JP2004271331A - 細胞外電位測定デバイスおよびその製造方法 - Google Patents

細胞外電位測定デバイスおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来の細胞外電位測定デバイスでは被験体細胞を保持する窪みの内に被験体細胞が確実に固定されているかどうかを容易に判断することが困難であった。
【解決手段】基板1の一面側にダイアフラム2を設け、このダイアフラム2のいずれかの面に第一の窪み3を設け、この第一の窪み3に貫通孔4を設け、この貫通孔4の前記第一の窪み3と反対側の開口部に第二の窪み6を設け、この第二の窪み6の一部に検出電極5a、5bを設けることにより、培養液のイオン濃度を効率よく測定することができる細胞外電位測定デバイスを実現することができる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は細胞外電位あるいは細胞の活動に発生する物理化学的変化を測定するために用いられる細胞外電位測定デバイスおよびその製造方法であり、例えば化学物質によって細胞が発する反応を検出する薬品スクリーニングに用いられる。
【0002】
【従来の技術】
従来、細胞の電気的活動を指標にして薬品をスクリーニングすることはパッチクランプ法、蛍光色素または発光指示薬を用いる方法により行われている。
【0003】
このパッチクランプ法はマイクロピペットの先端部分に付けた細胞膜の微小部分(パッチと呼ぶ)を用いて、単一のチャネルタンパク質分子を介するイオンの輸送を微小電極プローブによって電気的に記録する方法であり、この方法は一個のタンパク質分子の機能をリアルタイムで調べることのできる数少ない方法の一つである(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
また、特定のイオンの濃度変化に応じて光を発する蛍光色素または発光指示薬により、細胞内のイオンの移動をモニタすることで細胞の電気的活動を測定する方法もある。
【0005】
しかし、パッチクランプ法はマイクロピペットの作成および操作に特殊な技術を必要とし、一つの試料の測定に多くの時間を要することから大量の薬品候補化合物を高速でスクリーニングする用途には適していない。
【0006】
また、蛍光色素などを利用する方法は大量の薬品候補化合物を高速でスクリーニングすることができる。しかしながら細胞を染色する工程が必要になるとともに、用いる色素の影響により測定時に検出されるバックグラウンド・レベルが高くなってしまったり、時間とともにこの色素が脱色するためにS/N比が悪くなるという欠点がある。
【0007】
これに代わる方法として、細胞の保持手段を有した基板およびこれに設けられた電極によって細胞外電位を測定するデバイスも発明者らのグループにより提案されている(例えば、特許文献1参照)。この方法はパッチクランプ法で得られるデータと同等の高品質なデータが得られ、しかも蛍光色素を用いる方法のように簡易に高速で大量の試料を測定できるものであり、基板上に設けられた細胞の保持手段を有する少なくとも一つのウエルと、このウエルに電気信号を検出するセンサー手段とを有する細胞外電位あるいは細胞が発する物理化学的変化を測定するものである。
【0008】
上記特許文献1で開示される細胞外電位測定デバイスの動作について図面を用いて詳細に説明する。
【0009】
図19は上記特許文献1で開示される細胞外電位測定デバイスのウエル構造を模式断面図で示したものであり、ウエル40内に培養液48が入れられ、被験体細胞47は基板42に設けられた細胞保持手段によって捕捉または保持されている。細胞保持手段は基板42に形成された窪み41および開口部を介してこの窪み41に連絡する貫通孔44を備えた構成となっている。
【0010】
さらに、貫通孔44の中にはセンサー手段である測定電極45が配置されており、この測定電極45は配線を経て信号検出部に連結されている。
【0011】
そして、測定の際には被験体細胞47を貫通孔44側から吸引ポンプなどの手段により、この被験体細胞47が窪み41部分に密着保持される。このようにして被験体細胞47の活動により発生する電気信号はウエル40中の培養液48側に漏れることなく、貫通孔44側に設けた測定電極45によって検出される。
【0012】
ここで、被験体細胞47を保持する窪み41の大きさは10〜30μm程度であり、貫通孔44側の大きさが1〜5μmと2段階にする必要がある。この形状を正確に実現するためには2種類のマスクを用いる必要があり、第一のマスクによりドライエッチングを行って窪み41を形成した後、第二のマスクによってドライエッチングを行って貫通孔44を形成する必要があった。
【0013】
【非特許文献1】
「細胞の分子生物学、第三版」、Garland Publishing Inc.、New York、1994、日本語版、中村桂子ら監訳、181〜182頁、1995年、教育社
【特許文献1】
WO02/055653号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような細胞外電位測定デバイスにおいて問題となるのは、被験体細胞47を窪み41内に保持するためにウエル40側から加圧もしくは貫通孔44の下側を減圧にすることが行われる。このとき、同時に貫通孔44の窪み41側に培養液48が圧力差によって導入されることにより測定電極45と接触することが必要である。この上下の圧力差を適当な値とすることで、培養液48は貫通孔44の出口側でメニスカス形状を形成することにより安定することができる。
【0015】
しかしながら、図19に示すような直線的な貫通孔44の出口側の形状ではメニスカス形状を形成することができる適当な圧力差の値は狭い範囲でしかなかった。
【0016】
すなわち、最適な圧力差からわずかでも外れると、メニスカス形状が破壊されて培養液48の容量を一定にすることができないという問題があった。また被験体細胞47が窪み41の中に保持され、さらに貫通孔44を覆うように細胞膜が密着しているかどうかを調べる手段がなかった。
【0017】
さらに別の問題として、前述のように2種類のマスクを用いて行うと第一のマスクによるドライエッチングを行った後、第二のマスクを用いてドライエッチングを行う際にマスクのアライメントずれが生じ、さらに2枚のマスクを用意してフォトリソグラフィをそれぞれ別々に行うことから製造的にも手間がかかり、コスト高を招くことがあった。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の請求項1に記載の発明は、基板の一面側にダイアフラムを設け、このダイアフラムを構成するいずれかの面に少なくとも一つ以上の曲面からなる第一の窪みを設け、この第一の窪みに貫通孔を設け、この貫通孔の前記第一の窪みと反対側の開口部に少なくとも一つ以上の曲面からなる第二の窪みを設け、この第二の窪みの一部に検出電極を設けた細胞外電位測定デバイスであり、貫通孔内の培養液は第二の窪み内で表面張力によって維持されるので、培養液が不用意に外部に飛び出すことが無く、測定が安定する細胞外電位測定デバイスを実現することができる。
【0019】
本発明の請求項2に記載の発明は、第一の窪みに貫通孔を少なくとも2つ以上設け、これらの貫通孔の前記第一の窪みと反対側の開口部に第二の窪みを設けた請求項1に記載の細胞外電位測定デバイスであり、被験体細胞が第一の窪み内の複数の貫通孔のうちいずれかを細胞膜によって覆うと、その貫通孔からの信号によって細胞外電位を測定することができる。つまり、複数の貫通孔にすることで被験体細胞が第一の窪み内に保持された場合において、より確実に貫通孔を覆うようになるのでより確実な細胞外電位の測定が可能になる細胞外電位測定デバイスを実現することができる。
【0020】
本発明の請求項3に記載の発明は、第二の窪みに少なくとも2つの検出電極を設けた請求項1に記載の細胞外電位測定デバイスであり、同じ貫通孔および第二の窪みに複数の検出電極が設けられているので、この検出電極間の抵抗値を測定することで、貫通孔内の培養液のイオン濃度変化を測定することができる細胞外電位測定デバイスを実現することができる。
【0021】
本発明の請求項4に記載の発明は、第二の窪みに検出電極を設けた請求項2に記載の細胞外電位測定デバイスであり、同じ第一の窪み内に2つ以上の貫通孔および第二の窪みおよび検出電極が設けられているので、検出電極間の抵抗値を測定することで、被験体細胞が貫通孔を覆っているかどうかを判断することができる細胞外電位測定デバイスを実現することができる。
【0022】
つまり、細胞膜がいずれの貫通孔も覆っていない場合は、培養液によって貫通孔どうしは導通しているため抵抗値は低いが、いずれかあるいは両方の貫通孔が細胞膜によって覆われている場合には、貫通孔どうしの抵抗値は大きなものとなる。これによって、被験体細胞の保持時に貫通孔を確実に細胞膜が覆っているかどうかが判断できる。
【0023】
本発明の請求項5に記載の発明は、貫通孔の形状が矩形あるいはU字形もしくはこれらの組み合わせである請求項1〜4のいずれか一つに記載の細胞外電位測定デバイスであり、貫通孔が矩形となることで、円形状に比べて狭い幅の貫通孔とすることができる。
【0024】
このことにより、被験体細胞が貫通孔内に不用意に引き込まれることなく、第一の窪み内にとどまりながら貫通孔を細胞膜が覆うことができるようになることから測定が確実にできる細胞外電位測定デバイスを実現することができる。
【0025】
また、被験体細胞の形状が楕円球状に変形しやすい場合は、貫通孔を矩形にすることで第一の窪みの形状を楕円球状に容易にすることができる。
【0026】
さらに、矩形の長さは円形の貫通孔に比べて長くなるので、同一の貫通孔に2つ以上の検出電極を形成することが容易であるという製造上の利点も有する。
【0027】
さらに、貫通孔がU字形の場合では、上記と同様の効果が得られる上外形が丸くなっているために第一の窪みをより球形にしたい場合において、容易に実現できるという製造上の利点を有する。つまり、矩形の場合は、矩形の貫通孔を中心とする第一の窪みは楕円球形状になるが、U字の場合は貫通孔の開口部を中心に集めることができるので、第一の窪みがより球に近い形になるのである。
【0028】
本発明の請求項6に記載の発明は、基板がシリコンである請求項1〜5のいずれか一つに記載の細胞外電位測定デバイスであり、ダイアフラム、窪み、貫通孔をドライエッチングにより高精度に形成した細胞外電位測定デバイスを実現することができる。
【0029】
本発明の請求項7に記載の発明は、基板がSOI基板である請求項1〜5のいずれか一つに記載の細胞外電位測定デバイスであり、より高精度で生産性に優れた細胞外電位測定デバイスを実現することができる。
【0030】
本発明の請求項8に記載の発明は、第一の窪みの開口部の寸法が10〜100μmであり、貫通孔の最小開口径もしくは幅が1〜10μmであり、第二の窪みの開口部の寸法が5〜10μmである請求項1〜7のいずれか一つに記載の細胞外電位測定デバイスであり、このような形状は数〜数十μmの被験体細胞が効率的に第一の窪み内に保持することができる細胞外電位測定デバイスを実現することができる。
【0031】
本発明の請求項9に記載の発明は、基板の一面側にダイアフラムを設け、このダイアフラムを構成するいずれかの面に少なくとも一つ以上の曲面からなる第一の窪みを設け、この第一の窪みに貫通孔を設け、この貫通孔の前記第一の窪みと反対側の開口部に第二の窪みを設け、この第二の窪みの一部に検出電極を設けた細胞外電位測定デバイスの製造方法であって、基板の他面側からエッチングによって前記ダイアフラムを形成する工程と、このダイアフラムを構成するいずれかの面の上に1枚のフォトマスクを用いてレジストマスクを形成する工程と、ドライエッチングによって前記第一の窪み、貫通孔、第二の窪みの順に形成する工程と、この第二の窪みに薄膜形成技術により検出電極を形成する工程からなる細胞外電位測定デバイスの製造方法であり、1枚のフォトマスクによってレジストマスクを形成することから、第一の窪み内の正確な位置に貫通孔および第二の窪みを形成できる。
【0032】
本発明の請求項10に記載の発明は、レジストマスクのエッチングホールの形状を所望とする貫通孔の形状とほぼ同じになるようにした請求項9に記載の細胞外電位測定デバイスの製造方法であり、第一の窪みおよび貫通孔の大きさは被験体細胞の大きさによって決められるものであるがフォトマスクで形成するエッチングホールは必要とする貫通孔の大きさにしておくことにより、第一の窪みの大きさは貫通孔の大きさ以上であれば自由に決めることができるので、第一の窪み、貫通孔および第二の窪みの形状をより容易に形成することができる。
【0033】
本発明の請求項11に記載の発明は、エッチングを促進するガスのみを用いて第一の窪みを形成し、エッチングを抑制するガスとエッチングを促進するガスの2種類を用いて貫通孔を形成し、エッチングを促進するガスのみを用いて第二の窪みを形成する請求項9に記載の細胞外電位測定デバイスの製造方法であり、第一の窪みおよび貫通孔および第二の窪みの形状を容易に形成することができる。
【0034】
本発明の請求項12に記載の発明は、基板を異なる方向に少なくとも2回以上傾けてそれぞれエッチングを行うことにより、第一の窪みに少なくとも2つ以上の貫通孔および第二の窪みを形成する請求項9に記載の細胞外電位測定デバイスの製造方法であり、これにより貫通孔および第二の窪みを第一の窪み内に複数設けることができる。
【0035】
本発明の請求項13に記載の発明は、基板がシリコンよりなる細胞外電位測定デバイスの製造方法であって、エッチングを促進するガスがSF、CF、XeFのうちいずれか一つを含むガスを用い、エッチングを抑制するガスがC、CHFのいずれかまたはこれらを含むガスを用いる請求項11に記載の細胞外電位測定デバイスの製造方法であり、所望とする形状を効率良く得ることができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の細胞外電位測定デバイスおよびその製造方法について実施の形態および図面を用いて説明する。
【0037】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1および図1〜図18により請求項1〜13に記載の発明について説明する。
【0038】
図1は本発明の実施の形態1における細胞外電位測定デバイスを示す斜視図であり、図2は同断面図であり、図3は貫通孔の周辺部の拡大図であり、図4は本発明の細胞外電位測定デバイスの動作を説明するための要部拡大断面図である。また図5〜図10は細胞外電位測定デバイスの製造工程を説明するための断面図であり、図11は別の細胞外電位測定デバイスの構成を示す断面図であり、図12は図11の貫通孔周辺部の拡大断面図である。さらに、図17、図18は他の細胞外電位測定デバイスの構成例を示す斜視図である。また図13〜図16は図11に示す細胞外電位測定デバイスの製造方法を説明するための断面図である。
【0039】
次に、本発明の細胞外電位測定デバイスの構成について説明する。
【0040】
図1〜図3において、基板1はシリコンで形成されており、基板1の一面側にはダイアフラム2が形成されている。このダイアフラム2の材質は基板1と同じシリコンであり、厚みは約25μmである。3は第一の窪みであり、半球形の曲面で構成されており、開口部の大きさは約20μmである。第一の窪み3には貫通孔4がダイアフラム2を貫通するごとく形成されている。この貫通孔4は第一の窪み3の最深部に位置する箇所に設けられており、この貫通孔4は円もしくは楕円形状をしており、円または楕円の長径が約5μmである。
【0041】
また貫通孔4の第一の窪み3の反対側の開口部には第二の窪み6が形成されており、ダイアフラム2の下面側において図3の貫通孔4の周辺部の拡大図に示すように、金を主体とする検出電極5a、5bが第二の窪み6の開口部に近接して形成されている。
【0042】
次に、図面を用いて本発明の細胞外電位測定デバイスの動作について説明する。
【0043】
まず、培養液の物理化学的変化を検出する手順に付いて説明する。
【0044】
図4はダイアフラム2において第一の窪み3、貫通孔4、第二の窪み6、検出電極5a、5bが形成された箇所の拡大断面図である。図4に示すように、ダイアフラム2の上部を培養液7で満たすと、第一の窪み3、貫通孔4は培養液7によって順に満たされる。
【0045】
そこで、ダイアフラム2の上部空間を加圧、もしくはダイアフラム2の下部空間を減圧にすると培養液7は貫通孔4から外方へ飛び出すが、加圧あるいは減圧を適度な値にすると第二の窪み6の先端においては開口部より培養液7がメニスカス形状を形成して定常状態となる。
【0046】
これにより、培養液7は検出電極5aおよび5bに安定的に接触することになる。検出電極5aと5bは図3でも明らかなように、電気的には絶縁された箇所に形成されている。しかしながら、培養液7が第二の窪み6からメニスカス形状によって検出電極5a、5bに接触することにより、電解質である培養液7を介して、両者の電気的接続が行われるのである。ここで検出電極5a、5b間の抵抗値は培養液7のイオン濃度と関係している。
【0047】
つまり、培養液7のイオン濃度の変化は検出電極5a、5b間の抵抗値の変化によって検出することができるのである。さらに、この抵抗値を測定すれば培養液7が第二の窪み6において適当なメニスカスを形成しているかどうかがわかる。その理由はメニスカスが不十分であれば検出電極5a、5bへの接触も不十分となり、抵抗値が大きな値を示すからである。
【0048】
ここで、第二の窪み6が設けられていることにより貫通孔4の出口側は直線的な形状ではなく、垂直な部分と第二の窪み6の曲面で構成される段差を持った形状である。
【0049】
このような構造とすることによって培養液7は貫通孔4を通過した後、第二の窪み6内でメニスカスを形成しやすくなる。これは第二の窪み6が曲面であるために培養液7の表面張力が増大し、上下に多少の圧力差の変動が発生しても、圧力均衡が保たれるためである。
【0050】
つまり、一度メニスカス形状が形成されると多少の圧力変動が発生しても、第二の窪み6を設けることにより培養液7のメニスカス形状が安定するという特有の効果を発揮することができる。この現象は流体力学用の有限要素法解析によって確認した。このメニスカス形状が安定であるということは貫通孔4、第二の窪み6内の培養液7の容量が安定することになり、より安定した測定が可能である。
【0051】
さらに、検出電極5a、5bは第二の窪み6内にまで形成されているので、培養液7のメニスカス形状によって培養液7との接続が容易に安定して行われるという利点も有する。
【0052】
次に、被験体細胞の細胞外電位あるいは細胞が発する物理化学的変化を測定する手順について説明する。
【0053】
図4に示すように、被験体細胞8を培養液7と共に投入し、ダイアフラム2の上部空間を加圧もしくはダイアフラム2の下部空間を減圧すると、被験体細胞8および培養液7は共に第一の窪み3の内へ引き込まれる。
【0054】
ここで、第一の窪み3は曲面で構成されているので、被験体細胞8を保持するためにより効率的な形状となっている。
【0055】
さらに、被験体細胞8が第一の窪み3の内に保持された後に培養液7が第二の窪み6の開口部で適当なメニスカスを形成するように上下の圧力を調整する。このときには前述のように検出電極5a、5b間の抵抗値を測定しながら圧力調整を行うことができる。
【0056】
また、被験体細胞8を第一の窪み3の内で貫通孔4の開口部を塞ぐように保持した後は被検体細胞8への刺激となりうる行為を施す。この刺激の種類としては、例えば化学薬品、毒物などの化学的な刺激に加え、機械的変位、光、熱、電気、電磁波などの物理的な刺激などがある。
【0057】
そして、前記被験体細胞8がこれらの刺激に対して活発に反応する場合、被験体細胞8は細胞膜が保有するイオンチャネルを通じて各種イオンを放出あるいは吸収する。この反応は被験体細胞8が培養液7と接している箇所において起こり、貫通孔4の内および第二の窪み6の培養液7と被験体細胞8の間でもイオン交換が行われる。
【0058】
この結果として、貫通孔4の内および第二の窪み6の内の培養液7のイオン濃度は変化するので、検出電極5a、5bによってその変化を検出することができるようになる。
【0059】
なお、ここでは検出電極は5a、5bの2つの電極を形成したが、検出電極は一つでも測定は可能である。その方法はダイアフラム2の上部を満たす培養液7と同電位の参照電極(図示せず)と第二の窪み6の近傍に設けた単体の検出電極との間の電圧を測定することにより、貫通孔4の内および第二の窪み6の内のイオン濃度の変化を測定することができるので被験体細胞8の細胞外電位あるいは細胞が発する物理化学的変化を測定することができる。
【0060】
なお、イオン濃度の変化は抵抗値だけではなく、電流値、電荷量、電位などの別の物理量を測定することでも測定可能である。
【0061】
また、別の例として図11、図12に示すように、貫通孔9a、9bは第一の窪み3の内の最深部より上部に設けられ、ダイアフラム2の厚み方向に対して45°の角度で傾けて構成している。このような構成にすることによって貫通孔9a、9bとして第一の窪み3の内に複数個設けることが可能であり、さらにこの貫通孔9a、9bのそれぞれに第二の窪み10a、10bを構成することができる。
【0062】
この場合、図12に示すように金を主体とする検出電極11a、11bをそれぞれの第二の窪み10a、10bに設けることによって、前記第二の窪み10a、10bが一つの場合と同様にダイアフラム2の上部を培養液7で満たすと、第一の窪み3、貫通孔9a、9bが満たされ、上下の圧力差によって培養液7が第二の窪み10a、10bの先端でメニスカス形状を形成し、検出電極11a、11bにそれぞれ接触する。こうして検出電極11a、11b間の抵抗値を測定することにより、第二の窪み10a、10bの先端で適当なメニスカスが形成されているかどうかがわかり、貫通孔9a、9bおよび第二の窪み10a、10bの内のイオン濃度の変化もわかる。
【0063】
そして、被験体細胞8(図示せず)を培養液7と共に投入した場合は貫通孔9a、9bを被験体細胞8の細胞膜が覆うように保持されているかどうかが判断できる。例えば、貫通孔9aのみを細胞膜が塞ぎ、貫通孔9bは塞がれていない場合は検出電極11aとダイアフラム2の上部の培養液7からとる参照電極(図示せず)間の抵抗値は高く、検出電極11bと参照電極間は低くなることで判断できる。
【0064】
なお、貫通孔9a、9bおよび第二の窪み10a、10bは離れて形成されているので検出電極11a、11bを容易に形成できるという製造上の利点も有する。
【0065】
上記の状態で被験体細胞8に外部より刺激を与えると被験体細胞8の活動が起こり、貫通孔9a、9bの内および第二の窪み10a、10bのイオン濃度が変化するので被験体細胞8の細胞外電位あるいは細胞が発する物理化学的変化が測定できる。
【0066】
また、第一の窪み3の大きさは被験体細胞8が容易に最深部まで到達できるように被検体細胞8に応じて適当な大きさ、形状のものを選択することによって容易に対応することができる。
【0067】
次に、本実施の形態1では貫通孔4、9a、9bの大きさは丸形状あるいは楕円形状としたが、矩形あるいはU字形状とすることもできる。
【0068】
図17、図18はそれぞれ貫通孔15、17を矩形、U字形状にした細胞外電位測定デバイスの斜視図である。図17に示すように貫通孔15が矩形の場合は第一の窪み16の形状はカマボコ状に丸みを持った形状となり、図18に示すように貫通孔17がU字形状の場合には第一の窪み18の形状はほぼ半球状になる。
【0069】
前記のような形状とすることで、第一の窪み16がカマボコ状の場合には被験体細胞8の固定形状が細長くなるような場合(例えば、モノアラガイ由来の神経節細胞)に最適であり、第一の窪み18の形状を半球にして貫通孔17の形状をU字形状にした場合には、例えば被験体細胞8が変形しやすく、丸形状にした貫通孔4では通り抜けてしまうような場合において有効である。つまり、貫通孔17をU字にすると、貫通孔17の内を満たす培養液7の容量をさほど減らすことなく開口部の最小幅部分を小さくできることから、不用意に被験体細胞8が貫通孔17の内に進入して破壊されることが少なくなる。
【0070】
なお、第一の窪み3、16、18、貫通孔4、15、17の大きさは測定する被験体細胞8の大きさ、形状、性質によって決められるものであるが、窪み3、16、18の大きさを10〜100μmとし、貫通孔4、15、17の大きさを1〜10μmにすることによって5〜100μm程度の大きさの被験体細胞8を測定することができる。
【0071】
次に、本発明の細胞外電位測定デバイスの製造方法について図5〜図10を用いて説明する。
【0072】
図5〜図10は図2に示すところの細胞外電位測定デバイスの製造方法を説明するための工程断面図である。
【0073】
この細胞外電位測定デバイスの製造方法は図5に示すようにシリコンからなる基板1を用意し、基板1の他面にレジストマスク12を形成した後、図6のように下面から所定の深さだけエッチングすることによって、基板1の上部にダイアフラム2を形成する。その後前記レジストマスク12は除去する。
【0074】
次に、図7に示すようにダイアフラム2の外表面にレジストマスク13を形成する。このときのレジストマスク13のエッチングホールの形状は必要とする貫通孔4の形状とほぼ同じになるよう設計しておく。
【0075】
その後、図8に示すようにドライエッチングによってダイアフラム2側からエッチングを行う。このとき、エッチングガスとしてはエッチングを促進するガスのみを用いる。
【0076】
基板1がシリコンの場合、このエッチングを促進するガスにはSF、CF、XeFなどを用いることができる。これらはシリコンのエッチングを深さ方向だけでなく、横方向へのエッチングも促進する作用があるからである。実験ではXeFを用いて効果を確認している。これによって、エッチング形状は図8に示すように開口部を中心とする半球形となり、第一の窪み3が形成される。またレジストマスク13はほとんどエッチングされないので、図8のように最初の形状を保っている。
【0077】
次に、図9に示すように基板1の一面側に貫通孔4を形成する。この貫通孔4を形成する際にはエッチングを促進するガスとエッチングを抑制するガスによるドライエッチングを行い、ダイアフラム2を貫通する前にエッチングを終了する。
【0078】
この工程では、エッチングを促進するガスとエッチングを抑制するガスの時間比を変えることで実現できる。
【0079】
また、この貫通孔4の形状は矩形あるいはU字状もしくはこれらの組み合わせを用いることができる。
【0080】
次に、図10に示すように再びエッチングを促進するガスのみを用いてエッチングを行うと、先の貫通孔4をエッチングする際にエッチングを抑制するガスによって第一の窪み3および貫通孔4の壁面には保護膜(図示せず)が形成されているので、エッチングを促進するガスのみを用いてエッチングすると貫通孔4のダイアフラム2の他面側のみがエッチングされて第二の窪み6が形成される。
【0081】
なお、前記保護膜の厚みが不十分な場合には、第一の窪み3、貫通孔4もエッチングされてしまうので、必要であれば貫通孔4を形成した後、壁面に保護膜を厚く形成する工程を行うことも可能であり、エッチングを促進するガスとエッチングを抑制するガスの時間比を変えることで実現できる。
【0082】
このようにして、曲面で構成される第一の窪み3、第二の窪み6およびこれらを接続する貫通孔4が形成される。
【0083】
その後、図2に示すように第二の窪み6の近傍に検出電極5a、5bを通常の薄膜形成手段によって形成する。このとき第二の窪み6は貫通孔4の大きさより大きいので、検出電極5a、5bを形成する際でも要求される解像度を低くすることができるので、より簡単な製造方法とすることができる。
【0084】
なお、基板1としてシリコンを用いたが、シリコンの中に酸化シリコンが埋め込まれた基板を用いることもできる。このような基板はSOI基板と呼ばれ、上部のダイアフラム2の厚みを高精度にしたり、貫通孔4をエッチングによって形成する際、酸化シリコン層がエッチングストップ層となるのでより簡単な製造方法とすることができる。
【0085】
次に、図11に示す構成を有する細胞外電位デバイスの製造方法について図13〜図16を用いて説明する。
【0086】
まず、第一の窪み3を形成するまでの工程は図5〜図8に示した前記製造工程と同じ方法で形成することができる。
【0087】
次に、図13に示すように基板1をイオンの進行方向に対して45°に傾けてドライエッチングを行う。このときのエッチングガスとしてはエッチングを促進するガスとエッチングを抑制するガスを交互に用いる。エッチングを促進するガスとしてはXeF、CF、SFなどがある。またエッチングを抑制するガスとしてはCHF、Cなどがある。これらのガスを混合してエッチングすることで、エッチングされた壁面にCFのポリマーである保護膜を形成するので、ドライエッチングによる貫通孔9aの形成をレジストマスク13の下方のみに進行させることが可能となる。
【0088】
ここで、エッチングが下方のみに進行する仕組みを少し詳しく説明する。
【0089】
まず、エッチングを促進するガスによってエッチングを少しだけ行った後、エッチングを抑制するガスによって保護膜を少しだけ形成する工程を繰り返すことで、ほぼ垂直なエッチング形状とすることができる。この工程ではエッチングを促進するガスによるドライエッチングの際に、外部コイルによる誘導結合法によって生成されたプラズマ中で高周波を基板1に加えることで、基板1にマイナスのバイアス電圧が発生することによりプラズマ中のプラスイオンであるSF やCF が基板1に向かって衝突するのでドライエッチングは垂直下方方向に進むことになり、ドライエッチングを抑制させる際には基板1に高周波を加えなければ基板1にはバイアス電圧が全く発生しないので、保護膜の材料となるCFが偏向を受けなくなり、基板1のドライエッチング穴の壁面へ均一な保護膜の形成ができることになる。実験ではエッチングを促進するガスとしてSF、抑制するガスとしてCを用いて確認している。
【0090】
これによって、エッチングは垂直下方のみに進行し、レジストマスク13は前述のように最初の形状を保っているので、結果として図14のようにダイアフラム2の厚み方向に対して45°に傾いて貫通孔9aを形成することができる。
【0091】
なお、ダイアフラム2を貫通する前にエッチングを終了する。
【0092】
また、貫通孔9aは斜めに傾けてエッチングするので貫通孔9aの断面形状はレジストマスク13の開口部の形状より少し歪む、これが問題な場合は斜めにしたときに円形状に見えるようにレジストマスク13の形状を変えておく必要がある。これにともない、第一の窪み3のエッチング形状も少し変わるので、これらを総合的に鑑み、レジストマスク13の形状を決定すると良い。
【0093】
また、基板1を傾ける場合の可能な角度はレジストマスク13の開口部の形状と厚みによって決定されるものであり、例えば1μmの開口部で1μmの厚みを持つレジストマスクの場合はエッチングの幾何的な位置からして45°よりも小さな傾きでなければエッチングはできない。
【0094】
次に、再びエッチングを促進するガスのみを用いてエッチングを行うと、先の貫通孔9aをエッチングする際にエッチングを抑制するガスによって第一の窪み3および貫通孔9aの壁面には保護膜(図示せず)が形成されているので、エッチングを促進するガスのみを用いてエッチングすると貫通孔9aのダイアフラム2の他面側のみがエッチングされて、図15に示すように第二の窪み10aが形成される。
【0095】
その後、図16に示すように基板1を反対の角度に傾け、再度同じようにエッチングを促進するガスとエッチングを抑制するガスを用いて貫通孔9aを形成した後、エッチングを促進するガスのみを用いて第二の窪み10aを形成する。
【0096】
なお、レジストマスク13はエッチング後に除去する。
【0097】
次に、図11に示すように基板1の下面から通常の薄膜形成工程により、金を主体とする検出電極11a、11bをそれぞれの第二の窪み10a、10bに近接して形成する。第一の窪みの3内に形成された貫通孔10a、10bが一つの場合より要求されるパターンの解像度が低いので、より簡単な製造工程とすることができる。
【0098】
このような方法によって、図11に示すような第一の窪み3の中に2個の貫通孔9a、9bおよび2個の第二の窪み10a、10bを形成することが可能である。このエッチング工程において、プラズマ中のイオンの進行方向と基板1の傾斜角度は89°以下にして形成することが生産性の観点から好ましく、より好ましくは20〜70°の範囲で形成することができる。
【0099】
このように、複数の貫通孔9a、9bを設けることによって、被験体細胞8が第一の窪み3の内に保持された場合において、より確実に貫通孔9a、9bを覆うようになることから、第二の窪み10a、10bに検出電極11a、11bを形成することにより、より確実な細胞外電位の測定が可能になる細胞外電位測定デバイスを実現することができる。
【0100】
このとき、第一の窪み3および貫通孔9a、9bの大きさは測定する被験体細胞の大きさ、形状、性質によって決められるものであるが、第一の窪み3の大きさを10〜100μm、貫通孔9a、9bの大きさを1〜10μmにすることによって5〜100μm程度の大きさの細胞を測定することができる。
【0101】
さらに、第二の窪み10a、10bの大きさは貫通孔9a、9bの大きさと培養液7の流体特性によって決められるものであり、効果を確認するために有限要素法による流体解析を行った結果、流体が水で5μmの貫通孔9a、9bの場合、10μmの大きさを持つ第二の窪み10a、10bとしたところ、メニスカス形状が安定することが確認できた。
【0102】
【発明の効果】
以上のように本発明の細胞外電位測定デバイスの構成によれば、被験体細胞の細胞膜が隙間無く密着するので、細胞が活動する際に発する物理化学的変化を貫通孔側に設けられた検出電極によって効率よく検出することが可能となり、第一の窪みの正確な位置に容易に貫通孔を形成できるとともに培養液を一定に保つことにより安定して測定することができる細胞外電位測定デバイスおよびその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における細胞外電位測定デバイスの斜視図
【図2】同断面図
【図3】同貫通孔周辺部の拡大図
【図4】同動作を説明するための要部拡大断面図
【図5】同製造方法を示すための断面図
【図6】同断面図
【図7】同断面図
【図8】同断面図
【図9】同断面図
【図10】同断面図
【図11】同別の構成を有する細胞外電位測定デバイスの断面図
【図12】同貫通孔周辺部の拡大断面図
【図13】同製造方法を示すための断面図
【図14】同断面図
【図15】同断面図
【図16】同断面図
【図17】同他の細胞外電位測定デバイスの一例を示す斜視図
【図18】同斜視図
【図19】従来の細胞外電位測定デバイスの一例を示す断面図
【符号の説明】
1 基板
2 ダイアフラム
3 第一の窪み
4 貫通孔
5a、5b 検出電極
6 第二の窪み
7 培養液
8 被験体細胞
9a、9b 貫通孔
10a、10b 第二の窪み
11a、11b 検出電極
12 レジストマスク
13 レジストマスク

Claims (13)

  1. 基板の一面側にダイアフラムを設け、このダイアフラムを構成するいずれかの面に少なくとも一つ以上の曲面からなる第一の窪みを設け、この第一の窪みに貫通孔を設け、この貫通孔の前記第一の窪みと反対側の開口部に少なくとも一つ以上の曲面からなる第二の窪みを設け、この第二の窪みの一部に検出電極を設けた細胞外電位測定デバイス。
  2. 第一の窪みに貫通孔を少なくとも2つ以上設け、これらの貫通孔の前記第一の窪みと反対側の開口部に第二の窪みを設けた請求項1に記載の細胞外電位測定デバイス。
  3. 第二の窪みに少なくとも2つの検出電極を設けた請求項1に記載の細胞外電位測定デバイス。
  4. 第二の窪みに検出電極を設けた請求項2に記載の細胞外電位測定デバイス。
  5. 貫通孔の形状が矩形あるいはU字形もしくはこれらの組み合わせである請求項1〜4のいずれか一つに記載の細胞外電位測定デバイス。
  6. 基板がシリコンである請求項1〜5のいずれか一つに記載の細胞外電位測定デバイス。
  7. 基板がSOI基板である請求項1〜5のいずれか一つに記載の細胞外電位測定デバイス。
  8. 第一の窪みの開口部の寸法が10〜100μmであり、貫通孔の最小開口径もしくは幅が1〜10μmであり、第二の窪みの開口部の寸法が5〜10μmである請求項1〜7のいずれか一つに記載の細胞外電位測定デバイス。
  9. 基板の一面側にダイアフラムを設け、このダイアフラムを構成するいずれかの面に少なくとも一つ以上の曲面からなる第一の窪みを設け、この第一の窪みに貫通孔を設け、この貫通孔の前記第一の窪みと反対側の開口部に第二の窪みを設け、この第二の窪みの一部に検出電極を設けた細胞外電位測定デバイスの製造方法であって、基板の他面側からエッチングによって前記ダイアフラムを形成する工程と、このダイアフラムを構成するいずれかの面の上に1枚のフォトマスクを用いてレジストマスクを形成する工程と、ドライエッチングによって第一の窪み、貫通孔、第二の窪みの順に形成する工程と、この第二の窪みに薄膜形成技術により検出電極を形成する工程からなる細胞外電位測定デバイスの製造方法。
  10. レジストマスクのエッチングホールの形状を所望とする貫通孔の形状とほぼ同じになるようにした請求項9に記載の細胞外電位測定デバイスの製造方法。
  11. エッチングを促進するガスのみを用いて第一の窪みを形成し、エッチングを抑制するガスとエッチングを促進するガスの2種類を用いて貫通孔を形成し、エッチングを促進するガスのみを用いて第二の窪みを形成する請求項9に記載の細胞外電位測定デバイスの製造方法。
  12. 基板を異なる方向に少なくとも2回以上傾けてそれぞれエッチングを行うことにより、第一の窪みに少なくとも2つ以上の貫通孔および第二の窪みを形成する請求項9に記載の細胞外電位測定デバイスの製造方法。
  13. 基板がシリコンよりなる細胞外電位測定デバイスの製造方法であって、エッチングを促進するガスがSF、CF、XeFのうちいずれか一つを含むガスを用い、エッチングを抑制するガスがC、CHFのいずれかまたはこれらを含むガスを用いる請求項11に記載の細胞外電位測定デバイスの製造方法。
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