JPH1074314A - 磁気記録媒体および磁気記憶装置 - Google Patents
磁気記録媒体および磁気記憶装置Info
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- JPH1074314A JPH1074314A JP12375297A JP12375297A JPH1074314A JP H1074314 A JPH1074314 A JP H1074314A JP 12375297 A JP12375297 A JP 12375297A JP 12375297 A JP12375297 A JP 12375297A JP H1074314 A JPH1074314 A JP H1074314A
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Abstract
可能で信頼性の高い磁気記憶装置を提供することであ
る。 【解決手段】 磁気記録媒体と、これを記録方向に駆動
する駆動部と、記録部と再生部から成る磁気ヘッドと、
上記磁気ヘッドを上記磁気記録媒体に対して相対運動さ
せる手段と、上記磁気ヘッドへの信号入力と該磁気ヘッ
ドからの出力信号再生を行うための記録再生信号処理手
段を有する磁気記憶装置において、前記磁気ヘッドの再
生部が磁気抵3効果型磁気ヘッドで構成し、かつ、前記
磁気記録媒体を、基板上に、複数の下地層が積層された
多層下地層を介して形成された磁性層を有する構造と
し、前記多層地層の少なくとも一層をCoを含有する非晶
質、或いは微結晶材料から成る層とする。 【効果】 ノイズが低減され、高いS/Nと低いビットエ
ラーレートが得られ、1平方インチ当たり1ギガビットの
高い記録密度で30万時間以上の平均故障間隔を持つ磁気
記憶装置が実現出来る。
Description
的には1平方インチ当たり1ギガビット以上の記録密度を
有する磁気記憶装置と、これを実現するための低ノイズ
な薄膜磁気記録媒体に関するものである。
は、現在益々高まりつつある。従来の磁気ヘッドには磁
束の時間的変化に伴う電圧変化を利用した電磁誘導型磁
気ヘッドが用いられていた。これは一つのヘッドで記録
と再生の両方を行うものである。これに対して近年、記
録用と再生用のヘッドを別にし、再生用ヘッドにより高
感度な磁気抵3効果型ヘッドを利用した複合型ヘッドの
採用が急速に進みつつある。磁気抵3効果型ヘッドと
は、ヘッド素子の電気抵3が媒体からの漏洩磁束の変化
に伴って変化することを利用したものである。また、複
数の磁性層を非磁性層を介して積層したタイプの磁性層
で生じる非常に大きな磁気抵3変化(巨大磁気抵3効果、
或いはスピンバルブ効果)を利用した更に高感度なヘッ
ドの開発も進みつつある。この効果は非磁性層を介した
複数の磁性層の磁化の相対的方向が、媒体からの漏洩磁
界により変化し、これによって電気抵3が変化する効果
である。
は、磁性層としてCoCrPt、CoCrTa、CoNiCr等、Coを主成
分とする合金が用いられている。これらのCo合金はc軸
方向を磁化容易軸とする六方最密構造(hcp構造)をと
るため、面内磁気記録媒体としてはこのc軸が面内方向
をとる結晶配向が望ましい。しかし、このような配向は
不安定であるため基板上に直接Coを形成しても一般には
起こらない。そこで体心立方構造(bcc構造)をとるCr
(100)面がCo(11.0)面と整合性が良いことを利用して(10
0)配向したCrの下地層をまず基板上に形成し、その上に
Co合金層をエピタキシャル成長させることによってCo合
金層にc軸が面内方向を向いた(11.0)配向をとらせる手
法が用いられている。また、Co合金磁性層とCr下地層界
面での結晶格子整合性を更に向上させるために、Crに第
二元素を添加し、Cr下地層の格子間隔を増加させる手法
が用いられている。これによってCo(11.0)配向が更に増
大し、保磁力を増加させることが出来る。このような技
術の例としては、特開昭62-257618号公報や、特開昭63-
197018号公報に示されているようにV、 Ti等を添加する
ものが挙げられる。高記録密度化に必要な要素として
は、記録媒体の高保磁力化と並んで低ノイズ化が挙げら
れる。媒体ノイズを低減するためには、磁性層中の結晶
粒を微細化し、結晶粒径を均一化することなどが効果的
であることが知られている。
求として、耐衝撃性の向上が挙げられる。特に、近年ノ
ートパソコン等の携帯型情報機器への磁気ディスク装置
が搭載されるようになり、信頼性向上の観点から、この
耐衝撃性向上は非常に重要な課題となっている。従来の
表面にNiPメッキを施したAl合金基板に替えて、表面を
強化処理したガラス基板、或いは、結晶化ガラス基板を
用いることにより、磁気ディスク媒体の耐衝撃性を向上
することが出来る。ガラス基板は、従来のNiPメッキAl
合金基板に比べて表面が平滑であるため、磁気ヘッドと
媒体の浮上スペーシングを小さくする上で有利であり、
高記録密度化に適している。しかし、ガラス基板を用い
た場合、基板との密着性不良や、基板中からの不純物イ
オン、或いは基板表面の吸着ガスがCr合金下地層中へ侵
入する等の問題が発生している。特に、膜の密着性に関
してはJ. Vac. Sci. Technol. A4(3)、 1986の第532貢
から第535貢記載のように、ガラス基板を加熱すると密
着性が劣化することが報告されている。これらに対して
は、ガラス基板とCr合金下地層の間に種々の金属膜、合
金膜、酸化物膜を形成する等の対策がなされている(特
開昭62-293512号公報、特開平2-29923号公報、特開平5-
135343号公報)。また、特開平4-153910号公報には、T
i、 Zr、 Hf、 V、 Nb、 Ta、 Cr、 Mo、 W等とYから成
る非晶質膜をガラス基板と該下地層間に形成することに
より、磁性層の結晶粒径の肥大化が抑制され、磁気特性
が向上することが示されている。
効果型ヘッドは再生感度が極めて高いため、高密度記録
に適している。しかし、磁気記録媒体からの再生信号の
みならず、ノイズに対する感度も同時に高くなる。この
ため、記録媒体には従来以上に低ノイズ化が求められ
る。媒体ノイズの低減には、上記のように磁性層中の結
晶粒の微細化、均一化が有効なことが知られている。し
かし、この様な磁気記録媒体と高感度な磁気抵3効果型
ヘッドを組み合わせて磁気ディスク装置を試作してみる
と、十分な電磁変換特性が得られなかった。特に、磁気
記録媒体の基板として、ガラス基板を用いた場合に、高
線記録密度領域での電磁変換特性が悪いという結果が得
られた。この原因を調べたところ、ガラス基板上に直
接、或いは前記公知例にみられる種々の金属、或いはそ
れらの合金を介して形成されたCr合金下地層は、NiPメ
ッキAl合金基板上に形成された場合ほど強く(100)配向
していなかった。このため、Co合金磁性層の(11.0)以外
の結晶面が基板と平行に成長し、磁化容易軸であるc軸
の面内配向度が小さくなっていた。これにより、保磁力
が低下し、高線記録密度での再生出力が低下していた。
また、ガラス基板を用いた場合には、磁性層の結晶粒
が、該Al合金基板を用いた場合に比べて肥大化してお
り、結晶粒の粒径分散も20〜30%程度大きくなってい
た。このため、媒体ノイズが増大し、電磁変換特性が劣
化している。また、特開平4-153910号公報に示された非
晶質、或いは微結晶膜をガラス基板と該下地層間に形成
しても、磁性層の結晶粒径はある程度小さくなる場合も
あるが、十分ではなかった。更に、粒径分布の低減に対
してはほとんど効果がみられず、良好な電磁変換特性が
得られなかった。
ッド、磁気記録媒体、或いは磁気記録媒体用の基板はそ
れぞれ別々に開発されているが、これらを如何に組み合
わせて、記録密度の高い磁気ディスク装置を実現するか
についてはこれまで十分に考慮されていなかった。本発
明の目的は、上記の問題点を解決し、1平方インチ当た
り1ギガビット以上の記録密度を持った信頼性の高い磁
気記憶装置と、高記録密度に適した低ノイズな磁気記録
媒体を提供することである。
た後に膜形成した場合に発生しやすい密着不良を改善す
ることにある。これにより、記録媒体のノイズ低減のた
めの膜形成条件の幅を広げるのみならず、膜形成直前に
おける基板加熱を可能にする事によって、基板表面に吸
着した不純物ガスを脱離させ、生産時における磁性膜特
性の再現性を向上させることができる。
数の下地層が積層された多層下地層を介して形成された
磁性層を有し、該多層地層の少なくとも一層がCoを含有
する非晶質、或いは微結晶材料から成る磁気記録媒体を
用いることにより、達成される。
は、従来のNiPメッキAl合金基板を用いた場合に比べ、C
o合金磁性層の磁化容易軸であるc軸の面内配向度が小さ
く、結晶粒が大きくなっていたために、特性が劣化して
いた。磁性層の結晶粒は下地層の結晶粒上にエピタキシ
ャル成長しており、一般に、磁性層結晶粒の配向とサイ
ズは下地層の結晶粒径や表面形状よって大きく影響を受
ける。このような知見を元に、本発明者らは、下地層の
材料、層構成、膜厚、成膜条件等を変えた種々の磁気記
録媒体を作製し、記録部に電磁誘導型ヘッドを用い再生
部に磁気抵3効果型ヘッドを用いた複合型磁気ヘッドと
の組み合わせにより記録再生特性との関係を検討した。
その結果、下地層を多層化し、磁性層との結晶格子整合
性を高めるためのCr合金等のbcc構造の下地層と基板の
間にCoを含有する非晶質、或いは微結晶材料から成る新
たな下地層(以下、これを第一の下地層という)を挿入
することにより、特性が改善出来ることを見いだした。
以下に、その詳細な手段についてに説明する。
ピークが観察されないこと、または、電子線回折による
明瞭な回折スポット、回折リングが観察されず、ハロー
状の回折リングが観察されることを言う。また、微結晶
とは、結晶粒径が磁性層の結晶粒径より小さく、好まし
くは平均粒径が8nm以下の結晶粒から成ることを言う。
非晶質、或いは微結晶材料から成る層を構成する材料と
してはCoとの非晶質、或いは微結晶を形成する元素を含
む材料であれば、その組成は特に限定されない。ガラス
基板上に、Coを含有する非晶質、或いは微結晶材料から
成る第一の下地層を形成すると、その上に形成されるCr
合金等のbcc構造を有する下地層(以下、これを第二の
下地層という)の結晶粒が微細化されると同時に、bcc
構造の(100)面が膜面に平行に成長しやすくなる。これ
によって、Co合金磁性膜のhcp構造を持つ結晶粒の磁化
容易軸が膜面内を向くように成長し、かつ、その粒径が
小さくなる。このため、保磁力が向上し、ノイズが低減
される。Coを含まない非晶質、或いは微結晶材料を用い
た場合にも、磁性層の結晶粒径はある程度小さくなる場
合もあるが、実施例6に示した様にCoを含有する非晶
質、或いは微結晶材料を用いた場合には結晶粒の微細化
が顕著であり、かつ、結晶粒径の分散も小さくなる。こ
れは、Coを含有する非晶質、或いは微結晶材料では表面
に微細な凹凸が均一に形成され、第二の下地層の結晶粒
が、これを核にして成長するためである。
であることが望ましいが、平均結晶粒径が8nm以下の微
結晶構造であっても良好な特性が得られる。非晶質構造
の場合の方が、第二の下地層、及び磁性層の結晶粒が微
細になるため、より低ノイズな媒体が得られる。微結晶
構造の場合はややノイズが高くなるが、高記録密度での
再生出力が高くなるので、比較的高いヘッドノイズを持
つヘッドとの組み合わせに適している。
i、Y、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、 Si、Bから成る第一の
群より選ばれた少なくとも1種の第一の添加元素とCoと
の合金、或いは、これらの第一の添加元素の酸化物とCo
との化合物が好ましい。第一の添加元素の濃度は、5at
%以上、70at%以下の範囲にあることが望ましい。第一
の添加元素の濃度が5at%よりも小さいと磁性層の結晶
粒が、ガラス基板の上に第二の下地層を直接形成した場
合に比べて大きくなり、70at%よりも大きいと磁性膜の
c軸が膜面から立ち上がった成分が多くなり好ましくな
い。また、第一の添加元素としては第一の群の中でZr、
Ta、Wを用いると、磁化容易軸の面内配向成分が強くな
り特に好ましい。
らかの影響を与えるため、第一の下地層は非磁性である
ことが望ましい。しかし、検討の結果、第一の下地層の
残留磁束密度と層厚の積が、磁性層の残留磁束密度と層
厚の積の20%以下であれば、実用上問題はないことが確
認された。第一の下地層の残留磁束密度と層厚の積が、
磁性層の残留磁束密度と層厚の積の20%を越えると、MR
ヘッドの出力信号のベースラインに変動が現れ、低域の
ノイズが増大し、好ましくない。 このような影響を無
くすためには、第一の下地層を薄くするか、第一の添加
元素の濃度を高めるか、或いは、さらに第二の添加元素
を添加することが有効である。第二の添加元素として
は、Cr、V、Mn等を用いると磁化の低下が大きく、有効
である。
ばれた少なくとも1種の元素とCrの合金、或いはCrを用
いることが好ましい。また、第二の下地層をbcc構造を
持つ2つの層で構成することも出来る。
i、CoCrTa、CoNiCr等、Coを主成分とする合金を用いる
ことが出来るが、高い保磁力を得るためには、Ptを含む
Co合金を用いることが特に好ましい。また、SmCo、FeSm
N等の希土類元素を含む磁性合金を用いることも出来
る。SmCo合金膜は非常に小さな結晶粒から成ることが知
られている。しかし、結晶粒間の磁気的相互作用が強い
ために、結晶粒1つ1つは独立した磁性粒子とはなってお
らず、bcc構造の下地上に作製した場合には、1つの下地
結晶粒の上に形成されたSmCo合金結晶粒の集合が1つの
磁気的な単位として振る舞うと考えられている。本発明
のCoを含有する非晶質、或いは微結晶材料から成る第一
の下地層を形成すると、bcc構造の第二の下地層の結晶
粒が微細化されるため、SmCo合金の磁気的な単位が微細
化され、媒体ノイズを低減することが出来る。更に、磁
性層を単層、或いは非磁性中間層を介した複数の層で構
成することも出来る。この場合、請求項8のBr×tにおけ
る磁性層の厚さ t は各磁性層の厚さの合計を表すもの
とする。
に磁界を印加して測定した保磁力を1.8キロエルステッ
ド以上とし、残留磁束密度Brと膜厚 t の積Br×tを20ガ
ウス・ミクロン以上、140ガウス・ミクロン以下とする
と、1平方インチ当たり1ギガビット以上の記録密度領域
において、良好な記録再生特性が得られるので好まし
い。保磁力が1.8キロエルステッドよりも小さくなる
と、高記録密度(200kFCI以上)での出力が小さくなり
好ましくない。また、Br×tが140ガウス・ミクロンより
大きくなると分解能が低下し、20ガウス・ミクロンより
も小さくなると再生出力が小さくなり好ましくない。
さ10nm〜30nm形成し、さらに吸着性のパーフルオロアル
キルポリエーテル等の潤滑層を厚さ2nm〜20nm設けるこ
とにより信頼性が高く、高密度記録が可能な磁気記録媒
体が得られる。また、保護層として水素を添加したカー
ボン膜、或いは、炭化シリコン、炭化タングステン、(W
-Mo)-C、(Zr-Nb)-N等の化合物から成る膜、或いは、こ
れらの化合物とカーボンの混合膜を用いると耐摺動性、
耐食性を向上出来るので好ましい。また、これらの保護
層を形成した後、微細マスク等を用いてプラズマエッチ
ングすることで表面に微細な凹凸を形成したり、化合
物、混合物のターゲットを用いて保護層表面に異相突起
を生じせしめたり、或いは熱処理によって表面に凹凸を
形成すと、ヘッドと媒体との接触面積を低減でき、CSS
動作時にヘッドが媒体表面に粘着する問題が回避される
ので好ましい。
晶材料から成る第一の下地層を用いた場合、ガラス基板
を加熱した後に本下地層を成膜しても加熱しない場合と
同様に密着性が良いことを見い出した。これは本下地膜
の主成分元素であるコバルトがガラス基板のシリコン若
しくは酸素との結合力が強いためと推定している。前出
した第一の添加元素の酸化物とCoとの化合物を用いる
と、ガラス基板との密着性が更に向上し、特に、磁気ヘ
ッドスライダーの浮上量(磁気ヘッドと媒体のスペーシ
ング)が小さく、接触が起きやすい場合に適している。
以上述べたように、本発明を用いた場合、特に密着性を
向上するための層を設ける必要はない。しかし、媒体の
表面に凹凸形状を形成し、CSS特性を向上させるためにA
l、Ag等の低融点金属、合金層、或いは、金属間化合物
層を基板と第一の下地層の間に形成することも出来る。
金基板を用いた場合にも、ガラス基板を用いた場合と同
様、磁性層の結晶粒が微細になるという効果が確認され
た。
駆動する駆動部と、記録部と再生部から成る磁気ヘッド
と、上記磁気ヘッドを上記磁気記録媒体に対して相対運
動させる手段と、上記磁気ヘッドへの信号入力と該磁気
ヘッドからの出力信号再生を行うための記録再生信号処
理手段を有する磁気記憶装置において、前記磁気ヘッド
の再生部を磁気抵3効果型磁気ヘッドで構成することに
より、高記録密度における十分な信号強度を得ることが
でき、1平方インチ当たり1ギガビット以上の記録密度を
持った信頼性の高い磁気記憶装置を実現することが出来
る。
磁気抵3効果型磁気ヘッドの磁気抵3センサ部を挟む2枚
のシールド層の間隔(シールド間隔)は0.35μm以下が
好ましい。これは、シールド間隔が0.35μm以上になる
と分解能が低下し、信号の位相ジッターが大きくなって
しまうためである。
の磁化方向が外部磁界によって相対的に変化することに
よって大きな抵3変化を生じる複数の導電性磁性層と、
その導電性磁性層の間に配置された導電性非磁性層を含
む磁気抵3センサによって構成し、巨大磁気抵3効果、或
いはスピン・バルブ効果を利用したものとすることによ
り、信号強度をさらに高めることができ、1平方インチ
当たり2ギガビット以上の記録密度を持った信頼性の高
い磁気記憶装置の実現が可能となる。
明する。本実施例の磁気記憶装置の平面摸式図、断面摸
式図を図1(a)、及び図1(b)に示す。この装置は磁気ヘッ
ド1、及びその駆動部2と、該磁気ヘッドの記録再生信号
処理手段3と磁気記録媒体4とこれを回転させる駆動部5
とからなる周知の構造を持つ磁気記憶装置である。
磁気ヘッドは基体6上に形成された記録用の電磁誘導型
磁気ヘッドと再生用の磁気抵3効果型磁気ヘッドを併せ
持つ複合型ヘッドである。前記記録用ヘッドはコイル7
を挟む上部記録磁極8と下部記録磁極兼上部シールド層9
からなり、記録磁極間のギャップ層厚は0.3μmとし
た。また、コイルには厚さ3μmのCuを用いた。前記再生
用ヘッドは磁気抵3センサ10とその両端の電極パタン
11からなり、磁気抵3センサは共に1μm厚の下部記録
磁極兼上部シールド層と下部シールド層12で挟まれ、該
シールド層間距離は0.25μmである。尚、図2では記録
磁極間のギャップ層、及びシールド層と磁気抵3センサ
とのギャップ層は省略してある。
気センサの信号検出領域13は、酸化Alのギャップ層14上
に横バイアス層15、分離層16、磁気抵3強磁性層17が順
次形成された部分からなる。磁気抵3強磁性層には、20n
mのNiFe合金を用いた。横バイアス層には25nmのNiFeNb
を用いたが、NiFeRh等の比較的電気抵3が高く、軟磁気
特性の良好な強磁性合金であれば良い。横バイアス層は
磁気抵3強磁性層を流れるセンス電流がつくる磁界によ
って、該電流と垂直な膜面内方向(横方向)に磁化さ
れ、磁気抵3強磁性層に横方向のバイアス磁界を印加す
る。これによって、媒体からの漏洩磁界に対して線形な
再生出力を示す磁気センサが得られる。磁気抵3強磁性
層からのセンス電流の分流を防ぐ分離層には、比較的電
気抵3が高いTaを用い、膜厚は5nmとした。
工されたテーパー部18がある。テーパー部は、磁気抵3
強磁性層を単磁区化するための永久磁石層19と、その上
に形成された信号を取り出すための一対の電極11からな
る。永久磁石層は保磁力が大きく、磁化方向が容易に変
化しないことが必要であり、CoCr、CoCrPt合金等が用い
られる。
示す。基板20には化学強化されたソーダライムガラスを
使用した。その上にCo-30at%Cr-10%Zr合金からなる第一
の下地層21を50nm、Cr-15at%Ti合金からなる第二の下地
層22を30nm、Co-20at%Cr-12at%Pt合金磁性層23を20nm、
更に10nmのカーボン保護膜24をDCスパッタ法により形成
した。第一の下地層は基板を加熱しない状態で形成し、
その後、ランプヒーターにより250℃まで加熱して、そ
の上の各層を形成した。膜形成後、パーフルオロアルキ
ルポリエーテル系の材料をフルオロカーボン材料で希釈
したものを潤滑材25として塗布した。また、第一の下地
層にCr-15at%Tiを使用した媒体を上記と同一条件で作製
し、これを比較例とした。
ドで比較例の媒体よりも約400Oe程度高く、残留磁束密
度と磁性層厚の積Br×tは85ガウス・ミクロンであっ
た。前記磁気記憶装置に組み込んで、線記録密度210kBP
I、トラック密度9.6kTPIの条件で記録再生特性を評価
したところ、S/Nは比較例媒体の場合よりも約15%高い
1.8であった。
膜を同一条件でガラス基板上に50nm形成し、X線回折の
測定を行ったところ、明瞭な回折ピークはみられなかっ
た。また、透過電子顕微鏡(TEM)を用いてCoCrZr合金
膜の構造を調べたところ、図5に示すようなTEM像と制限
視野回折パターンが得られた。同図右上隅の白いスポッ
トとリングが制限視野回折パターンである。尚、この制
限視野回折パターンは、直径0.5ミクロン程度の領域か
ら得られたものである。TEM像には結晶構造の存在を示
す格子像は見られず、また、制限視野回折パターンは非
晶質に特有なハロー状の回折リングを示している。この
ことから、第一の下地層のCoCrZr合金は、非晶質構造を
とっていると考えられる。TEM像には、第一の下地層表
面の微細な凹凸を反映した濃淡が観察された。この凹凸
は数nmのピッチでかなり均一に形成されている。
体、及び比較例媒体のX線回折の測定を行った結果、図6
に示す回折パターンが得られた。比較例媒体の回折パタ
ーンでは第一の下地層と第二の下地層が同一組成のた
め、両者の回折ピークの識別は出来ない。また、下地層
の体心立方構造(bcc構造)の (110)ピークは磁性層か
らの六方最密構造(hcp構造)の(00.2)ピークと重なる
ため、この両者の識別も不可能である。しかし、いずれ
にしても第二の下地層は実施例媒体のように強く(100)
配向しておらず、配向が異なる複数の結晶粒の混合相と
なっている。このため、磁性層中のCoCrPt合金結晶も様
々な結晶配向をとっており、CoCrPt磁性層からは複数の
回折ピークがみられる。一方、実施例媒体は前記の様に
第一の下地層のCoCrZr合金は回折ピークを示さないた
め、図中の回折ピークは、第二の下地層からのbcc(200)
ピークと、CoCrPt磁性層からのhcp(11.0)ピークであ
る。このことから、非晶質構造のCoCrZr合金層上に形成
された第二の下地層のCrTi合金は(100)配向をとり、そ
の上のCoCrPt磁性層はエピタキシャル成長により(11.
0)配向をとっていることがわかる。このため、CoCrPt合
金の磁化容易軸であるc軸の面内方向の成分が大きくな
り、良好な磁気特性が得られる。さらに、磁性層のTEM
観察を行ったところ、本実施例のCoCrPt合金の平均結晶
粒経は16.1nm程度であり、比較例に比べて約3nm微細化
されていた。また、前記単層のCoCrZr合金単層膜の磁化
測定を行ったところ、明瞭なヒステリシス曲線が得られ
なかったため、該合金膜は非磁性であると考えられる。
において、第一の下地層にCoMnTa合金を使用した磁気記
録媒体を用いた。
化ガラス基板を150℃まで加熱した後、第一の下地層のC
o-36at%Mn-10%Ta合金を、10mTorrのアルゴンに窒素を5%
添加した混合ガス雰囲気中で30nm形成した。その後、基
板温度が250℃となるよう再び基板を加熱し、第二の下
地層のCrV合金を30nm、CoCrNiPt合金磁性層を30nm、そ
してカーボン保護膜を10nmと順次形成した。第二の下地
層以降の各層は純アルゴンガス圧5mTorrのもとで形成し
た。得られた媒体の保磁力は2560エルステッドであっ
た。第一の下地層のCo-36at%Mn-10%Ta合金の単層膜の磁
化、及び膜構造について検討するため、該単層膜を30n
m、前記と同一条件で強化ガラス基板上に形成した。こ
の単層膜の磁化測定を行ったところ、飽和磁束密度は約
80G程度であった。TEMにより粒径観察を行ったところ、
CoMnTa合金単層膜の平均結晶粒径は約3nm以下であっ
た。カーボン保護膜まで形成した媒体のX線回折測定の
結果、実施例1と同様、第二の下地層のCrV合金は(100)
配向しており、CoCrNiPt合金はエピタキシャル成長によ
り、(11.0)配向していることがわかった。更に、磁性
層のCoCrNiPt合金のTEM観察を行ったところ、平均結晶
粒径は約19nmであった。尚、本実施例では膜形成は全て
DCスパッタ法により行ったが、その他、イオンビームス
パッタ法、ECRスパッタ法等でも同様な効果が得られ
る。
I、トラック密度9.6kTPIの条件で記録再生特性を行っ
た結果、1.8という高い装置S/Nが得られた。CSS試験
(コンタクト・スタート・ストップ試験)を行ったとこ
ろ、3万回のCSSを行っても摩擦係数は0.3以下であっ
た。また、媒体の内周から外周なでのヘッドシーク試験
5万回後のビットエラー数は10ビット/面以下であり、平
均故障間隔で30万時間以上が達成出来た。
下記の第一の下地層の各単層膜をガラス基板上に形成
し、ピーリング試験を行った。
金、CoMnTa合金及びCo-30at%Cr合金、Co-20at%Cr-10at%
SiO2合金を用いた。CoCrZr合金及びCoMnTa合金の単層膜
は前記と同一条件でガラス基板上に形成した。CoCr合金
及びCoCrSiO2合金は実施例2と同一条件にて単層膜を形
成した。また、比較のため、第一の下地層にCrを用い、
実施例2と同一条件にて単層膜を形成した。ピーリング
試験は膜面にカッターナイフで3mm×3mmのメッシュを25
個けがいた後テープを貼り、40〜48時間後にピーリング
を行った。密着性は剥がれた部分の面積比率で評価し
た。ピーリング試験結果を図7に示す。第一の下地層にC
oからなる合金を用いた系はいずれも良好な密着性を示
した。尚、酸化物とCoとの化合物を用いた場合と実施例
2の第一の下地層は実施例1の該下地層よりも良好であっ
た。
において、第一の下地層にCoCrW合金を使用した磁気記
録媒体を用いた。
25at%Cr-12at%W合金を25nm形成した。但し、このとき、
基板加熱は行わず、膜形成時のアルゴンガス圧を5〜30m
Torrまで変化させた。前記下地層形成後、220℃になる
よう基板加熱を行い、CrMo下地層50nm、CoCrPtTa磁性層
25nm、カーボン保護膜10nmと順次形成した。
一の下地層のCoCrW合金のみをガラス基板上にアルゴン
ガス圧5〜25mTorrのもとで形成し、X線回折の測定を行
った。その結果、成膜時のアルゴンガス圧が5〜10mTorr
と比較的低い場合には、前記CoCrW単層膜からは強いhcp
(00.2)ピークがみられ、(00.1)配向したhcp構造の膜
であることがわかった。しかし、アルゴンガス圧の増加
に伴い(00.2)ピーク強度は急激に減少し、ガス圧が15m
Torr以上では明瞭な回折ピークはみられなくなった。次
にカーボン保護膜まで形成した媒体について、X線回折
の測定を行った。得られた回折パターンから、第二の下
地層CrMo合金からの(200)ピークと(110)ピークの強度
比、及び磁性層からの(11.0)ピークと(00.2)ピークの
強度比を求め、第一の下地層形成時のアルゴンガス圧と
の関係を調べた。結果を図8に示す。尚、図中の記号
は、例えばICo11.0はCoCrPtTa層からの(11.0)回折ピ
ーク強度を表しており、その他のピーク強度についても
同様な表記を用いた。第一の下地層形成時のアルゴンガ
ス圧が10mTorr以下の場合には、第二の下地層のCrMo合
金はbcc(110)配向、CoCrPtTa磁性層はhcp(10.1)配向し
ている。これに対し、アルゴンガス圧が15mTorr以上に
なると、第二の下地層からの(110)ピーク強度は急激に
減少し、代わって(200)ピークが増加する。これに伴っ
てCoCrPtTa合金磁性層からのピーク強度比も急激に変化
し、(11.0)ピークが急増している。図9に媒体の保磁力
と前記CoCrW合金形成時のガス圧の関係を示す。保磁力
は結晶配向が急激に変化するアルゴンガス圧10〜15mTor
付近を境に、それ以上で急激に増大している。以上よ
り、15mTorr以上のアルゴンガス圧で第一の下地層のCoC
rW合金形を形成することにより、該下地層が非晶質化、
或いは微結晶化され、その結果、CrMo下地層は(100)配
向、CoCrPtTa磁性層は(11.0)配向をとり、保磁力が増
大することがわかった。
Ti、CrV等他のCr合金を用いた場合、或いは磁性層にCoC
rPt、CoCrTa等他のCo合金を用いた場合にもみられた。
I、トラック密度9.6kTPIの条件で記録再生特性を行っ
た。装置S/NはCoCrW合金形成時のアルゴンガス圧の増加
と共に向上し、15mTorr以上では1.6以上の値が得られ
た。また、媒体の内周から外周までのヘッドシーク試験
5万回後のビットエラー数は10ビット/面以下であり、平
均故障間隔で30万時間以上が達成出来た。
において、再生用磁気ヘッドに図10に示すセンサを用い
た。 このセンサはギャップ層14上に、5nmのTaバッフ
ァ層26、7nmの第一の磁性層27、1.5nmのCu中間層28、3
nmの第二の磁性層29、10nmのFe-50at%Mn反強磁性合金層
30が順次形成された構造である。前記第一の磁性層には
Ni-20at%Fe合金を使用し、第二の磁性層にはCoを使用し
た。反強磁性層からの交換磁界により、第二の磁性層の
磁化は一方向に固定されている。これに対し、第二の磁
性層と非磁性層を介して接する第一の磁性層の磁化の方
向は、磁気記録媒体からの漏洩磁界により変化するた
め、抵3変化が生じる。このような二つの磁性層の磁化
の相対的方向の変化に伴う抵3変化はスピンバルブ効果
と呼ばれるが、本実施例では再生用ヘッドにこの効果を
利用したスピンバルブ型磁気ヘッドを使用した。テーパ
ー部は実施例1の磁気センサと同一構成である。
地層、第二の下地層、磁性層、カーボン保護膜と実施例
1と同一プロセスで順次形成したものを使用した。第一
の下地層には20nmのCo-40at%V-12at%M合金(M = Ti、
Y、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、B)を用い、第二の下地層
にはCrTi合金50nm、磁性層にはCoCrPt合金22nmを用い
た。
質、またはそれに近い微結晶構造であった。また、X線
回折の測定の結果、第二の下地層のCrTi合金は(100)配
向、CoCrPt磁性層は(11.0)配向していることがわかっ
た。この傾向は第一の下地層に前記の何れのCo-V-M合金
を使用した場合でも同様であった。第一の下地層に各合
金材料を使用した記録媒体の保磁力、保磁力角型比と、
CoCrPt磁性層からの(11.0)ピークと(10.1)ピークの強
度比(ICo11.0/ICo10.1と記す)を表1に示す。
Crを使用した場合の値も示してある。比較例の媒体では
第二の下地層のCrTiは強く(110)配向しているため、CoC
rPt磁性層は(10.1)配向しており、該磁性層からの(1
1.0)ピークはみられない。これに対し、本実施例媒体
では前記のように、何れもCoCrPt磁性合金が強く(11.
0)配向しているため、該磁性合金の磁化容易軸であるc
軸の面内成分が大く、高い保磁力と保磁力角型比が得ら
れる。特にM= Zr、Ta、Wの場合には、CoCrPt磁性層の(1
1.0)回折が強くなり、磁化容易軸の面内配向成分が大
きくなっている。
チあたり2ギガビットの記録密度の条件で記録再生特性
を測定したところ、本実施例媒体では何れの媒体からも
1.6以上という高いS/N値が得られた。また、本実施例
媒体は、何れも3万回のCSSを行っても摩擦係数が0.2以
下であり、実施例2の媒体よりも良好なCSS特性を示し
た。
て、Co-30at%Cr-10%Zr合金層に代えて、Co-30at%CrにT
i、 Y、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、WおよびBの酸化物を添加
した層を第一の下地層として使用した磁気記録媒体を用
いて、実施例1と同様の磁気記憶装置を構成した。
またはそれに近い微結晶構造であった。また、X線回折
の測定の結果、第二の下地層のCrTi合金は(100)配向、C
oCrPt磁性層は(11.0)配向していることがわかった。表
2に、各下地層を用いた場合の保磁力、保磁力角型比、
および、X線回折ピーク強度比ICo11.0/ICo10.1を示
す。
に、CoCrPt磁性層の(11.0)回折が強くなり、磁化容易
軸の面内配向成分が大きくなっている。
チあたり2ギガビットの記録密度の条件で記録再生特性
を測定したところ、本実施例媒体では何れの媒体からも
1.6以上という高いS/N値が得られた。また、本実施例
媒体は、何れも3万回のCSSを行っても摩擦係数が0.2以
下であり、実施例2の媒体よりも良好なCSS特性を示し
た。
構造の第一のCo合金下地層上に直接、磁性層を形成した
場合、磁性層は強い(00.1)配向を示した。これは磁性
層のCo合金結晶のc軸が膜面に対して垂直方向を向いた
配向であり、面内磁気記録媒体としては使用できない
が、垂直磁気記録媒体に適している。
記録媒体において、第二の下地層を、Crからなる10nmの
層と、その上に形成されたCr-15at%Ti合金からなる20nm
の二つの層で構成した磁気記録媒体を作製した。その他
の膜構成、成膜プロセスは実施例1と同様である。ま
た、比較例として、上記の磁気記録媒体において、第一
の下地層にY(イットリウム)-M合金(M=Ti、 Nb、 V、
Ta)、及びCrを用いた磁気記録媒体を作製した。
ドであった。一方、上記Y-M合金のMをVとした第一の下
地層を用いた比較例の媒体の保磁力は、2030エルステッ
ドであり、本実施例の媒体に比べて小さい。MとしてT
i、 Nb、 Taを用いた場合もほぼ同様な結果が得られ
た。これは磁性層の(11.0)配向の強さの違いに起因し
ている。即ち、Y-M合金を第一の下地層に用いた場合、
磁性層は実施例1の媒体のように強く(11.0)配向しない
ため、良好な磁気特性が得られない。図11(a)に、平面T
EM像から求めた本実施例の媒体の磁性層の結晶粒径の分
布を示す。また、図11(b)は図11(a)のデータをもとに、
ある結晶粒径以下の結晶粒の面積百分率を縦軸にとった
粒径加積曲線を示す図である。このデータから求めた平
均結晶粒径は17.5nm、粒径分散は10.1nmであった。こ
こで、平均結晶粒径<D>は、図11(b)の縦軸の値が50%と
なる結晶粒径とし、粒径分散幅ΔDは、縦軸の値が75%と
25%となる結晶粒径の差とした。表3に本実施例と比較例
の媒体の平均結晶粒径と粒径分散幅を比較して示す。
た場合に比べ、Co合金を用いた場合の方が、磁性層の結
晶粒径は、10〜20%程度微細化されており、結晶粒径の
分散幅が25〜30%程度小さかった。これは第一下地層のC
o合金表面の結晶核生成サイトの分布がより均一である
ためと考えられる。
したところ、本実施例の媒体は1.9であるのに対し、Y-
M合金を第一の下地層に用いた比較例の場合には0.8〜
1.1程度のS/Nしか得られなかった。これは前記の様に
配向性の低下による再生出力の低下、磁性層のCo合金結
晶粒の粒径不均一による媒体ノイズの増加によるものと
思われる。このような傾向は、磁性層に他のCo合金を用
いた場合にもみられた。以上より、本発明のCo合金を第
一の下地層を用いた方が、Y-M合金を第一の下地層に用
いた場合よりも優れた特性が得られることがわかる。
の層を用いた本実施例の媒体は、実施例1の媒体に比べ
て高い保磁力と高いS/Nが得られている。これは第一のC
o合金下地層上のCrがCrTiに比べてより強い(100)配向を
示すためである。
低減、保磁力増大等の効果を持つ。本発明の磁気記録媒
体と磁気抵3効果型ヘッドを用いることにより、一平方
インチあたり2ギガビットの記録密度を有し、かつ平均
故障回数が30万時間以上の磁気記憶装置の実現が可能と
なる。
の磁気記憶装置の平面模式図およびそのA-A' 断面図で
ある。
断面構造の一例を示す斜視図である。
磁気抵3センサ部の断面構造の一例を示す模式図であ
る。
示す模式図である。
Coを含有する第一の下地層の平面透過電子顕微鏡像と制
限視野回折パターンの模式図である。
の媒体のX線回折パターンである。
地層、及びCoCrPtTa磁性層からの回折ピークの強度比の
関係を示す図である。
の関係を示す図である。
の磁気抵3センサ部の断面構造の一例を示す模式図であ
る。
録媒体における磁性層の結晶粒径分布、及びその粒径加
積曲線を示す図である。
3...記録再生信号処理系、4...気記録媒体、
5...磁気記録媒体駆動部、6...基体、7...コ
イル、8...上部記録磁極、9...下部記録磁極兼上
部シールド層、10...磁気抵3センサ、11...導体
層、12...下部シールド層、13...信号検出領域、
14...シールド層と磁気抵3センサの間のギャップ
層、15...横バイアス層、16...分離層、17...
磁気抵3強磁性層、18...テーパー部、19...永久
磁石層、20..基板、21...第一の下地層、22...
第二の下地層、23...磁性層、24...保護膜、2
5...潤滑膜、26...バッファ層、27...第一の
磁性層、28...中間層、29...第二の磁性層、3
0...反強磁性層。
Claims (13)
- 【請求項1】基板上に、複数の下地層が積層された多層
下地層を介して形成された磁性層を有する磁気記録媒体
において、前記多層下地層の少なくとも一層がCoを含有
する非晶質、或いは微結晶材料から成ることを特徴とす
る磁気記録媒体。 - 【請求項2】前記Coを含有する下地層と磁性層の間に実
質的に体心立方格子構造を有する下地層が形成されてお
り、かつ、前記磁性層が実質的に最密六方格子構造を有
するCoを主成分とする合金であることを特徴とする請求
項1に記載の磁気記録媒体。 - 【請求項3】前記Coを含有する材料からなる下地層の平
均結晶粒径が8nm以下であることを特徴とする請求項1に
記載の磁気記録媒体。 - 【請求項4】基板上に、複数の下地層が積層された多層
下地層を介して形成された磁性層を有する磁気記録媒体
において、前記多層下地層の少なくとも一層がTi、Y、Z
r、Nb、Mo、Hf、Ta、W、 Si、Bから成る第一の群より選
ばれた少なくとも1種の第一の添加元素とCoを含有する
合金材料から成る層であり、かつ、この層の残留磁束密
度と層厚の積が前記磁性層の残留磁束密度と層厚の積の
20%以下であることを特徴とする磁気記録媒体。 - 【請求項5】前記Coを含有する下地層と磁性層の間に実
質的に体心立方格子構造を有する下地層が形成されてお
り、かつ、前記磁性層が実質的に最密六方格子構造を有
するCoを主成分とする合金であることを特徴とする請求
項4に記載の磁気記録媒体。 - 【請求項6】前記Coを含有する下地層に含まれる第一の
添加元素の濃度が5at%以上70%以下であることを特徴
とする請求項4に記載の磁気記録媒体。 - 【請求項7】前記Coを含有する材料からなる下地層の平
均結晶粒径が8nm以下であることを特徴とする請求項4
に記載の磁気記録媒体。 - 【請求項8】前記Coを含有する材料から成る下地層が、
さらに、Cr、V、Mnより成る第二の群より選ばれた少な
くとも1種の第二の添加元素を含有することを特徴とす
る請求項4に記載の磁気記録媒体。 - 【請求項9】基板上に、複数の下地層を介して形成され
た磁性層を有する面内磁気記録媒体と、これを記録方向
に駆動する駆動部と、記録部と再生部から成る磁気ヘッ
ドと、上記磁気ヘッドを上記磁気記録媒体に対して相対
運動させる手段と、上記磁気ヘッドへの信号入力と該磁
気ヘッドからの出力信号再生を行うための記録再生信号
処理手段を有する磁気記憶装置において、前記磁気ヘッ
ドの再生部が磁気抵3効果型磁気ヘッドで構成され、か
つ、前記面内磁気記録媒体の複数の下地層の少なくとも
一層がCoを含有する非晶質、或いは微結晶材料から成る
ことを特徴とする磁気記憶装置。 - 【請求項10】前記磁気抵抗効果型磁気ヘッドの磁気抵
抗センサ部が、互いに0.35μm以下の距離だけ隔てられ
た軟磁性体からなる2枚のシールド層の間に形成されて
おり、かつ、前記磁性層の厚さ t と、記録時における
前記面内磁気記録媒体に対する上記磁気ヘッドの相対的
な走行方向に磁界を印加して測定した残留磁束密度Brの
積Br×tが20ガウス・ミクロン以上、140ガウス・ミクロ
ン以下であり、さらに、上記の磁界印加方向と同じ方向
に磁界を印加して測定した前記磁気記録媒体の保磁力が
1.8キロエルステッド以上であることを特徴とする請求
項9に記載の磁気記憶装置。 - 【請求項11】前記磁気抵抗効果型磁気ヘッドが、互い
の磁化方向が外部磁界によって相対的に変化することに
よって大きな抵抗変化を生じる複数の導電性磁性層と、
該導電性磁性層の間に配置された導電性非磁性層を含む
磁気抵抗センサによって構成されることを特徴とする請
求項6または9に記載の磁気記憶装置。 - 【請求項12】基板上に、複数の下地層を介して形成さ
れた磁性層を有する面内磁気記録媒体と、これを記録方
向に駆動する駆動部と、記録部と再生部から成る磁気ヘ
ッドと、上記磁気ヘッドを上記磁気記録媒体に対して相
対運動させる手段と、上記磁気ヘッドへの信号入力と該
磁気ヘッドからの出力信号再生を行うための記録再生信
号処理手段を有する磁気記憶装置において、前記磁気ヘ
ッドの再生部が磁気抵3効果型磁気ヘッドで構成され、
かつ、前記磁気記録媒体の単層、または複数の下地層の
少なくとも一層がTi、Y、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、 S
i、Bから成る第一の群より選ばれた少なくとも1種の第
一の添加元素とCoを含有する合金材料から成る層であ
り、かつ、この層の残留磁束密度と層厚の積が前記磁性
層の残留磁束密度と層厚の積の20%以下であることを特
徴とする磁気記憶装置。 - 【請求項13】前記Coを含有する材料から成る下地層
が、さらに、Cr、V、Mnより成る第二の群より選ばれた
少なくとも1種の第二の添加元素を含有することを特徴
とする請求項12に記載の磁気記憶装置。
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1997
- 1997-05-14 JP JP12375297A patent/JP3217012B2/ja not_active Expired - Fee Related
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US7050253B2 (en) | 1997-12-09 | 2006-05-23 | Hitachi Global Storage Technologies Japan, Ltd. | Magnetic recording media and magnetic storage apparatus using the same |
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