JP2002183927A - 垂直磁気記録媒体 - Google Patents

垂直磁気記録媒体

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JP2002183927A
JP2002183927A JP2000381516A JP2000381516A JP2002183927A JP 2002183927 A JP2002183927 A JP 2002183927A JP 2000381516 A JP2000381516 A JP 2000381516A JP 2000381516 A JP2000381516 A JP 2000381516A JP 2002183927 A JP2002183927 A JP 2002183927A
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Toshio Ando
敏男 安藤
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Victor Company of Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 垂直記録層の膜厚を薄くできるようにし、こ
れにより、媒体ノイズが小さく、S/N及び信号安定性
の高い垂直磁気記録媒体を提供する。 【解決手段】 非磁性の基板1と、前記基板1上に順次
形成されたCo−Zr系アモルファス軟磁性層3とhc
p構造からなるCo−Cr系垂直記録層5とを有する垂
直磁気記録媒体10において、前記軟磁性層3と前記垂
直記録層5との間に配置された、hcp構造を有するC
o−Cr−Ta系の非磁性層4を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は垂直磁気記録媒体に
係り、特に、軟磁性下地層を有しており高記録密度用に
好適な垂直磁気記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】垂直磁気記録方式は、実用化されている
現行の長手磁気記録方式よりも高密度記録が可能である
ことより、各所で研究開発が行なわれている。垂直磁気
記録方式に用いる記録媒体(単に、垂直磁気記録媒体ま
たは垂直媒体ともいう)の記録層としては、Co−Cr
系合金薄膜が、強い垂直磁気異方性を有し良好な記録特
性が得られることから、最も精力的に検討されている。
Co−Cr系合金薄膜は、hcpの結晶構造をとり、磁
化容易軸であるc軸が膜面に対して垂直方向に配向する
ことにより強い垂直磁気異方性を示す。
【0003】一方、高記録密度化のためには、高S/N
化する必要があり、そのため、磁気記録媒体の記録層の
薄層化すること、および保磁力Hc、角型比Rs(飽和
磁化Msに対する残留磁化Mrの比、Mr/Ms)を高
くすることが要求されている。しかし、垂直磁気記録媒
体の場合、膜厚を薄くすると、Hc、Rsが低下する傾
向が強い。更に、膜厚を薄くするとc軸分散角Δθ50
が大きくなり、垂直磁気異方性が弱くなって高密度記録
に適さなくなってしまう。
【0004】また、高S/N化以外に、高い信号安定性
を得るためにも高Hc化、高Rs化は重要である。これ
は、垂直磁気記録媒体の面内方向の寸法に対して膜厚が
極めて小さいために、垂直方向(膜厚方向)での反磁界
が大きく、Rsが低下しやすく、熱揺らぎの影響で記録
信号が劣化しやすいからである。
【0005】そこで、垂直磁気記録媒体の記録層(以
下,単に垂直記録層ともいう)の特性を改善するため、
垂直記録層と基板の間に挿入する下地層について、種々
の検討がなされている。例えばTi、TiCr、または
非磁性のCoCr(Cr成分が30at%以上)、Co
Ru、およびこれらを組合せたものが知られている。こ
れらはいずれも、垂直記録層と同じhcp構造であるこ
とを利用して、垂直記録層の垂直配向度を高めようとす
るものである。
【0006】また、基板と垂直記録層の間に、下地層と
して軟磁性下地層を有する、いわゆる2層垂直磁気記録
媒体(以下,単に2層垂直媒体ともいう)において、C
o−Zr系アモルファス膜は、軟磁性下地層と垂直記録
層の垂直配向促進層としての両方の機能を兼ね備えてお
り、特に有効であることが知られている。中でも、硬磁
性であるCoSmをピンニング層として、CoZr系軟
磁性下地層と基板の間に設けて、軟磁性下地層の磁壁の
発生を抑えて低ノイズ化及び高信号安定化を図ったもの
は更に有効である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、基板上に垂
直記録層のみが形成されている、いわゆる単層垂直磁気
記録媒体(以下、単に単層垂直媒体ともいう)は、記録
/再生(以下、単にR/Wともいう)の際に、磁気ヘッ
ドとの間で閉磁路が形成されにくいため、R/W効率が
悪く、実用には適さない。これは、上述のTi、TiC
r、または非磁性のCoCr(Cr成分30at%以
上)、CoRuといった下地層を設けても、同様であ
る。
【0008】また、垂直記録層の垂直配向性を高めるた
めに、これら下地層の垂直配向度を高める必要があり、
単層垂直媒体において垂直記録層の垂直配向性を高める
のと同様に、実現するのが困難である。
【0009】一方、軟磁性下地層を有する2層垂直媒体
の場合は、R/Wに際して、磁気ヘッドと垂直記録層を
通して軟磁性下地層との間で閉磁路が形成されるため、
R/W効率が高く、特に、軟磁性下地層をアモルファス
Co−Zr系から構成すると、c軸が膜面に対して垂直
方向に強く配向した垂直記録層を得やすいのであるが、
垂直記録層の膜厚を薄くするとHc、Rsが低下する傾
向が特に強いという欠点があり、解決を求められる課題
であった。
【0010】そこで,本発明は、垂直磁気記録媒体にお
いて、垂直記録層の膜厚を薄くできるようにし、これに
より、媒体ノイズが小さく、S/N及び信号安定性の高
い垂直磁気記録媒体を提供することを目的とするもので
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の手段として、本発明の垂直磁気記録媒体は、非磁性の
基板と、前記基板上に順次形成されたCo−Zr系アモ
ルファス軟磁性層とhcp構造からなるCo−Cr系垂
直記録層とを有する垂直磁気記録媒体において、前記軟
磁性層と前記垂直記録層との間に配置された、hcp構
造を有するCo−Cr−Ta系の非磁性層を有すること
を特徴とする垂直磁気記録媒体である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につ
き、好ましい実施例により、図面を参照して説明する。
図1は、本発明による垂直磁気記録媒体の一例を示す断
面構成図である。図1において、1は基板,2はピンニ
ング層、3は軟磁性下地層、4は非磁性中間層、5は垂
直記録層、6は保護層,及び10は垂直磁気記録媒体を
それぞれ示す。
【0013】<第1実施例>軟磁性下地層3と垂直記録
層5の間に,非磁性中間層4を設けた場合を説明する。 (実施例1)鏡面仕上した直径95mm、厚さ0.8m
mである円板状のガラス基板1上に、まず、厚さ150
nmのCo83−Sm17at%(83at%のCoと
17at%のSmからなる組成の合金を表す。以下の同
様の表示も同じ意味を表す)膜からなる硬磁性ピンニン
グ層2を、マグネトロンスパッタ法を用いて形成した。
成膜時の真空度は、0.06Paから0.13Paであ
り、Arガス雰囲気中で、基板1に対して、マグネトロ
ンの磁石によって、基板1の半径方向に略4000A/
mの磁界を加えており、ピンニング層2の磁化及び磁化
容易軸は基板1の半径方向に揃えてある。基板温度は室
温である。
【0014】次に、ピンニング層2の上に、厚さ350
nmのCo88−Zr7−Nb5at%膜からなるCo
−Zr系アモルファス軟磁性下地層3を、基板温度が室
温、その他の条件はピンニング層2のスパッタ条件と同
様の条件で、形成した。従って、軟磁性下地層3の磁化
及び磁化容易軸は基板1の半径方向に揃っている。
【0015】次に、厚さ20nmであるCo−Cr系の
Co62−Cr37−Ta0.5Nb0.5at%の組
成を有する非磁性中間層4と、厚さ15nmであるCo
−Cr系のCo77.4−Cr20−Ta1.3−Nb
1.3at%の組成を有する垂直記録層5と、厚さ5n
mのカーボンからなる保護層6とを、順次、基板温度が
300℃、マグネトロン磁界(略4000A/Mの強
さ)を印加して、Arガス雰囲気で、真空度0.06P
aから0.13Paで、マグネトロンスパッタリング法
により形成し、実施例1の垂直磁気記録媒体10を得
た。なお、これらの各膜の形成は,同一のスパッタリン
グ装置で、連続して行った。
【0016】得られた垂直記録媒体10に関し、以下の
特性を測定した。まず、垂直記録層5及び非磁性中間層
4の組成をICP発光分光分析により同定した。ここ
で、組成分析用の試料としては、垂直記録層5及び非磁
性中間層4を形成するときに、基板1とは別に配置した
ガラス基板上に形成された各膜を用いた。
【0017】また、垂直磁気記録媒体10の信号記録再
生特性を評価した。垂直磁気記録媒体10への信号記録
には、トラック幅10μm、主磁極厚0.2μm、コイ
ルタ−ン数26のインダクティブ単磁極(SPT)ヘッ
ドを用い、信号再生には、トラック幅0.7μmの巨大
磁気抵抗効果型(GMR)ヘッドを用いた。ディスク状
の垂直磁気記録媒体10を回転させて、その上に配置し
たSPTヘッド及びGMRヘッドとの相対速度(線速
度)を7.1m/sとした。ここで各ヘッドの浮上量は
約30nmであった。
【0018】ここで、7MHz(50kfciに相当)
の正弦波信号を記録し、スペクトルアナライザーを用い
て、帯域25MHz、レゾリュ−ション帯域幅30kH
zの条件で測定し、信号Sとして、再生した出力信号の
peak−to−peak値Sをとり、ノイズNとし
て、ヘッドアンロード時の測定系のノイズを差し引いた
ACイレーズ状態における媒体ノイズNをとり、S/N
とした。S/Nは33.4dBであった。結果を表1に
示す。
【0019】(実施例2)実施例1の垂直磁気記録媒体
10において、垂直記録層5の厚さを25nmとした以
外は、実施例1と同様にして、実施例2の垂直磁気記録
媒体10を得、S/Nを測定した。S/Nは36.8d
Bであった。結果を表1に示す。
【0020】(実施例3)実施例1の垂直磁気記録媒体
10において、垂直記録層5の厚さを30nmとした以
外は、実施例1と同様にして,実施例3の垂直磁気記録
媒体10を得、S/Nを測定した。S/Nは35.9d
Bであった。結果を表1に示す。
【0021】(比較例1)実施例1の垂直磁気記録媒体
10において、非磁性中間層4を設けず、垂直記録層5
の厚さを25nmとした以外は、実施例1と同様にし
て、比較例1の垂直磁気記録媒体を得、S/Nを測定し
た。S/Nは27.2dBであった。結果を表1に示
す。
【0022】(比較例2)実施例1の垂直磁気記録媒体
10において、非磁性中間層4を設けず、垂直記録層5
の厚さを40nmとした以外は、実施例1と同様にし
て、比較例2の垂直磁気記録媒体を得、S/Nを測定し
た。S/Nは34.8dBであった。結果を表1に示
す。
【0023】(比較例3)実施例1の垂直磁気記録媒体
10において、非磁性中間層4を設けず、垂直記録層5
の厚さを50nmとした以外は、実施例1と同様にし
て、比較例3の垂直磁気記録媒体を得、S/Nを測定し
た。S/Nは34.5dBであった。結果を表1に示
す。
【0024】(比較例4)実施例1の垂直磁気記録媒体
10において、非磁性中間層4を設けず、垂直記録層5
の厚さを60nmとした以外は、実施例1と同様にし
て、比較例4の垂直磁気記録媒体を得、S/Nを測定し
た。S/Nは32.6dBであった。結果を表1に示
す。
【0025】(比較例5)実施例1の垂直磁気記録媒体
10において、非磁性中間層4を設けず、垂直記録層5
の厚さを70nmとした以外は、実施例1と同様にし
て、比較例4の垂直磁気記録媒体を得、S/Nを測定し
た。S/Nは31.3dBであった。結果を表1に示
す。
【0026】
【表1】
【0027】また、表1の内容を図2に示す。図2は、
垂直記録層の膜厚とS/Nの関係を示すグラフ図であ
る。図2に示すように、非磁性中間層4を設けない場合
には、垂直記録層5の厚さが40nmから50nmの領
域で最大のS/Nを示すが、その値は35dB以下であ
る。
【0028】これに対して、非磁性中間層4を設けた場
合には、垂直記録層5の厚さが25nm近辺の、比較例
の場合に比較して薄い領域で、最大のS/Nを示し、そ
の値も35dB以上と大きいものである。すなわち、C
o62−Cr37−Ta0.5Nb0.5at%の非磁
性中間層4を設けることにより、薄いCo77.4−C
r20−Ta1.3−Nb1.3at%垂直記録層5に
おいても、高いS/Nを得ることができる。
【0029】<第2実施例>ここでは、第1実施例で高
いS/Nを示した厚さ25nmの垂直記録層5の場合に
ついて、非磁性中間層4の効果を明らかにした。
【0030】(実施例4)上述の実施例2(厚さ25n
mのCo77.4−Cr20−Ta1.3−Nb1.3
at%垂直記録層5、厚さ20nmのCo62−Cr3
7−Ta0.5Nb0.5at%非磁性中間層4を有す
る)において、非磁性中間層4の厚さを10nmとした
以外は、実施例2と同様に実施例4の垂直記録媒体10
を得、同様にS/Nを測定した。S/Nは33.7dB
であった。
【0031】また、7MHzの信号を記録する場合のN
I50を測定した。NI50は0.125A・tであっ
た。結果を表2に示す。ここでNI50は、飽和再生出
力の50%出力が得られるところの記録ヘッドの起磁力
(記録電流A×コイルターン数t)を示し、記録感度の
指標であり、小さいほど、少ない起磁力で記録でき、記
録感度が高いことを示す。
【0032】(実施例2)上述の実施例2において、S
/N(36.8dB)に加えて、さらにNI50を測定
した。NI50は0.1.38A・tであった。結果を
表2に示す。
【0033】(実施例5)実施例2において、非磁性中
間層4の厚さを25nmとした以外は、実施例2と同様
に実施例5の垂直記録媒体を得、同様にS/Nを測定し
た。S/Nは36.4dBであった。また、NI50を
測定した。NI50は0.151A・tであった。結果
を表2に示す。
【0034】(実施例6)実施例2において、非磁性中
間層4の厚さを30nmとした以外は、実施例2と同様
に実施例5の垂直記録媒体を得、同様にS/Nを測定し
た。S/Nは36.1dBであった。また、NI50を
測定した。NI50は0.156A・tであった。結果
を表2に示す。
【0035】
【表2】
【0036】なお、表2には、上述の比較例1も比較の
ために示してある。また、表2の内容を図3に示す。図
3は、非磁性中間層の膜厚とS/N及びNI50の関係
を示すグラフ図である。垂直記録層の厚さが25nmの
場合、非磁性中間層が無い(比較例1)と、S/Nは2
7.2dBと低いのに対して、非磁性中間層を設けるこ
とでS/Nは大きく向上する。図2の傾向からみて、1
5nmから30nm厚さの非磁性中間層を設けることが
特にS/N向上に有効(35dB以上である)であると
いえる。ただし厚くなり過ぎると、NI50が大きくな
り記録感度が低下する。これは、非磁性中間層によって
垂直記録層と軟磁性層との間の磁気的なスペーシングが
大きくなるためである。したがって非磁性中間層の膜厚
は、以上の結果を考慮に入れて、使われるシステムに応
じて最適な値を決定すればよい。
【0037】次に、垂直記録層を同様にするとともに、
非磁性中間層をCo62−Cr38at%又はCo67
−Cr30−Ta3at%の層より構成した場合につい
ても同様に調べたところ、Co62−Cr37−Ta
0.5−Nb0.5at%の場合とほぼ同等のS/N特
性が得られた。しかしながらCo62−Cr38at%
の場合、全体にバースト状ノイズが観測され、ノイズ特
性に関しては、Co−Cr−Ta系もしくはCo−Cr
−Ta−Nb系の非磁性中間層の方が良好であった。
【0038】<第3実施例>非磁性中間層を膜厚30n
mのCo67−Cr30−Ta3at%とした場合につ
いて、説明する。
【0039】(実施例7)実施例1において、垂直記録
層5を15nmとし、非磁性中間層4を実施例1におけ
ると同様の方法で、厚さ30nmのCo67−Cr30
−Ta3at%膜より形成した以外は、実施例1と同様
にして、実施例7の垂直磁気記録媒体10を得て、垂直
記録層5の抗磁力Hc及び角型比Rsを、カー効果を用
いて測定した。Hcは17.8×104A/m、Rsは
65であった。結果を表3に示す。
【0040】(実施例8)実施例1において、垂直記録
層5を20nmとし、非磁性中間層4を実施例1におけ
ると同様の方法で、厚さ30nmのCo67−Cr30
−Ta3at%膜より形成した以外は、実施例1と同様
にして、実施例8の垂直磁気記録媒体10を得て、垂直
記録層5のHc及びRsを測定した。Hcは21.2×
104A/m、Rsは73であった。結果を表3に示
す。
【0041】(実施例9)実施例1において、垂直記録
層5を25nmとし、非磁性中間層4を実施例1におけ
ると同様の方法で、厚さ30nmのCo67−Cr30
−Ta3at%膜より形成した以外は、実施例1と同様
にして、実施例9の垂直磁気記録媒体10を得て、垂直
記録層5のHc及びRsを測定した。Hcは26.8×
104A/m、Rsは75であった。結果を表3に示
す。
【0042】(実施例10)実施例1において、垂直記
録層5を40nmとし、非磁性中間層4を実施例1にお
けると同様の方法で、厚さ30nmのCo67−Cr3
0−Ta3at%膜より形成した以外は、実施例1と同
様にして、実施例10の垂直磁気記録媒体10を得て、
垂直記録層5のHc及びRsを測定した。Hcは28.
2×104A/m、Rsは76であった。結果を表3に
示す。
【0043】(比較例6)実施例1において、垂直記録
層5を20nmとし、非磁性中間層4を設けなかった以
外は実施例1と同様にして、比較例6の垂直磁気記録媒
体を得て、垂直記録層5のHc及びRsを測定した。H
cは7.3×104A/m、Rsは23であった。結果
を表3に示す。
【0044】(比較例7)実施例1において、垂直記録
層5を30nmとし、非磁性中間層4を設けなかった以
外は実施例1と同様にして、比較例7の垂直磁気記録媒
体を得て、垂直記録層5のHc及びRsを測定した。H
cは20.2×104A/m、Rsは51であった。結
果を表3に示す。
【0045】
【表3】
【0046】なお、表3には、上述の比較例3及び6も
比較のために示してある。また、表3の内容を図4及び
5に示す。図4は、垂直記録層の膜厚とHcの関係を示
すグラフ図であり、図5は、垂直記録層の膜厚とRsの
関係を示すグラフ図である。
【0047】図4及び5より、非磁性中間層の有無で比
較すると、Cr67−Cr30−Ta3at%の非磁性
中間層を設けることにより、垂直記録層の厚さを25n
m程度に薄くしても、Hc>2.4×104A/m、R
s>0.7である良好な磁気特性が得られることが分か
る。
【0048】<第4実施例>Co67−Cr30−Ta
3at%からなる非磁性中間層の膜厚を変えた場合につ
いて、説明する。
【0049】(実施例11)実施例1において、垂直記
録層の厚さを20nmとし、非磁性中間層4を実施例1
におけると同様の方法で、厚さ17nmのCo67−C
r30−Ta3at%膜より形成した以外は、実施例1
と同様にして、実施例11の垂直磁気記録媒体10を得
て、垂直記録層5のHc及びRsを、カ−効果を用いて
測定した。Hcは20.2×104A/m、Rsは68
であった。結果を表4に示す。
【0050】(実施例12)実施例1において、垂直記
録層の厚さを20nmとし、非磁性中間層4を実施例1
におけると同様の方法で、厚さ45nmのCo67−C
r30−Ta3at%膜より形成した以外は、実施例1
と同様にして、実施例11の垂直磁気記録媒体10を得
て、垂直記録層5のHc及びRsを、カ−効果を用いて
測定した。Hcは22.4×104A/m、Rsは79
であった。結果を表4に示す。
【0051】
【表4】
【0052】なお、表4には、上述の実施例8及び比較
例6も比較のために示してある。又、表4の内容を、図
6及び7に示す。図6は、非磁性中間層の膜厚とHcの
関係を示すグラフ図であり、図7は、非磁性中間層の膜
厚とRsの関係を示すグラフ図である。
【0053】図6及び7より分かるように、Co67−
Cr30−Ta3at%膜非磁性中間層を15nm以上
設けることで、垂直磁気記録媒体のHc及びRsは高く
なる。すなわち、上述の第1実施例における電磁特性の
結果と合わせて考えると、非磁性中間層を15nm以上
設けた結果、垂直記録層を膜厚25nmの薄い垂直記録
層より構成しても、Hc、Rsが高くなり、高いS/N
が得られることが分かる。
【0054】なお、上述の垂直記録層及び非磁性中間層
は、X線回折の結果、いずれもhcp構造をとることが
確認されている。ここで、Co−Zr−Nbアモルファ
ス軟磁性下地層は、hcp構造からなるCo−Cr−T
a系合金のc軸を垂直に配向させる効果が高いので、非
磁性中間層の垂直配向性が高くなり、垂直記録層を連続
したhcp構造とすることで、垂直記録層の垂直配向性
も高くなり、良好な特性を有する垂直磁気記録媒体が得
られるものである。以上、非磁性中間層としてCo−C
r−Taについて説明したが、hcp構造からなるCo
−Cr−Ta系合金で、実質的に非磁性となる組成であ
れば良く、Co−Cr−Taに、Pt,Nb、Mo,
W、Ruなどを添加したもの、及びこれらを複数添加し
たものでも良い。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の垂直磁気
記録媒体は、軟磁性層と垂直記録層との間に配置され
た、hcp構造を有するCo−Cr−Ta系の非磁性層
を有することにより、垂直記録層の膜厚を薄くできるよ
うにし、これにより、媒体ノイズが小さく、S/N及び
信号安定性の高い垂直磁気記録媒体を提供することがで
きるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による垂直磁気記録媒体の一例を示す断
面構成図である。
【図2】垂直記録層の膜厚とS/Nの関係を示すグラフ
図である。
【図3】非磁性中間層の膜厚とS/N及びNI50の関
係を示すグラフ図である。
【図4】垂直記録層の膜厚とHcの関係を示すグラフ図
である。
【図5】垂直記録層の膜厚とRsの関係を示すグラフ図
である。
【図6】非磁性中間層の膜厚とHcの関係を示すグラフ
図である。
【図7】非磁性中間層の膜厚とRsの関係を示すグラフ
図である。
【符号の説明】
1…基板、2…ピンニング層、3…軟磁性下地層、4…
非磁性中間層、5…垂直記録層、6…保護層、10…垂
直磁気記録媒体。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性の基板と、前記基板上に順次形成さ
    れたCo−Zr系アモルファス軟磁性層とhcp構造か
    らなるCo−Cr系垂直記録層とを有する垂直磁気記録
    媒体において、 前記軟磁性層と前記垂直記録層との間に配置された、h
    cp構造を有するCo−Cr−Ta系の非磁性層を有す
    ることを特徴とする垂直磁気記録媒体。
JP2000381516A 2000-12-15 2000-12-15 垂直磁気記録媒体 Pending JP2002183927A (ja)

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