JP3701593B2 - 垂直磁気記録媒体及び磁気記憶装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録磁化の安定性に優れた、高密度磁気記録に好適な垂直磁気記録媒体及び磁気記憶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在の磁気ディスク装置に用いられている面内磁気記録方式では、線記録密度を向上させるために、記録媒体である磁性膜の残留磁化(Br)と磁性膜厚(t)の積(Br・t)を小さくして記録ビット内の反磁界を減少させるとともに、保磁力を増大する必要がある。また、媒体ノイズを減少させるために、磁性膜の磁化容易軸を基板面に平行に配向させると共に、結晶粒径の低減および均一化が必要である。このために磁性膜の膜厚を20nm以下まで薄くし、結晶粒径を10nmまで微細化することが必要である。しかし、このような磁性結晶粒を微細化した媒体では、熱揺らぎにより記録磁化が減少するという熱揺らぎの問題があり、高密度記録実現の障害となっている。
【0003】
一方、垂直磁気記録方式は、記録媒体の磁化を媒体面に垂直に、かつ隣り合う記録ビット内の磁化が互いに反平行になるように記録ビットを形成する方式であり、面内記録方式に比べて磁化遷移領域での反磁界が小さいため媒体ノイズが低減でき、高密度記録時の記録磁化を安定に保持できる。垂直磁気記録においても線記録密度を向上するためには、記録ビット内部及び磁化遷移領域に形成される不規則構造の磁区から発生する媒体ノイズを減少することが必要である。このためには、磁性膜の磁化容易軸を基板面に垂直に配向させると共に、磁化容易軸の配向分散を小さくし、結晶粒径を制御することが必要である。
【0004】
垂直磁化膜としては、主として最密六方(hcp)構造を有するCo合金材料を用いる。特にCoとCrを主成分とし、これにTa,Pt,Rh,Pd,Ti,Ni,Nb,Hfなどを添加したCoCr基合金薄膜を用いると垂直磁化膜として良好な特性が得られる。Co合金薄膜は、hcp構造のc軸方向、すなわち<00.1>方向に磁化容易軸を持ち、この磁化容易軸を膜面に対して垂直方向に配向させる。磁性薄膜は真空蒸着法やスパッタリング法により形成する。上記のCo合金薄膜のc軸の膜面に垂直な方向への配向性を向上すると共に、結晶粒径を適当な大きさに制御する必要がある。このために基板と磁性膜の間に構造制御用の下地層を形成するなどの改善策が従来から行われている。
【0005】
一方、CoCr基合金系以外の垂直磁気記録媒体としては、TbFeCoなどの希土類−遷移金属の非晶質合金が知られている。また、厚さが1nm程度以下のCoとPdあるいはCoとPtを交互に多数積層した(Co/Pd)n,(Co/Pt)nなどの多層膜からなる薄膜も垂直磁気記録媒体として検討されている。これらの膜は、CoCr基合金膜と異なり粒子間の交換相互作用が強く、角型比はほぼ1になる。このため、熱揺らぎおよび低密度記録領域での信号対雑音比(S/N比)に優れている。
【0006】
また、特開平9−91660号公報には、特性の互いに異なる第1の記録層と第2の記録層が積層された磁気記録媒体が開示されている。特開2000−113442号公報には、主記録層のCo合金系の磁性膜の上下に高磁気異方性エネルギーを持つ磁性膜を設けて媒体ノイズと熱揺らぎを低減した磁気記録媒体が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のCoCr基合金系の垂直磁気記録媒体は、低ノイズではあっても、熱揺らぎに対する耐性が十分ではなかった。一方、TbFeCoなどの希土類−遷移金属の非晶質合金や、(Co/Pd)n,(Co/Pt)nなどの多層膜からなる垂直磁気記録媒体は、熱揺らぎおよび低密度記録領域での信号対雑音比(S/N比)には優れているが、高密度記録領域での媒体ノイズが大きくなるという問題があった。また、特開平9−91660号公報及び特開2000−113442号公報に記載の従来技術は、第2の磁気記録層としてCo/Pdなどの多層構造膜や希土類を含む非晶質合金膜であり、前者の場合は工業的な製造が難しく、後者の場合は、腐食しやすい希土類金属を含むため、耐食性が劣るという問題があった。また、本発明者等は、希土類−3d遷移金属非晶質合金を記録層として用いた場合、この層と保護膜として用いられているカーボンが反応するため、記録層の厚さが数nm以下の薄い領域で十分な特性を得ることができないという問題を新たに見出した。
本発明は、このような問題認識のもとに、従来技術の欠点を解消し、熱安定性とS/N比に優れた、高密度磁気記録に好適な垂直磁気記録媒体及び磁気記憶装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の垂直磁気記録媒体は、基板上に形成されたCoとCrを主成分とする磁性層と、この磁性層に対して基板とは逆側に形成された希土類金属と3d遷移金属を主成分とする非晶質合金層を含む第1の層と、第1の層の上に設けられたCoとCrを含む第2の層とを有する構成とする。第2の層は、CoとCrからなる層であってよい。
【0009】
第1の層は、希土類金属と3d遷移金属を主成分とする非晶質合金層と他の層との多層膜としてもよい。非晶質合金層の間に挿入する層としては、CoとCrを主成分とする合金膜などを用いることができる。第1の層を多層膜とすることにより、信号の減衰率を問題ないレベルに抑えたままS/N比を向上することができる。
【0010】
第1の層の膜厚は2nm以上10nm以下が好ましい。第1の層の膜厚を2nm以上10nm以下とすることで、信号の減衰率を実用上問題の無いレベルに抑えるとともに、高いS/N比を得ることができる。第1の層の厚さが2nmより薄い領域では十分な熱安定性が得られず、10nm以上とすると熱安定性は問題ないがS/N比が低下する。
第1の層は、主成分としてTbFeCo、TbCoあるいはTbFeを含有するものとすることができる。これらの材料を主成分とすることにより工業的な生産に適する。
【0011】
第2の層の膜厚は0.5nm以上10nm以下が好ましい。第2の層の膜厚を0.5nm以上10nm以下の範囲とすることで、第1の層の厚さが数nm以下の薄い領域で良好な磁気特性および記録再生特性を得ることができる。第2の層の厚さが0.5nmより薄い場合は、保護膜のC(カーボン)との反応が十分に抑えられず、熱安定性やS/N比が低下する。また、第2の層の厚さが10nmより厚くなると、熱安定性は第2の層がない場合と比較して向上するが、磁気的なスペーシングが広がること、第2の層の保磁力、飽和磁化などの磁気特性が優れていないことなどにより記録分解能、S/N比の低下を引き起こす。
【0012】
本発明による磁気記憶装置は、垂直磁気記録媒体と、磁気記録用ヘッドと信号再生用ヘッドとを具備した薄膜ヘッドとを備え、垂直磁気記録媒体は、基板上に形成されたCoとCrを主成分とする磁性層と、前記磁性層に対して前記基板とは逆側に形成された希土類金属と3d遷移金属を主成分とする非晶質合金層を含む層と、当該非晶質合金層を含む層の上に設けられたCoとCrを含む層とを有する。磁気記録用ヘッドとしては、リング型もしくは単磁極型のヘッドを用いることができ、信号再生用ヘッドとしては、磁気抵抗効果型、スピンバルブ型もしくは磁気トンネル型のヘッドを用いることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施例を挙げ、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に、垂直磁気記録媒体の断面模式図を示す。図1(a)は本発明による垂直磁気記録媒体の基本的な構成を示す断面模式図、図1(b)、(c)は従来例の構造を示す断面模式図である。
【0014】
図1において、11はガラス基板、シリコン基板、カーボン基板、NiP被覆アルミニウム基板、有機樹脂基板などの基板である。12は下地層である。下地層は基板との密着性を高める層で、その上に軟磁性層を設ける場合もある。軟磁性層としては、例えば、Co−Ta−Zr系非晶質合金、Co−Nb−Zr系非晶質合金、Co−Mo−Zr系非晶質合金、Co−W−Zr系非晶質合金、Co−Ni−Zr系非晶質合金、Fe−Al−Si合金、Fe−Ta−C合金、Fe−Hf−C合金などの材料を用いることができる。
【0015】
13は構造制御層で、主記録層14の結晶配向性や粒径などの制御のための層である。14は主記録層で、CoとCrを主成分とする磁性材料からなり、例えばCo−Cr−Ta,Co−Cr−Pt,Co−Cr−Pt−Ta,Co−Cr−Pt−Bなどのような強磁性薄膜である。15は熱安定化層で、希土類金属と遷移金属からなる非晶質合金、もしくは希土類金属と遷移金属からなる非晶質合金を含む多層膜である。16はキャップ層で、CoとCrを主成分とする合金、17はカーボン、シリコンカーボン、ボロンカーバイドなどの保護膜と有機系潤滑膜とからなる保護潤滑層である。
【0016】
このように、主記録層14として低ノイズ性を持ったCoとCrを主成分とする合金層を用い、熱安定化層15として希土類金属と3d遷移金属を主成分とする非晶質合金からなる磁性層を用い、さらに、耐食性強化と保護膜として用いるカーボン膜との反応を抑制する為のキャップ層16としてCoとCrを主成分とする合金層を熱安定化層15の表面側に設けた構成とする。これにより、キャップ層16のない場合と比較して、角型比が向上し、熱安定性向上の効果が得られる。また、粒界構造を持つCoとCrを主成分とする合金膜で上下から熱安定化層15を挟み込むことにより、磁壁の移動が抑制されるため、記録磁化の熱安定性の向上のみならず、S/N比も向上する効果が得られる。
【0017】
〔実施例1〕
DCマグネトロンスパッタリング装置により、図1(a)に断面構造を示す媒体を作製した。下地層12を室温で形成後、350℃に加熱し、構造制御層13、主記録層14、熱安定化層15、キャップ層16、保護層17をDCマグネトロンスパッタリング法により順次形成した。基板11には、洗浄した2.5インチ型のガラス基板を用いた。下地層12および構造制御層13にはNi−37.5at%Ta−10at%Zr膜を、主記録層14にはCo−22at%Cr−10at%Pt膜を、熱安定化層15にはTb−83at%Co膜を、キャップ層にはCo−22at%Cr−10at%Pt膜もしくはCo−35at%Cr膜を、保護膜17にはカーボン膜を用いた。
【0018】
各層の膜厚はそれぞれ、下地層12が400nm、構造制御層13が5nm、主記録層14が17nm、熱安定化層15が3nm、キャップ層16が0.5nmから20nm、保護層17が5nmである。比較例として、図1(b)に示すようにキャップ層16のない媒体試料R1もあわせて作製した。ここでは、記録層の残留磁化の経時変化を評価するために、下地層12として軟磁性材料ではなく非磁性のNi−37.5at%Ta−10at%Zr膜を用いた。
【0019】
磁気記録媒体に記録した信号の出力減衰は、媒体に記録された磁化の表面に現れる磁化の作る逆向きの磁界(反磁界)のもとで熱励起され、記録された磁化が部分的に反転することにより起こる。媒体に信号を記録した状態は、隣り合う記録ビット内の磁化が互いに反平行になっており、残留磁化状態に比べて反磁界の影響が小さくなり、高記録密度になるほど安定となる。つまり、最も反磁界が強い残留磁化状態での75℃における1時間後の磁化減衰率を5%以内にできれば、信号の減衰率を実用上問題のないレベルに抑えることができる。
【0020】
VSMを用いて、これらの磁気記録媒体の75℃における残留磁化状態での磁化の経時変化を測定し、磁化を飽和させて磁界を0に戻してから3秒後の残留磁化Mr(t=3s)と1時間後の残留磁化Mr(t=1h)の比(Mr(t=1h)/Mr(t=3s))として評価した。図2にキャップ層の厚さを変えた媒体試料の残留磁化の経時変化を示す。図2から、熱安定化層15の上層に0.5以上10nm以下のCo−22at%Cr−10at%P膜tやCo−35at%Cr膜といったキャップ層16を積層することにより、反磁界の大きな残留磁化状態においても、磁化の減衰率を比較例R1の1/4程度の5%以内、すなわち信号の減衰率を実用上問題ないレベルとすることができる。
【0021】
次に、これらの磁気記録媒体の記録再生特性を記録再生分離型の磁気ヘッドを用いて評価した。記録用のリングヘッドのギャップ長は0.3μm、記録トラック幅は1.7μm、再生用のGMRヘッドのシールド間隔は0.16μm、再生トラック幅は1.3μm、浮上量は20nmとした。200kFCIの再生出力(S)と媒体ノイズ(N)の比である信号対媒体雑音比(S/N)を測定した。S/N比のキャップ層厚依存性を図3に示す。キャップ層16として厚さが0.5〜10nmのCo−22at%Cr−10at%Pt膜やCo−35at%Cr膜を積層した媒体では、比較試料R1と比較して良好なS/N比を得ることができる。
【0022】
次にキャップ層16の厚さを1nmに固定して、材料をTi,Ta,Nb,Pt,Pd,Cr,Ruとした比較試料を作製し、同様の方法で75℃における残留磁化の経時変化を評価したところ、磁化の減衰率はキャップ層のない場合と比較すると約半分の10%程度まで低減できるが、実用上十分な熱安定性のレベルまで達しなかった。一方、本発明であるCoとCrを主成分とする合金をキャップ層16として用いた場合、厚さ0.5nm以上で実用上十分な熱安定性のレベルとすることできることから、キャップ層として非常に優れていることがわかる。また、磁気的なスペーシングを小さくできるので、記録分解能の観点でも優れている。
【0023】
以上のことから、CoとCrを主成分とする合金からなるキャップ層16の厚さを0.5〜10nmとすることで、熱安定性と高いS/N比を両立することができることが分かる。熱安定性の向上は、熱安定化層15の17at%Tb−83at%Co膜と保護膜のカーボン膜との反応が抑制されたこと、腐食が抑えられたことにより熱安定化層の磁気特性が改善されたためと考えられる。また、粒界構造を持つCoとCrを主成分とする合金膜で上下から熱安定化層を挟み込むことにより、磁壁の移動が抑制されてS/Nが増加していると考えられる。
【0024】
〔実施例2〕
実施例1と同様なスパッタリング装置および層構成で、下地層12として軟磁性のCo−3at%Ta−5at%Zr膜を、構造制御層13としてNi−30at%Ta−10at%Zr膜を、主記録層14としてCo−22at%Cr−14at%Pt膜を、熱安定化層15として12at%Tb−88at%Co合金を、キャップ層16としてCo−35at%Cr膜を、保護層17としてカーボン膜をそれそれ用いた。熱安定化層15の厚さを2nmから15nmの範囲で変えた媒体試料を作製した。その他の各層の厚さはそれぞれ、下地層12が400nm、構造制御層13が5nm、主記録層14が17nm、キャップ層16が1nm、保護層17が5nmとした。比較例として、図1(b)に示すように、キャップ層16を省いた比較試料系列R2も併せて作製した。尚、この系列の比較試料では、図1(c)に示すように、熱安定化層15の厚さを0とした試料、すなわち熱安定化層15を形成しない媒体試料も作製した。
【0025】
記録再生特性の評価には実施例1と同様の条件(リングヘッド記録/GMR再生)を用いた。200kFCIの再生出力(S)と媒体ノイズ(N)の比である信号対媒体雑音比(S/N)を測定した。図4に熱安定化層15の厚さに対するS/N比の変化を示す。ただし、比較試料系列R2において熱安定化層15をの厚さを0とした試料のS/N値を0dBとした相対値で示した。また、各媒体試料において100kFCIで記録を行った後そのまま放置し、100時間後の再生出力の減衰率を評価した。図5に、この信号減衰率の熱安定化層の厚さに対する依存性を示す。
【0026】
同じ熱安定化層(中間磁性層)15の厚さの媒体試料間で本発明媒体と比較試料系列R2を比較すると、信号の減衰率、S/N比ともに、本発明媒体が優れていることがわかる。特に、熱安定化層15の厚さが薄い領域での効果が大きい。これは、キャップ層16を積層することで、熱安定化層15の12at%Tb−88at%Co膜と保護膜のカーボン膜の反応が抑制されたこと、腐食が抑えられたことにより熱安定化層の磁気特性が改善され、薄い領域でも良好な特性が得られるようになったことを意味する。また、キャップ層16及び主記録層14の粒界構造で熱安定化層15の12at%Tb−88at%Co膜を挟み込むことによる磁壁移動の抑制もS/N比の向上に寄与していると考えられる。
【0027】
熱安定化層15の厚さが3〜6nm付近でS/N比が最大値をとった後、減少に転じるのは、磁壁移動の抑制の効果が熱安定化層15とキャップ層16及び主記録層14との間の層間の交換相互作用に起因するためで、熱安定化層15の厚さが厚くなってくると、相対的に熱安定化層15の層内の交換結合の影響が強くなり、磁化反転単位が大きくなるためと考えられる。熱安定化層15の厚さ約10nm以上で、熱安定化層の無いCoCrPt単層の試料よりも低下する。熱安定性の観点からは熱安定化層は厚い程よいが、S/Nで考えると最適値があることがわかる。熱安定化層であるTbCo層の厚さを2〜10nmとすることで、熱的に安定で、比較試料系列R2よりもS/Nの優れた媒体が得られることがわかる。
【0028】
すなわち、キャップ層16としてCoとCrを主成分とする合金を付与することにより、より薄い熱安定化層で信号の減衰率を実用的な範囲である1%以下に低減できる。下地層として軟磁性層を形成した二層垂直媒体においては、軟磁性層がヘッドからの磁束のリターンパスとして働く。そのため、磁性層厚の増加によりヘッドと軟磁性層間の距離が増加すると、低記録密度での出力に対する高記録密度での出力の比率で定義される分解能が劣化する。つまり、キャップ層16としてCoとCrを主成分とする合金を用いることにより総磁性層厚増大による分解能の低下も抑えることができる。
加えて、CoとCrを主成分とするキャップ層16の粒界構造による磁壁移動の抑制効果もあるため、高いS/N比が得られる。つまり、CoとCrを主成分とするキャップ層16の付与により、高いS/N比と低信号減衰率の両立が可能となる。
【0029】
〔実施例3〕
実施例1と同様なスパッタリング装置を用い、熱安定化層15を希土類−3d遷移金属を主成分とする非晶質合金を含む多層膜とした、図1(a)に示す断面構造をもつ垂直磁気記録媒体を作製した。熱安定化層15の多層膜は、希土類−3d遷移金属を主成分とする非晶質合金と、Co−Cr合金あるいはCoとCrを主成分とする合金から構成した。非晶質合金としては、17at%Tb−83at%Co膜を用い、Co−Cr合金あるいはCoとCrを主成分とする合金としては、Co−35at%Cr膜、Co−40at%Cr膜、Co−22at%Cr−10at%Pt膜、Co−22at%Cr−14at%Pt膜、Co−17at%Cr−14at%Pt−4at%B膜、Co−18at%Cr−14at%Pt−3at%Ta膜のいずれかの膜を用いた。
【0030】
下地層12および構造制御層13には、Ni−37.5at%Ta−10at%Zr膜を、主記録層14にはCo−22at%Cr−12at%Pt膜を、キャップ層16にはCo−35at%Cr膜を、保護膜17にはカーボン膜を用いた。熱安定化層15は、TbCo膜の合計の厚さを8nmに固定し、これを2層、4層にそれぞれ等分割し、間に0.5nmのCo−Cr合金あるいはCoとCrを主成分とする合金層を挿入した構造とした。その他の各層の厚さはそれぞれ、下地層12が400nm、構造制御層13が5nm、主磁性層14が17nm、キャップ層16が1nm、保護層17が5nmとした。ここでは、記録層の残留磁化の経時変化を評価するために、下地層12として軟磁性材料ではなく非磁性のNi−37.5at%Ta−10at%Zr膜を用いた。
記録再生特性の評価には実施例1と同様の条件(リングヘッド記録/GMR再生)を用いた。200kFCIの再生出力(S)と媒体ノイズ(N)で信号対媒体雑音比(S/N比)を求めた。これらの結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
Figure 0003701593
【0032】
S/Nは、TbCo層を分割しない場合のS/Nを0dBとして相対値で示した。TbCo層を分割し多層化することにより、TbCo層のトータル膜厚が同じものと比較してS/Nが改善されることが分かる。これは、TbCo層を分割し多層化したことによりTbCo層内の交換結合の影響が弱められたためと考えられる。
また、100kFCIで記録を行った後そのまま放置し、100時間後の再生出力の減衰を評価したところ、再生出力の減少は1%未満であり、熱的な安定性は十分得られることが分かった。
【0033】
ただし、一層当たりのTbCo層厚が薄くなり過ぎると急激に磁気特性が悪化する。また、TbCo層の分割数の増加に伴いTbCo層間に挿入する合金の分だけ全磁性層厚が増加し、記録分解能の低下を引き起こす。これは、ヘッドからの距離の増加に伴い磁束が広がるため、高密度の記録が難しくなるためである。加えて、層数の増加はスパッタチャンバー数の増加につながるため、工業的な生産性も問題となる。以上のことから、TbCo層の分割数を過度に増やしすぎることは好ましくない。
【0034】
〔実施例4〕
実施例1と同様なスパッタリング装置および層構成で、下地層12として軟磁性のCo−3at%Ta−5at%Zr膜を、構造制御層13としてNi−37.5at%Ta−10at%Zr膜を、主記録層14としてCo−22at%Cr−10at%Pt膜を、熱安定化層15として17at%Tb−83at%Co膜、17at%Tb−61at%Fe−22at%Co膜、15at%Tb−42.5at%Fe−42.5at%Co膜、12at%Tb−44at%Fe−44at%Co膜、25at%Tb−75at%Co膜、12at%Tb−88at%Co膜、10at%Tb−90at%Co膜、22at%Tb−3at%Pr−75at%Co膜、14at%Tb−3at%Nd−83at%Co膜、10at%Tb−2at%Sm−44at%Fe−44at%Co膜、12at%Tb−3at%Gd−42.5at%Fe−42.5at%Co膜、あるいは8at%Tb−2at%Dy−45at%Fe−45at%Co膜を、キャップ層16としてCo−35at%Crを、保護層17としてカーボン膜をそれそれ用いた。各層の膜厚はそれぞれ、下地層12が400nm、構造制御層13が5nm、主記録層14が17nm、熱安定化層15が5nm、キャップ層16が1nm、保護層17が5nmである。
【0035】
これらの磁気記録媒体の記録再生特性を、記録用にトラック幅が0.25μmの単磁極ヘッドを、再生用にシールド間隔が0.08μmでトラック幅が0.22μmのGMRヘッドを用いて、ヘッド浮上量が10nmの条件で評価した。500kFCIの再生出力(S)と媒体ノイズ(N)を用いたS/N比で信号対媒体雑音比S/Nを求めた。17at%Tb−83at%Co膜のS/N比を0dBとし、相対比較した。これらの結果を表2に示す。
【0036】
【表2】
Figure 0003701593
【0037】
表2から明らかなように、熱安定化層として、17at%Tb−83at%Co膜の代わりに、17at%Tb−61at%Fe−22at%Co膜、15at%Tb−42.5at%Fe−42.5at%Co膜、12at%Tb−44at%Fe−44at%Co膜、25at%Tb−75at%Co膜、12at%Tb−88at%Co膜、10at%Tb−90at%Co膜、22at%Tb−3at%Pr−75at%Co膜、14at%Tb−3at%Nd−83at%Co膜、10at%Tb−2at%Sm−44at%Fe−44at%Co膜、12at%Tb−3at%Gd−42.5at%Fe−42.5at%Co膜、8at%Tb−2at%Dy−45at%Fe−45at%Co膜等を用いても、同等の効果が得られることがわかる。
【0038】
〔実施例5〕
インライン型の高速形成スパッタリング装置を用いて、図1(a)に断面模式図を示す垂直磁気記録媒体を作製した。下地層12を密着層、軟磁性層の二層構造とし、軟磁性層を形成後1600Wで12sの熱処理(基板到達温度450〜500℃)を行った。引き続き同一真空中で構造制御層13、主記録層14、熱安定化層15、キャップ層16、保護層17を順次形成した。
【0039】
ガラス基板上に下地層12として、密着層Ni−37.5at%Ta−10at%Zr膜、および軟磁性層Fe−10at%Ta−16at%C膜を、構造制御層13としてNi−37.5at%Ta−10at%Zr膜を、主記録層14としてCo−19at%Cr−14at%Pt膜を、熱安定化層15として15at%Tb−42.5at%Fe−42.5at%Co膜を、キャップ層16として、Co−30at%Cr膜、Co−30at%Cr−5at%Ru膜、Co−30at%Cr−4at%Mo膜、Co−30at%Cr−5at%Ta膜、Co−35at%Cr膜、Co−40at%Cr膜、Co−40at%Cr−3at%B膜、Co−22at%Cr−10at%Pt膜、Co−22at%Cr−14at%Pt膜、Co−17at%Cr−14at%Pt−4at%B膜、Co−18at%Cr−14at%Pt−3at%Ta膜、あるいはCo−18at%Cr−14at%Pt−3at%Ti膜を、保護層17としてカーボン膜を用いた。
【0040】
各層の膜厚はそれぞれ、下地層12を構成する密着層および軟磁性層がそれぞれ30nmおよび400nm、構造制御層13が5nm、主記録層14が15nm、熱安定化層15が4nm、キャップ層16が1nm、保護層17が5nmとした。比較例として、キャップ層16を省いた試料R4も併せて作製した。
これらの磁気記録媒体の記録再生特性を、記録用にトラック幅が0.25μmの単磁極ヘッドを、再生用にシールド間隔が0.08μmでトラック幅が0.22μmのGMRヘッドを用いて、ヘッド浮上量が10nmの条件で評価した。500kFCIの再生出力(S)と媒体ノイズ(N)でS/N比を求めた。比較試料R4のS/N比を0dBとし、これに対する相対値で本実施例の媒体のS/Nを評価した。また、100kFCIで記録を行った後そのまま放置し、100時間後の再生出力の減衰を評価した。これらの結果を表3に示す。
【0041】
【表3】
Figure 0003701593
【0042】
表3に見るように、比較試料R4では100時間後の再生出力の減少が8%であるのに対して、本実施例である、Co−30at%Cr膜、Co−35at%Cr膜、Co−30at%Cr−5at%Ru膜、Co−30at%Cr−4at%Mo膜、Co−30at%Cr−5at%Ta膜、Co−40at%Cr膜、Co−40at%Cr−3at%B膜、Co−22at%Cr−10at%Pt膜、Co−22at%Cr−14at%Pt膜、Co−22at%Cr−14at%Pt−3at%B膜、Co−22at%Cr−14at%Pt−3at%Ta膜、Co−22at%Cr−14at%Pt−3at%Ti、Co−22at%Cr−14at%Pt−3at%Nb膜などを用いた場合、100時間後の再生出力の減少は1%未満であり、熱安定性に優れていることがわかった。また、S/N比も、本実施例の試料は比較試料R4より2〜5dB程度優れており、記録再生特性を改善する上でも効果を有することがわかった。このように、CoとCrを主成分とする合金をキャップ層16として用いることで、熱安定性と高S/N比を両立できる。
【0043】
〔実施例6〕
実施例5と同様のインライン型の高速形成スパッタリング装置を用いて図1(a)に断面模式図を示す垂直磁気記録媒体を作製した。下地層12を密着層、軟磁性層の二層構造とし、軟磁性層を形成後1600Wで12sの熱処理(基板到達温度450〜500℃)を行った。引き続き同一真空中で構造制御層13、主記録層14、熱安定化層15、キャップ層16、保護層17を順次形成した。
【0044】
下地層12としては、密着層Ni−37.5at%Ta−10at%Zr膜、および軟磁性層Fe−10at%Ta−16at%C膜を用いた。構造制御層13は、Ni−37.5at%Ta−10at%Zr膜上にCo−40at%Cr膜を積層した二層構造とした。主記録層14としてはCo−22at%Cr−14at%Pt膜、Co−17at%Cr−14at%Pt−4at%B膜、Co−18at%Cr−14at%Pt−3at%Ta膜、Co−17at%Cr−14at%Pt−4at%Nb膜、Co−18at%Cr−14at%Pt−3at%Ti膜を用いた。熱安定化層15としては14at%Tb−43at%Fe−43at%Co膜を、キャップ層16としてはCo−40at%Cr膜を、保護層17としてカーボン膜を用いた。比較例として、各主記録層の材料に対して、キャップ層16を設けない試料系列R5も併せて作製した。
【0045】
各層の膜厚は、下地層12を構成する密着層および軟磁性層をそれぞれ30nmおよび400nm、構造制御層13をそれぞれ4nmおよび3nm、主記録層14を16nm、熱安定化層15を5nm、キャップ層16を1nm、保護層17を5nmとした。
これらの磁気記録媒体の記録再生特性を、記録用にトラック幅が0.25μmの単磁極ヘッドを、再生用にシールド間隔が0.08μmでトラック幅が0.22μmのGMRヘッドを用いて、ヘッド浮上量が10nmの条件で評価した。500kFCIの再生出力(S)と媒体ノイズ(N)でS/N比を求めた。比較試料系列R5のS/N比を0dBとし、これに対する相対値で本実施例の媒体のS/Nを評価した。また、100kFCIで記録を行った後そのまま放置し、100時間後の再生出力の減衰を評価した。これらの結果を表4に示す。
【0046】
【表4】
Figure 0003701593
【0047】
表4に見るように、主記録層14として、Co−22at%Cr−14at%Pt膜、Co−17at%Cr−14at%Pt−4at%B膜、Co−18at%Cr−14at%Pt−3at%Ta膜、Co−17at%Cr−14at%Pt−4at%Nb膜、Co−18at%Cr−14at%Pt−3at%Ti膜等を用いた場合、比較試料系列R5では100時間後の再生出力の減少がすべて5%以上であったのに対して、本実施例では1%未満であり、熱的に安定性に優れていることがわかった。また、S/N比に於いても比較試料系列R5よりも2〜4dB程度優れた特性が得られた。
すなわち、主記録層14としてCoCrPt膜の代わりに、CoCrPtB膜、CoCrPtTa膜、CoCrPtNb膜、CoCrPtTi膜等を用いた場合も同様に、熱安定化層15およびキャップ層16との組み合わせにより、熱安定性と高S/N比を実現できる。
【0048】
〔実施例7〕
本発明による磁気記録装置の概略を図6に示す。この装置は、垂直磁気記録媒体61と、これを駆動する駆動部62と、磁気ヘッド63およびその駆動手段64と、前記磁気ヘッドの記録再生信号処理手段65を有してなる周知の構造を持つ磁気記憶装置である。磁気ヘッドは、磁気ヘッドスライダ上に形成された記録再生分離型の磁気ヘッドである。単磁極型ヘッドのトラック幅は0.25μm、再生用のGMRヘッドのシールド間隔が0.08μmでトラック幅が0.22μmである。
【0049】
実施例5に示した媒体を上記磁気記憶装置に組み込んで、ヘッド浮上量10nm、線記録密度590kBPI、トラック密度89kTPIの条件記録再生評価をしたところ、10℃から75℃の温度範囲において、52.5bG/in2の面記録密度の記録再生条件を十分に満たした。
本発明の実施例では、キャップ層、熱安定化層、主記録層、構造制御層、下地層の一例を挙げて内容の説明を行ったが、実施例に記述した他の材料のいずれを組み合わせて用いても同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0050】
【発明の効果】
本発明により、広い記録密度領域で、優れた信号対雑音比を持ち、熱揺らぎに対しても安定な特性を持つ磁気記憶装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明による垂直磁気記録媒体の基本構造を示す断面模式図、(b)及び(c)は従来例の構造を示す断面模式図。
【図2】キャップ層厚が残留磁化の減衰率抑制に与える効果の説明図。
【図3】キャップ層厚が信号対雑音比(S/N)に与える効果の説明図。
【図4】熱安定化層厚が信号対雑音比(S/N)に与える効果の説明図。
【図5】熱安定化層厚が信号の減衰抑制に与える効果の説明図。
【図6】(a)は磁気記憶装置の平面図、(b)はそのA−A’縦断面図。
【符号の説明】
11:基板、12:下地層、13:構造制御層、14:主記録層、15:熱安定化層、16:キャップ層、17:保護層および潤滑層、61:垂直磁気記録媒体、62:磁気記録媒体駆動部、63:磁気ヘッド、64:磁気ヘッド駆動部、65:記録再生処理系

Claims (6)

  1. 基板上に形成されたCoとCrを主成分とする磁性層と、前記磁性層に対して前記基板とは逆側に形成された希土類金属と3d遷移金属を主成分とする非晶質合金層を含む膜厚が2nm以上10nm以下の第1の層と、前記第1の層の上に設けられたCoとCrを含む膜厚が0.5nm以上10nm以下の第2の層とを有することを特徴とする垂直磁気記録媒体。
  2. 請求項1記載の垂直磁気記録媒体において、前記第1の層は、希土類金属と3d遷移金属を主成分とする非晶質合金層と他の層との多層膜であることを特徴とする垂直磁気記録媒体。
  3. 請求項2記載の垂直磁気記録媒体において、前記多層膜は、希土類金属と3d遷移金属を主成分とする非晶質合金層とCoとCrを主成分とする合金膜との多層膜であることを特徴とする垂直磁気記録媒体。
  4. 請求項1記載の垂直磁気記録媒体において、前記第1の層は、主成分としてTbFeCo、TbCoあるいはTbFeを含有することを特徴とする垂直磁気記録媒体。
  5. 請求項1記載の垂直磁気記録媒体において、前記第2の層はCoとCrからなることを特徴とする垂直磁気記録媒体。
  6. 垂直磁気記録媒体と、磁気記録用ヘッドと信号再生用ヘッドとを具備した薄膜ヘッドとを備える磁気記憶装置において、
    前記垂直磁気記録媒体は、基板上に形成されたCoとCrを主成分とする磁性層と、前記磁性層に対して前記基板とは逆側に形成された希土類金属と3d遷移金属を主成分とする非晶質合金層を含む膜厚が2nm以上10nm以下の層と、当該非晶質合金層を含む層の上に設けられたCoとCrを含む膜厚が0.5nm以上10nm以下の層とを有することを特徴とする磁気記憶装置。
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