JP2002216339A - 垂直磁気記録媒体 - Google Patents

垂直磁気記録媒体

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JP2002216339A
JP2002216339A JP2001015032A JP2001015032A JP2002216339A JP 2002216339 A JP2002216339 A JP 2002216339A JP 2001015032 A JP2001015032 A JP 2001015032A JP 2001015032 A JP2001015032 A JP 2001015032A JP 2002216339 A JP2002216339 A JP 2002216339A
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perpendicular magnetic
film
recording medium
layer
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JP2001015032A
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Yasuyuki Kawada
泰之 河田
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い垂直方向保磁力および高い角形比を有す
る垂直磁気記録媒体を提供することである。 【解決手段】 非磁性体基板上に、Ti−Cr膜からな
る下地層を介して設けられたCo−Cr−Pt膜からな
る垂直磁性層を有する垂直磁気記録媒体であって、下地
層の膜厚を40nm以上50nm以下とするか、垂直磁
性層の膜厚を30nm以上40nm以下とするか、Co
−Cr−Pt膜の組成をCo−17〜19Cr−15〜
18Pt(atom%)とする。さらに、上記垂直磁気
記録媒体に軟磁性層を設けると、より高い垂直方向保磁
力および角形比を有する垂直磁気記録媒体が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスク等に
用いられる垂直磁気記録媒体に関し、特に高い垂直方向
保磁力と角形比を有する垂直磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピュータやワーク
ステーションには記憶装置として大容量で小型な磁気記
録装置が搭載されてきている。このような背景から磁気
ディスクはさらなる高記録密度が要求されている。現
在、実用に用いられている磁気記録方式は磁化容易軸が
磁気記録媒体面に平行になる面内磁気記録方式である。
面内(長手)磁気記録方式において記録密度を向上する
には、記録媒体の磁性膜の残留磁化と磁性層膜厚の積を
小さくしたり、垂直方向保磁力を増大させ、磁気反転幅
を小さくする必要がある。このために結晶粒径を制御
し、磁性粒子の微細化によりビット長を短縮化したり、
磁性膜の膜厚を薄くする試みがなされている。しかしな
がら、面内磁気記録方式においては、ビット長短縮化に
つれ反磁界が増加して残留磁束密度が減少するため再生
出力が低下するという欠点を有し、また結晶粒の微細化
や薄膜化によって熱揺らぎによる問題も生じ、現在、こ
の方式による磁気ディスクなどのさらなる高密度化には
技術的に困難な面が予想される。
【0003】一方、前述した問題を解決し、磁気記録密
度を向上させる方式として垂直磁気記録方式が検討され
ている。垂直磁気記録方式では、磁性膜の磁化容易軸が
基板綿に対し垂直方向に配向した磁気記録媒体であり、
磁化遷移領域において隣り合った磁化どうしが向き合っ
ていないためビット長が短くなっても磁化が安定で、長
手磁気記録のような磁束の減少の心配もなく、高磁気記
録媒体として適している。また、垂直磁気記録方式は、
面内磁気記録媒体よりも薄膜化は必要ないため、薄膜化
することによる超常磁性状態に起因する記録磁化の消失
という面においても面内磁気記録媒体より有利である。
【0004】上記のように垂直磁気記録媒体は、長手記
録方式媒体よりも高磁気記録媒体として有利な点が多い
が、高密度化した垂直磁気記録媒体においては高密度記
録化ゆえに再生出力が小さく、媒体ノイズをできるだけ
低減することが求められる。すなわち、媒体ノイズが低
減するほど、再生出力特性はさらに向上し、高磁気記録
密度が達成できる。このため、従来から、高密度磁気記
録の達成や媒体ノイズの低減を図るべく、垂直磁気記録
媒体の構成を工夫する試みがなされている。
【0005】公知の垂直磁気記録媒体の構成としては、
例えば、アルミ、ガラス等からなる非磁性基板上に軟磁
性の裏打ち層が形成され、その上に垂直磁気記録層が形
成され、さらにその上にカーボン等の保護層などが形成
されている2層型の垂直媒体が開示されている。また、
記録再生特性向上のため軟磁性層と磁性層の間に非磁性
層である下地層が形成されている垂直磁気記録媒体もあ
る。すなわち、高記録密度および再出力特性向上等を実
現するために、基板上に下地層を介した形成された垂直
磁化層を有する単層型の垂直磁気記録媒体や、高透磁率
の軟磁性層および垂直磁性層からなる2層型の垂直磁気
記録媒体など、高磁気記録密度および低ノイズ化するた
めの垂直磁気記録媒体の構成・構造に関する検討が現在
もなされている。研究されている垂直磁気記録層の組成
としては、Co−Cr、Co−Cr−TaなどのCo基
合金垂直磁化膜、Pt/Co合金やPd/Co合金など
の多層膜垂直磁化膜、TbFeCo、FePtなどの非
晶質垂直磁化膜などの多くの垂直磁気記録層が多く検討
されている。
【0006】Cr、Co、Ptを主たる成分とする垂直
磁性層を有する垂直磁気記録記録媒体についても、媒体
ノイズを低減するための検討がなされている。
【0007】例えば、特開平11−25439号公報
は、垂直磁化層がCoとCrとを主たる成分またはCo
とCrとPtとを主たる成分であり、非磁性下地層がT
iまたはTiが主たる成分である垂直磁気記録媒体を開
示しており、磁気記録層に特定の多結晶体または多層構
造体を用いることで低ノイズ化を図っている。
【0008】また、特開平10−134335号公報で
は、Ptを含有してよいCrとCoを主たる成分とする
垂直磁性層を有する垂直磁気記録記録媒体を開示してお
り、出力再生特性を向上させるべく、特定の垂直方向保
磁力等を有しかつ磁性層の厚さを制御した強磁性膜を垂
直磁性層に用いた垂直磁気記録媒体を得ている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、より優
れた高密度記録媒体を実現するためには、媒体ノイズを
さらに低減させる必要がある。媒体ノイズを低減するほ
ど再生出力特性はさらに向上し、高密度磁気記録媒体に
適するものとなる。
【0010】垂直磁気記録媒体のノイズは、媒体表面に
発生する反磁界の作用で生ずる逆磁区や、媒体表面の磁
化の揺らぎにより発生する。媒体表面に存在する逆磁区
は磁化反転幅の大きさに依存するが、垂直磁気記録媒体
の媒体ノイズを低減するには磁化反転幅を小さくすれば
よく、磁化反転幅を小さくするためには、記録媒体の磁
性膜の残留磁化と磁性層膜厚の積を小さくすること、磁
性層の垂直方向保磁力を増大すること、および角形比
(飽和磁化に対する残留磁化の割合)を増大することで
達成できる。
【0011】本発明の目的は、媒体ノイズを低減させて
記録再生特性を向上させるために、より高い垂直方向保
磁力と高い角形比を有する垂直磁気記録媒体を提供する
ものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、垂直磁気記録媒体における磁性層の膜厚、磁性層の
膜組成比、または非磁性層下地層や軟磁性裏打ち層につ
いて検討した結果、非常に高い垂直方向保磁力または角
形比を有する磁気記録媒体を作製できることが判明し
た。
【0013】すなわち、本発明の垂直磁気記録媒体は、
非磁性体基板上にCo−Cr−Pt膜からなる垂直磁性
層を有する垂直磁気記録媒体であって、前記垂直磁性層
はTi−Cr膜からなる下地層を介して設けられてい
る。
【0014】本発明垂直磁気記録媒体の好ましい態様に
おいて、前記下地層のTi−Cr膜厚は40nm以上5
0nm以下である。
【0015】本発明垂直磁気記録媒体の好ましい態様に
おいて、前記垂直磁性層のCo−Cr−Pt膜厚は30
nm以上40nm以下である。
【0016】本発明垂直磁気記録媒体の好ましい態様に
おいて、前記垂直磁性層を形成するCo−Cr−Pt膜
の組成はCo−17〜19Cr−15〜18Pt(at
om%)である。
【0017】さらに、本発明垂直磁気記録媒体の好まし
い態様において、前記非磁性基板と下地層との間に軟磁
性膜からなる裏打ち層が設けられている。
【0018】本発明垂直磁気記録媒体の好ましい態様に
おいて、前記軟磁性膜はNi−Fe膜、Co−Zr−N
b膜、およびFe−Ta−C膜からなる群から選択され
る膜である。
【0019】本発明垂直磁気記録媒体の好ましい態様に
おいて、前記裏打ち層の膜厚は100nm以上300n
m以下である。
【0020】
【発明の実施の形態】上記のように、本発明垂直磁気記
録媒体は、非磁性体基板上にCo−Cr−Pt膜からな
る垂直磁性層を有する垂直磁気記録媒体であって、該垂
直磁性層がTi−Cr膜からなる下地層を介して設けら
れている。磁性層にCo−Cr−Pt合金膜を用いた理
由は、Co系合金、CoCr系合金、CoCrTa系合
金などの他の合金よりもより高い垂直方向保磁力が得ら
れやすく、より高記録密度の媒体として適しているから
である。Co−Cr−Pt膜は、高出力化のための飽和
磁化量が大きく、しかもスパッタ条件により垂直磁気異
方性エネルギーを大きくできる。磁気異方性エネルギー
の高い垂直磁化膜では逆磁区の発生を抑え、媒体ノイズ
をより低減できる。
【0021】下地層は、基板に対して磁性層を垂直に配
向させるために設けたものであり、下地層がないと基板
の面内方向に磁性層が成長してしまう。また、下地層に
Ti−Cr膜を用いたのは、Cr含有率を適当に変える
ことで磁性膜の垂直配向性をより向上させることができ
るからである。したがって、Ti−Cr層の組成比の変
化も垂直方向保磁力・角形比に影響する。本発明の垂直
記録媒体においては、Ti−20〜25Cr(atom
%)が好ましく、Ti−22Cr(atom%)が最も
好ましい。本発明垂直磁気記録媒体において、下地層の
膜厚を40nm以上50nm以下としたのは、下地層の
膜厚が40nm未満の場合は垂直方向保磁力および角形
比、特に垂直方向保磁力が著しく低下してしまうためで
あり、一方、下地層の膜厚が50nmより大きい場合
は、垂直方向保磁力および角形比が低下してしまい、い
ずれの場合も良好な低ノイズ化が図れないからである。
また、膜厚が厚くなれば、記録再生にときに磁気ヘッド
との距離が狭くなり出力再生に好ましくない。下地層の
膜厚は、より好ましくは45nm以上50nm以下であ
る。
【0022】また、上記垂直磁気記録媒体において、垂
直磁性層の膜厚を30nm以上40nm以下としたの
は、記垂直磁性層の膜厚が30nm未満となるかまたは
40nmより厚くとなると垂直方向保磁力が減少し、い
ずれも良好な再生出力特性が得られないからである。ま
た、膜厚が厚くなれば、記録再生にときに磁気ヘッドと
の距離が狭くなり出力再生に好ましくない。記垂直磁性
層の膜厚は、より好ましくは30nm以上35nm以下
である。
【0023】上記垂直磁気記録媒体において、垂直磁性
層を形成するCo−Cr−Pt膜の組成比をCo−17
〜19Cr−15〜18Pt(atom%)としたの
は、該組成範囲では垂直方向保磁力および角形比ともに
高い値を有し、媒体ノイズを大幅に低減することができ
るからである。Co−Cr−Pt膜は、より好ましくは
Co−17〜18Cr−15〜17Pt(atom%)
である。
【0024】さらに、本発明垂直磁気記録媒体では、非
磁性基板と下地層との間に軟磁性膜からなる裏打ち層を
設けたものも企図される。上記垂直磁気記録媒体におい
て、前記非磁性基板と下地層との間に軟磁性膜からなる
裏打ち層を設けたのは、より媒体ノイズを低減させ、記
録再生特性を向上させるためである。低周波数ノイズに
関係する縞状軸構造の形成を起こりにくくするため、軟
磁性層は高透磁率であるほどよい。
【0025】上記垂直磁気記録媒体において、軟磁性膜
がNi−Fe膜、Co−Zr−Nb膜、およびFe−T
a−C膜からなる群から選択される膜である。軟磁性膜
をNi−Fe膜、Co−Zr−Nb膜、またはFe−T
a−C膜としたのは、これらは透磁率が高く、軟磁性層
に発生する縞状磁区を抑制することができるからであ
る。
【0026】上記垂直磁気記録媒体において、前記軟磁
性の裏打ち層の膜厚を100nm以上300nm以下と
したのは、膜厚が300nmより厚くなると垂直方向保
磁力・角形比が小さくなる上、周期的な縞状磁区構造が
観察されるようになり、これが媒体のノイズとして現
れ、磁気記録再生特性に悪影響を及ぼす。また、膜厚が
厚くなれば、記録再生にときに磁気ヘッドとの距離が狭
くなり出力再生に好ましくない。一方、膜厚が100n
m未満になると垂直方向保磁力が著しく低下してしま
い、良好な低ノイズ化が図れない。軟磁性層の膜厚は、
好ましくは100nm以上200nm以下であり、より
好ましくは約100nm以上150nm以下である。
【0027】上記本発明単層垂直磁気記録媒体において
は、垂直方向保磁力3000Oe以上、角形比0.9以
上を達成でき、軟磁性下地層を含む本発明垂直磁気記録
媒体においては、垂直方向保磁力が4000Oe以上、
好ましくは4500Oe以上、角形比0.9以上を達成
でき、従来垂直磁気媒体と比較して高い垂直方向保磁力
および角形比が得られる。
【0028】
【実施例】(実施例1)図1に本発明に係る単層垂直磁
気記録媒体の断面図を示す。以下この図面に基づき説明
する。本実施例の垂直磁気記録媒体は、ガラス基板1、
Ti−Cr下地層2、Co−Cr−Ptからなる垂直磁
性層3、カーボンからなる保護層4がこの順序に積層さ
れ、形成されたものである。
【0029】本実施例では、種々のCo−Cr−Pt組
成比を有する垂直磁性層3を有する垂直磁気記録媒体を
調製し、該組成比と垂直磁性層の磁気特性との関係を調
べ、高い垂直方向保磁力と角形比を有する垂直磁気記録
媒体を得る。
【0030】本実施例に係る垂直磁気記録媒体の製造方
法を説明する。基板は3.5インチの大きさのガラス基
板である。厚みは約1mmである。基板の大きさや厚さ
は本質的には関係ない。非磁性基板は、Ni−Pがメッ
キされ適切なテクスチャーが形成されたAl基板でもよ
い。基板はよく洗浄した後に成膜を行う。先ず最初に下
地層であるTi−Cr層を成膜する。用いたターゲット
はTi−22Cr(atom%)である。Arガスでス
パッタを行い、膜厚約50nmの厚さに成膜した。成膜
は各層約250℃で行い、Arガス圧は約1Paとし
た。次に、このように形成されたTi−Cr下地層2の
上にCo−Cr−Pt垂直磁性層を形成した。ターゲッ
トはCo−17Cr−16Pt(atom%)を用い
た。Arガスを用い、マグネトロンスパッタにより、膜
厚約50nmの厚さに成膜した。成膜は各層約250℃
で行い、Arガス圧は約1Paとした。最後に表面に保
護層4としてカーボン膜を形成した。用いたターゲット
はカーボンである。Arガスでスパッタを行い、膜厚約
10nmの厚さに成膜した。成膜は各層約250℃で行
い、Arガス圧は約1Paとした。このようにして成膜
した垂直磁気記録媒体を冷却し取り出した。
【0031】表1にこのような製造方法で得られる垂直
磁気記録媒体の組成と磁気特性との関係を調べた結果を
示す。種々のCo−Cr−Pt組成比を有する磁気層
は、Co−Cr−Ptターゲット上にCrおよびPtチ
ップを並べて、その個数を変化させることで組成を変化
させることにより作成した。
【0032】
【表1】
【0033】表1の結果より、本単層垂直磁気記録媒体
は、Co−Cr−Ptの組成がCo−17〜19Cr−
15〜18Pt(atom%)の範囲の組成である垂直
磁気記録媒体は、垂直方向保磁力3000エルステッド
以上の高い値を有し、かつ角形比も0.9以上の高い値
を示している。このように垂直方向保磁力および角形比
はCo−Cr−Pt膜の組成比の違いによって大きく変
化する。垂直方向保磁力および角形比が大きければノイ
ズが低減でき、S/N比が向上し、再生出力を大きくす
ることができる。
【0034】(実施例2)本実施例では、Ti−Cr下
地層の膜厚と垂直磁性層の磁気特性との関係を調べ、高
い垂直方向保磁力と角形比を有する垂直磁気記録媒体を
得る。
【0035】実施例1と同様の製造方法を行って、種々
の膜厚を有するTi−Cr下地層を有する本発明垂直磁
気記録媒体を作成した。すなわち、本実施例で用いる垂
直磁気記録媒体においては、下地層におけるTi−Cr
膜厚を約20〜50nmとし、Ti−Cr膜の組成はT
i−22Cr(atom%)とした。また、磁性層のC
o−Cr−Pt膜はCo−17.2Cr−15.3Pt
(atom%)であり、その膜厚は約50nmとした。
【0036】図2および図3に、Ti−Cr下地層2の
膜厚を変化させた時の磁気特性の変化を示す。垂直方向
保磁力HcはTi−Cr膜厚が厚い方が大きくなってい
き、3000エルステッド以上の高垂直方向保磁力を得
るためにはTi−Cr下地層の膜厚が30nm〜50n
mの必要であることがわかる。しかしながら、同時に高
い角形比を得るにはTi−Cr下地層の膜厚が40〜5
0nm必要であった。
【0037】(実施例3)本実施例では、磁性層の膜厚
と垂直磁性層の磁気特性との関係を調べ、高い垂直方向
保磁力と角形比を有する垂直磁気記録媒体を得る。
【0038】実施例1と同様の製造方法を行って、種々
の膜厚を有する磁性層を有する本発明垂直磁気記録媒体
を作成した。すなわち、本実施例で用いる垂直磁気記録
媒体において、磁性層のCo−Cr−Pt膜はCo−1
7.2Cr−15.3Pt(atom%)であった。ま
た、下地層におけるTi−Cr膜厚を約50nmとし、
その組成はTi−22Cr(atom%)とした。
【0039】図4に、上記Co−Cr−Pt膜からなる
磁性層の膜厚を変化させた時の磁気特性の変化を示す。
磁性層の膜厚を20〜50nmまで変化させた場合、3
5nm程度で垂直方向保磁力は最大となり、30〜40
nmの範囲内では大きな垂直方向保磁力を有する。
【0040】(実施例4)図5に、本発明に係る2層垂
直磁気記録媒体の断面図を示す。以下この図面に基づき
説明する。本実施例の2層垂直磁気記録媒体は、ガラス
基板1、軟磁性層5、Ti−Cr下地層2、Co−Cr
−Ptからなる垂直磁性層3、カーボンからなる保護層
4がこの順序に積層され、形成されたものである。軟磁
性層にはNi−Feを用いた。
【0041】本実施例では、軟磁性層の膜厚と垂直磁性
層の磁気特性との関係を調べ、より高い垂直方向保磁力
および角形比を有する垂直磁気記録媒体を得る。
【0042】実施例に係る垂直磁気記録媒体の製造方法
を説明する。基板は3.5インチの大きさのは基板であ
る。厚みは1mmである。基板の大きさや厚さは本質的
には関係ない。基板はNi−Pがメッキされ適切なテク
スチャーが形成されたAl基板でもよい。基板は洗浄し
た後に成膜を行う。先ず最初に軟磁性層であるNi−F
e層5を成膜する。ターゲットはNi−22Fe(at
om%)を用いた。Arガスを用い、マグネトロンスパ
ッタにより、膜厚約100〜200nmに成膜した。成
膜は各層約250℃で行い、Arガス圧は約1Paとし
た。次に、下地層であるTi−Cr層を成膜する。ター
ゲットは、Ti−22Cr(atom%)を用いた。A
rガスを用い、マグネトロンスパッタにより膜厚約50
nmの厚さに成膜した。成膜は各層約250℃で行い、
Arガス圧は約1Paとした。このように磁性層3の下
地層をTi合金にするのは、基板に対して磁性層を垂直
に配向させるためである。次に、上記Ti−Cr下地層
2の上にCo−Cr−Ptの垂直磁性層を形成した。タ
ーゲットはCo−17Cr−16Pt(atom%)を
用いた。Arガスパッタを行い、膜厚約35nmの厚さ
に成膜した。成膜は各層約250℃で行い、Ar圧は約
1Paとした。最後に表面に保護層4としてカーボン膜
を形成する。ターゲットはカーボンを用いた。Arガス
を用い、マグネトロンスパッタにより、膜厚約10nm
の厚さに成膜した。成膜は各層約250℃で行い、Ar
ガス圧は約1Paである。このようにして成膜の終わっ
た垂直磁気媒体を冷却し取り出す。
【0043】図6および図7には、上記方法で製造され
た、軟磁性裏打ち層を有する本発明磁気記録媒体の膜厚
と垂直方向保磁力および角形比との関係を示す。Ni−
Fe軟磁性層100〜300nmの範囲では垂直方向保
磁力4500Oe以上、角形比0.9以上となり、非常
に高い高垂直方向保磁力・高角形比が得られている。特
に、Ni−Fe軟磁性層100nmでは、垂直方向保磁
力4700Oe、角形比0.93を有しており、高垂直
方向保磁力かつ高角形比を有する、垂直磁気記録媒体が
得られた。
【0044】
【発明の効果】上記のように、非磁性体基板上にTi−
Cr膜からなる下地層を介して設けたCo−Cr−Pt
膜からなる垂直磁性層を有する垂直磁気記録媒体におい
て、磁性層の組成比、下地層の膜厚、磁性層の膜厚の構
成により、高い保磁カおよび高角形比を有し、逆磁区ノ
イズの小さい、記録再生に有利な媒体を作製できた。さ
らに、上記本発明の垂直磁気記録媒体において、下地層
の下部に裏打ち層として軟磁性層を形成した場合には、
さらに高い垂直方向保磁力および高い角形比を有する記
録媒体が得られ、さらに媒体ノイズの小さい、記録再生
特性の良好な垂直媒体が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る単層垂直磁気記録媒体の断面図で
ある。
【図2】本発明に係る単層垂直磁気記録媒体のTi−C
r下地層の膜厚を変化させた場合の垂直方向保磁力の変
化を示す図である。
【図3】本発明に係る単層垂直磁気記録媒体のTi−C
r下地層の膜厚を変化させた場合の垂直方向角形比の変
化を示す図である。
【図4】磁性層の膜厚を変化させた場合の垂直方向保磁
力の変化を示す図である。
【図5】本発明に係る軟磁性層付き2層垂直磁気記録媒
体の断面図である。
【図6】本発明に係る軟磁性層付き2層垂直磁気記録媒
体のNi−Fe軟磁性層の膜厚を変化させた場合の垂直
方向保磁力の変化を示す図である。
【図7】本発明に係る軟磁性層付き2層垂直磁気記録媒
体のNi−Fe軟磁性層の膜厚を変化させた場合の垂直
方向角形比の変化を示す図である。
【符号の説明】
1.基板 2.Ti−Cr層 3.磁性層(垂直磁性層) 4.保護層 5.軟磁性層

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性体基板上にCo−Cr−Pt膜か
    らなる垂直磁性層を有する垂直磁気記録媒体であって、
    前記垂直磁性層はTi−Cr膜からなる下地層を介して
    設けられていることを特徴とする垂直磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記下地層のTi−Cr膜厚が40nm
    以上50nm以下であることを特徴とする請求項1に記
    載の垂直磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記垂直磁性層のCo−Cr−Pt膜厚
    が30nm以上40nm以下であることを特徴とする請
    求項1または2に記載の垂直磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記垂直磁性層を形成するCo−Cr−
    Pt膜の組成がCo−17〜19Cr−15〜18Pt
    (atom%)であることを特徴とする請求項1から請
    求項3のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記非磁性基板と下地層との間に軟磁性
    膜からなる裏打ち層が設けられていることを特徴とする
    請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の垂直磁気
    記録媒体。
  6. 【請求項6】 前記軟磁性膜がNi−Fe膜、Co−Z
    r−Nb膜、およびFe−Ta−C膜からなる群から選
    択される膜であることを特徴とする請求項5に記載の垂
    直磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】 前記裏打ち層の膜厚が100nm以上3
    00nm以下であることを特徴とする請求項5または6
    に記載の垂直磁気記録媒体。
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