JP2003511668A - イオンチャネルの電気生理的性質を測定及び/または監視するための基体及び方法 - Google Patents

イオンチャネルの電気生理的性質を測定及び/または監視するための基体及び方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、測定電極の周りに細胞が高抵抗性シール(ギガシール)を形成し、そのため細胞膜を通って流れる電流を測定及び監視するのに適した、電気生理学的測定コンフィグレーションを得るための基体及び方法に関する。この基体は、典型的には、細胞膜中の電気的事象を調べるための装置の一部、例えば生物膜中のイオン移動チャネルを調べるために利用されるパッチクランプ技術を行うための装置の一部である。この基体は、ウェハ加工技術により形成され統合された測定及び基準電極を持つ複数の測定部位または測定部位の列を有する。これらの電極は、一方の電極によるイオンの引き渡し及び他方の電極によるイオンの受領によってそれらの間に電流を伝導するように適合されており、そして典型的には銀/ハロゲン化銀電極である。これは、測定電極と細胞内部との間に直接的な電気的接続があるコンフィグレーション、すなわち全細胞測定コンフィグレーションにおいて細胞を効果的にかつ短時間で測定することが可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、細胞膜が測定電極の周りに高抵抗性シールを形成し、これによって
この細胞膜を通って流れる電流を測定及び監視することを可能にする電気生理学
的測定コンフィグレーションを構成することによって、イオンチャネル含有構造
体、典型的には細胞等の脂質膜含有構造体のイオンチャネルの電気生理学的性質
を測定及び/または監視するための基体及び方法に関する。この基体は、典型的
には、細胞膜内での電気的事象を調査するための装置、例えば生物膜中のイオン
移動チャネルの調査に利用されるパッチクランプ技術を行うための装置の一部で
ある。より具体的には、本発明は、処理能力が高く、少量の試験化合物及び少量
の液状キャリアしか使用せず、かつ幾つかの細胞で並列試験を同時にかつ独立し
て行うことによって短時間で多くの試験を実施できる、このようなパッチクラン
プ装置のための基体に関する。
【0002】
【背景技術】
膜のパッチを絶縁しそして電位固定条件でこのパッチのイオンチャネルを調査
するための一般的なアイディアは、ネーアー(Neher) 、ザクマン(Sakmann) 及び
シュテインバック(Steinback) らによって“The Extracellular Patch Clamp, A
Method for Resolving Currents Through Individual Open Channels In Biolo
gical Membranes ”, Pflueger Arch. 375; 219-278, 1978 にその概要が記され
ている。彼らは、アセチルコリン(ACh) を含むピペットを筋細胞膜表面に押しつ
けると、ACh によって活性化されたイオンチャネルの開閉に起因して電流が断続
的に急増することを見出した。しかし、ピペットのガラスと膜との間のシールの
抵抗(10〜50M Ω) が、チャネルの抵抗(10GΩ) に対して非常に低いという事
実によって彼らの研究は制限された。このシールから生ずる電気雑音はその抵抗
に反比例し、そしてこの雑音は、ACh チャネルよりもコンダクタンスが低いイオ
ンチャネルを流れる電流を不明瞭にするのに十分に大きかった。またこれは、生
じたであろうシールを通って流れる大電流の故に、ピペット中の電位を浴の電位
と異なる値に固定することも妨げた。
【0003】 更に、ガラスピペットの火炎研磨(fire-polishing) 及びピペット内部の吸引
によって、細胞表面との間に非常に高い抵抗(1〜100 G Ω)を有するシールを
得ることができることが発見された。このギガシールは上記雑音を一桁のオーダ
ーで低減させ、生物学的に重要な殆どのチャネルを調べることができる程度まで
にし、そしてこれらの調査を行うことができる電圧範囲を著しく拡大した。この
改善されたシールは“ギガ- シール”と、そして上記ピペットは“パッチピペッ
ト”と名付けられた。ギガシールについてのより詳しい説明は、O.P. Hamill, A
. Marty, E. Neher, B. Sakmann & F.J. Sigworth: Improved patch-clamp tech
niques for high resolution current recordings from cells and cell-free m
embrane patches, Pfluegers Arch. 391, 85-110, 1981から得ることができる。
上記のパッチクランプ技術を開発した業績により、ネーアー及びザクマンは、19
91年度ノーベル医学生理学賞を受賞した。
【0004】 イオンチャネルは、細胞膜を通過する無機イオンの移動を可能にする膜貫通タ
ンパク質である。イオンチャネルは、活動電位の発生及びタイミング、シナプス
伝達、ホルモン分泌、筋肉収縮などの様々なプロセスに関与する。多くの薬剤が
、イオンチャネルの調節を介してそれらの特定の作用を発揮する。これの例は、
脳中の電位依存性Na+ チャネルをブロックするフェニトイン及びラモトリジンな
どの鎮痙性化合物、平滑筋細胞内の電位依存性Ca2+チャネルをブロックするニフ
ェジピン及びジルチアゼムのような抗高血圧性薬剤、及び膵臓中のATP で調節さ
れたK + チャネルをブロックするグリベンクラミド及びトルブタミドのようなイ
ンスリン放出の刺激薬である。上記パッチクランプ技術は、イオンチャネル活性
を化学的に誘発して調節する他、科学者が電位依存性のチャネルを巧みに操作す
ることを可能にした。この技術は、パッチピペット中の電極の極性を調節するこ
と、及び浴溶液中の遊離イオンレベルを加減するために塩組成(saline composit
ion)を変えることを含む。
【0005】 パッチクランプ技術は医学生理学の分野における重大な発展の一つである。な
ぜならばこの技術は、単一イオンチャネルタンパク質を通って流れるイオンの流
れの測定を可能にし、またこの単一イオンチャネルの薬剤に対する反応の研究も
可能したからである。簡単に言えば、標準的なパッチクランプ技術では、細い(
直径約0.5 〜2μm)ガラスピペットを使用する。このパッチピペットの先端を
細胞膜の表面に押し付ける。このピペット先端は細胞にしっかりと接着し、そし
て膜の微小なパッチに小数のイオンチャネルタンパク質を隔離する。
【0006】 これらのチャネルの活性はそれぞれ独立して測定でき(単一チャネル記録)、
また他の手法として、パッチを破り、細胞膜全体のチャネル活性を測定すること
もできる(全細胞記録)。測定を行うための細胞内部への高コンダクタンスアク
セスは、例えばピペット内を減圧して膜を破ることによって得ることができる。
【0007】 単一チャネル記録及び全細胞記録の双方の間、膜電位を固定することによって
チャネルサブタイプ各々の活性を特性付けることができる。電位固定技術では、
膜電流を一定の膜電位で記録する。より正確に言うと、実験者によって定められ
たレベルに膜電位を維持するのに必要な電流を増幅器が正確に供給する。それゆ
え、イオンチャネルの開閉から生ずる電流が膜を再充電することはない。
【0008】 図1は、HEKA Elektronik 社製のEPC-9 増幅器などの標準的な慣用の電位固定
増幅器の基本的な使用例を表す簡略図である。ピペット4内の電極6は、帰還増
幅器の負端子に接続され、一方、固定電位(接地浴電極(8) のこと)は正端子に
接続され(刺激入力から)そして電圧モニター出力の所で利用が可能である。測
定されたピペット電位と固定電位は同じであると仮定されるので、大きな帰還抵
抗を介して流れ込む電流として、校正電位が連続的にピペット電極の所に供され
る。反転後、電流は、電流モニター出力のところでアナログ電圧として利用でき
る。
【0009】 このような実験における時間分解能及び電圧制御は素晴らしく、しばしばmsec
またはμsec 範囲である。しかし、薬理学的スクリーニングにおける一般的手法
としてのこのパッチクランプ技術の主な障害は、一日で試験できる化合物の数に
限りがあることである(典型的にはせいぜい一または二つ)。また、細胞及びパ
ッチ周りで為し得る溶液変化の速度が非常に遅いことも主な障害の一つとなり得
る。
【0010】 パッチクランプ技術の処理量を決定する主な制限要因は、細胞及びピペットの
局在化及び固定、並びに溶解された化合物を細胞及びパッチに導く供給システム
の性質である。
【0011】 通常のパッチクランプのセットアップでは、生理塩溶液を連続的に潅流した実
験チャンバ中に細胞を入れる。このチャンバ内での細胞とピペットとの接続の確
立は、時間がかかりまた面倒でもある。化合物は、小数の供給ボトルに接続され
た弁に入口を切り替えることによって適用される。支持液及び試験サンプルの必
要量は多い。
【0012】 パッチクランプ測定を行うための、処理能力が高いシステムが提案されており
、これは、典型的には、細胞膜の電気的性質を測定できる測定コンフィグレーシ
ョンにおいて細胞を保持するように適合された複数の部位を持つ基体からなる。
【0013】 米国特許第5,187,096 号(Rensselaer)は、細胞の細胞- 基体インピーダンスを
監視するための装置を開示する。細胞は、電極上で直接培養され、次いで電極は
複数の細胞で覆われる。すなわち、個々の細胞に対する測定は行うことができな
い。
【0014】 国際特許出願公開第98/54294号(Leland Stanford) は、電極列を含むウェルを
有する基体を開示する。ウェル及び電極(金属製電極)を有するこの基体は、CV
D (化学蒸着法) 及びエッチング技術を用いてケイ素から作られ、そして電極の
周りを囲む窒化ケイ素“不動態化”相を含む。細胞は、この電極列上で直接培養
される。この基体は、電気生理学的特性を測定するように適合され、そして提案
される様々な測定法を開示している。
【0015】 国際特許出願公開第99/66329号(Cenes) は、基体の各々の側に設けられたウェ
ル及び電極中に配置された穿孔を有する基体を開示する。この基体は、ケイ素製
の基体をレーザーで穿孔することによって作製され、そしてその表面には粘着防
止性の材料をコーティングしてもよい。この基体は、穿孔を囲む粘着防止性の層
を作りそして吸引して上記の穿孔中を流れる液流を生じさせることで穿孔上に細
胞を位置させるかあるいは電気的に細胞を導くことで穿孔上に細胞を位置させる
ことによって、細胞とギガシールを構成するように適合されている。細胞は、全
細胞測定コンフィグレーションを得るために、EM場または化学的手法によって
透過性にすることができる。一つのウェルにおける全ての穿孔、すなわち全ての
測定可能な細胞は、一つの作用電極及び一つの基準電極を共有し(図1参照)、
そのため、個々の細胞に対する測定は行うことができない。
【0016】 国際特許出願公開第99/31503(Vogelら) は、基体(キャリア)上のウェルに配
置されそして二つの隔室を分けるアパーチャを有する測定装置を開示する。この
測定装置は、上記アパーチャの両側に配置された二つの電極を含み、そしてこの
アパーチャ開口部に細胞を位置させるように適合されている。基体は、細胞の位
置をアパーチャ開口部に誘導するために、疎水性及び親水性の領域を有していて
もよい。
【0017】
【発明の要約】
本発明は、細胞または細胞膜に及ぶ影響から見て現実的な条件下に、高い処理
量及び信頼性をもって、細胞膜等のイオンチャネル含有構造体を通って流れる電
流を測定もしくは監視するのに最適化された基体及び方法を提供する。それゆえ
、本発明の基体及び方法を用いて測定された結果、例えば、細胞膜に──例えば
種々の試験化合物で──影響を与えた結果生ずるイオンチャネル活性度の変化は
、該測定システムによってもたらされた人為結果の現象ではなく、上記の影響か
ら生ずる特有の本当の現象として信頼することができ、そして与えられた条件に
おける細胞膜の導電性またはキャパシタンスに関連する電気生理学的現象を調べ
るための有効な基礎として使用することができる。
【0018】 これは、なぜならば一つまたはそれ以上のイオンチャネルを流れる電流を、以
下に述べる特徴を有するような可逆電極、典型的には銀/ハロゲン化銀電極(例
えば塩化銀電極)を、測定電極及び基準電極のどちらにも使用して直接測定する
からである。
【0019】 本発明の基体及び方法は、細胞膜の測定にばかりでなく、他のイオンチャネル
含有構造体、例えば人工膜の測定にも使用できる。本発明は、例えば、イオン移
動チャネル及び膜の電気生理学的測定などの幾つかの試験を同時にかつそれぞれ
独立して行うことを可能にする。本発明の基体は、少量の支持液(細胞と等張の
、すなわち、通常、150 ミリモルNaClまたは他の適当な塩の浸透圧モル濃度を有
する生理塩溶液)及び少量の試験サンプルしか用いない、完璧でかつ操作が簡単
なマイクロシステムを構成する。
【0020】 本発明は、その一面において、第一の表面部と反対側にある第二の表面部を有
する平坦な基体であって、上記第一の表面部は、それぞれイオンチャネル含有構
造体を保持するように適合されておりかつ付随の測定電極を有する部位を複数有
し、上記基体は一つまたはそれ以上の基準電極を有し、上記測定電極及び各々の
基準電極または複数の基準電極は、互いに電解質を介して接触し及びそれらの間
に電位差が加えられた際に、一つの電極からのイオンの引き渡し及び他の電極に
よるイオンの受領によってそれらの間に電流を発生させることができる電極であ
り、上記の部位は、それぞれ、この部位に保持されたイオンチャネル含有構造体
とこの部位の表面部との間に高電気抵抗性シールを供するように適合されており
、そしてこのシールは、供された際に、イオンチャネル含有構造体の一つ面に定
義されかつ測定電極と電解質を介して接触しているドメインを、このイオンチャ
ネル含有構造体の他の面上に定義されかつ各々の基準電極と電解質を介して接触
しているドメインから隔離し、それによって、各電極間でイオンチャネル含有構
造体のイオンチャネルを流れる電流を測定及び/または監視することができ、そ
して上記電極は基体と統合されており、そしてウェハ加工技術により作られたも
のである、上記基体に関する。
【0021】 他の面では、本発明は、一つまたはそれ以上のイオンチャネル含有構造体の一
つまたはそれ以上のイオンチャネルの電気生理学的性質を測定及び/または監視
するための全細胞測定コンフィグレーションを確立する方法であって、以下の段
階、すなわち ・上記で定義したような基体を用意し、 ・一つまたはそれ以上の部位にキャリア液を供給し、この際、このキャリア液は 、一つまたはそれ以上のイオンチャネル含有構造体を含み、 ・上記のイオンチャネル含有構造体の少なくとも一つを、対応する数の部位に位 置させ、 ・部位に付随する測定電極と、基準電極との間に第一の電位差を連続的に与え、 上記の測定電極と上記の規準電極との間に流れる第一の電流を監視し、そして 上記の第一の電流を所定の閾電流と比較し、この際、この第一の電流が、せい ぜい大きくとも所定の閾電流と等しくなる程度ならば、この部位を、イオンチ ャネル含有構造体とこの部位の表面部との間に許容可能なシールを有するもの と承認することによって、部位に保持されたイオンチャネル含有構造体と高電 気抵抗シールを供するべき部位表面部との間の高電気抵抗シールを検査し、そ して ・承認された部位において全細胞コンフィグレーションを確立する、 段階を含み、それによって、測定電極と基準電極との間でイオンチャネル含有構
造体のイオンチャネルを流れる第三の電流を測定及び/または監視することがで
きる、上記方法に関する。
【0022】 溶液の形のイオンチャネル含有構造体は、能動的なもしくは受動的な手段のい
ずれかによって基体上の部位に向けて誘導することができる。このイオンチャネ
ル構造体が上記部位、例えば電極の周りの基体に接触すると、その接触面は、そ
の部位、例えば電極を囲む部位において高電気抵抗シール(ギガシール)を形成
し、それによって、上記イオンチャネルの電気生理学的特性を、基準電極を用い
て測定することができる。このような電気生理学的特性は、上記ギガシールによ
って囲まれた部分のイオンチャネル構造体の膜を通って流れる電流であり得る。
【0023】 本明細書において、“ギガシール”という用語は、通常は、少なくとも1Go
hmのシールを指し、そしてこの値は、通常、最小限目的とされるシールの大き
さである。但し、電流が大きい場合の測定には、より低い値でも閾値として十分
な場合もある。
【0024】 全細胞コンフィグレーションは、承認された各々の部位に付随する測定電極と
基準電極との間に一連の第二の電位差パルスを加え、上記測定電極と基準電極と
の間を流れる第二の電流を監視し、そして上記の第二の電流が予定の閾値を超え
る度に上記一連の第二の電位差パルスを中断し、それによってイオンチャネル含
有構造体の測定電極と最も近い部分を破ることによって得ることができる。
【0025】 他の手法としては、全細胞コンフィグレーションは、イオンチャネル含有構造
体の測定電極と最も近い部分を、造孔性物質との相互作用に付すことによっても
得ることができる。
【0026】 また、本明細書において、“全細胞コンフィグレーション”という用語は、全
細胞が測定部位において基体と接触しかつ穿孔されているか、または造孔性物質
によって細胞内部との電気的接触に対し開放されているコンフィグレーションば
かりでなく、剥離した細胞膜のパッチが、その膜の外面が、適用される試験サン
プルに対し“上向き(upwardly)”に面するように配置されているコンフィグレー
ションも意味するものと理解されたい。
【0027】 部位に付随する測定電極が基体上にある複数の電極のうちの一つでありそして
イオンチャネル含有構造体が溶液中の多く物のうちの一つであるため、数多くの
このように用意された測定セットアップを基体上に得ることができる。典型的な
測定は、特定の試験サンプルをセットアップに加えることを含み、それゆえ、試
験サンプルの混合及び各セットアップ間の電気電導を避けるために、各々の測定
セットアップは、他の測定セットアップから隔離される。
【0028】
【好ましい態様の説明】
本発明を、添付図の参照の下により詳しく説明する。
【0029】 本発明は、細胞(または他のイオンチャネル含有構造体)を保持するように適
合された各部位に複数の電極を有することによって細胞膜及び基体接触面が電極
の周りにギガシールを形成して、細胞膜の電気生理学的特性を測定または監視す
ることを可能にする基体に関する。本明細書において“細胞”または“細胞膜”
という用語が使用された場合は、文脈に依存して、通常、他のいかなるイオンチ
ャネル含有構造体、例えば他のイオンチャネル含有脂質膜またはイオンチャネル
含有人工膜も使用できると理解されたい。電気生理学特性は、例えば、イオンチ
ャネルを流れる電流またはイオンチャネル含有膜のキャパシタンスであることが
できる。細胞を保持する各々の場所に別個の試験サンプル(典型的には薬剤)を
加えることができ、それによって各細胞で各々独立した実験を行うことができる
。試験サンプルの添加に対するイオン移動チャネルの反応を調べる実験も可能で
ある。各々独立した実験を行うためには、異なる試験サンプルを、異なる細胞保
持部位に加えることができるであろう。特定の試験サンプルを加えた(または加
えようとする)一つまたはそれ以上の細胞保持部位は、以下、試験コンファイン
メントという。
【0030】 本発明の基体は、典型的には、細胞などの脂質膜におけるイオン移動チャネル
の電気生理学的特性の測定を行うための装置に使用される一つの部品となる。
【0031】 この装置は、短時間のうちに各々独立した数多くの実験を行うための手段を提
供するように設計される。これは、統合された測定電極を含む部位をそれぞれ有
する複数の試験コンファインメントを備えるマイクロシステムと、適当な試験サ
ンプル供給物とを供することによって達成される。各々の試験コンファインメン
トは、細胞の位置決めのための手段、ギガシールの確立のための手段、ギガシー
ルを確立する部位の選択のための手段、測定電極及び一つまたはそれ以上の基準
電極を含み得る。それによって、各試験コンファインメントにおいてそれぞれ独
立した実験を行うこと、並びに全ての実験の用意及び測定をコンピューターなど
の中央制御装置から制御することができる。試験コンファインメントが小さいた
めに、本発明は、少量の支持液及び試験サンプルのみを利用して測定を行うこと
を可能にする。また、本発明は、測定を行うための幾つかの異なる手順をも提供
し、これには、細胞及び人工膜の断片に対する測定が含まれる。
【0032】 測定電極(以下、電極という)を備える部位を有する基体は幾つかの態様で設
計することができ、それのうちの三態様が図2A〜2Cに例示され、そして更に
別の態様は、図3A〜3D及び4A〜4Bに例示される。これらの態様の違いは
、基体上の部位の設計にある。部位は、その表面材料が従来技術に記載のように
細胞(または構造体)膜とシールを形成するのに十分に適したものにされるとい
う点で、細胞などのイオンチャネル含有構造体を保持するように適合される。こ
のような材料には、ケイ素、プラスチック、純粋なシリカ及び他のガラス、例え
ば石英及びパイレックス(R)、あるいはBe、Mg、Ca、B 、Al、Ga、Ge、N 、P
、As及びこれらのいずれかの酸化物の群から選択される一種またはそれ以上のド
ーパントでドーピングしたシリカが包含される。適当な基体は、ウェハ加工技術
に適切な材料ならば如何なるものからで作ることができ、このような材料として
は、例えば、ケイ素、プラスチック、純粋なシリカ及び他のガラス、例えば石英
及びパイレックス(R)、またはBe、Mg、Ca、B 、Al、Ga、Ge、N 、P 、Asの群
から選択される一種またはそれ以上のドーパントでドーピングされたシリカなど
が挙げられる。ケイ素が、目下好ましい基体材料である。
【0033】 図2A〜2Cの設計では、部位14は、基体12の局部的に平坦な表面に配置され
る。局部的に平坦とは、基体の表面が、図2Bに示すように、一つまたはそれ以
上の部位よりも大きい尺度で何らかの二次構造13を有していてもよいことを意味
する。部位及びそれ故電極16は、この二次構造内に単独でまたはグループとして
配置することができる。
【0034】 図2の三種の設計のものを作製する方法は互いに類似する。図2A及び2Bは
単に図2Cの基本設計の小区画を含むものである。本発明の設計品の作製を、図
3A及び6の参照の下に以下に説明する。
【0035】 導電性材料のライン18は、先ず第一に、基体上に導電性材料の層を沈着させる
ことによって基体表面上に形成される。基体上及びこの説明を通して他の表面上
への材料の沈着は、幾つかの沈着技術のうちの一つ、例えば物理蒸着法[ これは
、1) 蒸気相から材料を蒸着させる方法、2)スパッタリング法及び3) レーザー
アブレーション法を含む] ; 化学蒸着法[ これは、1)常圧化学蒸着法(APCVD)
、2) 低圧化学蒸着法(LPCVD) 、3)プラズマ・エンハンスト化学蒸着法(PECVD)
及び4)フォト・エンハンスト化学蒸着法を含む] ; 並びに回転塗布及び成長技
術(spin coating and growth techniques)を用いて為すことができる。第二に、
各々のワイヤーをフォトリソグラフィー段階において定義し、そして第三に、こ
のワイヤーの一部とならない導電性材料をエッチングによって除去する。これら
のワイヤーは、好ましくは、これらの一部が接触パッド20のラインを形成し、一
方で他の部分が、測定電極部16の列及び一つまたはそれ以上の基準電極8を形成
するように定義される。電極部の列は、必ずしも整然としたパターンである必要
はない。上記接触パッド及び電極部は、好ましくは、ワイヤーの両末端部である
が、しかし、例えば伝導性ストリップのパターンの如何なる部分であってもよい
。好ましくは、上記導電性材料は、金属またはドーピングしたケイ素からなる。
【0036】 電極及び接点を作るためには、各々のワイヤーの電極のまたは接触部の一部を
形成しない導電性材料を、絶縁性(親水性)のフィルム22、例えば二酸化ケイ素
、または窒化ケイ素及び二酸化ケイ素の多重層で覆う。これは、ケイ素の熱酸化
法、物理もしくは化学蒸着法または回転塗布法のいずれかを用いて絶縁性フィル
ムの層で表面全体を覆うことによって行われる。フォトリソグラフィー及びエッ
チング段階を用いて、絶縁性フィルムの一部を除去しワイヤーをむき出しにし、
それによって電極16及び8及び接点20を形成する。より良好な電気的接触のため
には、電極(及び接点)は銀24で覆うことができる。また別の方法として、材料
の幾つかの層を幾つかの薄い層の形に沈着すべきような場合には、リフトオフ技
術も使用できるであろう。この場合は、フォトレジストを基体上に沈着させ、そ
してマスクを通して照射することによって、形成するべきパターンをレジストに
定義し、その後、エッチングする。材料、典型的には金属の層をその構造体上に
蒸着させ、そしてフォトレジストを溶解し、それによって定義されたパターンで
金属が残る。この段階で、その基体は図7に示すようになり、その際、電極と接
点を結ぶ細いライン18は絶縁性のフィルムで覆われている。
【0037】 しかし、場合によっては、図3Aに示すように、電極部位または部位のグルー
プを完全に囲む疎水性領域26を、テフロン(R)等の疎水性材料の沈着及びフォ
トリソグラフィーを組み合わせて用いて形成する。この疎水性材料は、回転塗布
法、化学蒸着法またはプラズマ・エンハンスト化学蒸着法のいずれかを用いて沈
着される。図2Aは、このような領域の使用例を示す。
【0038】 最後に、使用する前に、塩化銀層28を、電気分解的処理を用いて電極16上に形
成する。その作業は、通常、本発明の基体の全ての測定電極及び基準電極に施し
、これらを、銀/ハロゲン化銀電極、例えば銀/塩化銀電極として確立する。
【0039】 上記と同じ製造手順を用いて、図3B〜3Dに示す一連の異なる電極設計を利
用することができる。図に示した設計は、上記のウェハ加工法に幾らかの変更点
があることを意味しているが、しかし、その設計を見れば、ウェハ加工段階をど
のように適合すればよいかはウェハ加工技術分野の当業者には明らかである。
【0040】 図3Bは、細胞2を保持する部位の近接図であり、AgCl層28を囲む部位にシー
ル25が形成されている。電極の形成においては、シリカ層22の沈着の前に、多量
のAgCl層28が銀24の上面に形成され、それによってAgClが大量に供されることが
保証される。
【0041】 図3Cは、測定電極が小さなウェル27中に位置され、それによって膜と、ウェ
ル27の縁との間にシールが形成される、他の態様を示す。ウェル27の大きさに依
存して、この態様は、膜と作用電極とをより大きく隔てること、並びに電極を取
り囲むキャリア液をより多量に使用することを可能にする。
【0042】 図3Dは、図3Cと同じように作用電極が小さなウェル27中に位置された更に
別の態様を示す。この態様では、細胞上での溶解した造孔性物質の作用によって
、細胞が置かれた時に全細胞測定コンフィグレーションが確立されるように、造
孔性物質40が部位に沈着されている。
【0043】 図4Aの設計では、基体上に幾何的に成形された構造のウェルの底部に部位が
配置される。このウェルの機能は、部位に細胞2を配置する役割と各試験コンフ
ァインメント(この場合では、単独の部位からなる)を隔離する役割の双方を果
たす。
【0044】 切頭角錐の形に成形したウェルを有する基体を図4Aに示す。この切頭角錐の
狭い方の端部から基体の底面部まで延びるアパーチャまたは通路30も基体に定義
される。それによってこのウェル及び通路は漏斗様構造を形成する。図4Aに示
されるように、測定電極16は、上記のアパーチャまたは通路の近くに基体の底面
に供され、そして基準電極8は、ウェルの側面に供される。好ましくは、基体の
底側で上記通路に対し吸引作用を与えるための管路32が設けられる。好ましい態
様の一つでは、この管路は基体の上側に通じ、また測定電極に配線されていても
よい。
【0045】 上に“底”という言葉を使用したが、これは単に、図の向きに関連して使われ
ただけに過ぎない。本発明の基体を使用するにあたっては、基体の第一の表面部
が上面部であること及び第二の表面部が下方の表面部であることは必須の条件で
はない。言い換えれば、これらの非常に小さな構造体では如何なる実質的な程度
にも重力は利用されず、そして例を挙げれば、図4の設計は、180 °回転させた
図に相当する向きで使用することもできる。なお、また、それ以外の如何なる角
度で回転させても使用できる。
【0046】 図4Aに示したウェルは、基本的に、その頂部に孔30を有する切頭角錐形の窪
みである。この角錐の土台は四角形である。この角錐の上端の角度は2×54.7°
であり、ウェハ厚dは350 〜650 μm であり、そしてこの角錐の頂部の側長wは
、細胞を収容するスペースを確保するため約30μmである。この角錐の頂部は、
厚さhが約3μmの二酸化ケイ素膜で覆われる。この膜には、直径aが約0.1 〜
10μm、例えば1〜5μmの孔が形成される。
【0047】 一つのウェルまたは複数のウェルを含む構造体は、幾つかの全く異なる方法で
作ることができる。以下には、基本構造体を作るための二つの異なる製造方法、
すなわちオキサイド・ファースト・プロセス及びオキサイド・ラスト・プロセス
の概略をそれぞれ述べる。オキサイド・ファースト・プロセス ・基体全体を覆う3μm厚の湿熱SiO2を成長させる。 ・フォトマスキング及び反応性イオンエッチングによって上記酸化物を貫通しケ イ素製基体にまで届く孔を作ることによって、この基体の底側に孔を定義する 。 ・この基体の両側にエッチングマスクとしてLPCVD 窒化ケイ素を蒸着させる。 ・フォトマスキング及び反応性イオンエッチング及び湿式酸化物エッチング(緩 衝したフッ化水素酸)によって、基体の上側に角錐形基本面を形成するために 窒化物窓を定義する。 ・ケイ素の異方性エッチングによって上記の窓を通して角錐形の窪みをエッチン グする。これにより、54.7°の傾斜を有する角錐側面を作る。 ・高温のH3PO4 を用いて窒化物エッチストップを剥がす。 ・角錐側面を覆うために1μmの湿熱SiO2を成長させ、このバルクシリコンウェ
ハを絶縁する。他のSiO2領域はそれほど成長しない。オキサイド・ラスト・プロセス ・インプランテーションによるドーピングまたはエピタキシャル成長を用いて、 基体の底側のケイ素にエッチストップ層(ホウ素ドーピング)を形成する。こ のエッチストップ層は典型的には約1μm厚である。 ・基体の両側にエッチングマスクとしてLPCVD 窒化ケイ素を蒸着させる。 ・フォトマスキング及び反応性イオンエッチング及び湿式酸化物エッチング(緩 衝されたフッ化水素酸)によって、基体の上側に角錐形基本面を形成するため に窒化物窓を定義する。 ・ケイ素の異方性エッチングによって上記の窓を通して角錐形の窪みをエッチン グする。これにより、54.7°の傾斜を有する角錐側面を作る。エッチングは、 ホウ素ドーピングしたエッチストップの所で停止し、約1μm厚のケイ素膜を 形成する。 ・高温のH3PO4 を用いて窒化物エッチストップを剥がす。 ・フォトマスキング及びケイ素の反応性イオンエッチングによって、底部側に孔 を定義する。 ・湿熱SiO2を成長させ、基体上の全ての場所でケイ素膜を酸化物に転化する。こ のプロセスは、孔の内部にもSiO2を形成させるため孔を縮小させる。すなわち 、フォトリソグラフィーを用いて可能なものより小さくなり得る。 両方の製造方法において、加工中の主な懸念は、最後の高温酸化段階における
、孔を有するSiO2膜の機械的安定性である。表面材料(ここではSiO2) は、場合
によっては、導電性への寄与を防ぐために、窒化ケイ素でコーティングしてもよ
い。
【0048】 この段階で、測定及び基準電極を形成することができる。底側の測定電極は、
標準的な沈着及びフォトリソグラフィー技術を用いて形成することができる。基
準電極は、好ましくは、シャドウマスクを通して導電性材料を蒸発させるか、ま
たは電気泳動レジスト技術の使用により形成される。
【0049】 更に、できれば、基体上でどこか他の場所に上記の漏斗様構造への流入ポート
及び漏斗様構造からの流出ポートを設けて、上記の漏斗様構造に液体を加えるた
めのフローチャネル構造体を基体に作ってもよい。また別の方法では、上記のフ
ローチャネルは、通常のエッチング技術を用いて、基体の上面に適用される他の
基体上に設けられる。
【0050】 上記の各特徴は、好ましくは、図4Bに示されるように(吸引出口32、並びに
測定電極16及び基準電極8への接点)、アッセンブリーの上方から全ての接続入
口及び出口を容易に利用できるように配置される。この好ましいコンフィグレー
ションは、同様であるがただし入口、出口が裏側にあるユニットを該アッセンブ
リーの上面に適用する際にはそれに応じて適合される。
【0051】 該基体が、図2に示すように各試験コンファインメント15をそれぞれ隔離する
ための何らかの手段を提供し得るということも重要である。試験コンファインメ
ントは、好ましくは、ナノリットルレベルの小さい容積を有する。これは、しば
しば高額な試験サンプルの必要量、更に拡散による溶液の混合に要する時間が、
容積が小さくなるほど短縮されることを考慮すると都合がよい。
【0052】 図2Aでは、上記の通り、基体上に疎水性領域26及び親水性部位14を定義する
ための表面材料を用いて試験コンファインメントが定義される。表面が塩溶液等
の水溶液で湿潤(水浸しではない)されている場合は、その液体は親水性領域に
閉じ込められ、それによって試験コンファインメントが定義される。各々の親水
性領域は、電極16を有する幾つかの部位14を含み、そしてまた、より小さな規模
の疎水性領域を含んでいてもよい。
【0053】 図2Bに示す基体上では、試験コンファインメントは、基体表面上に形成され
た区画13によって互いに隔離される。これらの区画は、基体表面をレジストで覆
いそしてフォトリソグラフィを用いてウェル開口部を定義することによって基体
素材上に形成することができる。エッチング段階を経て、残留したレジストを除
去することによって、部位及び電極の形成に用意が整った基体が得られる。
【0054】 図2Cは、実質的な区画を持たない、電極で覆われた基体を示す。この場合、
試験コンファインメントは、窪んだ区画/部屋を持つ構造部17が基体の上面に載
せられることにより定義される。基体と機械的に密に接触させることによって、
上記の構造部は、電極を有する一つまたはそれ以上の部位をそれぞれ保持する密
閉屋を作る。都合が良いなら、図2A及びBに示される基体のいずれかの上面に
も類似の構造部を載せてもよい。
【0055】 図2に示す全ての態様においては、基準電極は、それぞれの試験コンファイン
メント内に配置する必要がある。これは、細胞が電極を覆い隠すことができない
ような部位に電極を配置すること、細胞によって覆い隠されない程の大きさの電
極を用いること、または細胞が全ての電極を覆い隠すことができない程度の数の
細胞を投与することによって実現できる。最後の選択肢は、測定電極のうちの何
れかが基準電極として機能することを可能にする。
【0056】 電極を有する基体の特定の形状に依存して、細胞を支持する液体及び細胞は、
以下の方法のうちの一つによって加えられる。好ましい態様の一つでは、試験コ
ンファインメントは上方から利用することができ、そして支持液及び細胞の液滴
を、計量分配もしくはピペッティング(pipetting) システムによって各々の試験
コンファインメントに供給することができる。インクジェットプリンターヘッド
またはバブルジェット(R)プリンターヘッドなどのシステムを使用することが
できる。他の手段は、nQUAD 吸引式計量分配器または少量の液体を投与するのに
適合された他のあらゆる計量分配/ピペッティングデバイスである。また他の手
法として、支持液及び細胞を基体全体に適用することによって(例えば、細胞を
含有する支持液を基体上に注ぐか、または基体をそれに浸漬する)、各々の試験
コンファインメントに支持液及び細胞を供する。支持液並びに後で加える試験サ
ンプルの体積はナノリットルレベルの少なさであるため、水の蒸発が問題となる
場合も考えられる。それゆえ、特定の体積に依存して、基体上での液体の取り扱
いは、好ましくは、高湿度雰囲気で行うのがよい。
【0057】 試験コンファインメントが密閉室である場合には、これらは、チャネルシステ
ム、即ち微量液体操作システム(microliquid handling system) でしか利用でき
ないであろう。第二構造部17(図2C)を、試験コンファインメントを持つかま
たは持たない基体のいずれかの上に載せるような場合に該当する。この場合は、
支持液及び細胞は、入口チャネル、通常は第二構造部17に定義された入口チャネ
ルを介して供しなければならない。このような第二構造部は、例えばケイ素から
作ることができ、この場合、フローチャネルは標準的なフォトリソグラフィ及び
エッチング技術を用いて形成することができる。このような第二構造部は、本発
明の態様のうちのいずれの物の上面にでも載せることができる。
【0058】 他の態様では、細胞は、成長媒体中に浸漬しながら基体上で直接培養される。
最適なケースでは、細胞は、意図的に細胞の成長に適さないように表面が作られ
ている領域以外の全表面上で均一な単一層を形成する(ただし、成長させる細胞
の種類に依存する)。基体上での細胞の培養が成功するかどうかは、基体材料に
強く依存する。
【0059】 更に別の態様では、細胞の代わりに、イオンチャネルが埋め込まれた人工膜を
使用してもよい。このような人工膜は、アパーチャ上に脂質の小さな塊を置くこ
とによって、脂質の飽和溶液から作ることができる。この技術は、例えば“Ion
Channel Reconstitution”, Christopher Miller, Plenum 1986, p. 577 に詳し
く記載されている。アパーチャサイズが適当でありそして水などの極性の液体が
アパーチャの両側に存在していれば、脂質の二重層がアパーチャ上に形成し得る
。次の段階では、この二重層に蛋白質イオンチャネルを埋め込む。これは、イオ
ンチャネルが埋め込まれた脂質ベシクルを上記二重層の片側に供することによっ
て達成できる。このベシクルは、例えば浸透勾配によって引きつけて上記二重層
と融合させることができ、これによってイオンチャネルがこの二重層中に埋め込
まれる。
【0060】 細胞とガラスピペットとの間の良好な接触を得、それによって細胞とピペット
先端との間にギガシールを形成する方法は従来技術に詳しく記載されている。ピ
ペット先端に細胞を引きつけ並びにギガシールを得るための必要な接触を達成す
るために、通常はピペットを吸引する。
【0061】 図2A〜Cに記載の基体の場合は、吸引は行われず、細胞の位置合わせは他の
手段によって行われる。更に、細胞膜と基体、通常は超純粋シリカとが単に接触
していれば、細胞がその表面と或る程度の結合を為しそしてギガシールを生成す
るのには十分であることが判明した。
【0062】 位置合わせは電気泳動によって行うことができる。この方法では、電極からの
電場が帯電した細胞を電極に引きつける。負に帯電した細胞は正の電極に引きつ
けられ、正に帯電した細胞の場合はその逆である。静電引力は、電極グループの
ための誘導手段としても働く。別の方法として、各試験コンファインメント内に
おいて、電極を取り囲む領域以外の部分で基体表面を疎水性材料26により覆って
もよい。これは図5に示される。それによって、細胞は電極部位14にのみ縛り付
けられ得る。これらの手法の両方を同時にもしくは場合によっては電極周りの基
体表面の適当な幾何的形状と組み合わせて使用して、沈降する細胞を電極の方に
誘導することもできる。
【0063】 他の態様においては、細胞を充填(pack)して基体表面上で細密充填物を作る際
に、部位及び測定電極の密度及びパターンを細胞の密度に近似させるかまたはこ
れより大きいものとする。これによって、十分な数の細胞が供給された際に、更
に別の誘導手段を用いることなく、少なくとも一つの電極が細胞によって覆われ
ることが保証される。
【0064】 図4Aに示す態様においては、支持液中の一つまたはそれ以上の細胞2を使用
し、これは漏斗構造体の底端部に沈む。これが幾何的形状により位置合わせをす
る例の一つである。吸引すると、これは細胞をアパーチャ30に引きつけそして細
胞とアパーチャとの間の接続を確立し、アパーチャ内部と溶液とを隔離するギガ
シールを形成する。このギガシールは、どのような形でも取ることができ、例え
ば円形、楕円形または矩形であることができる。支持液は、細胞膜と基準電極と
の間の電気的な接触をもたらす。細胞は吸引作用により変形されてもよく、細胞
がアパーチャ内部にまで延びるような状況も制御下であれば望ましい場合もある
【0065】 各々の試験コンファインメントは好ましくは幾つかの電極部位を有する。電極
が細胞によって覆われそしてギガシールによって絶縁されたかどうかを検査する
ためには、各電極間または電極と基準電極との間の漏れ電流を測定する。試験コ
ンファインメントが数多くの電極を含み得るとしても、ギガシールによって絶縁
された電極を調べるのは単純な作業に過ぎず、すなわちコンピューターで処理す
るのに適した作業である。
【0066】 図6及び7は、一つの試験コンファインメントにおける電極16がn×m(この
場合は3×3)のマトリックスを形成している、上記手法を行うための手段を提
案する。電極接続線18は基体上の接点20(No.1〜9) の列びに接続され、この際
、これらの接点は、電流測定手段を用いてコンピュータによりそれぞれ独立して
アドレスすることができる。ギガシールされた電極のリストは、図7の流れ図に
示した簡単な方法を用いて作成することができる。先ず(1) では、電極のマトリ
ックスにおける全てのデータ入力を完了するための二つのループが確立される。
(2) では、マトリックスのn×m列を展開し、電極接点の独立アドレッシング(3
) に電極接点番号N(No.1〜9)を与える。接点Nと基準電極8、すなわち接点
No.0との間に加えられた電圧での電流を測定し(4) 、そして電極がギガシールさ
れたかどうかを調べるために、その値を閾電流Ithreshold と比較する(5) 。ギ
ガシールであることが確認されたら、その接点番号を適合電極リストに加える(6
) 。このリストに記載された電極から測定電極が選択される(7) 。この手法は、
適合電極の相対位置n,mに関しての情報も与える。この情報は、(7) において
最適な測定電極を選択する際に使用することができるが、これは省略することも
でき、この場合は、各々の電極は単にその接点番号Nによって識別されることに
なる。通常は、一つの試験コンファインメント当たり一つの電極だけが選択され
る。
【0067】 これらのチャネルの活性は電気的に測定することができ(単一チャネル記録)
、または別の方法として、パッチを破って全細胞膜のチャネル活性の測定を行う
こともできる(全細胞記録)。全細胞測定を行うための細胞内部への高コンダク
タンスアクセスは、少なくとも3つの異なる方法で得ることができ(全ての方法
が実行可能であるが、様々な細胞には、それぞれ異なったアプローチを用いた方
がよい場合がある)。 a) 図4Aに示した態様では、アパーチャ側から吸引することによって膜を破る
ことができる。これは、短いパルスの形での減圧をその強度を高めながら繰り返
すか、あるいは単発の漸増的な減圧をその強度を高めながら繰り返すか、または
階段状に減圧していくことによって行われる。膜が破れたかどうかは、所定の電
圧試験パルスに応答して容量(capacitative)電流スパイクが顕著に上昇(全細胞
膜キャパシタンスを反映する)することから検知される。 b) 電圧パルスを加えることによって膜を破る。電圧パルスは、各電圧間で、次
第に強度(mV 〜V)及び継続時間(u〜msec) を増大及び長くしながら短いパルスの
形で加えるか、あるいは単発の漸増的な電圧パルスの印可をその強度を高めなが
ら繰り返すか、または階段状に次第に高めて電圧パルスを印可する。典型的な細
胞の膜を形成する脂質は、上記電圧パルスからの強い電場強度によって影響を受
け、それによって膜は電極付近で崩壊する。膜が破れたかどうかは、所定の電圧
試験パルスに応答して容量電量スパイクが著しく上昇することから検知される。
c) 膜の透過化。造孔性物質(例えば、ナイスタチンまたはアンホテリシンBな
どの抗生物質)を、例えばこれらを部位に予め沈着しておくことによって使用す
る。膜を破ると言うよりはむしろ、透過化分子が組み入れられることによって膜
の抵抗が選択的に低減され、それにより電極対を介して効果的な細胞電位の制御
が得られる。透過性分子を組み入れた後には、全抵抗が徐々に低下しそしてキャ
パシタンスが増大する。
【0068】 この段階で、各々細胞を保持する幾つかの電極を有する基体の用意が整い、選
択された細胞がそれらの各々の電極の周りにギガシールを形成し、それによって
電極が細胞膜中のイオン移動チャネルの電気生理学的特性を測定することが可能
になる。これが本発明の主な特徴であり、すなわち電気生理学的な実験を行うた
めに、用意された複数のサンプル細胞を利用できる。更に、各々の細胞は、細胞
の独立した試験を可能にするために閉じ込められる。
【0069】 以下、残りの説明は、このように用意された基体の使用法に関する。
【0070】 試験サンプルは、各々の試験コンファインメントに個別に加えなければならな
い。この際、各々の試験コンファインメントにはそれぞれ異なる試験サンプルが
加えられる。これは、上に述べた支持液の使用法を用いて行うことができるが、
但し支持液を基体全体に掛ける方法はこの場合除かれる。
【0071】 測定コンフィグレーションに細胞を置けば、幾つかの電気生理学的特性、例え
ばイオンチャネル中を流れる電流(電位固定)またはイオンチャネル含有膜のキ
ャパシタンスなどを測定することができる。いずれの場合にも、適当な電子測定
回路を用意するべきである。当業者ならば、このような測定回路として適したも
のを選択することができる。電位固定測定に適したこのような可能な回路の一つ
は、図1の参照の下に上に説明した。
【0072】 電位固定測定の場合は、細胞膜中のイオン移動チャネルによって流れる電流は
、典型的にはpA〜μA(ピコアンペア-10 -12 A)のオーダーでの、溶液(基
準電極)から測定電極への荷電の移動をもたらす。これらの電流を測定するため
には低雑音増幅器を用意する。該電子回路は、二つの電極に接続し及びできるな
ら薬剤投与用のフローチャネルを備える別個の標準的なユニットに統合すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 上記の通り、電位固定測定に典型的な公知の電子回路の図を示す。
【図2】 細胞膜または人工膜を保持するための電極を有する部位を持つ基体
の例を図示したものである。
【図3】 A〜Dは、本発明の基体の様々な態様の断面側面図を示し、ウェハ
加工技術(付着/フォトリソグラフィ/エッチング技術)で製造された様々な層
を表す。
【図4】 Aは、細胞膜または人工膜を保持するための電極を有する部位を持
つ基体の他のデザインの断面側面図を示し、 Bは、Aの構造の平面図を示す。
【図5】 疎水性材料の領域によって囲まれた部位の近接図である。
【図6】 接点の並びに接続された電極列を有する試験コンファインメントを
示す。
【図7】 細胞が、例えば電極の周りに、基体とギガシールを形成したかどう
かを調べるための手順のフロー図を示す。
【符号の説明】
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年12月24日(2001.12.24)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN,YU, ZA,ZW (72)発明者 テレマン・ピーター デンマーク国、リュンビュ、ビルディング 345 イースト、ディーティーユー、 ザ・テクニカル・ユニバーシティー・オ ブ・デンマーク、ミクロエレクトローニ ク・セントレット (72)発明者 ハンセン・オーレ デンマーク国、リュンビュ、ビルディング 345 イースト、ディーティーユー、 ザ・テクニカル・ユニバーシティー・オ ブ・デンマーク、ミクロエレクトローニ ク・セントレット (72)発明者 クリストファーセン・パッレ デンマーク国、バレルップ、ペデルストル プベイ 93、ニューロサーチ・アクティー ゼルスカブ (72)発明者 ベヒ・モルテン デンマーク国、バレルップ、ペデルストル プベイ 93、ソフィオン・バイオサイエン ス・アクティーゼルスカブ (72)発明者 オーレセン・セーレン・ペーター デンマーク国、バレルップ、ペデルストル プベイ 93、ニューロサーチ・アクティー ゼルスカブ (72)発明者 ドゥエ・イェルゲン デンマーク国、バレルップ、ペデルストル プベイ 93、ソフィオン・バイオサイエン ス・アクティーゼルスカブ (72)発明者 トムセン・ラルス デンマーク国、バレルップ、ペデルストル プベイ 93、ソフィオン・バイオサイエン ス・アクティーゼルスカブ Fターム(参考) 2G045 CB01 FA34 GC20 2G060 AA06 AC02 AD06 AE40 AF01 AF04 AF08 AG03 FA01 HC13 HC19 KA09

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一の表面部と反対側にある第二の表面部とを有する平坦な
    基体であって、上記第一の表面部は、イオンチャネル含有構造体を保持するよう
    にそれぞれ適合された複数の部位を有し、各々の部位はそれに付随する測定電極
    を有し、上記基体は一つまたはそれ以上の基準電極を有し、上記測定電極及び各
    々の基準電極もしくは複数の基準電極は、互いに電解質を介して接続されそして
    それらの間に電位差が加えられた際に、一方の電極からのイオンの引き渡し及び
    他の電極によるイオンの受領によりそれらの間に電流を発生することができる電
    極であり、上記部位のそれぞれは、その部位に保持されたイオンチャネル含有構
    造体とこの部位の表面部との間に高電気抵抗シールを供するように適合されてお
    り、このシールは、供された際に、イオンチャネル含有構造体の一つの面上に定
    義されかつ測定電極と電解質を介して接続しているドメインを、このイオンチャ
    ネル含有構造体の他の面上に定義されかつ各々の基準電極と電解質を介して接続
    しているドメインから隔離し、それによって上記電極の間で上記イオンチャネル
    含有構造体のイオンチャネル中を流れる電流を測定及び/または監視することが
    でき、そして上記電極は上記基体に統合されており及びウェハ加工技術により形
    成されたものである、上記基体。
  2. 【請求項2】 基体がケイ素製の基体であり、高電気抵抗シールを供すべき
    部位表面部がシリカ製の表面部であり、そして電極が、沈着/フォトリソグラフ
    ィ/エッチングプロセスを含む方法によって形成されたものである、請求項1の
    基体。
  3. 【請求項3】 複数の部位が基体の第一の表面部上に列を成して配置されて
    いる、請求項1または2の基体。
  4. 【請求項4】 部位の列が少なくとも9個の部位を含む、請求項3の基体。
  5. 【請求項5】 測定電極及び基準電極が、銀/ハロゲン化銀電極である、請
    求項1〜4のいずれか一つの基体。
  6. 【請求項6】 測定電極及び基準電極が、銀/塩化銀電極である、請求項5
    の基体。
  7. 【請求項7】 疎水性材料の第一の層を基体表面にまたはその上に含み、こ
    の第一の層は基体表面の一部しか覆わない、請求項1〜6のいずれか一つの基体
  8. 【請求項8】 一つまたはそれ以上の部位が、上記第一の層によって覆われ
    ていない基体表面の一部内に設けられている、請求項7の基体。
  9. 【請求項9】 基体中にまで延びかつ上記第一の表面部に定義されたウェル
    開口部を有する一つまたはそれ以上のウェルを含み、これらのウェルはそれぞれ
    底面部と側部を有し、そして上記第一の表面部の部位のうちの少なくとも一部は
    上記ウェルの底面部内に設けられてる、請求項1〜8のいずれか一つの基体。
  10. 【請求項10】 ウェルが、フォトリソグラフィ/エッチングプロセスを含
    む方法によって形成されたものである、請求項9の基体。
  11. 【請求項11】 基体がケイ素製の基体であり、そしてウェルが切頭角錐と
    して成形されており、その底面がウェル開口部によって構成されそしてその側部
    が54.7°の傾斜を有する、請求項10の基体。
  12. 【請求項12】 基準電極が各々のウェルの側部に配置されている、請求項
    9〜11のいずれか一つの基体。
  13. 【請求項13】 各々の部位に付随する測定電極が各々各自の部位に配置さ
    れている、請求項1〜12のいずれか一つの基体。
  14. 【請求項14】 部位における測定電極が、高電気抵抗シールを供すべき部
    位表面部内に配置されている、請求項13の基体。
  15. 【請求項15】 部位における測定電極が、基体中に埋め込まれており、そ
    して高電気抵抗シールを供すべき部位第一表面部と実質的に同一平面上にある表
    面部を有する、請求項14の基体。
  16. 【請求項16】 部位における測定電極が、基体中に埋め込まれており、そ
    して高電気抵抗シールを供すべき部位の第一表面部から下に引っ込んでいる表面
    部を有する、請求項14の基体。
  17. 【請求項17】 測定電極の引っ込んだ上記表面部と、高電気抵抗シールを
    供すべき部位第一表面部とが制限された容積をもたらし、この容積は、少なくと
    もその一部分が造孔性物質によって満たされている、請求項16の基体。
  18. 【請求項18】 各々の部位において、第一表面部と第二表面部とを繋ぐ通
    路を定義し、この通路は、高電気抵抗シールを供すべき部位表面部内に位置して
    いる、請求項1〜13のいずれか一つの基体。
  19. 【請求項19】 通路の横断寸法が1〜5μmである、請求項18の基体。
  20. 【請求項20】 各々の部位に付随する測定電極が、基体の上記反対側にあ
    る第二表面部に配置されている、請求項18または19の基体。
  21. 【請求項21】 各々の部位に付随する測定電極が、各々の部位に定義され
    る通路の開口部に隣接して配置されている、請求項20の基体。
  22. 【請求項22】 各々の部位において、そのそれぞれの測定電極と及び基準
    電極もしくは複数の基準電極のうちの一つと接続している電子回路を、上記電極
    間でイオンチャネル中を流れる電流の特有の関数である増幅されたシグナルを生
    成するために更に含む、請求項1〜21のいずれか一つの基体。
  23. 【請求項23】 一つまたはそれ以上のイオンチャネル含有構造体の一つま
    たはそれ以上のイオンチャネルの電気生理学的特性を測定及び/または監視する
    ための全細胞測定コンフィグレーションを確立する方法であって、 ・ 請求項1に定義するような基体を用意し、 ・ 一つまたはそれ以上のイオンチャネル含有構造体を含むキャリア液を一つま たはそれ以上の部位に供給し、 ・ 上記イオンチャネル含有構造体の少なくとも一つを対応する数の部位に位置 させ、 ・ 部位に付随する測定電極と基準電極との間に第一の電位差を連続的に加え、 上記測定電極と上記基準電極との間に流れる第一の電流を監視し、そして上 記の第一の電流を所定の閾電流と比較し、そしてこの第一の電流がせいぜい 大きくとも上記所定の閾電流と等しくなる程度なら、この部位を、イオンチ ャネル含有構造体と上記部位の表面部との間に許容可能なシールを有するも のとして承認することによって、部位に保持されたイオンチャネル含有構造 体と、高電気抵抗シールを供すべき部位表面部との間の高電気抵抗シールを 調べ、そして 承認された部位において全細胞コンフィグレーションを確立する段階を含み 、 それによって、測定電極と基準電極との間でイオンチャネル含有構造体のイ オンチャネル中を流れる第三の電流を測定及び/または監視することができ る、 上記方法。
  24. 【請求項24】 承認された部位で全細胞コンフィグレーションを確立する
    段階が、各々の承認された部位に付随する測定電極と基準電極との間に、一連の
    第二電位差パルスを加え、上記測定電極と上記基準電極との間に流れる第二の電
    流を監視し、そして上記第二の電流が所定の閾値を超える度に上記の一連の第二
    電位差パルスを中断し、それによってイオンチャネル含有構造体の測定電極に最
    も近い部分を破ることを含む、請求項23の方法。
  25. 【請求項25】 承認された部位において全細胞コンフィグレーションを確
    立する段階が、イオンチャネル含有構造体の測定電極に最も近い部分を、造孔性
    物質との相互作用に付すことを含む、請求項23の方法。
  26. 【請求項26】 各々の部位に付随する測定電極がそれぞれ各自の部位に配
    置され、そして一つまたはそれ以上の部位にイオンチャネル含有構造体の少なく
    とも一つを位置させる段階が、イオンチャネル含有構造体または複数のイオンチ
    ャネル含有構造体を少なくとも一つの測定電極に向けて移動させそしてイオンチ
    ャネル含有構造体を部位に位置させるための電場を発生させるために、一つまた
    はそれ以上の測定電極と一つまたはそれ以上の基準電極との間に第三の電位差を
    加えることを含む、請求項23〜25のいずれか一つの方法。
  27. 【請求項27】 基体が、各々の部位において、第一表面部及び第二表面部
    を繋ぐ通路を定義し、この通路は、高電気抵抗シールを供するべき部位表面部の
    中央部に実質的に位置し、そして一つまたはそれ以上の部位に一つまたはそれ以
    上のイオンチャネル含有構造体を位置させる段階が、選択された部位の通路の内
    部容積を吸引して、この通路の方にイオンチャネル含有構造体を誘導するために
    この通路中を流れるキャリア液の流れを発生させる段階を含む、請求項23〜25の
    いずれか一つの方法。
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