JP2001101651A - 磁気記録媒体および磁気記憶装置 - Google Patents

磁気記録媒体および磁気記憶装置

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JP2001101651A JP28242499A JP28242499A JP2001101651A JP 2001101651 A JP2001101651 A JP 2001101651A JP 28242499 A JP28242499 A JP 28242499A JP 28242499 A JP28242499 A JP 28242499A JP 2001101651 A JP2001101651 A JP 2001101651A
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哲也 神邊
Yoshinori Honda
好範 本田
Toshinori Ono
俊典 大野
Yotsuo Yaku
四男 屋久
Shigehiko Fujimaki
成彦 藤巻
Hiroyuki Kataoka
宏之 片岡
Satoru Matsunuma
悟 松沼
Yoshio Takahashi
由夫 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、高密度な情報の記録再生が可
能で信頼性の高い磁気記憶装置を提供することである。 【解決手段】磁気記録媒体と、これを記録方向に駆動す
る駆動部と、記録部と再生部から成る磁気ヘッドと、上
記磁気ヘッドを上記磁気記録媒体に対して相対運動させ
る手段と、上記磁気ヘッドへの信号入力と該磁気ヘッド
からの出力信号再生を行うための記録再生信号処理手段
を有する磁気記憶装置において、前記磁気ヘッドの再生
部がスピンバルブ型磁気ヘッドで構成し、かつ、磁性層
がhcp構造を有すCoを主成分とした合金と、3mol%以上、
50mol%以下の酸化物、または窒化物から構成され、該Co
合金が該酸化物、または窒化物によって分断された柱状
構造をとり、磁化容易軸が実質的に基板面と略平行方向
に配向している磁気記録媒体を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1平方インチ当た
り20ギガビット以上の記録密度を有する磁気記憶装置
と、これを実現するための低ノイズ、高分解能で、かつ
熱磁気緩和による再生出力の減衰が抑制された高い安定
性を有す薄膜磁気記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】面内磁気記録媒体の高密度記録化には、
保磁力の向上と媒体ノイズの低減が不可欠である。高保
磁力化のためには、磁性層の磁化容易軸であるc軸の面
内配向成分を向上させる必要がある。NiP/Al基板を用い
た媒体では、基板上に形成されたCr、またはこれにTi,
Mo, V等を添加したCr合金下地層が(100)面を基板面に平
行にした配向(以下、(100)配向と略す)をとるため、
磁性層はエピタキシャル成長により、c軸を膜面内に向
けた(11.0)配向をとる。このため磁化容易軸を膜面内方
向へ配向させることが可能であった。しかし、ガラス基
板を用いた場合、Cr合金下地層がより安定な(110)配向
をとるため、磁化容易軸を面内配向させることができな
い。これを解決するために基板とCr合金下地層の間に更
にシード層と呼ばれる新たな層を形成することによって
該下地層に(100)配向をとらせる技術が提案されてい
る。このようなシード層材料としてはTa(特開平4-1884
27)やMgO(J. Appl. Phys. 67, 3638 (1995))等が開
示されている。また、上記手法とは別に、磁化容易軸を
面内配向させる手法として、B2構造のNiAl合金シード層
の導入が提案されている(IEEE Trans. Magn. vol. 30,
3099 (1992))。該シード層上ではCr合金下地は(211)
配向をとるため、磁性層にエピタキシャル成長により(1
0.0)配向をとらせることが可能となる。(10.0)配向も(1
1.0)配向と同様、c軸が膜面内方向を向くため強い面内
異方性により、高い保磁力が得られる。このようなB2
造のシード層材料としてはNiAlの他、CoTi(J. Appl. P
hys. 85, 4298 (1999))が報告されている。
【0003】一方、媒体ノイズの低減には磁性結晶粒の
微細化、磁性粒子間相互作用の低減が不可欠である。酸
化物等の非磁性マトリクス中に磁性結晶粒が分散したグ
ラニュラー型磁気記録媒体(Appl. Phys. Lett. 52, 51
2 (1998))は、磁性粒径が微細であると同時に、酸化物
相によって粒子間交換相互作用が低減されているため、
優れた低ノイズ特性を示す。但し、グラニュラー媒体は
通常の成膜では、磁性結晶が微細になりすぎて高い保磁
力が得られず、また、熱揺らぎの影響も強くうけるた
め、記録信号の経時的な減衰が著しく、高い信頼性が得
られない。これを改善するための手法として、成膜後の
真空熱処理(特開平7-98835)や、高周波バイアス印加
(特開平8-45073)、より磁気異方性定数の高いCo磁性
合金の導入等(特開平7-311929)が提案されている。
【0004】しかし、グラニュラー媒体は磁化容易軸が
ほぼ3次元ランダム的に配向しているため、上記手法で
磁性粒径を肥大化させても、1平方インチ当たり20ギ
ガビット以上の高密度記録に対して十分な保磁力、及び
保磁力角形比が得られない。これは、磁性層が酸化物、
窒化物を含有するため、下地層表面が酸化、窒化され、
磁性層のエピタキシャル成長が阻害されるためである。
これに対し、特開平9-81936では、下地層上に酸化物や
窒化物を含有しない第一の磁性層を形成した後、酸化物
や窒化物を含有する第二の磁性層を形成することによっ
て、該第二の磁性層をエピタキシャル成長させ、高保磁
力媒体が得られることが開示されている。しかし、グラ
ニュラー構造をとらない第一の磁性層も記録層として作
用するため、十分な低ノイズ効果が得られない。また、
特開平10-302242にはTiやNiAl等のシード層とCrを主成
分とした下地層の導入により、酸化物、窒化物を含有す
る磁性層の磁化容易軸を膜面内方向に配向させ、高い保
磁力が得られることが開示されている。しかし、保磁力
は高々3000エルステッド以下であり、400kFCI以上の高
い線記録密度に対しては十分でない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、グラニ
ュラー構造の媒体は低ノイズではあるが、高記録密度化
を実現するには、更に保磁力、及び保磁力角形比を向上
させ、熱擾乱に対する十分な安定性を得る必要である。
【0006】本発明の目的はグラニュラー媒体におい
て、磁性層をエピタキシャル成長させることにより、磁
化容易軸を面内配向させ、高保磁力化、高保磁力角形比
化を図るものである。これにより、高密度記録に必要な
良好な磁気特性と、熱磁気緩和に対する十分な安定性を
有す磁気記録媒体を提供することができる。更に高感度
な磁気ヘッドと組み合わせ、条件を最適化することによ
り、1平方インチ当たり20ギガビット以上の記録密度
を持った信頼性の高い磁気記憶装置を提供することがで
きる。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は、磁性層がhc
p構造を有すCoを主成分とした合金と、3mol%以上、50mo
l%以下の酸化物、または窒化物から構成され、該Co合金
が該酸化物、または窒化物によって分断された柱状構造
をとり、磁化容易軸が実質的に基板面と略平行方向に配
向していることを特徴とする磁気記録媒体と、これを記
録方向に駆動する駆動部と、記録部と再生部から成る磁
気ヘッドと、上記磁気ヘッドを上記磁気記録媒体に対し
て相対運動させる手段と、上記磁気ヘッドへの信号入力
と該磁気ヘッドからの出力信号再生を行うための記録再
生信号処理手段を有する磁気記憶装置において前記磁気
ヘッドの再生部が磁気抵抗効果型磁気ヘッドで構成され
る磁気記憶装置により達成される。図1に本発明媒体の
層構成と磁性層の模式的構造を示す。基板上10に第一の
下地層11(以下、シード層と略す)、第二の下地層12
(以下、下地層と略す)、第三の下地層13(以下、中間
層と略す)を介して磁性層14が形成されている。尚、同
図では保護膜と潤滑膜は省略してある。磁性層はコラム
構造を有すCo合金結晶からなる磁性相15と酸化物、また
は窒化物からなる非磁性マトリックス相16からなり、該
Co合金結晶は概ね1〜3nm幅の非磁性マトリックス相によ
って分離されている。更に、前記Co合金結晶は中間層上
にエピタキシャル成長しており、 (11.0)配向、または
(10.0)配向をとっている。このため、磁化容易軸である
c軸は膜面内方向に配向している。
【0008】磁性層の(11.0)配向は、シード層としてMg
O, NiP, Ta, CoCrZr, NiTa, NiNb合金等を形成し、下地
層としてCrを主成分としたbcc構造の合金を形成し、中
間層としてCoを主成分としたhcp構造の非磁性合金等を
用いることによって実現される。上記シード層上ではCr
合金下地層が(100)配向をとるため、該下地層上に形成
されたhcp構造の中間層はエピタキシャル成長して(11.
0)配向をとる。該中間層の主成分であるCoの酸化物生成
自由エネルギーはCrよりも高いため、中間層表面でのCo
合金の酸化物生成が抑制される。このため、該中間層上
に、Coを主成分として酸化物、または窒化物を含有した
磁性層を形成した場合、該磁性層初期層におけるCo合金
の酸化物層の形成が抑制され、Co合金はエピタキシャル
成長により、(11.0)配向をとる。更に該磁性層形成時に
適度な直流、または交流バイアスを印加することによ
り、磁化容易軸を面内方向に配向させた柱状構造のCo磁
性合金が、酸化物、または窒化物によって分断された構
造を有す磁性層を得ることができる。
【0009】シード層材料としては、Cr、又はCr合金下
地層を(100)配向化させることができれば、特に制限し
ない。また、下地層材料としては、Cr 、またはこれにT
i, Mo, V, W, Mn等を添加して格子定数を増加させたbcc
構造のCr合金を用いてもよい。また、基板には結晶化ガ
ラス、強化ガラス、カーボン、NiPメッキを施したAl-Mg
合金等を用いることができる。
【0010】中間層材料としては、Coを主成分とし、非
磁性化のためにCr, V, Mnから選ばれた少なくとも一つ
の元素を25at%以上、50at%以下含有する合金等が用いら
れる。25at%未満では非磁性化が不十分であり、50at%を
上回るとhcp構造が崩れるため好ましくない。更に、格
子定数制御等を目的としてW, Mo, Ta, Pt, Ti, Nb, Al,
Cu, Ru, Pdから選ばれた少なくとも一つの元素を20at%
以下含有していてもよい。20at%を上回るとhcp構造が崩
れるため好ましくない。該中間層は非磁性であることが
望ましいが、残留飽和磁束密度Brと膜厚tの積Br・tが、
磁性層のBr・tの20%以下であれば、弱い磁化をもってい
ても実用上問題はないことが予備検討の結果、確認され
た。
【0011】また、酸素との親和性の低いAgを中間層と
して用いてもよい。Agのa軸長aAgと、Crのa軸長aCrを用
いて(aAg-√2aCr)/√2aCr×100(%)と定義した格子ミス
フィットは2%以下であるため、(100)配向したCr合金下
地層上に形成されたAg中間層はエピタキシャル成長によ
り(100)配向をとる。よって、その上に形成されたCo磁
性合金もエピタキシャル成長により(11.0)配向をとり、
hcp構造のCo合金中間層を用いた場合と同様、Co磁性合
金の磁化容易軸を面内配向させることができる。上記Ag
中間層は、格子ミスフィットが5%以下で、かつfcc構造
をとっていれば、他の元素を含有したAg合金中間層でも
よい。
【0012】更に中間層として、AlCo, NiAl, CoTi, Cu
Pd, MnV, NiTiから選ばれた少なくとも一つのB2構造の
金属間化合物を用いることもできる。これらの金属間化
合物のa軸長と、Crのa軸長aCrとの格子ミスフィットは
いずれも5%以下であるため、(100)配向したCr合金下地
層上に形成された該金属間化合物はエピタキシャル成長
により(100)配向をとる。該金属間化合物は、イオン結
合性結晶であるため、酸素と結合しにくく、表面での酸
化物生成が抑制される。よって、該金属間化合物上に形
成された磁性層中のCo磁性合金もエピタキシャル成長に
より(11.0)配向をとり、磁化容易軸を面内配向させるこ
とができる。該磁性層をバイアス印加しながら形成する
ことによって、磁化容易軸を面内方向に配向させた柱状
構造のCo磁性合金と、酸化物、または窒化物の粒界相か
らなる磁性層を実現することができる。
【0013】一方、磁化容易軸の面内配向化はCo磁性合
金に(10.0)配向をとらせることによっても実現できる。
磁性層の(10.0)配向は、シード層としてB2構造のNiAl,
CoTi, CoAl, NiTi, MnV合金等合金等を形成し、下地層
としてCrを主成分としたbcc構造の合金を形成し、中間
層としてCoを主成分としたhcp構造の非磁性合金等を用
いることによって実現される。シード層としては上記B2
構造の合金等の他に、例えば、L21構造、C11b構造を有
する材料を使用しても良い。これらのシード層上に形成
されたCr、またはCr合金下地層は(211)配向をとるた
め、該下地層上に上述のhcp構造のCo合金中間層を形成
した場合、各中間層はエピタキシャル成長により、それ
ぞれ(10.0)配向をとる。該中間層上に、バイアス印加の
下で磁性層を形成することにより、酸化物、または窒化
物の粒界相によって分離され、かつ磁化容易軸を面内方
向に配向させた柱状構造のCo磁性合金からなる磁性層を
実現することができる。
【0014】磁性層中のCo合金結晶が上記いずれの配向
をとった場合でも、強い面内磁気異方性による高い保磁
力と保磁力角形比が得られる。更に、いずれの場合も磁
性層が磁気的孤立度の高い微細な磁性粒径から構成され
るため、低ノイズな磁気記録媒体が得られる。また、磁
性層中の全てのCo合金結晶が面内配向している必要はな
い。磁性層中のCo合金が主として(11.0)配向した場合
は、X線回折プロファイルに於ける磁性層の(11.0)面か
らの回折ピーク強度が、磁性層の他のいかなる面からの
回折ピークの強度に対しても2倍以上であれば、上記効
果を得ることができる。また、磁性層中のCo合金が主と
して(10.0)配向した場合は、磁性層の(10.0)面からの回
折ピーク強度が、磁性層の他のいかなる面からの回折ピ
ークの強度よりも大きければ、上記効果を得ることがで
きる。また、磁性層形成時のバイアス印加は、磁性結晶
粒の極度の微細化を抑制すると同時に、非磁性マトリク
ッスによる磁性結晶の分断を促進するためのものであ
り、直流バイアス、交流バイアスのいずれであってもよ
い。hcp構造をとる合金であれば、Co磁性合金の組成は
特に限定しないが、高保磁力を得るためPtを含有するこ
とが望ましい。
【0015】非磁性マトリックス材料としては、SiO2,
TiO2, ZrO2, Al2O3, Y2O3から選ばれた酸化物、またはS
i3N4, TiN, ZrNから選ばれた窒化物が好ましい。これら
は酸素、または窒素との親和性が強いため、Coの酸化、
または窒化が抑制されるためである。該非磁性マトリッ
クス材料の濃度は、磁性層を構成する全元素に対して3m
ol%以上、50mol%以下が望ましい。3mol%未満では磁性結
晶粒間の交換相互作用を十分に低減できず、また、50mo
l%を上回ると磁性結晶粒が微細になりすぎ、好ましくな
い。磁性結晶粒の平均粒径が4nm未満では熱揺らぎの影
響が顕著となり、10nmを上回ると十分な低ノイズ特性が
得られなくなるため、平均粒径は4nm以上、10nm以下で
あることが好ましい。ここで結晶粒径は、結晶粒と同一
面積の真円の直径と定義し、平面TEM像を用いて計測し
た100〜200個程度の結晶粒径の算術平均を平均粒径とす
る。
【0016】媒体の磁気特性としては、膜面内方向に磁
界を印加して測定した保磁力を3500エルステッド以上と
し、残留磁束密度Brと膜厚 t の積Br×tを30ガウス・ミ
クロン以上、70ガウス・ミクロン以下とすると、1平方
インチ当たり20ギガビット以上の記録密度領域におい
て、良好な記録再生特性が得られるので好ましい。円周
方向の保磁力が3500エルステッドよりも小さくなると、
高記録密度(450kFCI以上)での出力が小さくなり好ま
しくない。また、Br×tが70ガウス・ミクロンより大き
くなると分解能が低下し、30ガウス・ミクロンよりも小
さくなると再生出力が小さくなり好ましくない。更に膜
面内方向に磁界を印加して測定した保磁力を、垂直方向
の保磁力の10倍以上とすることにより、良好な重ね書き
特性が得られる。
【0017】磁性層上に保護膜として膜厚3〜15nmのカ
ーボンを形成し、パーフルオロアルキルポリエーテル系
の潤滑層を2〜3nm設けることにより、高い信頼性が得ら
れる。保護膜として窒素、水素等を添加したカーボンを
用いることにより、耐摺動性、耐食性を向上させること
が出来る。
【0018】上記磁気記録装置で用いている磁気ヘッド
の磁気抵抗センサ部は、互いの磁化方向が外部磁界によ
って相対的に変化することによって大きな抵抗変化を生
じる複数の導電性磁性層と、その導電性磁性層の間に配
置された導電性非磁性層によって構成されたスピン・バ
ルブ効果を利用したものとする。該抵抗センサ部を挟む
2枚のシールド層の間隔(シールド間隔)は0.15μm以下
が好ましい。これは、シールド間隔が0.15μm以上にな
ると分解能が低下し、信号の位相ジッターが大きくなっ
てしまうためである。
【0019】
【発明の実施の形態】<実施例1>結晶化ガラス基板上
にNi-37.5at%Ta合金シード層を70nm形成したのち、ラン
プヒーター加熱により150℃まで加熱し、更にCr-25at%T
i合金下地層を30nm、Co-34at%Cr中間層を30nm、(Co-25a
t%Pt)-(Al2O3)7mol%合金磁性層を14nm、カーボン保護膜
を8nm、真空中で連続的に形成した。磁性層以外の層の
成膜は、全てDCスパッタにより5mArのガス雰囲気中で行
い、磁性層の成膜のみ、RFスパッタにより30mTorrのガ
ス雰囲気中で行った。更に磁成層形成時に異なるDCバイ
アスを印加した媒体を作製した。DCバイアスは0Vから-3
00Vの範囲で変化させた。また、比較例として中間層を
形成しない媒体を上記と同一条件で作製した。
【0020】図2にCoCr中間層を形成した本実施例媒体
と、該中間層を形成しない比較例媒体について、保磁力
と磁性層形成時に印加した直流バイアス電圧との関係を
示す。中間層を形成した媒体の場合、DCバイアスは-150
V印加した場合に保磁力が最も高い媒体が得られた。比
較例媒体では最大2.2kOe程度の保磁力しか得られていな
いのに対し、中間層を設けた実施例媒体では4kOe以上の
高い保磁力が得られている。また、比較例媒体の保磁力
角形比が0.58であったのに対し、実施例媒体では0.81で
あった。以上、中間層導入により、面内磁気異方性が向
上し、高保磁力、高保磁力角形比が実現できることが分
かった。
【0021】<実施例2>結晶化ガラス基板上にNi-40a
t%Ta合金シード層を60nm形成したのち、ランプヒーター
加熱により150℃まで加熱し、更にCr-25at%Ti合金下地
層を50nm、表1に示した種々の中間層を10nm、(Co-25at%
Pt)-(Al2O3)12mol%合金磁性層を14nm、カーボン保護膜
を8nm、真空中で連続的に形成した。
【0022】
【表1】
【0023】磁性層以外の層の成膜は、全てDCスパッタ
により5mArのガス雰囲気中で行い、磁性層の成膜のみ、
RFスパッタにより30mTorrのガス雰囲気中で行った。更
に磁成層形成時に-150VのDCバイアスを印加した。ま
た、比較例として中間層を形成しない媒体を上記と同一
条件で作製した。
【0024】本実施例媒体の磁性層の平面TEM観察を行
ったところ、全ての媒体に於いて、粒径3〜10nm程度の
結晶粒が、幅2〜3nmの粒界相によって分断されたグラニ
ュラー構造が確認された。また、いずれの磁性層でも、
70〜90%以上の結晶粒に格子縞が観察され、電子線回折
測定によって得られた回折像には(10.0), (00.2), (10.
1)面からの3本の回折リングのみが観察された。よっ
て、磁性層は(11.0)配向していると考えられる。また、
断面TEM観察を行ったところ、全ての実施例媒体に於い
て、磁性層中の結晶は初期層から表面まで連続的に成長
したコラム構造をとっていることが確認された。尚、中
間層を形成していない比較例媒体でもグラニュラー構造
は確認されたが、配向はほぼ3次元ランダムで、磁性層
中の結晶粒の形状はほぼ球状であった。表1に示した様
に本実施例媒体は全て3.5kOe以上の高い保磁力と、0.7
以上の保磁力角形比S*を示した。また、記録密度450kFC
Iで記録した信号の、記録直後の再生出力E0と96時間後
の再生出力E96hを用いて(E0-E96h)/E0×100(%)と定義し
た再生出力の減衰率も2%以下と低く、熱的安定性にも
優れていることがわかった。特にCoCr中間層を用いた媒
体で規格化媒体ノイズが低く、CoMn中間層、CoV中間層
を用いた媒体でそれぞれ保磁力、及び保磁力角形比S*が
高かった。ここで、規格化媒体ノイズとは、記録密度45
0kFCIで記録したときの媒体ノイズを孤立再生波の出力
とトラック幅で規格化した値である。一方、比較例媒体
では、保磁力が低いため上記線記録密度で記録した場
合、ほぼ交流消磁状態となってしまった。また、上記中
間層に第三元素を添加した三元系中間層を用いた実施例
媒体では、全体的に保磁力が高く、再生出力の減衰率も
二元系中間層を用いた媒体よりも低く、より良好な耐熱
揺らぎ特性を有していることがわかった。
【0025】<実施例3>Al基板上に10nmのTaシード
層、50nmのCr-10at%Mo下地層、30nmのCo-30at%V-8at%W
中間層、16nmの磁性層、8nmのカーボン保護膜を真空中
で連続的に形成した。磁性層には、表2に示した種々の
材料を用いた。
【0026】
【表2】
【0027】実施例2と同様、磁性層のみ-150VのDCバイ
アスを印加しながらRFスパッタで成膜し、他の層は全て
DCスパッタで成膜した。
【0028】実施例1と同様、本実施例媒体も磁性層組
成に依らず磁性結晶はコラム構造をとっており、幅2〜3
nmの粒界相で分断されたグラニュラー構造であった。ま
た、X線回折プロファイルに於ける磁性層からの回折ピ
ークは、(11.0)ピークのみであった。表2に示した通
り、非磁性マトリックス材料にSiO2を用いた媒体で特に
低い媒体ノイズが得られている。また、TiO2, ZrO2を用
いた媒体では高い保磁力、及び高い保磁力角形比S*がそ
れぞれ得られた。更に非磁性マトリックス材料に窒化物
を用いた媒体では、酸化物を用いた場合よりも重ね書き
特性が良好であった。
【0029】これらの媒体に潤滑財を塗布したのち、磁
気ヘッドと共に図3(a), (b)に示した磁気記憶装置に組
み込んだ。図3(a)は磁気記憶装置を上面から見た模式
図、図3 (b)は図3(a)をAからAに沿って見た断面図であ
る。この装置は磁気ヘッド21、及びその駆動部22と、該
磁気ヘッドの記録再生信号処理手段23と磁気記録媒体24
とこれを回転させる駆動部25とからなる周知の構造を持
つ磁気記憶装置である。上記磁気ヘッドの構造を図4に
示す。この磁気ヘッドは基体31上に形成された記録用の
電磁誘導型磁気ヘッドと再生用のスピンバルブ型磁気ヘ
ッドを併せ持つ複合型ヘッドである。前記記録用ヘッド
はコイル32を挟む上部記録磁極33と下部記録磁極兼上部
シールド層34からなり、記録磁極間のギャップ層厚は0.
30μmとした。また、コイルには厚さ3μmのCuを用い
た。前記再生用ヘッドは磁気抵抗センサ35とその両端の
電極パタン36からなり、磁気抵抗センサは共に1μm厚の
下部記録磁極兼上部シールド層と下部シールド層37で挟
まれ、該シールド層間距離は0.15μmである。尚、図4で
は記録磁極間のギャップ層、及びシールド層と磁気抵抗
センサとのギャップ層は省略してある。
【0030】図5に磁気抵抗センサの断面構造を示す。
該センサの信号検出領域41は、酸化Alのギャップ層42上
に、厚さ5nmのTaバッファ層43、7nmの第一の磁性層44、
1.5nmのCu中間層45、3nmの第二の磁性層46、10nmのFe-5
0at%Mn反強磁性合金層47が順次形成された構造である。
前記第一の磁性層にはNi-20at%Fe合金を使用し、第二の
磁性層にはCoを使用した。反強磁性層からの交換磁界に
より、第二の磁性層の磁化は一方向に固定されている。
これに対し、第二の磁性層と非磁性層を介して接する第
一の磁性層の磁化の方向は、磁気記録媒体からの漏洩磁
界により変化するため、抵抗変化が生じる。再生用ヘッ
ドには、このような二つの磁性層の磁化の相対的方向の
変化に伴う抵抗変化を利用したスピンバルブ型磁気ヘッ
ドを使用した。信号検出領域の両端にはテーパー形状に
加工されたテーパー部48がある。テーパー部は、磁気抵
抗強磁性層を単磁区化するための永久磁石層49と、その
上に形成された信号を取り出すための一対の電極50から
なる。永久磁石層は保磁力が大きく、磁化方向が容易に
変化しないことが必要であり、CoCr、CoCrPt合金等が用
いられる。
【0031】上記装置について、線記録密度430kBPI、
トラック密度48kTPIの条件で記録再生特性を行ったとこ
ろ、装置S/N1.8と高い値が得られた。また、磁気ヘッド
への入力信号を16-17符号変調処理して出力信号に最尤
復号処理を施すことにより、1平方インチ当たり20ギガ
ビットの情報を記録再生することができた。また、媒体
の内周から外周までのヘッドシーク試験5万回後のビッ
トエラー数は10ビット/面以下であり、平均故障間隔で3
0万時間以上が達成出来た。
【0032】<実施例4>ガラス基板上にNi-50at%Alシ
ード層を100nm形成し、150℃まで加熱したのち、Cr-30a
t%V合金下地層を50nm、表3に示した種々の中間層を30n
m、(Co-25at%Pt)-(SiO2)20mol%磁性層を18nm、カーボン
保護膜を10nm、真空中で連続的に形成した。
【0033】
【表3】
【0034】磁性層成膜時にのみ基板に100WのRFバイア
スを印加した。比較例媒体として、中間層を形成しない
媒体を上記と同一の膜構成、及びプロセス条件で作製し
た。
【0035】TEM観察の結果、各媒体は粒径6〜10nmの結
晶粒が幅2〜3nmの粒界相で分離されたグラニュラー構造
をとっていることが確認された。また、X線回折プロフ
ァイルには、磁性層からは(10.0)ピークの他、弱い(00.
2)ピークも確認されたが、該(00.2)ピーク強度は(10.0)
ピーク強度の50%以下であった。本実施例媒体は、表3
に示したように3.5kOe以上の高い保磁力と0.7以上の高
いS*を示した。特にCoCrW, CoVTi, CoVNb中間層を用い
た媒体で保磁力が高く、CoMnTa, CoVRu, CoVPd中間層を
用いた媒体で高いS*が得られた。また、CoCrMo, CoVAl
中間層を用いた媒体で低ノイズであり、CoMnPt, CoVCu
中間層を用いた媒体で良好な重ね書き特性が得られた。
一方、比較例媒体では磁性結晶粒の配向がほぼ3次元ラ
ンダムとなり、保磁力、S*とも実施例媒体を大幅に下回
った。
【0036】本実施例媒体に潤滑剤を塗布した後、実施
例3で述べた装置に組み込み、線記録密度430kBPI、トラ
ック密度48kTPIの条件で記録再生特性を行ったところ、
装置S/N1.8と高い値が得られた。また、磁気ヘッドへの
入力信号を16-17符号変調処理して出力信号に最尤復号
処理を施すことにより、再生時のビット誤り率が1×10-
9以下となり、1平方インチ当たり20ギガビットの情報を
記録再生することができた。また、コンタクト・スター
ト・ストップ試験(CSS試験)を行ったところ、3万回
のCSSを行っても摩擦係数は0.2以下であった。
【0037】<実施例5>ガラス基板上にMgOシード層
を100nm形成した後、Cr-30at%Mo下地層を100nm、中間膜
として表4に示したB2構造を有す種々の合金、或いはAg
を30nm、(Co-8at%Cr-22at%Pt)-(TiO2)16mol%磁性層、カ
ーボン保護膜を形成した。
【0038】
【表4】
【0039】シード層の成膜はRFスパッタにて10mTorr
のArガス雰囲気中で行い、下地層、中間層、及びカーボ
ン保護膜はDCスパッタにより10mTorrのArガス雰囲気中
で形成した。磁性層は、DCスパッタによりCoCrPtTi合金
ターゲットを、Ar+30%O2混合ガス雰囲気中で成膜するこ
とによって形成した。磁性層形成時にのみ、基板に120W
のRFバイアスを印加した。
【0040】本実施例媒体でも、hcp-Co合金中間層を用
いた媒体と同様、磁性層はグラニュラー構造をとってお
り、磁性結晶粒はコラム構造であることが確認された。
磁性結晶粒の平均粒径は7.2nmであった。また、X線回折
測定の結果、CrMo下地層は(100)配向、該下地層上に形
成されたB2構造の中間層、及びAg中間層はともに(100)
配向、磁性層は(11.0)配向していることが確認された。
本実施例媒体の磁気特性、記録再生特性を表4に示す。
いずれの媒体も3.5kOe以上の高い保磁力と0.7以上の高
いS*を示した。また、実施例1で定義した再生出力の減
衰率も1%以下と、優れた耐熱揺らぎ特性を示した。
【0041】本実施例媒体に潤滑剤を塗布した後、実施
例2で述べた装置に組み込み、 線記録密度480kBPI、ト
ラック密度43.5kTPIの条件で記録再生特性を行ったとこ
ろ、装置S/N1.6と高い値が得られた。また、磁気ヘッド
への入力信号を8-9符号変調処理して出力信号に最尤復
号処理を施すことにより、1平方インチ当たり20ギガビ
ットの情報を記録再生することができた。また、媒体の
内周から外周までのヘッドシーク試験5万回後のビット
エラー数は10ビット/面以下であり、平均故障間隔で30
万時間以上が達成出来た。
【0042】
【発明の効果】本発明の磁気記録媒体は、高保磁力化、
及びノイズ低減効果を持つ。本発明の磁気記録媒体とス
ピンバルブ型磁気ヘッドを用いることにより、一平方イ
ンチ当たり20ギガビット以上の記録密度を有し、かつ平
均故障回数が30万時間以上の磁気記憶装置の実現が可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の磁気記録媒体の断面構造の
一例を示す模式図である。
【図2】本発明の一実施例の磁気記録媒体、及び比較例
媒体の保磁力のバイアス電圧依存性を示す図である。
【図3】図3(a)は、本発明の一実施例の磁気記憶装置
の平面模式図である。図3(b)は、図3(a)のA-A' 断面
図である。
【図4】本発明の磁気記憶装置における、磁気ヘッドの
断面構造の一例を示す斜視図である。
【図5】本発明の磁気記憶装置における、磁気ヘッドの
磁気抵抗センサ部の断面構造の一例を示す模式図であ
る。
【符号の説明】
10..基板 11...シード層 12...下地層 13...中間層 14...磁性層 15...磁性相 16...非磁性マトリックス相 21...磁気ヘッド 22...磁気ヘッド駆動部 23...記録再生信号処理系 24...気記録媒体 25...磁気記録媒体駆動部 31...基体 32...コイル 33...上部記録磁極 34...下部記録磁極兼上部シールド層 35...磁気抵抗センサ 36...導体層 37...下部シールド層 41...信号検出領域 42...シールド層と磁気抵抗センサの間のギャップ層 43...バッファ層 44...第一の磁性層 45...中間層 46...第二の磁性層 47...反強磁性層 48...テーパー部 49...永久磁石層 50...電極。
フロントページの続き (72)発明者 大野 俊典 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内 (72)発明者 屋久 四男 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内 (72)発明者 藤巻 成彦 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内 (72)発明者 片岡 宏之 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内 (72)発明者 松沼 悟 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 高橋 由夫 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 Fターム(参考) 5D006 BB01 BB02 BB07 CA01 CA06 DA03 FA09 5D034 BA02 CA04 5D112 AA03 AA05 AA11 AA24 BB05 BB07 BD03 BD04 FA04

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に形成された第1の下地層と、第1
    の下地層上に形成されかつbcc構造を有し(100)
    配向したCrを主成分とする合金を含有する第2の下地
    層と、第2の下地層上に形成されかつhcp構造を有し
    (11.0)配向したCoを主成分とする合金を含有す
    る第3の下地層と、第3の下地層上に形成されかつhc
    p構造を有し(11.0)配向したCoを主成分とする
    合金結晶および酸化物または窒化物を含有する磁性層と
    を有し、前記酸化物または窒化物の濃度は磁性層の全元
    素に対して3mol%以上50mol%以下であり、前
    記磁性層に含有されるCoを主成分とするhcp構造の
    合金結晶は前記酸化物または窒化物によって相互に分離
    されかつ前記Coを主成分とするhcp構造の合金結晶
    の磁化容易軸は基板面に対して実質的に平行に配向して
    いることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】基板上に形成されかつB2構造またはL21
    構造またはC11b構造の合金を含有する第1の下地層
    と、第1の下地層上に形成されかつbcc構造を有し
    (211)配向したCrを主成分とする合金を含有する
    第2の下地層と、第2の下地層上に形成されかつhcp
    構造を有し(10.0)配向したCoを主成分とする合
    金を含有する第3の下地層と、第3の下地層上に形成さ
    れかつhcp構造を有し(10.0)配向したCoを主
    成分とする合金結晶および酸化物または窒化物とを含有
    する磁性層とを有し、前記酸化物または窒化物の濃度は
    磁性層の全元素に対して3mol%以上50mol%以
    下であり、前記Coを主成分とするhcp構造の合金結
    晶は前記酸化物または窒化物によって相互に分離されか
    つ前記Coを主成分とするhcp構造の合金結晶の磁化
    容易軸は基板面に対して実質的に平行に配向しているこ
    とを特徴とする磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】前記Coを主成分とするhcp構造を有す
    る第3の下地層は、Cr、V、Mnのいずれかの元素を
    25at%以上、50at%以下含有し、更にW、M
    o、Ta、Pt、Ti、Nb、Al、Cu、Ru、Pd
    から選ばれた元素を少なくとも1種20at%以下含有
    していることを特徴とする請求項1または2に記載の磁
    気記録媒体。
  4. 【請求項4】基板上に形成された第1の下地層と、第1
    の下地層上に形成されかつbcc構造を有し(100)
    配向したCrを主成分とする合金を含有する第2の下地
    層と、第2の下地層上に形成されかつfcc構造を有し
    (100)配向したAgまたはAgを主成分とする合金
    あるいは(100)配向したB2構造の合金を含有する
    第3の下地層と、第3の下地層上に形成されかつhcp
    構造を有し(11.0)配向したCoを主成分とする合
    金結晶および酸化物または窒化物とを含有する磁性層と
    を有し、前記酸化物または窒化物の濃度は磁性層の全元
    素に対して3mol%以上50mol%以下であり、前
    記Coを主成分とするhcp構造の合金結晶は前記酸化
    物または窒化物によって相互に分離されかつ前記Coを
    主成分とするhcp構造の合金結晶の磁化容易軸は基板
    面に対して実質的に平行に配向していることを特徴とす
    る磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】磁気記録媒体と、磁気記録媒体を記録方向
    に駆動する駆動部と、記録用誘導ヘッドと再生用磁気抵
    抗ヘッドを併せ持つ複合型磁気ヘッドと、前記複合型磁
    気ヘッドからの入出力信号を処理する記録再生信号処理
    手段とを備えた磁気記憶装置において、前記磁気記録媒
    体は、基板上に形成された第1の下地層と、第1の下地
    層上に形成されかつbcc構造を有し(100)配向し
    たCrを主成分とする合金を含有する第2の下地層と、
    第2の下地層上に形成されかつhcp構造を有し(1
    1.0)配向したCoを主成分とする合金を含有する第
    3の下地層と、第3の下地層上に形成されかつhcp構
    造を有し(11.0)配向したCoを主成分とする合金
    結晶および酸化物または窒化物を含有する磁性層とを有
    し、前記酸化物または窒化物の濃度は磁性層の全元素に
    対して3mol%以上50mol%以下であり、前記磁
    性層に含有されるCoを主成分とするhcp構造の合金
    結晶は前記酸化物または窒化物によって相互に分離され
    かつ前記Coを主成分とするhcp構造の合金結晶の磁
    化容易軸は基板面に対して実質的に平行に配向している
    磁気記憶装置。
  6. 【請求項6】磁気記録媒体と、磁気記録媒体を記録方向
    に駆動する駆動部と、記録用誘導ヘッドと再生用磁気抵
    抗ヘッドを併せ持つ複合型磁気ヘッドと、前記複合型磁
    気ヘッドからの入出力信号を処理する記録再生信号処理
    手段とを備えた磁気記憶装置において、前記磁気記録媒
    体は、基板上に形成されかつB2構造またはL21構造ま
    たはC11b構造の合金を含有する第1の下地層と、第1
    の下地層上に形成されかつbcc構造を有し(211)
    配向したCrを主成分とする合金を含有する第2の下地
    層と、第2の下地層上に形成されかつhcp構造を有し
    (10.0)配向したCoを主成分とする合金を含有す
    る第3の下地層と、第3の下地層上に形成されかつhc
    p構造を有し(10.0)配向したCoを主成分とする
    合金結晶および酸化物または窒化物とを含有する磁性層
    とを有し、前記酸化物または窒化物の濃度は磁性層の全
    元素に対して3mol%以上50mol%以下であり、
    前記Coを主成分とするhcp構造の合金結晶は前記酸
    化物または窒化物によって相互に分離されかつ前記Co
    を主成分とするhcp構造の合金結晶の磁化容易軸は基
    板面に対して実質的に平行に配向している磁気記憶装
    置。
  7. 【請求項7】磁気記録媒体と、磁気記録媒体を記録方向
    に駆動する駆動部と、記録用誘導ヘッドと再生用磁気抵
    抗ヘッドを併せ持つ複合型磁気ヘッドと、前記複合型磁
    気ヘッドからの入出力信号を処理する記録再生信号処理
    手段とを備えた磁気記憶装置において、前記磁気記録媒
    体は、基板上に形成された第1の下地層と、第1の下地
    層上に形成されかつbcc構造を有し(100)配向し
    たCrを主成分とする合金を含有する第2の下地層と、
    第2の下地層上に形成されかつfcc構造を有し(10
    0)配向したAgまたはAgを主成分とする合金あるい
    は(100)配向したB2構造の合金を含有する第3の
    下地層と、第3の下地層上に形成されかつhcp構造を
    有し(11.0)配向したCoを主成分とする合金結晶
    および酸化物または窒化物とを含有する磁性層とを有
    し、前記酸化物または窒化物の濃度は磁性層の全元素に
    対して3mol%以上50mol%以下であり、前記C
    oを主成分とするhcp構造の合金結晶は前記酸化物ま
    たは窒化物によって相互に分離されかつ前記Coを主成
    分とするhcp構造の合金結晶の磁化容易軸は基板面に
    対して実質的に平行に配向している磁気記憶装置。
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