JPH06295431A - 垂直磁気記録媒体 - Google Patents

垂直磁気記録媒体

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JPH06295431A
JPH06295431A JP7925393A JP7925393A JPH06295431A JP H06295431 A JPH06295431 A JP H06295431A JP 7925393 A JP7925393 A JP 7925393A JP 7925393 A JP7925393 A JP 7925393A JP H06295431 A JPH06295431 A JP H06295431A
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JP7925393A
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Inventor
Hiroaki Wakamatsu
弘晃 若松
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Fujitsu Ltd
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は垂直磁化記録方式の磁気ディスク装
置等に用いる垂直磁気記録媒体に関し、軟磁性裏打ち層
上に薄い初期成長層から垂直方向の保磁力とその飽和値
が高く、垂直な磁気的配向性の良好な垂直記録膜を設け
て記録再生特性を向上させることを目的とする。 【構成】 非磁性基板12上に軟磁性裏打ち層13と垂直記
録膜33とを積層してなる磁気記録媒体において、前記軟
磁性裏打ち層13を〔111〕と〔200〕の2つの結晶
面を有する軟磁性膜から形成し、該軟磁性裏打ち層13と
前記垂直記録膜33との間に〔111〕の結晶面を有する
島状構造となる膜厚の中間軟磁性膜32を設けた構成とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は垂直磁化記録方式の磁気
ディスク装置等に用いる垂直磁気記録媒体に係り、特に
高密度記録化に好適な垂直磁気記録媒体に関するもので
ある。
【0002】近年、コンピュータシステムにおける情報
処理量の増大により、磁気ディスク装置への記録情報も
増加し、より小型で大容量化が進められ、高密度記録化
が要求されている。
【0003】そのため、種々の高密度化が行われてお
り、磁気記録媒体では従来の水平磁化記録方式に比べて
遙に高密度記録が可能な垂直磁化記録方式が開発され、
垂直磁化記録方式の記録媒体として、例えば高透磁率な
軟磁性裏打ち層上に垂直磁気異方性を有する垂直記録膜
を積層した二層膜構造の垂直磁気記録媒体が提案され、
実用化が進められている。
【0004】このような垂直磁気記録媒体では軟磁性裏
打ち層上に形成するCoCr膜からなる垂直記録膜の初期成
長層の保磁力が小さく、また垂直方向への磁気的な結晶
配向性が悪いことから垂直記録再生特性が劣化する傾向
にある。このため、そのような垂直記録膜の初期成長層
の保磁力と垂直方向への磁気的な結晶配向性を高め、記
録再生特性が向上する媒体構造が必要とされている。
【0005】
【従来の技術】従来、アルミニュウム等の非磁性基板上
にバインダと混練した磁性粉を塗布した塗布型の磁気記
録媒体、即ち、磁気ディスクが広く用いられ、その後、
より高密度記録が可能となるスパッタ法によって形成す
る連続薄膜磁気ディスクが用いられるようになってき
た。しかし、そのような磁気ディスクの磁性記録膜内の
水平方向に磁化を残して記録する水平磁気記録では、記
録密度が高くなると記録磁化の自己減磁の影響が強くな
って再生出力が低下するという問題がある。
【0006】そこで高密度記録においても記録磁化の自
己減磁がなく、しかも磁性記録膜内の垂直方向に磁化を
残す垂直磁気記録方式が提案され、実用化に向けて開発
が進められている。
【0007】これまでに提案されている従来の垂直磁気
記録媒体(垂直磁気ディスク)としては、図5の要部断
面図に示すようにNiPめっき等の表面処理を施したアル
ミニウム円板等からなる非磁性基板12上に、例えば硫酸
ニッケル(NiSO4・7H2O) と硫酸第一鉄(FeSO4・7H2O) と
を主成分とするNiFeめっき液中で、Niめっき電極と前記
非磁性基板12間に4〜5VのDC電圧を印加し、6A/
dm2 の電流密度によるめっき成膜条件によるNiFeめっき
法により1μmの膜厚のNiFe膜からなる高透磁率な軟磁
性裏打ち層13を設け、その表面に供給電力パワー密度を
5.5 W/cm2、スパッタガス圧を1mTorr 、基板温度を25
0 ℃とするスパッタ成膜条件によるスパッタリング法に
より膜厚方向に磁気異方性を有する 0.1μmの膜厚のCo
Cr膜からなる垂直記録膜14を積層した構成、或いは図6
の要部断面図に示すようにNiPめっき等の表面処理を施
したアルミニウム円板等からなる非磁性基板12上に、前
記したスパッタ成膜条件によるスパッタリング法によっ
て1μmの膜厚のNiFe膜からなる高透磁率な軟磁性裏打
ち層22と、膜厚方向に磁気異方性を有する0.1 μmの膜
厚のCoCr膜からなる垂直記録膜14とを積層した構成のも
のがあり、これらの各垂直磁気記録媒体11, 或いは21に
は必要に応じて前記垂直記録膜14の表面にスパッタカー
ボン膜等の潤滑保護膜15を被覆している。
【0008】そしてこのような構成の垂直磁気記録媒体
11, 或いは21に対して情報の記録・再生を行う垂直磁気
ヘッドからの記録磁界は前記垂直記録膜14を垂直に磁化
した後、その直下の軟磁性裏打ち層13, または22を水平
に通過して再び垂直記録膜14を垂直に通り該垂直磁気ヘ
ッドへ帰還する磁気回路により記録される。また、既に
記録された垂直記録膜14からの漏洩する記録磁界により
垂直磁気ヘッドの主磁極が磁化され、それと鎖交するコ
イルに生じる電圧を再生信号として出力することによっ
て再生を行っている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記した図5
に示す従来の垂直磁気記録媒体11では、前記非磁性基板
12上のめっき法により成膜されたNiFe膜からなる高透磁
率な軟磁性裏打ち層13の表面にスパッタリング法により
CoCr膜からなる垂直記録膜14を成膜する場合、Coが80at
%、Crが20at%の組成比率となり、かつ十分な磁気特性
を有する完全なCoCr膜として成長成膜するまでに40〜50
nm(400〜500 Å) 程度の初期成長層が必要となり、その
後の成膜により保磁力が増加し、 0.1μmの膜厚で保磁
力値が飽和する。前記初期成長層の保磁力は小さく、磁
気的な垂直配向性が悪いことから当該垂直磁気記録媒体
11の書込み性や再生出力が低下する等、記録再生特性を
劣化させるという問題があった。
【0010】また、図6に示す従来の他の垂直磁気記録
媒体21では、前記非磁性基板12上にスパッタリング法に
より成膜されたNiFe膜からなる高透磁率な軟磁性裏打ち
層22の表面にスパッタリング法によりCoCr膜からなる垂
直記録膜14を成膜させる場合、該垂直記録膜14の初期成
長層の厚さは20〜30nm(200〜300 Å) 程度と薄くて済む
が、膜厚を厚くした場合、例えば 0.1μmの膜厚での保
持力の飽和値はめっき法により成膜された軟磁性裏打ち
層22上に設けたCoCr膜からなる垂直記録膜14のそれより
も小さくなり、再生出力が低下するといった問題があっ
た。
【0011】一方、そのような問題を解決するために、
NiFe膜からなる軟磁性裏打ち層上に非磁性なチタン(Ti)
膜を介してCoCr膜からなる垂直記録膜を成膜することに
より、該垂直記録膜の初期成長層の保磁力と垂直な磁気
的配向性等の磁気特性を向上させることが可能となる。
しかし、非磁性なTi膜の介在はヘッド磁極先端と軟磁性
裏打ち層との間隔をその膜厚分だけ広げるため、記録再
生特性におけるギャップ損失が増加し、記録密度特性が
低下する問題があった。
【0012】本発明は上記した従来の問題点に鑑み、Ni
Fe膜からなる軟磁性裏打ち層上に・薄い初期成長層から
垂直方向の保磁力とその保磁力の飽和値が高く、垂直な
磁気的配向性の良好なCoCr膜からなる垂直記録膜を設け
て記録再生特性の向上を図った新規な垂直磁気記録媒体
を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は上記した目的を
達成するため、非磁性基板上に軟磁性裏打ち層と垂直記
録膜とを積層してなる磁気記録媒体において、前記軟磁
性裏打ち層を〔111〕と〔200〕の2つの結晶面を
有する軟磁性膜から形成し、該軟磁性裏打ち層と前記垂
直記録膜との間に〔111〕の結晶面を有する島状構造
となる膜厚の中間軟磁性膜を設けた構成とする。
【0014】また、前記〔111〕と〔200〕の2つ
の結晶面を有する軟磁性膜からなる軟磁性裏打ち層の代
わりに、非晶質の軟磁性膜からなる軟磁性裏打ち層を用
いた構成とする。
【0015】更に、非磁性基板上に軟磁性裏打ち層と垂
直記録膜とを積層してなる磁気記録媒体において、前記
軟磁性裏打ち層を〔111〕の結晶面を有する軟磁性膜
から形成し、該軟磁性裏打ち層と前記垂直記録膜との間
に〔111〕と〔200〕の2つの結晶面を有する島状
構造となる膜厚の中間軟磁性膜、または非晶質な島状構
造となる膜厚の中間軟磁性膜、或いは前記軟磁性裏打ち
層と異なる原子間距離を有する島状構造となる膜厚の中
間軟磁性膜を用いた構成とする。
【0016】更に、前記した何れか1つの軟磁性裏打ち
層の表面に、表面酸化処理による極薄酸化層を設けた構
成とする。
【0017】
【作用】本発明の垂直磁気記録媒体では、非磁性基板上
に設けた〔111〕と〔200〕の2つの結晶面を有す
るNiFeからなる軟磁性裏打ち層上に、該軟磁性裏打ち層
の結晶面と異なる〔111〕の結晶面を有する島状構造
となる膜厚の中間軟磁性膜を介してCoCrからなる垂直記
録膜を積層した構成とすることにより、島状構造となる
膜厚の中間軟磁性膜の〔111〕結晶面上に成膜された
CoCrからなる垂直記録膜は、薄い膜厚の初期成長層から
垂直方向への保磁力が高くなり、また前記中間軟磁性膜
の島状構造と対応する垂直記録膜部分以外の部分での保
磁力の飽和値も高くなることから、該垂直記録膜全体と
して薄い初期成長層から高い垂直保磁力と、優れた磁気
的な垂直配向性を有し、磁気ギャップ損失がなく、記録
再生特性の向上した垂直磁気記録媒体を容易に得ること
ができる。
【0018】なお、前記〔111〕と〔200〕の2つ
の結晶面を有するNiFeからなる軟磁性裏打ち層の代わり
に、CoZrNb膜等の非晶質な軟磁性膜からなる軟磁性裏打
ち層を用いることによっても前記したと同様な効果が得
られる。
【0019】また、非磁性基板上に設けた〔111〕結
晶面を有するNiFeからなる軟磁性裏打ち層上に、該軟磁
性裏打ち層の結晶面と異なる〔111〕と〔200〕の
2つの結晶面を有する島状構造となる膜厚のNiFeからな
る中間軟磁性膜、または島状構造となる膜厚のCoZrNb膜
等からなる非晶質の中間軟磁性膜、或いは前記軟磁性裏
打ち層と異なる原子間距離を有する島状構造となる膜厚
のFeSiAl等からなる中間軟磁性膜を介してCoCrからなる
垂直記録膜を積層した構成とすることによっても、該垂
直記録膜は、薄い膜厚の初期成長層から垂直方向への保
磁力が高くなり、その保磁力の飽和値も高くなることか
ら、該垂直記録膜全体として薄い初期成長層から垂直方
向に高い保磁力と、優れた磁気的な配向性を有し、磁気
ギャップ損失がなく、記録再生特性の向上した垂直磁気
記録媒体を容易に得ることができる。
【0020】更に、前記した各軟磁性裏打ち層の表面
に、島状構造となる膜厚の各中間軟磁性膜を積層するに
先立ってあらかじめ酸素プラズマ等による表面酸化処理
を施して極薄の酸化層を形成した後、その極薄酸化層上
に前記島状構造となる膜厚の各中間軟磁性膜を介してCo
Crからなる垂直記録膜を積層した構成とすることによ
り、前記中間軟磁性膜の島状構造と対応する垂直記録膜
部分以外の部分での初期成長層が薄い層厚となり、その
部分での保磁力の飽和値がより高くなることから、該垂
直記録膜全体の保磁力を更に高めることができる。従っ
て、記録特性と再生出力の向上した垂直磁気記録媒体を
得ることができる。
【0021】
【実施例】以下図面を用いて本発明の実施例について詳
細に説明する。図1は本発明に係る垂直磁気記録媒体の
第1実施例を示す要部断面図である。
【0022】図において、12はNiPめっき表面処理を施
したアルミニウム円板、またはガラス円板等からなる非
磁性基板であり、該非磁性基板12上に硫酸ニッケル(Ni
SO4・7H2O) と硫酸第一鉄(FeSO4・7H2O) を主成分とす
るNiFeめっき液を用い、極間電圧がCD4〜5V、電流
密度が6A/dm2 のめっき条件による電解めっき法によ
り1μmの膜厚の〔111〕と〔200〕の2つの結晶
面を有するNiFe膜からなる高透磁率な軟磁性裏打ち層13
と、その軟磁性裏打ち層13上にスパッタ用供給電力のパ
ワー密度が 5.5W/cm2 、スパッタガス圧を1mTorr 、
基板温度を 250℃とするスパッタ条件によるスパッタリ
ング法により島状構造となる3nm (30Å) の膜厚の〔1
11〕の結晶面を有するNiFe膜からなる中間軟磁性膜32
と、その中間軟磁性膜32を介して膜厚方向に磁気異方性
を有する 0.1μmの膜厚のCoCr膜からなる垂直記録膜33
を積層した構成としている。
【0023】なお、必要に応じて前記垂直記録膜33の表
面に潤滑保護膜15を被覆している。また垂直記録膜33を
構成するCoCr膜のCoとCrとの組成量の割合はCo:80at
%, Cr:20at%である。
【0024】このような構成の垂直磁気記録媒体とする
ことにより、前記〔111〕の結晶面を有するNiFe膜か
らなる中間軟磁性膜32上に設けたCoCr膜からなる垂直記
録膜33は、20nm程度の極く薄い膜厚の初期成長層から垂
直方向へ高保磁力で、優れた磁気的な垂直配向性を有
し、磁気ギャップ損失のない、記録再生特性の向上した
垂直磁気記録媒体31を容易に得ることが可能となる。
【0025】また、前記〔111〕と〔200〕の2つ
の結晶面を有するNiFe膜からなる高透磁率な軟磁性裏打
ち層13の代わりに、CoZrNb膜等の非晶質な軟磁性膜から
なる軟磁性裏打ち層を用いることによっても前記したと
同様な効果が得られる。
【0026】図2は本発明に係る垂直磁気記録媒体の第
2実施例を示す要部断面図であり、図1と同等部分には
同一符号を付している。この図で示す第2実施例が図1
で示す第1実施例と異なる点は、前記非磁性基板12上に
スパッタ用供給電力のパワー密度が 5.5W/cm2 、スパ
ッタガス圧を1mTorr 、基板温度を250 ℃とするスパッ
タ条件によるスパッタリング法により1μmの膜厚の
〔111〕の結晶面を有するNiFe膜からなる高透磁率な
軟磁性裏打ち層42と、その軟磁性裏打ち層42上にスパッ
タ用供給電力のパワー密度を1.0 W/cm2 、スパッタガ
ス圧を1mTorr 、基板温度は冷却した状態とするスパッ
タ条件によるスパッタリング法により島状構造となる3
nm( 30Å) の膜厚の〔111〕と〔200〕の2つの結
晶面を有するNiFe膜からなる中間軟磁性膜43と、その中
間軟磁性膜43を介して前記軟磁性裏打ち層42を成膜する
スパッタ条件によるスパッタリング法により膜厚方向に
磁気異方性を有する0.1 μmの膜厚のCoCr膜からなる垂
直記録膜44を積層した構成とし、必要に応じて前記垂直
記録膜44の表面に潤滑保護膜15を被覆したことである。
【0027】このような構成の垂直磁気記録媒体41とす
ることによっても、前記〔111〕と〔200〕の2つ
の結晶面を有するNiFe膜からなる中間軟磁性膜43上に設
けたCoCrからなる垂直記録膜44では、前記図1による第
1実施例と同様に20nm程度の極く薄い膜厚の初期成長層
から垂直方向へ高保磁力で、優れた磁気的な垂直配向性
を有し、磁気ギャップ損失のない、記録再生特性の向上
した垂直磁気記録媒体41を容易に得ることが可能とな
る。
【0028】図3は本発明に係る垂直磁気記録媒体の第
3実施例を示す要部断面図であり、図2と同等部分には
同一符号を付している。この図で示す第3実施例が図2
で示す第2実施例と異なる点は、前記非磁性基板12上に
設けた1μmの膜厚の〔111〕の結晶面を有するNiFe
膜からなる高透磁率な軟磁性裏打ち層42上に、スパッタ
用供給電力のパワー密度を1.0 W/cm2、スパッタガス
圧を1mTorr 、基板温度は冷却した状態とするスパッタ
条件によるスパッタリング法により島状構造となる3nm
(30Å) の膜厚の非晶質な、例えばCoZrNb膜からなる中
間軟磁性膜52と、その中間軟磁性膜52を介して前記軟磁
性裏打ち層42を成膜するスパッタ成膜条件によるスパッ
タリング法により膜厚方向に磁気異方性を有する 0.1μ
mの膜厚のCoCr膜からなる垂直記録膜53を積層した構成
とし、必要に応じて前記垂直記録膜53の表面に潤滑保護
膜15を被覆したことである。
【0029】このような構成の垂直磁気記録媒体51とす
ることによっても、前記図2による第2実施例と同様に
前記非晶質なCoZrNb膜からなる中間軟磁性膜52上に設け
たCoCrからなる垂直記録膜53では、20nm程度の極く薄い
膜厚の初期成長層から垂直方向へ高保磁力で、優れた磁
気的な垂直配向性を有し、磁気ギャップ損失のない、記
録再生特性の向上した垂直磁気記録媒体51を容易に得る
ことが可能となる。
【0030】なお、前記図2による第2実施例における
〔111〕と〔200〕の2つの結晶面を有するNiFe膜
からなる中間軟磁性膜43、或いは図3による第3実施例
における非晶質なCoZrNb膜からなる中間軟磁性膜52の代
わりに、NiFe膜からなる軟磁性裏打ち層42と異なる原子
間距離を有するFeSiAl系、FeN系等の薄膜を用いること
によっても同様な効果が得られる。
【0031】図4は本発明に係る垂直磁気記録媒体の第
4実施例を示す要部断面図であり、図1と同等部分には
同一符号を付している。この図で示す実施例が図1で示
す第1実施例と異なる点は、前記非磁性基板12上に設け
た1μmの膜厚の〔111〕と〔200〕の2つの結晶
面を有するNiFe膜からなる高透磁率な軟磁性裏打ち層13
の表面を、反応ガス圧が0.5Torr 、プラズマ放電用の供
給電力密度が 600Wの条件で酸素プラズマ処理を10分間
程度施して極薄酸化層62を形成した後、その極薄酸化層
62上にスパッタ用供給電力のパワー密度が 5.5W/c
m2 、スパッタガス圧を1mTorr 、基板温度を 250℃と
するスパッタ条件によるスパッタリング法により島状構
造となる3nm (30Å) の膜厚の〔111〕の結晶面を有
するNiFe膜からなる中間軟磁性膜63と、その中間軟磁性
膜63を介して膜厚方向に磁気異方性を有する 0.1μmの
膜厚のCoCr膜からなる垂直記録膜64を積層した構成と
し、必要に応じて前記垂直記録膜64の表面に潤滑保護膜
15を被覆したことである。
【0032】このような構成の垂直磁気記録媒体61とす
ることにより、極薄酸化層62上に積層された中間軟磁性
膜63上のCoCrからなる垂直記録膜64は、前記中間軟磁性
膜63の島状構造と対応する垂直記録膜部分以外の部分で
の初期成長層を薄い層厚とすることが可能となり、しか
もその部分での保磁力の飽和値がより高くなることか
ら、該垂直記録膜64全体の保磁力を更に高めることがで
きる。従って、記録特性と再生出力の向上した垂直磁気
記録媒体61を容易に得ることが可能となる。
【0033】なお、前記した各実施例におけるCoCr膜か
らなる垂直記録膜も特性改善のために、例えばTa等の第
3の元素を添加したCoCrTa膜を用いるようにしても同様
な効果が得られる。
【0034】更に、以上の各実施例の垂直磁気記録媒体
の保磁力は、試料振動型磁束計(VSM)によって垂直
記録膜全体の平均的な保磁力値が測定でき、該垂直記録
膜をエッチングによる膜厚の減少とカー効果による測定
を繰り返すことにより初期成長層の厚さ及び保磁力値を
測定することができる。
【0035】因に、表1は従来の垂直磁気記録媒体の従
来例1〜従来例2と、本発明の垂直磁気記録媒体の第1
実施例〜第4実施例での各垂直記録膜の保磁力値と初期
成長層の厚さ及び保磁力値を試料振動型磁束計(VS
M)とカー効果により測定した結果を示している。
【0036】
【表1】
【0037】この表1によって明らかなように、VSM
により測定された従来の垂直磁気記録媒体の従来例1〜
従来例2での各垂直記録膜の保磁力値1400〜1600 Oe に
対して、本発明の垂直磁気記録媒体の第1実施例〜第4
実施例での各垂直記録膜の保磁力値は何れも 1900 Oeと
20〜30%の増加が見られる。
【0038】また、カー効果により測定した本発明の第
1実施例〜第3実施例での各垂直記録膜の表面層での保
磁力値も 2000 Oeと従来の垂直磁気記録媒体の従来例1
〜従来例2の各垂直記録膜の表面層での保磁力値 1900
Oeよりも高められ、更に、本発明の第4実施例では軟磁
性裏打ち層と中間軟磁性膜との間に極薄酸化層を介在さ
せることによって垂直記録膜の全体の保磁力値が 2000
Oe、その表面層での保磁力値が 2100 Oeと高められるこ
とが確認できた。
【0039】本発明の第1実施例〜第4実施例での各垂
直記録膜の初期成長層での厚さは何れも20nmと薄く、V
SMによる測定の保磁力値とカー効果による測定の保磁
力値との差が大きいことは従来例2で明らかなように初
期成長層の厚さが厚いことに起因している。
【0040】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係る垂直磁気記録媒体によれば、結晶面や材質の異な
る軟磁性裏打ち層上に、同様に結晶面や材質の異なる島
状構造となる膜厚の中間軟磁性膜を介してCoCr膜からな
る垂直記録膜を積層した構成とすることにより、該垂直
記録膜の初期成長層の膜厚が薄く、かつ保磁力が高めら
れ、膜全体として高保磁力で、優れた磁気的な結晶配向
性を有する垂直記録膜が得られ、記録再生特性の優れた
性能の良い垂直磁気記録媒体を得ることができる利点を
有し、実用上極めて有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の垂直磁気記録媒体の第1実施例を示
す要部断面図である。
【図2】 本発明の垂直磁気記録媒体の第2実施例を示
す要部断面図である。
【図3】 本発明の垂直磁気記録媒体の第3実施例を示
す要部断面図である。
【図4】 本発明の垂直磁気記録媒体の第4実施例を示
す要部断面図である。
【図5】 従来の垂直磁気記録媒体の一例を示す要部断
面図である。
【図6】 従来の垂直磁気記録媒体の他の例を示す要部
断面図である。
【符号の説明】
12 非磁性基板 13,42 軟磁性裏打ち層 15 潤滑保護膜 31,41,51,61 垂直磁気記録媒体 32,43,52,63 中間軟磁性膜 33,44,53,64 垂直記録膜 62 極薄酸化層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性基板(12)上に軟磁性裏打ち層(13)
    と垂直記録膜(33)とを積層してなる磁気記録媒体におい
    て、 前記軟磁性裏打ち層(13)を〔111〕と〔200〕の2
    つの結晶面を有する軟磁性膜から形成し、該軟磁性裏打
    ち層(13)と前記垂直記録膜(33)との間に〔111〕の結
    晶面を有する島状構造となる膜厚の中間軟磁性膜(32)を
    設けたことを特徴とする垂直磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記〔111〕と〔200〕の2つの結
    晶面を有する軟磁性膜からなる軟磁性裏打ち層(13)の代
    わりに、非晶質の軟磁性膜からなる軟磁性裏打ち層を用
    いたことを特徴とする請求項1の垂直磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 非磁性基板(12)上に軟磁性裏打ち層(42)
    と垂直記録膜(44)とを積層してなる磁気記録媒体におい
    て、 前記軟磁性裏打ち層(42)を〔111〕の結晶面を有する
    軟磁性膜から形成し、該軟磁性裏打ち層(42)と前記垂直
    記録膜(44)との間に〔111〕と〔200〕の2つの結
    晶面を有する島状構造となる膜厚の中間軟磁性膜(43)を
    設けたことを特徴とする垂直磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記〔111〕と〔200〕の2つの結
    晶面を有する島状構造となる膜厚の中間軟磁性膜(43)の
    代わりに、非晶質で島状構造となる膜厚の中間軟磁性膜
    (52)を用いたことを特徴とする請求項3の垂直磁気記録
    媒体。
  5. 【請求項5】 前記〔111〕と〔200〕の2つの結
    晶面を有する島状構造となる膜厚の中間軟磁性膜(43)の
    代わりに、前記軟磁性裏打ち層(42)と異なる原子間距離
    を有する島状構造となる膜厚の中間軟磁性膜を用いたこ
    とを特徴とする請求項3の垂直磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の何れか1つに記載の前記
    軟磁性裏打ち層(13,42)の表面に、表面酸化処理による
    極薄酸化層62を設けてなることを特徴とする垂直磁気記
    録媒体。
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