JPH0737237A - 磁気記録媒体、その製造方法及び磁気記録装置 - Google Patents

磁気記録媒体、その製造方法及び磁気記録装置

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JPH0737237A
JPH0737237A JP5181015A JP18101593A JPH0737237A JP H0737237 A JPH0737237 A JP H0737237A JP 5181015 A JP5181015 A JP 5181015A JP 18101593 A JP18101593 A JP 18101593A JP H0737237 A JPH0737237 A JP H0737237A
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JP
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recording medium
magnetic
magnetic recording
film
head
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Application number
JP5181015A
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English (en)
Inventor
Akira Ishikawa
石川  晃
Yoshihiro Shiroishi
芳博 城石
Yuzuru Hosoe
譲 細江
Tomoo Yamamoto
朋生 山本
Shinan Yaku
四男 屋久
Akira Ozaki
明 尾嵜
Yoshiki Kato
義喜 加藤
Jiyun Fumioka
順 文岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】再生感度の高いMRヘッドに適応した、書きに
じみ量が大きく、しかも高S/Nが得られる磁気記録媒
体を提供すること。 【構成】基板1上に、直接又は金属下地膜13、13’
を介して、磁性膜15、15’を設け、磁性膜のヘッド
走行方向に測定した残留磁化Br1とその総膜厚δとの
積Br1δの値を5Gμm以上、180Gμm以下と
し、かつ、Br1と、基板面に平行でヘッド走行方向と
垂直の方向に測定した残留磁化Br2との比、Br1/B
2の値を1.3以上、3以下とした磁気記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気ドラム、磁気テー
プ、磁気ディスク、磁気カード等の磁気記録媒体、その
製造方法及びそれを用いた磁気記録装置に係り、特に高
密度磁気記録に好適な磁気記録媒体、その製造方法及び
それを用いた磁気記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子計算機の小型化・高速化に伴
い、磁気ディスク装置その他の外部記憶装置の大容量化
・高速アクセス化に対する要求が高まっている。特に、
磁気ディスク記録装置は高密度化・高速化に適した情報
記憶装置であり、その需要が一段と強まりつつある。磁
気ディスク装置に用いられる磁気記録媒体としては、酸
化物磁性体の粉末を基板上に塗布した媒体と、金属磁性
体の薄膜を基板上にスパッタ蒸着した薄膜磁気記録媒体
が開発されている。この中で薄膜磁気記録媒体は、塗布
型の媒体に比べて磁気記録層に含まれる磁性体の密度が
高いため、高密度の記録再生に適している。薄膜磁気記
録媒体の基板には、通常表面にNi−Pめっき膜が形成
されたAl合金が用いられ、さらに基板表面にはヘッド
粘着防止や磁気特性向上の目的で、例えば、アイイーイ
ーイー トランサクション オンマグネティクス、MA
G−23巻、第3405頁、1987年(IEEE Trans.
Mag.,vol.MAG−23,pp3405(1987))に示されている
ように、表面中心線平均粗さRaが2nmから10nm
程のテクスチャーと呼ばれる溝や突起が基板表面に形成
されている。
【0003】また、磁気ヘッドの再生部に磁気抵抗効果
型(以後、MRと略記する)素子を用いることにより、
ヘッドの再生感度を従来の誘導型磁気ヘッドに比べて向
上した記録再生分離型ヘッド(以後、MRヘッドと略記
する)が開発されている。このヘッドを用いると記録ビ
ットの面積が小さくても充分な信号S/Nが得られるの
で、磁気記録媒体の記録密度を飛躍的に向上することが
できる。
【0004】一方、磁気記録媒体に低密度で記録した孤
立波の再生出力は、ヘッド走行方向に測定した磁性膜の
残留磁化量(以後、Br1と略記する)と磁性膜の総膜
厚(以後、δと略記する)との積Br1δに近似的に比
例する。誘導型の磁気ヘッドを用いて面記録密度150
Mb/in2を達成するためには、例えば、磁気記録媒
体のBr1δとして330Gμm(2.6memu/c
2)が適当である。しかし、誘導型磁気ヘッドより感
度の高いMRヘッドを用いる場合には、Br1δを従来
より低減することが適当であり、例えば、面記録密度1
Gb/in2を達成するためには、Br1δとして約90
Gμm(0.7memu/cm2)が適当であることが
アイイーイーイー トランサクション オン マグネテ
ィクス、26巻、第2271頁、1990年(IEEE Tra
ns.Mag.,vol.26,pp2271(1990))に述べられてい
る。この磁気記録媒体の磁気特性は基板面内で等方的で
あり、ディスク周方向(ヘッド走行方向)に測定した残
留磁化Br1と、ディスク半径方向(ヘッド走行方向と
直角方向)に測定した残留磁化(以後、Br2と略記す
る)は等しい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】記録密度を向上するた
めには再生感度の高いMRヘッドの開発が必須であり、
さらにMRヘッドに適合した磁気記録媒体が必要であ
る。MRヘッドを用いた場合、磁気記録媒体のBr1δ
が過度に大きいとMR膜の磁化が過度に回転して不安定
化するため、ヘッドよりバルクハウゼンノイズが発生
し、使用不能となる問題があった。また、再生信号の波
形が正側と負側で非対称となり、信号の弁別が困難とな
る問題があった。従って、適切なBr1δを持つ磁気記
録媒体が必要である。
【0006】さらに、線記録密度が100kBPI(ki
lo Bit Per Inch)以上に増加して、媒体の磁化の遷移
領域の間隔(ビット間隔)が300nm程度以下になる
と、等方的な磁気特性を有する従来の磁気記録媒体では
磁化遷移領域間の磁気的干渉が強くなり、再生信号とし
て磁気記録媒体からヘッドに流れ込む漏洩磁束が急激に
減少する。この場合、MRヘッドの感度を増しても高い
S/Nが得られないという問題があった。従って、線記
録密度が増した場合でも磁気記録媒体からの出力が減少
しないように、磁化遷移領域の幅が従来より小さい磁気
記録媒体が必要である。
【0007】また、磁気記録媒体の記録トラック密度を
3.5kTPI(kilo Track PerInch)以上にすると、
等方的な磁気特性を有する従来の磁気記録媒体ではトラ
ック幅方向の残留磁化が大きいため、トラック幅方向の
書きにじみ量が不充分となり、MRヘッドのトラック幅
が小さい場合には記録トラック幅を充分に確保できな
い。ここでMRヘッドのトラック幅を大きくすると、ヘ
ッド作製時の書き込みヘッド磁極とのMR素子との位置
合わせが困難となる上、ロータリーアクチェーターを用
いてヘッドをシークした場合、ヘッドスライダーの方向
がトラック方向(ヘッド走行方向)から傾いた時に記録
したトラックの位置とMRヘッドが再生する位置がトラ
ック幅方向にずれて、充分な再生信号が得られず、MR
ヘッドの感度分布が大きい等の問題があった。従って、
MRヘッドのトラック幅が小さい場合でも充分な実効記
録トラック幅が確保できる、トラック幅方向の書きにじ
み量が従来より大きい磁気記録媒体が必要である。
【0008】本発明の第1の目的は、再生感度の高いM
Rヘッドに適応した、書きにじみ量が大きく、しかも高
S/Nが得られる磁気記録媒体を提供することにある。
本発明の第2の目的は、このような磁気記録媒体を再現
性良く製造するのに適した磁気記録媒体の製造方法を提
供することにある。本発明の第3の目的は、このような
磁気記録媒体を用いた大容量で信頼性の高い磁気記録装
置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、本発明の磁気記録媒体は、非磁性基板上に、
直接又は金属下地膜を介して磁性膜を設け、そのヘッド
走行方向に測定した残留磁化Br1とその総膜厚δとの
積Br1δの値を5Gμm以上、180Gμm以下と
し、かつ、Br1と、基板面に平行でヘッド走行方向と
垂直の方向に測定した残留磁化Br2との比、Br1/B
2の値を1.3以上、3以下としたものである。
【0010】また、この磁気記録媒体は、総磁性膜厚δ
を5nm以上、60nm以下とし、保磁力Hcを180
0Oe以上とすることが好ましい。磁化遷移領域の磁化
の乱れが低減して磁化遷移領域の幅が減少し、高記録密
度領域においても高い出力が得られるためである。さら
に、Br1δを5Gμm以上、80Gμm以下とするこ
とは、媒体ノイズが低減し、高い媒体S/Nが得られる
ので特に好ましい。また、良好な重ね書き(オーバーラ
イト)特性を保証するためには保磁力Hcを3500O
e以下とすることが好ましい。
【0011】この磁気記録媒体は、磁性膜上に保護膜を
設けることが好ましい。そして、保護膜表面のヘッド走
行方向と垂直の方向に測定した中心線平均粗さRaを
0.3nm以上、3nm以下とすることが、ヘッド浮上
量が0.02μm以上、0.1μm以下でも安定に浮上
するために好ましい。
【0012】また、磁性膜表面のヘッド走行方向と垂直
方向に測定した中心線平均粗さRaを0.3nm以上、
1.9nm以下とすることが、ヘッドが安定に低浮上す
るので好ましい。特に、磁性膜表面の中心線平均粗さR
aを0.3nm以上、1nm以下とすることが、ヘッド
浮上量が0.02μm以上、0.05μm以下でも安定
に浮上するため特に好ましい。中心線平均粗さRaは、
針先径が0.2μm以下の触針式表面粗さ計、走査トン
ネル顕微鏡、電子線三次元粗さ測定装置等により求めら
れ、測定距離は10μm以上、100μm以下とするこ
とが正確な測定値を得る上で好ましい。
【0013】磁気記録媒体の磁性膜表面の中心線平均粗
さRaを0.3nm以上、1.9nm以下とした場合
に、磁性膜にヘッド走行方向の磁気異方性を設け、Br
の配向比(Br1/Br2)を1.3以上、3以下とする
ためには、基板表面のヘッド走行方向と垂直方向に測定
される溝の平均密度を増加することが有効である。すな
わち、磁気異方性付与に有効な深さ1nm以上、50n
m以下のテクスチャー溝のヘッド走行方向と垂直方向の
距離1μm中の平均密度Nを0.3以上、100以下と
することが好ましい。また、溝の深さや間隔を不規則と
することは、均一なテクスチャーを形成した磁気記録媒
体に比べてBrの配向比が向上すると共に、コンタクト
・スタート・ストップ(以後、CSSと略記する)時の
ヘッドの粘着力が抑制されるので好ましい。
【0014】また、磁性膜の磁化容易軸が基板面と略平
行となるように結晶を配向成長させることは、ヘッド走
行方向の磁気異方性が向上してBrの配向比が向上する
ので好ましい。磁化容易軸が基板面と略平行となるよう
磁性膜結晶を成長させるには、面粗さが小さい基板上に
媒体を形成することが有効である。例えば、基板表面の
中心線表面粗さRaが1.9nm以下となるようにテク
スチャー加工した後に、直接又は金属下地層を介して磁
性層、保護層を形成すると、磁性膜結晶の磁化容易軸が
基板面とほぼ平行となる。
【0015】また、磁気記録媒体表面の表面中心線平均
粗さRaを従来より小さい値とした場合に、磁性膜上に
保護膜を形成した後に微細マスクを用いてプラズマエッ
チングすることで、表面に高さ20nm以下の微細な凹
凸を形成したり、化合物、混合物のターゲットを用いて
保護膜表面に微細な突起が生じるようにしたり、或いは
熱処理によって表面に微細な凹凸を形成したりすること
が、CSS動作時のヘッドと磁気記録媒体の摩擦力を低
減し、ヘッドの磁気記録媒体への粘着を防止できるので
好ましい。
【0016】磁性膜としてはCo合金を用いることが望
ましく、例えば、Co−Ni、Co−Cr、Co−F
e、Co−Mo、Co−W、Co−Re等の合金又はこ
れらを主たる成分とする合金を用いることが好ましい。
例えば、Co系の合金にNi、Cr、Mo、W、Zr、
Ta、Nb、Al、Si、Pt、B及びPの内の少なく
とも1種の元素を添加した合金の磁性膜は高いHcを持
つ。また、Co−Ni−Zr、Co−Cr−Ta、Co
−Ni−Cr、Co−Cr−Pt又はこれらを主たる成
分とする合金の磁性膜は、優れた耐食性を持つ。
【0017】また、磁性膜の六方晶結晶構造の(11
0)結晶格子面が基板と略平行となるよう結晶を配向成
長させるとHcが向上するので望ましい。さらに、磁性
膜を形成するときに、成膜時の基板温度を200℃以
上、500℃以下とすることは、磁性膜中の偏析構造が
促進されてHcが向上するので好ましい。
【0018】さらにまた、磁性膜を2層以上の複数層に
することが、単層の磁性膜に比べて媒体ノイズNdが低
下するので好ましい。複数層の層数は製造工程の容易さ
等から5層程度までが好ましい。磁性膜を複数層とする
ときは、これらの層の間に、Cr、Mo、W、V、T
a、Nb、Zr、Ti、B、Be、C、Ni−P、Ni
−Bの内の少なくとも一つを主たる成分とする、膜厚が
0.5nm以上、5nm以下の非磁性中間層を設けるこ
とが好ましい。
【0019】また、金属下地膜として、Cr、Mo、
W、Nb及びTaの内の少なくとも一種の金属又はそれ
を主たる成分とする合金、特にTi、Pt、Pd、S
i、Fe、V、P、Bの内の少なくとも一種の元素を添
加した合金を、膜厚5〜500nm形成することは、媒
体ノイズNdが低下するので好ましい。合金の場合、上
記金属が80%以上含まれていることが好ましい。
【0020】金属下地膜は、少なくとも2層の非磁性層
で構成されていてもよい。このとき、基板側の非磁性層
として、Zr、Si、Ti、Sc、Al、Ge、Sb、
Ga、Ru、Pd、V、Nb、Hf、Rh、Ni−P、
Ni−B又はこれらを主たる成分とする合金膜を膜厚5
〜500nm形成することは、ガラスやTiO2、カー
ボン等のセラミック材料からなる基板を用いたときでも
高いBr1や保磁力が得られるので好ましい。磁性膜側
の非磁性層は、前記の金属や合金を用いることができ
る。
【0021】さらに、磁性膜の保護膜として、例えば、
カーボン、水素添加カーボン又はカーボンを主たる成分
とする非磁性材料等を膜厚10〜50nm形成し、さら
に吸着性のパーフルオロアルキルポリエーテル等の潤滑
層を膜厚3〜20nm設けることは、信頼性が高く、高
密度記録が可能な磁気記録媒体が得られるので好まし
い。
【0022】保護膜は、WC、(W−Mo)−C等の炭
化物、(Zr−Nb)−N、Si34等の窒化物、Si
2、ZrO2等の酸化物、B、B4C、MoS2又はRh
等を用いることができる。磁気記録媒体の耐摺動性、耐
食性を向上できるためである。これらの保護膜は、マス
クを用いて表面をエッチングし、面積比で1〜20%の
突起を設けるか、成膜条件、組成等を調整し、異相突起
を析出せしめることで、その表面が磁性膜表面に比べて
大きな面粗さを有することが好ましい。
【0023】さらに、上記第2の目的を達成するため
に、本発明の磁気記録媒体の製造方法は、非磁性基板を
アルゴンガスを用いてプラズマエッチングした後、直接
又は非磁性下地層を介して磁性膜を形成し、上記磁気記
録媒体のいずれかを製造するものである。このような方
法により、磁性膜の磁化容易軸が基板面と略完全に平行
となった構造を得ることができる。
【0024】このプラズマエッチング処理は、プラズマ
出力密度を30mW/cm2以上、1000mW/cm2
以下とし、高周波プラズマを用いて行うことが、磁性膜
の結晶性を向上させることができるので好ましい。さら
に、成膜真空槽の排気速度や膜の成長速度を増したり、
基板に負のバイアス電圧を10V以上、500V以下印
加して磁性膜や下地膜を成膜することは、磁性膜や下地
膜中に混入する水や酸素等の不純物濃度を低減し、磁性
膜の結晶性を向上することができるので好ましい。
【0025】さらに、上記第3の目的を達成するため
に、本発明の磁気記録装置は、上記磁気記録媒体のいず
れかと、磁気記録媒体を駆動するための磁気記録媒体駆
動部と、磁気記録媒体に信号を記録再生するための磁気
ヘッドと、磁気ヘッドを駆動するための磁気ヘッド駆動
部と、記録再生信号処理系とを有し、上記磁気ヘッドが
磁気抵抗効果型再生部を持ち、上記磁気記録媒体駆動部
は、上記磁気ヘッドの特性に基づいてその浮上量を0.
02μm以上、0.1μm以下に制御するための駆動部
であるように構成したものである。
【0026】磁気記録媒体からの磁束を有効にMRヘッ
ドで検出するためには、ヘッドの浮上量を0.02μm
以上、0.1μm以下とすることが好ましい。従来の磁
気記録媒体ではヘッド粘着防止又は磁気特性向上の目的
で、基板表面にRaが2nm以上のテクスチャーが形成
されており、浮上量を下げるとテクスチャーの突起部と
ヘッドが接触しやすく、浮上量を0.1μm以下に低減
できないという問題があった。上記の磁気記録媒体を用
いれば、容易にこのような浮上量を得ることができる。
本磁気記録媒体とトラック幅が5μm以下のMRヘッド
とを組合せた場合は、大容量で高信頼性の磁気記録装置
が得られる。また、最尤復号法による信号処理回路とを
組み合わせた場合は、さらに記録密度を向上させること
できる。
【0027】
【作用】磁気記録媒体の残留磁化Br1と膜厚δの積B
1δが過度に大きいとMR膜の磁化回転が不安定とな
り、ヘッドよりバルクハウゼンノイズが発生する。ま
た、Br1δが増すと記録ビットの遷移領域において反
磁界Hdが増して磁化の揺らぎが大きくなるため、再生
感度が高いMRヘッドを用いた場合に媒体ノイズNdが
著しく大きくなる。また、MRヘッドは再生感度が高い
ため、Br1δが180Gμmを超えると再生出力が飽
和して出力信号の波形が非対称となる。一方、Br1δ
が5Gμm未満では再生出力が小さく、媒体ノイズの大
きさと同程度となるため高い信号S/Nが得られない。
従って、使用するMRヘッドの再生感度に適合して、高
いS/Nを得るために、Br1δは5Gμm以上、18
0Gμm以下の範囲に制御される。
【0028】さらに、Br1/Br2が1以上、1.2以
下の略等方的な磁気特性を有する従来の磁気記録媒体で
は、線記録密度が100kBPI以上になると磁気記録
媒体からヘッドに流れ込む漏洩磁束量が減少し、MRヘ
ッドの感度を増しても高い信号S/Nが得られない。し
かし、Br1/Br2を1.3以上、3以下とすると磁化
遷移領域の磁化変化が急峻となるため、線記録密度を増
した場合でも磁気記録媒体からの出力が減少せず、高い
S/Nが得られる。一方、Br1/Br2が3.1を上回
ると磁化遷移領域間の磁気的相互作用が急激に大きくな
るため、媒体ノイズが増加して高い信号S/Nが得られ
ない。
【0029】また、磁気記録媒体の記録トラック密度を
3.5kTPI以上とすると、等方的な磁気特性を有す
る従来の磁気記録媒体ではトラック幅方向の書きにじみ
量が充分でないため、MRヘッドのトラック幅が小さい
場合に充分な記録トラック幅が確保できない。しかし、
Br1/Br2を1.3以上、3以下とするとトラック幅
方向の書きにじみ量が従来磁気記録媒体より増加するた
め、MRヘッドのトラック幅が小さい場合でも充分な記
録トラック幅が確保できる。
【0030】また、磁気記録媒体からの磁束を有効にM
Rヘッドで検出するためには、ヘッドの浮上量を減少す
ることが有効である。ここでヘッド走行方向と垂直の方
向に測定した保護膜表面の中心線平均粗さRaを0.3
nm以上、3nm以下とすると、浮上量が0.02μm
以上、0.1μm以下でもヘッドが安定に浮上する。ま
た、磁性膜表面のヘッド走行方向と垂直の方向に測定し
た中心線平均粗さRaを0.3nm以上、1.9nm以
下とすると、浮上量が0.02μm以上、0.1μm以
下でもヘッドが安定に浮上する。
【0031】また、磁気記録媒体の総磁性膜厚δを5n
m未満とすると、δが減少するに従い磁性膜の結晶粒径
が小さくなり、磁化の温度ゆらぎの効果等により保磁力
Hcは低下する。また、磁性膜の膜厚δを60nmを超
えるようにすると磁性膜が垂直方向に磁化しやすくなる
ためHcが低下する。従ってHcを1800Oe以上と
するためにはδを5nm以上、60nm以下の値とする
必要がある。Hcを1800Oe以上とすると磁化遷移
領域の幅が減少して出力半減記録密度D50が向上する
ため、高い線記録密度のときにも高い出力が得られ、同
時に媒体ノイズNdが減少するため再生信号のS/Nが
向上する。また、Hcが3500Oeを超えるとオーバ
ーライト特性が20dB以下となるので、Hcを350
0Oe以下とすることが好ましい。
【0032】また、基板表面のヘッド走行方向と垂直方
向に測定した溝の平均密度を増すと、ヘッド走行方向の
磁気異方性が向上し、Raが1.9nm以下でも配向比
Br1/Br2を1.3以上、3以下とすることが可能で
ある。また、溝の深さや間隔を不規則とすると、均一な
テクスチャーを形成した磁気記録媒体に比べて、ヘッド
走行方向の磁気異方性が向上してBrの配向比が向上す
ると共に、ヘッドと磁気記録媒体との接触面積が減少し
てヘッドの粘着が抑制される。また、基板表面の中心線
表面粗さRaが1.9nm以下となるようテクスチャー
加工した後に、直接又は金属下地膜を介して磁性膜、保
護膜を形成すると、磁性膜の磁化容易軸を含む結晶面の
うねりが低減するため、ヘッド走行方向の磁気異方性が
向上してBrの配向比が向上する。
【0033】アルゴンガスを用い、プラズマ出力密度3
0mW/cm2以上、1000mW/cm2以下で、基板
をプラズマエッチングすると、金属下地膜又は磁性膜の
結晶性が向上し、ヘッド走行方向の磁気異方性が向上す
るため、Brの配向比が高くなる。さらに、成膜真空槽
の排気速度や膜の成長速度を増したり、基板に負のバイ
アス電圧を10V以上、500V以下に印加して成膜す
ると、磁性膜や金属下地膜中に混入する水や酸素等の不
純物濃度が低減して金属下地膜又は磁性膜の結晶性がさ
らに向上し、ヘッド走行方向の磁気異方性が一層向上し
てBrの配向比が著しく向上する。
【0034】また、磁性膜上に保護膜を形成した後に、
微細マスクを用いて保護膜をプラズマエッチングするこ
とで表面に高さ20nm以下の微細な凹凸を形成した
り、化合物、混合物のターゲットを用いて保護膜表面に
微細な突起を生成させたり、或いは熱処理によって表面
に微細な凹凸を形成した場合は、ヘッドと磁気記録媒体
と接触面積、摩擦力が低減するため、ヘッドの磁気記録
媒体への粘着が回避されるので、上記のような方法やそ
の他の方法によって、保護膜を磁性膜表面と異なる面粗
さを有するようにすることが特に好ましい。
【0035】本発明による磁気記録媒体はS/Nが極め
て高いため、トラック幅が5μm以下のMRヘッドで再
生した場合に、トラック密度3.5kTPI以上、10
0kBPI以上の高い記録密度でS/Nが4以上の大容
量磁気記録装置が得られる。また、最尤復号法により信
号処理回路とを組み合わせることは、記録密度がより向
上するのでより好ましい方法である。
【0036】
【実施例】
〈実施例1〉以下、実施例により本発明をさらに詳細に
説明する。図1は、本発明の薄膜磁気記録媒体の断面構
造を模式的に示したものである。同図において、11は
TiO2、SiC等のセラミックス、Al−Mg合金、
化学強化ガラス、有機樹脂、Ti、Si又はカーボン等
からなる基板、12及び12’は基板11の両面に形成
したNi−P、Ni−W−P等からなる非磁性メッキ層
である。Al−Mg合金を基板として用いた場合は、こ
のような非磁性メッキ層を備えることが好ましい。
【0037】また、13及び13’はCr、Mo若しく
はW等又はこれらのいずれかを主な成分とする合金から
なる非磁性の金属下地膜、14及び14’は金属下地膜
の上に形成したCo−Ni、Co−Cr、Co−Fe、
Co−Mo、Co−W、Co−Pt、Co−Re、Co
−P、Co−Ni−Zr、Co−Cr−Ta、Co−C
r−Pt、Co−Ni−Cr、Co−Cr−Al、Co
−Cr−Nb、Co−Ni−P又はCo−Cr−Si等
からなる磁性層、15及び15’は磁性膜の上に形成し
たC、WC、(W−Mo)−C、(W−Zr)−C、S
iC、(Zr−Nb)−N、Si34、SiO2、Zr
2、B、B4C、MoS2又はRh等からなる非磁性の
保護膜である。
【0038】以下、具体的に本実施例の磁気記録媒体の
製造方法を説明する。外径95mm、内径25mm、厚
さ0.8mmのAl−4Mg(原子記号の前に付した数
字は当該素材の含有量を示し、特に記載しない限り重量
%で表わした値である)からなる基板11を複数枚準備
し、それぞれ両面に、膜厚13μmのNi−12Pから
なる非磁性メッキ層12、12’を形成した。この基板
の表面をラッピングマシンを用いて中心線平均粗さRa
が1.5nmとなるまで平滑に研磨し、洗浄し、乾燥し
た。その後、テープポリッシングマシンを用い、平均砥
粒径1μm以下の研磨剤の存在下で、基板を回転させな
がら、研磨テープをコンタクトロールを通して基板の両
面に押しつけることにより、基板表面にヘッド走行方向
に深さや密度が不規則なテクスチャー溝を形成した。さ
らに、基板に付着した研磨剤等の汚れを洗浄して乾燥し
た。
【0039】このときそれぞれの基板によって、使用す
る砥粒の平均粒径を変え、基板面に平行でヘッド走行方
向と略垂直方向(半径方向)に測定した基板表面の中心
線平均粗さRaを0.3nm以上、1.9nm以下の範
囲で変化させた。また、基板の回転速度、処理時間を変
えて、基板の半径方向の距離1μmにおける、深さ1n
m以上、50nm以下の溝の平均密度Nを0.015本
〜200本の範囲で変化させた。
【0040】この基板をスパッタリング装置内で、真空
槽体積当りの水蒸気の排気速度200リットル/秒以上
の排気ポンプを用いて真空保持し、300℃まで加熱し
た後、2mTorrのアルゴン圧の条件の下で膜厚50
nmのCrからなる金属下地膜13、13’を形成し
た。この金属下地膜上にCo−17Cr−5Ta(原子
%)合金系磁性膜14、14’を25nmの厚さに成膜
した。その後、磁性膜上に膜厚20nmのカーボンの保
護膜15、15’を形成し、最後に保護膜上に吸着性の
パーフルオロアルキルポリエーテル等の潤滑層を形成し
た。
【0041】上記方法により製造した磁気記録媒体をX
線回折分析した結果、金属下地膜では体心立方構造の
(200)結晶格子面が基板面と略並行となるよう結晶
が配向成長していることが確認された。また、磁性膜で
は、六方晶構造の(110)面が基板表面と略並行とな
るよう配向していた。六方晶構造では、c軸が磁化容易
軸であり、(110)面又は(100)面が基板表面と
略並行であれば、c軸が基板表面と略並行になってい
る。
【0042】また、保護膜表面の半径方向に測定した中
心線平均粗さRaは0.3nm以上、3nm以下の範囲
にあった。さらに、下記の測定の一部を行った後、酸素
プラズマを用いて保護膜を除去し、磁性膜表面の半径方
向の中心線平均粗さRaを測定した。この値は0.3n
m以上、1.9nm以下の範囲にあった。このような方
法で測定しても、中心線平均粗さRaは、磁性膜を形成
したときの磁性膜表面の中心線平均粗さRaと同じ値で
ある。
【0043】また、製造した磁気記録媒体の静磁気特性
(Hc、Br)を最大印加磁界14kOeの振動式磁化
測定機(VSM)又は非破壊磁気測定機により求めた。
また、記録再生特性を、ヘッド浮上量0.08μm、実
効ギャップ長0.4μm、トラック幅3μm、再生部に
MR素子を有する複合型薄膜磁気ヘッドを用いて線記録
密度100kBPIにおいて再生信号のS/Nの値を求
めた。
【0044】磁気記録媒体表面の半径方向の距離1μm
中の、深さ1nm以上、50nm以下の溝の平均密度N
に対するヘッド走行方向に測定した磁性膜の残留磁化B
1と、半径方向に測定した残留磁化Br2との比Br1
/Br2の関係を図2に示す。半径方向の距離1μm中
の、深さ1nm以上、50nm以下の溝の平均密度Nが
0.3本以上、100本以下のときにBr1/Br2
1.3以上、3以下の値を示した。この範囲の磁気記録
媒体の磁性膜のヘッド走行方向に測定した残留磁化Br
1と膜厚δとの積Br1δの値は80Gμm以上、180
Gμm以下であり、ヘッド走行方向に測定した保磁力H
cは1800Oe以上、3500Oe以下であった。本
磁気記録媒体を用いて、ヘッド浮上量0.08μmでM
Rヘッドを磁気記録媒体内周から外周まで10万回シー
クした結果、ヘッドと磁気記録媒体の接触は起こらない
ことが確認された。
【0045】さらに、この磁気記録媒体をMRヘッドを
用いて、ヘッド浮上量0.08μm、記録密度100k
BPI、3.5kTPIの条件で測定した信号再生S/
Nと、Br1/Br2の関係を図3に示す。Br1/Br2
の値が1.3以上、3以下の時にS/Nが向上し、4以
上となった。また、磁気記録媒体に形成された記録ビッ
トのトラック幅と、ヘッドのトラック幅に対する割合
は、Br1/Br2の値が1.3以上、3以下の時には8
0%以上、100%以下と大きくなり、Br1/Br2
値が1.3より下回る場合は70%以下と小さいことが
確認された。
【0046】以上の効果は磁性膜にCo−10Ni−1
0Cr(原子%)、Co−40Ni−5Zr(原子
%)、Co−30Ni−10Pt(原子%)を用いた場
合でも同様に認められた。
【0047】また、金属下地膜として、Crに変えて、
Cr、Mo、W、Nb及びTaの内の少なくとも一種の
金属又はそれを主たる成分とする合金(Crのみのとき
を除く)を用いたときも略同様の効果が認められた。金
属下地膜を形成せずに、基板上に磁性膜を直接形成した
場合は、保磁力が金属下地膜を形成した場合に比べて1
00〜200Oe低下したが、Br1/Br2の値が1.
3以上、3以下のときにS/Nが向上し、3.5以上と
なった。
【0048】なお、比較例として、保護膜表面の半径方
向に測定した中心線平均粗さRaが3nmを上回る磁気
記録媒体又は保護膜が除去された磁性膜表面の半径方向
に測定した中心線平均粗さRaが1.9nmを上回る磁
気記録媒体は、ヘッド浮上量0.1μmでMRヘッドを
媒体内周から外周まで10万回シークしたところ、ヘッ
ドと磁気記録媒体の接触が起こり、磁気記録媒体上の記
録ビットが破壊されることが確認された。
【0049】〈実施例2〉外径65mm、内径20m
m、厚さ0.3mmのAl−4Mgの基板を複数枚準備
し、それぞれ両面に膜厚10μmのNi−12Pからな
る非磁性メッキ層を形成した。この基板の表面をラッピ
ングマシンを用いて、半径方向の中心線平均粗さRaが
1.0nmとなるまで平滑に研磨し、洗浄し、乾燥し
た。その後、テープポリッシングマシンを用い、砥粒平
均径0.25μm以下の研磨剤の存在下で、基板を回転
させながら、研磨テープをコンタクトロールを通して基
板の両面に押しつけることにより、表面のヘッド走行方
向に深さや密度が不規則なテクスチャー溝を形成した。
表面に形成された溝の中心線平均粗さRaを半径方向に
測定した値はいずれも0.5nm、半径方向の距離1μ
mにおける、深さ1nm以上、50nm以下の溝の平均
密度Nはいずれも1.2本であった。
【0050】この基板をスパッタリング装置内で、真空
槽体積当りの水蒸気の排気速度200リットル/秒以上
の排気ポンプを用いて真空保持し、260℃まで加熱し
た後、アルゴン圧5mTorrで、周波数13.56M
Hzにて、プラズマエッチングした。プラズマ出力密度
は10mW/cm2以上、2000mW/cm2以下と
し、エッチング膜厚は2nm以下とした。
【0051】その後、5mTorrのアルゴン圧の条件
の下で膜厚150nmのCr−20Ti(原子%)から
なる金属下地膜を形成した。この金属下地膜上にCo−
18Cr−10Pt(原子%)合金系磁性膜を15nm
の厚さに成膜した。その際、基板に負のバイアス電圧を
200V印加した。その後、磁性膜上に膜厚20nmの
水素含有カーボン保護膜を形成し、最後に保護膜上に吸
着性のパーフルオロアルキルポリエーテル等の潤滑層を
形成した。製造した磁気記録媒体の静磁気特性及びMR
ヘッドを用いたときの記録再生特性を実施例1と同様に
求めた。
【0052】製造した磁気記録媒体をX線回折分析した
結果、金属下地膜では体心立方構造の(110)結晶格
子面が基板面と略並行となるよう結晶が配向成長してい
ることが確認された。また、磁性膜では六方晶構造の
(100)面が基板表面と略並行となるよう配向してい
た。また、保護膜表面の半径方向に測定した中心線平均
粗さRaは0.8nmであった。また、保護膜を除去し
たときの磁性膜の半径方向に測定した中心線平均粗さR
aは0.5nmであった。本磁気記録媒体を用いて、ヘ
ッド浮上量0.06μmでMRヘッドを磁気記録媒体内
周から外周まで10万回シークした結果、ヘッドと磁気
記録媒体の接触は起こらないことが確認された。
【0053】また、製造した磁気記録媒体の静磁気特性
及びMRヘッドを用いたときの記録再生特性を実施例1
と同様に求めた。基板表面のプラズマエッチング時のプ
ラズマ出力密度と、残留磁化のヘッド走行方向配向比B
1/Br2の関係を図4に示す。プラズマ出力密度が3
0mW/cm2以上、1000mW/cm2以下の時にB
1/Br2は1.3以上、3以下の値を示した。
【0054】さらに、磁性膜の組成及び膜厚δを変化さ
せることにより、ヘッド走行方向に測定した磁性膜の残
留磁化Br1と膜厚δとの積Br1δの値を5Gμm以
上、100Gμm以下とした磁気記録媒体を作製した。
その際、基板表面のプラズマエッチングを出力密度15
0mW/cm2にて行い、成膜時にバイアス電圧を10
V以上、500V以下印加することにより磁性膜厚δが
5nm以上、60nm以下の場合に、ヘッド走行方向に
測定した保磁力Hcを1800Oe以上、3500Oe
以下となった。MRヘッドを用い、ヘッド浮上量0.0
6μmで測定した120kBPI、5kTPIの条件で
のこれらの磁気記録媒体のS/Nと、残留磁化のヘッド
走行方向配向比Br1/Br2の関係を図5に示す。Br
1/Br2の値が1.3以上、3以下の時にS/Nが向上
し、4以上となった。以上の効果はTi基板、SiC基
板、化学強化ガラス基板でも認められた。
【0055】〈実施例3〉外径65mm、内径20m
m、厚さ0.3mmのカーボンからなる基板を複数枚準
備し、それぞれ両面に、ラッピングマシンを用いて、中
心線平均粗さRaが0.8nmとなるまで平滑に研磨
し、洗浄し、乾燥した。その後、テープポリッシングマ
シンを用い、砥粒平均径0.2μm以下の研磨剤の存在
下で、基板を回転させながら、研磨テープをコンタクト
ロールを通して基板の両面に押しつけることにより、基
板表面のヘッド走行方向に深さや密度が不規則なテクス
チャー溝を形成した。基板表面の中心線平均粗さRaを
半径方向に測定した値はいずれも0.3nm、半径方向
の距離1μmにおける、深さ1nm以上、50nm以下
の溝の平均密度Nはいずれも3.5本であった。
【0056】この基板をスパッタリング装置内で、真空
槽体積当りの水蒸気の排気速度300リットル/秒以上
の排気ポンプを用いて真空保持し、400℃まで加熱し
た後、アルゴン圧5mTorrで、周波数13.56M
Hzにて基板をプラズマエッチングした。プラズマ出力
密度は50mW/cm2、エッチング膜厚は2nm以下
とした。
【0057】その後、5mTorrのアルゴン圧の条件
の下で、第1の金属下地膜として、Ni−10Bを20
nmの厚さに形成した。次いで、第2の金属下地膜とし
て、Cr、Mo、W、Nb若しくはTa又はこれらを主
たる成分とする合金を膜厚5nm以上、500nm以下
となるよう形成した。この複合金属下地膜上にCo−C
r−Pt−Si磁性膜(Br=3.5kG)を、Cr、
Mo、W、V、Ta、Nb、Zr、Ti、B、Be、
C、Ni−P及びNi−Bの一種からなる非磁性の中間
層により磁性膜を二層化して、実施例1と同様に形成し
た。この時、総磁性膜厚δを変化させてBr1δの値を
変化させた。以下、実施例1と同様にカーボンの保護
膜、潤滑層を形成した。
【0058】上記方法により形成された磁気記録媒体を
X線回折分析した結果、第2の下地膜では、体心立方構
造の(200)結晶格子面が基板面と略並行となるよう
結晶が配向成長していることが確認された。また、磁性
膜では、六方晶構造の(110)面が基板表面と略並行
となるよう配向していた。また、保護膜表面の半径方向
に測定した中心線平均粗さRaは0.5nmであった。
また、保護膜を除去したときの磁性膜表面の半径方向に
測定した中心線平均粗さRaは0.7nmであった。
【0059】本磁気記録媒体を用いて、ヘッド浮上量
0.06μmにおいてMRヘッドを媒体内周から外周ま
で10万回シークした結果、ヘッドと磁気記録媒体の接
触は起こらないことが確認された。第1の金属下地膜と
してNi−Bを用いて形成した磁気記録媒体の中間層膜
厚とBr配向比及び160kBPI、6kTPI、ヘッ
ド浮上量0.05μmの条件で測定したS/Nの関係を
表1に示す。
【0060】
【表1】
【0061】表1において、試料3及び試料7の第2金
属下地膜の組成比は、Cr90Ti10である。以下、試料
9のそれはCr90Pt10、試料10のそれはCr90Pd
10、試料11のそれはCr95Si5、試料12のそれは
Cr90Fe10、試料13のそれはCr9010、試料15
のそれはCr85Ti15、試料16のそれはCr9010
ある。また、試料13の中間層組成比は、Ni8020
あり、試料13のそれは、Ni9010である。
【0062】また、比較例の磁気記録媒体を形成し、同
様の特性を測定した結果を表2に示す。表において、試
料cの第2金属下地膜の組成比は、Cr90Ti10、試料
e、fのそれはCr85Ti15であり、試料dの中間層組
成比は、Cr90Ti10である。試料a〜dは、基板表面
に設けた溝の平均密度Nを小さくし、試料gは大きくし
て、磁気記録媒体を製造することにより、配向比を本実
施例のそれより小さく又は大きくしたものである。試料
e、fは、総磁性膜厚δを変化させてBr1δの値を本
実施例のそれより変化させたもの、また、試料h、i
は、中間層膜厚を本実施例のそれより変化させたもので
ある。
【0063】
【表2】
【0064】比較例に比べ、本実施例の磁気記録媒体
は、中間層膜厚を0.5nm以上、5nm以下とし、B
1/Br2の値を1.3以上、3以下とし、Br1δを
5Gμm以上、180Gμm以下としたときに、S/N
が3以上と高くなった。この中で、特に保磁力が180
0Oe以上、3500Oe以下のときにS/Nは4以上
となり、Br1δが5Gμm以上、70Gμm以下のと
きにS/Nは5以上となった。また、保磁力が3600
Oeの比較例の磁気記録媒体媒体は、オーバーライト特
性が10dBとなり実用上使用不可能であった。
【0065】なお、このような効果は、第1の金属下地
膜としてZr、Si、Ti、Sc、Al、C、Ge、S
b、Ga、Ru、Pd、V、Nb、Hf、Rh、Ni−
P又はこれらの合金を用いた場合でも同様に認められ
た。
【0066】〈実施例4〉実施例3と同様にして製造し
た磁気記録媒体に潤滑層を形成する前に、水素含有カー
ボン保護膜表面に、開口部のピッチ1μm以上、100
μm以下の粒子化マスクを設置した。その後、マスクに
覆われない部分のカーボン保護膜を酸素プラズマエッチ
ングにより深さ1nm以上、20nm以下でエッチング
して、保護膜が磁性膜表面と比べて異なる面粗さを有す
るようにした。得られた磁気記録媒体の模式的な部分断
面図を図6に示す。基板66上に設けられた2層の金属
下地膜64、65の表面に凹凸が形成されている。この
上に、中間層63により2層化された磁性膜62が設け
られており、その表面にも上記凹凸と略同じ形状の凹凸
が形成されている。一方、保護膜61の表面には、上記
凹凸の他に、ピッチ1μm以上、100μm以下のエッ
チング部67による凹凸が形成されている。このように
エッチング部を形成した後に潤滑層を形成した。
【0067】製造した磁気記録媒体のヘッドの浮上性及
び磁気特性の円周方向配向性、S/Nを測定した。記録
再生特性は、実施例3の磁気記録媒体と同等で変化なか
った。ロードアンロード方式によりヘッドを浮上した場
合には、カーボン保護膜表面を5〜20nmエッチング
した磁気記録媒体は、実施例3と同等の耐摺動信頼性を
示したが、特に、コンタクト・スタート・ストップ方式
でヘッドを浮上させた場合には、実施例3の磁気記録媒
体よりヘッドの粘着を低減することができ、信頼性が向
上した。
【0068】保護膜としてi−C(イオン アシステッ
ド デポジッテッド カーボン)、WC、(W−Mo)
−C、(Nb−Zr)−N、MoS2、Si34、Si
2、ZrO2、Rh、B4C、B等を用いた場合にも同
様の効果が認められた。
【0069】〈実施例5〉本発明の一実施例の磁気記録
装置の平面図を図7(a)に、そのA−A’線断面図を
図7(b)に示す。実施例1から4で製造したいずれか
の磁気記録媒体71を4枚用い、これとCo−Ni−F
e又はCo−Ta−Zr合金を記録用磁極材とし、再生
部にMR素子を有する複合型薄膜磁気ヘッド73を7個
と、サーボ用のNi−Fe合金を記録再生用磁極とする
薄膜磁気ヘッドとを組み合わせた。上記磁気記録媒体を
用い、薄膜磁気ヘッド73の重量、そのスライダーの形
状等の特性に基づいて、磁気記録媒体駆動部72を駆動
することにより、ヘッド浮上量を0.02μm以上、
0.1μm以下とすることができた。なお、図におい
て、74は磁気ヘッド駆動部、75は記録再生信号処理
系75である。
【0070】この磁気記録装置を使用し、ヘッド浮上量
0.08μmの条件で、エラーが発生するまでの平均時
間を求めたところ信頼性が極めて高いことを実証でき
た。また、この磁気記録装置はヘッド浮上量が低いた
め、信号の記録再生における位相マージンが広くなり、
比較例の磁気記録媒体を用いた浮上量0.12μmの場
合に比較し、面記録密度を2倍に高めることができ、小
形で大容量の磁気記録装置が得られた。
【0071】この磁気記録装置を用いてトラック幅が5
μm以下のMRヘッドで再生した場合に100kBPI
以上の高い記録密度でS/Nが4以上、さらに、オーバ
ーライト(O/W)特性が26dB以上の大容量磁気記
録装置が得られた。特に、3.5kTPI以上の高記録
密度時に、上記各実施例の磁気記録媒体はトラック幅方
向の書きにじみが充分に行われるため、高いS/Nが得
られた。また、基板表面のテクスチャー形状が小さいた
めサーボ信号の品位も高く、良好なヘッド位置決めがで
きた。
【0072】本実施例ではCo−Ni−Fe又はCo−
Ta−Zr合金を磁極材とする薄膜磁気ヘッドを用いた
場合について説明したが、Ni−Fe、Fe−Al合金
磁性膜又はこれらを用いた多層磁性膜等を記録用磁極材
とする記録再生分離型薄膜磁気ヘッド、Co−Ta−Z
r、Fe−Al−Si合金等をギャップ部に設けたメタ
ル・イン・ギャップ型(MIG)録再分離複合磁気ヘッ
ド、さらには誘導型薄膜ヘッド又はMIGヘッドを用い
た場合にも同様の効果が得られることを確認した。
【0073】
【発明の効果】本発明によれば、再生感度の高いMRヘ
ッドに適応した、高S/Nで書きにじみ量が大きい磁気
記録媒体を得ることができた。また、特に、磁性膜やそ
の上に形成された保護膜表面の凹凸の制御を行った場合
は、MRヘッドの浮上量を0.02μm以上、0.1μ
m以下とすることができた。また、このような磁気記録
媒体を容易に得ることのできるその製造方法及びこれを
用いた小型で大容量の磁気記録装置を提供することがで
きた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の薄膜磁気記録媒体の断面構
造図である。
【図2】薄膜型磁気記録媒体の基板表面の深さ1nm以
上、50nm以下の溝の、ヘッド走行方向の垂直方向の
距離1μm中の平均密度Nと、残留磁化のヘッド走行方
向配向比Br1/Br2との関係を示す図である。
【図3】薄膜型磁気記録媒体の残留磁化のヘッド走行方
向配向比Br1/Br2と、MRヘッドを用いて測定した
S/Nとの関係を示す図である。
【図4】薄膜型磁気記録媒体の基板表面のプラズマエッ
チング時のプラズマ出力密度と、残留磁化のヘッド走行
方向配向比Br1/Br2の関係を示す図である。
【図5】基板表面をプラズマエッチングした薄膜型磁気
記録媒体のヘッド走行方向の残留磁化配向比Br1/B
2と、MRヘッドを用いて測定したS/Nとの関係を
示す図である。
【図6】本発明の一実施例の薄膜型磁気記録媒体の部分
断面構造図である。
【図7】本発明の一実施例の磁気記録装置の平面図及び
断面図である。
【符号の説明】
11、66…基板 12、12’…非磁性メッキ層 13、13’、64、65…金属下地膜 14、14’、62…磁性膜 15、15’、61…保護膜 63…中間層 67…エッチング部 71…磁気記録媒体 72…磁気記録媒体駆動部 73…薄膜磁気ヘッド 74…磁気ヘッド駆動部 75…記録再生信号処理系
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 朋生 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 屋久 四男 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 尾嵜 明 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 加藤 義喜 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内 (72)発明者 文岡 順 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性基板と、該非磁性基板上に設けられ
    た磁性膜とを有する磁気記録媒体において、上記磁性膜
    のヘッド走行方向に測定した残留磁化Br1とその総膜
    厚δとの積Br1δの値が5Gμm以上、180Gμm
    以下であり、かつ、Br1と、基板面に平行でヘッド走
    行方向と垂直の方向に測定した残留磁化Br2との比、
    Br1/Br2の値が1.3以上、3以下であることを特
    徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】請求項1記載の磁気記録媒体において、上
    記磁性膜の総膜厚δは、5nm以上、60nm以下であ
    り、その保磁力は、1800Oe以上、3500Oe以
    下であることを特徴とする磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の磁気記録媒体におい
    て、上記磁性膜上にさらに保護膜が配置されたことを特
    徴とする磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】請求項3記載の磁気記録媒体において、上
    記保護膜の表面のヘッド走行方向と垂直の方向の中心線
    平均粗さRaが0.3nm以上、3nm以下であること
    を特徴とする磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】請求項3又は4記載の磁気記録媒体におい
    て、上記保護膜の表面は、上記磁性膜の表面に比べて大
    きな面粗さを有することを特徴とする磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】請求項1から5のいずれか一に記載の磁気
    記録媒体において、上記磁性膜の表面のヘッド走行方向
    と垂直の方向の中心線平均粗さRaが0.3nm以上、
    1.9nm以下であることを特徴とす磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】請求項1から6のいずれか一に記載の磁気
    記録媒体において、上記非磁性基板は、その表面に磁気
    ヘッド走行方向に沿って設けられた、深さ1nm以上、
    50nm以下の溝を有することを特徴とす磁気記録媒
    体。
  8. 【請求項8】請求項7記載の磁気記録媒体において、上
    記溝のヘッド走行方向と垂直方向の距離1μm中の平均
    密度Nの値は、0.3以上、100以下であることを特
    徴とす磁気記録媒体。
  9. 【請求項9】請求項1から8のいずれか一に記載の磁気
    記録媒体において、上記非磁性基板と上記磁性膜との間
    に、少なくとも磁性膜に隣接して金属下地膜が配置され
    たことを特徴とする磁気記録媒体。
  10. 【請求項10】請求項9記載の磁気記録媒体において、
    上記金属下地膜は、Cr、Mo、W、Nb及びTaから
    なる群から選ばれた少なくとも一種の金属又はそれを主
    たる成分とする合金からなり、その膜厚は、5nm以
    上、500nm以下であることを特徴とする磁気記録媒
    体。
  11. 【請求項11】請求項9記載の磁気記録媒体において、
    上記金属下地膜は、少なくとも2層の膜で構成され、基
    板側の膜は、Zr、Si、Ti、Sc、Al、C、G
    e、Sb、Ga、Ru、Pd、V、Nb、Hf、Rh、
    Ni−P、Ni−B又はこれらを主たる成分とする合金
    からなることを特徴とする磁気記録媒体。
  12. 【請求項12】請求項11記載の磁気記録媒体におい
    て、上記少なくとも2層の膜の磁性膜側の膜は、Cr、
    Mo、W、Nb及びTaからなる群から選ばれた少なく
    とも一種の金属又はそれを主たる成分とする合金からな
    ることを特徴とする磁気記録媒体。
  13. 【請求項13】請求項1から12のいずれか一に記載の
    磁気記録媒体において、上記磁性膜は、複数の膜により
    構成され、それらの膜の間に、Cr、Mo、W、V、T
    a、Nb、Zr、Ti、B、Be、C、Ni−P及びN
    i−Bからなる群から選ばれた少なくとも一つの材料を
    主たる成分とする非磁性中間層が配置され、その膜厚
    は、0.5nm以上、5nm以下であることを特徴とす
    る磁気記録媒体。
  14. 【請求項14】請求項1から13のいずれか一に記載の
    磁気記録媒体において、上記磁性膜の磁化容易軸は、実
    質的に基板面内方向に配向していることを特徴とする磁
    気記録媒体。
  15. 【請求項15】請求項14記載の磁気記録媒体におい
    て、上記磁性膜は、六方晶構造を有し、その磁化容易軸
    は、c軸であることを特徴とする磁気記録媒体。
  16. 【請求項16】請求項1から15のいずれか一に記載の
    磁気記録媒体において、上記磁性膜は、Co−Cr−T
    a合金、Co−Cr−Ni合金、Co−Cr−Pt合
    金、Co−Ni−Zr合金、Co−Ni−Pt合金又は
    Co−Cr−Pt−Si合金であることを特徴とする磁
    気記録媒体。
  17. 【請求項17】非磁性基板を準備する第1の工程と、非
    磁性基板をアルゴンガスを用いてプラズマエッチングす
    る第2の工程と、非磁性基板上に磁性膜を形成する第3
    の工程とを有し、請求項1から16のいずれか一に記載
    の磁気記録媒体を製造することを特徴とする磁気記録媒
    体の製造方法。
  18. 【請求項18】請求項17記載の磁気記録媒体の製造方
    法において、上記第2の工程は、プラズマ出力密度が3
    0mW/cm2以上、1000mW/cm2以下の条件で
    行うことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  19. 【請求項19】請求項17又は18記載の磁気記録媒体
    の製造方法において、上記第2の工程は、高周波プラズ
    マを用いて行うことを特徴とする請求項7項記載の磁気
    記録媒体の製造方法。
  20. 【請求項20】請求項17から19のいずれか一に記載
    の磁気記録媒体の製造方法において、上記第3の工程
    は、上記非磁性基板に負のバイアス電圧を10V以上、
    500V以下印加して行うことを特徴とする磁気記録媒
    体の製造方法。
  21. 【請求項21】請求項17から19のいずれか一に記載
    の磁気記録媒体の製造方法において、上記第2の工程の
    後、第3の工程の前に、上記非磁性基板上に金属下地膜
    を形成する工程を有することを特徴とする磁気記録媒体
    の製造方法。
  22. 【請求項22】請求項21記載の磁気記録媒体の製造方
    法において、上記金属下地膜を形成する工程は、上記非
    磁性基板に負のバイアス電圧を10V以上、500V以
    下印加して行うことを特徴とする磁気記録媒体の製造方
    法。
  23. 【請求項23】磁気記録媒体と、磁気記録媒体を駆動す
    るための磁気記録媒体駆動部と、磁気記録媒体に信号を
    記録再生するための磁気ヘッドと、磁気ヘッドを駆動す
    るための磁気ヘッド駆動部と、記録再生信号処理系とを
    有する磁気記録装置において、上記磁気ヘッドは、磁気
    抵抗効果型再生部を有し、上記磁気記録媒体駆動部は、
    上記磁気ヘッドの特性に基づいてその浮上量を0.02
    μm以上、0.1μm以下に制御するための駆動部であ
    り、上記磁気記録媒体は、請求項1から16のいずれか
    一に記載の磁気記録媒体であることを特徴とする磁気記
    録装置。
  24. 【請求項24】請求項23記載の磁気記録装置におい
    て、上記記録再生信号処理系は、上記磁気記録媒体の線
    記録密度を100kBPI以上、300kBPI以下に
    制御するための処理系であることを特徴とする磁気記録
    装置。
  25. 【請求項25】請求項24記載の磁気記録装置におい
    て、上記記録再生信号処理系は、上記磁気記録媒体の記
    録トラック密度を3.5kTPI以上、30kTPI以
    下に制御するための処理系であることを特徴とする磁気
    記録装置。
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