JP2003513848A - 自動車 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、位置固定的に自動車に取り付けられる、歯車変速装置の操作のためのシフト装置（１）に関する。自動車とシフト装置との間の結合部は、保持装置を有しており、この保持装置は、取り外し可能に互いに係合し合う補完的な２つの係止部材（３，４）から成る係止結合部をそれぞれ１つ備えた少なくとも１つのロック装置（２）から成っているか、または１つのロック装置（２）と、１つのブシュ（６）およびこのブシュ（６）に挿入可能な補完的な１つのスリーブ（７）をそれぞれ備えた少なくとも１つの固定装置（５）とから成っている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は、請求項１の上位概念部に記載の自動車に関する。

【０００２】 現代の自動車生産においては、システム解決法、つまり生産されるべき自動車
に完成した装置を供給して組み付ける方法がますます取り入れられている。この
場合、貴重な取り付け時間を節約することは特に意義のあることである。

【０００３】 これまで、自動車のためのシフト装置は、ねじ結合部の形をとる保持装置によ
って自動車ボディに結合されていた。このために必要な取り付けコストもしくは
手間によって上昇する生産コストはわずかではない。さらに、公知の構成におい
ては、シフト装置のケーシングはたいていプラスチックから成っており、プラス
チックはねじ結合の際に、必要とされる強度をたいていは有していないという別
の問題がある。したがって、良質な組み付けを満足に得られないか、またはねじ
結合領域を強化するために付加的なコストもしくは手間が必要となる。

【０００４】 本発明の課題は自動車とシフト装置との間の、誤差が最小化された不動の結合
手段を少ない取り付けコストで得ることである。

【０００５】 この課題は、請求項１の特徴部に記載の構成によって解決される。また、本発
明のその他の構成は、請求項２以下に記載されている。

【０００６】 これによれば、自動車と歯車変速装置の操作のためのシフト装置との間の結合
を、それぞれ１つの係止結合部を備えた少なくとも１つのロック装置から成る保
持装置によって行うことが提案されている。この場合、係止装置は、取り外し可
能に互いに係合し合う補完的な２つの係止部材を有していてもよい。

【０００７】 冒頭に述べた技術的課題を解決した別の構成では、シフト装置を正確に位置決
めするために、保持装置は１つのロック装置と少なくとも１つの固定装置とから
成っている。この場合、固定装置は、それぞれ１つのブシュとこのブシュに挿入
可能な補完的な１つのスリーブとから成っている。

【０００８】 本発明の別の構成によれば、第１係止部材を、横断面で見てくさび形のランプ
に、第２係止部材を、少なくとも部分的にわたってばね弾性的に変形可能な材料
から成る舌片にすることもできる。

【０００９】 冒頭ですでに述べたように、シフト装置はたいてい、プラスチックから成るケ
ーシングを有している。このケーシングを製造する際の作業工程で、種々異なる
部材を簡単かつ安価に一体成形することができる。したがって、ケーシングの製
造の際に、例えば舌片をケーシングと一体成形することは、意義がある。

【００１０】 この舌片は、横断面で見てほぼＬ字形の形状を有しており、ばね弾性的に変形
可能な材料から成る領域は、第１の領域に対して直角に延びている強化されたグ
リップ領域に移行しており、このグリップ領域は、第１係止部材に対応配置され
た係止面を有する。

【００１１】 この係止面には、振動からの保護のために働く緩衝部材を設けることができる
。

【００１２】 しかし、舌片を、ケーシング内に摺動可能に構成することもでき、これは、も
ちろん一体的な構成とはならない。この場合、ばね力が負荷された構成が考案さ
れており、ばねは同時にランプでの支持作用を補助する。

【００１３】 複数のロック装置がシフト装置に設けられている場合には、このロック装置は
、同時に固定装置として正確な位置決めのために用いられる。

【００１４】 本発明の有利な構成では、１つのロック装置および複数の固定装置が本発明の
自動車のシフト装置で使用される。

【００１５】 この場合、それぞれの固定装置のブシュを、制限的に弾性を有するように、さ
らに横断面で見てほぼＵ字形またはＶ字形を有するように構成することもできる
。

【００１６】 簡単な構成は例えば、スリーブ全体をエラストマ材料もしくはゴムによって成
形するか、または少なくとも１つのエラストマ被覆もしくはゴム被覆をスリーブ
に施すことによって得られる。

【００１７】 これによって、簡単な形式で、誤差を補償し、かつ振動から保護することがで
きる。さらに、取り付けも簡単にできる。

【００１８】 本発明の実施例を、図面に基づき以下に詳細に説明する。

【００１９】 図１：本発明の自動車への組み付けのためのシフト装置の立体図である。

【００２０】 図２：本発明の自動車のトンネルを示した図である。

【００２１】 図３：本発明の自動車のシフト装置の側面図である。

【００２２】 図４：本発明の自動車のトンネルとシフト装置との結合部位の立体図である。

【００２３】 図面には、位置固定的に自動車内に取り付けられたシフト装置を備えた本発明
による自動車の実施例が示されている。このシフト装置全体は符号１で表わされ
ていて、歯車変速装置の操作のために用いられる。このシフト装置は、ケーシン
グ８のドーム１３内に自体公知の形式で可動に支承されているシフトレバー１２
を有している。シフト運動の伝達には、ボーデンワイヤ１４が用いられている。

【００２４】 自動車へのシフト装置の取り付けは、複数部分から成る保持装置を用いて行わ
れる。この保持装置は、図示の実施例では、１つのロック装置２と４つの固定装
置５とから成っており、この場合、ロック装置２は、取り外し可能に互いに係合
し合う補完的な２つの係止部材３，４を備えた係止結合部から成っており、固定
装置５は、それぞれ１つのブシュ６とこのブシュ６に挿入可能である補完的な１
つのスリーブ７とを有している。この場合、第１係止部材３は、横断面で見てく
さび形のランプであり、第２係止部材４は、少なくとも部分的にわたってばね弾
性的に変形可能な材料から成る舌片４であり、プラスチックから成るケーシング
８に一体成形されている。

【００２５】 舌片４は、横断面で見てほぼＬ字形をしており、ほぼ水平の下方領域９は、ば
ね弾性的に変形可能な材料から成っていて、この第１の領域に対して直角に延び
ている強化されたグリップ領域１０に移行しており、このグリップ領域１０は、
第１係止部材３に対応配置された係止面を有する。図示の実施例では、この係止
面は緩衝部材１１を備えている。この緩衝部材１１は、ランプ３に支持されてい
る。

【００２６】 固定装置５の、限定的に弾性を有するように構成されたブシュ６は、横断面で
見てほぼＵ字形をしており、自動車のトンネル１５に固定されている。シフト装
置１のケーシング８に取り付けられたスリーブ７は、ゴムから成っており、リベ
ット１６を用いてケーシング８に固定されている。スリーブ７をより良好に当接
させるため、およびスリーブ７の取り付けをより簡単にするために、スリーブ７
とケーシング８との間に支持部１７が設けられているが、この支持部１７を、ケ
ーシング８と一体的に形成することも可能である。

【００２７】 このシフト装置は、舌片４がスリープ３の後方に係合するまで、スリーブ７を
ブシュ６に押し入れることによって固定される。この場合、コストもしくは手間
のかかるねじ結合を行う必要は全くない。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の自動車への組み付けのためのシフト装置の立体図である。

【図２】 本発明の自動車のトンネルを示した図である。

【図３】 本発明の自動車のシフト装置の側面図である。

【図４】 本発明の自動車のトンネルとシフト装置との結合部位の立体図である。

【符号の説明】

１ シフト装置、 ２ ロック装置、 ３，４ 係止部材、 ５ 固定装置、
６ ブシュ、 ７ スリーブ、 ８ ケーシング、 ９ 領域、 １０ グリ
ップ領域、 １１ 緩衝部材、 １２ シフトレバー、 １３ ドーム、 １４
ボーデンワイヤ、 １５ トンネル、 １６ リベット、 １７ 支持部

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 位置固定的に自動車に取り付けられる、歯車変速装置の操作
   のためのシフト装置（１）を備えた自動車であって、自動車とシフト装置との間
   の結合部が保持装置を有している形式のものにおいて、 保持装置が、取り外し可能に互いに係合し合う補完的な２つの係止部材（３，
   ４）から成る各１つの係止結合部を備えた少なくとも１つのロック装置（２）か
   ら成っているか、または１つのロック装置（２）と、各１つのブシュ（６）およ
   びこのブシュ（６）に挿入可能な補完的なスリーブ（７）を備えた少なくとも１
   つの固定装置（５）とから成っていることを特徴とする、自動車。
2. 【請求項２】 第１係止部材（３）が横断面で見てくさび形のランプであり
   、第２係止部材（４）が少なくとも部分的にばね弾性的に変形可能な材料から成
   る舌片である、請求項１記載の自動車。
3. 【請求項３】 シフト装置（１）がプラスチックから成るケーシング（８）
   を有しており、舌片（４）がケーシング（８）に一体成形されている、請求項２
   記載の自動車。
4. 【請求項４】 舌片（４）が横断面で見てほぼＬ字形をしており、ばね弾性
   的に変形可能な材料から成る領域（９）が、第１の領域に対して直角に延びてい
   る強化されたグリップ領域（１０）に移行しており、このグリップ領域（１０）
   が第１係止部材（３）に対応配置された係止面を有している、請求項３記載の自
   動車。
5. 【請求項５】 係止面が緩衝部材（１１）を備えている、請求項４記載の自
   動車。
6. 【請求項６】 複数のロック装置（２）が、シフト装置に設けられていて、
   シフト装置を所定の位置に位置決めする、請求項１から５までのいずれか１項記
   載の自動車。
7. 【請求項７】 複数の固定装置（５）がシフト装置（１）に設けられている
   、請求項１から６までのいずれか１項記載の自動車。
8. 【請求項８】 各固定装置（５）のブシュ（６）が限定的に弾性を有するよ
   うに構成されている、請求項１から７までのいずれか１項記載の自動車。
9. 【請求項９】 各固定装置（５）のブシュ（６）が、横断面で見てほぼＵ字
   形またはＶ字形になっている、請求項８記載の自動車。
10. 【請求項１０】 スリーブ（７）が、エラストマ材料もしくはゴムから成っ
    ている、またはスリーブ（７）にエラストマ被覆もしくはゴム被覆が施されてい
    る、請求項１から９までのいずれか１項記載の自動車。