JP2008204493A - ディスクリート型の磁気記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】より高記録密度化に有利なディスクリート型磁気記録媒体の提供を目的とする。
【解決手段】基板とそれに固着する磁気記録用の積層体とを備え、積層体においてデータを記憶するための複数の記録用領域とそれらを隔てる分離領域とが定められ、記録用領域と分離領域とで積層体の構成が異なるディスクリート型の磁気記録媒体において、積層体を、複数の記録用領域およびそれらの間の分離領域にわたって連続する第1硬磁性層と、第1硬磁性層のうちの記録用領域に対応した部分に配置され且つ第1硬磁性層よりも薄い第2硬磁性層とを有した構成とする。第2硬磁性層をその保磁力が第1硬磁性層の保磁力よりも小さく、かつ飽和磁化が前記第1硬磁性層の飽和磁化よりも大きい材質とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、データを記憶するためのトラック状またはドット状の複数の領域が互いに磁気的に分離されたディスクリート型の磁気記録媒体に関する。
コンピュータの外部記憶手段として広く用いられるハードディスク装置において、面記録方式(長手記録方式)に代わって高記録密度化に有利な垂直記録方式が主流になりつつある。また、一層の高記録密度化に向けて、ディスクリートトラック型の磁気ディスク(円盤状の磁気記録媒体)が本格的に採用されつつある。ディスクリートトラック型の磁気ディスクでは、隣接する記録トラック間の磁気的干渉がガードバンドと呼ばれる非磁性部によって抑えられるので、記録トラック幅および配列ピッチを小さくして記録トラック密度を高めることができる。
従来のディスクリートトラック型の磁気ディスクは、その断面構造を示す図8のとおり、互いに離れた複数の硬磁性体54とそれらの間を埋める非磁性体55とからなる記録層53を有する。硬磁性体54は図の紙面の表裏方向に延びる帯状にパターニングされており、各硬磁性体54が1つの記録トラックに対応する。非磁性体55がガードバンドである。記録層53の下層として磁化転移を急峻にする軟磁性裏打ち層(SUL: Soft Under Layer)51が設けられ、記録層53は保護層56によって被覆される。軟磁性裏打ち層51、記録層53および保護層56は表面の平坦な基板50に積層される。
図示の磁気ディスクにおいて、硬磁性体54の磁化の方向はディスク表面に対して垂直な方向、すなわち厚さ方向に沿った方向である。垂直記録用のヘッド60によって生じる磁界は、ヘッド60から記録層53を貫通して軟磁性裏打ち層51に達し、軟磁性裏打ち層51内を紙面の表裏方向に沿って通り、再び記録層53を貫通してヘッド60に戻る。
磁気ディスクの製造において、記録層54は、軟磁性裏打ち層上に硬磁性層を積層する工程、硬磁性層を部分的にエッチングする工程、エッチングで生じた凹部に非磁性体を埋め込む工程、および表面を平坦化する工程によって形成される。非磁性体の埋込みおよび表面平坦化を行うことにより、磁気ディスクに対して相対移動するヘッド60のいわゆる浮上状態を安定にすることができる。
このようなディスクリートトラック型の磁気ディスクの積層構造に関して、特開2005−122876号公報において、硬磁性体およびガードバンドからなる記録層の全体を軟磁性層で一様に被覆することが提案されている。記録層の上に軟磁性層を積層することによって記録トラックのクロストークが低減される、との記載がある。
特開2005−122876号公報
上述した従来のディスクリートトラック型の磁気ディスクには、記録層53を形成するための硬磁性層のエッチングにおいて、パターンエッジが鈍ってしまうという問題がある。パターンエッジが鋭くてエッチングマスクパターンに忠実な硬磁性体パターンが得られなければ、記録トラックの狭ピッチ化は困難である。パターンエッジの鈍りは、記録層53を薄くすることによって低減される。しかし、記録層53(厳密には硬磁性体54)は情報担持の信頼性を得るのに十分な10〜30nm程度の厚さをもつ必要がある。
記録層53の厚さは生産性にも関係する。従来の磁気ディスクには、硬磁性層のエッチングおよびその後の非磁性体の埋め込みの各所要時間が長いという問題もある。製造コストの上からもエッチングをする層の薄いことが望まれる。
さらに、従来の磁気ディスクでは、記録層53に形成されるサーボパターンによって得られるサーボ信号の振幅が記録トラックからのデータ読取り信号の振幅のほぼ1/2である。サーボパターンは、記録トラックおよびガードバンドの形成と同時に形成される硬磁性体と非磁性体とで構成され、磁化部分と非磁化部分の配列(すなわち磁気の有無の組み合わせ)によってサーボ制御のためのビット情報を表す。記録トラックでは表面に向かう上向きと背面に向かう下向きの2方向の磁化で情報を表すのに対して、サーボパターンでは上向きまたは下向きのいずれかである1方向の磁化の有無で情報を表すので、上記のようにサーボ信号の振幅はデータ読取り信号の振幅よりも小さい。サーボ制御の信頼性を高める上で、サーボ信号の振幅の大きいことが望ましい。
本発明は、このような事情に鑑み、より高記録密度化に有利なディスクリート型の磁気記録媒体の提供を目的としている。
上記目的を達成するディスクリート型の磁気記録媒体は、基板とそれに固着する磁気記録用の積層体とを備える。前記積層体は、前記複数の記録用領域およびそれらの間の分離領域にわたって連続する第1硬磁性層と、前記第1硬磁性層のうちの前記記録用領域に対応した部分に積層された第2硬磁性層とを有する。前記第2硬磁性層は前記第1硬磁性層よりも薄い。前記第2硬磁性層の保磁力は前記第1硬磁性層の保磁力よりも小さく、かつ前記第2硬磁性層の飽和磁化は前記第1硬磁性層の飽和磁化よりも大きい。
データに応じた磁気情報を担持する記録用領域において、第1硬磁性層が第2硬磁性層で被覆されたHard/Hardスタック構造が形成される。分離領域においてはHard/Hardスタック構造が形成されない。硬磁性層は記録用領域と分離領域とに関わらず、その材質で決まる保磁力および飽和磁化をもつ。しかし、第1硬磁性層の保磁力Hcおよび飽和磁化Msと第2硬磁性層の保磁力Hcおよび飽和磁化Msとに、Hc>Hc、Ms<Msの関係がある場合には、保磁力Hcよりも小さい磁界であっても、第2硬磁性層(スイッチ層)を介して第1硬磁性層に印加することによって第1硬磁性層の磁化を変化させることができる(これに関する文献として、A. Yu. Dobin and H. J. Richter “Domain wall assisted magnetic recording”2006 American Institute of Physics, APPLIED PHYSICS LETTERS 89, 062512 (2006) がある)。
上記磁気記録媒体では、分離領域と比べて記録用領域において第1硬磁性層の磁化方向を反転させるのが容易である。第2硬磁性層は、記録用領域と分離領域との磁気的な分離を実現し、磁気記録のために印加するべき磁界の強度を低減するスイッチ層として機能する。分離領域では第1硬磁性層の磁化状態が保たれ且つ記録用領域では第1硬磁性層の磁化方向が反転する所定強度の磁界を印加することにより、記録用領域に選択的にデータを記録することができる。
記録用領域と分離領域との間の磁気記録の選択性をより良好にする上では、Hc≫Hc、かつMs≪Msであるのが好ましい。
上記磁気記録媒体の製造において第1硬磁性層のパターニングは不要であるので、パターニングされた記録用磁性層をもつ従来の媒体と比べて、上記磁気記録媒体は生産性に優れる。
第2硬磁性層は第1硬磁性層よりも薄いので、第2硬磁性層のパターニングにおいては、第1硬磁性層をパターニングする場合と比べてパターンエッジの鋭いパターンを得ることができるとともに、所要時間が短い。
好ましい態様において、前記基板は円盤状であり、前記積層体において同心円状に複数の記録トラックが定められ、記録トラックと記録トラック間とで前記積層体の構成が異なり、前記積層体は、前記基板の表面を一様に覆う軟磁性裏打ち層と、前記軟磁性裏打ち層を一様に覆う第1硬磁性層と、前記第1硬磁性層を覆い当該第1硬磁性層よりも薄くかつ表面の平坦なディスクリートパターン層とを有している。前記ディスクリートパターン層は、前記第1硬磁性層のうちの前記複数の記録トラックに対応した部分を選択的に被覆するように配置された複数の第2硬磁性層と、隣接する第2硬磁性層の間に配置された非磁性体とで構成される。
さらに好ましい態様において、前記積層体はサーボ制御のための複数のサーボ領域を有し、前記複数のサーボ領域にわたって前記第1硬磁性層が拡がり、各サーボ領域は、前記第1硬磁性層に前記第2硬磁性層と同じ材料からなる磁性体が重なった第1磁性部分と、前記第1硬磁性層に非磁性体が重なった第2磁性部分とで構成されるサーボパターンをもつ。
本発明によれば、データを記憶する第1硬磁性体よりも薄い第2硬磁性体によって記録用領域が画定されるので、硬磁性体の有無で記録用領域を画定する従来構成と比べて記録用領域の微細化が容易になる。
本発明の磁気記録媒体の実施形態として、データのビットごとに磁気的に分離された記録用領域をもつディスクリートビット型の磁気ディスクがある。
図1のように、磁気ディスク1における円環状のディスク面は、1周を所定角度ずつ分割する形で複数のユーザデータ領域31と複数のサーボ領域32とに区画されている。ユーザデータ領域31およびサーボ領域32は周方向に交互に並ぶ。ユーザデータ領域31には同心円群に沿うように径方向に一定のピッチで記録トラック23が設けられ、サーボ領域32には後述するサーボパターンが設けられている。
図示の磁気ディスク1の構成は角速度一定(CAV)で回転する状態でのアクセスおよび回動式アームによるシーク動作に適合するものであるので、ユーザデータ領域31およびサーボ領域32はディスク面の外周に近づくほど拡がり、アーム先端の移動経路に沿うよう湾曲した形状をもつ。
図2は図1中の破線で囲まれた部分AAの拡大図であり、ユーザデータ領域31およびサーボ領域32の構成を模式的に示す。ユーザデータ領域31は、データをビット単位で記録するための領域である多数の記録ドット22(図中の白い部分)と格子状の分離領域24(図中の黒い部分)とを有する。周方向(図の左右方向)および径方向(図の上下方向)に並ぶ記録ドット22のうち、周方向に沿う1列の記録ドット22が1つの記録トラック23に対応する。分離領域24は、隣接する記録トラック23を磁気的に分離する部分(ガードバンド)と、各記録トラック23において隣接する記録ドット22を磁気的に分離する部分とを有する。
サーボ領域32はサーボパターン25を有する。サーボパターン25は第1磁性部分26(図中の白い部分)と第2磁性部分27(図中の黒い部分)の配列パターンである。第1磁性部26は記録ドット22と同じ層構成をもち、第2磁性部27は分離領域24と同じ層構成をもつ。
図3は図2のa−a矢視断面図であり、磁気ディスク1のユーザデータ領域31の層構成を示す。
磁気ディスク1は、支持体である基板5とそれに固着する表面の平坦な磁気記録用の積層体6とを備える。積層体6は、垂直記録の密度を高めるための軟磁性裏打ち層11、垂直方向の磁化が容易な磁気異方性をもつ磁気記録層14、および保護層19を備える。磁気記録層14は第1硬磁性層12とディスクリートパターン層13とからなり、ディスクリートパターン層13は第1硬磁性層12よりも薄い。
軟磁性裏打ち層11および第1硬磁性層12は、基板5の表面を一様に覆うように積層され、同心円状に配列された記録トラック23およびそれらの間の分離領域24にわたって連続する。すなわち、軟磁性裏打ち層11および第1硬磁性層12において、構造の上で記録トラック23と分離領域24との区別はない。
記録トラック23および分離領域24を画定するのはディスクリートパターン層13である。ディスクリートパターン層13は、第1硬磁性層12のうちの記録トラック23(厳密には記録ドット)に対応した部分を選択的に被覆する複数の第2硬磁性層15と、隣接する第2硬磁性層15の間に配置された平坦化のための非磁性体16とを備える。
記録トラック23の各記録ドット22においては、第1硬磁性層12と第2硬磁性層15とが図4に模式的に示される特徴的な作用が生じるHard/Hardスタック構造を形成する。第1硬磁性層12は第2硬磁性層15と界面で交換結合しており、外部磁界に感応して両層の磁化が一緒に回転(反転)する。図4(A)は第2硬磁性層15の磁気ヒステリシス特性を示し、図4(B)は第1硬磁性層12の磁気ヒステリシス特性を示し、図4(C)は磁気記録層14の記録ドット22の磁気ヒステリシス特性を示す。図4(D)は印加磁界の強度と磁化反転の様相との関係を示す。なお、図4では一方向の磁化反転およびそれに関係する保磁力および飽和磁化を示しているが、逆方向の磁化反転においても以下と同様の作用がある。
磁気ディスク1においては、図4(A)および(B)のように、第2硬磁性層15の保磁力Hcは第1硬磁性層12の保磁力Hcよりも格段に小さいものの、第2硬磁性層15の飽和磁化Msが第1硬磁性層12の飽和磁化Msよりも十分に大きいので、第2硬磁性層15の磁化を反転させる磁界を印加すると、保磁力Hcと飽和磁化Msとの積で表される大きさの磁気エネルギーが第1硬磁性層12の磁化を反転させようとする。このような磁気エネルギーによる支援を受ける記録ドット22では、図4(C)および(D)が示すように、第1硬磁性層12の保磁力Hcよりも大幅に弱い磁界Hの印加によって磁化が反転する。
図4(D)では第1硬磁性層12と第2硬磁性層15との界面付近の磁化の向きが矢印で示されている。同図の上下方向が磁気記録層14の膜厚方向である。印加磁界の強度が零のときの状態[a]は、第2硬磁性層15の保磁力Hcより若干強い磁界Hの印加によって状態[b]に変わる。磁界Hより強い磁界H(H<H)を印加すると、状態[a]は状態[c]に変わる。さらに強い磁界H(H>H)を印加すると、状態[a]は完全に磁化の反転した状態[d]に変わる。なお、状態[b]において磁界強度が零になると、状態[b]は状態[a]に戻る。
これに対して、分離領域24では、第1硬磁性層12の保磁力Hcよりも強い磁界を印加しなければ磁化は反転しない。このことから、磁気ディスク1においては、分離領域24が感応しない適切な強度の磁場を印加することにより、磁気記録層14における記録ドット22に対応した部分に選択的にデータを記録することができる。
第1硬磁性層12の材料としてサマリウムコバルト(SmCoまたはSmCo17)があり、第2硬磁性層15の材料としてコバルトクロム白金がある。これら材料からなる層はスパッタリングによって成膜することができる。例えば、SmCoからなる厚さ7.2nmの第1硬磁性層12は、飽和磁化Ms:156emu/cc(=1.56×10A/m)、交換結合定数A:0.5×10−6erg/cm(=0.5×10-11J/m)、保磁力Hc:500kOe(≒39.8×10A/m)の物性値をもつ。また、CoCrPtからなる厚さ2.8nmの第2硬磁性層15は、飽和磁化Ms:1200emu/cc(=1.20×10A/m)、交換結合定数A:2×10−6erg/cm(=2×10-11J/m)、保磁力Hc:10kOe(≒0.8×10A/m)の物性値をもつ。そして、これら第1硬磁性層12と第2硬磁性層15が結合した記録ドット22での磁化反転の生じる反転磁界強度は15kOe(≒1.26×10A/m)である。
この具体例の場合、分離領域24での反転磁界強度は、第1硬磁性層12の保磁力Hc1である500kOeよりも大きいので、記録ドット22での反転磁界強度の33倍以上である。記録位置の選択性の観点では、記録ドット22と分離領域24との間で反転磁界強度の差がより大きいのが望ましいが、記録ドット22の反転磁界強度に対して分離領域24の反転磁界強度が10倍以上であれば十分な実用性が得られる。
図5は図2のb−b矢視断面図であり、磁気ディスク1のサーボ領域31の層構成を示す。サーボ領域31においても、ユーザデータ領域31と同様に積層体6は軟磁性裏打ち層11、磁気記録層14、および保護層19からなり、磁気記録層14は第1硬磁性層12およびディスクリートパターン層13からなる。軟磁性裏打ち層11および第1硬磁性層12において、構造の上で第1磁性部26と第2磁性部27との区別はない。
第1磁性部26および第2磁性部27を画定するのは、ディスクリートパターン層13である。ディスクリートパターン層13は、第1硬磁性層12のうちの第1磁性部26に対応した部分を選択的に被覆するように配置された複数の硬磁性体17と、第2磁性部27に対応した部分を選択的に被覆するように配置された複数の非磁性体18とを備える。この硬磁性体17とユーザデータ領域31の第2硬磁性体15の材質は同じで、非磁性体18とユーザデータ領域31の非磁性体16の材質は同じである。
本実施形態の磁気ディスク1では、第1硬磁性層12が第1磁性部26と第2磁性部27とにわたって一様に拡がっており、且つ上記Hard/Hardスタック構造をもつ第1磁性部26とHard/Hardスタック構造をもたない第2磁性部27とで磁化の選択性があるので、第1磁性部26と第2磁性部27とで磁化方向が反対であるようなサーボパターン25を構成することができる。このサーボパターン25によれば、磁性部と非磁性部とで構成される従来のサーボパターンとは違って、記録トラック23からの読み取り信号と同等の振幅をもつサーボ信号を得ることができる。
以上の構成の磁気ディスク1は次の手順で製造される。
磁気ディスク1の製造にはインプリント技術を用いることができる。ガラスからなる直径63.5mm(2.5inch)の基板5に、厚さ100nm程度の軟磁性裏打ち層11、厚さ7〜8nm程度の第1硬磁性層12、およびディスクリートパターン層13を形成するための厚さ2〜3nm程度の第2硬磁性層15aを順に積層する。得られた積層体6aの上に熱可塑性樹脂42を100nm程度の厚さに設ける。熱可塑性樹脂42の下にタンタルなどのメタルマスク用材料を成膜してもよい。そして、熱可塑性樹脂42を設けた後、別途作製しておいたニッケル(Ni)からなるスタンパ43を熱可塑性樹脂42に重ねる〔図6(A)〕。スタンパ43は、例えばシリコン板の表面にコートしたレジストを電子線描画によってパターニングし、得られた凹凸面に導電化処理を施して電気めっきを行う手順で作製される。
熱可塑性樹脂42を加熱しながら熱可塑性樹脂42にスタンパ43を押し付け、スタンパ43のパターンを熱可塑性樹脂42Bに転写する〔図6(B)〕。そして、熱可塑性樹脂42Bをマスクとして例えばArイオンミリングによって第2硬磁性層15aを部分的にエッチングする。これにより、ユーザデータ領域には記録ドットに対応する第2硬磁性層15が形成され、サーボ領域には図示はしないがサーボパターンの第1磁性部分が形成される〔図6(C)〕。第2硬磁性層15aが第1硬磁性層12よりも薄いので、第1硬磁性層12をパターニングする場合と比べてパターンエッジの鋭い磁性体パターン(記録ドットパターンおよびサーボパターン)が得られ、かつエッチングの所要時間が短い。
残った熱可塑性樹脂42Cを例えば酸素プラズマによってアッシングし、その後に凹凸をもつディスク表面にスパッタリングによって二酸化珪素(SiO)層16aを付着させて凹凸を埋める〔図6(D)〕。埋め込みに要する時間も、エッチング時間と同様に膜厚にほぼ比例するので、第1硬磁性層12をパターニングする場合の埋め込みに要する時間と比べて短い。
化学的機械的研磨によって過剰のSiOを除去して表面を平坦化し、分離領域24に対応する非磁性体16を形成する。このとき、サーボ領域にはサーボパターンの第2磁性部分27が形成される。
最後に保護膜19として厚さ数nmの例えばダイヤモンドライクカーボン(DLC)を成膜し、ディスクリートトラック型の磁気ディスク1を得る〔図6(F)〕。このようにして作製された磁気ディスク1に対してサーボパターンに磁気情報を与えるフォーマットを行う。
フォーマットの手順は次のとおりである。
図7(A)のように、成膜された後に磁気処理を受けていない第1硬磁性層12においては、磁化の方向が部位によって不規則に異なっている。サーボパターンを磁気的に読取り可能にするためにサーボ領域内の磁区の磁化方向を揃える必要がある。
図7(B)のように第1硬磁性層12の全体に分離領域および第2磁性部分の磁化を反転させる比較的に強い直流着磁を行う。次に、図7(C)のように、上記直流着磁の磁界とは方向が反対で且つ第1磁性部分のみが感応する比較的に弱い磁界を印加する。この2回目の直流着磁において、第2磁性部分では1回目の直流着磁がなされた状態が保たれる。したがって、第2磁性部分と第1磁性部分とで磁化の方向が反対であるサーボパターンが形成される。
図7(D)のようにユーザデータ領域の記録トラックに沿ってリードヘッドを相対移動させると、上向き磁化と下向き磁化の配列に応じた読取り信号(データ信号)が得られる。同様にサーボ領域においても、上向き磁化と下向き磁化の配列に応じた読取り信号(サーボ信号)が得られる。従来例よりも振幅の大きなサーボ信号が得られることは、サーボ制御の信頼性の向上に貢献する。
以上のフォーマットは直流着磁を第1硬磁性層12の全体に施すものに限らない。所定のプレートを用いてサーボ領域に選択的に直流着磁を施してもよい。その場合、フォーマット終了時点において、ユーザデータ領域の磁化方向は不規則のままとなる。サーボパターンが複雑で微細であったとしても、サーボ領域32の形状は比較的に単純であるので、十分な精度でプレートを磁気ディスク1に対して位置決めすることができる。
以上の実施形態においては、ディスクリートパターン層13が平坦化されているので、ディスク面が平坦である。したがって、データの記録および読取りに際してヘッドの浮上状態を安定にすることができる。
以上の実施形態において、積層体6の各層の材質および厚さ、層構成、第2硬磁性層15のパターンは例示に限定されない。層構成の変形例として、第1硬磁性層12とディスクリートパターン層13との間に厚さ1nm程度の中間層を設けてもよい。中間層は第1硬磁性層12と第2硬磁性層15との界面結合を良好にし且つ結晶構造を整合させる。
ディスクリートパターン層13における非磁性体の埋め込みを省略し、磁気ディスク1の表面を段差面としてもよい。その場合、段差が磁気ヘッドの浮上に支障のない十分に小さい値となるよう第2硬磁性層15を薄くする必要がある。
サーボ領域32の形状は、並進移動式アームでのシークを前提とする場合には、直線と円弧で形づくられる扇型となる。ディスク回転を線速度一定(CLV)とする場合は、一定幅の帯状となる。また、必ずしも記録トラック群の配置される環状領域の内周から外周まで径方向に連続している必要はない。
また、図3では基板5の片面に積層体6を配した片面構成を図示したが、基板5の両面に積層体6を配した両面構成であってもよい。
複数の記録用領域がビットごとに磁気的に分離された島状の記録ドット22であるディスクリート型の磁気ディスク1を例示したが、複数の記録トラック23のそれぞれで連続した線状の記録用領域をもつディスクリートトラック型の磁気記録媒体にも本発明を適用することができる。
本発明は、ディスクリートトラック型およびディスクリートビット型を含むディスクリート型の磁性記録媒体の高記録密度化および生産性向上に貢献する。
磁気ディスクの概略構成を示す平面図である。 ユーザデータ領域およびサーボ領域の構成を模式的に示す図である。 磁気ディスクのユーザデータ領域の層構成を示す断面図である。 磁気記録層の磁気作用を模式的に示す図である。 磁気ディスクのサーボ領域の層構成を示す断面図である。 磁気ディスクの製造方法の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係るフォーマットの説明図である。 従来の磁気ディスクの層構成を示す断面図である。
符号の説明
1 磁気ディスク(磁気記録媒体)
5 基板
6 積層体
22 記録ドット(記録用領域)
23 記録トラック
24 (分離領域)
12 第1硬磁性層
15 第2硬磁性層
11 軟磁性裏打ち層
16 非磁性体
13 ディスクリートパターン層
32 サーボ領域
26 第1磁性部分
27 第2磁性部分
25 サーボパターン

Claims (5)

  1. 基板とそれに固着する磁気記録用の積層体とを備え、前記積層体においてデータを記憶するための複数の記録用領域とそれらを隔てる分離領域とが定められ、記録用領域と分離領域とで前記積層体の構成が異なるディスクリート型の磁気記録媒体であって、
    前記積層体は、前記複数の記録用領域およびそれらの間の分離領域にわたって連続する第1硬磁性層と、前記第1硬磁性層のうちの前記記録用領域に対応した部分に積層された第2硬磁性層とを有し、
    前記第2硬磁性層が前記第1硬磁性層よりも薄く、
    前記第2硬磁性層の保磁力が前記第1硬磁性層の保磁力よりも小さく、かつ前記第2硬磁性層の飽和磁化が前記第1硬磁性層の飽和磁化よりも大きい
    ことを特徴とするディスクリート型の磁気記録媒体。
  2. 前記分離領域において前記第1硬磁性層の磁化の反転する磁界強度は、前記記録用領域において前記第1硬磁性層の磁化の反転する磁界強度の10倍以上である
    請求項1に記載のディスクリート型の磁気記録媒体。
  3. 前記積層体は、前記第1硬磁性層のうちの前記分離領域に対応した部分に前記第2硬磁性層と厚さの等しい非磁性体が積層された
    請求項1または請求項2に記載のディスクリート型の磁気記録媒体。
  4. 円盤状の基板とそれに固着する磁気記録用の積層体とを備え、前記積層体において同心円状に複数の記録トラックが定められ、記録トラックと記録トラック間とで前記積層体の構成が異なるディスクリート型の磁気記録媒体であって、
    前記積層体は、
    前記基板の表面を一様に覆う軟磁性裏打ち層と、
    前記軟磁性裏打ち層を一様に覆う第1硬磁性層と、
    前記第1硬磁性層を覆い当該第1硬磁性層よりも薄くかつ表面の平坦なディスクリートパターン層とを有しており、
    前記ディスクリートパターン層は、前記第1硬磁性層のうちの前記複数の記録トラックに対応した部分を選択的に被覆するように配置された複数の第2硬磁性層と、隣接する第2硬磁性層の間に配置された非磁性体とで構成される
    ことを特徴とするディスクリート型の磁気記録媒体。
  5. サーボ制御のための複数のサーボ領域を有し、
    前記複数のサーボ領域にわたって前記第1硬磁性層が拡がり、
    各サーボ領域に、前記第1硬磁性層に前記第2硬磁性層と同じ材料からなる磁性体が重なった第1磁性部分と、前記第1硬磁性層に非磁性体が重なった第2磁性部分とで構成されるサーボパターンが形成された
    請求項4に記載のディスクリート型の磁気記録媒体。
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