JP2008287811A - 磁気記録媒体及び磁気記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 磁気記録媒体及び磁気記録装置に関し、低コスト化、製造歩留りの向上、及び、浮上特性の安定化を同時に実現する。
【解決手段】 交換結合を有し、磁気記録可能な磁性層4を2層以上非磁性基板1上に設けた磁気記録媒体の媒体表面側の磁気記録可能な磁性層4に少なくともダウントラック方向に、磁気記録可能な磁性層4の総膜厚より浅い溝7を形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は磁気記録媒体及び磁気記録装置に関するものであり、特に、ハードディスク等の磁気記録媒体を高記録密度化に対応するために記録層を多層化且つ分離化する際の歩留りの向上や低コスト化のための構成に特徴のある磁気記録媒体及び磁気記録装置に関するものである。
近年、磁気記録装置の大容量化に伴い磁気記録媒体の記録密度の向上が進められているが、記録密度の高密度化には、単位面積当たりに書き込める記録ビット数を増やす必要がある。
記録ビット数を増やすには、1 ビット当たりの面積を減らせば良いが、面積が小さくなれば、熱エネルギーの影響で記録されたデータが消去してしまう所謂熱ゆらぎの問題が発生してしまうため、これを避けるために熱エネルギーに強い材料を記録媒体に使う必要がある。
熱エネルギーに強くするには異方性磁界を強くすれば良いが、そうすると、記録媒体に情報を書き込むのに必要な記録磁界を大きくする必要がある。
一方、ビットの微小化に対応し、記録磁界を発生させる磁気記録ヘッドも小型化する必要があるが、磁気記録ヘッドの小型化により記録磁界にも限界が生じるため、これ以上の高密度化が困難になる。
そこで、記録層が2層以上からなる多層記録層による記録媒体が提案されており(例えば、特許文献1参照)、この構造を使えば、従来の記録媒体より小さい記録磁界で磁気記録可能で、かつ熱エネルギーに強い記録媒体を実現することができる。
また、高記録密度化を図るのに好ましい媒体として、ディスクリートトラックメディア(DTM)やビットパターンドメディア(BPM)など、所定パターンの記録磁性部を記録層内に有する記録媒体が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2001−148109号公報 特開2006−092632号公報
しかし、所定パターンの記録磁性部を形成するために、溝構造を多層記録層に適用した場合には、多層記録層は単層の記録媒体に比べて記録層が厚いため、DTMのような記録層に溝を掘る場合、従来のものに比べてかなり深く掘る必要がある。
また、溝を掘るだけでは媒体面上に記録層と溝との凸凹が生じ、ヘッドの浮上が安定しないため、溝部に非磁性の材料を充填する必要がでてくるため、コストの高騰、歩留まりの低下、浮上特性の劣化などが発生するという問題がある。
したがって、本発明は、低コスト化、製造歩留りの向上、及び、浮上特性の安定化を同時に実現することを目的とする。
図1は本発明の原理的構成図であり、ここで図1を参照して、本発明における課題を解決するための手段を説明する。
なお、図における符号3は非磁性層である。
図1参照
上記の課題を解決するために、本発明は、交換結合を有し、磁気記録可能な磁性層4を2層以上非磁性基板1上に設けた磁気記録媒体であって、媒体表面側の磁気記録可能な磁性層4に少なくともダウントラック方向に、磁気記録可能な磁性層4の総膜厚より浅い溝7を形成したことを特徴とする。
即ち、本発明者は鋭意研究の結果、磁気記録可能な磁性層4を2層以上有する多層記録層に溝7を形成する場合に、溝7を掘る効果は交換結合を切る効果が大きいといえるので、溝7を掘る部分は交換結合の大きい部分だけで良いという知見を得たものである。
このように、溝7を形成する場合に、磁気記録可能な磁性層4の総膜厚より浅くしているので、溝7形成工程が容易になるとともに、それに伴って凹凸構造のアスペクト比が小さくなるので、浮上特性に対する影響を少なくすることができる。
この場合、溝7はクロストラック方向にも設けても良く、即ち、DTM型ではなくBPM型の場合にも同様に適用されるものである。
また、溝7は磁気記録可能な複数の磁性層の内の最表面の磁性層のみに設けられていることが望ましく、それによって、溝7の深さは交換結合を切るための最低限の深さとなり、溝7形成工程に要する時間が短くなるともに、浮上特性に対する影響がより少なくなる。
また、交換結合を有し、磁気記録可能な磁性層4が2層である場合には、下層磁性層5のの異方性磁界をHk1、飽和磁化をMs1、交換結合力をA1 とし、上層磁性層6の異方性磁界をHk2、飽和磁化をMs2、交換結合力をA2 とした場合、
k1>Hk2、Ms1<Ms2、且つ、A1 <A2
の関係を有することが望ましい。
即ち、磁気記録媒体に記録磁界がかかったとき、Hk1>Hk2の関係により、まず上層磁性層6の磁化が反転し、上層磁性層6の磁化が反転することにより、下層磁性層5と上層磁性層6の交換結合により下層磁性層5の反転磁界に達していなくても磁化が反転し、この時、上層磁性層6の交換結合力が大きい方が、即ち、A1 <A2 である方が磁化反転をより助ける。
なお、Ms1<Ms2の関係によりA1 <A2 が得られる。
また、交換結合を有し、磁気記録可能な磁性層4が2層である場合に、下層磁性層5の膜厚をd1 とし、上層磁性層6の膜厚をd2 とした場合、
1 +d2 =3nm〜20nm、且つ、d1 >d2
の関係を有することが望ましく、それによって、溝の深さを十分浅くしても交換結合を切ることができる。
また、下層磁性層5と上層磁性層6との間に、非磁性或いは反強磁性の中間層を設けることが望ましく、それによって、下層磁性層5と上層磁性層6との間の交換結合を大きくすることができる。
また、溝7に非磁性体を充填しても良く、それによって、浮上特性をさらに安定化することができる。
なお、溝7に非磁性体を充填する工程が必要になるものの、従来に比べて溝7が浅いので、埋込が容易になる。
また、非磁性基板1上に軟磁性裏打層2を設けても良く、それによって、所謂垂直磁気記録媒体とすることができる。
上述の磁気記録媒体を搭載するとともに、磁気記録媒体に対して情報の書込み及び読み出しを行う記録再生手段とを備えることによって、高記録密度の磁気記録装置を歩留り良く製造することができ、低コスト化が可能になる。
本発明によれば、溝を掘る深さがわずかであり、かつ充填する必要がなく或いは充填しても僅かであるので、低コスト化及び製造の容易化が可能であるとともに、浮上特性を安定化することができる。
ここで、図2を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図2参照
図2は、本発明の実施の形態の磁気記録媒体の概念的断面図であり、磁気記録媒体10は、基材11上に少なくとも軟磁性裏打層12、非磁性層16、下層記録層17、及び、上層記録層19を設けて、下層記録層17の中頃以上には達しない溝20を設けたものである。
この場合の基材11は例えば、プラスチック、結晶化ガラス、Si基板、或いは、アルニウム合金等の非磁性基材から構成される。
また、軟磁性裏打層12は、例えば、CoNbZr、CoTaZr、FeCoB、FeTaC、FeAlSi、NiFeなどから構成され、膜厚は10nm〜2000nmである。
この軟磁性裏打層12は1層に限定されるものではなく、複数層を積層しても良く、それによって、隣接するビット領域への磁気的影響を低減することができる。
例えば、図に示すように、軟磁性層13と軟磁性層15との間に、膜厚が2μm以下のRu、Cu、Cr、Rh、或いは、Ir等の非磁性層14を介在させて多層構造の軟磁性裏打層12としても良いものである。
また、非磁性層16は、例えば、NiCr、NiCu、Ru、RuCo、RuCoCr、RuCoB、RuCoCrTaなどから構成され、膜厚は1〜20nmである。
また、非磁性層16と軟磁性裏打層12との間に、例えば、Ta、W、Moのいずれかを主成分とする非磁性材料の層を積層しても良く、その膜厚は1〜10nmとする。
また、下層記録層17と上層記録層19は、例えば、CoCrPtなどから構成されるとともに、下層記録層17と上層記録層19との間に磁気交換結合が生じるように構成する。
このような、下層記録層17と上層記録層19との間に磁気交換結合を生じさせるためには、例えば、Ruなどの交換結合制御層を下層記録層17と上層記録層19との間に積層する。
この交換結合制御層の膜厚を変更させることにより、下層記録層17と上層記録層19の交換結合力の大きさを変えることができ、交換結合制御層が厚すぎる場合、例えば、2nmでは交換結合が生じなくなる。
なお、交換結合は組成や成膜条件によって変化する。
また、下層記録層17と上層記録層19の膜厚の総和は3〜20nmであり、下層記録層17の膜厚をd1 、上層記録層19の膜厚をd2 とした場合、主記録層となる下層記録層19が厚い方が望ましいので、
1 >d2
とする。
また、下層記録層17の異方性磁界Hk1と上層記録層19の異方性磁界Hk2とは、
k1>Hk2
であることが望ましく、また、下層記録層17の飽和磁化Ms1と上層記録層19の飽和磁化Ms2、及びHk2よって、下層記録層17の交換結合力A1 と上層記録層19の交換結合力A2 とは、それぞれ、 Ms1<Ms2,A1 <A2
の関係を有することが望ましい。
このような関係を有することによって、記録磁界がかかったとき、Hk1>Hk2の関係により、まず、上層記録層19の磁化が反転し、上層記録層19の磁化が反転することにより、A1 <A2 の関係により、下層記録層17と上層記録層19の交換結合により下層記録層17の反転磁界に達していなくても磁化が反転する。
この時、Ms1<Ms2の関係が磁化反転を助けることになる。
また、上層記録層19は、磁性金属層で構成するのではなく、SiO2 やMgO等の酸化物母材中にCoCrPt等の磁性粒子を分散させたグラニュラ磁性膜で構成しても良いものである。
また、図に示すように、下層記録層17と上層記録層19の間に、Ru、Cr,Rh,Ir等の非磁性層、或いは、反強磁性の材料を中間層18として積層しても良く、中間層を設けることによって、下層記録層17と上層記録層19との間の交換結合を強めることができる。
また、溝20は、少なくともクロストラック方向に設けるものであり、クロストラック方向のみに設けた場合には、DTM型媒体となり、また、ダウントラック方向にも設けた場合には、BPM型媒体となり、いずれのタイプでも良い。
この溝20の幅は、3nm〜100nmとし、隣接する溝20の間隔、即ち、トラック幅は、10nm〜150nmとする。
この溝20によって、隣接トラック或いは隣接ドットと物理的に断たれているので磁気的結合も弱くなり、隣接トラック或いは隣接ドットの磁化の反転の影響を受けにくくなる。
また、溝20を設けることによって、書き拡がりを低減する効果があり、信号の増幅が期待できる。
即ち、記録ビットの上下端部が溝20側へはみ出るため、正常な書込部のみが溝20野間のトラック或いはドットに書き込まれることになる。
この溝20の深さは、隣接トラック或いは隣接ドット同士の磁気的結合を断つことができる深さであれば良く、下層記録層17の中頃以上には達しないように構成する。
具体的には、上層記録層19を完全に分断し且つ中間層18には達しないようにジャストエッチングしても良いし、或いは、中間層18に若干かかるように溝20を形成しても良く、さらには、実効的に磁気的結合を断つことができるのであれば、上層記録層19の下部が繋がっていても良い。
また、磁気記録層を下層記録層17と上層記録層19との2層のみで構成する場合には、溝20は、下層記録層17に若干かかるように、例えば、下層記録層17の表面から7nmの深さに達する程度に深さとして良い。
さらに、磁気記録層は3層以上の磁性層によって構成しても良いものであり、その場合には、少なくとも、最上層の磁性層を分断するように溝を形成すれば良い。
このように、磁気的結合を分断するための溝20を従来より浅く設けることによって、溝形成に要する時間を短縮することができるとともに、溝が浅いので溝形成工程も簡素化される。
また、溝形成に伴う表面の凹凸のアスペクト比も小さくなるので、スライダーの浮上特性の劣化を低減することができる。
また、溝20は、SiN、C、或いは、SiO2 等の非磁性体で充填されることが望ましく、それによって、表面が平坦化されるので、浮上特性が安定する。
なお、非磁性体で充填する場合には、CVD法、スパッタ法、或いは、蒸着法を用いて媒体表面全面に堆積させたのち、エッチングバックにより平坦化する。
次に、図3を参照して、磁気記録媒体への書込み動作を説明する。
図3参照
図3は、磁気記録媒体への書込み動作の説明図であり、上述の磁気記録媒体10の回転方向の下流側がトレーリング側、上流側が再生ヘッドを備えたリーディング側となる。
単磁極ヘッド30は、主磁極31、主磁極31と接続部33を介して磁気的に接続される補助磁極、即ち、リターンヨーク32、ライトコイル34、被覆絶縁層35、及び、主磁極補助層36によって構成される。
書込に際しては、まず、主磁極31を励磁するが、励磁の方法としては、例えば、ライトコイル34に電流を流し、それにより発生する磁束を使って励磁する方法があり、ライトコイル34の配置例として、例えば、主磁極の片側に置く(シングルコイル)、主磁極の両方に置く(ダブルコイル)、主磁極にコイルを巻きつける(ヘリカルコイル)などの方法がある。
図は、シングルコイルの場合を示している。
励磁によって発生した磁束37は主磁極31の先端に集まり、磁気記録媒体10へと磁界が発生し、磁気記録媒体10に流れてきた磁界により上層記録層19の磁化を反転させる。
この上層記録層19の磁化の反転による交換結合と磁界によって下層記録層17も同時に反転する。
この時、上層記録層19が溝20の部分の直下の層は交換結合によるトルクが働かないため磁化反転が起きない。
記録層を通った磁界は軟磁性裏打層12へと流れ、さらに上層記録層19を通り、リターンヨーク32へと流れて行く磁気的回路を形成することによって、下層記録層17及び上層記録層19からなるトラック領域或いはドット領域に情報を磁気的に書き込むことになる。
次に、図4を参照して、浅い溝を設けた効果を説明する。
図4参照
図4は溝の有無と交換結合の強弱によるMH曲線の変化の説明図であり、ここでは、LLG(Laudau−Lifshitz−Gilbert)方程式を用いたマイクロマグネティックシミュレーション結果を交えて説明するが、図4は、単層の記録層におけるMH曲線であり、単層において溝の有無がMH曲線にどのような変化を与えるかについての計算結果である。
交換結合がない場合、溝の有無によるMH曲線における破線の楕円で囲んだ書込特性に影響を与える部分において差は見られない。
しかし、交換結合がある場合、溝の有無によってMH曲線に差が生じることが分かる。
したがって、溝の効果は交換結合がある場合のみに発生することを意味し、記録層が2層以上あるような記録媒体の場合、交換結合の強い部分のみ溝を掘れば効果が得られること、即ち、上層記録層のみに溝を掘るだけで効果が得られることが分かる。
以上を前提として、次に、図5を参照して、本発明の実施例1の磁気記録媒体の製造工程を説明する。
図5参照
まず、例えば、結晶化ガラスからなる非磁性基板41上にスパッタ法を用いて厚さが10〜2000nm、例えば、50nmのNiFeからなる軟磁性裏打層42、厚さが1〜20nm、例えば、1nmのRuからなる非磁性層43、厚さが10〜100nm、例えば、50nmの下層磁性層44、及び、厚さが10〜100nm、例えば、50nmの上層磁性層45を順次堆積させる。
なお、ここでは、下層磁性層44として、例えば、CoCrPt層を用い、また、上層磁性層45としては、例えば、SiO2 母材中にCoCrPt粒子を分散させたグラニュラ磁性膜を用いるものであり、上述のように下層磁性層44と上層磁性層45とは磁気交換結合している。
次いで、レジストパターン(図示を省略)をマスクとしてイオンミリングを施すことによって、幅が3〜100nm、例えば、50nmの溝46をその間隔が10〜150nm、例えば、100nmになるようにクロストラック方向に、即ち、ディスクの中心に対して円環状に形成する。
なお、ここでは、下層磁性層44の頂面までジャストエッチングして溝46を形成する。
後は、図示を省略するが、必要に応じて、DLC(ダイヤモンダライクカーボン)等の表面保護膜を設けたのち、潤滑材を塗布することによって本発明の実施例1の磁気記録媒体の基本構造が得られる。
このように、本発明の実施例1においては、熱揺らぎ対策で磁気記録層を2層構造にするともに、溝を設けて溝部において磁気交換結合を切る際に、溝の深さを磁気交換結合を切るため必要な深さの範囲内で充分浅くしているので、溝形成に要する時間を短縮することができるともに、溝の形成工程自体が簡単になる。
それによって、高記録密度磁気記録媒体の製造歩留りの向上や低コスト化が可能になるとともに、溝のアスペクト比が小さいので溝を非磁性部材で埋め込まなくてもスライダーの浮上特性に与える影響を小さくすることができる。
また、溝46の間に形成される凸部、即ち、トラック47が磁気記録領域となるが、溝46を設けることによって、磁気記録ビットの上下周辺部がカットされるので、ノイズを低減することができる。
次に、図6を参照して、本発明の実施例2の磁気記録媒体の製造工程を説明する。
図6参照
まず、例えば、結晶化ガラスからなる非磁性基板41上にスパッタ法を用いて厚さが10〜2000nm、例えば、50nmのNiFeからなる軟磁性裏打層42、厚さが1〜20nm、例えば、1nmのRuからなる非磁性層43、厚さが10〜100nm、例えば、50nmの下層磁性層44、厚さが1〜10nm、例えば、1nmのRu中間層48、及び、厚さが10〜100nm、例えば、50nmの上層磁性層45を順次堆積させる。 なお、ここでは、下層磁性層44として、例えば、CoCrPt層を用い、また、上層磁性層45としては、例えば、SiO2 母材中にCoCrPt粒子を分散させたグラニュラ磁性膜を用いる。
次いで、レジストパターン(図示を省略)をマスクとしてイオンミリングを施すことによって、幅が3〜100nm、例えば、50nmの溝46をその間隔が10〜150nm、例えば、100nmになるようにクロストラック方向に、即ち、ディスクの中心に対して円環状に形成する。
なお、ここでは、Ru中間層48の頂面までジャストエッチングして溝46を形成する。
後は、図示を省略するが、必要に応じて、DLC(ダイヤモンダライクカーボン)等の表面保護膜を設けたのち、潤滑材を塗布することによって本発明の実施例2の磁気記録媒体の基本構造が得られる。
このように、本発明の実施例2においては、熱揺らぎ対策で磁気記録層を2層構造にする際に、下層磁性層と上層磁性層との間にRu中間層を設けているので、下層磁性層と上層磁性層との間の磁気交換結合をより大きくすることができる。
次に、図7を参照して、本発明の実施例3の磁気記録媒体の製造工程を説明する。
図7参照
まず、例えば、結晶化ガラスからなる非磁性基板41上にスパッタ法を用いて厚さが10〜2000nm、例えば、50nmのNiFeからなる軟磁性裏打層42、厚さが1〜20nm、例えば、1nmのRuからなる非磁性層43、厚さが10〜100nm、例えば、50nmの下層磁性層44、厚さが1〜10nm、例えば、1nmのRu中間層48、及び、厚さが10〜100nm、例えば、50nmの上層磁性層45を順次堆積させる。
なお、ここでは、下層磁性層44として、例えば、CoCrPt層を用い、また、上層磁性層45としては、例えば、SiO2 母材中にCoCrPt粒子を分散させたグラニュラ磁性膜を用いる。
次いで、レジストパターン(図示を省略)をマスクとしてイオンミリングを施すことによって、幅が3〜100nm、例えば、50nmの溝46をその間隔が10〜150nm、例えば、100nmになるようにクロストラック方向に、即ち、ディスクの中心に対して円環状に形成する。
なお、ここでは、Ru中間層48の頂面までジャストエッチングして溝46を形成する。
次いで、スパッタ法によってSiO2 膜49を全面に堆積させたのち、トラック47の頂部が露出するまでエッチングバックすることによって、SiO2 膜49で溝46を埋め込む。
後は、図示を省略するが、必要に応じて、DLC(ダイヤモンダライクカーボン)等の表面保護膜を設けたのち、潤滑材を塗布することによって本発明の実施例3の磁気記録媒体の基本構造が得られる。
このように、本発明の実施例3においては、熱揺らぎ対策で磁気記録層を2層構造にするとともに、溝を形成する際に、溝を非磁性材料で埋め込んで平坦化しているので、浮上特性が安定化するとともに、DLC膜や潤滑材を精度良く形成することができる。
ここで、図8を参照して、本発明の実施例4の磁気記録媒体の製造工程を説明する。
図8参照
まず、例えば、結晶化ガラスからなる非磁性基板41上にスパッタ法を用いて厚さが10〜2000nm、例えば、50nmのNiFeからなる軟磁性裏打層42、厚さが1〜20nm、例えば、1nmのRuからなる非磁性層43、厚さが10〜100nm、例えば、50nmの下層磁性層44、及び、厚さが10〜100nm、例えば、50nmの上層磁性層45を順次堆積させる。
なお、ここでも、下層磁性層44として、例えば、CoCrPt層を用い、また、上層磁性層45としては、例えば、SiO2 母材中にCoCrPt粒子を分散させたグラニュラ磁性膜を用いるものであり、上述のように下層磁性層44と上層磁性層45とは磁気交換結合している。
次いで、レジストパターン(図示を省略)をマスクとしてイオンミリングを施すことによって、直径が5〜100nm、例えば、50nmの島状領域50をそのピッチが5〜100nm、例えば、50nmになるように形成する。
即ち、上記の実施例1に対してダウントラック方向にも溝16を形成した場合に相当する。
なお、ここでも、下層磁性層44の頂面までジャストエッチングして溝16を形成する。
以降は、図示を省略するが、必要に応じて、DLC(ダイヤモンダライクカーボン)等の表面保護膜を設けたのち、潤滑材を塗布することによって本発明の実施例4の磁気記録媒体の基本構造が得られる。
このように、本発明の実施例4においては、熱揺らぎ対策で磁気記録層を2層構造にするともに、磁気記録領域を島状領域にするための溝を設けて溝部において磁気交換結合を切る際に、溝の深さを磁気交換結合を切るため必要な深さの範囲内で充分浅くしているので、溝形成に要する時間を短縮することができるともに、溝の形成工程自体が簡単になる。
なお、このように、ドット状の磁気記録部を形成した磁気記録媒体の場合も、上記実施例2のように、下層磁性層と上層磁性層との間に中間層を設けても良いものであり、さらに、上記実施例3のように、溝部を非磁性部材で充填しても良いものである。
ここで、図9を参照して、本発明の実施例5の磁気記録装置を説明する。
図9参照
図9は、本発明の実施例5の磁気記録装置の平面図であり、磁気記録装置60は、スピンドルモータ61の回転軸に取り付けられるとともに、ディスククランプリング62によって固定された磁気記録媒体10、磁気記録媒体10に書き込まれた磁気情報を読み取るとともに、磁気記録媒体10に磁気情報を書き込む垂直記録用複合型薄膜磁気ヘッドを備えたスライダー63、スライダー63を先端部に取り付けた微動アーム64、微動アーム64を駆動する一対の圧電アクチュエータ(図示を省略)、微動アーム64を軸65により揺動支持するとともに磁気記録装置60のシャーシ66に回動可能に支持されたベースアーム67、ベースアーム67を駆動する電磁アクチュエータ68によって構成される。
ここで、再び図1を参照して、改めて、本発明の詳細な特徴を説明する。
再び、図1参照
(付記1) 交換結合を有し、磁気記録可能な磁性層4を2層以上非磁性基板1上に設けた磁気記録媒体であって、媒体表面側の磁気記録可能な磁性層4に少なくともダウントラック方向に前記磁気記録可能な磁性層4の総膜厚より浅い溝7を形成したことを特徴とする磁気記録媒体。
(付記2) 上記溝7が、クロストラック方向にも設けられていることを特徴とする付記1記載の磁気記録媒体。
(付記3) 上記溝7が、磁気記録可能な複数の磁性層の内の最表面の磁性層のみに設けられていることを特徴とする付記1または2に記載の磁気記録媒体。
(付記4) 上記交換結合を有し、磁気記録可能な磁性層4が2層であり、下層磁性層5の異方性磁界をHk1、飽和磁化をMs1、交換結合力をA1 とし、上層磁性層6の異方性磁界をHk2、飽和磁化をMs2、交換結合力をA2 とした場合、
k1>Hk2、Ms1<Ms2、且つ、A1 <A2
の関係を有することを特徴とする付記1乃至3のいずれか1に記載の磁気記録媒体。
(付記5) 上記下層磁性層5の膜厚をd1 とし、上記上層磁性層6の膜厚をd2 とした場合、
1 +d2 =3nm〜20nm、且つ、d1 >d2
の関係を有することを特徴とする付記4記載の磁気記録媒体。
(付記6) 上記下層磁性層5と上記上層磁性層6との間に、非磁性或いは反強磁性の中間層を設けたことを特徴とする付記4または5に記載の磁気記録媒体。
(付記7) 上記溝7に非磁性体が充填されていることを特徴とする付記1乃至6のいずれか1に記載の磁気記録媒体。
(付記8) 上記非磁性基板1上に、軟磁性裏打層2を有することを特徴とする付記1乃至7のいずれか1に記載の磁気記録媒体。
(付記9) 付記1乃至8のいずれか1に記載の磁気記録媒体を搭載するとともに、前記磁気記録媒体に対して情報の書込み及び読み出しを行う記録再生手段とを備えたことを特徴とする磁気記録装置。
本発明の活用例としては、垂直磁気記録媒体が典型的なものであるが、垂直磁気記録媒体に限られるものではなく、裏打層を設けない面内磁化型磁気記録媒体にも適用されるものである。
本発明の原理的構成の説明図である。 本発明の実施の形態の磁気記録媒体の概念的断面図である。 磁気記録媒体への書込み動作の説明図である。 溝の有無と交換結合の強弱によるMH曲線の変化の説明図である。 本発明の実施例1の磁気記録媒体の製造工程の説明図である。 本発明の実施例2の磁気記録媒体の製造工程の説明図である。 本発明の実施例3の磁気記録媒体の製造工程の説明図である。 本発明の実施例4の磁気記録媒体の製造工程の説明図である。 本発明の実施例5の磁気記録装置の平面図である。
符号の説明
1 非磁性基板
2 軟磁性裏打層
3 非磁性層
4 磁気記録可能な磁性層
5 下層磁性層
6 上層磁性層
7 溝
10 磁気記録媒体
11 基材
12 軟磁性裏打層
13 軟磁性層
14 非磁性層
15 軟磁性層
16 非磁性層
17 下層記録層
18 中間層
19 上層記録層
20 溝
30 単磁極ヘッド
31 主磁極
32 リターンヨーク
33 接続部
34 ライトコイル
35 被覆絶縁層
36 主磁極補助層
37 磁束
41 非磁性基板
42 軟磁性裏打層
43 非磁性層
44 下層磁性層
45 上層磁性層
46 溝
47 トラック
48 Ru中間層
49 SiO2
50 島状領域
60 磁気記録装置
61 スピンドルモータ
62 ディスククランプリング
63 スライダー
64 微動アーム
65 軸
66 シャーシ
67 ベースアーム
68 電磁アクチュエータ

Claims (5)

  1. 交換結合を有し、磁気記録可能な磁性層を2層以上非磁性基板上に設けた磁気記録媒体であって、媒体表面側の前記磁気記録可能な磁性層に少なくともダウントラック方向に前記磁気記録可能な磁性層の総膜厚より浅い溝を形成したことを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 上記溝が、クロストラック方向にも設けられていることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
  3. 上記溝が、上記磁気記録可能な複数の磁性層の内の最表面の磁性層のみに設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気記録媒体。
  4. 上記交換結合を有し、磁気記録可能な磁性層が2層であり、下層磁性層の異方性磁界をHk1、飽和磁化をMs1、交換結合力をA1 とし、上層磁性層の異方性磁界をHk2、飽和磁化をMs2、交換結合力をA2 とした場合、
    k1>Hk2、Ms1<Ms2、且つ、A1 <A2
    の関係を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の磁気記録媒体を搭載するとともに、前記磁気記録媒体に対して情報の書込み及び読み出しを行う記録再生手段とを備えたことを特徴とする磁気記録装置。
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