JP2003342658A - 平版印刷版支持体用アルミニウム合金板およびその製造方法 - Google Patents

平版印刷版支持体用アルミニウム合金板およびその製造方法

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JP2003342658A JP2002142381A JP2002142381A JP2003342658A JP 2003342658 A JP2003342658 A JP 2003342658A JP 2002142381 A JP2002142381 A JP 2002142381A JP 2002142381 A JP2002142381 A JP 2002142381A JP 2003342658 A JP2003342658 A JP 2003342658A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気化学的粗面化処理を施して使用される平
版印刷版支持体用Al合金板として、電解グレイニング
性、耐バーニング性に優れたものを提供する。 【解決手段】 Cu0.0001〜0.03%、Ti0.005〜0.03%、F
e0.1〜0.5%、Si0.05〜0.20%を含有し、Fe固溶量が0.0
01〜0.005%で、Si固溶量が0.04〜0.15%、残部が実質
的にAlからなり、圧延方向に直角な方向の平均結晶粒径
が60μm以下で、かつ合金板中のガス量が0.25cc/100gA
l以下であるAl合金板。またキューブ方位密度が9以下で
あるAl合金板。製造方法として、溶湯に脱ガス処理を施
した後、鋳塊に500〜620℃で1時間以上均質化処理を施
し、熱間圧延を行なうにあたって、圧延開始温度を350
〜450℃とし、粗圧延終了前1パスまたは2パスを圧延率4
0%以上とし、仕上げ圧延終了温度を200〜280℃とし、
熱間圧延と冷間圧延との間もしくは冷間圧延の中途にお
いて中間焼鈍を450〜580℃で行ない、前記中間焼鈍後の
冷間圧延を65%以上で行ない、その冷間圧延の各パスの
上り温度が120℃以下となるように制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】この発明は平版印刷版の支持
体に使用されるアルミニウム合金板に関し、より詳しく
は、電気化学的粗面化処理(電解グレイニング)を施し
て使用される平版印刷版支持体用アルミニウム合金板と
して、電解グレイニング性に優れかつ耐バーニング性に
優れた平版印刷版支持体用アルミニウム合金板に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム合金板を支持体とする感光
性平版印刷版は、従来からオフセット印刷に幅広く使用
されている。平版印刷版の原版は、一般に支持体として
のアルミニウム合金板の表面を粗面化し、さらに陽極酸
化処理後、感光液を塗布し乾燥して感光層を形成するこ
とによって製造される。このような平版印刷版原版を使
用するにあたっては、画像に露光された後、現像液によ
って現像され、ポジ型の平版印刷版原版では露光部が除
去され、またネガ型の平版印刷版原版では非露光部が除
去され、製版されて平版印刷版となる。その後、平版印
刷版は、その表面にインクが塗布され印刷に供される。
このように平版印刷版原版では、露光によって感光層の
物性を変化させ、この物性変化を利用して製版を行って
いる。
【0003】ところで平版印刷版用支持体としてのアル
ミニウム合金板の粗面化処理方法としては、従来からボ
ールグレインやブラシグレイン等の機械的粗面化処理
法、塩酸や硝酸等を主体とする電解液を用いて電解エッ
チングする電気化学的粗面化処理法(電解グレイニン
グ)、酸溶液やアルカリ溶液によりエッチングする化学
的粗面化法等が知られているが、これらのうちでも電気
化学的粗面化処理法により得られた粗面が印刷性能に優
れることから、最近では電気化学的粗面化処理法により
粗面化するかまたは電気化学的粗面化処理法と他の粗面
化処理法とを組み合わせて粗面化することが主流となっ
ている。
【0004】平版印刷版の支持体としては、一般に軽量
でかつ表面処理性、加工性に優れたアルミニウム合金板
を使用するのが通常であるが、このような目的のアルミ
ニウム合金板としては、従来は、JIS A1050、
JIS A1100、JISA3003等からなる板厚
0.1〜0.5mm程度のアルミニウム合金圧延板が用
いられており、このようなアルミニウム合金圧延板は、
表面を粗面化し、その後必要に応じて陽極酸化処理を施
して印刷版に使用されている。具体的には、特開昭48
−49501号に記載されている機械的粗面化処理、化
学的エッチング処理、陽極酸化皮膜処理を順に施したア
ルミニウム平版印刷版、あるいは特開昭51−1462
34号に記載されている電気化学的処理、後処理、陽極
酸化処理をその順に施したアルミニウム平版印刷版、特
公昭48−28123号に記載されている化学エッチン
グ処理、陽極酸化処理を順に施したアルミニウム平版印
刷版、あるいは機械的粗面化処理後に特公昭48−28
123号に記載されている処理を施したアルミニウム平
版印刷版等が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のように電気化学
的粗面化処理を施して使用される平版印刷版支持体用ア
ルミニウム合金板には次の(1)、(2)の性能が要求
される。 (1) 感光層との密着性、およびアルミニウム板の保
水性を向上させるために、電気化学的粗面化処理によっ
て適度な深さ、直径を有しかつそれらの大きさが均一で
あるピット(凹凸)を支持体表面全体に均一に形成し得
ること。このような性能を一般には電解グレイニング性
と称している。 (2) 版板については、耐刷力を高めるため、画像部
形成後200〜300℃の温度範囲で3〜7分の熱処理
(バーニング処理)を施す場合があるが、このバーニン
グ処理によりアルミニウム合金支持体が軟化してその強
度が低化すれば、その後の処理工程のハンドリング性が
低下したり、版が曲がったりして不都合を生じ、さらに
は印刷機への版のセットが不可能となったり、多色刷り
における版の色の見当わせができないなどの不都合が生
じる。そのため、バーニング処理による軟化によって強
度が大幅に低下しないように、優れた耐熱軟化性が要求
される。この耐熱軟化性を一般に耐バーニング性と称し
ている。
【0006】しかるに、最近のデジタル印刷に対応して
高い印刷精度、良好な色調を得るために均一かつ良好な
電解グレイニング性を確実に得ると同時に、優れた耐バ
ーニング性を得ることは、現状の材料では充分に応える
ことが困難となってきている。
【0007】この発明は以上の事情を背景としてなされ
たもので、電解グレイニング性が安定して優れていて、
電気化学的粗面化処理(電解グレイニング)により均一
かつ微細な粗面を形成し得ると同時に、耐熱軟化性が良
好で耐バーニング性に優れた平版印刷版支持体用アルミ
ニウム合金板を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は前述の課題を
解決するべく、種々実験検討を重ねたところ、平版印刷
版支持体用アルミニウム合金板におけるFe固溶量およ
びSi固溶量を適切に制御し、同時にアルミニウム合金
板中に含まれるガス量を極少量に規制して表面の微小欠
陥を減少させ、さらには板の集合組織を適切に制御する
ことによって、電解グレイニング性が優れていて、電気
化学的粗面化処理を施して得られるピット(以下、電解
粗面化ピットと称する)形状の均一性が高く、しかも耐
バーニング性にも優れた平版印刷版支持体が得られるこ
とを見出し、この発明をなすに至った。
【0009】基本的には、請求項1の発明の平版印刷版
支持体用アルミニウム合金板は、Cu0.0001〜
0.03%、Ti0.005〜0.03%、Fe0.1
〜0.5%、Si0.05〜0.20%を含有し、Fe
固溶量が0.001〜0.005%でかつSi固溶量が
0.04〜0.15%であり、残部がAlおよび不可避
的不純物からなり、しかも板表面の結晶粒の圧延方向に
直角な方向の平均粒径が60μm以下であり、さらに合
金板中のガス量が0.25cc/100gAl以下に規
制されていることを特徴とするものである。
【0010】また請求項2の発明の平版印刷版支持体用
アルミニウム合金板の製造方法は、Cu0.0001〜
0.03%、Ti0.005〜0.03%、Fe0.1
〜0.5%、Si0.05〜0.20%を含有し、残部
がAlおよび不可避的不純物からなるアルミニウム合金
を溶製した後、脱ガス処理を施してから鋳造し、その鋳
塊に500〜620℃の範囲内の温度で1時間以上均質
化処理を施した後、熱間圧延を行なうにあたって、圧延
開始温度を350〜450℃とし、かつ熱間粗圧延終了
前1パスまたは2パスを圧延率40%以上とし、かつ熱
間仕上げ圧延終了温度を200〜280℃とし、その熱
間圧延とその後の冷間圧延との間もしくは冷間圧延の中
途において中間焼鈍を450〜580℃で行ない、前記
中間焼鈍後の冷間圧延を65%以上の圧延率で施し、か
つその中間焼鈍後の冷間圧延の各パスにおける圧延上り
温度が120℃以下となるように制御し、これによって
Fe固溶量が0.001〜0.005%でかつSi固溶
量が0.01〜0.15%であって、しかも板表面の結
晶粒の圧延方向に直角な方向の平均粒径が60μm以下
であり、さらに合金板中のガス量が0.25cc/10
0gAl以下に規制されている平版印刷版支持体用アル
ミニウム合金板を得ることを特徴とするものである。
【0011】さらに請求項3の発明の平版印刷版支持体
用アルミニウム合金板は、Cu0.0001〜0.03
%、Ti0.005〜0.03%、Fe0.1〜0.5
%、Si0.05〜0.20%を含有し、Fe固溶量が
0.001〜0.005%でかつSi固溶量が0.04
〜0.15%であり、残部がAlおよび不可避的不純物
からなり、しかも板表面の結晶粒の圧延方向に直角な方
向の平均粒径が60μm以下であり、さらに集合組織と
して、キューブ方位の方位分布密度が9以下であり、さ
らに合金板中のガス量が0.25cc/100gAl以
下に規制されていることを特徴とするものである。
【0012】さらにまた請求項4の発明の平版印刷版支
持体用アルミニウム合金板の製造方法は、Cu0.00
01〜0.03%、Ti0.005〜0.03%、Fe
0.1〜0.5%、Si0.05〜0.20%を含有
し、残部がAlおよび不可避的不純物からなるアルミニ
ウム合金を溶製した後、脱ガス処理を施してから鋳造
し、その鋳塊に500〜620℃の範囲内の温度で1時
間以上均質化処理を施した後、熱間圧延を行なうにあた
って、圧延開始温度を350〜450℃とし、かつ熱間
粗圧延終了前1パスまたは2パスを圧延率40%以上と
し、かつ熱間仕上げ圧延終了温度を200〜280℃と
し、その熱間圧延とその後の冷間圧延との間もしくは冷
間圧延の中途において中間焼鈍を450〜580℃で行
ない、前記中間焼鈍後の冷間圧延を65%以上の圧延率
で施し、かつその中間焼鈍後の冷間圧延の各パスにおけ
る圧延上り温度が120℃以下となるように制御し、こ
れによってFe固溶量が0.001〜0.005%でか
つSi固溶量が0.01〜0.15%であって、しかも
板表面の結晶粒の圧延方向に直角な方向の平均粒径が6
0μm以下であり、さらに集合組織として、キューブ方
位の方位分布密度が9以下であり、さらに合金板中のガ
ス量が0.25cc/100gAl以下に規制されてい
る平版印刷版支持体用アルミニウム合金板を得ることを
特徴とするものである。
【0013】また請求項5の発明の平版印刷版支持体用
アルミニウム合金板は、Cu0.0001〜0.03
%、Ti0.005〜0.03%、Fe0.1〜0.5
%、Si0.05〜0.20%を含有し、Fe固溶量が
0.001〜0.005%でかつSi固溶量が0.04
〜0.15%であり、さらに、In0.001〜0.0
5%、Sn0.001〜0.05%、Pb0.001〜
0.05%、Ni0.001〜0.05%、およびBe
0.0001〜0.01%のうちの1種または2種以上
を含み、残部がAlおよび不可避的不純物からなり、し
かも板表面の結晶粒の圧延方向に直角な方向の平均粒径
が60μm以下であり、さらに集合組織として、キュー
ブ方位の方位分布密度が9以下であり、さらに合金板中
のガス量が0.25cc/100gAl以下に規制され
ていることを特徴とするものである。
【0014】またさらに請求項6の発明の平版印刷版支
持体用アルミニウム合金板の製造方法は、Cu0.00
01〜0.03%、Ti0.005〜0.03%、Fe
0.1〜0.5%、Si0.05〜0.20%を含有
し、さらにIn0.001〜0.05%、Sn0.00
1〜0.05%、Pb0.001〜0.05%、Ni
0.001〜0.05%、およびBe0.0001〜
0.01%のうちの1種または2種以上を含み、残部が
Alおよび不可避的不純物からなるアルミニウム合金を
溶製した後、脱ガス処理を施してから鋳造し、その鋳塊
に500〜620℃の範囲内の温度で1時間以上均質化
処理を施した後、熱間圧延を行なうにあたって、圧延開
始温度を350〜450℃とし、かつ熱間粗圧延終了前
1パスまたは2パスを圧延率40%以上とし、かつ熱間
仕上げ圧延終了温度を200〜280℃とし、その熱間
圧延とその後の冷間圧延との間もしくは冷間圧延の中途
において中間焼鈍を450〜580℃で行ない、前記中
間焼鈍後の冷間圧延を65%以上の圧延率で施し、かつ
その中間焼鈍後の冷間圧延の各パスにおける圧延上り温
度が120℃以下となるように制御し、これによってF
e固溶量が0.001〜0.005%でかつSi固溶量
が0.01〜0.15%であって、しかも板表面の結晶
粒の圧延方向に直角な方向の平均粒径が60μm以下で
あり、さらに集合組織として、キューブ方位の方位分布
密度が9以下であり、さらに合金板中のガス量が0.2
5cc/100gAl以下に規制されている平版印刷版
支持体用アルミニウム合金板を得ることを特徴とするも
のである。
【0015】
【発明の実施の形態】先ずこの発明の平版印刷版支持体
用アルミニウム合金板における合金成分の限定理由につ
いて説明する。
【0016】Fe:Fe含有量が0.1%未満では再結
晶時の結晶粒径が粗大となり、電解粗面化ピットが不均
一となる。一方Fe含有量が0.5%を越えればAl−
Fe系やAl−Fe−Si系の粗大化合物が多くなり、
電解粗面化ピットが不均一となる。そのためFe含有量
は0.1〜0.5%の範囲内とした。
【0017】Si:Si含有量が0.05%未満では電
解粗面化ピットが不均一となる。一方Si含有量が0.
20%を越えればAl−Fe−Si系の粗大化合物が多
くなって電解粗面化ピットが不均一となり、また耐バー
ニング性が低下して、過酷インキ汚れ性が低下し、さら
には電気化学的粗面化処理後の色調が黒味を帯びすぎて
商品価値を損なう。そのため、Si含有量は0.05〜
0.20%の範囲内とした。
【0018】Cu:Cuは電解グレイニング性に大きな
影響を及ぼす。Cu含有量が0.0001%未満では、
電解粗面化ピットが不均一になる。一方、Cu量が0.
03%を越えても電解粗面化ピットが不均一になり、ま
た粗面化処理後の色調が黒味を帯びすぎて商品価値を損
なう。そのためCu含有量は0.0001〜0.03%の
範囲内とした。
【0019】Ti:Tiも電解グレイニング性に大きな
影響を及ぼし、またアルミニウム合金鋳塊の組織状態に
も大きな影響を及ぼす。Tiが0.005%未満では、
電解粗面化ピットが不均一になり、また鋳塊の結晶粒が
微細化されずに粗大な結晶粒組織となるため、マクロ組
織に圧延方向に沿う帯状の筋が発生して、電気化学的粗
面化処理後にも帯状に筋が残存し、平版印刷版用支持体
として好ましくなくなる。一方Ti含有量が0.03%
を越えれば、鋳塊組織の微細化効果が飽和してしまうば
かりでなく、逆にAl−Ti系の粗大金属間化合物が生
成されて、電解粗面化面が不均一となってしまう。そこ
でTi含有量は0.005〜0.03%の範囲内とし
た。
【0020】In、Sn、Pb、Ni、Be:これらは
必ずしも必須の元素ではないが、いずれも電気化学的粗
面化処理における電解エッチングを促進し、均一かつ微
細な電解粗面化ピットを形成する効果があるから、請求
項5の発明の平版印刷版用アルミニウム合金板において
いずれか1種または2種以上を積極添加する。これらの
うちIn、Sn、Pb、Niは、それぞれ0.001%
未満では前述の効果がなく、一方0.05%を越えて含
有されれば微細な電解粗面化ピットが形成されず、かつ
耐食性が著しく低下し、全面腐食が発生しやすくなるか
ら、In、Sn、Pb、Niの含有量はいずれも0.0
01〜0.05%の範囲内とした。一方Beは、より微
量でも電気化学的粗面化処理における電解エッチングを
促進し、均一かつ微細な電解粗面化ピットを形成する効
果があるが、Be量が0.0001%未満では前述の効
果がなく、一方0.01%を越えて含有されれば微細な
電解粗面化ピットが形成されなくなってくるから、Be
含有量は0.0001〜0.01%の範囲内とした。
【0021】以上の各元素のほかは、基本的にはAlお
よび不可避的不純物とすれば良い。
【0022】なお一般にアルミニウム合金板において
は、鋳塊結晶組織を微細化して圧延板のキメ、ストリー
クスを防止するため、少量のTiを単独で、または微量
のBと組合せて添加することがあり、この発明の平版印
刷版支持体用アルミニウム合金においても、Tiととも
に微量のBを添加することは許容される。但しB量が1
ppm未満では、上記の効果が得られず、一方B量が5
0ppmを越えればBの添加効果が飽和するばかりでな
く、粗大なTiB粒子による線状欠陥が生じやすくな
るから、Bを添加する場合のB添加量は1〜50ppm
の範囲内とすることが好ましい。
【0023】その他の不純物としては、JIS 105
0相当の不純物量(Mg0.05%以下、Mn0.05
%以下、Zn0.05%以下、その他合計0.05%以
下)程度であれば、平版印刷版支持体用のアルミニウム
合金としてその特性を損なうことはない。
【0024】さらにこの発明の平版印刷版支持体用アル
ミニウム合金板においては、各成分元素の含有量を前述
のように調整するばかりでなく、特にFeおよびSiの
固溶量を厳密に調整することが重要である。次にこれら
について説明する。
【0025】Fe固溶量:Fe固溶量は、バーニング特
性と過酷インク汚れ性、電気化学的粗面化処理性に大き
な影響を与える。Fe固溶量が0.001%未満ではバ
ーニング処理のための加熱によって材料が軟化して、バ
ーニング処理後の強度低下を招く。すなわち耐バーニン
グ性が低下する。さらにFe固溶量が0.001%未満
では、耐インク汚れ性が低下し、また電解粗面化ピット
の均一性が維持できなくなる。一方、Fe固溶量が0.
005%を越えれば電解グレイニング性が低下し、均一
なピットが形成されなくなる。そこでFe固溶量を0.
001〜0.005%の範囲内とした。
【0026】なお一般にアルミニウム合金中へのFeの
固溶量は少なく、通常の純アルミニウム合金DC鋳塊に
固溶されるFe量は約260ppm前後であるが、均質
化処理や熱間圧延のための加熱処理、熱間圧延、中間焼
鈍等の条件によりこのFe量は大きく変化する。そこで
これらの条件を適正化することにより、安定してFe固
溶量を0.001〜0.005%の範囲内に調整するこ
とが可能である。
【0027】Si固溶量:Si固溶量が0.04%未満
では電解粗面化ピットの均一性が維持できなくなり、一
方0.15%を越えれば電解粗面化ピットの均一性が維
持できなくなり、不均一となる。そこでSi固溶量は
0.04〜0.15%の範囲内とした。
【0028】なおSi固容量も、均質化処理や熱間圧延
のための加熱処理や、熱間圧延、中間焼鈍などの件、さ
らにはその後の冷間圧延率及びそのときの巻上げ温度等
により大きく変化するから、これらの条件を適正化する
ことにより、安定してSi固溶量を0.04〜0.15
%の範囲内に調整することが可能である。
【0029】ここで、FeやSiの固溶量の測定は、ア
ルミニウム合金を熱フェノールに溶解して行った。すな
わちFe固溶量はろ液中のFe量を定量し、Si固溶量
に関しては添加Si量から金属間化合物量に含まれるS
i量を差し引いて求めた。詳細は、軽金属、Vol.5
0、(2000)518−526に記載されている「湿
式化学分析による固溶量の測定」に従った。
【0030】またこの発明の平版印刷版支持体用アルミ
ニウム合金板においては、優れた電解グレイニング性を
得るため、結晶粒径を適切に調整する必要がある。すな
わち、電解粗面化ピットの均一性に関して、圧延板の表
面における結晶粒の圧延方向に直角な方向の平均粒径が
60μm以下であることが必要である。この値が60μ
mを越えれば、粗面化面に数mmの大きさの色調ムラが
目視でわかる程度に発生して、製品としての価値が低下
する。
【0031】さらにこの発明の平版印刷版支持体用アル
ミニウム合金板においては、良好な電解グレイニング性
を得るため、アルミニウム合金板中におけるガス量を
0.25cc/100gAl以下の少量に規制する必要
がある。なお“0.25cc/100gAl以下”と
は、100gのアルミニウム合金中におけるガス量が
0.25cc以下であることを意味する。このようにガ
ス量を規制する理由は次の通りである。
【0032】すなわち、アルミニウム合金板中に含まれ
るガス量が0.25cc/100gAlを越えれば、電
気化学的粗面化処理時や化学エッチング時において結晶
粒界のみが選択的にエッチングされてしまって、粗面化
ピットが不均一になる。これは以下のように考えられ
る。すなわちアルミニウム合金中のガスは中間焼鈍時の
再結晶時に再結晶粒界近傍に集まりやすく、このように
ガスが粒界近傍に集積したアルミニウム合金板を圧延し
ても、結晶粒界近傍は依然としてガス量が高い状態とな
っている。そのため、このような圧延板について電気化
学的粗面化処理や化学エッチングを施せば、結晶粒界の
み選択的にエッチングされやすく、粗面化ピットが不均
一となる。そこでこの発明ではアルミニウム合金板中に
おけるガス量を0.25cc/100gAl以下に規制
することとした。
【0033】以上、平版印刷版支持体用アルミニウム合
金板の成分組成条件、Fe、Si固溶量条件、結晶粒径
条件、およびガス量条件について説明したが、請求項
3、請求項5の発明の平版印刷版用アルミニウム合金板
においては、より優れた電解グレイニング性を確実に得
るため、上記各条件のほか、集合組織条件を規定してい
る。次にこの点について説明する。
【0034】集合組織はアルミニウム板の機械的性能や
化学的性能、物理的性能に影響を及ぼすが、印刷版用支
持体性能に関して如何に影響するかについては、これま
で充分に検討されていなかった。しかるに本発明者らが
鋭意、調査・研究を行なったところ、以下の事実を見出
した。
【0035】すなわち平版印刷版支持体用アルミニウム
合金板は、一般に強度を増すために中間焼鈍後冷間圧延
を行って圧延板として提供されるが、このようなアルミ
ニウム合金圧延板の主な集合組織としては以下のような
方位が知られている。 Cube方位 {001}<100> Goss方位 {011}<100> Brass方位 {011}<211> (以後、B
方位と記す) Cupper方位 {112}<111> (以後、C
u方位と記す)
【0036】ここで、純アルミニウム系合金の冷間圧延
板では、S方位やCu方位、B方位が主となり、冷間圧
延率が高くなるにしたがってこれらの方位の集積度が高
くなってくる。
【0037】そこで種々の集合組織を有する圧延板につ
いて、電解粗面化処理によるピット形状を調査したとこ
ろ、これらの主な方位(S方位、Cu方位、B方位)よ
りも、残存するCube方位(キューブ方位)が少なく
なれば電解粗面化ピットが均一に形成されることが判明
した。そしてさらに実験を重ねた結果、キューブ方位密
度を9以下にすることにより均一な電解粗面化ピットが
得られることが判明した。キューブ方位密度が9を越え
れば均一な電解粗面化ピットが得られず、そこでこの発
明ではキューブ方位密度を9以下に規制することとし
た。
【0038】上述のようにこの発明では、集合組織の方
位分布密度(Orientation Density)を規定している
が、この方位分布密度の測定には、通常のX線回折法を
用いて(200)、(220)、(111)の不完全極
点図を測定し、ランダム方位を持つ試料で強度補正を行
い、それらから結晶方位分布関数(OrientationDisribu
tion Function:ODF)を計算し、各方位の方位密度
を求めている。
【0039】次にこの本発明の平版印刷版支持体用アル
ニウム合金板の製造方法について説明する。
【0040】先ず前述のような成分組成を有するアルミ
ニウム合金の溶湯を溶製して、DC鋳造法や、駆動鋳型
を用いた連続鋳造法等によって鋳造する。
【0041】ここで、この発明の場合、前述の成分組成
の合金を溶製した後、鋳造までの間に溶湯に対して脱ガ
ス処理を行なって、ガス量を0.25cc/100gA
l以下に低減させる必要がある。0.25cc/100
gAlを越えるガス量を含んで鋳造して最終的に得られ
た圧延板では、前述のように電気化学的粗面化処理時に
結晶粒界が優先してエッチングされて、粗面化が不均一
になってしまう。
【0042】アルミニウム合金溶湯に含まれるガスは、
水素ガスが主体であり、したがって脱ガス処理法として
も、主として水素ガスを除去し得る方法を適用すれば良
い。具体的な脱ガス処理法の種類は特に限定されるもの
ではないが、次の〜の方法が代表的である。 ガスによる炉内溶湯処理法 これは、塩素や窒素ガスを溶湯中に吹き込んで溶湯中の
水素ガスを脱ガスする方法である。 炉外溶湯処理法としてのSNIFプロセス ノズルよりAr−Clの混合ガスを溶湯中に吹込み、
羽根付回転体を高速で回転させて脱ガスを行う方法であ
る。 脱ガス用フラックスによる方法 脱ガスフラックスとして、例えばアルカリ金属、アルカ
リ土類金属の塩化物、フッ化物を主成分とする塩などを
用いて、そのフラックスを溶湯中に吹込んだり、溶湯中
に供給して溶湯を撹拌したりする方法である。
【0043】脱ガス処理後に鋳造して得られた鋳塊に対
しては、500〜620℃の範囲内の温度で均質化処理
を行う。これにより不純物元素が拡散して電気化学的な
粗面化処理時におけるピットの生成がより均一化され
る。またこの処理によりFeの固溶量が鋳造時に比べ低
下してくる。ここで、均質化処理の保持時間は鋳塊サイ
ズ等により適当な時間を定めればよいが、通常は1〜2
0時間程度とすればよい。1時間未満では均質化処理の
効果が得られず、一方20時間を越えても均質化処理の
効果は飽和し、経済的に好ましくなくなる。
【0044】均質化処理後は、一旦鋳塊を冷却した後、
熱間圧延のための加熱処理を行うこともできるが、均質
化処理後350〜450℃まで冷却してそのまま熱間圧
延を開始しても良い。
【0045】次いで熱間圧延を行なうが、熱間圧延開始
温度は350〜450℃の範囲内とする。熱間圧延開始
温度が350℃未満では、熱間圧延中に再結晶が発生せ
ず、鋳塊組織が残ってしまうため、最終圧延板に対して
電気化学的粗面化処理を行なえば、帯状もしくは筋状に
外観ムラ(ストリークス)が発生して、印刷版としての
表面外観品質に対して好ましくなくなる。一方熱間圧延
開始温度が450℃を越えれば、熱間圧延中において再
結晶粒が粗大化し、電気化学的粗面化処理時に筋状の模
様(ストリークス)が発生して印刷版としての表面外観
品質が低下する。そこで熱間圧延は350〜450℃で
開始することとした。
【0046】また熱間圧延は、粗圧延および仕上げ圧延
の組合せで行なうことが一般的であるが、電気化学的粗
面化処理時のエッチング性を均一にするためには、粗圧
延の終了前1パスまたは2パスを圧延率40%以上で行
なうことが重要である。すなわち、この発明の方法の場
合、中間焼鈍時においても再結晶させるが、最終板にお
ける電気化学的粗面化処理後の粗面化面を、均一でかつ
ストリークスの発生がなくしかも表面荒れもない面とす
るためには、熱間粗圧延の終了前1パスまたは2パスを
圧延率40%以上で行ない、少なくとも板厚方向表面だ
けでも微細で均一な再結晶状態とする必要がある。ここ
で、熱間粗圧延終了前1パスまたは2パスの圧延率が4
0%未満では、微細で均一な再結晶を生じさせることが
困難となる。そこで熱間粗圧延終了前1パスまたは2パ
スの圧延率を40%以上に限定した。
【0047】熱間圧延における粗圧延後の仕上げ圧延で
は、終了温度は200〜280℃の範囲内とする必要が
ある。仕上げ圧延終了温度が200℃未満では、圧延油
が蒸発せずに残って表面腐食を発生させるおそれがあ
る。一方仕上げ圧延終了温度が280℃を越えれば、F
e固溶量が低下してしまい、また最終圧延板でのキュー
ブ方位の残存が多くなってしまう。そこで仕上げ圧延終
了温度は200〜280℃に限定した。なお熱間圧延の
上がり板厚は特に限定しないが、通常は1.5〜6mm
程度の範囲内であれば特に問題はない。
【0048】熱間圧延後には、必要に応じて1次冷間圧
延を行う。1次冷間圧延は必須ではないが、1次冷間圧
延を行なえば中間焼鈍時の結晶粒が微細になり、電解粗
面化面をより均一な表面品質としやすくなる。
【0049】熱間圧延後、または必要に応じて1次冷間
圧延を行なった後には、中間焼鈍を行なう。この中間焼
鈍は450〜580℃の範囲内の温度で行なう。中間焼
鈍温度が450℃未満では、Fe固溶量を0.001%
以上とすることが困難となり、また耐バーニング性が低
下し、さらにはSi固溶量も低下してしまう。一方58
0℃を越える高温で中間焼鈍すれば、結晶粒が粗大化さ
れて、電解粗面化面に色調ムラが発生するおそれがあ
る。そこで中間焼鈍は450〜580℃の範囲内で行な
うこととした。なお中間焼鈍はバッチタイプ炉もしくは
連続焼鈍炉で行なうのが通常であるが、再結晶粒の微細
化の点からは連続焼鈍炉で行なうことが好ましい。この
場合加熱昇温速度は数℃〜20℃/秒であり、また冷却
速度も同程度であり、さらに保持時間は3分以内とする
ことが好ましい。
【0050】中間焼鈍後には、最終板厚まで2次冷間圧
延を行なう。この2次冷間圧延においては、トータルの
圧延率が65%以上となるように行ない、かつ各パスに
おける圧延上がり温度(コイル上げ温度)が120℃以
下となるように制御する。すなわち、2次冷間圧延は主
として強度を得るために行なうが、2次冷間圧延率が6
5%未満では強度が不足して好ましくなく、一方65%
未満では、キューブ方位の方位分布密度が9を越えてし
まって、電解粗面化面の均一性が低下する。そこで2次
冷間圧延のトータル圧延率を65%以上とした。また、
2次冷間圧延は、所定の厚さに仕上げるために1パスも
しくは数パスで圧延するが、この時の各パスでの上り温
度(コイル巻上げ温度)が120℃を越えれば、Si固
溶量が低下して好ましくない。そこで2次冷間圧延にお
ける各パスの上り温度を120℃以下とした。なおこの
上り温度は、各パスの圧下率、圧延速度、圧延油の量、
温度、粘度等を調整することによって制御することがで
きる。なおまた、この2次冷間圧延では、最終板の板厚
として、0.1〜0.5mmの板厚まで圧延するのが一
般的である。
【0051】上述のように最終板厚まで圧延された板に
ついては、ローラーレベラー、テンションレベラー等の
歪矯正ラインを通して、平面性を改善してもよい。
【0052】以上のようにして得られた平板印刷版支持
体用アルミニウム合金板を平版印刷版用支持体として用
いるためには、粗面化処理を施す。この発明のアルミニ
ウム合金板は、前述のように電気化学的粗面化処理(電
解グレイニング)に適しており、電気化学的粗面化処理
と機械的粗面化処理および/または化学的粗面化処理と
の組合わせにも好適である。電気化学的粗面化処理はア
ルミニウム合金板の表面に微細な凹凸を付与することが
容易であるため、印刷性の優れた平版印刷版を作るのに
適している。この電気化学的粗面化処理は、一般に硝酸
または塩酸を主体とする水溶液中で、直流または交流を
用いて行なうのが通常である。
【0053】このような粗面化処理によって、平均深さ
約0.05〜1μm、平均直径約0.2〜20μmのク
レーターまたはハニカム状のピットをアルミニウム合金
板の表面に30〜100%の分散密度(面積率)で生成
することができる。ここで、電気化学的粗面化処理にお
いては、充分なピットを表面に設けるために必要なだけ
の電気量、すなわち電流と通電時間との積が重要な条件
となるが、省エネルギの観点からは、より少ない電気量
で充分なピットを生成することが好ましい。この発明に
おいては、電気化学的粗面化処理の条件は限定されるも
のではなく、一般的な条件で行うことができるが、いず
れの場合も、所要電気量を大幅に削減することができ
る。所要電気量は、所望のピットの深さ、直径、および
分散の均一性、分散密度により異なるが、好ましくは2
50〜500C/dmの範囲であれば、均一微細な電
解粗面を得ることができる。
【0054】電気化学的粗面化処理と機械的粗面化処理
を組み合わせる場合の機械的粗面化処理は、アルミニウ
ム合金板の表面を、一般的には平均表面粗さRaを0.
35〜1.0μm、好ましくは0.40〜0.80μm
とするために行われる。平均表面粗さRaは、JISB
0601−1994で規定される、支持体表面のうねり
状態を示す因子であるが、これが大きいほど凹凸が大き
く、保水性が良好となる。機械的粗面化処理の条件も特
に制限されるものではないが、特公昭50−40047
号公報に記載されている方法に従って行うことができ
る。また化学的粗面化処理も特に制限されるものではな
く、公知の方法に従って実施できる。
【0055】粗面化処理に引き続いては、アルミニウム
合金板の表面の耐磨耗性を高めるために陽極酸化処理を
行なうのが通常である。この場合に使用される電解質は
多孔質酸化皮膜を形成するものであれば、いかなるもの
でもよい。一般には、硫酸、リン酸、シュウ酸、クロム
酸、またはこれらの混合物が用いられる。電解質の濃度
は電解質の種類によって適宜決められる。陽極酸化処理
の条件は、電解質によってかなり変動するので、特定し
にくいが、一般的には電解質の濃度が1〜80質量%、
液温5〜70℃、電流密度1〜60A/dm、電圧1
〜100V、電解時間10〜300秒であればよい。
【0056】また印刷時の耐汚れ性能を向上させるた
め、電気化学的粗面化処理および水洗を行った後、アル
カリ溶液で軽度のエッチング処理を行ってから水洗し、
アルミニウム板の表面に残存するアルカリに不要な物質
(スマット)を除去する酸によるデスマット処理を行っ
た後、水洗し、硫酸中で直流電解を行って陽極酸化皮膜
を設けてもよい。さらに、必要に応じて、シリケート等
による親水化処理を行ってもよい。
【0057】以上のようにして平版印刷版用支持体を得
ることができるが、この発明の支持体用アルミニウム合
金板を用いれば、粗面化処理を施して生成するピット
を、処理条件により深さおよび直径を適切に調整し得る
とともに、大きさが均一なピットを、所望の分散密度
で、均一に分散させて生成することができる。そしてま
たこれらの特性を付与するために要する電解処理コスト
を大幅に低減することができる。
【0058】さらに支持体を平版印刷版とするために
は、支持体表面に感光剤を塗布、乾燥して感光層を形成
すればよい。感光剤は特に限定されるものではなく、通
常感光性平版印刷版に用いられるものを使用することが
できる。そして、リスフィルムを用いて画像を焼付け、
現像処理、ガム引き処理を行うことで、印刷機に取り付
け可能な印刷版とすることができる。また、レーザー等
を使って、フィルムを用いずに画像を直接焼付けること
もできる。
【0059】感光剤としては、露光の前後で現像液に対
する溶解性または膨潤性が変化するものであればいずれ
でも差支えない。感光剤の代表的なものを以下に列挙す
る。
【0060】(1)o−キノンジアジド化合物からなる
感光層ポジ型感光性化合物としては、o−ナフトキノン
ジアジド化合物で代表されるo−キノンジアジド化合物
が挙げられる。o−ナフトキノンジアジド化合物として
は、特公昭43−28403号公報に記載されている
1,2−ジアゾナフトキノンスルホン酸クロライドとピ
ロガロール−アセトン樹脂とのエステルが好ましい。米
国特許第3,046,120号および第3,188,2
10号明細書に記載された1,2−ジアゾナフトキノン
スルホン酸クロライドとフェノール−ホルムアルデヒド
樹脂とのエステルも好ましい。その他公知のo−ナフト
キノンジアジド化合物も使用可能である。
【0061】特に好ましいo−ナフトキノンジアジド化
合物は、分子量が1,000以下のポリヒドロキシ化合
物と1,2−ジアゾナフトキノンスルホン酸クロライド
との反応で得られた化合物である。ポリヒドロキシ化合
物の水酸基1当量に対し、1,2−ジアゾナフトキノン
スルホン酸クロライドを0.2〜1.2当量の割合で、
特に0.3〜1.0当量の割合で反応させるのが好まし
い。1,2−ジアゾナフトキノンスルホン酸クロライド
としては、1,2−ジアゾナフトキノン−5−スルホン
酸クロライドが好ましいが、1,2−ジアゾナフトキノ
ン−4−スルホン酸クロライドも使用可能である。
【0062】o−ナフトキノンジアジド化合物は、1,
2−ジアゾナフトキノンスルホン酸クロライドの置換基
の位置および導入量の種々異なるものの混合物になる
が、水酸基が全て1,2−ジアゾナフトキノンスルホン
酸エステルに転換されたものが混合物に占める割合(完
全にエステル化されたものの含有率)は5モル%以上で
あること、特に20〜90もる%であるのが好ましい。
【0063】またo−ナフトキノンジアジド化合物を用
いずに、ポジ型に作用する感光性化合物として、例えば
特公昭56−2696号公報に記載されているo−ニト
ロカルビノールエステル基を有するポリマーも使用可能
である。さらに、光分解により酸を発生する化合物と、
酸により解離する−C−O−C−基または−C−O−S
i−基を有する化合物との組合せ系も使用可能である。
例えば、光分解により酸を発生する化合物とアセタール
またはO,N−アセタール化合物との組合せ(特開昭4
8−89003号)、オルトエステルまたはアミドアセ
タール化合物との組合せ(特開昭51−120714
号)、主鎖にアセタールまたはケタール基を有するポリ
マーとの組合せ(特開昭53−133429号)、エノ
ールエーテル化合物との組合せ(特開昭55−1299
5号)、N−アシルイミノ炭素化合物との組合せ(特開
昭55−126236号)、主鎖にオルトエステル基を
有するポリマーとの組合せ(特開昭56−17345
号)、シリルエステル化合物との組合わせ(特開昭60
−10247号)およびシリルエーテル化合物との組合
わせ(特開昭60−37549号、特開昭60−121
446号)等が挙げられる。
【0064】感光層の感光性組成物中に占めるポジ型感
光性化合物(前記のような組合せ系も含む)の割合は1
0〜50質量%が好ましく、15〜40質量%がより好
ましい。
【0065】o−キノンジアジド化合物は単独でも感光
層を構成し得るが、結合剤(バインダー)としてのアル
カリ水に可溶な樹脂とともに使用することが好ましい。
アルカリ水に可溶な樹脂としては、ノボラック樹脂があ
り、例えば、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、m−
クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂、p−クレゾール−
ホルムアルデヒド樹脂、m−/p−混合クレゾール−ホ
ルムアルデヒド樹脂、フェノール/クレゾール混合(m
−、p−、m−/p−混合のいずれでもよい)−ホルム
アルデヒド樹脂等のクレゾール−ホルムアルデヒド樹
脂、フェノール変性キシレン樹脂、ポリヒドロキシスチ
レン、ポリハロゲン化ヒドロキシスチレン、特開昭51
−34711号公報に開示されているようなフェノール
性水酸基を含有するアクリル系樹脂、特開平2−866
号公報に記載のスルホンアミド基を有するアクリル系樹
脂や、ウレタン系樹脂等種々のアルカリ可溶性のポリマ
ーを含有させることができる。アルカリ可溶性のポリマ
ーは重量平均分子量が500〜20,000で、数平均
分子量が200〜60,000のものが好ましい。
【0066】アルカリ可溶性のポリマーは全組成物の7
0質量%以下含有される。さらに米国特許第4,12
3,279号明細書に記載されているように、t−ブチ
ルフェノール−ホルムアルデヒド樹脂、オクチルフェノ
ール−ホルムアルデヒド樹脂のような炭素数3〜8のア
ルキル基を置換基として有するフェノールとホルムアル
デヒドとの重縮合で得られる樹脂を併用することは画像
の感脂性を向上させるので好ましい。
【0067】感光性組成物には、感度を高めるために環
状酸無水物、露光後直ちに可視像を得るための焼出し
剤、画像着色剤としての染料やその他の充填材等を含有
させることができる。環状酸無水物は、米国特許第4,
115,128号明細書に記載されているように無水フ
タル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水
フタル酸、3,6−エンドオキシ−△4−テトラヒドロ
無水フタル酸、テトラクロル無水フタル酸、無水マレイ
ン酸、クロル無水マレイン酸、α−フェニル無水マレイ
ン酸、無水コハク酸、無水ピロメリット酸等が使用され
る。環状酸無水物は、全組成物の質量に対して1〜15
質量%含有させることによって、感度を最大3倍程度に
高めることができる。露光後直ちに可視像を得るための
焼出し剤としては、露光によって酸を放出する感光性化
合物と塩を形成し得る有機染料の組合せを代表として挙
げることができる。
【0068】具体的には、特開昭50−36209号公
報、特開昭53−8128号公報に記載されているo−
ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸ハロゲニドと塩
形成性有機染料の組合せや、特開昭53−36233号
公報、特開昭54−74728号公報、特開昭60−3
626号公報、特開昭61−143748号公報、特開
昭61−151644号公報、特開昭63−58440
号公報に記載されているトリハロメチル化合物と塩形成
性有機染料の組合せを挙げることができる。画像の着色
剤としては、前記の塩形成性有機染料以外の他の染料も
使用可能である。塩形成性有機染料を含めて好適な染料
は油溶性染料や塩基染料である。
【0069】具体的には、オイルイエロー#101、オ
イルイエロー#103、オイルピンク#312、オイル
グリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#6
03、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイ
ルブラックT−505(以上は全て、オリエント化学工
業株式会社製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタル
バイオレット(CI42555)、メチルバイオレット
(CI42535)、ローダミンB(CI45170
B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレ
ンブルー(CI52015)等を挙げることができる。
特開昭62−293247号公報に記載されている染料
が特に好ましい。
【0070】感光性組成物は、前記諸成分を溶解する溶
媒に溶解させて支持体に塗布される。溶媒としては、エ
チレンジクロライド、シクロヘキサノン、メチルエチル
ケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチ
レングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチ
ルアセテート、1−メトキシ−2−プロパノール、1−
メトキシ−2−プロピルアセテート、トルエン、酢酸メ
チル、乳酸メチル、乳酸エチル、ジメチルスルホキシ
ド、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、
水、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフルフリルア
ルコール、アセトン、ジアセトンアルコール、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、ジエチレングリコ
ール、ジメチルエーテル等が挙げられる。これらは混合
して使用することもできる。
【0071】溶液に占める前記成分(固形分)は2〜5
0質量%である。塗布量は用途により異なるが、例えば
感光性平版印刷版について言えば、一般的に固形分とし
て0.5〜3.0g/mが好ましい。塗布量が少なく
なるにつれて感光性は増大するが、感光膜の物性が低下
する。
【0072】感光性組成物には、塗布性を良くするため
に界面活性剤、例えば特開昭62−170950号公報
に記載されているようなフッ素系界面活性剤を含有させ
る。好ましい含有量は、全感光性組成物の0.01〜1
質量%、好ましくは0.05〜0.5質量%である。
【0073】(2)ジアゾ樹脂とバインダーとからなる
感光層ネガ作用型感光性ジアゾ化合物としては、米国特
許第2,063,631号明細書および米国特許第2,
667,415号明細書に開示されているジアゾニウム
塩とアルドールやアセタールのような反応性カルボニル
基を有する有機縮合剤との反応生成物であるジフェニル
アミン−p−ジアゾニウム塩とホルムアルデヒドとの縮
合生成物(いわゆる感光性ジアゾ樹脂)が好適に用いら
れる。
【0074】他の有用な縮合ジアゾ化合物は特公昭49
−48001号公報、特公昭49−45322号公報、
特公昭49−45323号公報等に記載されている。こ
の型の感光性ジアゾ化合物は通常水溶性無機塩の形で得
られるので、水溶液として塗布することができる。ま
た、水溶性ジアゾ化合物を特公昭47−1167号公報
に記載される方法により、1個またはそれ以上のフェノ
ール性水酸基、スルホン酸基またはその両者を有する芳
香族または脂肪族化合物と反応させ、その生成物である
実質的に水不溶性の感光性ジアゾ樹脂を使用することも
できる。
【0075】ジアゾ樹脂の含有量は、感光層中に5〜5
0質量%含有されているのがよい。その含有量が少なく
なれば感光性は当然増大するが、経時安定性が低下す
る。最適のジアゾ樹脂の含有量は約8〜20質量%であ
る。一方、バインダーとしては、種々のポリマーが使用
可能である、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、アミ
ド基、スルホンアミド基、活性メチレン基、チオアルコ
ール基、エポキシ基を含むものがよい。
【0076】具体的には、英国特許第1,350,52
1号明細書に記載されているシェラック、英国特許第
1,460,978号明細書および米国特許第4,12
3,276号明細書に記載されているようなヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート単位を主たる繰返単位とし
て含むポリマー、米国特許第3,751,257号明細
書に記載されているポリアミド樹脂、英国特許第1,0
74,392号明細書に記載されているフェノール樹
脂、および、例えばポリビニルフォルマール樹脂、ポリ
ビニルブチラール樹脂のようなポリビニルアセタール樹
脂、米国特許第3,660,097号明細書に記載され
ている線状ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコールの
フタレート化樹脂、ビスフェノールAとエピクロルヒド
リンから得られるエポキシ樹脂、ポリアミノスチレンや
ポリアルキルアミノ(メタ)アクリレートのようなアミ
ノ基を含むポリマー、酢酸セルロース、セルロースアル
キルエーテル、セルロースアセテートフタレート等のセ
ルロース誘導体が包含される。
【0077】ジアゾ樹脂とバインダーからなる組成物に
は、さらに、英国特許第1,041,463号明細書に
記載されているようなpH指示薬、米国特許第3,23
6,646号明細書に記載されているリン酸、染料等の
添加剤を含有させることができる。
【0078】感光層の膜厚は0.1〜30μm、より好
ましくは0.5〜10μmである。支持体上に設けられ
る感光層の量(固形分)は約0.1〜約7g/m、好
ましくは0.5〜4g/mである。平版印刷版は画像
露光された後、常法により現像を含む処理によって樹脂
画像が形成される。例えば、感光層(A)を有するポジ
型感光性平版印刷版の場合には、画像露光後、米国特許
第4,259,434号明細書および特開平3−903
88号公報に記載されているようなアルカリ水溶液で現
像することにより露光部分の感光層が除去されて、平版
印刷版が得られる。
【0079】
【実施例】この発明を、実施例によりさらに具体的に説
明するが、この発明は以下の実施例に限定されるもので
はないことはもちろんである。
【0080】実施例1:Fe0.29%、Si0.09
%、Cu0.01%、Ti0.01%を含有し、残部が
Alおよび不可避的不純物よりなるアルミニウム合金の
溶湯を溶製し、表1に示すように脱ガス処理条件を種々
変化させて溶湯に対し脱ガス処理を行なった後、半連続
鋳造により500mm×1200mm×3500mmの
鋳塊を鋳造した。その鋳塊に530℃×5時間の均質化
熱処理し、室温まで徐冷して、片面10mmずつ面削を
行なった後、加熱して熱間圧延を390℃で開始し、熱
間粗圧延、熱間仕上げ圧延を行って250℃で4mmに
巻き上げた。なお、熱間粗圧延最終1パスは50%の圧
延率で行った。さらに1.5mmまで1次冷間圧延を施
した後、連続焼鈍炉を用いて中間焼鈍を行なった。中間
焼鈍条件は、加熱速度約20℃/s、冷却速度約20℃
/sで500℃、0秒の保持(500℃に到達したらす
ぐに冷却)とし、その後2次冷間圧延を2パスで行なっ
た。各パスの上り温度は100℃と90℃であった。得
られた圧延版板について、Fe、Si固溶量の測定、集
合組織の測定、結晶粒径の測定、ガス量の測定を行い、
平版印刷版支持体の評価として電解グレイニング性およ
び耐バーニング性を次のように調査した。これらの測
定、評価の具体的な方法を次に示す。
【0081】Fe、Si固溶量:Fe固溶量、Si固溶
量は最終圧延板をフェノール溶液に溶解する熱フェノー
ル分析法で分析した。詳細な方法、条件に関しては前述
の文献の通りである。
【0082】結晶粒径:一般にアルミニウム合金の結晶
粒の測定に用いられるバーカー氏液による陽極酸化処理
後、偏光顕微鏡により結晶粒観察を行って、アルミニウ
ム合金板表面の圧延方向に直角方向の平均結晶粒径を切
断法により求めた。
【0083】キューブ方位密度:集合組織のキューブ方
位密度の測定には、通常のX線回折法を用いて(20
0)、(220)、(111)の不完全極点図を測定
し、ランダム方位を持つ試料で強度補正を行い、それら
から結晶方位分布関数(Orientation Disribution Func
tion:ODF)を計算し、キューブ方位の方位密度を求
めた。なお測定は板の表面で行なった。
【0084】ガス量:圧延板を40×120mmに切り
出して、真空溶融抽出法による水素ガス分析装置を用い
て水素ガス量を測定し、ガス量とした。
【0085】電解グレイニング性(電気化学的粗面化処
理性):電解グレイニング性評価は、素板に対し表2に
示すような表面処理を施して行なった。各処理は、表2
に示す左側の処理から順に行ない、各処理の間で水洗を
行なった。なお本実施例においては、ブラシによる機械
的粗面化は行なわなかった。ここで表2におけるアルカ
リエッチング処理(1)および(2)では、NaOH濃
度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%、
液温65℃の溶液を使用した。また電気化学的粗面化処
理においては、電解液として硝酸濃度1質量%、アルミ
ニウムイオン濃度0.5質量%の溶液を使用し、交流電
流で電解を行なった。また電気化学的粗面化処理におけ
る電気量は300C/dmとした。さらに表2におけ
る陽極酸化処理は、電解液として15質量%の硫酸溶液
を使用し、直流電流で行なった。このようにして表面処
理を行なった面について、肉眼及びSEMで観察し、電
解グレイニング性を評価した。すなわち、肉眼では帯
状、筋状のストリークスや数mmの花びら状の模様等の
有無を観察し、SEMでは微小なピットが均一であるか
否かを調べた。評価としては、○印を粗面化が均一、×
印を粗面化が不均一とした。
【0086】耐バーニング性:耐バーニング性は便宜的
に270℃のオイルバスにJIS5号試験片に加工した
材料を7分間浸漬し、その後引っ張り試験を行って0.
2%耐力を求めた。この値が110MPa以上であれば
バーニング特性は合格とし、○評価とした。
【0087】以上の各測定結果、評価結果を表3に示
す。
【0088】
【表1】
【0089】
【表2】
【0090】
【表3】
【0091】表3に示すように、溶湯に対し脱ガス処理
を行なってガス量が0.25cc/100gAl以下と
なった場合には、粗面化ピットが均一で良好な電解グレ
イニング性を示したのに対し、ガス量が0.25cc/
100gAlを越えた場合は、粗面化ピットが不均一で
電解グレイニング性に劣っていた。
【0092】実施例2:表4、表5の合金No.1〜2
2に示す化学成分組成を有するアルミニウム合金を溶製
し、溶湯に対し脱ガス処理(炉内処理およびSNIF処
理)を施した後、半連続鋳造法により500mm×12
00mm×3500mmの鋳塊を鋳造した。その鋳塊に
均質化熱処理を施し、室温まで徐冷して、片面10mm
ずつ面削を行なった後、加熱して熱間圧延(粗圧延およ
び仕上げ圧延)を行ない、さらに1次冷間圧延を行なっ
てから、中間焼鈍を行ない、その後2次冷間圧延を2パ
スで行ない、最終的に0.3mm厚の平版印刷版支持体
用素板に仕上げた。2次冷間圧延の各パスの上り温度
は、圧下量と圧延速度、圧延油量で調整した。なお一部
の製造条件(熱延製造条件符号H)では、均質化処理を
行なわず、面削後350℃に2時間加熱して、熱間圧延
を開始した。また一部の製造条件(冷間圧延製造条件符
号カ)では、中間焼鈍を行なわなかった。詳細な熱延工
程条件を表6中に示し、表7に熱延終了以降の冷間圧延
等の工程条件を示す。
【0093】これら合金および熱延条件、熱延以降の条
件を組み合わせた材料について、実施例1の場合と同様
に、Fe、Si固溶量、平均結晶粒径、キューブ方位密
度、電解グレイニング性、耐バーニング性を調べた。そ
の結果を表8〜表10に示す。
【0094】
【表4】
【0095】
【表5】
【0096】
【表6】
【0097】
【表7】
【0098】
【表8】
【0099】
【表9】
【0100】
【表10】
【0101】表8〜表10に示すように、この発明の方
法による試料番号1〜4、21〜28のものは、いずれ
も電解グレイニング性、耐バーニング特性ともに良好な
性能を示した。
【0102】これに対し、試料番号5〜9のものは、そ
れぞれこの発明で規定するCu、Si、Ti量の範囲を
外れているため、電解グレイニング性が劣った。また試
料番号10および試料番号34のものは、均質化処理温
度が低く、そのためSi固溶量が少なくなって電解グレ
イニング性が低下した。さらに試料番号11および試料
番号35のものは、熱間粗圧延温度が高過ぎて、熱間圧
延での再結晶粒が粗大となり、電気化学的粗面化処理後
にストリークが発生して、電解グレイニング性が低下し
た。また試料番号12および試料番号36のものは、熱
間粗圧延温度が低過ぎて熱間圧延中に再結晶が発生せず
電気化学的粗面化処理後にストリースが発生し、また熱
延上り温度が低いために一部に腐食跡が見られた。さら
に試料番号13および試料番号37のものは、熱間粗圧
延終了2パス目および1パス目の圧下率が小さいため微
細な再結晶が発生せず、そのため電気化学的粗面化処理
後にストリークスが発生し、さらにキューブ方位の分布
密度が高く、電解グレイニング性が不均一となった。さ
らに試料番号14のものは、連続中間焼鈍時の温度が低
いためFe固溶量が低下して、電解グレイニング性、耐
バーニング性が低下した。そして試料番号15のもの
は、中間焼鈍がバッチ焼鈍であってFe固溶量が少な
く、またキューブ方位の分布密度が高いため、電解グレ
イニング性が低下し、さらに耐バーニング性も低下し
た。また試料番号16のものは、連続中間焼鈍の温度が
高すぎて結晶粒が120μmと粗大化し、またキューブ
方位の分布密度も高いため、電解グレイニング性が不均
一となり、またストーリクスも見られた。また試料番号
17のものは、2次冷間圧延率が少ないため圧延板の強
度が低過ぎ、しかもキューブ方位の分布密度が高いた
め、電解グレイニング性も不均一となった。さらに試料
番号18のものは、2次冷間圧延時の各パス上り温度が
高いため、Si固溶量が低下し、そのため電解グレイニ
ング性が不均一となった。また試料番号19および試料
番号38のものは、熱間圧延終了温度が高く、かつ中間
焼鈍を行なっていないため、キューブ方位の分布密度が
高くなって、電解グレイニング性が不均一となった。そ
してまた試料番号20および試料番号39のものは、均
質化処理を行なわずかつ熱間粗圧延の最終から2パス
目、1パス目ともに圧下率が低く、そのため熱間圧延で
再結晶が生じていないため、Si固溶量が少なくなり、
またキューブ方位の分布密度が高くなって、電解グレイ
ニング性が不均一となった。一方試料番号29〜33の
ものは、合金成分として、In、Sn、Pb、Ni、B
eのうちの1種を過剰に含有しているものであり、この
場合も電解グレイニング性が劣っていた。
【0103】
【発明の効果】前述の実施例からも明らかなように、こ
の発明による平版印刷版支持体用アルミニウム合金板
は、電解グレイニング性が優れていて、電気化学的粗面
化処理により均一かつ微細な粗面を形成することがで
き、しかも耐熱軟化性が良好で耐バーニング性も優れて
おり、したがって平板印刷版支持体に最適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22F 1/00 681 C22F 1/00 681 682 682 683 683 684 684C 685 685Z 686 686B 691 691B 691C 694 694A 694B (72)発明者 澤田 宏和 静岡県榛原郡吉田町川尻400番地 富士写 真フイルム株式会社内 (72)発明者 上杉 彰男 静岡県榛原郡吉田町川尻400番地 富士写 真フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2H114 AA04 AA14 DA04 EA02 GA02 GA08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Cu0.0001〜0.03%(mas
    s%、以下同じ)、Ti0.005〜0.03%、Fe
    0.1〜0.5%、Si0.05〜0.20%を含有
    し、Fe固溶量が0.001〜0.005%でかつSi
    固溶量が0.04〜0.15%であり、残部がAlおよ
    び不可避的不純物からなり、しかも板表面の結晶粒の圧
    延方向に直角な方向の平均粒径が60μm以下であり、
    さらに合金板中のガス量が0.25cc/100gAl
    以下に規制されていることを特徴とする、電気化学的粗
    面化処理を施して使用される、電解グレイニング性およ
    び耐バーニング性に優れた平版印刷版支持体用アルミニ
    ウム合金板。
  2. 【請求項2】 Cu0.0001〜0.03%、Ti
    0.005〜0.03%、Fe0.1〜0.5%、Si
    0.05〜0.20%を含有し、残部がAlおよび不可
    避的不純物からなるアルミニウム合金を溶製した後、脱
    ガス処理を施してから鋳造し、その鋳塊に500〜62
    0℃の範囲内の温度で1時間以上均質化処理を施した
    後、熱間圧延を行なうにあたって、圧延開始温度を35
    0〜450℃とし、かつ熱間粗圧延終了前1パスまたは
    2パスを圧延率40%以上とし、かつ熱間仕上げ圧延終
    了温度を200〜280℃とし、その熱間圧延とその後
    の冷間圧延との間もしくは冷間圧延の中途において中間
    焼鈍を450〜580℃で行ない、前記中間焼鈍後の冷
    間圧延を65%以上の圧延率で施し、かつその中間焼鈍
    後の冷間圧延の各パスにおける圧延上り温度が120℃
    以下となるように制御し、これによってFe固溶量が
    0.001〜0.005%でかつSi固溶量が0.01
    〜0.15%であって、しかも板表面の結晶粒の圧延方
    向に直角な方向の平均粒径が60μm以下であり、さら
    に合金板中のガス量が0.25cc/100gAl以下
    に規制されている平版印刷版支持体用アルミニウム合金
    板を得ることを特徴とする、電解グレイニング性および
    耐バーニング性に優れた平版印刷版支持体用アルミニウ
    ム合金板の製造方法。
  3. 【請求項3】 Cu0.0001〜0.03%、Ti
    0.005〜0.03%、Fe0.1〜0.5%、Si
    0.05〜0.20%を含有し、Fe固溶量が0.00
    1〜0.005%でかつSi固溶量が0.04〜0.1
    5%であり、残部がAlおよび不可避的不純物からな
    り、しかも板表面の結晶粒の圧延方向に直角な方向の平
    均粒径が60μm以下であり、さらに集合組織として、
    キューブ方位の方位分布密度が9以下であり、さらに合
    金板中のガス量が0.25cc/100gAl以下に規
    制されていることを特徴とする、電気化学的粗面化処理
    を施して使用される、電解グレイニング性および耐バー
    ニング性に優れた平版印刷版支持体用アルミニウム合金
    板。
  4. 【請求項4】 Cu0.0001〜0.03%、Ti
    0.005〜0.03%、Fe0.1〜0.5%、Si
    0.05〜0.20%を含有し、残部がAlおよび不可
    避的不純物からなるアルミニウム合金を溶製した後、脱
    ガス処理を施してから鋳造し、その鋳塊に500〜62
    0℃の範囲内の温度で1時間以上均質化処理を施した
    後、熱間圧延を行なうにあたって、圧延開始温度を35
    0〜450℃とし、かつ熱間粗圧延終了前1パスまたは
    2パスを圧延率40%以上とし、かつ熱間仕上げ圧延終
    了温度を200〜280℃とし、その熱間圧延とその後
    の冷間圧延との間もしくは冷間圧延の中途において中間
    焼鈍を450〜580℃で行ない、前記中間焼鈍後の冷
    間圧延を65%以上の圧延率で施し、かつその中間焼鈍
    後の冷間圧延の各パスにおける圧延上り温度が120℃
    以下となるように制御し、これによってFe固溶量が
    0.001〜0.005%でかつSi固溶量が0.01
    〜0.15%であって、しかも板表面の結晶粒の圧延方
    向に直角な方向の平均粒径が60μm以下であり、さら
    に集合組織として、キューブ方位の方位分布密度が9以
    下であり、さらに合金板中のガス量が0.25cc/1
    00gAl以下に規制されている平版印刷版支持体用ア
    ルミニウム合金板を得ることを特徴とする、電解グレイ
    ニング性および耐バーニング性に優れた平版印刷版支持
    体用アルミニウム合金板の製造方法。
  5. 【請求項5】 Cu0.0001〜0.03%、Ti
    0.005〜0.03%、Fe0.1〜0.5%、Si
    0.05〜0.20%を含有し、Fe固溶量が0.00
    1〜0.005%でかつSi固溶量が0.04〜0.1
    5%であり、さらに、In0.001〜0.05%、S
    n0.001〜0.05%、Pb0.001〜0.05
    %、Ni0.001〜0.05%、およびBe0.00
    01〜0.01%のうちの1種または2種以上を含み、
    残部がAlおよび不可避的不純物からなり、しかも板表
    面の結晶粒の圧延方向に直角な方向の平均粒径が60μ
    m以下であり、さらに集合組織として、キューブ方位の
    方位分布密度が9以下であり、さらに合金板中のガス量
    が0.25cc/100gAl以下に規制されているこ
    とを特徴とする、電気化学的粗面化処理を施して使用さ
    れる、電解グレイニング性および耐バーニング性に優れ
    た平版印刷版支持体用アルミニウム合金板。
  6. 【請求項6】 Cu0.0001〜0.03%、Ti
    0.005〜0.03%、Fe0.1〜0.5%、Si
    0.05〜0.20%を含有し、さらにIn0.001
    〜0.05%、Sn0.001〜0.05%、Pb0.
    001〜0.05%、Ni0.001〜0.05%、お
    よびBe0.0001〜0.01%のうちの1種または
    2種以上を含み、残部がAlおよび不可避的不純物から
    なるアルミニウム合金を溶製した後、脱ガス処理を施し
    てから鋳造し、その鋳塊に500〜620℃の範囲内の
    温度で1時間以上均質化処理を施した後、熱間圧延を行
    なうにあたって、圧延開始温度を350〜450℃と
    し、かつ熱間粗圧延終了前1パスまたは2パスを圧延率
    40%以上とし、かつ熱間仕上げ圧延終了温度を200
    〜280℃とし、その熱間圧延とその後の冷間圧延との
    間もしくは冷間圧延の中途において中間焼鈍を450〜
    580℃で行ない、前記中間焼鈍後の冷間圧延を65%
    以上の圧延率で施し、かつその中間焼鈍後の冷間圧延の
    各パスにおける圧延上り温度が120℃以下となるよう
    に制御し、これによってFe固溶量が0.001〜0.
    005%でかつSi固溶量が0.01〜0.15%であ
    って、しかも板表面の結晶粒の圧延方向に直角な方向の
    平均粒径が60μm以下であり、さらに集合組織とし
    て、キューブ方位の方位分布密度が9以下であり、さら
    に合金板中のガス量が0.25cc/100gAl以下
    に規制されている平版印刷版支持体用アルミニウム合金
    板を得ることを特徴とする、電解グレイニング性および
    耐バーニング性に優れた平版印刷版支持体用アルミニウ
    ム合金板の製造方法。
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