JP2003346315A - 垂直多層磁気記録媒体 - Google Patents
垂直多層磁気記録媒体Info
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Abstract
させるとともに、オーバーライト(O/W)特性を向上
する。 【解決手段】 磁気情報を記録する磁気記録層4、記録
磁界補助及び再生信号出力増加のために用いられる補助
記録層5、裏打層2の少なくとも3層の磁性層を有する
多層構成からなる垂直多層磁気記録媒体の室温における
上記磁気記録層4の飽和磁化Ms2及び補助記録層5の飽
和磁化Ms1の関係を、Ms2<Ms1とする。
Description
体に関するものであり、特に、ハードディスクドライブ
(HDD)等の磁気記録装置に用いる裏打層を備えた垂
直磁化方式の磁気記録媒体の多層磁性層の構成に特徴の
ある垂直多層磁気記録媒体に関するものである。
装置(所謂ハードディスクドライブ)はコンピュータや
各種携帯情報端末、例えば、モバイルパソコン、携帯電
話、ゲーム機、デジタルカメラ、車載ナビゲーション等
の外部記憶装置として一般に広く使用されている。
録媒体として、従来の長手記録媒体と比べても倍以上の
高保磁力化が可能な垂直記録媒体が精力的に研究されて
おり、特に、Co/Pd多層膜或いはCo/Pt多層膜
を垂直磁化膜に用いる方法が研究されつつある。
極薄磁性膜と0.1nm〜5nmの極薄非磁性膜を交互
積層したものであり、従来のCo−Cr系合金を用いた
媒体に比べ非常に強い垂直磁気異方性を示し、有力な垂
直磁性膜候補となっている。
ヘッド構造の記録ヘッドから発生する記録磁界により記
録が行われるため、強いヘッド磁界で記録するために、
単磁極ヘッドからの磁束の受け口として作用する裏打層
を設けており、記録ヘッドから発生した記録磁界は、こ
の裏打層に還流し磁束の閉磁路を形成される。そのた
め、裏打層の磁気特性には、より高い飽和磁束密度と膜
厚が要求されることになる。
ることによって、裏打層の磁化の不均一性が媒体ノイズ
の発生源となるという問題があるとともに、磁気特性と
して要求される大きな飽和磁化は、再生信号出力に裏打
層の漏洩磁界の影響を重畳してしまうという問題があ
る。
るために、ガラス基板と裏打層との間に反強磁性膜を介
在させることが提案されているが、IrMn等の反強磁
性体を製膜する場合には、基板加熱が必要になるととも
に異なったチャンバーが必要になるという問題があり、
また、反強磁性体自体が酸化しやすいという問題もあ
る。
CI:Flux Change per Inch)×
トラック記録密度(TPI:Track per In
ch)の増加に伴い、記録磁区が縮小し、それによっ
て、再生ヘッドに検出される磁束密度の低下とともに媒
体遷移ノイズの増加によるS/Nの劣化が問題となる。
るとともに、オーバーライト(O/W)特性を向上する
ことを目的とする。
成図であり、この図1を参照して本発明における課題を
解決するための手段を説明するが、図において、符号1
及び3は、それぞれ、ガラス基板等の非磁性基板、及
び、Pd等の非磁性の中間層である。 図1参照 上記目的を達成するため、本発明は、磁気情報を記録す
る磁気記録層4、記録磁界補助及び再生信号出力増加の
ために用いられる補助記録層5、裏打層2の少なくとも
3層の磁性層を有する多層構成からなる垂直多層磁気記
録媒体において、室温における上記磁気記録層4の飽和
磁化Ms2及び補助記録層5の飽和磁化M s1の関係を、 Ms2<Ms1 としたことを特徴とする。
層からの漏洩磁界 (再生磁束) の大きさに比例するが、
本発明においては、磁気記録層4より飽和磁化Ms の大
きな補助記録層5を設けているので再生信号出力を増加
させることができる。
Hc2、補助記録層5の保磁力Hc1、及び、裏打層2の保
磁力Hc3との間の関係を、 Hc3<Hc1<Hc2 とすることが望ましい。
さな補助記録層5を設けているので、閉磁路形成時にお
いて磁気記録層4よりも保磁力Hc の小さな補助記録層
5の磁化が磁気記録層4よりも先に磁化反転し、そのア
シストにより磁気記録層4が磁化反転するので、O/W
特性を向上することができる。したがって、裏打層2の
磁化の不均一による影響を低減するために、裏打層2の
層厚を薄くして面内磁気異方性を増加させても、O/W
特性の劣化を相殺することができる。
気異方性を正としたときに、室温における磁気記録層4
の磁気異方性Ku2、補助記録層5の磁気異方性Ku1、及
び、裏打層2の磁気異方性Ku3との間の関係を、 Ku2,Ku1>0,Ku3<0 とすることが望ましい。
直磁化膜とし、裏打層2を面内磁化膜とすることによっ
て、記録ヘッドから磁界を印加した場合に閉磁路を安定
して形成することができ、O/W特性を向上することが
できる。
Coを含む多層膜、或いは、Coにメタロイド元素(半
金属元素)を1種類以上添加したCo合金または酸化膜
からなる多層膜のいずれかから構成されていることが望
ましい。この様な多層膜、特に、人工格子膜を用いるこ
とによって、磁気特性を任意に制御することができる。
はCoまたはFeの遷移金属の少なくとも一方を含む多
層膜からなる人工格子で構成しても良く、その場合には
上記の保磁力及び飽和磁化の関係を満たすために、磁気
記録層4を構成する多層膜の磁性を含む層厚或いは遷移
金属の含有量の少なくとも一方を、補助記録層5を構成
する多層膜の磁性を含む層厚或いは遷移金属の含有量の
少なくとも一方より小とすれば良い。
層5の膜厚t1 、及び、裏打層2の膜厚t3 との関係
を、 t3 >t2 ≧t1 とすることが望ましく、それによって、補助記録層5の
膜厚の増大に伴うS/Nの低下を抑制することができ
る。
気異方性Ku2,Ku1は、製膜工程における製膜ガス圧に
より制御することができる。また、上述の垂直多層磁気
記録媒体を用いた記録・再生する際には、記録過程にお
いては、補助記録層5の磁気情報が、磁気交換結合によ
り磁気記録層4に転写され、再生過程においては、磁気
記録層4の磁気情報が磁気交換結合により補助記録層5
に転写されることになる。
て、本発明の第1の実施の形態の垂直多層磁気記録媒体
を説明する。 図2(a)参照 図2(a)は、本発明の第1の実施の形態の垂直多層磁
気記録媒体の概略的断面図であり、実際にはガラス基板
に対して対称的に磁性層が設けられるが、ここでは、一
方の面側の製膜構造を示す。図に示すように、DCマグ
ネトロンスパッタ法を用いて、ガラス基板11上に裏打
層12、中間層13、磁気記録層14、補助記録層1
5、及び、保護膜16を順次製膜する。
12としては、厚さが、例えば、100nmのFeC膜
/厚さが、例えば、3nmのC膜/厚さが、例えば、1
00nmのFeC膜からなり、ここでは、各FeC膜に
おけるFe:Cの組成比(原子数比)をFe:C=8
0:20とする。
4と裏打層12とを磁気的に分離するために、厚さが、
例えば、5nmのPd層を用いる。このPd層を用いる
ことによって、磁気記録層14の配向性を向上すること
ができる。
ガス圧を、例えば、3Paとした圧力下で、厚さが、例
えば、0.3nmのCoB膜と厚さが、例えば、1.0
nmのPd膜とを交互に12層づつ製膜させた多層膜か
らなる人工格子膜とする。なお、CoBの原子数比はC
o:B=90:10とる。
ガス圧を、例えば、0.5Paと磁気記録層14の製膜
ガス圧より低い圧力下で、厚さが、例えば、0.3nm
のCoB膜と厚さが、例えば、1.0nmのPd膜とを
交互に4層づつ製膜させた多層膜からなる人工格子膜と
する。なお、この場合も、CoBの原子数比はCo:B
=90:10とする。
ば、5nmのDLC(ダイアモンド・ライク・カーボ
ン)膜とする。したがって、全体構造としては、 DLC(5nm)/〔CoB(0.3nm)/Pd
(1.0nm)〕多層膜(5.2nm/0.5Pa)/
〔CoB(0.3nm)/Pd(1.0nm)〕多層膜
(15.7nm/3Pa)/Pd(5nm)/〔FeC
/C/FeC〕多層膜(200nm)/ガラス基板 となる。
価のため、保護膜16の上にパーフルオロカーボン系の
潤滑剤を塗布して潤滑剤層17を形成する。また、多層
膜の全体の膜厚は、多層膜を形成した後の膜厚を意味
し、多層膜を構成する各層の膜厚は製膜時の製膜目標膜
厚を意味する。
に作製した第1の比較媒体の概略的断面図であり、この
第1の比較媒体は、補助記録層を設けずに、補助記録層
の層厚分を磁気記録層と同じ製膜条件で製膜して磁気記
録層の層厚を厚くしたものに相当し、全体構造として
は、 DLC(5nm)/〔CoB(0.3nm)/Pd
(1.0nm)〕多層膜(20.9nm/3Pa)/P
d(5nm)/〔FeC/C/FeC〕多層膜(200
nm)/ガラス基板 となる。
この第2の比較媒体は、第1の比較媒体における裏打層
の層厚を約2倍にしたものに実質的に相当し、全体構造
としては、 DLC(5nm)/〔CoB(0.3nm)/Pd
(1.0nm)〕多層膜(20nm/3Pa)/Pd
(5nm)/〔FeC/C/FeC〕多層膜(400n
m)/ガラス基板 となる。
磁力Hc の製膜Arガス圧依存性の説明図であり、製膜
Arガス圧の増加に伴って保磁力Hc が増加することが
理解され、磁気記録層14の保磁力をHc2、補助記録層
15の保磁力をHc1とした場合、 Hc1<Hc2 となる。なお、Coより保磁力の小さなFeを主構成要
素とする裏打層12の保磁力H c3は当然小さいので、垂
直多層磁気記録媒体全体としては、 Hc3<Hc1<Hc2 となる。
製膜Arガス圧依存性の説明図であり、製膜Arガス圧
の増加に伴ってKerr回転角θk が減少することが理
解される。
r回転角θk の大きさに比例するので、磁気記録層14
の飽和磁化をMs2、補助記録層15の飽和磁化をMs1と
した場合、 Ms2<Ms1 となる。なお、裏打層12は、強いヘッド磁界で記録す
るために、高い飽和磁化を要求されるので、裏打層12
の飽和磁化Ms3としては、ここでは、Ms2<Ms1,
Ms3、特に、Ms2<Ms1<Ms3とする。
直磁気異方性を正とし、磁気記録層14の磁気異方性を
Ku2、補助記録層15の磁気異方性をKu1、裏打層12
の磁気異方性をKu3とした場合、Ku1,Ku2>0,Ku3
<0となる。即ち、磁気記録層14及び補助記録層15
は垂直磁化膜であり、裏打層12は面内磁化膜である。
施の形態の記録原理を説明する。図5は、本発明の第1
の実施の形態の記録原理の説明図であり、単磁極ヘッド
からなる記録ヘッド21下向きの矢印で示す記録磁界が
印加されると、記録磁界(磁束)は補助記録層15及び
磁気記録層14を介して記録ヘッド21と面内軟磁性膜
である裏打層12との間で閉磁路を形成する。このと
き、磁気記録層14の保磁力Hc2よりも大きな外部記録
磁界を印加することで記録がなされる。
は、上述の保磁力の関係を有する補助記録層15を設け
ているので、閉磁路形成時において磁気記録層14より
も保磁力の小さな補助記録層15の磁化が磁気記録層1
4よりも先に磁化反転し、次いで、磁気記録層14が磁
化反転することになる。即ち、補助記録層15と磁気記
録層14は交換結合により磁気的に結合しているので、
磁気記録層14に対してソフトな磁気特性を有する補助
記録層15の磁界応答が磁気記録層14の磁界応答より
も容易に磁化反転する。
2の比較媒体のオーバライト(O/W)特性〔dB〕の
説明図であり、補助記録層15を設けていない第1の比
較媒体と比較して6dB程度の良好になっていることが
理解される。なお、この場合の記録ヘッド21として
は、トラック幅を2μm、ギャップ長を0.3μmと
し、記録線速度は13m/sとし、50kFCIの上に
200kFCIを記録して、記録電流依存性を調べた。
比較媒体とほぼ同様のO/W特性が得られているので、
裏打層12の膜厚を薄くすることで形状磁気異方性など
による面内磁気異方性Ku3を増加させても、記録磁界を
補助する記録補助層15が記録アシストするので、O/
W特性の劣化を防ぐことができることが理解される。
の形態の再生原理を説明する。 図7参照 図7は、本発明の第1の実施の形態の再生原理の説明図
であり、再生ヘッド22で検出する再生信号出力は記録
層からの漏洩磁界 (再生磁束) の大きさに比例するた
め、磁気記録層14より飽和磁化の大きな補助記録層1
5を設けているので再生信号出力を増加させることがで
きる。
号出力の記録周波数依存性の説明図であり、線記録密度
に対応する各記録周波数における再生信号出力が向上し
ていることが理解される。なお、この場合の再生ヘッド
22としては、トラック幅を1μm、ギャップ長を0.
2μmとし、再生線速度は13m/sとした。
の形態においては、相対的に保磁力が小さく且つ飽和磁
化の大きな補助記録層を設けているので、裏打層を設け
たことによるO/W特性の劣化を抑制することができる
とともに、S/Nを向上することができる。
Arガス圧を変えるだけで、実質的には磁気記録層と同
様の材料で構成しているので、複数チャンバーを用いる
ことなく、同一チャンバ内で磁気特性を制御できること
を示し、生産工程の短縮化、簡易化に非常に有意義であ
る。
の第2の実施の形態を説明する。この本発明の第2の実
施の形態の垂直多層磁気記録媒体は、上記の第1の実施
の形態と全く同様の製造工程・製造条件で作製するもの
であり、上記の第1の実施の形態における補助記録層の
膜厚を変化させたものであるので、垂直多層磁気記録媒
体の断面構造の図示は省略する。
均再生出力TAAの補助記録層膜厚依存性の説明図であ
り、媒体ノイズNm は5nm程度の膜厚において極小値
を有し、補助記録層の膜厚の増加に伴って増加すること
が理解される。一方、平均再生出力TAAは、補助記録
層の膜厚の増加に伴って増加し、飽和する傾向が見られ
る。
あり、図9に示したように、平均再生出力TAAは、補
助記録層の膜厚の増加に伴って増加するものの、媒体ノ
イズNm も補助記録層の膜厚の増加に伴って増加するた
め、S/Nは補助記録層の膜厚の増加に伴って低下する
傾向となる。したがって、補助記録層の膜厚t1 の最適
値としては、磁気記録層の膜厚をt 2 とした場合、 t2 ≧t1 の関係があると判断され、裏打層を含めた全体の関係と
しては、裏打層の膜厚をt3 とした場合、 t3 >t2 ≧t1 とすれば良い。
実施の形態の垂直多層磁気記録媒体を説明する。 図11参照 図11は、本発明の第3の実施の形態の垂直多層磁気記
録媒体の概略的断面図であり、実際にはガラス基板に対
して対称的に磁性層が設けられるが、ここでは、一方の
面側の製膜構造を示す。上記の第1の実施の形態と同様
に、DCマグネトロンスパッタ法を用いて、ガラス基板
31上に裏打層32、中間層33、磁気記録層34、補
助記録層35、及び、保護膜36を順次製膜したのち、
潤滑剤層37を形成する。この第3の実施の形態におい
ては、裏打層32、中間層33、及び、保護膜36の構
成・製造条件は上記の第1の実施の形態と全く同様であ
る。
rガス圧を、例えば、2.4Paとした圧力下で、厚さ
が、例えば、0.3nmのCoB膜と厚さが、例えば、
1.0nmのPd膜とを交互に12層づつ製膜させた多
層膜からなる人工格子膜とする。なお、CoBの原子数
比はCo:B=90:10とする。
ガス圧を、磁気記録層34と同じに2.4Paとし、厚
さが、例えば、0.8nmのCoB膜と厚さが、例え
ば、0.8nmのPd膜とを交互に3層づつ製膜させた
多層膜からなる人工格子膜とする。なお、この場合、C
oBの原子数比はCo:B=90:10とする。
は、製膜Arガス圧を変えることなく、人工格子膜を構
成するCoB膜とPd膜の層厚比を変化させることによ
って、補助記録層35の磁気特性を変化させたものであ
る。即ち、人工格子膜におけるCoB膜の膜厚、したが
って、Co組成比を大きくすることによって、保持力H
c1を低下させるとともに、飽和磁化Ms1を増加させたも
のである。
直多層磁気記録媒体は、O/Wの飽和特性に関しては、
第1の比較媒体と比べて、立ち上がり書込電流Iw が
0.2mA低くなり記録感度が向上し、また、O/W特
性自体も6dB程度良好になっていることが確認され
た。
が、本発明は各実施の形態に記載した構成及び条件に限
られるものではなく、各種の変更が可能である。例え
ば、上記の各実施の形態においては、記録層と裏打層の
磁気的な分離を行う中間層として非磁性材料で且つその
上に堆積させる記録層の配向性が良好なPdを用いてい
るが、Pdに限られるものではなく、C,Siなどのメ
タロイド(半金属)を単体で、或いは、メタロイド元素
を1種類含むPdBのような合金膜で用いても良い。
打層をFeC/C/FeCの多層構造で構成している
が、Fe/C/Feで構成しても良く、或いは、FeC
単層で構成しても良いものであり、さらには、FeTa
C,CoZrTa,CoZr等を用いても良い。
気記録層及び補助記録層に結晶粒径を小さくするために
Bを添加しているが、Bの添加は必ずしも必要がないも
のである。
気記録層及び補助記録層に用いる遷移金属元素としてC
oのみを用いているが、Coに限られるものではなく、
Feを用いても良いし、CoとFeとを混合して用いて
も良いものである。
は、補助記録層のCoB層の膜厚を厚くすることで、磁
気記録層に対して飽和磁化Ms の増加、保磁力Hc の低
下を行ったが、添加するBを添加量を制御しても良い
し、さらには、O(酸素)を添加して、即ち、酸化膜と
して各磁性層の磁気特性を変えても良いものである。
発明の詳細な特徴を説明する。再び、図1参照 (付記1) 磁気情報を記録する磁気記録層4、記録磁
界補助及び再生信号出力増加のために用いられる補助記
録層5、裏打層2の少なくとも3層の磁性層を有する多
層構成からなる垂直多層磁気記録媒体において、室温に
おける上記磁気記録層4の飽和磁化Ms2及び補助記録層
5の飽和磁化Ms1の関係を、 Ms2<Ms1 としたことを特徴とする垂直多層磁気記録媒体。 (付記2) 室温における上記磁気記録層4の保磁力H
c2、補助記録層5の保磁力Hc1、及び、裏打層2の保磁
力Hc3との間の関係を、 Hc3<Hc1<Hc2 としたことを特徴とする付記1記載の垂直多層磁気記録
媒体。 (付記3) 上記各磁性層の磁気異方性Ku を垂直磁気
異方性を正としたときに、室温における上記磁気記録層
4の磁気異方性Ku2、補助記録層5の磁気異方性Ku1、
及び、裏打層2の磁気異方性Ku3との間の関係を、 Ku2,Ku1>0,Ku3<0 としたことを特徴とする付記1または2に記載の垂直多
層磁気記録媒体。 (付記4) 上記磁気記録層4及び補助記録層5が、C
oを含む多層膜、或いは、Coにメタロイド元素を1種
類以上添加したCo合金または酸化膜からなる多層膜の
いずれかから構成されていることを特徴とする付記1乃
至3のいずれか1に記載の垂直多層磁気記録媒体。 (付記5) 上記磁気記録層4及び上記補助記録層5を
CoまたはFeの遷移金属の少なくとも一方を含む多層
膜からなる人工格子で構成するとともに、前記磁気記録
層4を構成する多層膜の磁性を含む層厚或いは遷移金属
の含有量の少なくとも一方を、前記補助記録層5を構成
する多層膜の磁性を含む層厚或いは遷移金属の含有量の
少なくとも一方より小としたことを特徴とする付記1乃
至3のいずれか1に記載の垂直多層磁気記録媒体。 (付記6) 上記磁気記録層4の膜厚t2 、補助記録層
5の膜厚t1 、及び、裏打層2の膜厚t3 との関係を、 t3 >t2 ≧t1 としたことを特徴とする付記1乃至4のいずれか1に記
載の垂直多層磁気記録媒体。 (付記7) 付記1乃至6のいずれか1に記載の垂直多
層磁気記録媒体を製造する製造方法において、上記磁気
記録層4及び補助記録層5の磁気異方性Ku2,Ku1を、
製膜工程における製膜ガス圧により制御することを特徴
とする垂直多層磁気記録媒体の製造方法。 (付記8) 付記1乃至6のいずれか1に記載の垂直多
層磁気記録媒体を用いた記録・再生方法において、記録
過程においては、上記補助記録層5の磁気情報が、磁気
交換結合により上記磁気記録層4に転写され、再生過程
においては、前記磁気記録層4の磁気情報が磁気交換結
合により前記補助記録層5に転写されることを特徴とす
る垂直多層磁気記録媒体を用いた記録・再生方法。
るために、磁気記録層より高飽和磁化且つ低保磁力の補
助記録層を設けているので、優れたオーバーライト特性
と高いS/Nを有する垂直磁気記録媒体を実現すること
ができ、特に、製膜ガス圧を制御するだけで磁気特性を
変化することができるので、製造工程を簡素化すること
ができ、それによって、高密度垂直磁気記録媒体を用い
た高密度磁気記録装置の実用化及び低コスト化に寄与す
るところが大きい。
媒体の構成説明図である。
ガス圧依存性の説明図である。
製膜Arガス圧依存性の説明図である。
である。
媒体のO/W特性の説明図である。
である。
媒体の再生信号出力の記録周波数依存性の説明図であ
る。
記録層膜厚依存性の説明図である。
る。
録媒体の概略的断面図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 磁気情報を記録する磁気記録層、記録磁
界補助及び再生信号出力増加のために用いられる補助記
録層、裏打層の少なくとも3層の磁性層を有する多層構
成からなる垂直多層磁気記録媒体において、室温におけ
る上記磁気記録層の飽和磁化Ms2及び補助記録層の飽和
磁化Ms1の関係を、 Ms2<Ms1 としたことを特徴とする垂直多層磁気記録媒体。 - 【請求項2】 室温における上記磁気記録層の保磁力H
c2、補助記録層の保磁力Hc1、及び、裏打層の保磁力H
c3との間の関係を、 Hc3<Hc1<Hc2 としたことを特徴とする請求項1記載の垂直多層磁気記
録媒体。 - 【請求項3】 上記各磁性層の磁気異方性Ku を垂直磁
気異方性を正としたときに、室温における上記磁気記録
層の磁気異方性Ku2、補助記録層の磁気異方性Ku1、及
び、裏打層の磁気異方性Ku3との間の関係を、 Ku2,Ku1>0,Ku3<0 としたことを特徴とする請求項1または2に記載の垂直
多層磁気記録媒体。 - 【請求項4】 上記磁気記録層及び補助記録層が、Co
を含む多層膜、或いは、Coにメタロイド元素を1種類
以上添加したCo合金または酸化膜からなる多層膜のい
ずれかから構成されていることを特徴とする請求項1乃
至3のいずれか1項に記載の垂直多層磁気記録媒体。 - 【請求項5】 上記磁気記録層及び上記補助記録層をC
oまたはFeの遷移金属の少なくとも一方を含む多層膜
からなる人工格子で構成するとともに、前記磁気記録層
を構成する多層膜の磁性を含む層厚或いは遷移金属の含
有量の少なくとも一方を、前記補助記録層を構成する多
層膜の磁性を含む層厚或いは遷移金属の含有量の少なく
とも一方より小としたことを特徴とする請求項1乃至3
のいずれか1項に記載の垂直多層磁気記録媒体。
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