JPH08221735A - 磁気記録媒体及びそれを用いた磁気記憶装置 - Google Patents
磁気記録媒体及びそれを用いた磁気記憶装置Info
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- JPH08221735A JPH08221735A JP2147095A JP2147095A JPH08221735A JP H08221735 A JPH08221735 A JP H08221735A JP 2147095 A JP2147095 A JP 2147095A JP 2147095 A JP2147095 A JP 2147095A JP H08221735 A JPH08221735 A JP H08221735A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】非磁性基板上に形成された複数の磁性層および
磁性層の間に配置された非磁性中間層を有する多層膜磁
気記録媒体において、非磁性中間層として、TaとC
r、もしくはHfとCr、またはTa,Hf,Crを主
成分とする二層により構成することにより、磁性層の磁
化容易軸を膜面内に向けさせるとともに、各磁性層間の
磁化容易軸の方向のエピタキシャル関係が存在しない多
層膜磁気記録媒体。 【効果】高線記録密度における再生出力を低下させるこ
となく、磁気記録媒体のノイズを大幅に低減できる。こ
れにより、面記録密度が1平方インチ当たり1ギガビッ
ト以上の超高密度大容量の磁気記憶装置を提供すること
ができる。
磁性層の間に配置された非磁性中間層を有する多層膜磁
気記録媒体において、非磁性中間層として、TaとC
r、もしくはHfとCr、またはTa,Hf,Crを主
成分とする二層により構成することにより、磁性層の磁
化容易軸を膜面内に向けさせるとともに、各磁性層間の
磁化容易軸の方向のエピタキシャル関係が存在しない多
層膜磁気記録媒体。 【効果】高線記録密度における再生出力を低下させるこ
となく、磁気記録媒体のノイズを大幅に低減できる。こ
れにより、面記録密度が1平方インチ当たり1ギガビッ
ト以上の超高密度大容量の磁気記憶装置を提供すること
ができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンピュータの補助記
憶装置に用いる磁気記録装置及びこれに用いる磁気記録
媒体に係り、特に、1平方インチ当たり1ギガビット以
上の高記録密度の磁気記憶装置とこの高記録密度を実現
するのに好適な磁気記憶媒体に関する。
憶装置に用いる磁気記録装置及びこれに用いる磁気記録
媒体に係り、特に、1平方インチ当たり1ギガビット以
上の高記録密度の磁気記憶装置とこの高記録密度を実現
するのに好適な磁気記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報量の増大には目覚ましいもの
があり、ファイルメディアとして用いられる磁気ディス
クやフロッピィディスク,磁気テープの記憶容量の飛躍
的な向上が強く望まれている。このような情勢の中で、
磁気記録媒体は従来の塗布型媒体から高密度記録特性を
もつ強磁性薄膜を用いた薄膜型媒体へと移行しつつあ
る。また、記録媒体上に記録された磁気情報を読み取る
再生用磁気ヘッドも、従来の電磁誘導型磁ヘッドに比較
して、感度特性が数倍高い磁気抵抗効果を利用した磁気
ヘッド(MRヘッド;Magnetoresistive head の略)が
用いられつつある。このMRヘッドは再生感度が高く、
かつ、ヘッドの抵抗が低いため発生する熱雑音が小さ
い。このため、従来、電磁誘導型磁気ヘッドから発生す
る大きなノイズに隠れていた磁気記録媒体に起因するノ
イズ(媒体ノイズ)が、装置全体のノイズに対して大き
な割合を占める様になる。従って、MRヘッドを用いて
高記録密度化を達成するには、媒体ノイズを低減する必
要がある。
があり、ファイルメディアとして用いられる磁気ディス
クやフロッピィディスク,磁気テープの記憶容量の飛躍
的な向上が強く望まれている。このような情勢の中で、
磁気記録媒体は従来の塗布型媒体から高密度記録特性を
もつ強磁性薄膜を用いた薄膜型媒体へと移行しつつあ
る。また、記録媒体上に記録された磁気情報を読み取る
再生用磁気ヘッドも、従来の電磁誘導型磁ヘッドに比較
して、感度特性が数倍高い磁気抵抗効果を利用した磁気
ヘッド(MRヘッド;Magnetoresistive head の略)が
用いられつつある。このMRヘッドは再生感度が高く、
かつ、ヘッドの抵抗が低いため発生する熱雑音が小さ
い。このため、従来、電磁誘導型磁気ヘッドから発生す
る大きなノイズに隠れていた磁気記録媒体に起因するノ
イズ(媒体ノイズ)が、装置全体のノイズに対して大き
な割合を占める様になる。従って、MRヘッドを用いて
高記録密度化を達成するには、媒体ノイズを低減する必
要がある。
【0003】媒体ノイズを低減する方法としては、特開
昭63−146219号公報やアイ イーイー イー トランザ
クションズ オン マグネティクス,26巻,2700
〜2705ページ{IEEE TRANSACTIONS ON MAGETICS, V
OL.26 No.5,pp.2700〜2705(199
0)}に、磁気記録媒体を複数の磁性層と各磁性層間の
磁気的結合を弱めるための中間層からなる多層膜構造と
する方法が開示されている。
昭63−146219号公報やアイ イーイー イー トランザ
クションズ オン マグネティクス,26巻,2700
〜2705ページ{IEEE TRANSACTIONS ON MAGETICS, V
OL.26 No.5,pp.2700〜2705(199
0)}に、磁気記録媒体を複数の磁性層と各磁性層間の
磁気的結合を弱めるための中間層からなる多層膜構造と
する方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記多層構造の磁気記
録媒体(多層膜磁気記録媒体)に用いる中間層は、特開
昭63−146219号公報に開示されているように、Co基合
金薄膜磁気記録媒体の下地層として用いた場合に良好な
特性が得られるCr膜が広く検討されている。このCr
を中間層として用いて多層膜磁気記録媒体を作製した場
合、各磁性層の和に等しい磁性層厚を持つ単層媒体に比
較し媒体ノイズは低減されるが、その効果は−2〜−3
dB程度である。しかし、この程度のノイズ低減では磁
気記憶装置の記録密度を1平方インチ当たり1ギガビッ
ト以上の高密度化を達成するには不十分である。
録媒体(多層膜磁気記録媒体)に用いる中間層は、特開
昭63−146219号公報に開示されているように、Co基合
金薄膜磁気記録媒体の下地層として用いた場合に良好な
特性が得られるCr膜が広く検討されている。このCr
を中間層として用いて多層膜磁気記録媒体を作製した場
合、各磁性層の和に等しい磁性層厚を持つ単層媒体に比
較し媒体ノイズは低減されるが、その効果は−2〜−3
dB程度である。しかし、この程度のノイズ低減では磁
気記憶装置の記録密度を1平方インチ当たり1ギガビッ
ト以上の高密度化を達成するには不十分である。
【0005】本発明の第一の目的は、多層膜媒体のノイ
ズを大幅に低減させること、さらに第二の目的は、この
磁気記録媒体を用いて、高密度な情報の記録再生が可能
な、高密度磁気記憶装置を提供することにある。
ズを大幅に低減させること、さらに第二の目的は、この
磁気記録媒体を用いて、高密度な情報の記録再生が可能
な、高密度磁気記憶装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記した第一の目的を達
成するため、本発明は非磁性基板と上記非磁性基板上に
形成された複数の磁性層、及び上記磁性層の間に配置さ
れた非磁性中間層を有する多層膜磁気記録媒体におい
て、上記非磁性中間層を、TaとCr、もしくはTaを
主たる成分とする層とCrを主たる成分とする層、ある
いは、HfとCr、もしくはHfを主たる成分とする層
とCrを主たる成分とする層から構成する。
成するため、本発明は非磁性基板と上記非磁性基板上に
形成された複数の磁性層、及び上記磁性層の間に配置さ
れた非磁性中間層を有する多層膜磁気記録媒体におい
て、上記非磁性中間層を、TaとCr、もしくはTaを
主たる成分とする層とCrを主たる成分とする層、ある
いは、HfとCr、もしくはHfを主たる成分とする層
とCrを主たる成分とする層から構成する。
【0007】上記第二の目的を達成するため、本発明は
磁気記録媒体と,これを回転駆動する駆動部と,記録再
生用の磁気ヘッドと,磁気ヘッドを上記磁気記録媒体に
対して相対運動させる手段と,上記磁気ヘッドへの信号
入力と上記磁気ヘッドからの信号再生を行うための記録
再生処理手段を有する磁気記憶装置において、上記記録
再生用磁気ヘッドの再生を行う部分を磁気抵抗効果型磁
気ヘッドで構成する。
磁気記録媒体と,これを回転駆動する駆動部と,記録再
生用の磁気ヘッドと,磁気ヘッドを上記磁気記録媒体に
対して相対運動させる手段と,上記磁気ヘッドへの信号
入力と上記磁気ヘッドからの信号再生を行うための記録
再生処理手段を有する磁気記憶装置において、上記記録
再生用磁気ヘッドの再生を行う部分を磁気抵抗効果型磁
気ヘッドで構成する。
【0008】
【作用】多層膜磁気記録媒体において、保磁力の低下を
防ぎ、すなわち、高線記録密度における再生出力の低下
を防ぎ、かつ、媒体ノイズを効果的に低減させる手法を
種々検討した結果、磁性層の間に挿入する中間層を、T
aとCr層、または、CrとHf層の二層から構成する
ことにより、保磁力を低下させることなく、媒体ノイズ
を大幅に低減し得ることを見出した。
防ぎ、すなわち、高線記録密度における再生出力の低下
を防ぎ、かつ、媒体ノイズを効果的に低減させる手法を
種々検討した結果、磁性層の間に挿入する中間層を、T
aとCr層、または、CrとHf層の二層から構成する
ことにより、保磁力を低下させることなく、媒体ノイズ
を大幅に低減し得ることを見出した。
【0009】図1の曲線1,2,3は、中間層をTaと
Crの二層から構成した場合の、中間層の厚さ(Taと
Cr層の厚さの和)と,再生出力(S)と媒体ノイズ
(N),信号対雑音比(S/N)の関係を示したものであ
る。
Crの二層から構成した場合の、中間層の厚さ(Taと
Cr層の厚さの和)と,再生出力(S)と媒体ノイズ
(N),信号対雑音比(S/N)の関係を示したものであ
る。
【0010】この媒体は、表面にNi−PめっきしたA
l−Mg合金基板上に、厚さ50nmのCr下地層を施
した後、厚さ20nmのCoCrTa合金磁性膜を、等
しい膜厚をもつTaとCr層から構成される中間層を介
して、二層積層したものである。また上層の磁性膜は厚
さ50nmの炭素(C)の保護膜で覆ってある。中間層
膜厚がゼロの点は、厚さ40nmのCoCrTa合金単
層膜に相当する。CoCrTa合金のCr濃度は16a
t%、Taは3at%である。
l−Mg合金基板上に、厚さ50nmのCr下地層を施
した後、厚さ20nmのCoCrTa合金磁性膜を、等
しい膜厚をもつTaとCr層から構成される中間層を介
して、二層積層したものである。また上層の磁性膜は厚
さ50nmの炭素(C)の保護膜で覆ってある。中間層
膜厚がゼロの点は、厚さ40nmのCoCrTa合金単
層膜に相当する。CoCrTa合金のCr濃度は16a
t%、Taは3at%である。
【0011】測定は線記録密度は150kFCIの条件
で行った。図中4〜6は、中間層として、現在幅広く用
いられている、Crを用いた場合の結果を比較のために
示したものである。
で行った。図中4〜6は、中間層として、現在幅広く用
いられている、Crを用いた場合の結果を比較のために
示したものである。
【0012】この図に見られるように、中間層をCrと
した場合は、中間層の厚さを2nm以上とすることによ
って、媒体ノイズは2〜3dB程度減少するが、Cr中
間層を挿入することによって、保磁力の低下を招き、再
生出力も低下する。このため、S/Nとしての改善はほ
とんど認められない。
した場合は、中間層の厚さを2nm以上とすることによ
って、媒体ノイズは2〜3dB程度減少するが、Cr中
間層を挿入することによって、保磁力の低下を招き、再
生出力も低下する。このため、S/Nとしての改善はほ
とんど認められない。
【0013】これに対して、TaとCrから構成される
中間層を用いた場合は、中間層厚さが3nm以上の領域
で、媒体雑音は4〜5dBと大幅に減少しており、しか
も、再生出力の劣化も見られないため、S/Nとして6
dBの大幅な改善を実現することができる。
中間層を用いた場合は、中間層厚さが3nm以上の領域
で、媒体雑音は4〜5dBと大幅に減少しており、しか
も、再生出力の劣化も見られないため、S/Nとして6
dBの大幅な改善を実現することができる。
【0014】磁性膜として、CoCrTaの代わりに、
CoNi,CoFe,CoPt,CoIr,CoW,Co
Re,CoNiZr,CoCrPt、あるいはCoNiC
rを主成分とするCo基合金磁性膜を用いた場合にも同
等の効果が得られた。
CoNi,CoFe,CoPt,CoIr,CoW,Co
Re,CoNiZr,CoCrPt、あるいはCoNiC
rを主成分とするCo基合金磁性膜を用いた場合にも同
等の効果が得られた。
【0015】S/N改善効果については、Ta/Cr中
間層の代わりに、HfとCrからなる中間層の場合にも
同等の効果が見られた。また、Ta,Hf,Crの何れ
かの元素に、Zr,Nb,Ti,V,Mo,Wから成る
群から選ばれた少なくとも一種の元素を添加した合金を
用いた場合にも同等の効果が得られた。
間層の代わりに、HfとCrからなる中間層の場合にも
同等の効果が見られた。また、Ta,Hf,Crの何れ
かの元素に、Zr,Nb,Ti,V,Mo,Wから成る
群から選ばれた少なくとも一種の元素を添加した合金を
用いた場合にも同等の効果が得られた。
【0016】このように、TaとCr、もしくはHfと
Crの二層から成る中間層を用いることによって、媒体
ノイズが大幅に減少する理由は以下のように考えられ
る。
Crの二層から成る中間層を用いることによって、媒体
ノイズが大幅に減少する理由は以下のように考えられ
る。
【0017】通常、従来技術で示されているように、中
間層としてCr膜を用いた場合、体心立方格子構造をも
つCrの(100)面と,稠密六方格子構造を持つCo
Cr系合金の(110)面の間には、エピタキシャル的
な関係が存在する。この性質により、中間層としてCr
層を用いた場合、Crを介して上下に形成したCo基合
金薄膜の結晶方位には一定の関係が生まれ、上に形成さ
れたCo基合金薄膜の結晶方位は、下に形成したCo基
合金膜と同じ結晶方位をとる。
間層としてCr膜を用いた場合、体心立方格子構造をも
つCrの(100)面と,稠密六方格子構造を持つCo
Cr系合金の(110)面の間には、エピタキシャル的
な関係が存在する。この性質により、中間層としてCr
層を用いた場合、Crを介して上下に形成したCo基合
金薄膜の結晶方位には一定の関係が生まれ、上に形成さ
れたCo基合金薄膜の結晶方位は、下に形成したCo基
合金膜と同じ結晶方位をとる。
【0018】これに対して、本発明では磁性膜の下層と
なるCo基合金磁性膜上にCr膜を形成する前に、Ta
あるいはHf膜を形成する。このTa膜およびHf膜は
非晶質であり、Co基合金薄膜とのエピタキシャル的な
つながりを断つ役割を持っている。またさらに、Ta
(Hf)膜上に形成したCr膜は(100)配向するた
め、今度は上述したエピタキシャル的な関係より、その
上に形成されたCo基合金膜は(110)配向し、磁化
容易軸であるc軸は面内に向くようになる。すなわち、
このような中間層構造とすることによって、上下のCo
基合金膜の結晶的なつながりを断たせ、かつ、上下層と
もその磁化容易軸が面内に向いた構造を取らせることが
可能となる。
なるCo基合金磁性膜上にCr膜を形成する前に、Ta
あるいはHf膜を形成する。このTa膜およびHf膜は
非晶質であり、Co基合金薄膜とのエピタキシャル的な
つながりを断つ役割を持っている。またさらに、Ta
(Hf)膜上に形成したCr膜は(100)配向するた
め、今度は上述したエピタキシャル的な関係より、その
上に形成されたCo基合金膜は(110)配向し、磁化
容易軸であるc軸は面内に向くようになる。すなわち、
このような中間層構造とすることによって、上下のCo
基合金膜の結晶的なつながりを断たせ、かつ、上下層と
もその磁化容易軸が面内に向いた構造を取らせることが
可能となる。
【0019】本発明において、高い再生出力を維持した
まま媒体ノイズが大幅に減少するのは、上下磁性層間の
磁化容易軸を面内に配向させた状態で、なおかつ、磁化
容易軸方向の上下における関係を断ちきったことによる
ものである。
まま媒体ノイズが大幅に減少するのは、上下磁性層間の
磁化容易軸を面内に配向させた状態で、なおかつ、磁化
容易軸方向の上下における関係を断ちきったことによる
ものである。
【0020】本発明の磁気記録媒体は、再生出力を低下
させることなく、媒体ノイズを大幅に低減することがで
きるので、再生感度の高い磁気抵抗効果型の磁気ヘッド
と組み合わせることにより、1平方インチ当たり1ギガ
ビット以上の高い記録密度でも記録再生が可能である。
させることなく、媒体ノイズを大幅に低減することがで
きるので、再生感度の高い磁気抵抗効果型の磁気ヘッド
と組み合わせることにより、1平方インチ当たり1ギガ
ビット以上の高い記録密度でも記録再生が可能である。
【0021】
(実施例1)以下、本発明の多層膜磁気記録媒体の一実
施例を図2により説明する。本実施例の多層膜磁気記録
媒体は、表面にNi−P合金をめっきしたAl−Mg合
金,Ti合金,強化ガラス、あるいは、有機樹脂,セラ
ミックス等で構成される非磁性基板11の上に形成され
る。非磁性基板の上に、スパッタリング法により、Cr
下地層12,第一の磁性層13,中間層14,第二の磁
性膜15、および、C保護膜16を順次形成し、さらに
その上に潤滑層17を塗布により形成した構造である。
Cr下地層12の厚さは50nmとし、第一の磁性層1
3および第二の磁性層15は厚さ20nmのCo−16
at%Cr−3at%Ta合金層、中間層は等しい膜厚
のTaとCrからなる二層膜とし、その和を3nmから
厚さ25nmの範囲で変化させた。C保護膜の厚さは5
0nm、潤滑層17は吸着性のパーフルオロアルキルポ
リエーテルとした。
施例を図2により説明する。本実施例の多層膜磁気記録
媒体は、表面にNi−P合金をめっきしたAl−Mg合
金,Ti合金,強化ガラス、あるいは、有機樹脂,セラ
ミックス等で構成される非磁性基板11の上に形成され
る。非磁性基板の上に、スパッタリング法により、Cr
下地層12,第一の磁性層13,中間層14,第二の磁
性膜15、および、C保護膜16を順次形成し、さらに
その上に潤滑層17を塗布により形成した構造である。
Cr下地層12の厚さは50nmとし、第一の磁性層1
3および第二の磁性層15は厚さ20nmのCo−16
at%Cr−3at%Ta合金層、中間層は等しい膜厚
のTaとCrからなる二層膜とし、その和を3nmから
厚さ25nmの範囲で変化させた。C保護膜の厚さは5
0nm、潤滑層17は吸着性のパーフルオロアルキルポ
リエーテルとした。
【0022】試料振動型磁束計(VSM)により測定し
た保磁力は2000から2150エルステッドであっ
た。この値は、比較のために上記の第一,第二の磁性層
および中間層の三つの層を、厚さ40nmのCo−16
at%Cr−3at%Ta合金一層膜に置き換えて作製
した、単層磁気記録媒体の保磁力2100エルステッド
に比べて、同等以上の値が得られた。
た保磁力は2000から2150エルステッドであっ
た。この値は、比較のために上記の第一,第二の磁性層
および中間層の三つの層を、厚さ40nmのCo−16
at%Cr−3at%Ta合金一層膜に置き換えて作製
した、単層磁気記録媒体の保磁力2100エルステッド
に比べて、同等以上の値が得られた。
【0023】次に、記録再生特性を測定した。媒体と磁
気ヘッドの相対速度を12m/s,浮上スペーシングを
80nmとし、実効ギャップ長が350nmの記録用電
磁誘導型薄膜磁気ヘッドと再生用磁気抵抗効果型磁気ヘ
ッドを複合した磁気ヘッドを用いて評価した。その結果
を図1に実線1〜3で示した。
気ヘッドの相対速度を12m/s,浮上スペーシングを
80nmとし、実効ギャップ長が350nmの記録用電
磁誘導型薄膜磁気ヘッドと再生用磁気抵抗効果型磁気ヘ
ッドを複合した磁気ヘッドを用いて評価した。その結果
を図1に実線1〜3で示した。
【0024】(比較例1)比較例として、中間層をCr
のみの単層とし、膜厚を3nmから25nmとした以外
は、実施例1と同一条件で二層膜媒体を作製し、実施例
1と同一条件で記録再生特性の測定を行った。その結果
を破線4〜6に示した。
のみの単層とし、膜厚を3nmから25nmとした以外
は、実施例1と同一条件で二層膜媒体を作製し、実施例
1と同一条件で記録再生特性の測定を行った。その結果
を破線4〜6に示した。
【0025】図1から分かるように、両媒体とも中間層
の厚さを3nm以上とすることにより、媒体ノイズは低
減するが、本発明による二層の中間層を用いた方が、そ
の効果は高く、比較例の媒体より媒体ノイズはさらに2
〜3dB減少することが分かる。また、再生出力も単層
媒体に比較して高く、信号対雑音比は単層媒体に比較し
約6dB、また比較例の媒体より約4dB,S/N特性
が改善できることが分かった。
の厚さを3nm以上とすることにより、媒体ノイズは低
減するが、本発明による二層の中間層を用いた方が、そ
の効果は高く、比較例の媒体より媒体ノイズはさらに2
〜3dB減少することが分かる。また、再生出力も単層
媒体に比較して高く、信号対雑音比は単層媒体に比較し
約6dB、また比較例の媒体より約4dB,S/N特性
が改善できることが分かった。
【0026】中間層の材料として、TaとCrの組み合
わせの代わりに、HfとCrを用いた場合にも同等の効
果が得られた。また、Ta,Hf,Cr層に、Zr,N
b,Ti,V,Mo,Wからなる群から選ばれた少なく
とも一種の元素を添加した場合にも同等の効果が得られ
た。磁性膜の材料は、CoCrTaの代わりに、CoP
t,CoNi,CoFe,CoCr,CoMo,Co
W,CoRe,CoNiZr,CoCrPtあるいはC
oNiCrを用いた場合にも同等の効果が認められた。
わせの代わりに、HfとCrを用いた場合にも同等の効
果が得られた。また、Ta,Hf,Cr層に、Zr,N
b,Ti,V,Mo,Wからなる群から選ばれた少なく
とも一種の元素を添加した場合にも同等の効果が得られ
た。磁性膜の材料は、CoCrTaの代わりに、CoP
t,CoNi,CoFe,CoCr,CoMo,Co
W,CoRe,CoNiZr,CoCrPtあるいはC
oNiCrを用いた場合にも同等の効果が認められた。
【0027】また、実施例1に記述した方法と同様にし
て、磁性層を三層とすると、媒体ノイズは、磁性層を二
層とした場合に比べさらに減少し、その効果は、中間層
としてTaとCr(HfとCr)の二層膜とした方が優
れていることを確認している。
て、磁性層を三層とすると、媒体ノイズは、磁性層を二
層とした場合に比べさらに減少し、その効果は、中間層
としてTaとCr(HfとCr)の二層膜とした方が優
れていることを確認している。
【0028】(実施例2)実施例1の多層膜磁気記録媒
体を4枚組み込んで、磁気記憶装置を作製した。図3
(a)および図3(b)に、それぞれ、その平面図およ
び断面図を示す。この装置は、磁気記録媒体18と,こ
れを回転駆動する駆動部19と,磁気ヘッド20および
その駆動手段21と,磁気ヘッドの記録再生処理手段2
2を有して成る周知の構成から成る磁気記憶装置であ
る。この磁気記憶装置において、磁気記録媒体を実施例
1の多層膜磁気記録媒体で構成するとともに、磁気ヘッ
ドとして、記録用電磁誘導型薄膜磁気ヘッドと再生用磁
気抵抗効果型磁気ヘッドを組み合わせた複合磁気ヘッド
を用いて装置化した。
体を4枚組み込んで、磁気記憶装置を作製した。図3
(a)および図3(b)に、それぞれ、その平面図およ
び断面図を示す。この装置は、磁気記録媒体18と,こ
れを回転駆動する駆動部19と,磁気ヘッド20および
その駆動手段21と,磁気ヘッドの記録再生処理手段2
2を有して成る周知の構成から成る磁気記憶装置であ
る。この磁気記憶装置において、磁気記録媒体を実施例
1の多層膜磁気記録媒体で構成するとともに、磁気ヘッ
ドとして、記録用電磁誘導型薄膜磁気ヘッドと再生用磁
気抵抗効果型磁気ヘッドを組み合わせた複合磁気ヘッド
を用いて装置化した。
【0029】本実施例の多層膜磁気記録媒体の中間層を
Crに置き換えた従来公知の多層膜磁気記録媒体を用い
て構成した磁気記憶装置に比べて、信号対雑音比(S/
N)が3dB以上向上したため、1.5 倍以上の大容量
化が実現できた。磁気ヘッドの入出力信号に信号処理を
施すことにより、ヘッド浮上量50nmで1平方インチ
当たり1ギガビットの記憶容量を持つ装置を実現するこ
とができた。
Crに置き換えた従来公知の多層膜磁気記録媒体を用い
て構成した磁気記憶装置に比べて、信号対雑音比(S/
N)が3dB以上向上したため、1.5 倍以上の大容量
化が実現できた。磁気ヘッドの入出力信号に信号処理を
施すことにより、ヘッド浮上量50nmで1平方インチ
当たり1ギガビットの記憶容量を持つ装置を実現するこ
とができた。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、保磁力を低下させるこ
となく、従って高線記録密度における再生出力を低下さ
せることなく、磁気記録媒体のノイズを低減することが
できる。これにより、記録密度が1平方インチ当たり1
ギガビット以上の超高密度大容量の磁気記憶装置を提供
することができる。
となく、従って高線記録密度における再生出力を低下さ
せることなく、磁気記録媒体のノイズを低減することが
できる。これにより、記録密度が1平方インチ当たり1
ギガビット以上の超高密度大容量の磁気記憶装置を提供
することができる。
【図1】本発明および従来の多層膜磁気記録媒体におけ
る相対出力,相対媒体ノイズ,相対信号対雑音比の関係
を示す特性図。
る相対出力,相対媒体ノイズ,相対信号対雑音比の関係
を示す特性図。
【図2】本発明の多層膜磁気記録媒体の1例の断面図。
【図3】本発明の一実施例の磁気記憶装置の説明図。
1…多層磁気記録媒体の中間層の膜厚と相対再生出力の
関係を示す曲線、2…多層磁気記録媒体の中間層の膜厚
と相対媒体ノイズの関係を示す曲線、3…多層磁気記録
媒体の中間層の膜厚と相対信号対雑音比の関係を示す曲
線、4…多層磁気記録媒体の中間層の膜厚と相対再生出
力の関係を示す曲線、5…多層磁気記録媒体の中間層の
膜厚と相対媒体ノイズの関係を示す曲線、6…多層磁気
記録媒体の中間層の膜厚と相対信号対雑音比の関係を示
す曲線。
関係を示す曲線、2…多層磁気記録媒体の中間層の膜厚
と相対媒体ノイズの関係を示す曲線、3…多層磁気記録
媒体の中間層の膜厚と相対信号対雑音比の関係を示す曲
線、4…多層磁気記録媒体の中間層の膜厚と相対再生出
力の関係を示す曲線、5…多層磁気記録媒体の中間層の
膜厚と相対媒体ノイズの関係を示す曲線、6…多層磁気
記録媒体の中間層の膜厚と相対信号対雑音比の関係を示
す曲線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 城石 芳博 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 二本 正昭 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内
Claims (7)
- 【請求項1】非磁性基板上に直接又は下地層を介して形
成された複数の磁性層及び上記磁性層の間に配置された
非磁性中間層を有する多層磁気記録媒体において、上記
磁性層の磁化容易軸方向が膜面内にあり、さらに上記磁
性層の磁化容易軸方向が各層間において相関が存在しな
いことを特徴とする磁気記録媒体。 - 【請求項2】請求項1において、上記非磁性中間層はT
a層とCr層、もしくはHf層とCr層、あるいはこれ
らの元素に、Zr,Nb,Ti,V,Mo,Wから成る
群から選ばれた少なくとも一種の元素を添加した合金膜
の二層からなる磁気記録媒体。 - 【請求項3】請求項1において、上記非磁性中間層は、
TaあるいはHf層の上にCr層が形成されて成る磁気
記録媒体。 - 【請求項4】請求項1において、上記非磁性中間層にお
いて、Ta層もしくはHf層とCr層の厚さの和が、2
から20nmである磁気記録媒体。 - 【請求項5】請求項1において、上記複数の磁性層がC
o基合金である磁気記録媒体。 - 【請求項6】請求項1,2,3,4または5において、
上記磁気記録媒体と,これを回転駆動する駆動部と,記
録再生用の磁気ヘッドと,上記磁気ヘッドを上記磁気記
録媒体に対して相対運動させる手段と,上記磁気ヘッド
への信号入力と上記磁気ヘッドからの出力信号再生を行
うための記録再生信号処理手段を有する磁気記憶装置。 - 【請求項7】請求項6において、面記録密度が1平方イ
ンチ当たり1ギガビット以上である磁気記憶装置。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2147095A JPH08221735A (ja) | 1995-02-09 | 1995-02-09 | 磁気記録媒体及びそれを用いた磁気記憶装置 |
US08/595,303 US5759681A (en) | 1995-02-03 | 1996-02-01 | Magnetic recording medium and magnetic recording system using the same |
CN96102114.4A CN1136693A (zh) | 1995-02-03 | 1996-02-02 | 磁记录媒体和使用该磁记录媒体的磁存储装置 |
EP96101541A EP0725391A3 (en) | 1995-02-03 | 1996-02-02 | Magnetic recording medium and magnetic recording system using the same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2147095A JPH08221735A (ja) | 1995-02-09 | 1995-02-09 | 磁気記録媒体及びそれを用いた磁気記憶装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08221735A true JPH08221735A (ja) | 1996-08-30 |
Family
ID=12055871
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2147095A Pending JPH08221735A (ja) | 1995-02-03 | 1995-02-09 | 磁気記録媒体及びそれを用いた磁気記憶装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08221735A (ja) |
-
1995
- 1995-02-09 JP JP2147095A patent/JPH08221735A/ja active Pending
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