能にする。その際、係
止レバー13は通常の場合、この図に示した位置を占める。というのは、その場
合他の脚付きばね27が適当に付勢しているからである。時計回りの約90°の
制御カム12の回転運動(4分の1回転)は本実施の形態では同様に、図示した
自動車ドアロックを“解錠位置”Eに移行させる。というのは、制御カム12が
それに対応する円弧を進んだ後で、係止レバー13の当接輪郭部28に当接する
からである。これにより、係止レバー13が反時計回りに回転するので、係止突
起16は係止受けれ部14または15から離れて施錠レバー5に適当に作用する
【0034】 これに対して、被駆動ディスク11が反時計回りに動かされると、図4の位置
から出発して約4分の3回転した後で、係止レバー13の他の輪郭部29に達す
る。制御カム12が更に動かされると、制御カムが係止レバー13を下方に押す
かまたは係止レバー13が縦長切欠き26とその長手方向に摺動可能な支承部と
によって制約されて避ける。
【0035】 施錠レバー5は2個の二叉状受入れ部30,31(図2,4参照)を備えてい
る。その結果、制御ピン12のための4つの制御面a),b),c),d)が形
成されている。この場合、作用はほぼドイツ連邦共和国特許出願第199341
28.1号明細書に記載されているように行われる。これに関連して、このドイ
ツ連邦共和国特許出願明細書を参照されたし。
【0036】 制御面a)(二叉状受入れ部31)を付勢することにより、図2に示すように
、自動車ドアロックの施錠が制御カム12によって行われる。図3の盗難防止位
置は制御面c)の付勢によって占められ、しかも制御カム12が施錠レバー5と
相互作用することにより占められる。この相互作用は、制御カムが二叉状受入れ
部30に挿入され、係止レバー13が係止受入れ部15内にスナップ止めされる
まで、施錠レバー5を時計回りに揺動させることにより行われる。残りの制御面
b),d)は基本的には解錠の役目を果たす。しかし、これは実施の形態の範囲
内では実施されない。というのは、上記の迅速解錠が係止レバー13を介して行
われ、この係止レバーが制御カム12に関連して電動機9によって付勢されるか
らである。
【0037】 従って、この電動式駆動装置9,10,11,12は、(制御面a)またはc
)を介して)施錠レバー5の“施錠位置”(図2参照)と“盗難防止位置”(図
3参照)を実現することができるだけでなく、係止レバー13を介して上記の迅
速解錠を行う働きをする。すなわち、この駆動装置には二重機能が与えられる。
【0038】 作用を上記の順序で行うために、錠捻心4のブラケット6と、このブラケット
と協働する施錠レバー5のアーム7は、一平面内にある。同じことが係止受け入
れ部14と15にも当てはまる。そのために、係止受入れ部14,15とアーム
7は施錠レバー5の輪郭部32の構成部分である。この輪郭部32と施錠レバー
5は共通の軸線17回りに揺動可能に支承されている。ばね24は上記の輪郭部
32と本来の施錠レバー5の下に設けられている。輪郭部32を有する平面内に
は、係止レバー13が配置されている。それによって、係止突起16が上記のよ
うに係止受け入れ部14,15と相互作用することができる。正面図においてこ
の平面の下方に(あるいは上方に)操作レバー3が延設されているので、操作レ
バーのエッジ18は突出している(あるいは下方に突出している)。これによっ
て、突出するエッジ18がロック機構1,2を作動させるために、その上または
下にある係止レバー13に当接可能である。被駆動ディスク11またはその制御
突起12は施錠レバー5の平面に対してほぼ同じ平面内に配置されている。それ
によって、制御カム12は上記の機能を実施するために、所属の二叉状受入れ部
30,31に係合可能である。
【0039】 電動式駆動装置9,10,11,12の通電は本実施の形態では、例えば電動
機9が図示していない制御装置から“ドアロック解錠”の命令を得たときに行わ
れる。これはキーレスエントリシステムの範囲では、車両使用者の入場を適当に
チェックした後で行うことができる。これに続いて、上記の“迅速解錠”が制御
カム12の時計回りの運動とそれに伴う反時計回りの係止レバー13の揺動によ
って、施錠レバー5を解放しながら行われる。場合によっては上記の機能過程の
間に操作されるドア外側把手は、対応する車両ドアを直接開放することになる。
【0040】 ドアロックの解錠が行われた後で(これははっきりと示していないシグナルセ
ンサまたはセンサを介して検出される)、被駆動ディスク11は反時計回りに図
2〜6に示した出発位置に戻ることができる。
【0041】 図示した例から明らかなように、施錠レバーまたは中央施錠レバー5は錠捻心
4と電動式駆動装置9,10,11を介して制御カム12または内側施錠レバー
8と共に“施錠位置”およびまたは“盗難防止位置”に移行可能である。その際
、係止レバー13の係止突起16はばね27によるそのばね補助部によって、対
応する係止受け入れ部14または15に係止する。
【0042】 これに対して、(キーレスエントリ応答の後の)解錠は上記の“迅速解錠”に
よって、すなわち制御カム12を備えた被駆動ディスク11の時計回りの約4分
の1回転によって行われる。これに依存しないで、ロック機構1,2または図示
した自動車ドアロックは慣用のごとく、操作レバー3のエッジ18が係止レバー
13を上記のように連動解除することによって開放可能である。錠捻心4に設け
たブラケット6も、解錠と“盗難防止装置オフ”の設定を行うことができる。す
なわち、ブラケットが時計回りの錠捻心4の回転運動と、係止レバー13のエッ
ジ33への当接によって、施錠レバー5を解放することにより、解錠と“盗難防
止装置オフ”の設定を行うことができる。
【0043】 いかなる場合でも、“迅速解錠”が被駆動ディスク11の4分の1回転(また
はそれ以下)しか必要としないので、自動車ドアロックは、例えば既に述べたド
ア外側把手を介して解錠命令とほとんど同時に開放可能である。
【0044】 機能“施錠”と“盗難防止装置オン”は、錠捻心4によってまたは内側施錠レ
バー8によってまたは制御カム12と関連して電動式駆動装置9,10,11に
よって行われる。電動式駆動装置によって行う場合、そのために、被駆動ディス
ク11は反時計回りの運動を行い、しかも1回転または2回転することにより行
う。これによって、施錠レバー5の所望な位置は、対応する二叉状受入れ部10
およびまたは31への制御カム12の挿入によって生じる。反時計回りのこの回
転時に制御カム12が伝動レバー21または係止レバー13に達すると、この伝
動レバーまたは係止レバーは上記のように避ける。
【0045】 図5,6に示した変形実施の形態の基本的な作用は、図1〜4に示した上述の
実施の形態に一致している。従って、上述の説明を参照することができる。ここ
でも、制御カム12はその基本位置にある。図2〜4の図示または両二叉状受入
れ部30,31と異なり、所属の制御面a),b)を有する二叉状受入れ部31
が1個だけ設けられている。その際、施錠レバー5は、図5に示すように、制御
面a)によってその“施錠位置”に移動する。
【0046】 施錠レバー5の“盗難防止位置”は付加的に設けられた盗難防止レバー34に
よって達成される。この盗難防止レバー34は(固有の)電動式駆動装置35,
36,37を備えている。基本的には勿論、上記の駆動装置9,10,11と場
合によっては12を使用することができる。この付加的な駆動装置35,36,
37によって、盗難防止レバー34は“盗難防止装置オン”(図5参照)と“盗
難防止装置オフ”(図6参照)の間で両方向に揺動可能であり、しかも軸線38
回りに揺動可能である。
【0047】 これは、詳しく説明すると、下側で盗難防止レバー34から突出するピン39
がその下にある被駆動ディスク37の円弧状切欠き40に係合し、この被駆動デ
ィスクが電動機35によって駆動されるスピンドル36にかみ合うことによって
行われる。すなわち、電動機35の通電はスピンドル36を介して被駆動ディス
ク37を回転運動させ、この被駆動ディスクはその円弧状切欠き40に挿入され
た盗難防止レバー34のピン39を連動させる。
【0048】 盗難防止位置(図5参照)において、軸線17回りの施錠レバー5の回転運動
は、ロック機構1,2に伝達されない。なぜなら、その場合、盗難防止レバー3
4のエッジ41がこの盗難防止レバーを自由回転させるからである。というのは
、施錠レバー5と協働する連結レバー42のピン43が前述のエッジ41によっ
て固定保持されるからである。すなわち、施錠レバー5は、連結レバー42のピ
ン43が追従することなく、“解錠位置”Eの方向に揺動可能である。これに対
して、“盗難防止位置オフ”(図6)の位置では、連結レバー42のピン43が
フリーであるので、軸線17回りの施錠レバー5の揺動運動は、ロック機構1,
2の所望な解錠をもたらす。
【0049】 迅速解錠の経過において、盗難防止レバー34は係止レバー13によってその
機能位置“盗難防止”から機能位置“盗難防止解除”または“盗難防止オフ”に
移行させられる。これは実施の形態の範囲内で、係止レバー13のエッジ44が
盗難防止レバー34をその軸線38回りに揺動させることによって行われる。同
時に、ピン39が被駆動ディスク37の円弧状切欠き40内で反時計回りに移動
する。
【0050】 その際、係止レバー13の付勢は上記のように、制御ピン12に関連して被駆
動ディスク11によって行われる。この制御ピンは図5に示した機能位置から出
発して、約4分の1回転した後で伝動レバー21に当接する。見やすくするため
に、既に充分に説明した電動式駆動装置9,10,11,12のその他の構成部
品、すなわち電動機9と被駆動軸10は、図5,6において示唆的に示してある
【0051】 盗難防止機能を顧慮せずに、施錠レバー5は係止レバー13と相互作用するピ
ン45を備えている。このピンは係止レバー13に設けた対応するピン受入れ部
46に係合する。この係合はもちろろん、施錠レバー5が電動式駆動装置9,1
0,11,12によって図5,6に示すその施錠位置に移行する場合についての
み行われる。この場合にも、係止レバー13を伝動レバー21に当接する制御カ
ム12によって施錠レバー5から分離するために、被駆動ディスク11を約4分
の1回転させるだけ充分である。というのは、伝動レバー21への制御カム12
のこの当接により、ピン受入れ部46がピン45から外れ、それによって施錠レ
バー5がばねで補助されてその解錠位置Eに移動可能であるからである(矢印“
E”または図6参照)。
【0052】 同時におよびこれに依存しないで、場合によっては“盗難防止位置”にある盗
難防止レバー34が係止レバー13によってそのエッジ44を介して連動させら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による自動車ドアロックに所属する錠機構を示す図である。この錠機構
は後続の図に示した要素に対してほぼ直角に配置されている。
【図2】 “施錠された”位置にある本発明による自動車ドアロックの第1の実施の形態
を示している。
【図3】 図2の自動車ドアロックの“盗難防止された”位置を示す図である。
【図4】 図2,3の自動車ドアロックの変形実施の形態を示す図である。
【図5】 盗難防止レバーを備えた自動車ドアロックの他の変形の“盗難防止装置オン”
の位置を示す図である。
【図6】 図5の自動車ドアロックの“盗難防止された”位置を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN, YU,ZA,ZW (72)発明者 ベック・アンドレーアス ドイツ連邦共和国、ボーフム、エッペンド ルファー・フェルト、2 (72)発明者 ショルツ・ドミニク ドイツ連邦共和国、クレーフェルト、テニ スフォルスター・ストラーセ、47 (72)発明者 ブラックマン・ホルスト ドイツ連邦共和国、フェルベルト、ヘルタ ーハイデ、8 Fターム(参考) 2E250 AA21 HH02 JJ03 JJ41 KK01 KK03 LL01 PP04 PP05 PP15 QQ03 RR13 RR23 RR34 RR46

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロック機構(1,2)と、 少なくとも1個の施錠レバー(5)、好ましくは中央施錠レバー(5)と、 少なくとも1個の動力式駆動装置(9,10,11,12)とを備えた 自動車ドアロックにおいて、 迅速解錠のために、好ましくは施錠レバー(5)の施錠位置およびまたは盗難
    防止位置でこの施錠レバーに係合している係止レバー(13)が設けられ、係止
    レバー(13)が動力式駆動装置(9,10,11,12)によって迅速解錠の
    途中で施錠レバー(5)から分離され、それによって施錠レバー(5)がその解
    錠位置に移行可能であることを特徴とする自動車ドアロック。
  2. 【請求項2】 施錠レバー(5)が迅速解錠の途中で、自動的に、好ましく
    はばね付勢されて解錠位置に移動することを特徴とする請求項1記載の自動車ド
    アロック。
  3. 【請求項3】 施錠レバー(5)が“解錠された”および“盗難防止された
    ”機能位置を実現するために、2個の係止受入れ部(14,15)を備え、この
    係止受入れ部がそれぞれ、係止レバー(13)の係止突起(16)と相互作用す
    ることを特徴とする請求項1または2記載の自動車ドアロック。
  4. 【請求項4】 両係止受入れ部(14,15)が、施錠レバー(5)の回転
    軸線(17)に対して異なる半径(R1 ,R2 )を有する円弧状受入れ部として
    形成され、それによって施錠位置において盗難防止位置に対して係止レバー(1
    3)の異なる位置が生じることを特徴とする請求項3記載の自動車ドアロック。
  5. 【請求項5】 施錠レバー(5)が係止レバー(13)と相互作用するピン
    (45)を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の自
    動車ドアロック。
  6. 【請求項6】 ピン(45)が係止レバー(13)に設けたピン受入れ部(
    46)に係合することを特徴とする請求項5記載の自動車ドアロック。
  7. 【請求項7】 好ましくは電動機で付勢された盗難防止レバー(34)が付
    加的に設けられ、この盗難防止レバーが迅速解錠の途中で係止レバー(13)に
    よって“盗難防止された”機能位置から“盗難防止されていない”機能位置に移
    行させられることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の自動車ドア
    ロック。
  8. 【請求項8】 係止レバー(13)にばねで付勢された伝動レバー(21)
    が付設され、この伝動レバーが、動力式駆動装置(9,10,11,12)によ
    って付勢されて迅速解錠のために施錠レバー(5)を一緒に動かし、動力式駆動
    装置(9,10,11,12)の反対向きの操作方向において動力式駆動装置(
    9,10,11,12)に対して避けることを特徴とする請求項1〜7のいずれ
    か一つに記載の自動車ドアロック。
  9. 【請求項9】 係止レバー(13)が縦長切欠き(26)を備え、この縦長
    切欠きにおいてばねで支持されて摺動可能に支承され、動力式駆動装置(9,1
    0,11,12)が迅速解錠のために係止レバー(13)の操作輪郭部(28)
    に作用し、係止レバー(13)が動力式駆動装置(9,10,11,12)の反
    対向きの操作方向で縦方向に摺動可能な支承部によって避けることを特徴とする
    請求項1〜8のいずれか一つに記載の自動車ドアロック。
  10. 【請求項10】 動力式駆動装置(9,10,11,12)が中央施錠機能
    を実現するためおよび迅速解錠を実現するために使用され、かつそのために被駆
    動ディスク(11)と偏心した制御カム(12)を有する電動機(9)を備え、
    制御カム(12)が(中央)施錠位置を実現するために施錠レバー(5)に設け
    た少なくとも1つの二叉状受入れ部(30,31)に係合し、制御カム(12)
    が更に、伝動レバー(21)およびまたは係止レバー(13)の操作輪郭部(2
    8)と相互作用することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の自動
    車ドアロック。
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