JP3359706B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents
磁気記録媒体Info
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Description
プ、磁気ディスク、磁気カード等の磁気記録媒体及び磁
気記録装置に係り、特に高密度磁気記録に好適な薄膜媒
体及びこれを用いた小型大容量磁気記録装置に関する。
型化・高速化に伴い、磁気ディスク装置その他の外部記
憶装置の大容量化・高速アクセス化に対する要求が高ま
っている。特に、磁気ディスク記録装置は高密度化・高
速化に適した情報記憶装置であり、その需要が一段と強
まりつつある。
しては、酸化物磁性体の粉末を基板上に塗布した媒体
と、金属磁性体の薄膜を基板上にスパッタ蒸着した薄膜
媒体が開発されている。この中で薄膜媒体は、塗布型の
媒体に比べて磁気記録層に含まれる磁性体の密度が高い
ため、高密度の記録再生に適している。薄膜媒体の基板
にはAl−Mg合金、化学強化ガラス、有機樹脂、セラ
ミックス等が用いられ、さらに基板表面にはヘッド粘着
防止あるいは磁気特性向上の目的で中心線平均粗さ(以
後、Raと略記する)が2〜10nm程の溝や突起が形
成される。
効果型(以後、GMRと略記する)素子を用いることに
より、ヘッドの再生感度を従来の誘導型磁気ヘッドに比
べて向上した記録再生分離型ヘッド(以後、GMRヘッ
ドと略記する)が開発されている。GMRヘッドを用い
れば記録ビットの面積が小さくても充分な信号S/Nが
得られるので、媒体の記録密度を飛躍的に向上すること
ができる。
高いCo合金スパッタ膜が用いられる。Co合金は六方
最密充填型(hexagonal close packed;hcp)の結晶
構造を有し、磁化容易軸は結晶のc軸である。従って、
面内記録方式ではc軸が基板面と平行となるよう結晶を
配向成長させる必要がある。このため、下地膜として体
心立方構造(body centered cubic :bcc)のCr、
あるいはCr−Ti、Cr−V等の合金膜を用い、この
上にCo合金薄膜をエピタキシャル成長させる技術が用
いられる。
「アイ・イー・イー・イー トランサクション オン マ
グネティクス」第29巻(1993年)、307頁に記
載されるように、ヘッド走行方向に測定した磁性膜の残
留磁化量(以後、Brと略記する)と磁性膜の総膜厚
(δ)の積(Brδ)は80〜180Gμm程度、ヘッ
ド走行方向に測定した保磁力(Hc)は1600〜21
00Oe程度である。
ランサクション オン マグネティクス」第29巻(19
93年)、292頁には、透過電子顕微鏡により磁性膜
の結晶格子を観察することにより、結晶粒界、c軸の配
向性、面心立方格子型(facecentered cubic :fc
c)結晶構造を有する異相の存在、及び積層欠陥の密度
等を解析した結果が記載されている。
に向上するには、再生感度の高いGMRヘッドの開発、
及びGMRヘッドに適応した磁気特性を有し、かつヘッ
ドの浮上量を低減すべく表面を従来より平滑化した記録
媒体の開発が必須である。従来技術による記録媒体とG
MRヘッドを用いて記録再生実験を行ったところ、Br
δが80Gμm以上あり、GMRヘッドで再生すると出
力とともにノイズが大幅に増加し、高いS/Nを得るこ
とができなかった。また、Brδが大きい場合にGMR
ヘッドの出力が飽和し、再生信号波形が正側と負側で非
対称となり、信号の弁別が困難になる問題があった。ま
た、媒体のBrδが大きいとGMR膜の磁化が過度に回
転して不安定化するため、ヘッドよりバルクハウゼンノ
イズが発生して記録ビットエラーを発生する問題があっ
た。
δを80Gμm未満に低減することが有効である。その
ためには、磁性膜の膜厚δ、あるいは残留磁束密度Br
を減少する必要がある。ところが、いずれの方法によっ
てもBrδを上記値とすると、媒体の保磁力Hcが従来
の媒体に比べ著しく低下し、1000Oe未満となっ
た。このようにHcが低下すると、線記録密度が100
kBPI以上と高記録密度の領域ではヘッド出力が著し
く低下するため、エラーを発生するという問題があっ
た。
ノイズの低減には磁性膜の粒子間相互作用の低下が有効
との考えから、磁性膜結晶粒の孤立化の手法が提案され
てきた。しかし、この方法では保磁力角形比(S* )の
低下に伴う高記録密度での出力低下や、磁性膜の耐食性
が低下する問題があった。また、媒体からの磁束を有効
にGMRヘッドで検出するためには、ヘッドの浮上量を
0.1μm以下とする必要がある。しかし、従来の媒体
ではヘッド粘着防止あるいは磁気特性向上の目的で、基
板表面にRaが2nm以上のテクスチャーが形成されて
おり、浮上量を下げるとテクスチャーの突起部とヘッド
が接触しやすく、浮上量を0.1μm以下に低減できな
いという問題がある。従って、ヘッドが安定に浮上でき
るように、従来より表面が平滑な媒体を形成する必要が
ある。
の目的は、再生感度の高いGMRヘッドに適応した、高
S/Nが得られる記録媒体を提供することである。すな
わち、GMRヘッドの浮上量0.1μm以下において線
記録密度150kBPI以上、トラック密度10kTP
I以上での記録再生(面記録密度で1.5GMb/in
2 以上に対応)時のS/Nの値が1以上の磁気記録媒体
を提供することである。本発明の第2の目的はこのよう
な媒体を再現性良く製造する方法を提供することであ
り、第3の目的は、このような媒体を用いた大容量で信
頼性の高い磁気記録装置を提供することである。
合には、媒体としてヘッドの走行方向に測定した磁性膜
の残留磁化量と磁性膜の総膜厚の積(Brδ)を減少
し、かつ、磁性膜の異方性磁界(Hk)を増加すること
により、磁化遷移部の反磁界の影響を低減することが重
要である。
ッドによる記録再生特性について鋭意研究を重ねた結
果、上記目的を達成するためには、媒体の磁性膜のヘッ
ド走行方向に測定した残留磁化Brと磁性膜総膜厚δと
の積Brδを5Gμm以上、80Gμm未満とし、か
つ、上記媒体の異方性磁界Hkの値が7kOe以上、2
0kOe以下とすることが有効であることを見出した。
特に、150kBPI以上の線記録密度において媒体ノ
イズをさらに低減し、S/Nを向上するためには、上記
Brδの値を5Gμm以上、30Gμm以下とすること
が好ましい。
下に述べる方法により測定することができる。すなわ
ち、磁性膜試料の基板面内に磁界を印加しながら、試料
を基板面で360度往復回転し、得られたトルク曲線の
内側の面積を求める。この面積は回転履歴損失Wrと呼
ばれる。このWrを印加磁界の逆数に対してプロット
し、高磁界側でWrが0となる磁界がHkである。
を5nm、30nm以下とし、保磁力を1000Oe以
上、3500Oe以下とすると、磁化遷移領域の磁化の
乱れが低減して磁化遷移領域の幅が減少し、高記録密度
領域においても高い出力が得られる。磁性膜結晶の粒界
の幅が0.5nm以上、5nm以下であるとHcが向上
し、ノイズが低減する。
晶型の結晶構造を有し、そのc軸が実質的に基板面内方
向に配向しており、さらに、六方晶型の格子定数のa及
びcの長さの比c/aの値を1.3以上、1.6以下と
すると異方性磁界が向上する。ここで、c及びaの値は
磁性膜のX線回折分析法、電子線回折分析法、又は透過
電子顕微鏡観察法により求められ、X線回折分析におい
ては必要に応じて試料面を入射X線に対して傾斜させる
ことが必要である。
有する磁性膜結晶中の面心立方格子(fcc)を形成す
る積層欠陥の密度を5%以下とすると異方性磁界が向上
する。上記磁性膜の結晶粒界の幅、あるいは積層欠陥の
密度は高分解能の透過電子顕微鏡により100個程度の
磁性膜結晶粒の格子像を直接観察し、平均化することに
より求めることができる。
素、炭素、窒素の合計濃度を1原子%以下とすると異方
性磁界がより向上する。ここで、磁性膜中の酸素、炭
素、窒素の合計濃度は蛍光X線分析法や、Csイオンと
の分析元素とのクラスターイオンを用いた二次イオン質
量分析法により求めることができる。本明細書で示した
磁気記録媒体の作製に当たっては、成膜真空槽の排気速
度や膜の成長速度を増したり、非磁性下地膜及び磁性膜
形成時に、基板に負のバイアス電圧を10V以上、50
0V以下印加すると、膜の結晶性が向上し、異方性磁界
が向上する。交流バイアスでも直流成分を含んでいれば
同様の効果が得られる。
み法などにより、磁性膜及び下地膜中に、Ar、Xe、
Krの少なくとも一つの元素を0.1%以上、5%以下
の原子濃度で存在せしめると、膜面内に圧縮応力が増し
て異方性磁界や保磁力が向上する。特に原子半径の大き
いXeあるいはKrを混入すると、膜面内の圧縮応力を
大幅に向上でき、異方性磁界や保磁力を向上できる。
がCoを主たる成分とし、これにNi、Cr、Mo、
W、Zr、Ta、Nb、Al、Si、Pt、B、あるい
はPのいずれか少なくとも1種の元素を添加すると、高
いHcが得られる。特に、磁性膜がCoを主たる成分と
し、Crを磁性膜中に15原子%以上、22原子%以下
の濃度で添加すると、媒体のノイズが著しく低減する。
00℃以下とすると、磁性膜中の偏析構造が促進されて
Hcが向上する。成膜後に媒体を200℃以上の温度で
熱処理すると偏析などが促進され、さらに保磁力が高
く、またノイズも低くなる。ただし、熱処理温度として
は600℃よりも高くすると粒径が肥大化し、ノイズが
増加するので、熱処理は600℃以下で行うことが望ま
しい。
Ti、B、Be、C、Ni−P、Ni−Bの少なくとも
一つを主たる成分とする膜厚0.5nm以上、5nm以
下の非磁性中間層により、磁性膜を2層以上に多層化す
ると媒体ノイズが著しく低減する。磁性膜表面のヘッド
走行方向と垂直の方向に測定した中心線平均粗さRaを
0.3nm以上、1.9nm以下とすると、ヘッド浮上
量が0.1μm以下でも安定に浮上できる。また、上記
磁気記録媒体が磁性膜上に保護膜を有し、保護膜表面の
ヘッド走行方向と垂直の方向に測定した中心線平均粗さ
Raを0.3nm以上、3nm以下とすると、ヘッド浮
上量が0.1μm以下でも安定に浮上できる。
r、Mo、W、Nb、あるいはTaを主たる成分とし、
Ti、Pt、Pd、Si、Fe、V、Ru、P、Bのい
ずれか少なくとも1種の元素を添加した合金下地膜を磁
性膜に隣接して形成し、その膜厚を5nm以上、500
nm以下とすると磁性層の配向性が向上し異方性磁界が
向上するとともに、媒体ノイズが低下する。さらに、前
記下地層を少なくとも2層の非磁性層で構成し、基板側
下地層をZr、Si、Ti、Sc、Al、C、Ge、S
b、Ga、Ru、Pd、V、Nb、Ta、Hf、Rh、
Ni−P、Ni−Bもしくはこれらを主たる成分とする
合金とすると、化学強化ガラス、有機樹脂、Ti、S
i、カーボン、あるいはTiO2 、SiC等のセラミッ
ク材料からなる基板を用いたときでも異方性磁界が向上
するとともに、高いBrや保磁力が得られる。
これらを主たる成分とする合金が望ましく、特にCo−
Ni、Co−Cr、Co−Fe、Co−Mo、Co−
W、Co−Re等の合金を主たる成分とし、六方晶結晶
構造の(110)結晶格子面が基板と略平行となるよう
結晶を配向成長させるとHcが向上するので望ましい。
また、優れた耐食性を求める場合には磁性膜を構成する
磁性体としてCo−Ni−Zr、Co−Cr−Ta、C
o−Ni−Cr、Co−Cr−Ptを主たる成分とする
合金を用いることが望ましい。
カーボン、もしくはカーボンを主たる成分とする非磁性
材料を膜厚10〜50nm形成し、さらに吸着性のパー
フルオロアルキルポリエーテル等の潤滑層を膜厚3〜2
0nm設けることにより信頼性が高く、高密度記録が可
能な磁気記録媒体が得られる。保護層にはWC、(W−
Mo)−C等の炭化物、(Zr−Nb)−N、Si3N
4 等の窒化物、SiO2 、ZrO2 等の酸化物、あるい
はB、B4C、MoS2 、Rh等を用いると耐摺動性、
耐食性を向上できるので好ましい。これらの保護膜はマ
スクを用いて表面をエッチングし、面積比で1〜20%
の突起を設けるか、成膜条件、組成等を調整し、異相突
起を析出せしめることで、保護膜が磁性膜表面に比べて
大きな面粗さを有することがより好ましい。
とした場合に、CSS動作時のヘッドの粘着を抑制する
には、磁性膜上に保護膜を形成した後に微細マスクを用
いてプラズマエッチングすることで表面に高さ20nm
以下の微細な凹凸を形成したり、化合物、混合物のター
ゲットを用いて保護膜表面に微細な突起が生じるように
形成したり、あるいは熱処理によって表面に微細な凹凸
を形成すると、CSS動作時にヘッドと媒体の摩擦力が
低減でき、ヘッドが媒体に粘着する問題が回避される。
のGMRヘッドとを組合せることにより、大容量で高信
頼性の磁気記録装置を提供することができる。また、最
尤復号法による信号処理回路とを組み合わせるとさらに
記録密度を向上することができる。
に大きいとGMR膜の磁化回転が不安定となり、ヘッド
よりバルクハウゼンノイズが発生する。また、Brδが
増すと記録ビットの遷移領域において反磁界Hdが増し
て磁化の揺らぎが大きくなるため、再生感度が高いGM
Rヘッドを用いた場合に媒体ノイズNdが著しく大きく
なる。また、GMRヘッドは再生感度が高いためBrδ
が80Gμm以上では再生出力が飽和して出力信号の波
形が非対称となる。一方、Brδが5Gμm未満では再
生出力が小さく、媒体ノイズの大きさと同程度となるた
め高い信号S/Nが得られない。従って、使用するGM
Rヘッドの再生感度に適合して媒体のBrδを5Gμm
以上、80Gμm未満の範囲に制御することで高いS/
Nを得ることができる。
範囲に制御することにより記録ビットにおける磁化の揺
らぎを低減することができ、150kBPI以上の高い
線記録密度で媒体ノイズを著しく低減することができ
る。また、150kBPI以上の高い線記録密度では記
録ビットの長さが短くなり、磁化遷移部のジグザグした
形状がビット長さと同程度となる。また、磁化遷移部間
の相互作用も現われ、記録ビットの形状は従来の低記録
密度時のような理想的な長方形ではなく、不規則な形状
となりやすい。このような場合にも高い出力を得るため
には媒体の磁性膜の異方性磁界Hkの値を7kOe以
上、20kOeと従来より高くし、磁化遷移部の反磁界
の影響を低減することが有効である。
にはδを5nm以上、30nm以下の値とする必要があ
る。Hcを1000Oe以上とすると磁化遷移領域の幅
が減少して出力半減記録密度D50が向上するため、高線
記録密度時にも高い出力が得られ、同時に媒体ノイズN
dが減少するため再生信号のS/Nが向上する。また、
Hcを3500Oeよりも高くするとオーバーライト特
性が20dB以下となるので、Hcを3500Oe以下
とすることが好ましい。媒体の総磁性膜厚δを5nm以
下とすると、δが減少するに従い磁性膜の結晶粒径が小
さくなり、磁化の温度ゆらぎの効果等により保磁力Hc
は低下する。磁性膜厚δを30nm以上とすると磁性膜
が垂直方向に磁化しやすくなるためHcが低下するので
好ましくない。
5nm以下とすると磁気クラスター間の磁気的な相互作
用が低減し、Hcが向上するとともに媒体ノイズが低減
する。六方晶型結晶構造を有する磁性膜のc軸を実質的
に基板面内方向に配向し、さらに、磁性膜結晶に基板面
内方向の圧縮歪を付与し、六方晶型の格子定数のa及び
cの長さの比c/aの値を1.3以上、1.6以下とす
ると、逆磁歪効果によりHkやHcを従来より向上でき
る。
層欠陥の密度を5%以下と低減すると、磁気異方性定数
の大きい六方晶型結晶を、磁壁の幅程度の20〜30n
mの均一な大きさに制御できるので、HkやHcが向上
する。磁性膜中の酸素、炭素、窒素の合計濃度を1原子
%以下とすると、磁性膜の六方晶型結晶格子の乱れや欠
陥が低減するため磁気異方性定数が増し、HkやHcが
向上する。
るためには、非磁性下地膜及び磁性膜形成時に、成膜室
の排気速度を増して水蒸気等の不純物ガス濃度を低減
し、成膜速度を増すとともに、基板に実質的に負のバイ
アス電圧を10V以上、500V以下印加することが有
効である。特に、−200V以上の電圧を印加すること
により所望の磁気特性の磁性膜を形成することが可能で
ある。これは、成膜室中の不純物ガス濃度の低減、成膜
速度の増加、バイアス電圧の印加により、基板や下地膜
表面の汚染層除去、酸素や窒素等の不純物の除去、蒸着
粒子の基板表面拡散の促進による結晶格子の欠陥や乱れ
の低減、結晶粒界への非磁性元素の偏析による結晶粒界
の発達によるためである。
めには、下地膜の結晶格子の大きさを磁性膜の結晶格子
の大きさと整合させ、結晶格子の欠陥や乱れを低減する
ことが重要である。このためには、Cr、Mo、W、N
b、あるいはTaを主たる成分とする下地層に、Ti、
Pt、Pd、Si、Fe、V、Ru、P、Bのいずれか
少なくとも1種の元素を添加することが有効である。ま
た、磁性膜と同様に、下地膜の結晶格子の欠陥や乱れを
低減することも重要であり、そのためには前記下地層を
少なくとも2層の非磁性層で構成し、基板側下地層をZ
r、Si、Ti、Sc、Al、C、Ge、Sb、Ga、
Ru、Pd、V、Nb、Ta、Hf、Rh、Ni−P、
Ni−Bもしくはこれらを主たる成分とする合金とする
ことで、基板材料に起因する結晶配向性の乱れや、不純
物の拡散を抑制できる。
ドで検出するためには、ヘッドの浮上量を減少すること
が有効である。ここで、ヘッド走行方向と垂直の方向に
測定した媒体保護膜表面の中心線平均粗さRaを0.3
nm以上、3nm以下とすると浮上量が0.1μm以下
でもヘッドが安定に浮上する。また、磁性膜表面の、ヘ
ッド走行方向と垂直の方向に測定した中心線平均粗さR
aを0.3nm以上、1.9nm以下とすると浮上量が
0.1μm以下においてもヘッドが安定に浮上する。
クを用いてプラズマエッチングすることで表面に高さ2
0nm以下の微細な凹凸を形成したり、化合物、混合物
のターゲットを用いて保護膜表面に微細な突起を生じせ
しめたり、あるいは熱処理によって表面に微細な凹凸を
形成すると、ヘッドと媒体と接触面積、摩擦力が低減す
るため、ヘッドが媒体に粘着する問題が回避されるの
で、上記処理等により保護膜を磁性膜表面と異なる面粗
さを有するようにすることが特に好ましい。本発明によ
る媒体はS/Nが極めて高いため、トラック幅が2μm
以下のGMRヘッドで再生した場合に、トラック密度1
0kTPI以上、150kBPI以上の高い記録密度に
おいてS/Nが1以上の大容量磁気記録装置が得られ
る。
明する。図1は、本発明に係る薄膜媒体の断面構造を模
式的に示したものである。同図において、符号11はA
l−Mg合金、化学強化ガラス、有機樹脂、Ti、S
i、カーボン、あるいはTiO2 、SiC等のセラミッ
クス等からなる基板、12及び12’は基板11の両面
に形成したNi−P、Ni−W−P等からなる非磁性メ
ッキ層である。Al−Mg合金を基板として用いた場合
にはこのようなメッキ層を備えたものを基板として用い
ることが好ましいが、その他の基板については12及び
12’はなくてもよい。13及び13’はCr、Mo、
W、V、Ta、Nb、Zr、Ti、B、Be、C、Ni
−P、Ni−Bのいずれかを主な成分とする合金からな
る金属下地膜、14及び14’は当該下地膜の上に形成
したCo−Ni、Co−Cr、Co−Fe、Co−M
o、Co−W、Co−Pt、Co−Re、Co−P、C
o−Ni−Pt、Co−Cr−Ta、Co−Cr−P
t、Co−Ni−Cr、Co−Cr−Al、Co−Cr
−Nb、Co−Ni−P、あるいはCo−Cr−Si等
からなる金属磁性層、15及び15’は当該磁性膜の上
に形成したカーボン、WC、(W−Mo)−C、(W−
Zr)−C、SiC、(Zr−Nb)−N、Si
3N4 、SiO2 、ZrO2 、ボロン、B4C、Mo
S 2 、あるいはRh等からなる非磁性保護膜をそれぞれ
示す。
m、厚さ0.8mmのAl−4Mg(原子記号の前に付
した数字は当該素材の含有量を示す。含有量の単位は重
量%)からなるディスク基板の両面にNi−12P(重
量%)からなるメッキ層を膜厚13μm形成した。この
非磁性基板の表面を、ラッピングマシンを用いて中心線
平均粗さRaが0.3nmとなるまで平滑に研磨し、洗
浄及び乾燥した。その後、テープポリッシングマシンを
用い、平均砥粒径0.5μm以下の研磨剤の存在下で、
研磨テープをコンタクトロールを通してディスク基板1
1を回転させながらディスク面の両側に押しつけること
により、基板表面にヘッド走行方向に深さや密度が不規
則なテクスチャー溝を形成した。さらに、基板に付着し
た研磨剤等の汚れを洗浄して乾燥した。半径方向に測定
した基板表面の溝の中心線平均粗さRaは0.7nm、
ヘッド走行方向と略垂直方向の距離1μmにおける、深
さ1nm以上、50nm以下の溝の平均密度は20本で
あった。
置内で、真空槽体積当りの水蒸気の排気速度200l/
s以上の排気ポンプを用いて、2nTorrの真空度に
保持し、基板を250℃に加熱した後0.5mTorr
のアルゴン圧の条件のもとで膜厚50nmのCr下地膜
23を形成した。この下地膜上にCo−17Cr−5T
a(原子%)合金系磁性膜22を膜厚5〜30nm成膜
した。その後、磁性膜上に膜厚20nmの水素含有カー
ボン保護膜21を形成した。さらに、保護膜表面に開口
部のピッチ1μm以上、100μm以下の粒子化マスク
を設置した。その後、マスクに覆われない部分の保護膜
を酸素プラズマエッチングにより深さ1nm以上、20
nm以下エッチングし、保護膜が磁性膜表面と比べて異
なる面粗さを有するようにした。
護膜表面にピッチ1μm以上、100μm以下の凹凸2
5が形成された。当該保護膜上に吸着性のパーフルオロ
アルキルポリエーテル等の潤滑層を形成した。媒体の静
磁気特性(Hc、Br、Hk)を最大印加磁界14kO
eの振動式磁化測定機(VSM)、トルクメーターによ
り測定した。また、記録再生特性を、ヘッド浮上量0.
06μm、実効ギャップ長0.4μm、トラック幅2μ
m、再生部にGMR素子を有する複合型薄膜磁気ヘッド
を用いて線記録密度150kBPIにおいて記録再生S
/Nの値を求めた。
することにより、ヘッド走行方向に測定した媒体磁性膜
の残留磁化Brとδとの積Brδの値を5Gμm以上、
79Gμm以下とし、さらに、成膜室の排気速度、下地
膜及び磁性膜の成膜速度、及び成膜時の基板側の直流バ
イアス電圧を−10V〜−500Vの範囲で制御するこ
とにより、Hkを5kOeから30kOeまで変化させ
た媒体を作成した。
示す。Hkが7kOe以上、20kOe以下の範囲でS
/Nを1以上にできることが確認できた。この時のヘッ
ド走行方向に測定した保磁力Hcは1000Oe以上、
3500Oe以下であった。上記方法により形成された
磁気記録媒体をX線回折分析した結果、Cr下地層では
体心立方構造の(200)結晶格子面が基板面と略並行
となるよう結晶が配向成長していることが確認された。
また、磁性層では六方晶構造の(110)面がディスク
基板表面と略並行となり、c軸がディスク基板表面と略
並行となるよう配向していた。また、磁性膜中の酸素、
炭素、窒素の合計濃度は1原子%以下であることが確認
された。
や加工時間を制御することにより、保護膜表面の半径方
向に測定した中心線平均粗さRaを0.3nm以上、3
nm以下で、磁性膜表面の中心線平均粗さRaを0.3
nm以上、1.9nm以下とした媒体を用いて、浮上量
0.06μmにおいてMRヘッドを媒体内周から外周ま
で10万回シークした結果、ヘッドと媒体の接触は起こ
らないことが確認された。
10Cr(原子%)、Co−40Ni−5Zr(原子
%)、Co−30Ni−10Pt(原子%)を用いた場
合でも同様に認められた。また、下地膜を形成せずに基
板上に磁性膜を直接形成した場合には、保磁力が下地膜
を形成した場合に比べて100〜200Oe低下した
が、S/Nは1以上であることが確認された。また、磁
性膜を、Cr、Mo、W、V、Ta、Nb、Zr、T
i、B、Be、C、Ni−P、及びNi−Bの一種から
なる、膜厚0.5nm以上、5nm以下の非磁性中間層
により二層化した場合には、媒体ノイズが単層の磁性膜
の約2/3に低下し、S/Nの値はさらに向上した。
m、厚さ0.3mmのカナサイトガラス基板表面を、ラ
ッピングマシンを用いて中心線平均粗さRaが0.3n
mとなるまで平滑に研磨し、洗浄及び乾燥した。このデ
ィスク基板をスパッタリング装置内で、真空槽体積当り
の水蒸気の排気速度400l/s以上の排気ポンプを用
いて真空保持し、基板温度を400℃まで加熱した後、
5mTorrのアルゴン圧の条件のもとで第1層下地膜
としてTiを20nm形成し、次いで第2層下地膜とし
てはCr−15Ti(原子%)合金を膜厚50nm形成
した。この複合下地膜上に膜厚10nmのCo−Cr−
Pt−Si磁性膜を形成した。その際、基板側に13.
56MHzの高周波バイアス電圧を300W印加した。
この時、バイアス電圧の直流成分は−300V、Brδ
の値は25Gμmであった。
5原子%以上、20原子%以下の範囲で制御することに
より、高分解能透過電子顕微鏡により観察される磁性膜
結晶の粒界の幅を、0.1nm以上、10nm以下の範
囲で制御した。この時のBrδの値は5Gμm以上、3
0Gμm以下、Hkの値は7kOe以上、20kOe以
下であった。
c、及びヘッド浮上量0.03μm、線記録密度200
kPBIにおける記録再生S/Nの値の関係を示す。粒
界の幅が0.5nm以上、5nm以下においてHcが1
000Oe以上、3500Oe以下、S/Nが1以上と
なり、良好な特性を示した。本実施例の方法により形成
された磁気記録媒体をX線回折分析した結果、Cr下地
層では体心立方構造の(110)結晶格子面が基板面と
略並行となるよう結晶が配向成長していることが確認さ
れた。また、磁性層では六方晶構造の(100)面がデ
ィスク基板表面と略並行となるよう配向していた。ま
た、保護膜表面の中心線平均粗さRaは1.0nm、磁
性膜表面の中心線平均粗さRaは0.9nmであった。
μmにおいてGMRヘッドを媒体内周から外周まで10
万回シークした結果、ヘッドと媒体の接触は起こらない
ことが確認された。本効果は第1層下地膜としてZr、
Si、Sc、Al、C、Ge、Sb、Ga、Ru、P
d、V、Nb、Ta、Hf、Rh、Ni−P、Ni−B
もしくはこれらを主たる成分とする合金を用いた場合で
も同様に認められた。
m、厚さ0.3mmのカーボン基板表面を、ラッピング
マシンを用いて中心線平均粗さRaが0.3nmとなる
まで平滑に研磨し、洗浄及び乾燥した。その後、テープ
ポリッシングマシンを用い、平均砥粒径1μm以下のダ
イアモンド研磨剤の存在下で、研磨テープをコンタクト
ロールを通してディスク基板を回転させながらディスク
面の両側に押しつけることにより、基板表面に深さや密
度が不規則なテクスチャー溝を形成した。さらに、基板
に付着した研磨剤等の汚れを洗浄して乾燥した。
平均粗さRaは0.5nm、ヘッド走行方向と略垂直方
向の距離1μmにおける、深さ1nm以上、50nm以
下の溝の平均密度は50本であった。このディスク基板
をスパッタリング装置内で、真空槽体積当りの水蒸気の
排気速度500l/s以上の排気ポンプを用いて真空保
持し、基板温度を400℃まで加熱した後、1mTor
rのアルゴン圧の条件のもとでCr−15Ti下地膜を
10nm形成した。この下地膜上に膜厚5nmのCo−
Cr−Pt−Ta磁性膜を形成した。この時のBrδの
値は10Gμmであった。
500Vの範囲で制御することにより、六方晶型結晶構
造を有する磁性膜の格子定数a及びcの長さの比c/a
の値、及び下地膜及び磁性膜中のAr濃度を変化させ
た。この時のBrδの値は5Gμm以上、30Gμm以
下、Hcは1000Oe以上、3500Oe以下であっ
た。
k、及びヘッド浮上量0.03μm、線記録密度200
kPBIにおける記録再生S/Nの値の関係を示す。格
子定数比c/aが1.3以上、1.6以下において、H
kの値は7kOe以上、20kOe以下となり、S/N
は1以上と良好な特性を示した。また、下地膜及び磁性
膜中のAr濃度が0.01原子%以上、5原子%以下の
時にHkの値は8kOe以上、20kOe以下となり、
S/Nは1.2以上とさらに良好な特性を示した。
媒体をX線回折分析した結果、Cr下地層では体心立方
構造の(100)結晶格子面が基板面と略並行となるよ
う結晶が配向成長していることが確認された。また、磁
性層では六方晶構造の(110)面がディスク基板表面
と略並行となるよう配向していた。保護膜表面の中心線
平均粗さRaは1.0nm、磁性膜表面の中心線平均粗
さRaは0.5nmであった。
μmにおいてGMRヘッドを媒体内周から外周まで10
万回シークした結果、ヘッドと媒体の接触は起こらない
ことが確認された。本効果はCr、Mo、W、Nb、あ
るいはTaを主たる成分とし、Pt、Pd、Si、F
e、V、Ru、P、Bのいずれか少なくとも1種の元素
を1原子%以上、30原子%以下添加した合金下地膜
を、膜厚5nm以上、500nm以下で形成した場合で
も同様に認められた。
m、厚さ0.3mmのSi−C基板表面を、ラッピング
マシンを用いて中心線平均粗さRaが0.3nmとなる
まで平滑に研磨し、洗浄及び乾燥した。このディスク基
板をスパッタリング装置内で、真空槽体積当りの水蒸気
の排気速度500l/s以上の排気ポンプを用いて真空
保持し、基板温度を100℃〜400℃の範囲で加熱し
た後、1mTorrのXe圧のもとで下地膜としてNi
−Bを50nm形成し、次いでCo−Ni−Pt−Ta
磁性膜を10nm形成した。この時、磁性膜中のPt及
びTaの濃度を1原子%以上、30原子%以下、磁性膜
膜厚を1nm以上、40nm以下の範囲で変化させるこ
とにより、残留磁束密度膜厚積Brδの値を1Gμm以
上、200Gμm以下の範囲で変化せしめた。
Brδが5Gμm以上、80Gμm未満の時にHcは1
000Oe以上、3500Oe以下となった。また、ヘ
ッド浮上量0.02μm、線記録密度250kPBIに
おける記録再生S/Nは、Brδが5Gμm以上、80
Gμm未満の時に1以上となり、さらにBrδが5Gμ
m以上、30Gμm以下の時には媒体ノイズが著しく低
下してS/Nは1.2以上となった。さらに、成膜時の
直流バイアス電圧を−10V〜−500Vの範囲で制御
することにより、下地膜及び磁性膜中のXe濃度を制御
した結果、Xe濃度が0.01原子%以上、5原子%以
下の時にHkの値は10kOe以上、20kOe以下と
なり、S/Nは1.5以上とさらに良好な特性を示し
た。
m、厚さ0.3mmのTiO2 基板表面を、ラッピング
マシンを用いて中心線平均粗さRaが0.3nmとなる
まで平滑に研磨し、洗浄及び乾燥した。その後、テープ
ポリッシングマシンを用い、平均砥粒径1μm以下のダ
イアモンド研磨剤の存在下で、研磨テープをコンタクト
ロールを通してディスク基板を回転させながらディスク
面の両側に押しつけることにより、基板表面に深さや密
度が不規則なテクスチャー溝を形成した。さらに、基板
に付着した研磨剤等の汚れを洗浄して乾燥した。半径方
向に測定した基板表面の溝の中心線平均粗さRaは0.
7nm、ヘッド走行方向と略垂直方向の距離1μmにお
ける、深さ1nm以上、50nm以下の溝の平均密度は
100本であった。
で、真空槽体積当りの水蒸気の排気速度500l/s以
上の排気ポンプを用いて真空保持し、基板温度を100
℃から400℃の範囲で加熱した後、0.1mTorr
から5mTorrの範囲のKr圧のもとで第1層下地膜
としてRuを10nm形成し、次いで第2層下地膜とし
てCr−5Si合金を膜厚10nm形成した。この複合
下地膜上に膜厚5nmのCo−Cr−Ta磁性膜を形成
した。この時のBrδの値は20Gμmであった。成膜
時の基板温度、Kr分圧を制御することにより、磁性膜
結晶中の面心立方格子型の結晶格子の密度を制御した。
この時のHcは1000Oe以上、3500Oe以下で
あった。
Hk、及びヘッド浮上量0.02μm、線記録密度25
0kPBIにおける記録再生S/Nの値の関係を示す。
成膜時の基板温度を向上し、Kr分圧を低下するに従い
面心立方格子型の結晶格子密度が減少し、面心立方格子
型の結晶格子密度が0.01%以上、5%以下におい
て、Hkの値は7kOe以上、20kOe以下となり、
S/Nは1以上と良好な特性を示した。さらに、成膜時
の直流バイアス電圧を−10Vから−500Vの範囲で
制御することにより、下地膜及び磁性膜中のKr濃度を
制御した結果、Kr濃度が0.01原子%以上、5原子
%以下の時にHkの値は10kOe以上、20kOe以
下となり、S/Nは1.2以上とさらに良好な特性を示
した。
媒体をX線回折分析した結果、Cr−Si下地層では体
心立方構造の(110)結晶格子面が基板面と略並行と
なるよう結晶が配向成長していることが確認された。ま
た、磁性層では六方晶構造の(100)面がディスク基
板表面と略並行となるよう配向していた。また、保護膜
表面の中心線平均粗さRaは1.0nm、磁性膜表面の
中心線平均粗さRaは0.9nmであった。
μmにおいてGMRヘッドを媒体内周から外周まで10
万回シークした結果、ヘッドと媒体の接触は起こらない
ことが確認された。本効果は第1層下地膜としてZr、
Si、Sc、A 、C、Ge、Sb、Ga、Ru、P
d、V、Nb、Ta、Hf、Rh、Ni−P、Ni−B
もしくはこれらを主たる成分とするZr−Ta、Si−
C、Sc−V、Al−Mg、V−Fe、Nb−Cr、T
a−Cr、Hf−Zr、Ta−Mo等の合金を用いた場
合でも同様に認められた。
同等の特性を有する磁気記録媒体4枚を使用し、Co−
Ni−FeもしくはCo−Ta−Zr合金を記録用磁極
材とし、再生部にGMR素子を有する複合型薄膜磁気ヘ
ッド7個と、サーボ用のNi−Fe合金を記録再生用磁
極とする薄膜ヘッドとを組み合わせた磁気記録装置を試
作した。本装置は、平面図8(a)及びA−A’断面図
8(b)に示すように、磁気記録媒体81、磁気記録媒
体駆動部82、磁気ヘッド83、磁気ヘッド駆動部8
4、記録再生信号処理系85などの部品から構成され
る。
0.03μmにおいてエラーが発生するまでの平均時間
を求めたところ従来装置に比較して2〜3倍になり、信
頼性が極めて高いことを実証できた。また、本実施例で
試作した磁気記録装置はヘッド浮上量が低いため、信号
の記録再生における位相マージンが広くなり、面記録密
度を比較例の媒体を用いた浮上量0.12μmの場合の
10倍に高めることができ、小形で大容量の磁気記録装
置を提供できた。
GMRヘッドで再生した場合に200kBPI以上の高
い記録密度においてS/Nが1以上、さらに、オーバー
ライト(O/W)特性が26dB以上の大容量磁気記録
装置が得られた。特に、10kTPI以上の高記録密度
時にも本実施例の媒体はトラック幅方向の書きにじみが
充分に行われるため、高いS/Nが得られた。また、基
板表面のテクスチャー形状が小さいためサーボ信号の品
位も高く、良好なヘッド位置決めができた。サーボ用ヘ
ッドを複合ヘッドとした場合にも同様の効果が得られ
た。
CoTaZr合金を磁極材とする薄膜磁気ヘッドを用い
た場合について説明したが、NiFe、Fe−Al合金
磁性膜、もしくはこれらを用いた多層磁性膜等を記録用
磁極材とする録再分離型薄膜磁気ヘッド、CoTaZ
r、FeAlSi合金等をギャップ部に設けたメタル・
イン・ギャップ型(MIG)録再分離複合磁気ヘッド、
さらには誘導型薄膜ヘッド又はMIGヘッドを用いた場
合にも同様の効果が得られることを確認した。
ヘッドに適応した高S/Nで、しかもGMRヘッドが浮
上量0.1μm以下で浮上可能な磁気記録媒体、及びそ
の製造方法、さらにこれを用いた小形で大容量の磁気記
録装置を提供できる。
図。
構造図。
性磁界Hkと、記録再生時のS/Nとの関係を示す図。
膜結晶の粒界の幅と、保磁力Hc、及び記録再生時のS
/Nとの関係を示す図。
膜の格子定数比c/aと、異方性磁界Hk、及び記録再
生時のS/Nとの関係を示す図。
磁束密度膜厚積Brδと保磁力Hcとの関係を示す図。
膜結晶中の面心立方格子型の結晶格子の密度と、異方性
磁界Hk、及び記録再生時のS/Nとの関係を示す図。
図。
層、13,13’…金属下地膜、14,14’…金属磁
性膜、15,15’…非磁性保護膜、21…非磁性保護
膜、22…金属磁性膜、23…非磁性下地膜、24…磁
気ディスク基板、25…保護膜エッチング部、81…磁
気記録媒体、82…磁気記録媒体駆動部、83…磁気ヘ
ッド、84…磁気ヘッド駆動部、85…記録再生信号処
理系
Claims (5)
- 【請求項1】 非磁性基板と、下地層と、磁性層とを有
する磁気記録媒体において、 媒体の周方向に測定した磁性層の残留磁化Brと磁性層
の総層厚δとの積Brδの値が5Gμm以上、80Gμ
m未満であり、かつ、異方性磁界Hkの値が7kOe以
上、20kOe以下であることを特徴とする磁気記録媒
体。 - 【請求項2】 上記磁性層の総層厚δとの積Brδの値
が5Gμm以上、79Gμm以下であることを特徴とす
る請求項1記載の磁気記録媒体。 - 【請求項3】 磁性層は実質的に六方晶型結晶構造を有
し、該磁性層のc軸が実質的に基板面内方向に配向して
おり、六方晶型の格子定数のa軸とc軸の長さの比c/
aの値が1.3以上、1.6以下であることを特徴とす
る請求項1又は2記載の磁気記録媒体。 - 【請求項4】 Cr、Mo、W、V、Ta、Nb、Z
r、Ti、B、Be、C、Ni−P、Ni−Bの少なく
とも一つを主たる成分とする非磁性中間層を介して、磁
性層が2層以上に多層化されていることを特徴とする請
求項1〜3のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。 - 【請求項5】 Cr、Mo、W、Nb又はTaを主たる
成分とし、少なくとも、Ti、Pt、Pd、Si、F
e、V、Ru、P又はBのいずれか1種の元素を添加し
た合金により、下地層が形成されていることを特徴とす
る請求項1〜4のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
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