JPH0443560Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車のトランクリツドのロツク装置
に関するものである。

（従来の技術） 従来、自動車のトランクリツドのロツク装置
は、キーによる車外での直接解錠操作ができると
ともに、停車時にエンジンを止めないでキー無し
で車内（運転席）側から解錠できるようにして、
操作の簡便化が図られているが、第三者によりト
ランクを開けられて内部を見られたり、盗難に遇
うおそれがあるため、キー操作により一旦、ロツ
ク状態にすれば車内側からの解錠が出来ないよう
にして安全性を高めたものが、例えば実開昭58−
118160号公報等で公知である。

すなわち、ドアを施錠せずに車を離れた場合
に、予め、トランクリツドをロツク状態にしてお
けば、第三者が車内に侵入しても車内よりトラン
クリツドを開けることができないため、安全であ
る。また、予め、エンジン、トランク両用の第１
のキーとエンジン専用の第２のキーを用意し、第
１のキーでトランクリツドをロツク状態にしてお
き、第三者に車を貸したり、駐車場に駐車する場
合には第２のキーのみ渡すようにすれば、トラン
ク内を見られるようなことはない。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、前記公報に示すものでは、車内
側からのワイヤ操作の際に、ワイヤに過荷重が加
わつてワイヤが延びて弛んだり、切れて操作不能
になる等の問題があつた。

本考案は斯かる問題点に鑑みてなされたもの
で、ワイヤに過荷重が加わつても延びたりするこ
とのないトランクリツドのロツク装置を提供する
ことを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 前記問題点を解決するため、本考案は、車体又
はトランクリツドのいずれかに取り付けたストラ
イカと、該ストライカが取り付かない車体又はト
ランクリツドに取り付けたベースと、該ベースに
回動自在に枢着し、前記ストライカと係脱自在に
噛合する噛合部を有するとともに、当該噛合部と
ストライカとの噛合を解除する回動方向に付勢し
たフオークと、ベースに回動自在に枢着し、一端
には前記フオークに係当してフオークの回動を阻
止する爪部を、他端には係当部を有するととも
に、当該爪部がフオークに係当する回動方向に付
勢したクローレバーと、該クローレバーに回動自
在に枢着し、クローレバーの係当部に圧接する圧
接部を有するとともに、ばね部材をクローレバー
と連結して設けて当該圧接部がクローレバーの係
当部に圧接する方向に付勢し、車内側からの操作
により、クローレバーと一体に回動し、又はばね
部材の付勢力に抗して単独で回動するオープンレ
バーと、ベースに回動自在に枢着し、一端には前
記クローレバーに当接する当接部を、他端にはク
ローレバーの係当部を押圧する押圧部を有すると
ともに、車外からのキー操作により、当該当接部
がクローレバーに当接してクローレバーの回動を
阻止するロツク位置と、当該当接部がクローレバ
ーより離隔するアンロツク位置と、当該押圧部が
クローレバーの係当部を押圧する開放位置と、に
回動するロツクプレートと、を備えたものであ
る。

（実施例） 次に、本考案の一実施例を添付図面に従つて説
明する。

第１図は、本考案に係る自動車のトランクリツ
ドのロツク装置を示し、Ｕ字形のストライカ１は
図示しないトランクリツドに取り付けられ、ベー
ス２は図示しない車体に取り付けられている。そ
して、このベース２には、フオーク３と、クロー
レバー４と、ロツクプレート５と、オープンレバ
ー６とが組み付けられている。

ストライカ１は、図示しないトランクリツドを
閉じた際にベース２に設けた切欠部７に嵌入し、
後述するフオーク３と噛合するようになつてい
る。

フオーク３は、ベース２に支軸８を中心に回動
自在に枢着され、後述するクローレバー４の爪部
１３に係当する係当部９と、Ｕ字形の噛合部１０
を有している。そして、第１図に示すように、噛
合部１０が前記ベース２の切欠部７と交差し、切
欠部７に嵌入したストライカ１と噛合してその脱
出を阻止し、トランクリツドを閉状態に維持する
噛合位置と、第２図に示すように、噛合部１０が
切欠部７と交差しないで、ストライカ１との噛合
を解除してトランクリツドを開く開放位置と、の
２位置に回動するようになつている。また、この
フオーク３は、ベース２とコイルばね１１で連結
され、前記開放位置に回動する方向に付勢されて
いる。

クローレバー４は、ベース２に支軸１２を中心
に回動自在に枢着され、一端には前記フオーク３
の係当部９に係当する爪部１３を有し、他端に
は、後述するロツクプレート５の押圧部１８に一
方より押圧され、かつ、後述するオープンレバー
６の圧接部２０が他方より圧接する係当部１４を
有している。そして、爪部１３がフオーク３の係
当部９に係当してフオーク３を噛合位置に維持す
る位置と、係当部９に係当しないでフオーク３を
開放位置に維持する位置と、の２位置に回動する
ようになつている。

ロツクプレート５は、ベース２に支軸１５を中
心に回動自在に枢着され、一端は車体に取り付け
たキーシリンダにロツド１６を介して連結され、
他端には前記クローレバー４の爪部１３近傍に当
接する当接部１７が設けられ、中間にはクローレ
バー４の係当部１４を押圧する押圧部１８が設け
られている。そして、車外からのキー操作によ
り、第１図に示すように、当接部１７がクローレ
バー４より離隔し、かつ、押圧部１８がクローレ
バー４の係当部１４に当接するアンロツク位置
と、第３図に示すように、押圧部１８がクローレ
バー４の係当部１４を押圧してクローレバー４を
回動させる開放位置と、第４図に示すように、当
接部１７がクローレバー４の爪部１３近傍に当接
してクローレバー４の回動を阻止するロツク位置
と、の３位置に回動するようになつている。

オープンレバー６は、クローレバー４に支軸１
９を中心に回動自在に枢着され、クローレバー４
の係当部１４と対向する位置に圧接部２０を有す
るとともに、コイルばね２１がクローレバー４と
連結して設けられ、圧接部２０がクローレバー４
の係当部１４に圧接する方向に付勢されて取り付
けられている。そして、一端は車内側に設けた図
示しない操作装置とワイヤ２２で連結され、前記
ロツクプレート５がアンロツク位置にある場合
（第１図）には、支軸１２を中心にクローレバー
４と一体に回動し、またロツクプレート５がロツ
ク位置にある場合（第４図）には、支軸１９を中
心にコイルばね２１の付勢力に抗して単独で回動
するようになつている。なお、オープンレバー６
はコイルばね２３によりワイヤ２２の操作方向と
は反対方向に付勢されている。

以上の構成からなるトランクリツドのロツク装
置において、トランクリツドが閉じられた状態か
ら解錠する際の作用について説明する。

トランクリツドが閉じられた状態では、ロツク
プレート５を車外からのキー操作により、第１図
に示すアンロツク位置又は第４図に示すロツク位
置のいずれにでも回動させることができる。そし
て、アンロツク位置では、車内からのキー無しに
よる解錠と車外からのキーによる解錠とが可能で
ある。また、ロツク位置では、車内からの解錠は
不可能で、車外からのキーによる解錠のみが可能
である。

まず、アンロツク状態、すなわち第１図に示す
状態では、ロツクプレート５は図において反時計
回りに回動していて、当接部１７はクローレバー
４より離隔し、かつ、押圧部１８がクローレバー
４の係当部１４に当接している。この状態で車内
よりキー無しで解錠操作すると、ワイヤ２２を介
してオープンレバー６が支軸１９を中心に図中反
時計回りに回動しようとするが、オープンレバー
６はクローレバー４とコイルばね２１を介して強
固に一体化しており、かつ、クローレバー４の図
中反時計回りの回動は自由であるため、第２図に
示すように、オープンレバー６は、支軸１２を中
心にクローレバー４と一体に回動する。このと
き、クローレバー４の爪部１３とフオーク３の係
当部９との係合が解除され、フオーク３はコイル
ばね１１により支軸８を中心に図中反時計回りに
回動するため、ストライカ１とフオーク３の噛合
部１０との噛合が解除され、トランクリツドを開
けることが可能となる。仮に、車内側からの操作
の際に、過荷重が加わつたとしても、オープンレ
バー６が支軸１９を中心に回動し、コイルばね２
１により操作力が緩和されるため、ワイヤ２２が
延びて弛んだり、切れたりすることがない。

また、車外よりキーにて解錠操作すると、ロツ
ド１６を介してロツクプレート５は支軸１５を中
心として第１図中反時計回りに回動し、押圧部１
８がクローレバー４の係当部１４を押圧するた
め、第３図に示すように、クローレバー４は支軸
１２を中心にオープンレバー６と一体に図中反時
計回りに回動する。このとき、前記車内側からの
操作と同様、クローレバー４の爪部１３とフオー
ク３の係当部９との係合が解除され、トランクリ
ツドを開けることが可能となる。

一方、ロツク状態、すなわち第４図に示す状態
では、ロツクプレート５は図において時計回りに
回動していて、当接部１７がクローレバー４の爪
部１３近傍に当接してクローレバー４の図中反時
計回りの回動を阻止している。従つて、この状態
で車内よりキー無しで解錠操作すると、第５図に
示すように、オープンレバー６は支軸１９を中心
に図中反時計回りに、コイルばね２１の付勢力に
抗して単独で回動するため、クローレバー４は回
動することはなく、フオーク３とストライカ１と
の噛合状態が維持され、トランクリツドは開放で
きない。

また、車外よりキーにて解錠操作すると、ロツ
クプレート５は第４図中反時計回りに回動して、
一旦アンロツク状態、すなわち第１図に示す状態
に戻るため、さらにキーを回せば第３図に示すよ
うに、トランクリツドを開放することが可能とな
る。

次に、トランクリツドを閉じる際の作用につい
て説明する。

第２図又は第３図に示す状態で、図示しないト
ランクリツドを閉めると、ストライカ１がベース
２の切欠部７に嵌入し、フオーク３の噛合部１０
の縁に衝突するため、フオーク３は図中時計回り
に回動し、係当部９がクローレバー４の爪部１３
を通過した時点で、コイルばね２３の付勢力によ
り爪部１３がクローレバー３の係当部９に係当し
て停止する。このとき、フオーク３の噛合部１０
はストライカ１と噛合するため、トランクリツド
は閉じられ、第１図に示すように施錠される。こ
のとき、ロツクプレート５は他の部材とは別個に
取り付けてあるため、衝撃で回動して自然にロツ
ク位置になつてしまうようなことはない。

（考案の効果） 以上の説明から明らかなように、本考案によれ
ば、車内側からの操作の際に、過荷重が加わつた
としても、オープンレバーとクローレバーを連結
するばね部材により操作力が緩和されるため、ワ
イヤが延びて弛んだり、切断するようなことはな
いという効果を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るトランクリツドのロツク
装置のアンロツク状態を示す正面図、第２図は第
１図に示す状態から車内より解錠操作した状態を
示す正面図、第３図は第１図に示す状態から車外
より解錠操作した状態を示す正面図、第４図は本
考案に係るトランクリツドのロツク位置のロツク
状態を示す正面図、第５図は第４図に示す状態か
ら車内より解錠操作した状態を示す正面図であ
る。 １……ストライカ、２……ベース、３……フオ
ーク、４……クローレバー、５……ロツクプレー
ト、６……オープンレバー、１０……噛合部、１
３……爪部、１４……係当部、１７……当接部、
１８……押圧部、２０……圧接部、２１……コイ
ルばね（ばね部材）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体又はトランクリツドのいずれかに取り付け
   たストライカと、該ストライカが取り付かない車
   体又はトランクリツドに取り付けたベースと、該
   ベースに回動自在に枢着し、前記ストライカと係
   脱自在に噛合する噛合部を有するとともに、当該
   噛合部とストライカとの噛合を解除する回動方向
   に付勢したフオークと、ベースに回動自在に枢着
   し、一端には前記フオークに係当してフオークの
   回動を阻止する爪部を、他端には係当部を有する
   とともに、当該爪部がフオークに係当する回動方
   向に付勢したクローレバーと、該クローレバーに
   回動自在に枢着し、クローレバーの係当部に圧接
   する圧接部を有するとともに、ばね部材をクロー
   レバーと連結して設けて当該圧接部がクローレバ
   ーの係当部に圧接する方向に付勢し、車内側から
   の操作により、クローレバーと一体に回動し、又
   はばね部材の付勢力に抗して単独で回動するオー
   プンレバーと、ベースに回動自在に枢着し、一端
   には前記クローレバーに当接する当接部を、他端
   にはクローレバーの係当部を押圧する押圧部を有
   するとともに、車外からのキー操作により、当該
   当接部がクローレバーに当接してクローレバーの
   回動を阻止するロツク位置と、当該当接部がクロ
   ーレバーより離隔するアンロツク位置と、当該押
   圧部がクローレバーの係当部を押圧する開放位置
   と、に回動するロツクプレートと、を備えたこと
   を特徴とするトランクリツドのロツク装置。