JP2003346908A - リチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 過充電状態でも安全性を保持することができ
るリチウム二次電池を提供する。 【解決手段】 リチウムイオン電池は、電池容器内に、
正極活物質にスピネル構造を有するマンガン酸リチウ
ム、又は、リチウム、マンガン、コバルト及びニッケル
を含む複合酸化物を用いた正極と、負極活物質に非晶質
炭素を用いた負極とが、セパレータを介して捲回され、
電解液に浸潤されている。ビーカーセルを作製して正極
試験片を連続充電したとき、金属リチウムに対する電圧
が5.2〜5.8Vの過充電領域でプラトーを持たない
ビーカーセルの複合酸化物を正極活物質に選定した。複
合酸化物と電解液との反応が略均一に進行し、部分的に
急激な温度上昇を回避する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はリチウム二次電池に
係り、特に、正極活物質にスピネル構造を有するリチウ
ムマンガン複合酸化物、又は、リチウム、マンガン、コ
バルト及びニッケルを含む層状構造の複合酸化物を用い
た正極を電解液に浸潤させたリチウム二次電池に関す
る。
【0002】
【従来の技術】リチウム二次電池を代表するリチウムイ
オン二次電池は、高エネルギー密度であるメリットを活
かして、主にVTRカメラやノートパソコン、携帯電話
等のポータブル機器の電源に使用されている。一般的な
円筒型リチウムイオン二次電池の寸法は、直径が18m
m、高さが65mmとされ、18650型と呼ばれ小形
民生用リチウムイオン二次電池として広く普及してい
る。18650型リチウムイオン二次電池の正極活物質
には、高容量、長寿命を特徴とするコバルト酸リチウム
が主として用いられており、電池容量は、おおむね1.
3Ah〜1.7Ah、出力はおよそ10W程度である。
【0003】一方、自動車産業界においては環境問題に
対応すべく、排出ガスのない、動力源を完全に電池のみ
にした電気自動車や、内燃機関エンジンと電池との両方
を動力源とするハイブリッド(電気)自動車の開発が加
速され、一部実用化の段階にきている。電気自動車の電
源となる電池には当然高出力、高エネルギーが得られる
特性が要求され、この要求にマッチした電池としてリチ
ウムイオン電池が注目されている。このようなリチウム
イオン電池の正極活物質には、スピネル構造を有するリ
チウム複合酸化物(例えば、特許文献1参照)や層状構
造を有する複合酸化物(例えば、特許文献2参照)が用
いられる。
【0004】ところが、リチウムイオン電池の場合、高
出力になればなるほど安全性が低下する傾向にある。人
を乗せて走る電気自動車の場合、充電制御システムが故
障してしまった場合の過充電時、不慮の衝突事故の場合
に遭遇する可能性のある電池のクラッシュ時あるいは、
異物突き刺し時、外部短絡時等の電池自体の安全性を確
保することは、最低限必要な、非常に重要な電池特性で
ある。ここで言う電池の安全性とは、電池が異常な状態
にさらされた場合の電池の挙動が、人に身体的損害を与
えないことは当然のことながら、車両への損傷を最小限
に抑えることを意味する。
【0005】過充電時等の安全性対策としては、従来か
ら、PTC(Positive TemperatureCoefficient)素子
や、電池内圧上昇を利用した圧力スイッチによる電流遮
断機構を使用することにより、異常状態の電池の充電を
停止させる方法が使用されている。
【0006】
【特許文献1】特開2002−316823号公報
【特許文献2】特開2002−068747号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、大電流
を取り出す必要のある電池の場合、PTC素子による抵
抗増加や圧力スイッチの接点部分の発熱が生じるため、
電池の蓋などに電流遮断機構を設けることは難しい。充
電中に外部機構による電流遮断ができないと、電池は過
充電され続け、正極活物質であるマンガン酸リチウムの
リチウムイオンがほとんど抜け出して結晶構造が不安定
化し、電圧の上昇、電解液の分解が開始される。電解液
の分解による発熱は、部分的に急激な温度上昇を示す。
この温度上昇に伴い、結晶構造が不安定状態にあるマン
ガン酸リチウムの酸素が爆発的に電解液の酸化、分解に
消費され、更に大きな発熱を生じ、電池の白煙噴出や破
裂、発火の現象が見られることもある。
【0008】本発明は上記事案に鑑み、過充電状態でも
安全性を保持することができるリチウム二次電池を提供
することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、正極活物質にスピネル構造を有するリチ
ウムマンガン複合酸化物、又は、リチウム、マンガン、
コバルト及びニッケルを含む層状構造の複合酸化物を用
いた正極を電解液に浸潤させたリチウム二次電池であっ
て、前記正極を連続充電したときの金属リチウムに対す
る電圧が5.2V〜5.8Vの領域でプラトーを持たな
いことを特徴とする。
【0010】本発明では、正極活物質にスピネル構造を
有するリチウムマンガン複合酸化物、又は、リチウム、
マンガン、コバルト及びニッケルを含む層状構造の複合
酸化物を用いた正極を連続充電したときの金属リチウム
に対する電圧(vs.Li/Li+、以下の電圧はLi
基準とする。)は、電極表面からのリチウムイオンの放
出に伴い上昇すると共に、リチウムマンガン複合酸化物
の充放電領域に相当する5.2〜5.8Vの領域で電圧
が横這い状態となるプラトーを持たないため、リチウム
マンガン複合酸化物と電解液との反応が電極表面、内部
で略均一に進行しリチウムマンガン複合酸化物の結晶構
造を安定に保持しながらリチウムイオンを放出するの
で、過充電状態での部分的に急激な温度上昇を回避する
ことができることから、リチウム二次電池の安全性を保
持することができる。
【0011】この場合において、金属リチウムに対する
電圧が5.5V以上の領域で、複合酸化物の単位充電量
当たりの電圧が0.1V/(mAh/g)以上となると
きの放電状態からの充電量が、正極の放電可能容量に対
して1.5倍以下にすれば、複合酸化物のマンガンの溶
出が生じ電圧が上昇して温度が急激に上昇し始めるとき
の充電量を放電可能容量に対して一定範囲内に規制され
るため、複合酸化物が安定した結晶構造に保持されるの
で、過充電状態での急激な温度上昇を抑制することがで
きる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明を
電気自動車搭載用の円筒型リチウムイオン電池に適用し
た実施の形態について、正極活物質の選定、電池の作製
の順に説明する。
【0013】(正極活物質の選定)マンガン原料として
二酸化マンガン、硫酸マンガン、硝酸マンガン、酢酸マ
ンガンなどのマンガン化合物、コバルト原料としてコバ
ルト酸化物、硫酸コバルト、硝酸コバルトなどのコバル
ト化合物、ニッケル原料としてニッケル酸化物、硫酸ニ
ッケル、硝酸ニッケルなどのニッケル化合物、リチウム
原料として炭酸リチウム、硝酸リチウム、酢酸リチウ
ム、硫化リチウムなどのリチウム化合物を使用する。ま
た、別の元素を置換・ドープする場合は、その元素を含
む炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩などの塩を使用す
る。各原料の混合比を調整して略均一に混合し、焼成時
間、焼成温度を変えることで、スピネル構造を有するリ
チウムマンガン複合酸化物、及び、リチウム、マンガ
ン、コバルト及びニッケルを含む層状構造の複合酸化物
を調製する(以下、両者を総称する場合に「複合酸化
物」という。)。
【0014】以上のように調製した各複合酸化物90重
量部に対し、導電剤として鱗片状黒鉛粉末5重量部と、
結着剤としてポリフッ化ビニリデン5重量部とを添加
し、これに分散溶媒としてN−メチルピロリドンを添
加、混練して得られる正極合剤スラリを、厚さ20μm
のアルミニウム箔にほぼ均一に両面塗布し、乾燥、プレ
スすることで正極試験片を作製する。このとき、正極試
験片の合剤塗布部厚さを300μm、合剤密度を2.7
5g/cmとした。得られた正極を、厚さ40μmの
微多孔性のポリエチレン製セパレータを介して、金属リ
チウム箔を銅製メッシュに貼り付けた負極試験片で挟み
込み、電解液に浸潤させ、ビーカーセル(リチウム電
池)を作製する。電解液には、エチレンカーボネートと
ジメチルカーボネートを体積比1:2で混合した混合溶
媒に、電解質の6フッ化リン酸リチウム(LiPF
を1モル/リットル溶解したものを用いた。
【0015】作製した各ビーカーセルに、電極面積に対
して0.5mA/cmの電流で連続充電し、正極試験
片の金属リチウムに対する電圧が5.9Vとなるまで過
充電状態とする。このとき、所定時間ごとに、正極試験
片の金属リチウムに対する電圧を測定する。図1は、充
電量に対する正極試験片の測定電圧を示したものであ
る。金属リチウムに対する電圧が5.2〜5.8Vの過
充電領域で、連続右上がりとなる(プラトーを持たな
い)ビーカーセルの複合酸化物を、正極活物質を選定す
る第1条件とする。また、金属リチウムに対する電圧が
5.5V以上の領域で複合酸化物の単位充電量当たりの
電圧が0.1V/(mAh/g)以上となる、連続充電
開始時からの充電量C1を算出し、充電量C1の放電容
量に対する比を過充電量として求める。過充電量が1.
5以下のビーカーセルの複合酸化物を、正極活物質を選
定する第2条件とする。そして、第1条件(及び第2条
件)を満足する複合酸化物を正極活物質として選定す
る。
【0016】(電池の作製)以上のように選定した複合
酸化物90重量部に対し、導電剤として鱗片状黒鉛粉末
5重量部と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン5重量
部とを添加し、これに分散溶媒としてN−メチルピロリ
ドンを添加、混練して得られる正極合剤スラリを、厚さ
20μmのアルミニウム箔の両面に均一に塗布し、乾
燥、プレスすることで正極を作製する。
【0017】負極活物質の非晶質炭素粉末90重量部に
対し、結着剤としてポリフッ化ビニリデン10重量部を
添加し、これに分散溶媒としてN−メチルピロリドンを
添加、混練して得られるスラリを、厚さ10μmの圧延
銅箔の両面に塗布し、乾燥、プレスすることで負極を作
製する。
【0018】図2に示すように、上記作製の正極と負極
とを、これら両極が直接接触しないように厚さ40μm
のポリオレフィン系セパレータを介して軸芯11に捲回
し捲回群6を作製する。正極から導出されているリード
片9を変形させ、軸芯11のほぼ延長線上にある極柱
(正極外部端子1)周囲から一体に張り出している鍔部
7周面に接続し固定する。負極外部端子1’と、負極か
ら導出されているリード片9との接続も、正極と同様に
する。その後正極外部端子1及び負極外部端子1’の鍔
部7周面全周、捲回群6外周面全周に絶縁被覆8を施
し、捲回群6を直径65mm、高さ390mmの円筒形
SUS(ステンレス)製電池容器(缶)5に挿入する。
続いて、円盤状電池蓋4周端面を電池容器5開口部に嵌
合し、双方の接触部全域をレーザ溶接する。次に、金属
製のナット2を正極外部端子1、負極外部端子1’にそ
れぞれ螺着し、電池蓋4を鍔部7とナット2の間で締め
付けにより固定する。次いで、上述したビーカーセルの
電解液と同様の電解液を注液して円筒型リチウムイオン
電池20を作製する。電池20はいずれも、電池容量9
0Ah、最大出力1000Wとした。
【0019】
【実施例】次に、本実施形態に従って作製した電池20
の実施例について説明する。なお、比較のために作製し
た比較例の電池についても併記する。
【0020】(比較例1)下表1に示すように、比較例
1では、正極活物質に上記作製の複合酸化物Aを用い
た。複合酸化物Aはプラトーを持ち、過充電量は1.8
であった。
【0021】
【表1】
【0022】(比較例2)表1に示すように、比較例2
では、複合酸化物Bを用いる以外は比較例1と同様にし
た。複合酸化物Bはプラトーを持ち、過充電量は1.6
であった。
【0023】(実施例1〜実施例3)表1に示すよう
に、実施例1〜実施例3では、正極活物質に用いる複合
酸化物を変えた以外は比較例1と同様にした。実施例1
では複合酸化物Cを、実施例2では複合酸化物Dを、実
施例3では複合酸化物Eを、それぞれ用いた。複合酸化
物C、D、Eはいずれもプラトーを持たず、過充電量
は、実施例1では1.6、実施例2では1.5、実施例
3では1.3であった。
【0024】(比較例3、4)表1に示すように、比較
例3では、正極活物質に上記作製の複合酸化物Fを用い
た。複合酸化物Fはプラトーを持ち、過充電量は2.0
であった。また、比較例4では、複合活物質Gを用いる
以外は比較例1と同様にした。複合酸化物Gはプラトー
を持ち、過充電量は1.6であった。
【0025】(実施例4〜実施例6)表1に示すよう
に、実施例4〜実施例6では、正極活物質に用いる複合
酸化物を変えた以外は比較例1と同様にした。実施例4
では複合酸化物Hを、実施例5では複合酸化物Iを、実
施例6では複合酸化物Jを、それぞれ用いた。複合酸化
物H、I、Jはいずれもプラトーを持たず、過充電量
は、実施例4では1.7、実施例5では1.5、実施例
6では1.4であった。
【0026】なお、上記実施例及び比較例で、複合酸化
物A〜Eはスピネル構造を有するリチウムマンガン複合
酸化物であり、複合酸化物F〜Jはリチウム、マンガ
ン、コバルト及びニッケルを含む層状構造の複合酸化物
である。
【0027】(安全性試験)実施例及び比較例の電池
に、0.5Cの電流を充電方向に連続的に流す過充電試
験を行い、電池表面の最高到達温度を測定し、発火の有
無の状況について調べた。結果を下表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】表1及び表2に示すように、正極を連続充
電したときにプラトーを持つ比較例1、比較例2、比較
例3及び比較例4の電池は、最高到達温度が450°C
以上に達し、安全性試験において発火が見られた。これ
に対し、プラトーを持たない実施例1〜実施例3及び実
施例4〜実施例6の電池に関しては、安全性試験におい
て発火が見られなかった。また、過充電量が1.5以下
の実施例2、実施例3、実施例5及び実施例6の電池で
は最高到達温度が260°C以下となり高くならなかっ
た。
【0030】以上のように、本実施形態では、正極を連
続充電したときの金属リチウムに対する電圧が5.2〜
5.8Vの過充電領域でプラトーを持たない(第1条件
を満足する)複合酸化物(スピネル構造を有するリチウ
ムマンガン複合酸化物、又は、リチウム、マンガン、コ
バルト及びニッケルを含む層状構造の複合酸化物)を用
いたので、複合酸化物と電解液との反応が略均一に進行
するため、過充電状態での急激な電圧上昇を抑制するこ
とができると共に、電解液の分解を防止し急激な温度上
昇を回避することができる。従って、電池20は過充電
状態での最高到達温度が高温とはならず発火がなく、優
れた安全性を保持することができる。更に、金属リチウ
ムに対する電圧が5.5V以上の領域で複合酸化物の単
位充電量当たりの電圧が0.1V/(mAh/g)以上
となるときの過充電量を1.5以下(第1条件及び第2
条件を満足する)とすることで、過充電状態での複合酸
化物のマンガンの溶出を抑制して結晶構造を安定に保持
することができるので、急激な温度上昇を回避すること
ができる。従って、電池20の電池温度を所定温度以下
に保持することができ、安全性を確保することができ
る。
【0031】なお、本実施形態では、正極合剤の配合
比、電極密度や電極厚さは1例を示したが、本発明はこ
れに限定されるものではない。配合比の調整、電極密度
や電極厚さなどの電極設計によって、正極(単極)を連
続充電したときの金属リチウムに対する電圧の推移に違
いが見られるが、プラトーや過充電量の調整により、安
全性を保持したリチウム二次電池を得ることができる。
【0032】また、本実施形態では、負極活物質に非晶
質炭素を用いた例を示したが、リチウムイオンを挿入・
脱離可能な黒鉛やその他の材料でもよく、負極にリチウ
ムイオンを挿入、脱離させる目的以外の炭素材などを添
加して用いることもできる。
【0033】更に、本実施形態では、電解質としてLi
PFを例示したが、これに限定されるものではなく、
例えば、LiC1O、LiAsF、LiBF、L
iB(C、CHSOLi、CFSOL
iなどやこれらの混合物を用いてもよい。
【0034】また、本実施形態以外の電解液溶媒とし
て、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、
1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタ
ン、γ−ブチルラクトン、テトラヒドロフラン、1,3
−ジオキソラン、4−メチルー1,3−ジオキソラン、
ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、ア
セトニトリル、プロピオニトリルなどを使用してもよ
く、またこれらの2種以上の混合溶媒としてもよい。ま
た、本実施形態では、結着材としてポリフッ化ビニリデ
ンを例示したが、ポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、
ブチルゴム、ニトリルゴム、スチレン/ブタジエンゴ
ム、多硫化ゴム、ニトロセルロース、シアノエチルセル
ロース、各種ラテックス、アクリロニトリル、フッ化ビ
ニル、ポリビニルアルコール、フッ化ビニリデン、フッ
化プロピレン、フッ化クロロプレン、アクリル系樹脂な
どの重合体及びこれらの混合体などを使用することもで
きる。
【0035】更にまた、本実施形態では、電気自動車用
電源等に用いられる大形の二次電池を例示したが、本発
明は、電池の大きさ、電池容量に限定されるものではな
い。また、有底筒状容器(缶)に電池上蓋がかしめによ
って封口されている構造の円筒型電池にも適用可能であ
る。更に、本実施形態では、電極を捲回した捲回群6を
用いた電池を例示したが、電極を積層して用いる電池に
も適用可能である。また、本実施形態では、電池容器と
して円筒形の缶を使用した例を示したが、本発明は、形
状には制限されず、角型やその他の形状であっても適用
可能である。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
正極活物質にスピネル構造を有するリチウムマンガン複
合酸化物を用いた正極を連続充電したときの金属リチウ
ムに対する電圧が、リチウムマンガン複合酸化物の充放
電領域に相当する5.2〜5.8Vの領域でプラトーを
持たないため、リチウムマンガン複合酸化物と電解液と
の反応が電極表面、内部で略均一に進行しリチウムマン
ガン複合酸化物の結晶構造を安定に保持しながらリチウ
ムイオンを放出するので、過充電状態での部分的に急激
な温度上昇を回避することができることから、リチウム
二次電池の安全性を保持することができる、という効果
を得ることができる。また、正極活物質にリチウム、マ
ンガン、コバルト及びニッケルを含む層状構造の複合酸
化物を用いた正極の場合であっても、同様の条件を満た
せば、リチウム二次電池の安全性を確保することができ
る、という効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ビーカーセルに投入した充電量と正極試験片の
金属リチウムに対する電圧との関係を模式的に示すグラ
フである。
【図2】本発明を適用した実施形態の円筒型リチウムイ
オン電池の断面図である。
【符号の説明】
5 電池容器 6 捲回群 20 円筒型リチウムイオン電池
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H029 AJ12 AK03 AL08 AM03 AM05 AM07 BJ02 BJ14 DJ17 EJ04 EJ12 HJ18 HJ19 5H050 AA03 AA15 BA17 CA08 CA09 CB09 EA09 EA24 FA05 HA18 HA19

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極活物質にスピネル構造を有するリチ
    ウムマンガン複合酸化物を用いた正極を電解液に浸潤さ
    せたリチウム二次電池であって、前記正極を連続充電し
    たときの金属リチウムに対する電圧が5.2V〜5.8
    Vの領域でプラトーを持たないことを特徴とするリチウ
    ム二次電池。
  2. 【請求項2】 前記金属リチウムに対する電圧が5.5
    V以上の領域で、前記リチウムマンガン複合酸化物の単
    位充電量当たりの電圧が0.1V/(mAh/g)以上
    となるときの放電状態からの充電量が、前記正極の放電
    可能容量に対して1.5倍以下であることを特徴とする
    請求項1に記載のリチウム二次電池。
  3. 【請求項3】 正極活物質にリチウム、マンガン、コバ
    ルト及びニッケルを含む層状構造の複合酸化物を用いた
    正極を電解液に浸潤させたリチウム二次電池であって、
    前記正極を連続充電したときの金属リチウムに対する電
    圧が5.2V〜5.8Vの領域でプラトーを持たないこ
    とを特徴とするリチウム二次電池。
  4. 【請求項4】 前記金属リチウムに対する電圧が5.5
    V以上の領域で、前記層状構造の複合酸化物の単位充電
    量当たりの電圧が0.1V/(mAh/g)以上となる
    ときの放電状態からの充電量が、前記正極の放電可能容
    量に対して1.5倍以下であることを特徴とする請求項
    3に記載のリチウム二次電池。
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