JP2003347468A - 半導体素子収納用パッケージおよび半導体装置 - Google Patents

半導体素子収納用パッケージおよび半導体装置

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JP2003347468A JP2002156845A JP2002156845A JP2003347468A JP 2003347468 A JP2003347468 A JP 2003347468A JP 2002156845 A JP2002156845 A JP 2002156845A JP 2002156845 A JP2002156845 A JP 2002156845A JP 2003347468 A JP2003347468 A JP 2003347468A
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conductor
semiconductor element
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frame
electrically connected
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Koji Kubota
耕治 久保田
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高周波信号の伝送効率に優れ、また内部に収
容する半導体素子を長期にわたり正常かつ安定に作動さ
せ得る半導体パッケージを提供すること。 【解決手段】 基体1の上側主面に載置された回路基板
6は、絶縁基板の上面に一端が中心導体3bに接続され
ているとともに他端が半導体素子5に電気的に接続され
る線路導体6aおよび線路導体6aの両側に略等間隔を
もって形成された同一面接地導体6cが設けられて成る
とともに、一端側の絶縁基板の側面が枠体2の内面に接
しており、同一面接地導体6c上に、枠体2の内面から
中心導体3bと線路導体6aとの接続部の先端までの部
位が接続部を同軸状に覆う略半円筒形とされ、接続部の
先端より半導体素子5側の部位が傾斜した略半円状の上
向きの開口とされている導電性の屋根状部材12が接合さ
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、信号入出力部に同
軸コネクタを用いた半導体素子収納用パッケージおよび
半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光通信分野で用いられる半導体素
子やマイクロ波帯,ミリ波帯等の高周波信号で駆動する
各種半導体素子を収納する半導体素子収納用パッケージ
(以下、半導体パッケージともいう)には、半導体素子
と外部電気回路基板とを電気的に接続するための入出力
端子として同軸コネクタが用いられている。この同軸コ
ネクタを具備した半導体パッケージを図8に断面図で示
す。同図において、21は基体、22は枠体、23は同軸コネ
クタ、24は蓋体、26は回路基板である。
【0003】基体21は鉄(Fe)−ニッケル(Ni)−
コバルト(Co)合金や銅(Cu)−タングステン
(W)等の金属から成る略四角形の板状体であり、その
上側主面の略中央部には、IC,LSI,半導体レーザ
(LD),フォトダイオード(PD)等の半導体素子25
を搭載して成る回路基板26を載置する載置部21aが形成
されている。載置部21aには、半導体素子25が、例えば
アルミナ(Al23)質セラミックス等から成る回路基
板26に搭載された状態で載置固定される。
【0004】なお、回路基板26に搭載された半導体素子
25は、その電極が、回路基板26に被着形成されている線
路導体26aにボンディングワイヤ27等を介して電気的に
接続されている。
【0005】基体21の上側主面の外周部には載置部21a
を囲繞するようにして枠体22が立設されており、枠体22
は基体21とともにその内側に半導体素子25を収容する空
所を形成する。この枠体22は基体21と同様にFe−Ni
−Co合金やCu−Wの焼結材等から成り、基体21と一
体成形される、または基体21に銀ろう等のろう材を介し
てろう付けされる。枠体22の側部には同軸コネクタ23が
嵌着される貫通孔22aが形成されており、貫通孔22a内
に同軸コネクタ23を嵌め込んで半田等の封着材28を貫通
孔22a内の隙間に挿入し、しかる後、加熱して封着材28
を溶融させ、溶融した封着材28を毛細管現象により同軸
コネクタ23と貫通孔22aの内面との隙間に充填させるこ
とにより、同軸コネクタ23が貫通孔22aに封着材28を介
して嵌着接合される。
【0006】同軸コネクタ23は、Fe−Ni−Co合金
等の金属から成る円筒状の外周導体23aの中心軸部分
に、信号線路としてFe−Ni−Co合金等の金属から
成る棒状の中心導体23bが絶縁体23cを介して固定され
て成る。そして、接地導体としての外周導体23aが封着
材28を介して枠体22に電気的に接続されており、所定の
特性インピーダンスに整合された同軸線路モードの信号
線路を形成している。また、中心導体23bが半田等から
成る導電性接着材26bを介して、またはボンディングワ
イヤ等により回路基板26の線路導体26aに電気的に接続
される。図9に回路基板26の平面図を示すように、線路
導体26aの両側には略等間隔をもって同一面接地導体26
cが形成されており、線路導体26aは所定の特性インピ
ーダンスに整合されたコプレーナ線路となっている。
【0007】そして、枠体22の上面に蓋体24をろう付け
法やシームウエルド法等の溶接法によって接合し、基体
21、枠体22および蓋体24から成る容器内部に半導体素子
25を収容し気密に封止することによって製品としての半
導体装置となる。
【0008】上記同軸コネクタ23において、同一面接地
導体26cと外周導体23aの突起部とを電気的に接続する
ことにより、同軸線路部の接地電位とコプレーナ線路部
の接地電位とを同一電位とし、高周波信号を効率よく伝
送できるものが提案されている(特開2001−52819号公
報参照)。
【0009】なお、図8において、22bは同軸コネクタ
プラグ29を嵌め込むための貫通孔、29は同軸コネクタプ
ラグ、30は外部電気回路に接続された同軸ケーブルであ
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図8,
図9に示した従来の半導体パッケージでは、枠体22と回
路基板26の同一面接地導体26cとが電気的に接続されて
いないため、中心導体23bの線路導体26aとの接続部付
近で枠体22と同一面接地導体26cとの電位が異なり、そ
の結果上記接続部で所定の特性インピーダンスに整合で
きず、その接続部で高周波信号の反射損失が発生し、高
周波信号を効率よく伝送できないという問題点があっ
た。
【0011】また、特開2001−52819号公報に示される
ような半導体パッケージでは、枠体22と同一面接地導体
26cとが電気的に接続されているため、接地性を高める
ことができ、接続部で高周波信号の反射損失を低減でき
るが、外周導体23aに突起部を設けているため外周導体
23aが肉厚になり、外周導体23aと絶縁体23cとの熱膨
張差により絶縁体23cに大きな応力が加わり絶縁体23c
がクラック等によって破損し易くなる。その結果、半導
体パッケージ内部を気密に保つことができなくなる場合
があり、半導体パッケージ内部に収容する半導体素子25
を長期にわたり正常かつ安定に作動させることができな
いという問題点があった。
【0012】さらに、中心導体23bが枠体22の内面から
突出する部位において、高周波信号が伝送する信号線路
の伝送モードが急激に変化することから、高周波信号の
反射損失が発生し、高周波信号を効率よく伝送できない
という問題点があった。
【0013】従って、本発明は上記問題点に鑑み完成さ
れたものであり、その目的は、高周波信号の伝送効率に
優れ、また内部に収容する半導体素子を長期にわたり正
常かつ安定に作動させ得る半導体パッケージを提供する
ことにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体素子収納
用パッケージは、上側主面に半導体素子および回路基板
を載置するための載置部を有する基体と、前記載置部に
載置された前記回路基板と、該基体の前記上側主面の外
周部に前記載置部を囲繞するように接合され、側部に貫
通孔が形成された金属製の枠体と、筒状の外周導体およ
びその中心軸に設置された中心導体ならびにそれらの間
に介在させた絶縁体から成るとともに前記貫通孔に嵌着
された同軸コネクタとを具備した半導体素子収納用パッ
ケージにおいて、前記回路基板は、絶縁基板の上面に一
端が前記中心導体に電気的に接続されているとともに他
端が前記半導体素子にそれぞれ電気的に接続された線路
導体および該線路導体の両側に略等間隔をもって形成さ
れた同一面接地導体が設けられて成るとともに、前記一
端側の前記絶縁基板の側面が前記枠体の内面に接してお
り、前記同一面接地導体上に、前記枠体の内面から前記
中心導体と前記線路導体との接続部の先端までの部位が
該接続部を同軸状に覆う略半円筒形とされ、前記接続部
の先端より前記半導体素子側の部位が傾斜した略半円状
の上向きの開口とされている導電性の屋根状部材が接合
されていることを特徴とする。
【0015】また本発明の半導体素子収納用パッケージ
は、上側主面に半導体素子を載置するための載置部を有
する基体と、該基体の前記上側主面に前記載置部を囲繞
するように接合され、側部に貫通孔が形成された金属製
の枠体と、筒状の外周導体およびその中心軸に設置され
た中心導体ならびにそれらの間に介在させた絶縁体から
成るとともに前記貫通孔に嵌着された同軸コネクタとを
具備した半導体素子収納用パッケージにおいて、前記枠
体の内面の前記貫通孔の下方の部位に回路基板を上面に
設置した棚部が設けられており、前記回路基板は、絶縁
基板の上面に一端が前記中心導体に電気的に接続されて
いるとともに他端が前記半導体素子にそれぞれ電気的に
接続された線路導体および該線路導体の両側に略等間隔
をもって形成された同一面接地導体が設けられて成ると
ともに、前記一端側の前記絶縁基板の側面が前記枠体の
内面に接しており、前記同一面接地導体上に、前記枠体
の内面から前記中心導体と前記線路導体との接続部の先
端までの部位が該接続部を同軸状に覆う略半円筒形とさ
れ、前記接続部の先端より前記半導体素子側の部位が傾
斜した略半円状の上向きの開口とされている導電性の屋
根状部材が接合されていることを特徴とする半導体素子
収納用パッケージ。
【0016】本発明の半導体素子収納用パッケージは、
同一面接地導体上に、枠体の内面から中心導体と線路導
体との接続部の先端までの部位が接続部を同軸状に覆う
略半円筒形とされている導電性の屋根状部材が覆うよう
に接合されていることから、同一面接地導体と枠体の貫
通孔に嵌着された同軸コネクタの外周導体とが確実に電
気的に接続され、コプレーナ線路部の接地性を高めるこ
とができ、また、屋根状部材の接続部の先端より半導体
素子側の部位が傾斜した略半円状の上向きの開口とされ
ていることで、信号線路は同軸線路からコプレーナ線路
へスムーズに伝送モードを変化させることができ、枠体
の内面付近の信号線路における高周波信号の伝送モード
の変化をなだらかにすることができる。その結果、高周
波信号の反射損失を低減させ、高周波信号を効率よく伝
送させることが可能となる。
【0017】また、本発明において、回路基板設置用の
棚部を枠体の内面に設けた場合、半導体パッケージの基
体をネジ止め等により外部回路基板等に固定する際に回
路基板に加わる歪みが枠体を介して伝わり、その歪みは
枠体においてほとんど分散および吸収される。その結
果、回路基板に不要な応力および歪みが伝わることを防
止できる。
【0018】本発明の半導体装置は、上記本発明の半導
体素子収納用パッケージと、前記載置部に載置固定され
るとともに前記同軸コネクタに前記線路導体を介して電
気的に接続された半導体素子と、前記枠体の上面に接合
された蓋体とを具備したことを特徴とする。
【0019】本発明の半導体装置は、上記の構成によ
り、上記本発明の半導体パッケージを用いた、高周波信
号の伝送特性に優れかつ信頼性の高い半導体装置を提供
できる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の半導体素子収納用パッケ
ージについて以下に詳細に説明する。図1は本発明の半
導体パッケージについて実施の形態の一例を示す断面図
であり、1は基体、2は枠体、3は同軸コネクタ、4は
蓋体、6は回路基板である。
【0021】本発明の半導体パッケージは、上側主面に
半導体素子5および回路基板6を載置するための載置部
1aを有する基体1と、載置部1aに載置された回路基
板6と、基体1の上側主面の外周部に載置部1aを囲繞
するように接合され、側部に貫通孔2bが形成された金
属製の枠体2と、筒状の外周導体3aおよびその中心軸
に設置された中心導体3bならびにそれらの間に介在さ
せた絶縁体3cから成るとともに貫通孔2bに嵌着され
た同軸コネクタ3とを具備した基本構成である。
【0022】本発明の基体1はFe−Ni−Co合金等
の金属やCu−Wの焼結材等から成り、そのインゴット
に圧延加工や打ち抜き加工等の従来周知の金属加工法、
または射出成形と切削加工等を施すことによって、所定
形状に製作される。基体1の上側主面の略中央部には、
IC,LSI,LD,PD等の半導体素子5を載置する
ための載置部1aが設けられており、載置部1aには半
導体素子5を搭載して成る回路基板6が載置固定され
る。半導体素子5は、その電極が、回路基板6の上面の
線路導体6aにボンディングワイヤ7等を介して電気的
に接続されている。つまり、線路導体6aは、その一端
が中心導体3bに電気的に接続されており、他端が半導
体素子5に電気的に接続される。
【0023】また、基体1の上側主面の外周部には載置
部1aを囲繞するようにして枠体2が立設接合されてお
り、枠体2は基体1とともにその内側に半導体素子5を
収容する空所を形成する。この枠体2は、基体1と同様
にFe−Ni−Co合金やCu−Wの焼結材等から成
り、基体1と一体成形される、または基体1に銀(A
g)ろう等のろう材を介してろう付けされることによっ
て基体1の上側主面の外周部に立設される。この枠体2
の側部には同軸コネクタ3が嵌着される貫通孔2bが形
成されている。貫通孔2bに同軸コネクタ3を嵌着する
場合、同軸コネクタ3を嵌め込んで半田等の封着材8を
貫通孔2bとの隙間に挿入する。しかる後、加熱して封
着材8を溶融させ、溶融した封着材8は毛細管現象によ
り同軸コネクタ3と貫通孔2bの内面との隙間に充填さ
れることにより、同軸コネクタ3が貫通孔2bに封着材
8を介して嵌着接合される。
【0024】同軸コネクタ3は、内部に収容する半導体
素子5を外部の同軸ケーブル10に電気的に接続するもの
であり、Fe−Ni−Co合金等の金属から成る円筒状
の外周導体3aの中心軸に同じくFe−Ni−Co合金
等の金属から成る中心導体3bが絶縁体3cを介して固
定されて成る。なお、同軸ケーブル10は、枠体2の貫通
孔2cに挿着された同軸コネクタプラグ9を介して、同
軸コネクタ3に接続される。
【0025】中心導体3bを伝送する高周波信号は、貫
通孔2b,2c部において貫通孔2b,2cの中心軸を
同軸線路のモードで伝送し、所定の特性インピーダンス
値に整合されている。中心導体3bが枠体2の内面から
突出して線路導体6aと半田等の導電性接着材6bによ
り接続された部分以降では、高周波信号は回路基板6の
上面に被着形成された線路導体6a上を伝送される。
【0026】本発明において、回路基板6は、絶縁基板
の上面に一端が中心導体3bに接続されており他端が半
導体素子5に接続される線路導体6aおよび線路導体6
aの両側に略等間隔をもって形成された同一面接地導体
6cが設けられて成るとともに、線路導体6aの一端側
の絶縁基板の側面が枠体2の内面に接している。また、
同一面接地導体6c上に、枠体2の内面から中心導体3
bと線路導体6aとの接続部(以下、「接続部」といえ
ば中心導体3bと線路導体6aとの接続部をいうことと
する)の先端までの部位が接続部を同軸状に覆う略半円
筒形とされ、接続部の先端より半導体素子5側の部位が
傾斜した略半円状の上向きの開口とされている導電性の
屋根状部材12が接合されている。
【0027】なお、回路基板6を成す絶縁基板は、線路
導体6aの一端側に位置する側面が枠体2の内面に接し
ており、同一面接地導体6cと枠体2の内面とが導通さ
れるようになっている。また、同一面接地導体6cが絶
縁基板の線路導体6aの一端側に位置する側面に延出し
ていれば、同一面接地導体6cと枠体2の内面とが確実
に導通され好ましい。
【0028】本発明では、図2に平面図で、また図3に
斜視図で示すように、回路基板6の上面には、線路導体
6aの両側に略等間隔をもって形成された同一面接地導
体6cを設けて線路導体6aをコプレーナ線路とし、か
つ同一面接地導体6c上に本発明の構成の屋根状部材12
を接続部を同軸状に覆うように設けて、枠体2内面と同
一面接地導体6cとを電気的に接続する。屋根状部材12
と同一面接地導体6cと枠体2とは、Agろう等のろう
材や金(Au)−錫(Sn)半田,鉛(Pb)−Sn半
田等の半田によってそれぞれ接合され、電気的に接続さ
れる。
【0029】図4は屋根状部材12の拡大図であり、
(a)は拡大正面図、(b)は拡大側面図、(c)は他
の例の拡大側面図である。屋根状部材12は、Fe−Ni
−Co合金,Cu,Ag等の金属や導電性樹脂等からな
り、厚さtは0.1〜1mm、軸方向の長さで最短部L1
は0.3〜3mm、最長部L2は0.5〜5mmであるのがよ
い。
【0030】t<0.1mmの場合、屋根状部材12が薄す
ぎるため、屋根状部材12の取り扱い時に折れ等の破損が
生じやすく、また屋根状部材12と同一面接地導体6cお
よび枠体2を接合した後のろう材または半田との熱膨張
差による歪みが屋根状部材12に加わり変形しやすくな
る。屋根状部材12が変形すると、中心導体3bから屋根
状部材12の内周面までの距離が変化して、中心導体3b
および線路導体6aから構成される信号線路のインピー
ダンス値が変化し、信号線路により伝送される高周波信
号の反射損失が大きくなり易い。t>1mmの場合、屋
根状部材12と同一面接地導体6cとの接合部で、回路基
板6に屋根状部材12との熱膨張差による応力が大きく加
わり、回路基板6にクラック等の破損が生じて、屋根状
部材12と同一面接地導体6cとの電気的接続ができなく
なったり、同一面接地導体6cおよび線路導体6aが断
線し、線路導体6aで高周波信号が伝送されなくなる場
合がある。
【0031】L1<0.3mmの場合、中心導体3bの枠
体2内面からの突出部分の長さよりも短くなるため、屋
根状部材12により中心導体3bの突出部分を完全に同軸
線路とすることができなくなり、中心導体3bの突出部
分での高周波信号の伝送特性を改善するのが困難にな
る。L1>3mmの場合、中心導体3bの突出部分の長
さに比べて屋根状部材12の長さが長すぎるため、中心導
体3bの突出部分のない部分、即ち屋根状部材12のみの
部分が形成されてしまい、この部分では同軸線路とはな
らない。そのため、不要な電気的な容量が発生し高周波
信号の伝送特性が劣化し易くなる。
【0032】L2<0.5mmの場合、屋根状部材12が小
さすぎて屋根状部材12と同一面接地導体6cおよび枠体
2を接合する際の取り扱いが困難になり、屋根状部材12
と同一面接地導体6cおよび枠体2を接合する作業の作
業性が著しく低下し、確実に接合するのが困難になる。
L2>5mmの場合、屋根状部材12と同一面接地導体6
cとの接合部で、回路基板6に屋根状部材12との熱膨張
差による応力が大きく加わり、回路基板6にクラック等
の破損が生じて、屋根状部材12と同一面接地導体6cと
の電気的接続ができなくなったり、同一面接地導体6c
および線路導体6aが断線し、線路導体6aで高周波信
号が伝送されなくなる場合がある。
【0033】また、図4(c)に示すように、屋根状部
材12の枠体2と同一面接地導体6cとに接合される側の
面に、ろう材または半田を貼り付けたクラッド材を設け
るのがよく、接合時の作業性が著しく向上する。
【0034】また、図5に示すように、屋根状部材12の
同一面接地導体6cと接合される面に外向きに鍔部12a
を設けると、同一面接地導体6cと屋根状部材12とが確
実に導通され好ましい。鍔部12aは、屋根状部材12の下
端部に折り曲げ加工等を施すことによって形成する。好
ましくは鍔部12aの幅Wは0.3〜3mmとするのがよ
い。W<0.3mmの場合、鍔部12aが小さすぎて鍔部12
aを形成するのが困難になり、W>3mmの場合、屋根
状部材12と同一面接地導体6cとの接合部で、回路基板
6に屋根状部材12との熱膨張差による応力が大きく加わ
り、回路基板6にクラック等の破損が生じて、屋根状部
材12と同一面接地導体6cとの電気的接続ができなくな
ったり、同一面接地導体6cおよび線路導体6aが断線
し、線路導体6aで高周波信号が伝送されなくなる場合
がある。
【0035】図2,図3に示すように、屋根状部材12の
内径Dは、D=0.7〜3mmであるのがよい(中心導体
3bの直径が0.3mm程度の場合)。ただし、Dは、中
心導体3bの直径、周囲を取り巻く空気や窒素等の誘電
率、回路基板6の誘電率、回路基板6の同一面接地導体
6c間の間隔等により設定されるため、上記寸法の限り
ではない。
【0036】また、屋根状部材12の先端側の傾斜部の傾
斜角度は10〜60°が好ましい。10°未満では、屋根状部
材12と同一面接地導体6cとの接合長さが長くなり、回
路基板6に屋根状部材12との熱膨張差による応力が大き
く加わり、回路基板6にクラックが生じやすくなる。60
°を超えると、枠体2の内面付近の信号線路における高
周波信号の伝送モードの変化をなだらかにすることが難
しくなる。さらに、屋根状部材12の先端側の傾斜部は図
4(b)のような直線的な傾斜部であってもよいし、凹
んだ曲線状の傾斜部、または複数の直線部から成る凹ん
だ傾斜部等であってもよい。凹んだ曲線状の傾斜部や複
数の直線部から成る凹んだ傾斜部の場合、その凹み具合
を調整することにより、中心導体3bにおける同軸線路
の伝送モードと線路導体6aのコプレーナ線路の伝送モ
ードとをなめらかに整合させることができる。
【0037】このようにして、半導体パッケージ内にお
いて、高周波信号の反射損失や透過損失等の伝送損失の
小さい良好な伝送特性の信号線路が形成される。
【0038】枠体2の貫通孔2cに挿入固定される同軸
コネクタプラグ9は、外部電気回路に接続された同軸ケ
ーブル10と枠体2に嵌着された同軸コネクタ3とを接続
するためのプラグである。
【0039】そして、本発明の半導体パッケージは、半
導体素子5の電極と回路基板6の上面の線路導体6aと
を電気的に接続し、線路導体6aと中心導体3bとを導
電性接着材6bを介して、またはボンディングワイヤ等
により電気的に接続し、しかる後、枠体2の上面にFe
−Ni−Co合金等の金属から成る蓋体4を半田付け法
やシームウエルド法により接合することにより、製品と
しての半導体装置となる。この半導体装置は、基体1が
外部電気回路基板に実装され、同軸コネクタプラグ9と
外部電気回路に接続された同軸ケーブル10とを接続する
ことにより、内部に収容する半導体素子5が外部電気回
路に電気的に接続され、半導体素子5が高周波信号で作
動することとなる。
【0040】そして、図6は本発明の半導体パッケージ
について実施の形態の他の例を示す断面図であり、2a
は枠体2の内面に設けた棚部である。図6のように、枠
体2の内面の貫通孔2bの下方の部位に半導体素子5と
中心導体3bとを電気的に接続する線路導体6aが上面
に形成された回路基板6を上面に設置した棚部2aが設
けられている。また、回路基板6は下面に接地導体層6
dが形成されている。そして、棚部2aに半田等の接合
材6eを載置し、接合材6eの上に回路基板6を接地導
体層6d側の面(下面)が接合材6e側になるようにし
て載置する。しかる後、加熱して接合材6eを溶融さ
せ、棚部2a上面に回路基板6が固定される。
【0041】棚部2a上面に回路基板6を固定すること
により、基体1をネジ止め等により外部回路基板等に装
着する際に回路基板6に加わる歪みが枠体2を介して伝
わり、その歪みは枠体2においてほとんど分散および吸
収される。その結果、回路基板6に不要な応力および歪
みが伝わりにくくなり、回路基板6のクラック等による
破損を防止し、線路導体6aが断線し高周波信号を伝送
できなくなるのを防止できる。
【0042】本発明における高周波信号の好ましい周波
数は1〜60GHz程度であり、この場合に高周波信号の
伝送特性を良好なものとすることができる。
【0043】なお、本発明は上記実施の形態に限定され
ず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を施
すことは何等差し支えない。例えば、図7のように、同
軸コネクタ3が保持部材11を介して枠体2に固定されて
いる構成であってもよい。具体的には、保持部材11に設
けられた、枠体2内外を貫通するように設けられた貫通
孔11bに、同軸コネクタ3を外側より挿着し、かつ保持
部材11の内側に棚部11aを設けて回路基板6を設置し、
保持部材11を枠体2の取付部2dに嵌着させた構成であ
る。この場合、保持部材11の体積を大きくしたり、比較
的変形しやすい金属(Cu,Ag)等によって構成する
ことにより、基体1を外部回路基板にネジ止め等によっ
て固定する際に同軸コネクタ3と回路基板6に加わる応
力を低減できる。
【0044】
【発明の効果】本発明の半導体素子収納用パッケージ
は、上側主面に半導体素子および回路基板を載置するた
めの載置部を有する基体と、載置部に載置された回路基
板と、基体の上側主面の外周部に載置部を囲繞するよう
に接合され、側部に貫通孔が形成された金属製の枠体
と、筒状の外周導体およびその中心軸に設置された中心
導体ならびにそれらの間に介在させた絶縁体から成ると
ともに貫通孔に嵌着された同軸コネクタとを具備し、回
路基板は、絶縁基板の上面に一端が中心導体に電気的に
接続されているとともに他端が半導体素子に電気的に接
続される線路導体および線路導体の両側に略等間隔をも
って形成された同一面接地導体が設けられて成るととも
に、一端側の絶縁基板の側面が枠体の内面に接してお
り、同一面接地導体上に、枠体の内面から中心導体と線
路導体との接続部の先端までの部位が接続部を同軸状に
覆う略半円筒形とされ、接続部の先端より半導体素子側
の部位が傾斜した略半円状の上向きの開口とされている
導電性の屋根状部材が接合されているか、または、上側
主面に半導体素子を載置するための載置部を有する基体
と、基体の上側主面に載置部を囲繞するように接合さ
れ、側部に貫通孔が形成された金属製の枠体と、筒状の
外周導体およびその中心軸に設置された中心導体ならび
にそれらの間に介在させた絶縁体から成るとともに貫通
孔に嵌着された同軸コネクタとを具備し、枠体の内面の
貫通孔の下方の部位に回路基板を上面に設置した棚部が
設けられており、回路基板は、絶縁基板の上面に一端が
中心導体に電気的に接続されているとともに他端が半導
体素子に電気的に接続される線路導体および線路導体の
両側に略等間隔をもって形成された同一面接地導体が設
けられて成るとともに、一端側の絶縁基板の側面が枠体
の内面に接しており、同一面接地導体上に、枠体の内面
から中心導体と線路導体との接続部の先端までの部位が
接続部を同軸状に覆う略半円筒形とされ、接続部の先端
より半導体素子側の部位が傾斜した略半円状の上向きの
開口とされている導電性の屋根状部材が接合されている
ことにより、同一面接地導体と枠体の貫通孔に嵌着され
た同軸コネクタの外周導体とが確実に電気的に接続さ
れ、コプレーナ線路部の接地性を高めることができ、ま
た、信号線路は同軸線路からコプレーナ線路へスムーズ
に伝送モードを変化させることができ、枠体の内面付近
の信号線路における高周波信号の伝送モードの変化をな
だらかにすることができる。その結果、高周波信号の反
射損失を低減させ、高周波信号を効率よく伝送させるこ
とが可能となる。
【0045】また、回路基板設置用の棚部を枠体の内面
に設けた場合、半導体パッケージの基体をネジ止め等に
より外部回路基板等に固定する際に回路基板に加わる歪
みが枠体を介して伝わり、その歪みは枠体においてほと
んど分散および吸収される。その結果、回路基板に不要
な応力および歪みが伝わることを防止できる。
【0046】本発明の半導体装置は、本発明の半導体素
子収納用パッケージと、載置部に載置固定されるととも
に同軸コネクタに線路導体を介して電気的に接続された
半導体素子と、枠体の上面に接合された蓋体とを具備し
たことにより、本発明の半導体素子収納用パッケージを
用いた、高周波信号の伝送特性に優れかつ信頼性の高い
ものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体素子収納用パッケージについて
実施の形態の例を示す断面図である。
【図2】本発明の半導体素子収納用パッケージにおける
回路基板の平面図である。
【図3】本発明の半導体素子収納用パッケージにおける
回路基板上の屋根状部材を示す部分斜視図である。
【図4】本発明の半導体素子収納用パッケージにおける
屋根状部材を示し、(a)は屋根状部材の拡大正面図、
(b)は屋根状部材の拡大側面図、(c)は屋根状部材
の他の例の拡大側面図である。
【図5】本発明の半導体素子収納用パッケージにおける
屋根状部材について実施の形態の他の例を示す斜視図で
ある。
【図6】本発明の半導体素子収納用パッケージについて
実施の形態の他の例を示す断面図である。
【図7】本発明の半導体素子収納用パッケージについて
実施の形態の他の例を示す断面図である。
【図8】従来の半導体素子収納用パッケージの断面図で
ある。
【図9】従来の半導体素子収納用パッケージにおける回
路基板の平面図である。
【符号の説明】
1:基体 1a:載置部 2:枠体 2b:貫通孔 3:同軸コネクタ 3a:外周導体 3b:中心導体 3c:絶縁体 5:半導体素子 6:回路基板 6a:線路導体 6c:同一面接地導体 12:屋根状部材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上側主面に半導体素子および回路基板を
    載置するための載置部を有する基体と、前記載置部に載
    置された前記回路基板と、前記基体の前記上側主面の外
    周部に前記載置部を囲繞するように接合され、側部に貫
    通孔が形成された金属製の枠体と、筒状の外周導体およ
    びその中心軸に設置された中心導体ならびにそれらの間
    に介在させた絶縁体から成るとともに前記貫通孔に嵌着
    された同軸コネクタとを具備した半導体素子収納用パッ
    ケージにおいて、前記回路基板は、絶縁基板の上面に一
    端が前記中心導体に電気的に接続されているとともに他
    端が前記半導体素子に電気的に接続される線路導体およ
    び該線路導体の両側に略等間隔をもって形成された同一
    面接地導体が設けられて成るとともに、前記一端側の前
    記絶縁基板の側面が前記枠体の内面に接しており、前記
    同一面接地導体上に、前記枠体の内面から前記中心導体
    と前記線路導体との接続部の先端までの部位が該接続部
    を同軸状に覆う略半円筒形とされ、前記接続部の先端よ
    り前記半導体素子側の部位が傾斜した略半円状の上向き
    の開口とされている導電性の屋根状部材が接合されてい
    ることを特徴とする半導体素子収納用パッケージ。
  2. 【請求項2】 上側主面に半導体素子を載置するための
    載置部を有する基体と、該基体の前記上側主面に前記載
    置部を囲繞するように接合され、側部に貫通孔が形成さ
    れた金属製の枠体と、筒状の外周導体およびその中心軸
    に設置された中心導体ならびにそれらの間に介在させた
    絶縁体から成るとともに前記貫通孔に嵌着された同軸コ
    ネクタとを具備した半導体素子収納用パッケージにおい
    て、前記枠体の内面の前記貫通孔の下方の部位に回路基
    板を上面に設置した棚部が設けられており、前記回路基
    板は、絶縁基板の上面に一端が前記中心導体に電気的に
    接続されているとともに他端が前記半導体素子に電気的
    に接続される線路導体および該線路導体の両側に略等間
    隔をもって形成された同一面接地導体が設けられて成る
    とともに、前記一端側の前記絶縁基板の側面が前記枠体
    の内面に接しており、前記同一面接地導体上に、前記枠
    体の内面から前記中心導体と前記線路導体との接続部の
    先端までの部位が該接続部を同軸状に覆う略半円筒形と
    され、前記接続部の先端より前記半導体素子側の部位が
    傾斜した略半円状の上向きの開口とされている導電性の
    屋根状部材が接合されていることを特徴とする半導体素
    子収納用パッケージ。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の半導体素
    子収納用パッケージと、前記載置部に載置固定されると
    ともに前記同軸コネクタに前記線路導体を介して電気的
    に接続された半導体素子と、前記枠体の上面に接合され
    た蓋体とを具備したことを特徴とする半導体装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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