JP4026587B2 - リチウムイオン電池 - Google Patents

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本発明はリチウムイオン電池に係り、特に、リチウム遷移金属複合酸化物を含む正極合剤を有する正極と、負極とをセパレータを介して配置し非水電解液に浸潤させたリチウムイオン電池に関する。
リチウムイオン電池は高エネルギー密度であるメリットを活かして、主にVTRカメラやノート型パソコン、携帯電話などのポータブル機器に使用されている。一方、自動車産業界においては環境問題に対応すべく、動力源としてモータを用いる方式の電気自動車や、内燃機関エンジンとモータとの両方を用いるハイブリッド方式の電気自動車の開発が進められており、その一部はすでに実用化されている。また、電力需要が増加する中で、昼夜間や季節間の需要格差が拡大しており、これを緩和するために電力貯蔵技術の開発も進められている。特に、近年では、電気自動車用や電力貯蔵用を目的とする大型のリチウムイオン電池の研究開発が活発化している。
リチウムイオン電池の場合、高容量、高出力になればなるほど安全性が低下する傾向にあるため、大型のリチウムイオン電池には、高容量、高出力であると共に、安全性の向上が要求されている。例えば、大型のリチウム二次電池を電気自動車用電源として使用する場合には、電池の充電状態を監視するための充電制御システムが故障して過充電状態に陥ったときの電池異常時でも、安全性の確保、すなわち、電池異常時の挙動が人体に被害を与えないことは当然のことながら、自動車への損害を最小限に抑えることが重要な課題となってきている。
ところが、自動車用電源に用いられる電池では、大電流充電、大電流放電がなされるため、一般に小型(例えば、18650型)のリチウムイオン電池に採用されているような、電池の内圧上昇に応じて作動する電流遮断機構(電流切断スイッチ)を電池内部に設けると、その機構自体が電気抵抗となって充放電時の電圧降下につながる。このため、内部抵抗の低減を重視する大型のリチウムイオン電池に電流遮断機構を採用することは実質的に不可能である。リチウムイオン電池の安全性を確保するために、例えば、正負極の少なくとも一方にフレーク状の金属を含有させる技術が開示されている(特許文献1参照)。
特開2001−273902号公報
しかしながら、特許文献1の電池では、フレーク状の金属が電極内でのイオン伝導を妨げ、活物質の反応を抑制することにより電池異常時の発熱を防止するため、小型のリチウムイオン電池には有効であるものの、大型のリチウムイオン電池では電極自体が大きく電池異常時の反応が急激なため、十分な効果は期待できない。特に、大型のリチウムイオン電池が過充電された場合には、高電圧下での非水電解液と活物質との反応により急激かつ大量のガスが発生するため、電池の挙動が激しくなる可能性がある。
本発明は上記事案に鑑み、高容量、高出力であるとともに安全性に優れたリチウムイオン電池を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、リチウム遷移金属複合酸化物を含む正極合剤を有する正極と、負極とをセパレータを介して配置し非水電解液に浸潤させたリチウムイオン電池において、前記正極合剤中に、過充電で正極合剤から脱離乃至溶出し前記負極にデンドライト状に析出して前記セパレータを貫通するFe、Cu、Ag及びAuの元素のうち少なくとも1種を含む金属又は合金の粒子を所定量含有しており、前記粒子の粒径をa、前記セパレータの厚さをbとしたときに、a≧30μm、かつ、a/b≧0.75を満たすことを特徴とする。
本発明では、正極合剤中に意図的に含有されたFe、Cu、Ag及びAuの元素のうち少なくとも1種を含む金属又は合金の粒子が過充電で正極合剤から脱離乃至溶出し負極にデンドライト状に析出してセパレータを貫通するため、過充電時に正負極間の微小短絡が促進される。粒子の粒径をa、セパレータの厚さをbとしたときに、a≧30μm、かつ、a/b≧0.75とすることで、セパレータを貫通し正負極間の微小短絡を促進するデンドライト析出を生じさせることができる。従って、本発明によれば、過充電時にリチウムイオン電池の安全性を確保することができる。この場合において、セパレータの材質はポリオレフィン系とすることが好ましい。
本発明によれば、正極合剤中に意図的に含有されたFe、Cu、Ag及びAuの元素のうち少なくとも1種を含む金属又は合金の粒子が過充電で正極合剤から脱離乃至溶出し負極にデンドライト状に析出してセパレータを貫通するため、過充電時に正負極間の微小短絡が促進され、粒子の粒径をa、セパレータの厚さをbとしたときに、a≧30μm、かつ、a/b≧0.75とすることで、セパレータを貫通し正負極間の微小短絡を促進するデンドライト析出を生じさせることができるので、過充電時にリチウムイオン電池の安全性を確保することができる、という効果を得ることができる。
以下、図面を参照して、本発明を適用した大型の円筒型リチウムイオン二次電池の実施の形態について説明する。
(負極)
負極活物質の非晶質炭素粉末90重量部に、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)10重量部を添加し、これに分散溶媒としてN−メチルピロリドン(NMP)を添加、混練したスラリを厚さ10μmの圧延銅箔の両面に塗布した。このとき、負極長寸方向の一方の側縁に未塗布部を残した。その後、乾燥、プレス、裁断して負極を得た。側縁に残した未塗布部に切り欠きを入れ、切り欠き残部をリード片とした。
(正極)
正極活物質のスピネル系リチウムマンガン複合酸化物の粉末90重量部に対して、導電材として炭素粉末5重量部と、結着剤としてPVDF5重量部と、を添加し、これに分散溶媒としてNMPを添加、混練した。更に、Fe、Cu、Ag、Auの元素のうち少なくとも1種を含む金属粉末又は合金粉末の所定量(例えば、1ppm)を添加し、ほぼ均一に混練して正極合剤スラリを作製した。金属粉末又は合金粉末は、粒径をa、後述するセパレータの厚さをbとしたときに、比a/bが0.75以上(a/b≧0.75)となるように分級して用いた。得られた正極合剤スラリを厚さ20μmのアルミニウム箔の両面にほぼ均一に塗布した。このとき、正極長寸方向の一方の側縁に未塗布部を残した。その後、乾燥、プレス、裁断して正極を得た。側縁に残した未塗布部に切り欠きを入れ、切り欠き残部をリード片とした。なお、金属粉末又は合金粉末の添加量は、正極合剤の厚さ、大きさにより定めた。
(電池組立)
図1に示すように、作製した正負極を、これら両極が直接接触しないようにポリエチレン製で微多孔性の厚さbが40μmのセパレータを介して、捲回中心となる軸芯11の周りに捲回して捲回群6を作製した。このとき、正極及び負極のリード片9が、それぞれ捲回群6の互いに反対側の両端面に位置するようにした。捲回群6の最内周では捲回方向に正極が負極からはみ出すことがなく、また、最外周でも捲回方向に正極が負極からはみ出すことがないように、負極の長さは正極の長さよりも18cm長くなるようにした。捲回方向に直交する方向においても正極活物質塗布部が負極活物質塗布部からはみ出すことがないように、負極活物質塗布部の幅を、正極活物質塗布部の幅よりも5mm長くした。
正極から導出されているリード片9を変形させ、その全てを、軸芯11のほぼ延長線上にある正極外部端子1周囲から一体に張り出している鍔部7周面付近に集合、接触させた後、リード片9と鍔部7周面とを超音波溶接してリード片9を鍔部7周面に接続し固定した。また、負極外部端子1’と負極から導出されているリード片9との接続操作も、正極外部端子1と正極から導出されているリード片9との接続操作と同様に行った。
正極外部端子1及び負極外部端子1’の鍔部7周面全周に絶縁被覆8を施した。この絶縁被覆8は、捲回群6外周面全周にも及ぼした。絶縁被覆8には、基材がポリイミドで、その片面にヘキサメタアクリレートからなる粘着剤を塗布した粘着テープを用いた。この粘着テープを鍔部7周面から捲回群6外周面に亘って何重にも巻いて絶縁被覆8とした。捲回群6の最大径部が絶縁被覆8存在部となるように巻き数を調整し、直径65mm、高さ390mmの円筒状でSUS製の電池容器5の内径よりも僅かに小さくして、捲回群6を電池容器5内に挿入した。
アルミナ製で円盤状電池蓋4裏面と当接する部分の厚さ2mm、内径16mm、外径25mmの第2のセラミックワッシャ3’を、先端が正極外部端子1を構成する極柱、先端が負極外部端子1’を構成する極柱にそれぞれ嵌め込んだ。また、アルミナ製で厚さ2mm、内径16mm、外径28mmの平板状の第1のセラミックワッシャ3を電池蓋4に載置し、正極外部端子1、負極外部端子1’をそれぞれ第1のセラミックワッシャ3に通した。その後、電池蓋4周端面を電池容器5開口部に嵌合し、双方の接触部全域をレーザ溶接した。このとき、正極外部端子1、負極外部端子1’は、電池蓋4の中心に形成された穴を貫通して電池蓋4外部に突出している。そして、第1のセラミックワッシャ3、金属製ナット2底面よりも平滑な金属ワッシャ14を、この順に正極外部端子1、負極外部端子1’にそれぞれ嵌め込んだ。なお、電池蓋4には電池の内圧上昇に応じて開裂するアルミニウム合金製で板状の開裂弁10が設けられている。開裂弁10の開裂圧は、約9×10Paとした。
次いで、ナット2を正極外部端子1、負極外部端子1’にそれぞれ螺着し、第2のセラミックワッシャ3’、第1のセラミックワッシャ3、金属ワッシャ14を介して電池蓋4を鍔部7とナット2の間で締め付けにより固定した。このときの締め付けトルク値は7N・mとした。なお、締め付け作業が終了するまで金属ワッシャ14は回転しなかった。この状態で、電池蓋4裏面と鍔部7との間に介在させたゴム(EPDM)製Oリング16の圧縮により電池容器5内部の発電要素は外気から遮断される。
電池蓋4に設けた注液口15から非水電解液を所定量電池容器5内に注液して、その後注液口15を封止することにより容量90Ah、出力1000W以上の円筒型リチウムイオン二次電池20を組み立てた。非水電解液には、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートの体積比1:1:1の混合溶媒に6フッ化リン酸リチウムの1モル/リットルを溶解させたものを用いた。
次に、本実施形態に従い、金属粉末又は合金粉末の材質と粒径aとを変えて作製したリチウムイオン二次電池20の実施例について説明する。なお、比較のために作製した比較例の電池についても併記する。
(実施例1)
下表1に示すように、実施例1では、材質がCu−Feで粒径30μmの合金粉末を用いた。このとき、比a/bは0.75である。
(実施例2〜実施例7)
表1に示すように、実施例2〜実施例7では、金属粉末又は合金粉末の材質を変える以外は実施例1と同様にした。実施例2ではAu粉末、実施例3ではFe−Ni合金粉末、実施例4ではFe−Cr−Ni合金粉末、実施例5ではFe−Mn−Ni合金粉末、実施例6ではFe−Al−Si合金粉末、実施例7ではAg粉末、をそれぞれ用いた。
(実施例8〜実施例9)
表1に示すように、実施例8〜実施例9では、Cu−Fe粉末の粒径を変える以外は実施例1と同様にした。実施例8では粒径32μm、実施例9では粒径38μmとした。比a/bは、実施例8では0.80、実施例9では0.95である。
(実施例10)
表1に示すように、実施例10では、Ag粉末の粒径を36μmとする以外は実施例7と同様にした。比a/bは0.90である。
(比較例1)
表1に示すように、比較例1では、正極合剤に金属粉末及び合金粉末を含有させずに円筒型リチウムイオン二次電池を組み立てた。
(比較例2〜比較例3)
表1に示すように、比較例2〜比較例3では、Cu−Fe粉末の粒径を変える以外は実施例1と同様にした。比較例2では粒径20μm、比較例3では粒径28μmとした。比a/bは、比較例2では0.50、比較例3では0.70である。
(比較例4〜比較例5)
表1に示すように、比較例4〜比較例5では、Ag粉末の粒径を変える以外は実施例7と同様にした。比較例4では粒径16μm、比較例5では粒径24μmとした。比a/bは、比較例4では0.40、比較例5では0.60である。
(比較例6)
表1に示すように、比較例6では、Fe−Ni粉末の粒径を28μmとする以外は実施例3と同様にした。比a/bは0.70である。
(比較例7)
表1に示すように、比較例7では、Fe−Al−Si粉末の粒径を26μmとする以外は実施例6と同様にした。比a/bは0.65である。
(過充電試験)
実施例及び比較例の各リチウムイオン二次電池を、25°Cにて、以下の充電条件で充電状態(SOC)100%まで充電した。その後、25°C、40Aの定電流で連続的に充電する過充電試験を実施し、異常現象を観察すると共に電池表面の最高到達温度を測定した。なお、異常が発生したときは、そのときの電池表面温度を最高到達温度とした。下表2に過充電試験の試験結果を示す。
充電条件:4.2V定電圧、制限電流80A、3.5h
表2に示すように、正極合剤に金属粉末及び合金粉末を含有させずに作製した比較例1の電池では、破裂、発火の異常現象が見られ、異常発生時の最高到達温度は500°C以上であった。また、正極合剤に金属粉末又は合金粉末を含有させたものの、比a/bが0.75未満の比較例2〜比較例7の各電池では、異常現象は見られなかったが、最高到達温度が93〜188°Cと高くなった。これに対して、比a/bが0.75以上の実施例1〜実施例10の各電池では、異常現象が見られず、最高到達温度も62〜66°Cと低い温度であった。従って、SOC100%の電池を充電し続けた場合でも、挙動が穏やかであり、安全性に優れた電池であることが判明した。
本実施形態のリチウムイオン二次電池20では、正極合剤中に、過充電で脱離乃至溶出して負極にデンドライト状に析出する金属粉末又は合金粉末が意図的に含有されている。このため、リチウムイオン二次電池20が過充電されると、金属粉末又は合金粉末がデンドライト析出してセパレータを貫通するので、正負極間の微小短絡が促進される。これにより、本来電池に過充電される電荷が一定以上に蓄積されず、過充電時の非水電解液と活物質との反応の促進が抑制されるので、電池表面の温度上昇を抑制しリチウムイオン二次電池の安全性を確保することができる。従って、電池を過充電したときの安全性に優れるので、高出力と共に、安全性が要求される電気自動車用の電源に適している。
また、比a/bが0.75未満では、過充電で金属粉末又は合金粉末が正極合剤から脱離乃至溶出しても負極でのデンドライト析出が不十分なため、セパレータを貫通するには至らなくなる。本実施形態のリチウムイオン二次電池20では、比a/bが0.75以上とされるので、セパレータを貫通して微小短絡を促進するデンドライト析出を生じさせることができる。
更に、本実施形態では、ポリエチレン製で微多孔性の厚さ40μmのセパレータが用いられる。このため、通常の充放電時にはリチウムイオンの通過を許容すると共に、正負極を近接配置することができるので、電池の単位体積当たりのエネルギー密度を高めることができる。一方、過充電時には、セパレータが樹脂製であるため、金属粉末又は合金粉末のデンドライト析出で破損し正負極間の微小短絡を起こすことができる。
また更に、本実施形態のリチウムイオン二次電池20では、金属粒子又は合金粒子に、少なくともFe、Cu、Ag、Auのうち1種類の元素が含まれている。これらの元素はリチウムイオン二次電池が過充電されたときの高電圧により溶出しデンドライト状に析出するのに対して、通常の充放電時には過充電時より低電圧のためデンドライト析出が抑制されるので、リチウムイオン二次電池の充放電を支障なく行うことができる。
なお、本実施形態では、容量90Ah、出力1000W以上の円筒型リチウムイオン二次電池を例示したが、本発明は、電池の形状に制限されるものではない。例えば、角形や多角形状としてもよく、電池の内部構造についても捲回型の電極群ではなく積層型の電極群としてもよい。また、容量、出力についても特に制限はなく、一般的な容量、出力のリチウムイオン二次電池に適用することができる。
また、本実施形態では、セパレータに厚さ40μmのポリエチレン製フィルムを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。本実施形態以外に用いられるセパレータの材質としては、例えば、ポリプロピレン製等のポリオレフィン系材質を挙げることができ、ポリエチレン製フィルムとポリプロピレン製フィルムとを積層して用いてもよい。また、厚さについても特に制限されるものではない。
更に、本実施形態では、正極活物質としてスピネル系リチウムマンガン複合酸化物を用いた例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、リチウムコバルト複合酸化物やリチウムニッケル複合酸化物等を使用してもよく、また、リチウムマンガン複合酸化物(LiMn)のリチウムサイト又はマンガンサイトの一部を他の金属元素で置換又はドープした、例えば、化学式Li1+xMn2−x−y(MはLi、Co、Ni、Fe、Cu、Al、Cr、Mg、Zn、V、Ga、B、F)で表される材料を用いてもよい。更に、結晶構造についてもスピネル系の結晶構造に限定されるものではなく、層状型結晶構造であってもよい。
また更に、負極活物質として非晶質炭素を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、リチウムを吸蔵放出可能な材料又は金属リチウムを用いてもよい。本実施形態以外に用いられる負極活物質としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、コークスなどの炭素質材料等を挙げることができ、また、粒子形状においても特に制限されるものではない。
更にまた、本実施形態では結着剤としてポリフッ化ビニリデンを例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ブチルゴム、ニトリルゴム、スチレン・ブタジエンゴム、多硫化ゴム、二トロセルロース、シアノエチルセルロース、各種ラテックス、アクリロニトリル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、フッ化プロピレン、フッ化クロロプレン等の重合体やこれらの混合物も使用できる。
また、本実施形態では非水電解液として、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートの体積比1:1:1の混合溶媒にLiPFを溶解させたものを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、カーボネート系、スルホラン系、エーテル系、ラクトン系等の有機溶媒を単体又は混合して用いた溶媒中に一般的なリチウム塩を溶解させたものを用いることができる。本実施形態以外で用いることができるリチウム塩としては、LiClO、LiAsF、LiBF、LiB(C、CHSOLi、CFSOLi等これらの混合物を挙げることができる。また、有機溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピオニトリルを挙げることができる。
本発明に係るリチウムイオン電池によれば、高容量、高出力であるとともに安全性に優れるため、製造、販売に寄与し、産業上利用可能である。
本発明を適用した実施形態の円筒型リチウムイオン二次電池の断面図である。
符号の説明
6 捲回群
20 円筒型リチウムイオン二次電池(リチウムイオン電池)

Claims (2)

  1. リチウム遷移金属複合酸化物を含む正極合剤を有する正極と、負極とをセパレータを介して配置し非水電解液に浸潤させたリチウムイオン電池において、前記正極合剤中に、過充電で正極合剤から脱離乃至溶出し前記負極にデンドライト状に析出して前記セパレータを貫通するFe、Cu、Ag及びAuの元素のうち少なくとも1種を含む金属又は合金の粒子を所定量含有しており、前記粒子の粒径をa、前記セパレータの厚さをbとしたときに、a≧30μm、かつ、a/b≧0.75を満たすことを特徴とするリチウムイオン電池。
  2. 前記セパレータは材質がポリオレフィン系であることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン電池。
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