JP2007232607A - 細胞電気生理センサの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】生産性に優れ、チッピングなどの発生の少ない細胞電気生理センサの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】基板1の片面にレジストマスク11を形成する第一の工程と、第一のエッチングガスと第二のエッチングガスを導入して所望の形状の貫通孔4を形成する第二の工程と、基板1の他面にウエル2を形成する端部から中央部に向かってテーパー状に薄くしたレジストマスク12を形成する第三の工程と、第一のエッチングガスと第二のエッチングガスを導入してウエル2を形成する第四の工程を含み、且つ前記第一〜第四の工程のいずれかの工程で外形のエッチングによる切り出しを同時に行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、細胞の電気生理的活動の測定に用いられる細胞電気生理センサの製造方法に関するものである。
従来、電気生理学におけるパッチクランプ法は、細胞膜に存在するイオンチャンネルを測定する方法として知られており、このパッチクランプ法によってイオンチャンネルの様々な機能が解明されてきた。そして、イオンチャンネルの働きは細胞学において重要な関心ごとであり、これは薬剤の開発にも応用されている。
しかし、一方でパッチクランプ法は測定技術に微細なマイクロピペットを1個の細胞に高い精度で挿入するという極めて高い能力を必要としているため、熟練作業者が必要であり、高いスループットで測定を必要とする場合には適切な方法でない。
このため、微細加工技術を利用した平板型プローブの開発がなされており、これらは個々の細胞についてマイクロピペットの挿入を必要としない自動化システムに適している。例えば、基板の上に設けられた細胞保持手段を備えたウエルと、このウエルの電気信号を検出する測定用電極と、基準電極とを備えた細胞外電位測定用デバイスによって細胞外電位を測定する技術を開示している(例えば特許文献1参照)。
図13はこの従来の細胞電気生理センサのウエル構造を模式断面図で示したものであり、ウエル26の内部に培養液27が入れられ、被験体細胞25は基板21に設けられた細胞保持手段によって捕捉または保持されている。細胞保持手段は基板21に形成された窪み22および開口部を介してこの窪み22に連絡する貫通孔23を備えた構成となっている。
さらに貫通孔23の内部にはセンサ手段である測定電極24が配置されており、この電極24は配線を経て信号検出部に連結されている。
そして、測定の際には被験体細胞25を貫通孔23から吸引ポンプなどの手段により、この被験体細胞25が窪み22に密着保持される。このようにして被験体細胞25の活動により発生する電気信号はウエル26の内部の培養液27に漏れることなく、貫通孔23に設けた測定電極24と参照電極28によって電位の変化あるいは電流の変化を検出することによって測定することができる。
このように、基板21に形成された貫通孔23はガラスピペットにおける先端穴と同様の役割を果たし、高精度な細胞の電気生理現象を記録できるとともに、基板21の裏面側からの吸引によって細胞が自動的に引きつけられ、被験体細胞25を容易に保持できるという利点を有している。
ここで測定される電位の変化あるいは電流の変化は、細胞膜が保有するチャネルを通じて各種イオンを放出あるいは吸収した結果、検出されるものであり、非常に微小な変化である。そのため、本来検出されるべき電気信号以外の要因によりノイズが発生した際には、S/Nを劣化させ、正確に且つ高精度に測定することが困難となる。このため、ノイズを抑制するために様々な取組みがなされており、例えばウエル26の壁面の形状をテーパー状とすることで、被験体細胞の周辺における揺らぎを低減し、ノイズを抑制する技術を開示している(例えば特許文献2参照)。
国際公開第02/055653号パンフレット 特開2005−156234号公報
しかしながら、前記従来の技術においては、ウエル26の壁面の形状をテーパー状とするために、等方性のドライエッチング技術を用いている。また、ウエル26の壁面を容易にテーパー状にするためには、例えば基板に(100)面配向の単結晶シリコン基板を用い、緩衝液を加えたフッ化水素酸による異方性エッチング技術により実現することも可能である。しかしながら、上記のエッチング技術によりウエル26の壁面をテーパー状とする際には、細胞電気生理センサの外形切り出しをダイシングにより行う必要があり、センサ形状の自由度が低くなるとともに、生産性においてもチッピングが発生しやすいという課題を有していた。
本発明は、生産性に優れ、チッピングなどの発生の少ない細胞電気生理センサの製造方法を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明は、ウエルの壁面をダイアフラム側へテーパー状とした細胞電気生理センサの製造方法であって、基板の裏面側からレジストマスクを形成する第一の工程と、その後に第一のエッチングガスと第二のエッチングガスを導入して所望の形状の貫通孔を形成する第二の工程と、前記基板の表面側からウエルの壁面がテーパー状となるようにレジストマスクを形成する第三の工程と、その後、第一のエッチングガスと第二のエッチングガスを導入してウエルを形成する第四の工程を含み、且つこの4つの工程のいずれかで外形切り出しを同時に行う構成とするものである。
本発明の細胞電気生理センサの製造方法は、ウエルの壁面がテーパー状であるセンサでありながら、センサ形状の自由度が高く、生産性においてもチッピングが発生しない細胞電気生理センサの製造方法として有用である。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1における細胞電気生理センサの製造方法について、図面を参照しながら説明する。
まず、本発明の実施の形態1における細胞電気生理センサの構成について説明する。
図1は本発明の実施の形態1における細胞電気生理センサの構成を示す斜視図であり、図2はその断面図である。また、図3はその動作を説明するための要部拡大断面図である。
図1および図2において、基板1はシリコン基板で形成しており、基板表面1a側にはウエル2が形成されており、このウエル2は細胞を含んだ培養液あるいは薬液などの液体を貯留するためのものである。そして、基板裏面1b側にはダイアフラム3を形成し、前記ウエル2の壁面はダイアフラム3側へ徐々に小さくなるテーパー状に形成している。そして、このダイアフラム3の厚みは約20μmの薄板形状としている。また、このダイアフラム3にはウエル2と基板裏面1b側を連結する微小の貫通孔4を例えば複数個形成している。この微小の貫通孔4の最小開口径は3μmとしており、貫通孔4の最小開口径は測定する被験体細胞5の大きさ、形状、性質によって決定することができる。例えば、被験体細胞5の大きさが5〜50μm程度の場合、被験体細胞5が高い密着性をもって保持されるには貫通孔4の最小開口径を3μm以下とすることが望ましい。
また、本実施の形態1における細胞電気生理センサの外周部は円形状としており、細胞電気生理センサ全体の形状は円柱形状である。このように円形状とすることで、細胞電気生理センサの大きさを極力小さくすることができることから、ウエハー状の1枚の基板1からより多くの細胞電気生理センサを形成することが可能となり、基板材料を効率的に利用できるという効果が得られる。さらに、このような形状を有する細胞電気生理センサにはエッジ部を有さないことから、チッピング、欠けなどの破損を低減するといった効果も得られる。
なお、細胞電気生理センサの表面の外周部は、円形状に限らず楕円などの曲線を有する形状とすることで、センサ形状の自由度を高めることが可能となる。
次に、本発明の細胞電位測定デバイスの動作について説明する。
図3はダイアフラム3において微小の貫通孔4が形成された箇所の拡大断面図である。図3に示すように、ウエル2の内部に被験体細胞5を含んだ細胞外液6aを満たした後に、ダイアフラム3のウエル2側から加圧するか、基板裏面1b側から減圧することによって被験体細胞5と細胞外液6aは、貫通孔4に引き込まれ、被験体細胞5は貫通孔4を塞ぐように保持される。このとき、基板裏面1bは細胞内液6bによって満たしておく。
通常、細胞内液6bは、哺乳類筋細胞の場合、代表的にはK+イオンが155mM程度、Na+イオンが12mM程度、Cl-イオンが4.2mM程度添加された電解液であり、細胞外液6aは、K+イオンが4mM程度、Na+イオンが145mM程度、Cl-イオンが123mM程度添加された電解液である。
次に、基板裏面1b側から吸引、もしくは薬剤(例えばナイスタチン)を投入して被験体細胞5に微細小孔を形成する。
その後、被験体細胞5への刺激となりうる行為をウエル2内に施す。この刺激の種類としては、例えば化学薬品、毒物などの化学的な刺激に加え、機械的変位、光、熱、電気、電磁波などの物理的な刺激なども含む。
そして、被験体細胞5がこれらの刺激に対して活発に反応する場合、例えば被験体細胞5は細胞膜が保有するチャネルを通じて各種イオンを放出あるいは吸収する。この結果として、細胞内外の電位勾配が変化し、その変化を検出することができる。この電位勾配の変化を細胞外液6aに設けた電極7と細胞内液6bに設けた電極8によって測定する。
次に、ウエル2の壁面がダイアフラム3側へ小さくなるテーパー状に形成されていることについて述べる。
上述のように、本発明の細胞電気生理センサで検出される電気信号は、極めて微小な変化であるため、本来検出されるべき電気信号以外の要因によってノイズが発生した際にはS/Nを劣化させ、正確に且つ高精度に測定することが困難となる。例えば、ウエル2の内部に化学薬品や毒物などの刺激を注入した際には、被験体細胞5の周辺の細胞外液6aに揺らぎが発生する。この揺らぎの変化が大きい場合にはノイズが発生する。しかしながら、前記ウエル2の壁面をテーパー状にすることで揺らぎを低減することが可能となり、微小な電気信号の変化を高精度に測定することができる。
また、ウエル2の内部の細胞外液6aに気泡が発生した際にも、ノイズ発生の原因となり、特に被験体細胞5の周辺の細胞外液6aと電極7の周辺の細胞外液6aとの間が気泡により絶縁された際には、電気信号の検出が不可能となる。
また、ウエル2の内部に鋭角部が存在すると気泡がトラップされやすくなるが、ウエル2の壁面がテーパー状であることにより気泡がトラップされやすい部位がなくなり、気泡の発生を抑制するといった効果も得られる。
さらに、ダイアフラム3は、厚みが20μm程度であることから、僅かな衝撃であっても容易に破壊される。しかしながら、ウエル2の壁面がテーパー状であることにより、ダイアフラム3の面積が減少し、衝撃による破壊を低減するといった効果も得られる。
このように、ウエル2の壁面がダイアフラム3側へ小さくなるテーパー状に形成されることによって、様々な効果が得られる。
次に、本発明の実施の形態1における細胞電気生理センサの製造方法について説明する。
図4〜図9は本発明の細胞電気生理センサの製造工程を説明するための断面図である。
この細胞電気生理センサの製造方法は、図4に示すように基板1としてシリコンウエハーを用意し、基板裏面1bに所定のパターンでレジストマスク11を形成する。このとき、レジストマスク11のエッチングホールの形状は、必要とする貫通孔4の形状とほぼ同じになるように設計すると同時に、細胞電気生理センサの外形切り出し(エッチング)の際に所望の形状となるように設計する。
次に、図5に示すように、基板裏面1bからドライエッチングによって貫通孔4を所定のエッチング深さに達するまで形成する。このときのエッチング法は、ドライエッチングによる方法が最適であり、ドライエッチングの際にはエッチングを促進するガスと、エッチングを抑制するガスを用いる。このエッチングを促進するガスとしては、XeF2、CF4、SF6などがある。また、エッチングを抑制するガスとしてはCHF3、C48などがある。これらのガスを混合してエッチングすることにより、エッチングされた壁面にCF2のポリマーである保護膜を作製していくことができることから、ドライエッチングによる貫通孔4の形成をレジストマスク11の下方のみに進行させることが可能となる。
ここで、ドライエッチングが下方のみに進行する仕組みを、さらに詳しく説明する。
まず、エッチングを促進するガスによってエッチングを少しだけ行った後、エッチングを抑制するガスによって保護膜を少しだけ形成する工程を繰り返すことによって、ほぼ垂直なエッチング形状とすることができるのである。この工程では、エッチングを促進するガスによるドライエッチングの際に外部コイルによる誘導結合法によって生成されたプラズマ中で高周波を基板1に加えることで基板1にマイナスのバイアス電圧が発生することにより、プラズマ中のプラスイオンであるSF5 +やCF3 +が基板1に向かって衝突するのでドライエッチングは垂直下方方向に進むことになり、ドライエッチングを抑制させる際には基板1に高周波を加えなければ基板1にはバイアス電圧が全く発生しないので、保護膜の材料となるCF+が偏向を受けなくなり、基板1のエッチングホールの壁面に対して均一な保護膜の形成ができることになる。
このようにして貫通孔4を形成した後に、図6に示すように、レジストマスク11を除去する。
次に、図7に示すように、基板表面1aに所定のパターンでレジストマスク12を形成する。このとき、レジストマスク12は、ウエル2の壁面がダイアフラム3側へ小さくなるテーパー状となるように設計すると同時に、センサの外形切り出し(エッチング)の際に所望の形状となるように設計する。そのため、図7では、ウエル2の壁面がダイアフラム3側へ小さくなるテーパー状となるように加工するために、ウエル2の端部から中央部にむけて小さくなるテーパー形状となるレジストマスク12を示した。なお、図7ではエッチング後に形成されるウエル2の形状を破線で示した。
そして、このようなテーパー形状となるレジストマスク12の作製方法としては、ポジ型レジスト材料を基板1の上に厚み10μmになるように塗布し、その後UV光の透過率が連続的に増大(あるいは減少)するようにCr膜にグラデーションを形成したマスクを作製し、そのマスクを所定の位置に配置して露光する。
次に、現像、エッチングをすることによってテーパー形状を有するレジストマスク12を作製することができる。このような方法によって、例えば厚み;10μm、突起部の長さ;100μmのテーパー形状を有するレジストマスク12を形成することができる。
その後、図8に示すように、基板表面1aからドライエッチングによってウエル2を所定のエッチング深さに達するまで、即ちダイアフラム3を所定の厚みに達するまで形成する。このときのエッチング法も、エッチングを促進するガスと、エッチングを抑制するガスを用いるドライエッチングによる方法が最適である。
ここで、ウエル2の壁面がダイアフラム3側へ小さくなるテーパー状となるように、テーパー形状を有するレジストマスク12を用いることのエッチングの作用について説明する。エッチングを促進するガスと、エッチングを抑制するガスを用いたドライエッチングによる方法では、前述のようにレジストマスク11の下方のみにエッチングを進行させることが可能である。なお、このときレジストマスク12にもCF2のポリマーである保護膜が少しだけ形成され、その後にプラスイオンであるSF5 +やCF3 +が保護膜およびレジストマスク12を物理的にエッチングする工程が繰り返される。ここで、保護膜の形成速度が保護膜のエッチング速度と比較して小さい場合には、徐々にレジストマスク12もエッチングされ、徐々に薄い部分のレジストマスク12の先端から消滅していく。この現象を利用することで、テーパー形状を有するレジストマスク12によりウエル2の壁面をダイアフラム3側へ小さくなるテーパー状とすることがエッチング加工によって可能となる。
このような方法によって、例えば深さ;400μm、最大外径;500μm、最小外径;300μmのテーパー形状を有する逆台形状のウエル2を形成することができる。
そして、最後に、図9に示すようにレジストマスク12を除去する。
ここで、細胞電気生理センサの外形をエッチングによって同時に切り出すことができる。この外形の切り出しは基板表面1a側から行う、あるいは基板表面1aおよび基板裏面1b側の両方から行うことも可能であり、寸法形状によって適宜選択することによって、細胞電気生理センサの外形の切り出しをエッチングによって同時に行うことができる。
このような構成とすることによって、ウエハー状の1枚の基板1からウエル2の壁面がテーパー状である細胞電気生理センサを複数、一括して大量に作製することが可能となり、またレジストマスク12の設計により、センサ形状に容易に自由度をもたせられることから細胞電気生理センサの大きさを極力小さくすることで、1枚の基板1からより多くの細胞電気生理センサを作製することが可能となるとともに、ダイシングを用いることなく細胞電気生理センサの外形をエッチング加工によって形成することが可能となることから、工程の削減およびチッピング不良による歩留まりの低減を抑制する効果も得られる。
なお、ここでは基板1としてシリコンウエハーを用いたが、中間層に酸化シリコン層を有するシリコンウエハー(SOIウエハー)を用いてよい。SOIウエハー基板を用いた際には、酸化シリコン層がウエル2を形成するときのエッチングトップ層となることから、より高精度で且つ生産性に優れた細胞電気生理センサを実現することが可能となる。このとき、貫通孔4は他方のシリコン層と酸化シリコン層に形成することになる。
次に、別の製造方法について図面を用いて説明する。
図10〜図11は別の細胞電気生理センサの製造方法を説明するための断面図である。
まず、図10に示すように、レジストマスク12をウエル2の中央部から同心縞状に、且つレジストマスク12の開口幅がウエル2の中央部から端部にむけて段階的に狭くなるように形成する。なお、図10においてエッチング後に形成される形状を破線で示した。例えば、中心部の開口幅を5μmとし、端部の開口幅を1μmとし、50ステップで徐々に開口幅を中心から端部に向かって小さくなるようにレジストマスク12を加工する。
その後、図11に示すようにエッチングを促進するガスとエッチングを抑制するガスを用いたドライエッチングを行うとき、レジストマスク12の開口幅の微小化に伴い、垂直方向へのエッチング速度が低下する傾向を利用して、開口幅の大きな箇所では時間あたりのエッチングレートは大きくなり、開口幅の小さな箇所ではエッチングレートが小さくなることを利用して段階的にエッチングレートを制御することによって、ウエル2の壁面がダイアフラム3側へ小さくなる階段状のテーパー形状を形成することが可能である。
そして、エッチングを促進するガスとエッチングを抑制するガスを用いたドライエッチングにおいて、保護膜の形成速度がシリコンのエッチング速度と比較して小さい場合には、エッチングの進行方向に向かって大きくなる逆テーパー形状を形成することが可能である。この現象を利用することにより、レジストマスク12を同心縞状に、且つ開口幅がウエル中央部から段階的に狭くなるように形成することで、ウエル2の壁面をダイアフラム3側へ小さくなるテーパー状とすることが可能となる。これは、例えばレジストマスク12の開口幅を5μmとしたとき、底面におけるエッチング幅を5.5μm程度の逆テーパー形状となるようにドライエッチングすることが好ましい。
なお、これらの方法によりウエル2の壁面をテーパー状としたときには、ウエル2の内壁表面の粗度が高くなる場合があり、この際にはウエル2内に気泡がトラップされやすい部位が存在することになる。このような場合には、図12に示すように、基板表面1aからプラズマを用いたエッチングにより、ウエル2の内壁表面を平滑にすることが可能である。このとき、エッチングガスとして例えばアルゴンを用いると、アルゴンプラズマがウエル2の端部および貫通孔4の端部に集中する効果があり、それぞれの端部の形状を丸め形状とするといった効果も得られる。
また、細胞電気生理センサをエッチング水溶液中に入れて所定の時間エッチングを行うことによっても、ウエル2の内壁表面を平滑にすることが可能である。これにより、貫通孔4の内壁表面も同時に平滑化され、被験体細胞5と細胞外液6aを貫通孔4へ容易に引き込めるといった効果も得られる。
本発明の細胞電気生理センサの製造方法は、ウエルの壁面がテーパー状でありながら、センサ形状に自由度をもたせることを可能とし、チッピングレス、基板材料の効率的利用の効果が得られる製造方法として有用である。
本発明の実施の形態1における細胞電気生理センサの斜視図 同断面図 同動作を説明するための要部拡大断面図 同製造方法を示すための断面図 同断面図 同断面図 同断面図 同断面図 同断面図 別の製造方法を説明するための断面図 同断面図 別の製造方法を説明するための断面図 従来の細胞電位測定デバイスの断面図
符号の説明
1 基板
1a 基板の表面
1b 基板の裏面
2 ウエル
3 ダイアフラム
4 貫通孔
5 被験体細胞
6a 細胞外液
6b 細胞内液
7 電極
8 電極
11 レジストマスク
12 レジストマスク

Claims (5)

  1. 基板の一面に少なくとも一つ以上のウエルを設け、このウエルの底面には少なくとも一つ以上の貫通孔を有するダイアフラムを設け、前記ウエルの壁面をダイアフラム側へテーパー状とした細胞電気生理センサの製造方法であって、
    基板の片面にレジストマスクを形成する第一の工程と、
    その後第一のエッチングガスと第二のエッチングガスを導入して前記レジストマスクを利用して所望の形状の貫通孔を形成する第二の工程と、
    前記基板の他面にウエルを形成する端部から中央部に向かってテーパー状に薄くしたレジストマスクを形成する第三の工程と、
    第一のエッチングガスと第二のエッチングガスを導入してエッチングによってウエルを形成する第四の工程を含み、且つ前記第二の工程および/または第四の工程で外形のエッチングによる切り出しを同時に行う細胞電気生理センサの製造方法。
  2. 化学エッチングによって、センサ全体の表面を平滑にする工程を含む請求項1に記載の細胞電気生理センサの製造方法。
  3. 基板の一面に少なくとも一つ以上のウエルを設け、このウエルの底面には少なくとも一つ以上の貫通孔を有するダイアフラムを設け、前記ウエルの壁面をダイアフラム側へテーパー状とした細胞電気生理センサの製造方法であって、
    基板の片面にレジストマスクを形成する第一の工程と、
    その後第一のエッチングガスと第二のエッチングガスを導入して前記レジストマスクを利用して所望の形状の貫通孔を形成する第二の工程と、
    ウエルの中央部から同心縞状に、且つレジストマスクの開口幅がウエルの中央部から端部にかけて段階的に狭くなる縞状にレジストマスクを形成する第三の工程と、
    第一のエッチングガスと第二のエッチングガスを導入して逆テーパー状にエッチングすることによってウエルを形成する第四の工程を含み、且つ前記第二の工程および/または第四の工程で外形のエッチングによる切り出しを同時に行う細胞電気生理センサの製造方法。
  4. アルゴンガスを用いたプラズマエッチングによって、ウエルの壁面を平滑にする工程を含む請求項3に記載の細胞電気生理センサの製造方法。
  5. 化学エッチングによって、表面を平滑にする工程を含む請求項3に記載の細胞電気生理センサの製造方法。
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