JP2865731B2 - 面内磁気記録媒体および磁気記憶装置 - Google Patents

面内磁気記録媒体および磁気記憶装置

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JP2865731B2 JP24913789A JP24913789A JP2865731B2 JP 2865731 B2 JP2865731 B2 JP 2865731B2 JP 24913789 A JP24913789 A JP 24913789A JP 24913789 A JP24913789 A JP 24913789A JP 2865731 B2 JP2865731 B2 JP 2865731B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、磁気ディスク装置、磁気テープ装置、磁気
カード装置などの磁気記憶装置における磁気記録媒体及
びこれを用いた大容量磁気記憶装置に関する。
〔従来の技術〕
磁気記憶装置の大容量化を図るためには、磁気記録媒
体の高記録密度化、高出力ノイズ比化が必要である。従
来これに対して、垂直磁化膜を用いた垂直磁気記録方式
や薄膜面内媒体を用いた面内磁気記録方式が検討されて
来た。以下、簡単にこれらの歴史的背景について説明す
る。
垂直磁気記録媒体は、記録ビット間の反磁界が少ない
ため、原理的には高記録密度化に適しているが、出力が
小さいという欠点がある。この欠点をなくす為、従来、
種々の複合磁性膜が提案されてきた。生産性が高く、垂
直配向性の良好な垂直磁気記録媒体として、垂直磁気異
方性を有するCoCr膜の上に、さらに膜厚0.14〜0.175μ
mのCo−OもしくはCo−Ni−O膜を垂直配向せしめる複
合垂直磁化膜が特開昭61−9821号公報にて提案されてい
る。さらに特開昭52−78403号公報、特開昭54−5184号
公報などに述べられているように、高記録密度における
記録再生効率を高め、高い再生出力を得るために、非磁
性基板上に高透磁率軟磁性膜を介して垂直磁化膜を設け
る複合磁気記録媒体等も提案されている。一般に媒体形
成法としては、蒸着法、スパッタ法、メッキ法、イオン
ビームスパッタ法などがある。ただし、本方式では、磁
気ヘッドが媒体面から離れて浮上すると、記録密度が従
来の面内記録方式に比べてかえって低下すると言われて
いる。さらに、高透磁率軟磁性層を下地層とすると、そ
の上に設ける垂直磁性膜の垂直配向性が劣化するという
問題もあった。この問題に対しては、Ni−Feなどの高透
磁率軟磁性下地層上に、この高透磁率軟磁性層と垂直磁
化層との磁気的相互作用を妨げ、垂直磁化層の配向性を
高めるためTiなどの非磁性層を介してCo−Crなどの垂直
磁化膜を形成し、さらにその上にNi−Feなどの高透磁率
軟磁性層を設ける垂直磁気記録媒体が特開昭61−131228
号公報にて提案されている。
また、特開昭61−222022などには、CoCrNbもしくはCo
CrTaから成る等方性低保磁力層の上に、飽和磁化が大き
く、垂直磁気異方性を有するCoCr層を形成する垂直磁気
記録媒体が提案されている。これは、基板的にはCoCrNb
もしくはCoCrTaが、いわゆる高透磁率軟磁性層(裏打ち
層)に相当する。
これらの従来の垂直磁化層と高透磁率軟磁性層とから
成る複合磁気記録媒体においては、軟磁性層は磁気ヘッ
ドの記録磁界を効率良く垂直磁化層に導くと共に、記録
磁化を安定化させるという補助機能を果しているにすぎ
ない。すなわち、それぞれの磁性層は磁気的に全く独立
に機能している。このような構成の場合には、複合磁性
薄膜を構成する磁性膜は互いに弱い磁気的相互作用しか
なく、面内の磁化曲線は各層の面内磁化曲線のほぼ単純
な重ね合わせになる。そのため磁化曲線には磁化ジャン
プが認められ、いわゆる蛇状となって、同一の面内保磁
力で各層は磁化反転しない。高記録密度化に対しては、
磁化曲線は、複数の保磁力を有する蛇形が好ましいとさ
れている。
ただし、いずれの方式の垂直磁気記録媒体において
も、記録再生効率を高めるためには、高透磁率下地層と
磁気的回路を構成する主磁極型の磁気ヘッドを用いる必
要があり、特開昭60−261025号公報に述べられている様
に、記録方式からシステム全体まで変えないと実用性能
の向上は期待できないと考えられている。実際、本構成
の垂直磁気記録媒体を従来のリング型の磁気ヘッドで記
録再生すると次に述べる問題があった。
すなわち、高透磁率下地層の上に垂直磁化層を設けた
前記複合垂直膜媒体は、従来の面内磁気記録用リング型
磁気ヘッドで記録再生すると、ジャーナル オブ アプ
ライド フィジックス第57巻(1985年)第3964〜第3966
頁(J.Appl.Physics.57(1985)p.3962−p.3966)など
に述べられているように、主磁極型の垂直磁気記録用ヘ
ッドで記録再生する場合と異なり、非常に大きなスパイ
ク状のバルクハウゼンノイズが高透磁率下地層から発生
したり、スパイク状のバルクハウゼンノイズを低減して
もノイズの絶対値が大きいという問題があった。垂直磁
化層の上に高透磁率軟磁性層を設けた特開昭60−261025
号公報に記載の垂直多層膜媒体の場合にも同様の問題が
あると考えられる。これは、基本的には高透磁率膜の保
磁力が数Oe〜20Oe程度以下と極めて小さいことなどのた
めに、強い記録磁界がCo−Cr垂直磁化層にまで達しにく
く、さらに以下の理由により出力波形が顕しく歪むため
である。すなわち、垂直磁化層と高透磁層との磁気的結
合力が弱く、外部磁界に対して個々の膜が別個に応答
し、個々に磁化反転し易いこと、及び、垂直磁化層の下
に、さらに、垂直磁化層との間の磁気的相互作用が働く
のを妨げるために200Å程度の非磁性中間層を介して高
透磁率層を設けており、このために各層は外部磁界に対
してそれぞれ独立に磁化反転してしまうためである。主
磁極型の磁気ヘッドではこのような問題は無い。
以上説明したように、ヘッドが媒体に接触する状態で
使用すれば、垂直磁気記録方式は本質的に面内磁気記録
方式に比べて格段に優れた特性を有する。
しかし、他方で、ヘッド浮上時や、システム全体の観
点から、従来のリング型磁気ヘッドを用いる面内磁気記
録方式を改良しようとする研究も最近特に見直されて来
ている。面内磁気記録用薄膜媒体としては、耐食性が高
く、高飽和磁化、高保磁力の磁性薄膜材料の開発が必要
であり、以下のような複合媒体が提案されるに至ってい
る。
すなわち、垂直媒体と面内媒体とを複合するものとし
て、特開昭60−261026号公報や特開昭60−261025号公報
などに述べられているように、垂直方向に磁化可能なCo
−Crなどの層の上にCo−Niなどの面内高保磁力磁性層や
γ−Fe2O3などの等方性高保磁力磁性層を設けること
で、従来型のリングヘッドを用いて高記録密度での記録
再生を行なう複合磁気記録媒体及び磁気記録方式が提案
されている。また、これ等と同様の方式で、さらに別の
構成の媒体として、特開昭61−34721号公報には、面内
方向の保磁力が300Oe以上の高保磁力Co−Pt面内薄膜磁
性層の上に垂直方向の保磁力が400Oe以上のCo−Cr垂直
磁化層を設けるという2層膜媒体も提案されている。
さらに、CoNi,CoPt等の面内磁気異方性を有するCo基
磁性合金層の上にCoCr基合金層を設けた、高耐食性の面
内複合磁気記録媒体が特開昭62−256217にて提案されて
いる。これは、Co基磁性合金より耐食性が高いCo−Cr基
合金で、Co基磁性合金層の表装部を一部、置き換えたも
のである。
〔発明が解決しようとする課題〕
以上説明した様に、従来の面内磁気記録再生方式で、
更に高S/N比、高密度化できる高信頼性磁気記録媒体が
強く求められていると言って良い。
ところが、垂直磁化膜の上に面内高保磁力磁性層、も
しくは等方性高保磁力磁性層を設ける構成の前記従来型
複合媒体は、垂直磁化膜に比べて出力は高いが、高密度
での記録ができないという問題があった。これは、面内
磁化膜等に記録された情報を保持する機能を有する垂直
磁化膜への保持情報の記録が十分でないためである。す
なわち、リング型ヘッドは本質的に垂直成分の記録磁界
強度が小さいので、垂直磁化には不向きの上に、垂直磁
化膜とヘッドとは面内磁化膜等を介して対向しているの
で、両者間のスペースはより広がってしまい、さらに記
録し難くなってしまうためである。さらに本発明者らの
検討によれば、記録磁化状態はこの場合特に不安定で、
再生出力も複雑で、ピークシフト、位相シフト等をおこ
し易いという問題があり、実用上大きな課題が残されて
いることが明らかになった。
また、高保磁力面内薄膜磁性層の上に垂直磁化層を設
ける前記2層媒体膜においても同じ課題がある。
また、Co−Ni,Co−Pt等のCo基合金薄膜の上にCo−Cr
基合金層を設ける、前記の面内複合媒体においては、飽
和磁化がCo基合金薄膜より小さいCo−Cr基合金層を用い
るので、耐食性の向上と引き換えに再生出力は低下して
いる。さらに本発明者らの検討の結果、第2表に示すよ
うに、面内保磁力もまた低下していることが見つかっ
た。したがって、再生出力が予想以上に低下し、高密度
磁気記録用媒体としての使用には問題があることが明ら
かになった。
本発明の目的は、ピークシフト、面内保磁力の劣化、
等の前記の問題が無く、高密度での記録再生が安定して
行なえ、さらに耐食性等の信頼性が高く、S/Nも高い複
合磁性膜を有する面内磁気記録媒体及び磁気記録装置を
再現性良く提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記本発明の目的は、非磁性基板上に直接もしくは非
磁性下地層を介して複合磁性膜を形成した面内磁気記録
媒体において、上記複合磁性膜を構成する全ての磁性膜
は磁気的に結合しており、上記複合磁性膜は唯1つの面
内保磁力を有しており、かつ該面内保磁力が上記複合磁
性膜を構成する磁性膜のうち最も情報記録側の磁性膜を
構成する面内磁気異方性磁性膜の面内保磁力より大きい
面内磁気記録媒板により達成できる。
複合磁性膜の形成に際し、複合磁性膜を構成する全て
の磁性膜が磁気的に結合し、かつ唯1つの面内保磁力を
有するようになしたので、すべての磁性膜が同時に磁化
反転し、面内磁化曲線の形状は蛇形にはならず、ピーク
シフト等が生じない。
さらに、その面内保磁力を、最情報記録側磁性膜の面
内保磁力よりも大きくしたので、高い再生出力が得られ
る。
本発明につき、以下にさらに詳細に説明する。最も情
報記録側の磁性膜をCo,Feから成る第1の群は選ばれた
少なくとも1つの元素と、N,Tb,Gd,Mo,W,Y,Sm,Nd,Pr,P
m,Ce,Dy,La,Pt,Ir,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Ru,Os,Rh,Pd,Al,S
iとから成る第2の群から選ばれた少なくとも1つの元
素、もしくはNiの少なくとも1種とを含む合金を主成分
とする面内磁気異方性薄膜であり、前記最も基板側の磁
性薄膜は、前記の最も情報記録側の磁性薄膜とは成分、
もしくは組成を異にし、さらに前記第1の群から選ばれ
た少なくとも1つの元素と、Cu,Cr,Mo,W,Tb,Gd,Sm,Nd,P
r,Pm,Ce,Dy,Pt,Irとから成る第3の群から選ばれる少な
くとも1つの元素、もしくはNiの少なくとも1種とを主
成分として含む合金とし、さらに複合磁性膜を構成する
すべての磁性薄膜が互いに磁気的に結合しており、複合
磁性膜の面内外部磁界に対する磁化反転時の面内保磁力
が250Oe以上の1つの値を有するように構成すること
で、高密度で高い出力ノイズが得られる高耐食性媒体を
再現性良く提供できる。
最基板側磁性膜の材料を上述のようにすることによ
り、その上に形成する磁性膜の配向性、結晶性を高めめ
ことができ、かつ、複合磁性膜の面内保磁力を安定に高
い値に制御する上で望ましい。これは、上記添加元素が
粒界に偏析し易いためと考えられる。
前記第2の群の元素の総量を、前記第1の群の元素の
総量に対し0.1at%以上30at%以下、より望ましくは、
0.5at%以上、20at%以下とするか、Niを10at%以上、6
0at%以下とすることで飽和磁化、保磁力、耐食性を高
めることができる。最も情報記録側の磁性薄膜の飽和磁
化を最も基板側の磁性薄膜の飽和磁化よりも高くする
か、最も基板側の磁性薄膜の面内保磁力を複合磁性膜を
構成する磁性薄膜の中で最も高くすることが再生出力、
耐食性の点で望ましい。さらに両者の組み合わせが特に
好ましい。複合磁性膜を3種の磁性薄膜で構成すれば自
由度が大きくなるのでさらに好ましく、5種以上では成
膜装置が複雑となり過ぎるのであまり好ましくない。ま
た、この場合、各層の飽和磁化の大きさを、情報記録側
から順に小さくすることが再生出力の点で望ましい。さ
らにまた面内保磁力は情報記録側から順に高くすること
が望ましく、両者の組み合わせが最も好ましい。
耐食性を考慮すれば中間層を最も高い飽和磁化として
も良い。ここで、最情報記録側の磁性薄膜の膜厚は、最
基板側の磁性薄膜の膜厚の2倍よりも厚くない方が、面
内保磁力の再現性、安定性、記録密度特性及び出力ノイ
ズ比の上で好ましい。また、前記最情報記録側磁性薄膜
は、単独では、半硬磁性であり、かつ該磁性薄膜に隣接
する磁性薄膜は、単独では、垂直磁気異方性を有する
か、あるいは、面内磁気異方性を有し複合膜としての面
内保磁力が1000Oe以上より望ましくは1500Oe以上である
ことが高い記録密度を達成する上で特に好ましい。ここ
で半硬磁性とは、一般に保磁力が5Oe以上200Oe以下の場
合を指す。最情報記録側磁性薄膜の膜厚としては0.005
μm以上0.1μm以下であることが耐食性を高め、記録
密度特性を高める上で望ましい。又、最情報記録側磁性
薄膜に少なくともFe,Biの一方を含有せしめることで、
特にカー効果、ファラデー効果等の光磁気効果が大きく
なるので、光再生した場合に大きな再生出力が得られ特
に望ましい。
最情報記録側磁性薄膜を前記材料のうち、CoNi基3
元、4元合金とし、最基板側磁性薄膜を前記材料のうち
CoCr基もしくはCoSm基の3元、4元合金とすれば、特に
最情報記録側磁性薄膜の結晶配向性が高く、高密度での
S/Nを高くできるので特に好ましい。ここで、前記第3
の群の元素の総量は、前記第1の群の元素の総量に対し
0.5at%以上60at%以下、より望ましくは、3at%以上55
at%以下、さらに望ましくは10at%以上50at%以下とす
ることが配向性、磁気特性向上の点で好ましい。Niにつ
いては10at%以上60at%以下、より望ましくは、30a%
t以上50at%以下とすることが磁気特性の点で好まし
い。最基板側磁性薄膜にさらに、Ti,Zr,Hf,Nb,Ta,Ru,O
s,Rh,Pd,Al,Siから成る第4の群の少なくとも1種の元
素を0.1at%以上20at%以下、より望ましくは3at%以
上、15at%以下含有せしめ、なおかつ優位的に結晶質と
することが耐食性、高保磁力化の点で好ましい。複合磁
性膜上にさらに膜厚10nm以上40nm以下の非磁性保護被覆
層を設けることで耐摺動信頼性が向上するので好まし
い。該非磁性保護被覆層はWC,WN,C等で形成することが
特に好ましく、この上にさらに有機系潤滑層を1nm以
上、15nm以下設けても良い。また、複合磁性膜と前記非
磁性保護被覆層との間に非磁性中間層としてTi,Zr,Hf,N
b,Taを主成分とする合金やNi基合金を5nm以上15nm以下
設けると耐食性の点で特に好ましい。
前記非磁性下地層として、Cr,Mo,Wもしくは、Ti−Cr,
Cr−Si,Cr−Mo等のこれらを主たる成分とする非磁性材
料を用いれば最基板側磁性薄膜の面内結晶配向性、面内
保磁力が向上するので好ましく、Ti,C,GeもしくはTi−C
r,Ti−Nb,Ti−Ta,Ti−Pt等のこれらを主たる成分とする
材料を用いれば最基板側磁性薄膜の垂直結晶配向性が向
上し、最終的には複合面内媒体としての媒体ノイズが低
減するので好ましい。上記複合面内磁気記録媒体を、磁
気コアの少なくとも一部を強磁性金属薄膜で形成したリ
ング型磁気ヘッドで記録再生すれば特に高い密度での記
録再生ができるので好ましい。
〔作用〕
本発明は以下の作用による。まず、単層磁性薄膜を用
いた場合の耐食性、磁気特性、記録再生特性について説
明する。
塗布媒体に比べて金属系薄膜媒体は高密度でも高い再
生出力が期待できるが、金属であるために耐食性に劣る
という問題がある。そこで、スパッタリング法で、投入
電力密度4W/cm2,Arガス圧10mTorr,基板温度100℃でガラ
ス基板上に膜圧300nmのCrを介してCoや、Co0.7Fe
0.3に、Sc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,T
m,Yb,Lu,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Ru,Os,Rh,Ir,N
i,Pd,Pt,Cu,Ag,Au,Al,Si,Sn,O,Nを1種ないし3種を0.0
5,0.1,0.5,1,10,20,50,60,70at%添加した磁性合金薄膜
を70nm形成し、最後に膜厚40nmのCを形成してその耐食
性について評価した。ここで金属系薄膜媒体の腐食のう
ち、孔食はデータの消失に直接つながるので、一様腐食
に比べてより重要であると考えられる。そこで、孔食を
引き起こす腐食加速試験として、0.001mol%のNaNO3,0.
001mol%のNa2SO4及び1mol%のNaClを含む塩水噴霧試験
により、これら磁性薄膜の耐孔食性を評価した。
その結果、CoやFeにN,Tb,Mo,W,Gd,Y,Sm,Nd,Pr,Pm,Ce,
Dy,La,Pt,Ir,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Ru,Os,Rh,Pd,Al,Siから
成る第2の群の元素を少なくとも1種添加することで著
しく磁性合金の耐食性を向上できることが明らかになっ
た。これはこれらの添加元素が金属磁性薄膜の表面に緻
密な不働態被覆を形成したり、金属合金自身が電気的に
貴になるためである。両効果が複合化している場合もあ
る。これ等の添加量としては、CoとFeとの総量に対して
0.1at%以上であれば耐食性向上の効果は認められた
が、0.5at%以上とすることがより望ましい。ただし添
加量を30at%よりも多くすると、飽和磁化の劣化が著し
いのであまり好ましくは無い。したがって前記添加量と
しては30at%以下、より望ましくは、20at%以下とする
ことが好ましい。
一般に飽和磁化が高い方が潜在的には磁性材料として
優れている。そこで飽和磁化を同じにして種々の磁性合
金の耐食性を評価すると、Niは高耐食性である上に磁性
も有するので添加元素として特に好ましい。すなわち、
Niを添加するとNi自身が高耐食性金属であるため、前記
組成の磁性合金にさらにNiを添加することで、飽和磁化
の低化を抑えつつ耐食性をさらに向上できるので特に好
ましいことになる。すなわち、Niを10at%以上添加する
と、第4図にいくつかの例を示すように、同じ飽和磁化
を有し、かつ比較例として形成したCoCrもしくはCoCrTa
のようなCoCr基合金に比べて2倍以上優れた耐食性を示
すことが明らかになった。ただし、Niを60at%よりも多
く添加すると保磁力が低下するので好ましくない。
そこで次に、これ等の磁性薄膜を単独で用いた磁気記
録媒体の磁気特性、記録再生特性について耐食性の劣る
材料も含めて一般的に評価した。
すなわち、直径130mmφの、ガラスディスク基板もし
くはNi−PメッキAl合金ディスク上に、膜厚420nmのCr
を介して膜厚60nmのCoNi合金、CoCr合金、CoTi合金、Co
Pt合金、CoSm合金、CoFe合金、CoPr合金、CoNiZr合金、
CoNiTi合金、CoNiPt合金、CoNiCr合金、CoCrPt合金、Co
CrTa合金、CoNiZrCr合金、CoNiHfAl合金などの前記磁性
薄膜及び、膜厚40nmのC保護膜が形成して単層磁性薄膜
から成る磁気ディスクとした。ここで各媒体の面内保磁
力は300Oe以上3000Oe未満で、いずれも面内磁気異方性
を示した。ギャップ長0.6μmでギャップ部にFeAlSi合
金を用いその他はMn−Znフェライトであるメタルインギ
ャップ型のリングヘッドを用い相対速度20m/s、浮上量h
g=0.2μm、0.15μmでその記録再生特性を評価した結
果、第10図に示すように1kFCI(lux hange per n
ch)の低周波記録時での再生出力は保磁力には顕著には
依存せず、磁性薄膜の飽和磁化に比例して大きくなり、
しかも再生出力の大きさはヘッドと媒体との距離が狭い
程大きくなることが分かった。これから、低周波すなわ
ち低記録密度での記録再生時の再生出力を高めるために
は、磁性薄膜の飽和磁化を高めれば良いことになる。と
ころが、飽和磁化を高めると高密度記録時には磁性薄膜
内の反磁界が強くなる為、第11図に浮上量0.2μmの場
合を示すように、飽和磁化が大きくなる程、1kFCI程度
の低密度での再生出力の半分の出力となる記録密度(出
力半減記録密度D50)は飽和磁化の増大と共に減少して
しまい、40kFCI程度の高い記録密度での再生出力は著し
く低下してしまうという問題があることが分った。
このように磁性薄膜の飽和磁化は、出力と記録密度に
ついて逆の作用をするため、例え前記の高耐食性磁性合
金を用いたとしても、単層では高密度で高い再生出力を
同時に達成することは極めて困難であることが確認され
た。
そこで単層膜の研究で得られた前記知見を基に磁性薄
膜を複合することで高保磁力し、さらに高密度で高いS/
Nが得られる構成について鋭意検討することにした。一
般に腐食は情報記録側から進行するので、最も情報記録
側の磁性薄膜を高耐食性で面内磁気異方性を有する磁性
材料に限定し、その下側に、種々の組成から成る前記一
般の磁性薄膜を設けた複合磁気記録媒体の記録再生特性
について鋭意検討した。ここで非磁性下地膜としてはCr
やTi0.8Nb0.2合金を用い、最基板側磁性薄膜として面
内、垂直異方性を有する場合について検討することにし
た。まず、最も基板側に、飽和磁化がより小さいか、面
内保磁力がより大きな合金磁性薄膜を設け、次いでこれ
と磁気的相互作用し、かつ該磁性薄膜の表面が酸化、窒
化等の変化をしてしまわないように、真空の質、磁気特
性、膜厚等を制御して、該磁性薄膜上に該磁性薄膜より
飽和磁束密度が高いか、面内保磁力が小さい別の合金磁
性薄膜を設けた。それぞれの磁性薄膜が磁気的に相互作
用し、さらに基板側磁性薄膜が面内異方性を有する場合
には、磁化反転する面内保持力はいずれの場合も1つで
あり、また基板側磁性薄膜が垂直異方性を有する場合に
は、情報記録側の磁性薄膜の保磁力が4Oe以上200Oe以下
で半硬磁性であれば、複合磁性膜が外部磁界に対して磁
化反転する面内保持力は1つしかなく、しかもその値を
半硬磁性膜の保磁力の値よりも高く出来た。
以下さらに詳細に、本発明の作用について、いくつか
の例を掲げて説明する。
まず、第1表にこれ等のうちで典型的な複合磁性媒体
及び各単層磁性媒体の磁気特性の例を示す。ここで各磁
性層の膜厚はそれぞれ25nmである。
次に第1表の例について詳細に説明する。ガラス基板
にまずCoNiPt層を設け、この上にCoCr層を設けた比較例
2の複合媒体については比較例3のCoNiPt単層媒体の保
磁力1050Oeに比べ保磁力は760Oeと低いことがわかる。
これは、CoCrは比較例4に示したように本来面内保磁力
が低いという性質があり、ここで、CoNiPtのようなCo基
合金薄膜の上にCoCr層を設けると、Co基合金薄膜の持つ
本来の高い保磁力(表1,表3に示す)を低減してしまう
ためであると考えられる。
これに対し、基板上にまずCoCr層を設け、この上にCo
NiPt層を設けた本発明1の複合媒体の保磁力は驚いたこ
とに1100Oeと、比較例3のCoNiPt単層膜媒体の保磁力よ
りも高いことが明らかになった。この原因の詳細につい
ては、未だ完全に解明されていないが、X線解析などの
結果から判断して次のように考えられる。すなわち、上
記表1の試料番号1−4の媒体について、X線を用いて
磁性膜の結晶配向性を調べたところ、第5図に示すよう
に比較例4のCoCr単層膜は2θで約44.6゜に強い回折線
ピークを示し、c軸が垂直配向し易い。これはCoに添加
したCrは結晶粒界に偏析し易いため、Coの結晶粒がc軸
配向し易くなるためである。本効果はCr添加量が0.1at
%以上であれば認められたが、30at%以上添加すると、
飽和磁化が低下してしまうので、好ましくない。これに
対し、第6図に示す様に、比較例3のCoNiPt単層膜は約
43.2゜にCoCrで認められた回折線強度の1/10以下の強度
の弱い回折線を示すだけで、僅かにc軸が面内配向し易
いことが明らかになった。これに対し、第7図に示すよ
うに、比較例2のCoCr/CoNiPt複合膜では2θで43.2゜
と44.6゜に比較例3と同程度の非常に弱い回折線ピーク
しか認められないのに対し、本発明1のCoNiPt/CoCr
(/基板)複合膜では、第8図に示すように、43.2゜と
44.6゜に比較例2に比べて10倍以上の非常に強い回折線
が認められることが明らかになった。ここで特に、CoNi
Ptのc軸の面内配向を示す43.2゜の回折線強度は、CoCr
のc軸の垂直配向を示す44.6゜の回折線強度よりも2倍
程度強く、CoNiPt膜は面内媒体として極めて良好な結晶
配向をしていることが明らかになった。これは、前記の
垂直配向性の高いCoCr膜の上にはCoNiPt膜がエピタキシ
ャル的に結晶配向し易いためである。また、ここでは詳
しくは述べなかったが、CoNiPt膜を基板上に形成し、そ
の上にさらにCoCr以外の、CoNi基合金、CoSm基合金等薄
膜を設けると、これ等は比較的良好な面内結晶配向を示
すことが見い出された。このことから、CoNi基合金膜等
の上にCoCr基合金薄膜を設けると、CoCr中のCrが前述の
ように偏析し易いためCoCrは良好な配向をせず、CoCr/C
oNi基合金/基板複合媒体の磁気特性が悪くなっている
と考えられる。いずれにせよ、一般にc軸は結晶磁気異
方性軸であり、c軸の面内配向成分が高い程面内保磁力
が高く、面内媒体としての特性が良好なことを示してい
る。このため実際第9図に、表1の試料番号1〜4の各
媒体の記録再生特性を、ギャップ長が0.4μmの薄膜磁
気ヘッドを用いて評価した結果を示す様に、いずれの媒
体磁束量Bs・tmagを有する媒体に対しても、本発明の媒
体は極めて媒体ノイズが小さく比較例の媒体に比べて2
倍以上高い出力ノイズ比(S/N)を示すことが明らかに
なった。このように本発明の構成の媒体においては、情
報記録側、基板側の磁性薄膜の結晶配向性が高いため、
保磁力が高いだけでなく媒体ノイズが小さく、しかも出
力ノイズ比も高いことが明らかになった。
以上の効果は、基板側の磁性薄膜を、Co,Feから成る
第1の群から選ばれた少なくとも1つの元素と、Cu,Cr,
Mo,W,Tb,Gd,Sm,Nd,Pr,Pm,Ce,Dy,Pt,Irとから成る第3の
群から選ばれた少なくとも1つの元素、もしくはNiの少
なくとも1種とを含む磁性合金を主たる成分とする磁性
材料で形成しても認められた。第3の群の元素を含む場
合には、第1の群の元素の総量に対する組成を0.1at%
とすれば前記のように効果が認められた。これは、これ
らの群の元素が粒界に偏析し易く、配向性がより高くな
るためである。30at%以上添加すると飽和磁化が低下
し、好ましくはない。また、Niを含む場合には、第1の
群の元素の総量に対する組成は、保磁力を高めるという
磁気特性向上効果の点で10at%以上、60at%以下とする
ことが望ましい。いずれの場合も、第1の群の元素の総
量に対してさらに、Ti,Zr,Hf,Nb,Ta,Ru,Os,Rh,Pd,Al,Si
を0.1at%以上添加すると耐食性が向上するので好まし
い。20at%よりも多く添加すると磁気特性が低下するの
で好ましくない。また、CoMoZr、CoNiZrの上記合金は一
般に非晶質化し易いが、非晶質化すると結晶配向性に関
する上記効果が無くなり、また、保磁力も数十Oe以下に
低下してしまうので好ましくなく、優位的に結晶質とす
ることが望ましい。ここで情報記録側の磁性薄膜の高配
向化、媒体側の磁性薄膜をCoCr基、もしくはCoSm基の上
記元素を少なくとも含む3元、4元合金で形成し、前記
情報記録側磁性薄膜を前記CoNi基の3元、4元合金を主
成分とする合金で形成した場合に最も顕著であるので、
この組み合わせが記録再生特性的には特に好ましい。さ
らに両磁性薄膜の間に、さらに別のCo基,Fe基,Ni基磁性
合金薄膜を1層ないし2層以上設けても同様の効果が得
られるので、3層以上の層構成としても良い。
次に、情報記録側の磁性薄膜を高飽和磁化した場合の
効果について説明する。第10図のスペーシング依存性か
ら理解できるように、一般に各複合膜の平均的な飽和磁
化の値を有する単層膜に比べ、情報記録再生側磁性薄膜
の飽和磁化量を大きくした方がスペーシングの小さい位
置での磁化量が大きく再生ヘッドに流入する磁束量が大
きくなり、相対的に大きな再生出力が得られることにな
る。したがって、2層、3層以上の複合膜の場合には最
上層の情報記録側の磁性薄膜の飽和磁化を最も大きくす
ることが特に好ましいことになる。しかし前述のよう
に、耐食性の観点では最上層を高耐食性磁性層で構成す
ることが最も好ましい。一方、一般に添加元素量を多く
して高耐食化する程飽和磁化は減少するので、耐食性を
最重視する場合には、必ずしも最上層の飽和磁化量を大
とする必要はない。ただし、この場合には、磁性膜を3
層以上の構成とし、中間磁性薄膜を高飽和磁化材料で構
成すれば、2層複合磁性層に比べてさらに耐食性,再生
出力を高めることができるので、最も好ましいことにな
る。
記録密度に関しては、本発明の複合磁気記録媒体の保
磁力は単層膜媒体の保磁力に比べて高いので、磁化繊維
領域の幅は狭くなり、記録密度を単層媒体に比べて高く
できる。さらに高密度記録時のビット境界における反磁
界の値は、実質的に飽和磁化の小さな薄膜での値となる
ため、記録密度をさらに高められる。これは、2種以上
の材料で構成される磁性薄膜において、磁気記録時にビ
ット間に形成される鋸歯状磁区同志が互いに強く相互作
用し合うため、磁区構造、磁区長も同じになろうとし、
高飽和磁化膜単独の場合には広い磁化遷移領域幅が、飽
和磁化がより小さい膜が単独で存在する場合に見られる
ような、より狭い磁化遷移領域幅とほぼ同じになるよう
に小さくなるためであると考えられる。本効果は高飽和
磁化層が薄い程磁壁エネルギーの点でより望ましい。記
録磁界の急峻さの点においても、再生出力に対する寄与
の大きな薄い高飽和磁化膜をヘッド側に設ける方がヘッ
ド磁界分布がより急峻なため、磁化遷移領域の幅も相対
的に狭くなるのでより好ましい。以上の効果は、磁性膜
の組成、成分が異なり、飽和磁化の異なる3層以上の磁
性合金層から構成される場合にも認められた。
以上のように、前記高耐食性磁性材料から成り、飽和
磁化の最も高い合金磁性薄膜を最も情報記録ヘッド側に
設け、磁性膜を複合化することで、複合膜として平均化
した飽和磁化を有する単層膜に比べて高い再生出力、高
い記録密度特性を有するようにできる。
次に前記最も基板側の磁性薄膜の磁性材料のより好ま
しい磁気特性についてさらに詳細に述べる。まず面内磁
気異方性を有する場合について説明する。NiPをメッキ
した直径89mmφのAl合金基板上に、Arガス圧15mTorr、
投入電力密度1W/cm2、基板温度100℃としてDCマグネト
ロンスパッタリング法により、非磁性下地層として膜厚
500nmのCr膜、膜厚0,10,20,25,27.5,30,35,45,55,60nm
のCo0.75Cr0.10Pt0.15磁性薄膜、膜厚60,50,40,35,32.
5,30,25,15,5,0nmのCo0.60Ni0.35Zr0.05磁性薄膜、非磁
性中間層として膜厚5nmのZr0.98Hf0.02及び非磁性保護
被覆層として膜厚2nmのWN膜を形成して磁気ディスクと
し、基板側磁性薄膜CoCrPtの膜厚磁気特性と複合薄膜媒
体の磁気特性、記録再生特性との関係について評価し
た。ここで、CoCrPt,CoNiZr薄膜の飽和磁化Msはそれぞ
れ790emu/cc{4πMs=9.9kG},730emu/cc{4πMs=9.
2kG}であった。またCoCrPt,CoNiZrとも面内磁気異方性
を示し、第12図に示すように、CoCrPtを単独で形成した
場合には、上記いずれの膜厚の範囲においてもCoNiZr膜
を単独で形成した場合に比べて面内保磁力は大きかっ
た。また、CoNiZr膜を単独で形成した場合に比べて、Co
CrPt膜を介してCoNiZr膜を形成した場合の方が保磁力は
高かった。記録再生特性は、ギャップ部にCo0.82Nb0.14
Zr0.04磁性薄膜を形成した、メタルインギャップ(MI
G)型の磁気ヘッド(ギャップ長0.4μm)で、相対速度
12m/s浮上量を0.2μmとして評価した。第13図に複合媒
体及び比較例としてCoCrPt単層媒体の保磁力、及び媒体
S/Nを示す。CoNiZr単層膜やCoCrPt単層膜の保磁力はそ
の膜厚依存性が大きいのに対し、複合膜の保磁力は膜厚
依存性が小さく、膜厚変動に対して再現性良く安定して
高い保磁力が得られることが分かる。
以上のように、CoNiZr膜をCoCr膜を介して複合化する
ことで保磁力及びS/Nを改善できるが、特に情報記録側
のCoNiZr磁性薄膜の膜厚が、基板側のCoCrPt磁性薄膜の
膜厚の2倍よりも厚くなく40nm未満(CoCrPt膜厚が20nm
以上)であれば保磁力は1000Oe以上で、S/Nも5以上の
高S/N媒体が得られることが分かる。ここで基板側の磁
性薄膜CoCrPtが情報記録側の磁性薄膜CoNiZrよりも厚い
場合には保磁力は高く、しかも膜厚依存性が小さいので
特に望ましい。さらに保磁力が1500Oe以上であれば出力
半減記録密度D50も高く、相対的に高い媒体S/Nも得られ
るのでさらに望ましい。
また、いずれの複合磁性膜においても、オーバライト
特性は32dB以上と高く、保磁力、ヘッドディスクスペー
シングの大きさから予想されるよりもはるかに良好であ
った。これに対し、60nmと同じ膜厚のCoCrPt単層膜媒体
のオーバライト特性は26dBで、複合膜媒体に比べて著し
く悪かった。このように、保磁力が1000〜1500Oe程度以
上と高いにもかかわらず、本発明より成る複合薄膜媒体
において、良好なオーバライト特性が得られる詳細な機
構については未だ充分に解明されてはいないが、情報記
録ヘッド側では記録磁界が強いので情報記録側で保磁力
が高い方がオーバライト的に好ましいという塗布媒体に
おける従来の常識とは異なり、以下の理由によるのでな
いかと考てえられる。すなわち、本構成の複合磁性膜の
保磁力は、第12図、第13図から明らかなように情報記録
側、基板側の磁性薄膜の保磁力の、各膜厚を加重した、
およそ、中間的な値となっているので、一般的には複合
磁性膜の保磁力を高めるには、少なくとも一方の磁性薄
膜の保磁力を高め、その膜厚を厚くすれば良い。(ここ
では簡単のため、第2表に示すような基板側磁性層を設
けることになる特性向上効果については無視した。)本
発明の複合磁性膜においては、このようにして複合磁性
膜の保磁力を高めると共に各構成磁性薄膜を磁気的に結
合せしめ、同時に磁化反転するようにしているので、仮
に一方の磁性薄膜だけを磁化反転できれば、他の磁性薄
膜も、例え印加磁界の媒体内平均値が複合媒体の保磁力
以下であっても、全体として磁化反転し得ることになる
と考えられる。磁気特性評価用の通常の磁界印加手法で
は、一方の薄膜のみを優先的に磁化反転せしめることは
困難である。しかし、ヘッド記録磁界においては、その
強度はヘッド表面から離れるに従がい、指数関数的に減
少する。したがって、情報記録側の磁性薄膜位置におけ
る記録磁界は、基板側の磁性薄膜の位置における記録磁
界に比べて極めて強く、情報記録側の磁性薄膜の保磁力
が複合膜の保磁力に比べて小さい場合には、実効的に小
さな起磁力で情報記録側の磁性薄膜及びこれと磁気的に
強く結合している基板側の磁性薄膜を磁化反転せしめ、
情報を記録できることになる。情報記録側の磁性薄膜の
飽和磁化が高いと、反磁界の影響が強くなるので、本効
果はより顕著となる。以上のように磁気的に強く結合し
ている複合磁性膜においては、基板側に、単独で成膜し
た場合の保磁力が高い磁性膜を設けた方が高いオーバラ
イト特性が得られることになると考えられる。3層以上
の多層構造としても同様である。
非磁性下地層については、Crを用いた場合について述
べたが、Cr−Ti,Cr−SiなどのCr基合金、Mo,WやMo基合
金、W基合金などの体心立方構造を有する金属合金であ
れば基板側磁性薄膜の配向性が高まり、高い保磁力が得
られるのでCrと同様に用いることができる。該下地層の
膜厚は10nm以上であれば高保磁力化の効果が認められる
が、500nmよりも厚くしても効果は変わらず、コスト的
には劣るので500nm以下が望ましい。
これらの磁性薄膜媒体を、0.1ppmのSO2ガスを含み、6
0℃、80%RHの高温高湿中に120時間放置し、ミッシング
エラーの増加数を評価することでその耐食性を評価し
た。その結果、CoCrPt単層膜はいずれもエラーの増加数
が面当り100ヶ以上発生するのに対し、情報記録側に5nm
以上のCoNiZr磁性薄膜を設けた場合はエラーの発生が5
ヶ以下しか認められず、15nm以上設けた場合にはエラー
の発生は全く認められず極めて良好な耐食性を示した。
情報記録側のCoNiZr磁性薄膜の膜厚をさらに100nmより
も大きくすると保磁力や出力半減記録密度D50が低下し
てしまうので好ましくなく、100nm以上とすることが望
ましい。
ここで複合磁性膜と非磁性保護被覆層との間に非磁性
中間層としてTi,Zr,Hf,Ta,Nb,から成る群の少なくとも
1種、もしくはこれ等の元素にPt,Pd,Rh,Ir,Ru及びOs等
の白金属の元素を0.01at%以上、1at%以下添加した合
金、もしくはNiに27〜34wt%のCu、2−32wt%のMo、13
−25wt%Cr等を添加したNi基合金からなり、膜厚が5nm
以上の薄膜を設けると磁性膜の耐食性を約2倍向上でき
るので好ましい。逆に膜厚を15nmよりも大きくすると記
録再生特性の点で不利であるので、15nm以下、より望ま
しくは10nm以下とすることが好ましい。
非磁性保護被覆層については、C,i−C,WC,WNなどの高
硬度非磁性材料を用いることが耐摺動強度の点で望まし
く、高い耐摺動性を安定しているにはその膜厚を10nm以
上とすることが好ましい。膜厚を40nmよりも大きくする
と記録再生特性の点で望ましくなく、40nm以下、より望
ましくは30nm以下となることが好ましい。この上にさら
に吸着性のパーフルオロアルキルポリエーテル等の有機
系潤滑剤を設けると耐摺動性が向上するのでさらに好ま
しい。
以上、基板側の磁性材料が面内磁気異方性を有する場
合について説明した。次に垂直磁気異方性を有する場合
について説明する。直径130mmφの強化ガラスディスク
基板上に、基板温度150℃、Arガス圧5mTorr、投入電力
密度5W/cm2でRFマグネトロンスパッタ法で、膜厚500nm
のTi0.8Ta0.2から成る非磁性下地層、膜厚300nmで垂直
磁気異方性を有する基板側磁性薄膜Co0.80Cr0.19S
m0.01、さらに連続して、単独では保磁力が30Oeである
非晶質半硬磁性体Co0.800.09Zr0.11から成る情報記録
側の磁性薄膜を形成し、最後に膜厚10nmのZrから成る非
磁性中間層及び膜厚25nmのWNから成る非磁性保護被覆層
を形成して磁気ディスクとした。以上のように垂直磁化
層の上に半硬磁性薄膜を連続して形成すると両者は磁気
的に結合するようになり、しかも特開昭61−222022号公
報に述べられているのとは異なり、面内・垂直磁界のい
ずれに対しても第14図に示すように350Oe程度と高い単
一の保磁力で磁化反転するようになる。ここで情報記録
側の磁性薄膜は単独では半硬磁性で、その面内保磁力は
第3表の場合に示すように単独では垂直磁気異方性を有
する基板側の磁性薄膜の面内保磁力に比べて小さいた
め、複合膜としては略等方的な性質を有する。本媒体に
前記MIG型のリングヘッドで記録再生すると、前述と同
様の機構で、優れたオーバライト特性が得られる。さら
に、本発明の複合媒体は、該機構の詳細は明細ではない
が、上部の半硬磁性薄膜との相互作用のために、基板側
の垂直磁気異方性薄膜が実質的に面内媒体として機能し
ており、この特性は本質的に垂直磁化膜に近い。そのた
め記録磁化モードは完全な面内というよりもむしろ等方
的、もしくは垂直的成分が多く、保磁力が低い割には高
密度での記録再生が可能となる。
なお上記例においては、Ti−Ta合金を非磁性下地層と
して用いたが、TiもしくはTiにNb,Cr,Pt族元素等を添加
したTi基合金、もしくはC,Geなどを用いても基板側磁性
薄膜の垂直配向性を高める上で同様の効果が認められ
る。該非磁性下地層の膜厚としては10nm以上であれば上
記効果が認められるが、500nmよりも大きくしてもより
一層の効果の向上は期待されず、逆にコストの点で問題
となるので500nm以下とすることが好ましい。これら磁
気記録媒体から情報を読み出す際に少なくとも金属磁性
薄膜を磁路の一部に用いたリング型磁気ヘッドを用いて
も良いし、カー効果、ファラデー効果等の磁気光効果を
用いても良い。この時、第1の磁性薄膜に少なくともB
i、もしくはFeのいずれか1方を含有せしめることで前
記磁気光効果を特に高めることができるのでより望まし
い。
上記磁気記録媒体、磁気記録再生方式を用いること
で、小型大容量の磁気記憶装置を提供することができる
ので特に好ましい。
〔実施例〕
実施例1. 以下、本発明の実施例1を第1項により説明する。11
は強化ガラス基板、Ni−PメッキAl合金基板、プラスチ
ック基板等の非磁性基板、12,12′はCoPt、CoFePt、CoC
rPt等から成る基板側磁性薄膜、13,13′は12,12′より
も高飽和磁化でCoNiZr,CoNiSm,CoNiPrなどから成る情報
記録側磁性薄膜、14,14′はC,WC,WN,TiN,ZrN,HfN,TiC,Z
rC,HfC等の非磁性保護被覆層である。以下さらに詳細に
本実施例について説明する。
Ni−Pを10μmメッキし、表面を円周方向に中心線平
均面粗さで10nmとなるように微小傷が入るように研磨し
た、外径130mmφのAl合金基板11に、基板温度150℃で、
Arガス圧10mTorr、投入電力密度2W/cm2でDCマグネトロ
ンスパッタ法で飽和磁化Msが560emu/cc{4πMs=7.0k
G}のCo0.79Cr0.20Ta0.01膜12,12′を20nm形成した後、
連続して膜厚20nmのCo0.59Ni0.26Pt0.15膜{4πMs=1.
1kG}13,13′を形成し、最後に膜厚30nmのC膜14,14′
を形成して磁気ディスクとした。本磁気ディスクに膜厚
2nmの−OH基を極性基とするパーフルオロアルキポリエ
ーテルを形成し、ギャップ長0.4μmでギャップ部にFeA
lSi合金薄膜を設けたメタルインギャップ型のリングヘ
ッドを用いて、相対速度20m/s、90MHz(記録密度D=23
kFCI)で記録再生特性を評価したところ、同条件で成膜
した比較例に比べて、第2表に示すように高密度におけ
る出力E2Fが高く、優れた記録再生特性を示した。ま
た、本発明よりなる媒体はノイズも低く、例えばCoCr基
合金を上層にする比較例1の半分以下であり、媒体S/N
としても極めて高い値を示した。
なおここで第2表からも分かるように、20nm程度と薄
いCoCrTaは垂直方向の保磁力も小さく、結晶配向性とは
異なり磁気的には面内配向していた。膜厚が150nm以下
であれば磁気的な配向性は同様であった。また、複合磁
性膜の磁化曲線はいずれも単一の高い保磁力を有して いたが、基板側磁性薄膜と情報記録側磁性薄膜を形成す
る間に、Arガス中で1時間程度放置したり、膜厚10nm程
度以上の非磁性中間層を介して上部磁性薄膜を形成した
場合には、蛇形の磁化曲線が得られ、単一の保磁力で磁
力反転はしなかった。CoCrTaの膜厚を200nm以上に厚く
し、垂直磁気異方性を持たせた場合にも、CoNiPtの保磁
力が1000Oeと高いために、単一の保磁力で磁化反転はし
なかった。このような媒体においては再生波形が複雑
で、記録密度特性も良くなかった。
ここで実施例と比較例とを比較すると、情報記録側磁
性薄膜の保磁力はそれぞれ下地層の状態によって変化し
ており、複合磁性膜の状態において個々の磁性薄膜の保
磁力は単純に各磁性薄膜を下地基板上に直接形成したも
のとは異なることが分かる。CoNiPt,CoCrTaの膜厚を等
しくし、40nm,60nm,80nmとしても全く同様の結果が得ら
れた。また、CoCrTa合金についてはTaを一定として上記
組成の他に、Crを12at%、15at%、23at%として4πMs
を8.0kG,6.3kG,2.4kGとした場合や、CoNiPt合金につい
てもNiを30at%,Ptを5at%,10at%,20at%として4πMs
を9.0kG,8.7kG,8.4kGとした場合にも同様の効果が認め
られた。
実施例2. 以下、本発明の実施例2を第2図により説明する。21
は表面樹脂コート強化ガラス、Ti合金、Ni−PメッキAl
合金等の非磁性基板、22,22′はTi,Ti合金、Cr,Cr合
金、Mo,Mo合金、C,Geなどの非磁性下地層、23,23′はCo
Cr,CoMo,CoW,CoTi,CoNiSm,CoCrTi,CoCrZr,CoCrAl,CoCrS
i,CoSmなどから成る本発明の基板側磁性薄膜、24,24′
はCoNbZr,CoTaZr,CoWZr,CoNiZr,CoFeTa,CoNbHf,CoTaHf,
CoTaMo,CoMoZr,CoMoHfなどから成る、本発明の情報記録
側磁性薄膜、及び25,25′はC,Rh,SiO2、ZrO2,Al2O3など
より成る非磁性保護薄膜である。なお、非磁性保護膜を
特に設けず、有機系潤滑剤を設けただけでも良い。以下
さらに詳細に本実施例について説明する。
厚さ1mmのAl合金ディスク基板の上に、ディスク円周
方向に中心線平均面粗さで8nmの溝を有する紫外線硬化
型樹脂を設けた、直径89mmφの非磁性基板21上に、基板
温度100℃、純度99.999%のArガス圧15mTorr,投入電力
密度1W/cm2としたDCマグネトロンスパッタ法で膜厚250n
mのTi0.82Nb0.18合金非磁性下地層22,22′、次いで膜厚
250nmのCo0.80Cr0.19Zr0.01膜から成り、飽和磁化Msが5
60emu/cc{4πMs=7kG}である基板側磁性薄膜23,2
3′、さらに連続して膜厚30nmのCo0.79Mo0.11Zr0.10
から成り、飽和磁化Msが700emu/cc{4πMs=8.8kG}で
ある情報記録側磁性薄膜24,24′を形成し、次いで最後
に膜厚20nmのAl2O3非磁性保護被覆層25,25′を形成して
磁気ディスクとした。本磁気ディスクに外部から磁界を
印加したところ、面内、垂直方向の保磁力Hc,Hc
それぞれ363,369Oeである単一の磁化曲線を示した。こ
こで面内及び垂直磁化曲線は第14図に示したものと同様
であった。本磁気ディスクに膜厚3nmの吸着性パーフル
オロアルキルポリエーテルをディップ法で設け、ギャッ
プ長0.3μmのMIGヘッド(ギャップ近傍部をFe−Al−Si
合金などの高飽和磁束密度合金で形成した複合型磁気ヘ
ッド)でコンタクト状態で記録再生特性を評価したとこ
ろ、第3表に示すように、同様の方法でCoCrZrとCoMoZr
を逆の順序で形成した比較例に比べて、高記録密度でも
高い再生出力が得られた。ここでCoMoZrは非晶質であっ
た。
なお、CoMoZrのみをTiNbを形成した基板上に直接形成
した時の面内、垂直方向保磁力 はそれぞれ25,110Oeであり、CoMoZrは単独では半硬磁性
を示す。ただし保磁力の値は一般に下地膜の状態等によ
って大きく変わるので、実施例のようにCoCrZr上に形成
した場合の磁性特性については厳密にはよく分らない。
また、CoCrZrを基板上にTiNb上に直接形成した場合の面
内、垂直保磁力Hc,Hcはそれぞれ240,370Oeで、実施
例におけるCoCrZrは垂直異方性を示した。ここで、本実
施例のように基板側磁性薄膜23,23′および情報記録側
磁性薄膜24,24′をCoを主たる成分とする磁性合金で形
成し、両者を磁気的に結合するように、界面において酸
化層等の非磁性介在層ができないようにすることで、情
報記録側磁性薄膜24,24′が垂直磁化膜であるとして
も、複合磁性薄膜としては面内磁化膜とすることができ
る。この効果は、垂直磁化膜の垂直保磁力が小さく、膜
厚が小さい程著しいが、Coを主たる成分とする膜におけ
る強い交換相互作用に基づくものである。
CoCrZr膜については膜厚0.15μm,0.2μm,0.3μm,0.5
μmとしても同様の結果が得られ、CoMoZr膜については
さらに膜厚を20nm,40nm,60nm,80nmとしたが同様に高密
度記録時にも高い再生出力が得られた。TiNbの代りにTi
−Cr,Ti−Ta等のTi基合金や、Ti,C,Geを用いても同様の
効果が認められた。
以上の効果は、基板側磁性薄膜としてCoCrZrの代りに
CoCr,CoMo,CoW,CoTi,CoSi,CoAl,CoSm,NdFeB,PrFeB等の
垂直磁化膜を用いても得られた。また、情報記録側の磁
性薄膜として、CoMoZrの代りに、上記垂直磁化膜より高
飽和磁化で、非晶質状態で半硬磁性のCoNbZr,CoTaZr,Co
FeTa,CoWZr等の磁性合金を用いても同様の効果が認めら
れた。これ等は従来は半硬磁性もしくは軟磁性で磁気記
憶媒体として用いられなかった材料である。なお、基板
側、情報記録側の磁性薄膜を交互に3〜4層積層した場
合について比較例として検討したが、特性の向上は認め
られなかった。基板側磁性薄膜とSiO2非磁性層とを交互
に4〜5層積層した場合も効果は認められなかった。
実施例3. 第2図により実施例3を説明する。21は表面ガラスコ
ート強化ガラス、有機樹脂、Ni−PメッキAl合金等の非
磁性基板、22,22′はCr,Cr−Si,Cr−Ti,Mo−Si,Mo−Ti
等の非磁性下地層、23,23′は、CoNiSm,CoCuSm,CoNiPr,
CoNiIr,CoNiPtAl,CoNiTi,CoNiPt,CoNiCr,CoCrTa,CoCrTa
Si,CoCrPt等から成る基板側磁性薄膜、24,24′はNiFe,N
iFeMo,GdFeCoPt,GdBiFeCo,TbFeCo,CoTaZr等から成る、
情報記録側磁性薄膜、25,25′はC,i−C,WN,TiN,WC,ZrC
N,HfCN,HfN等の非磁性保護被覆層である。以下さらに詳
細に本実施例について説明する。
厚さ1.9mm、直径133mmφのAl合金基板上に、Ni−Pを
15μmメッキし、表面を円周方向に中心線平均面粗さで
8nmとなるように微小傷が入るように研磨して非磁性基
板21とし、この上に基板温度120℃で、Arガス圧15mTor
r,投入電力1W/cm2のRFマグネトロンスパッタ法で、膜厚
400nmのCr非磁性下地層22,22′、次いで膜厚50nmのCo
0.71Cr0.14Pt0.15から成り、飽和磁化Ms700emu/cc{4
πMs=8.8kG}で面内磁気異方性を有する基板側磁性薄
膜23,23′,さらに連続して投入電力密度0.5W/cm2で膜
厚26nmのCo0.92Ta0.04Zr0.04から成り、飽和磁化Ms1200
emu/cc{4πMs=15kG}で面内磁気異方性を有する情報
記録側磁性薄膜24,24′を形成した後、最後に非磁性保
護被覆層として膜厚25nmのZrCN膜25,25′を形成して磁
気ディスクとした。本磁性ディスクは面内磁界に対し
て、1200Oeの磁界で磁化反転(単一の保磁力:1200Oe)
した。なお、基板側、情報記録側の磁性薄膜をそれぞれ
Cr膜上に直接形成した場合には、単独で面内磁気異方性
を有し保磁力の値がそれぞれ1600Oe,600Oeの面内磁化膜
であった。さらに、本実施例の磁気ディスクに膜厚4nm
でエステル基を有するパーフルオロアルキルポリエーテ
ルをディップ法で形成し、ギャップ長0.4μmのMIGヘッ
ドで浮上量0.18μmとして磁気ディスク装置に組み込
み、その記録再生特性を評価したところ、基板側磁性薄
膜と情報側磁性薄膜を逆にして成膜した比較例及び単層
のみ成膜した比較例に比べ、40kFCI程度の高密度で約1.
2倍と高い再生出力が得られ、従来装置に比べて1.2倍以
上の高い装置容量の装置が得られた。CoTaZr膜はCoCrPt
膜に比べて耐食性が2倍以上高く、CoNiZrCr単層膜に比
べて本実施例は2倍程度高い耐食性を示した。
基板側、情報記録側の磁性薄膜を、それぞれCoCrSm,C
oNiZrとした場合や、CoCrTaSi,CoNiZrとした場合でも同
様な効果が認められた。さらに、各層をCoNiZr系合金で
形成し、情報記録側磁性薄膜の方が高飽和磁化となるよ
うに2つの磁性薄膜の組成を選んだ場合も同様の効果が
認められた。
実施例4. 実施例3と同様の構成でさらに別の実施例4について
説明する。厚さ1.2mm、直径51mmφの強化基板21上に、
基板温度80℃、O2を0.05vol含むArガス圧10mTorr,投入
電力密度1.5W/cm2で、DCマグネトロンスパッタ法で、膜
厚300nmのCr0.7Ti0.3非磁性下地層22,22′、次いで膜厚
50nmのCo0.5Ni0.3Zr0.05Cr0.15から成る、飽和磁化Ms30
0emu/cc{4πMs=3.8kG}の基板側磁性薄膜23,23′、
さらに連続して膜厚が30nm、飽和磁化Msが500emu/cc
{4πMs=6.3kG}のTb0.18Fe0.67Co0.1Nb0.05膜、もし
くは膜厚30nm,飽和磁化Ms600emu/cc{4πMs=7.5kG}
のGd0.17Fe0.68Co0.11Nb0.04膜、もしくは膜厚30nm、飽
和磁化Msが800emu/cc{4πMs=10kG}のNi0.8Fe0.2
ら成る情報記録側磁性薄膜24,24′、及び最後に膜厚30n
mのWN非磁性層25,25′を形成して磁気ディスクとした。
これらの磁気ディスクは面内保磁力がそれぞれ500,600,
300Oeの単一の保磁力を有する磁化曲線を示し、基板側
および情報記録側の磁性薄膜は互いに強く磁気的に結合
していることが確認された。なお、基板側磁性層を設け
なかった場合のそれぞれの面内保磁力は200,300,50Oeで
あった。さらに、いずれの磁気ディスクも、磁気ディス
ク装置に組み込み、Mn−Znフェライトリングヘッドで記
録し、半導体レーザを用い、カー効果を用いて再生した
ところ、100Mb/in2程度の高記録密度時にリングヘッド
を用いて再生した場合に比べて5倍以上高いS/Nが得ら
れた。ここで情報記録側磁性薄膜にCo0.92Ta0.04Zr0.04
を用いた場合についても検討したが、FeもしくはBiの少
なくともいずれか一方を含ませると3倍以上高いS/Nが
得られるので、この方がより望ましい。
実施例5. 第3図によりさらに別の実施例5について説明する。
31は強化ガラス、アルマイト表面処理Al合金、Ti−Mg合
金等の非磁性基板、32,32′はTi,Ti−Nb合金,Ti−Ta合
金,Cr,Cr−Ti合金等の非磁性下地層,33,33′はCoCr,CoC
rTa,CoCrSi,CoTi,CoMo,CoW,CoNiZrCr,CoCrSm,CoPtSm等
の磁性合金から成る基板側磁性薄膜、34,34′はCoNiCr,
CoNiZr,CoNi,CoFeZr,FeCoNi,CoFePt,CoPt,CoNiPt,CoCrP
t,NdFeB,SmCo,CoPr,CoCe,CoGd,CoY,CoNd,CoPr,CoPm,CoD
y,CoLa,CoIr,CoTi,CoZr,CoHf,CoV,CoNb,CoTa,CoRu,CoO
s,CoRh,CoPd,CoAl,CoSi等の磁性合金から成る中間磁性
薄膜である。ここで、中間磁性薄膜は少なくとも基板側
磁性薄膜に比べ飽和磁化が高い方がより望ましい。さら
に、35,35′はCoNiZr,CoTaZr,CoTaHf,CoNbTa,CoNbTi,Co
NbZr,CoNbHf,CoTaMo,CoNbMo,CoZrMo,CoZrW,CoHfMo等の
磁性合金から成る情報記録側磁性薄膜、36,36′は、WC,
WN,WCH,HfC,HfN,NbN,NbC,NbCN,C,i−C,ZrO2,TaC,TaN,Ta
CN等の非磁性保護被覆層である。
以下さらに詳細に本実施例について説明する。厚さ2.
5mm、直径220mmφのAl合金基板上に、Ni−Pを12μmメ
ッキし、表面を微小傷が入るように研磨し、略円周方向
に中心線平均面粗さを6nmとした非磁性基板31とし、こ
の上に基板温度150℃、Arガス圧10mTorr,投入電力密度3
W/cm2でDCマグネトロンスパッタ法で膜厚500nmのCr0.8T
i0.2下地層32,32′次いで投入電力密度2W/cm2で膜厚40n
m飽和磁化Ms800emu/cc{4πMs=10kG}のCo0.78Cr0.1T
a0.02Pt0.10から成る基板側磁性薄膜33,33′、次いで連
続して投入電力1.5W/cm2で膜厚30nm、飽和磁化Ms1040em
u/cc{4πMs=13kG}のCo0.78Ni0.2Cr0.02から成る中
間磁性薄膜34,34′、さらに連続して投入電力密度1.0W/
cm2で、膜厚20nm、飽和磁化Ms1200emu/cc{4πMs=15k
G}のCo0.92Ta0.05Zr0.03から成る情報記録側磁性薄膜3
5,35′、次いで最後に、投入電力3W/cm2で膜厚30nmのWN
から成る非磁性保護薄膜36,36′を形成した。このディ
スクを吸着性の末端基を有するパーフルオロアルキルポ
リエーテルを含むフレオン中にディップして膜厚4nmの
潤滑層を形成して磁気ディスクとした。本磁気ディスク
について静電気特性を評価したところ、単一の保磁力11
00Oeで磁化反転することが確認された。なお、CoNiCr,C
oTaZr単層の媒体の保磁力はそれぞれ1000,600Oeであっ
た。さらに該磁気ディスク8枚と、ギャップ長0.4μm
の薄膜磁気ヘッド32個を組み合わせて磁気ディスク装置
とし、その記録再生特性について評価したところ、比較
例として形成したCoCrTaPTもしくはCoNiCrもしくはCoTa
Zr単層膜から成り、本実施例と同じ磁束量(飽和磁束密
度と膜厚との積)を有する媒体に比べて、それぞれ30kF
CIの高い記録密度で1.2,1.3,1.3倍高い再生出力が得ら
れ、面記録密度が100〜120Mb/in2と高く従来技術のもの
に比べて高性能の磁気ディスク及び大容量の磁気記録装
置が得られた。
実施例6. ユーピレックス 、ポリイミド等の有機非磁性基板上
に、実施例1と同様に、基板側磁性薄膜、情報記録側磁
性薄膜及び非磁性保護被覆層を基板片面のみに形成して
磁気テープとした。本磁気テープと非磁性基板上に金属
磁性薄膜を用いて磁気コアを形成した磁気ヘッドとを組
み合わせてVTR、バックアップ用磁気記録装置に用いた
ところ、従来媒体に比べて1.2〜1.5倍大容量化できた。
また従来の金属系テープ媒体に比べて2倍以上高い耐食
性が得られた。
実施例7. 実施例3と同条件で、第4表に示す磁性薄膜で磁気デ
ィスクを作製した。
いずれの磁気ディスクも基板側磁性層を設けなかった
場合に比べて高い、単一の保磁力で磁化反転し、40kFCI
程度の高密度で高い媒体S/Nを示した。さらに耐食性も
良好であった。
実施例8. 実施例4と同条件で、第5表に示す磁性膜で磁気ディ
スクを作製した。
いずれの磁気ディスクも基板側磁性層を設けなかった
場合に比べて高い、単一の保磁力で磁化反転し、37kFCI
程度の高密度で高い媒体S/Nを示した。耐食性も良好
で、本媒体を用いることで面記録密度が150〜300Mb/in2
ときわめて高く、大容量の小型磁気ディスク装置が提供
できた。
〔発明の効果〕
本発明によれば、高密度記録時にも従来媒体に比べ配
向性が高く、少なくとも1.2倍以上の高出力化、低ノイ
ズ化が図れるので磁気記憶装置の大容量化、小型化に効
果がある。また、磁気ヘッドの浮上量を高くしても従来
と同様の記録密度が達成できるので、耐摺動信頼性を向
上できる効果もある。さらに従来は高飽和磁化であるが
保磁力が小さいために磁記録媒体として用いることので
きなかった半硬磁性材料も、本発明によれば用いること
が出来るので、磁性膜の使用組成、材料領域が広がり、
耐食性等も格段に向上できる効果もある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例1および実施例6の断面図、第
2図は本発明の実施例2、実施例3、実施例4、実施例
7および実施例8の断面図、第3図は本発明の実施例5
の断面図、第4図は磁性薄膜の耐食性を示す図、第5
図、第6図、第7図および第8図は各々CoCr,CoNiPt,Co
Cr/CoNiPt,CoNiPt/CoCr膜の配向性を示す図、第9図は
第5図、第6図、第7図および第8図の構成の磁気ディ
スクの媒体S/Nと媒体磁束量Bs・tmagとの関係を示す
図、第10図は再生出力とスペーシング、飽和磁化との関
係を示す図、第11図は出力半減記録密度と飽和磁化との
関係を示す図、第12図は磁性膜の保磁力と膜厚との関係
を示す図、第13図は本発明の複合磁性媒体の磁気特性、
記録再生特性と膜厚との関係を示す図、第14図は本発明
の媒体の磁化曲線の1例を示す図である。 11,21,31……非磁性基板、12,12′,23,23′,33,33′…
…基板側磁性薄膜、13,13′,24,24′,35,35′……情報
記録側磁性薄膜、14,14′,25,25′,36,36′……非磁性
保護被覆層,22,22′,32,32′……非磁性下地層、34,3
4′……中間磁性薄膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 熊坂 登行 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 松田 好文 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 鈴木 博之 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 高木 一正 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 積田 則和 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式 会社日立製作所小田原工場内 (72)発明者 大浦 正樹 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式 会社日立製作所小田原工場内 (72)発明者 大野 従之 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭63−131317(JP,A) 特開 昭60−25027(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 5/66

Claims (32)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性基板上に直接もしくは非磁性下地層
    を介して複合磁性膜を形成した面内磁気記憶媒体におい
    て、上記複合磁性膜を構成する全ての磁性膜は、蛇形に
    はならず、ピークシフトが生じない磁化曲線を描き、唯
    1つの保磁力を有する様に磁気的に結合しており、かつ
    該面内保磁力は上記複合磁性膜を構成する磁性膜のうち
    最も情報記録側の磁性膜を構成する面内磁気異方性磁気
    膜の面内保磁力より大きいことを特徴とする面内磁気記
    録媒体。
  2. 【請求項2】前記最情報記録側磁性薄膜は単独では半硬
    磁性で、該磁性薄膜に隣接する磁性薄膜は単独では垂直
    磁気異方性を有する特許請求の範囲第1項の面内磁気記
    録媒体。
  3. 【請求項3】前記最情報記録側磁性薄膜に隣接する磁性
    薄膜は単独では面内磁気異方性を有する特許請求の範囲
    第1項記載の面内磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】前記複合磁性膜は、連続して形成される
    か、もしくは膜厚10nm未満の非磁性中間層を介して形成
    され、その面内保磁力は1000Oe以上である特許請求の範
    囲第1項記載の面内磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】前記複合磁性膜の面内保磁力は1500Oe以上
    である特許請求の範囲第1項記載の面内磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】上記最情報記録側磁性膜の飽和磁化は上記
    最基板側磁性膜の飽和磁化よりも高い特許請求の範囲第
    1項記載の面内磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】上記複合磁性膜を構成する磁性膜の各々単
    独の面内保磁力は、上記最基板側磁性膜の面内保磁力が
    最も高い特許請求の範囲第6項記載の面内磁気記録媒
    体。
  8. 【請求項8】上記飽和磁化は上記最情報記録側磁性膜か
    ら上記最基板側磁性膜に向かって順次減少し、上記面内
    保磁力は上記最情報記録側磁性膜から上記最基板側磁性
    膜に向かって順次増加している特許請求の範囲第7項記
    載の面内磁気記録媒体。
  9. 【請求項9】非磁性基板上に直接もしくは非磁性下地層
    を介して形成された少なくとも2種類の磁性薄膜から成
    る複合磁性膜が形成された面内磁気記録媒体において、
    最も情報記録側の磁性薄膜はCo,Feから成る第1の群か
    ら選ばれた少なくとも1つの元素と、N,Tb,Mo,Wo,Gd,Y,
    Sm,Nd,Pr,Pm,Ce,Dy,La,Pt,Ir,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Ru,Os,
    Rh,Pd,Al,Siとから成る第2の群から選ばれた少なくと
    も1つの元素もしくはNiの少なくとも1種とを含む合金
    を主成分とする面内磁気異方性磁性薄膜であり、前記最
    基板側磁性薄膜は前記最情報記録側磁性膜とは成分もし
    くは組成を異にし、かつ前記第1の群から選ばれた少な
    くとも1つの元素と、Cu,Cr,Mo,W,Tb,Gd,Sm,Nd,Pm,Pr,C
    e,Dy,Pt,Irとから成る第3の群から選ばれる少なくとも
    1つの元素もしくはNiの少なくとも1種とを含む合金を
    主たる成分としており、かつ上記複合磁性膜を構成する
    すべての磁性薄膜は、蛇形にはならず、ピークシフトが
    生じない磁化曲線を描き、唯1つの保磁力を有する様に
    磁気的に結合しており、該複合磁性膜の面内外部磁界に
    対する磁化反転時の面内保磁力は250Oe以上の1つの値
    を有することを特徴とする面内磁気記録媒体。
  10. 【請求項10】前記最情報記録側磁性薄膜は前記第2の
    群の元素を少なくとも含み、前記第2の群の元素の総量
    は、前記第1の群の元素の総量に対し0.1at%以上30at
    %以下である特許請求の範囲第9項記載の面内磁気記録
    媒体。
  11. 【請求項11】前記最情報記録側磁性薄膜は少なくとも
    Niを含み、Ni組成は前記第1の群の元素の総量に対して
    10at%以上60at%以下である特許請求の範囲第10項記載
    の面内磁気記録媒体。
  12. 【請求項12】前記最基板側磁性薄膜は前記第3の群の
    元素を少なくとも含み、かつ、前記第3の群の元素の総
    量は、前記第1の群の元素の総量に対し0.1at%以上30a
    t%以下である特許請求の範囲第9項記載の面内磁気記
    録媒体。
  13. 【請求項13】前記最基板側磁性薄膜は少なくともNiを
    含み、Niの組成は、前記第1の群の元素の総量に対し
    て、10at%以上60at%以下である特許請求の範囲第12項
    記載の面内磁気記録媒体。
  14. 【請求項14】前記最基板側磁性薄膜は、前記第1の元
    素の総量に対してさらにTi,Zr,Hf,Nb,Ta,Ru,Os,Rh,Pd,A
    l,Siから成る第4の群の元素の少なくとも1種を0.1at
    %以上20at%以下含み、かつ優位的に結晶質である特許
    請求の範囲第9項記載の面内磁気記録媒体。
  15. 【請求項15】前記最情報記録側磁性薄膜はCoNi基3元
    もしくは4元合金、前記最基板側磁性薄膜はCoCrもしく
    はCoSm基3元もしくは4元合金である特許請求の範囲第
    9項記載の面内磁気記録媒体。
  16. 【請求項16】前記最情報記録側磁性薄膜は少なくとも
    Fe,Biの一方を含む特許請求の範囲第9項記載の面内磁
    気記録媒体。
  17. 【請求項17】前記最情報記録側磁性薄膜の膜厚は、前
    記最基板側磁性薄膜の膜厚の2倍以下である特許請求の
    範囲第9項記載の面内磁気記録媒体。
  18. 【請求項18】前記最情報記録側磁性薄膜の膜厚は5nm
    以上100nm以下である特許請求の範囲第17項記載の面内
    磁気記録媒体。
  19. 【請求項19】前記最情報記録側磁性薄膜の飽和磁化は
    最基板側磁性薄膜の飽和磁化よりも高い特許請求の範囲
    第9項記載の面内磁気記録媒体。
  20. 【請求項20】前記複合磁性膜を構成する磁性薄膜の各
    々単独の面内保磁力は、前記最基板側磁性薄膜の面内保
    磁力が最も高い特許請求の範囲第19項記載の面内磁気記
    録媒体。
  21. 【請求項21】上記飽和磁化は上記最情報記録側磁性膜
    から上記最基板側磁性膜に向かって順次減少し、上記面
    内保磁力は上記最情報記録側磁性膜から上記最基板側磁
    性膜に向かって順次増加している特許請求の範囲第20項
    記載の面内磁気記録媒体。
  22. 【請求項22】前記複合磁性膜は少なくとも3種類の磁
    性薄膜から成る特許請求の範囲第9項記載の面内磁気記
    録媒体。
  23. 【請求項23】前記最情報記録側磁性薄膜は単独では半
    硬磁性で、該磁性薄膜に隣接する磁性薄膜は単独では垂
    直磁気異方性を有する特許請求の範囲第9項記載の面内
    磁気記録媒体。
  24. 【請求項24】前記最情報記録側磁性薄膜に隣接する磁
    性薄膜は単独では面内磁気異方性を有する特許請求の範
    囲第9項記載の面内磁気記録媒体。
  25. 【請求項25】前記複合磁性膜の面内保磁力は1000Oe以
    上である特許請求の範囲第9項記載の面内磁気記録媒
    体。
  26. 【請求項26】前記複合磁性膜の面内保磁力は1500Oe以
    上である特許請求の範囲第25項記載の面内磁気記録媒
    体。
  27. 【請求項27】前記非磁性下地層は、Cr,Mo,W,Ti,C,Ge
    もしくはこれらを主たる成分とする非磁性材料から成る
    特許請求の範囲第9項記載の面内磁気記録媒体。
  28. 【請求項28】前記最情報記録側磁性薄膜の上にさらに
    膜厚10nm以上40nm以下の非磁性保護被覆層が形成されて
    いる特許請求の範囲第9項記載の面内磁気記録媒体。
  29. 【請求項29】非磁性基板上に直接もしくは非磁性下地
    層を介して形成された少なくとも2種類の磁性薄膜から
    成る複合磁性膜が形成された面内磁気記録媒体におい
    て、上記複合磁性膜を構成するすべての磁性薄膜は、蛇
    形にはならず、ピークシフトが生じない磁化曲線を描
    き、唯1つの保磁力を有しており、かつ該面内保磁力は
    1000Oe以上であることを特徴とする面内磁気記録媒体。
  30. 【請求項30】上記面内保磁力は1500Oe以上である特許
    請求の範囲第29項記載の面内磁気記録媒体。
  31. 【請求項31】特許請求の範囲第1項記載の面内磁気記
    録媒体を、磁気コアの少なくとも1部を強磁性金属薄膜
    で形成したリング型磁気ヘッドで記録再生する磁気記憶
    装置。
  32. 【請求項32】特許請求の範囲第1項記載の磁気記録媒
    体を光で用いて再生する磁気記憶装置。
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JPH08147665A (ja) 1994-11-11 1996-06-07 Hitachi Ltd 磁気記録媒体及びこれを用いた磁気記憶装置

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