JP2001043523A - 磁気記録媒体及び磁気記録装置 - Google Patents
磁気記録媒体及び磁気記録装置Info
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Abstract
記録媒体を実現する。さらに、1平方インチあたり10ギ
ガビット以上の超高密度記録が可能な大容量の磁気記憶
装置を提供する。 【解決手段】 基板上に少なくとも Co と Pt を含む磁
性層を設けた磁気記録媒体において、該基板と該磁性層
との間に保磁力が100Oe以下の軟磁性膜からなるキーパ
ー層と非磁性体からなる分離層を設ける。さらに、この
磁気記録媒体と、該磁気記録媒体のそれぞれの面に対向
して配置された記録素子と磁気抵抗効果を利用した再生
素子とを有する磁気ヘッドとを組み合わせた磁気記憶装
置とする。
Description
テープ,磁気ディスク,磁気カード等の磁気記録媒体及
び磁気記憶装置に係り、特に1平方インチあたり10ギ
ガビット以上の超高密度記録に適した磁気記録媒体、及
びその磁気記録媒体を用いた磁気記憶装置に関する。
化に伴い、次世代の記録媒体としてキーパー層を配置し
た媒体が注目されている。これはB.Gooch等によって初
めて提案された媒体である(IEEE Trans, Magn, 27,p
p.4549-4554,November 1991)。彼らの報告による
と、情報を記録する磁性層の上に直接パーマロイ(Ni-F
e)からなるキーパー層を設けることで、再生時の実効
的なスペーシングロスが減少することにより、再生出力
が増大する。続いて、K.Sin 等は情報を記録する磁性層
とパーマロイからなるキーパー層との間に Cr からなる
分離層を配置した媒体を提案した(J. Appl. Phys. 75,
pp. 6150-6152, May 1994)。彼らの研究によると 、
磁性膜の上に直接キーパー層を配置すると、磁性膜に記
録された遷移領域からの漏洩磁束はキーパー層を通って
隣接する遷移に入るという閉磁路を形成してしまい、空
間に磁束が漏れず、再生出力が得られなかった。そこ
で、磁性膜とキーパー層との間にCrからなる分離層を
設けることで、磁性膜とキーパー層の磁気的な相互作用
が断ち切られ、空間に磁束が漏れて大きな再生出力が得
られるようになった。さらにJ.Chen等による最近の研究
によると、キーパー層を設けた媒体は再生出力が熱エネ
ルギーによって減磁することを防ぐ効果があると報告さ
れている(IEEE Trans. Magn., 33, pp. 3040-3042, Sep
tember 1997)。
性体の中に磁性体が微粒子の形で混在するグラニュラー
型の構造とすることが効果的である。これは T.Shimizu
等によって初めて提案された媒体であり、磁性膜と酸
化物を同時スパッタして記録膜を形成するものである
(IEEE Trans. Magn., 28, pp. 3040-3042, September1
992)。しかし、彼らの研究では記録膜がグラニュラー
の構造になっていることは確認できなかった。磁性膜と
酸化物が同時スパッタされた記録膜がグラニュラー構造
となることは、A.Murayama 等によって初めて確認され
た(J. Appl. Phys., 75, pp. 6147-6149, May 1994)。
T.Shimizu 等と A.Murayama 等は磁性膜としてそれぞれ
CoCrPt, CoNiPt を用いたが、今後の高密度記録にはさ
らに大きな異方性エネルギーを有する磁性膜を用いるこ
とが好ましい。異方性エネルギーを大きくすることはあ
る程度熱揺らぎに対して有効である。Co-Ptは大きな異
方性エネルギーを有し、永久磁石材料として有名であ
り、I.Kaitsu 等は磁性膜に Co-Ptと SiO2を用いてグラ
ニュラー構造となることを報告している(IEEE Trans.
Magn., 32, pp. 3813-3815, September 1996)。
伴い、媒体の低ノイズ化は必須である。これには磁性結
晶粒の微細化や磁性結晶粒間の交換相互作用低減が効果
的である。しかし、磁性結晶粒の微細化によって磁性粒
の体積が端的に小さくなり過ぎると、常温においても熱
エネルギーの影響が顕著になり、記録磁化が減衰してし
まうことが懸念される。実際、225kFCI の密度で記録し
た情報が96時間後には10%以上も減衰することがY.Hoso
e 等によって報告されている(IEEE Trans., Magn., 3
3, pp. 3028-3030, September 1997)。そこで、上述し
たB.Gooch 等,K.Sin 等,J.Chen 等が提案するキーパ
ー層が、この熱揺らぎに対して有効であるが、彼らの媒
体はいずれも磁性層の上にキーパー層を設けている。こ
の場合、記録時にヘッドからの磁界が相対的に磁性層の
前にあるキーパー層に吸い込まれてしまい、効率良く記
録することが困難である。また、K.Sin 等の報告よる
と、再生出力は増大するが、ノイズも同時に増加してし
まい、S/Nでみると逆にキーパー層を設けた媒体の方
が好ましくない。
するためには、従来の Cr 偏析型の構造では限界があ
る。現在一般的に、磁性膜材料として CoCrPt が用いら
れており、成膜時の基板温度を200℃以上に高めて媒体
を作製している。これにより、磁性膜中の Cr が粒界に
偏析して、交換相互作用を低減している。しかしなが
ら、Cr は完全に偏析しているわけではなく、粒界の Cr
濃度が高くなっているに過ぎない。即ち、磁性粒内に
もある程度の Cr が存在している。今後更に交換相互作
用を低減するために、今以上の Cr を粒界に偏析しよう
とすると、同時に磁性粒内の Cr 濃度も増加し、磁性粒
自体が非磁性化してしまう。このため、T.Shimizu 等,
A.Murayama 等及びL.Kaitsu 等が提案するグラニュラー
構造の媒体が低ノイズ化の上で好ましい。しかし、磁性
粒子を微細化していくと、磁性膜に Co-Pt を用いたと
しても熱揺らぎに対処する上では充分とは言えない。
に、磁性結晶粒を微細化したときの熱揺らぎの影響を小
さく抑えることのできる磁気記録媒体を実現する。ま
た、この磁気記録媒体の性能を充分に活かし、1平方イ
ンチあたり10ギガビット以上の記録密度を有する磁気
記憶装置を提供する。
なくとも Co と Pt を含む磁性層を設けた磁気記録媒体
において、該基板と該磁性層との間に保持力が 100Oe
以下の軟磁性膜からなるキーパー層と非磁性体からなる
分離層を設けることによって達成される。
の酸化物を含むことが媒体ノイズを低減する上で好まし
い。酸化物は磁性粒界に完全に偏析するため、粒間の磁
気的相互作用を低減することができる。
度が小さく、50mol%以上では体積あたりの磁性粒子の
量が少なすぎ、大きな再生出力が得られない。酸化物と
しては SiO2, アルミナ(Al2O3),ムル石(Al6Si2O13)等
を用いることが好ましい。また、前記磁性層に少なくと
も含まれる Co と Pt の原子比率は、Co に対する Pt
比率(Pt原子量/Co原子量)で表すと、0.1以上1.0以下
であることが、大きな異方性エネルギーを有する上で好
ましい。
r を添加し、その濃度を16at%以上25at%以下としても
構わない。Cr 添加の場合には酸化物添加ほどの低ノイ
ズ化の効果は得られないが、従来の媒体に比べてキーパ
ー層と分離層を設けるだけの変更で、容易に熱揺らぎに
対処できるため、生産ラインを構築する上で好ましい。
このとき、Co と Pt の原子比率は、Co に対する Pt 比
率で表すと、0.08以上0.35以下とする必要が有る。上述
した酸化物を添加した磁性層に比べて Pt 濃度が低いの
は、Cr 添加の場合 Cr が磁性粒内にも混在しているた
め、多量のPt を添加すると磁性粒子が非磁性化してし
まうためである。
場合、上述したB.Gooch 等,K.Sin等,J.Chen 等による
媒体と異なり、記録時におけるヘッドからの磁界を、情
報を記録する磁性層に効率良く印可することができる。
このキーパー層に用いる材料は特に限定しないが、保持
力が100Oe以下の高透磁率を有する軟磁性膜である必要
がある。特に、パーマロイ(Fe-Niを含む合金)、セン
ダスト(Fe-Al-Siを含む合金)、Fe-Al合金、Fe-Co合
金、Fe-Cr合金、Fe-Co-Ni合金、Ni-Co合金、Co-Zr-Nb合
金、Co-Ta-Zr合金等が高い透磁率を得る上で好ましい。
キーパー層の飽和磁束密度と膜厚の積が磁性層の残留磁
束密度と膜厚の積に比べて大きすぎると、磁性層からの
漏洩磁束が全てキーパー層に吸い込まれてしまい、空間
への漏洩磁束が減少し、再生出力が得られなくなってし
まう。逆にキーパー層の飽和磁束密度と膜厚の積が小さ
すぎると、熱揺らぎの対処が困難となる。そこで、キー
パー層の飽和磁束密度と膜厚の積は、磁性層の残留磁束
密度と膜厚の積に対して、10%以上 80%以下とする必
要がある。また、キーパー層の密着性向上、あるいは配
向制御を目的として、基板とキーパー層との間に下地層
を設けることは一向に構わない。
して記録ビットの形状異方性を利用して、磁化遷移領域
における実効的な反磁界を低減することは一般的であ
る。しかし、極端に磁性層を薄くし過ぎると、熱揺らぎ
の影響を受け易くなる。キーパー層を設けた媒体はこの
問題も解決できる。磁性層の磁化遷移領域から漏洩した
磁束は、キーパー層にある程度吸い込まれる。磁束が吸
い込まれる割合は、キーパー層の飽和磁束密度と膜厚の
積と磁性層の残留磁束密度と膜厚の積との比によって決
定される。したがって、キーパー層を設けることで、磁
化遷移領域における実効的な反磁界の大きさを低減する
ことができ、磁性層の膜厚を極端に薄くしなくても高密
度記録が可能となる。
洩磁束を吸い込んで、記録ビットを安定に存在させるこ
とが困難となる。逆に薄すぎると、キーパー層と磁性層
の交換相互作用を絶ち切ることが出来なくなり、磁性層
の保持力を著しく低減してしまう。そのため、分離層の
厚さは1nm以上50nm以下とする必要がある。分離層はキ
ーパー層と磁性層の磁気的結合を弱めるだけではなく、
磁性層の配向と形態を制御する下地層としての性質も兼
ね備える。そのため、Cr,V,Nb,Mo,Ta,W,Ti よ
りなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を用いた材
料を用いる必要がある。Cr と Mo の合金はバルクの金
属の状態図から見ても全率固溶の関係にあり、その合金
の結晶構造は体心立方型であるため、任意の格子の大き
さを持つ結晶を作製する上で扱いが容易で特に好まし
い。また、Cr と Ti の合金を用いると、結晶粒を小
さくできるので、低ノイズ化の点で特に好ましい。Cr,
V,Nb,Mo,Ta,Wは体心立方型の結晶構造であるのに
対し、Ti は稠密六方晶の結晶構造を有するため、合金
分離層の組成の内、 Ti は全体の50at%未満とする必
要がある。また、分離層は二層としても構わない。但
し、二層合わせた膜厚を1nm以上25nm以下とする必要が
ある。二層にした場合、磁性層の配向と形態を制御する
上でメリットがある。キーパー層の上では磁性層の配向
と形態を制御することが困難な場合、Cr,Zr,Ni-P,Co
TaZr,CoNiZr,NiAl,CoAl 等からなる第1分離層を形
成し、この上に Cr,V,Nb,Mo,Ta,W,Ti よりなる
群から選ばれた少なくとも1種の元素を用いた第2分離
層を形成する。これにより、キーパー層の上でも磁性層
の配向と形態を容易に制御できる。
気記録媒体を記録方向に駆動する駆動部と、記録部と再
生部からなる磁気ヘッドと、該磁気ヘッドを前記磁気記
録媒体に対して相対的に運動させる手段と、該磁気ヘッ
ドに対する入力信号及び出力信号を波形処理する記録再
生信号処理手段とを含む磁気記憶装置において、前記磁
気ヘッドの再生部を磁気抵抗効果型の素子で構成するこ
とによって、1平方インチあたり10ギガビット以上の記
録密度を有する磁気記憶装置を達成することが出来る。
本発明の媒体は低ノイズ化を目的に酸化物あるいは高濃
度の Cr 添加し、さらに熱揺らぎに対処するためキーパ
ー層を設けたことによって、記録層からの漏洩磁束は著
しく減少した。そのため、再生ヘッドに磁気抵抗効果型
の素子を用いることは必須である。この磁気抵抗効果型
の素子に、複数層の磁性層を積層したGMR型の素子を
用いることは、キーパー層によって減衰した再生出力
を、好感度に検出する上でより好ましい。一方、上述し
た B.Gooch 等,K.Sin 等,J.Chen 等による媒体は信号
の再生時にキーパー層に直流バイアスを印可する必要が
あるため、インダクティブヘッドを用いる必要があり、
磁気抵抗効果型の素子を用いることができない。その点
で、彼らの提案するシステムと我々による本発明の磁気
記憶装置システムとでは大きく異なる。
録媒体の一実施例の断面図を図1に示す。以下に、本実
施例の面内磁気記録媒体の作製方法を述べる。
Wの投入電力で 10秒間基板エッチングを施した後、基
板温度300℃,Arガス圧力2.5mTorr、投入電力密度5W/
cm^2とする成膜条件で、DCマグネトロンスパッタリング
法でキーパー層 12,12′として Ni-Fe を膜厚を変えて
形成した。次いで、同成膜条件の下、厚さ15nmの Cr-15
at%Ti 分離層13,13′を形成し、厚さ15nmの80mol%(C
o-15at%Pt)-20mol%(SiO2)あるいは Co-22at%Cr-1
0at%Ptからなる磁性層14,14′を順次成膜した。最後
に、基板温度150℃,Arガス圧力5mTorr,投入電力密
度3W/cm^2とする成膜条件で、保護層15,15′として
Cを10nm形成した。ここで、元素の前に付した数字は各
元素の濃度を示す。SiO2を添加した磁性の組成につい
て、詳細に説明すると、85at%Co-15at%Pt(Coに対す
る Pt比率=15/85=0.18)からなる合金を磁性層全体に
80mol%含み、残部20mol%はSiO2で構成される。
の典型的なB-Hループを示す。グラフの横軸は外部磁界
の大きさ、縦軸はキーパー層及び磁性層の磁束密度と膜
厚の積を示す。キーパー層と磁性層によって二段ループ
となっていることが分かる。初めにプラス側の大きな外
部磁界を印加して、磁化をプラスに飽和させる。その
後、外部磁界を小さくしていき、外部磁界が0になった
ら、反対(マイナス)側に外部磁界を大きくしていく。
最初に反転する磁化はキーパー層によるものであり、段
差の半分の大きさをBst(keeper),そのときの外部磁界
の大きさを Hc(keeper) と定義する。さらにマイナス側
に大きな外部磁界を印加していくと、磁性層による段差
が現れる。同様に、段差の半分の大きさを Brt(mag),
そのときの外部磁界の大きさを Hc(mag) と定義する。
層の Brt(mag) との比と、250kFCIで記録した信号の96
時間後における再生出力の減磁率との関係を示す。ここ
で、Bst(keeper)/Brt(mag)が0というのは、キーパー層
が無い媒体を意味する。Bst(keeper)/Brt(mag)が80%を
越えると、磁化遷移領域からの磁束がほとんどキーパー
層に吸い込まれてしまい、充分な再生出力が得られなか
った。1平方インチあたり10ギガビット以上の記録密度
を実現するためには、減衰率は-10%以下である必要が
有る。磁性層を(CoPt)+SiO2とした方が、CoCrPtに比べ
て減衰率が低いことが分かる。
を判定した表を示す。比較例として、キーパー層12,1
2′を設けなかった媒体の特性も記す。
加した磁性層を用いた媒体であり、CoCrPt は SiO2 の
代わりに高濃度の Cr を添加した磁性層を用いた媒体で
ある。キーパー層を設けた媒体は耐熱減磁性に優れた特
性を示し、SiO2を添加した媒体は低ノイズ性に優れてい
る。低ノイズ性と耐熱減磁性の両方に優れた特性を有す
る媒体は、(CoPt)+SiO2+キーパー層であり、本実施例
の媒体が総合的に良好である。
ナ(Al2O3)に換えても同様な結果が得られた。また、S
iO2 やアルミナの濃度を5mol%以上50mol%以下の範囲
で変化させた場合、ノイズの絶対値に多少の変動があっ
たが概ね良好な結果が得られた。Crを添加した磁性膜に
おいても、その濃度を16at%以上25at%以下と変化させ
ても良好な結果が得られた。一方、キーパー層としては
パーマロイ(Fe−Niを含む合金)の他に、センダス
ト(Fe−Al−Siを含む合金)、Fe-Al合金、Fe-Co
合金、Fe-Cr合金、Fe-Co-Ni合金、Ni-Co合金、Co-Zr-Nb
合金、Co-Ta-Zr合金等を用いても同様な結果が得られ
た。
し、分離層の膜厚の効果を調べた。但し、分離層は二層
とし、第1分離層に Co-30at%Cr-10at%Zr を用い、第
2分離層には Cr-30at%Moを用い、膜厚比は50%とし
た。図4は分離層のトータルの膜厚と250kFCI で記録し
た信号の96時間後における再生出力の減磁率との関係を
示す。分離層の膜厚を0とした場合、すなわち分離層を
設けなかった場合には、磁性層とキーパー層が磁気的に
結合してしまい、図2に示したような B-H ループが得
られず、磁性層の保磁力は非常に小さくなってしまっ
た。キーパー層と磁性層の磁気的な結合を弱め、良好な
特性が得られる分離層の膜厚は1nm以上50nm以下であ
ることがわかる。
o,Ta,W,Ti よりなる群から選ばれた少なくとも1
種の元素を用いた材料で形成すると優れた特性を有する
ことを確認した。一方、分離層を二層とする場合、Cr,
Zr,Ni-P,CoTaZr 等からなる第1分離層を形成し、こ
の上に Cr,V,Nb,Mo,Ta,W,Ti よりなる群から選
ばれた少なくとも1種の元素を用いた第2分離層を形成
することが好ましい特性を有することを確認した。
録媒体は、図5に一例を示すような時期抵抗効果を利用
した再生専用のセンサを備える磁気ヘッドを用いること
によって、その性能が充分に活かされる。
1,52 とそれに鎖交するコイル53からなる誘導型薄膜磁
気ヘッドであり、記録磁極間のギャップ層厚は0.3μm
とした。また、磁極 52 は共に厚さ1μmの磁気シール
ド層 56 と対で、再生用の磁気ヘッドの磁気シールドも
兼ねており、このシールド層間距離は0.25μmである。
再生専用の磁気ヘッドは、磁気抵抗効果センサ54と、電
極となる導体層55からなる磁気抵抗効果型ヘッドであ
る。この磁気ヘッドは磁気ヘッドスライダ基体 57上に
設けられている。尚、図5では記録磁極間のギャップ
層、及びシールド層と磁気抵抗効果センサ間のギャップ
層は省略してある。
を図6を示す。磁気センサの信号検出領域 61は、酸化
Al のギャップ層62上に横バイアス層 63,分離層 64,
磁気抵抗強磁性層 65が順次形成された部分からなる。
磁気抵抗強磁性層 65には、20nmの NiFe 合金を用い
た。横バイアス層 63 には25nmの NiFeNb を用いたが、
NiFeRh 等の比較的電気抵抗が高く、軟磁気特性の良好
な強磁性合金であっても構わない。横バイアス層 63は
磁気抵抗強磁性層 65を流れるセンス電流が作る磁界に
よって、この電流と垂直な膜面内方向(横方向)に磁化
され、磁気抵抗強磁性層 65 に横方向のバイアス磁界を
印加する。これにより、媒体からの漏洩磁界に対して、
線形な再生出力が得られる磁気センサとなる。磁気抵抗
強磁性層 65 からのセンス電流の分流を防ぐ分離層 64
には、比較的電気抵抗が高い Ta を用い、膜圧は5nmと
した。信号検出領域 61 の両端にはテーパー形状に加工
されたテーパー部66がある。テーパー部 66は、磁気抵
抗強磁性層 65を単磁区化するための永久磁石層 67と、
その上に形成された信号を取り出すための一対の電極 6
8からなる。永久磁石層 97は保磁力が高く、磁化方向が
容易に変化しないことが重要であり、CoCr,CoCrPt 合
金等が用いられる。
に示すようなスピンバルブ型を用いると、より大きな出
力が得られるため好ましい。特に、磁気記録媒体のキー
パー層の飽和磁束密度と膜厚の積を、磁性層の残留磁束
密度と膜厚の積に対して,35%以上の大きさとする、あ
るいは、磁気記録媒体の分離層の膜厚を 25nm以下とす
る場合には、磁気抵抗効果センサ 54にはスピンバルブ
型を用いることが好ましい。磁気センサの信号検出領域
71は、酸化 Alのギャップ層 72上に5nmの Taバッ
ファ層 73,7nmの第一の磁性層 74,1.5nmのCu中間
層 75,3nmの第二の磁性層 76,10nmの Fe-50at%Mn反
強磁性合金層 77が順次形成された構造である。第一の
磁性層 74にはNi-20at%Fe合金を用い、第二の磁性層 7
6にはCoを用いた。反強磁性合金層 77からの交換磁界に
より、第二磁性層 76の磁化は一方向に固定されてい
る。これに対し、第二の磁性層 76と非磁性の中間層 75
を介して接する第一の磁性層 74の磁化の方向は、磁気
記録媒体からの漏洩磁界により変化する。このような二
つの磁性層の磁化の相対的な方向の変化に伴い、3つの
膜全体の抵抗に変化が生じる。この現象はスピンバルブ
効果と呼ばれ、本実施例では磁気抵抗効果センサにこの
効果を利用したスピンバルブ型磁気ヘッドを用いた。
尚、永久磁石層 79 と電極 70 からなるテーパー部 78
は、図6に示した通常の磁気抵抗効果センサと同様であ
る。
に、そのAA′線断面図を図8(b)に略示する。
体駆動部 82 に連結する保持具によって保持され、面内
磁気記録媒体 81のそれぞれの面に対向して、図5に略
示する磁気ヘッド 83 が配置される。磁気ヘッド 83
は浮上高さ 0.06 μm以下で安定低浮上させ、さらに
0.5 μm以下のヘッド位置決め精度で所望のトラックに
磁気ヘッド駆動部 85により駆動される。
記録再生信号処理系 84によって波形処理される。記録
再生信号処理系は増幅器、アナログ等化器、ADコンバー
タ、ディジタル等化器、最尤復号機等で構成されてい
る。磁気抵抗効果を利用したヘッドの再生波形は、ヘッ
ドの特性により正と負の大きさが非対称となったり、記
録再生系の周波数特性の影響を受けたりして、記録した
信号とは異なった信号に読み誤られることがある。アナ
ログ等化器は再生波形を整えて、これを修復する機能を
有する。この修復された波形を ADコンバータを通して
ディジタル変換し、ディジタル等化器によってさらに波
形を整える。最後にこの修復された信号を最尤復号器に
よって、最も確からしいデータに復調する。以上の構成
の再生信号処理によって、極めて低いエラーレートで信
号の記録再生が行われる。なお、等化器や最尤復号器は
既存のものを用いても構わない。
方インチあたりの記録密度を10ギガビット以上に対応す
ることができ、従来の磁気記憶装置に比べ3倍以上の記
憶容量を持った高密度磁気記憶装置を実現することがで
きた。また、記録再生信号処理系から最尤復号器を取り
除き、従来の波形弁別回路に変えた場合にも従来に比べ
2倍以上の記憶容量を持った磁気記憶装置を実現するこ
とができた。
媒体とそれを用いた磁気記憶装置について例を述べてき
たが、本発明は片面のみに磁性層を有するテープ状、カ
ード状の磁気記録媒体、及びそれら磁気記録媒体を用い
た磁気記憶装置にも適用できることは言うまでもない。
もDCマグネトロンスパッタリング法に限らず、ECRスパ
ッタリング法,イオンビームスパッタリング法,真空蒸
着法,プラズマ CVD法,塗布法,メッキ法等如何なる手
法を用いても構わない。
なくとも Co と Pt を含む磁性層を設けた磁気記録媒体
において、該基板と該磁性層との間に保磁力が 100Oe
以下の軟磁性膜からなるキーパー層と非磁性体からなる
分離層を設けることによって、低ノイズでしかも熱揺ら
ぎの影響が小さな媒体を実現できる。
を利用した再生専用の素子を有する磁気ヘッドとを組み
合わせることによって、1平方インチあたり 10ギガビ
ット以上の記録密度を有する磁気記憶装置が得られる。
でしかも熱揺らぎの影響が小さな媒体を実現できる。
り、1平方インチあたり 10ギガビット以上の記録密度
を有する磁気記憶装置が得られる。
式図。
プを示す図。
ag) と250kFCI で記録した信号の 96 時間後における再
生出力の減磁率との関係を示す図。
0kFCI で記録した信号の 96 時間後における再生出力の
減磁率との媒体 S/N の関係を示す図。
ドの構造の一例を示す模式図。
示す構造図。
14,14′…磁性層、15,15′…保護膜、51…記録磁極、
52…磁極兼磁気シールド層、53…コイル、54…磁気抵抗
効果素子、55…導体層、56…磁気シールド層、57…スラ
イダ基体、61…磁気センサの信号検出領域、62…ギャッ
プ層、63…横バイアス層、64…分離層、65…磁気抵抗強
磁性層、66…テーパー部、67…永久磁石層、68…電極、
70…電極、71…磁気センサの信号検出領域、72…ギャッ
プ層、73…バッファ層、74…第一の磁性層、75…中間
層、76…第二の磁性層、77…反強磁性合金層、78…テー
パー部、79…永久磁石層、81…磁気記録媒体、82…磁気
記録媒体駆動部、83…磁気ヘッド、84…記録再生信号処
理系、85…磁気ヘッド駆動部。
Claims (6)
- 【請求項1】基板上に形成された保磁力が100Oe以下の
軟磁性膜からなるキーパー層と、該キーパー層上に形成
された非磁性体からなる分離層と、該分離層上に形成さ
れたCoとPtと5mol%以上50mol%以下の酸化物とを含む
磁性層とを有することを特徴とする磁気記録媒体。 - 【請求項2】前記キーパー層の飽和磁束密度と膜厚の積
が、前記磁性層の残留磁束密度と膜厚の積に対して、10
%以上80%以下であることを特徴とする請求項1記載の
磁気記録媒体。 - 【請求項3】前記分離層がCr,V,Nb,Mo,Ta,W,Ti
よりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を含むこ
とを特徴とする請求項1または2記載の磁気記録媒体。 - 【請求項4】前記分離層がCr,Zr,Ni-P,CoTaZr,CoNi
Zr,NiAl,CoAl等からなる第1分離層と、Cr,V,Nb,
Mo,Ta,W,Tiよりなる群から選ばれた少なくとも1種
の元素を用いた第2分離層とを有することを特徴とする
請求項1乃至3記載の磁気記録媒体。 - 【請求項5】磁気記録媒体と、磁気記録媒体を記録方向
に駆動する駆動部と、記録部と再生部からなる磁気ヘッ
ドと、該磁気ヘッドを前記磁気記録媒体に対して相対的
に運動させる手段と、該磁気ヘッドに対する入力信号及
び出力信号を波形処理する記録再生信号処理手段とを含
む磁気記録装置において、前記磁気ヘッドの再生部が磁
気抵抗効果型の素子で構成され、前記磁気記録媒体が基
板上に形成された保磁力が100Oe以下の軟磁性膜からな
るキーパー層と、該キーパー層上に形成された非磁性体
からなる分離層と、該分離層上に形成されたCoとPtと5
mol%以上50mol%以下の酸化物とを含む磁性層とを有す
ることを特徴とする磁気記憶装置。 - 【請求項6】前記磁気ヘッドの再生部が構成される磁気
抵抗効果型の素子が、複数層の磁性層を積層したGMR
型の素子であることを特徴とする請求項5記載の磁気記
憶装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11213162A JP2001043523A (ja) | 1999-07-28 | 1999-07-28 | 磁気記録媒体及び磁気記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11213162A JP2001043523A (ja) | 1999-07-28 | 1999-07-28 | 磁気記録媒体及び磁気記録装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001043523A true JP2001043523A (ja) | 2001-02-16 |
Family
ID=16634601
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11213162A Pending JP2001043523A (ja) | 1999-07-28 | 1999-07-28 | 磁気記録媒体及び磁気記録装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001043523A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7270898B2 (en) | 2002-04-04 | 2007-09-18 | Fujitsu Limited | Polycrystalline structure of ordered alloy and method of making the same |
KR100766511B1 (ko) * | 2001-04-13 | 2007-10-15 | 후지쯔 가부시끼가이샤 | 자기 기록 매체 |
-
1999
- 1999-07-28 JP JP11213162A patent/JP2001043523A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100766511B1 (ko) * | 2001-04-13 | 2007-10-15 | 후지쯔 가부시끼가이샤 | 자기 기록 매체 |
US7270898B2 (en) | 2002-04-04 | 2007-09-18 | Fujitsu Limited | Polycrystalline structure of ordered alloy and method of making the same |
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Legal Events
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