JP2008111142A - 平版印刷版用アルミニウム合金板および平版印刷版用支持体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アルミニウム合金溶湯を溶湯供給ノズルを介して一対の冷却ローラの間に供給し、前記一対の冷却ローラによって前記アルミニウム合金溶湯を凝固させつつ圧延を行う連続鋳造により得られる平版印刷版用アルミニウム合金板であって、
0.10〜0.20質量%のSiと0.10〜0.40質量%のFeとを含有し、Siの固溶量が200〜600ppmであり、Feの固溶量が250ppm以下である、平版印刷版用アルミニウム合金板。
【選択図】なし
Description
また、一般的に、このアルミニウム合金板には、板厚0.1〜0.5mmの圧延板が用いられており、JIS1000系材料やJIS3000系材料が用いられる。
また、平版印刷版原版の製造方法としては、平版印刷版用支持体上に感光液を塗布し乾操させて画像記録層を形成させ、必要に応じて所望のサイズに切りそろえる方法が一般に知られている。そして、この平版印刷版原版は、画像焼付け後に現像処理が施されることにより平版印刷版とされる。
ここで、ピットの径を均一でかつ大きくし、また、ピットの深さを深くすることによって、印刷性能(特に、耐刷性および耐汚れ性)に優れる平版印刷版原版が得られると考えられていた。これは、画像部においては、画像記録層と平版印刷版用支持体との密着性が強固になるため数多くの枚数を印刷しても画像記録層がはく離しにくくなり、非画像部においては、多くの湿し水を表面に保持することが可能となるため汚れが発生しにくくなるという知見に基づくものである。
そして、そのような観点から電解粗面化処理により生成するピットの形状や、電解粗面化処理を施した後の平版印刷版用支持体表面(以下、「電解粗面化面」ともいう。)の均一性を改善する種々の方法が提案されている(例えば、特許文献1〜3等参照。)。
そして、このような合金成分元素は、Al中に固溶するもの、金属成分として析出するもの、金属間化合物として存在するものからなるが、金属間化合物量は所定量以下とする必要があるため、特許文献4に記載するように鉄(Fe),ケイ素(Si),銅(Cu)の固溶量を低く保つことは析出成分を多くすることになり、耐苛酷インキ汚れ性の劣化等の欠点を引き起こすという問題があった。また、第二相粒子を均一微細に晶出させつつ固溶量を低く保つことも困難であった。
ここで、「苛酷インキ汚れ」とは、印刷を何度も中断しつつ行った場合に、平版印刷版の非画像部表面部分にインキが付着しやすくなった結果、印刷された紙等に表れる点状または円環状の汚れをいう。
また、本発明者は、特許文献5に記載の平版印刷版用アルミニウム合金素板に粗面化処理を施して製造される平版印刷版用支持体であっても、外観欠陥を有する場合があることを見出した。
また、本発明は、製造工程を簡素化し、製造コストおよび製造時間を低減することができる平版印刷版用アルミニウム合金板ならびにそれを用いた平版印刷版用支持体および平版印刷版原版を提供することを課題とする。
(1)アルミニウム合金溶湯を溶湯供給ノズルを介して一対の冷却ローラの間に供給し、上記一対の冷却ローラによって上記アルミニウム合金溶湯を凝固させつつ圧延を行う連続鋳造により得られる平版印刷版用アルミニウム合金板であって、
0.10〜0.20質量%のSiと0.10〜0.40質量%のFeとを含有し、Siの固溶量が200〜600ppmであり、Feの固溶量が250ppm以下である、平版印刷版用アルミニウム合金板。
(2)Cuの含有量が0.02質量%以下である上記(1)に記載の平版印刷版用アルミニウム合金板。
(3)上記(1)または(2)に記載の平版印刷版用アルミニウム合金板の表面に、電気化学的粗面化処理を含む粗面化処理を施して得られる平版印刷版用支持体。
(4)上記粗面化処理が、上記電気化学的粗面化処理の前に、更にアルカリエッチング処理(第1アルカリエッチング処理)を含む上記(3)に記載の平版印刷版用支持体。
(5)上記電気化学的粗面化処理により生成するピットの径が、0.01〜1.5μmで均一である上記(3)または(4)に記載の平版印刷版用支持体。
(6)上記粗面化処理が、上記電気化学的粗面化処理の後に、更にアルカリエッチング処理(第2アルカリエッチング処理)を含む上記(3)〜(5)のいずれかに記載の平版印刷版用支持体。
(7)上記電気化学的粗面化処理の電流密度が5A/dm2以上であり、
上記電気化学的粗面化処理の後の上記アルカリエッチング処理(第2アルカリエッチング処理)による上記平版印刷版用アルミニウム合金板の表面の溶解量が0.1g/m2以上である、上記(6)に記載の平版印刷版用支持体。
(8)上記電気化学的粗面化処理が、硝酸を含有する電解液中で、台形波形の交流電流を用いる処理である上記(3)〜(7)のいずれかに記載の平版印刷版用支持体。
(9)上記電気化学的粗面化処理が、塩酸を含有する電解液中で、正弦波形の交流電流を用いる処理である上記(3)〜(7)のいずれかに記載の平版印刷版用支持体。
(10)上記粗面化処理が、硝酸を含有する電解液中でアノード反応における電気量の総和が65〜500C/dm2となる第一の電気化学的粗面化処理、上記平版印刷版用アルミニウム合金板の表面の溶解量が0.1g/m2以上となる第一のアルカリエッチング処理、塩酸を含有する電解液中でアノード反応における電気量の総和が25〜100C/dm2となる第二の電気化学的粗面化処理、および、上記平版印刷版用アルミニウム合金板の表面の溶解量が0.03g/m2以上となる第二のアルカリエッチング処理を含む上記(3)に記載の平版印刷版用支持体。
(11)上記(3)〜(10)のいずれかに記載の平版印刷版用支持体上に画像記録層を設けてなる平版印刷版原版。
また、本発明の平版印刷版用アルミニウム合金板は、従来法に比べて製造工程を簡素化することができ、製造コストおよび製造時間の低減も図れるため非常に有用である。
[平版印刷版用支持体]
<アルミニウム合金板(圧延アルミ)>
本発明の平版印刷版用支持体には、以下で説明する本発明の平版印刷版用アルミニウム合金板(以下、「本発明のアルミニウム合金板」という。)が用いられる。アルミニウム合金における必須の合金成分は、Al、FeおよびSiであり、不純物としてCuを含有してもよい。
そのため、本発明者らは、特に固溶量に注目し、連続鋳造で製造したアルミニウム合金板に電解粗面化処理を施す際にSiの固溶量をある範囲に保つことが、電解粗面化処理の安定性に優れた効果を示すことを見出した。
Siの含有量および固溶量がこの範囲であると、電解粗面化処理の均一性を損なわなず、また、電解粗面化処理後に陽極酸化処理を施したときであっても、陽極酸化皮膜に欠陥が生じ難くなり、平版印刷版としての保水性および耐汚れ性も良好となる。
Feは、アルミニウム合金の機械的強度を高める作用があり、平版印刷版用支持体の強度に大きな影響を与える。Feの含有量が少なすぎると、機械的強度が低すぎて、平版印刷版を印刷機の版胴に取り付ける際に、版切れを起こしやすくなる。また、高速で大部数の印刷を行う際にも、同様に版切れを起こしやすくなる。一方、Feの含有量が多すぎると、必要以上に高強度となり、平版印刷版を印刷機の版胴に取り付ける際に、フィットネス性に劣り、印刷中に版切れを起こしやすくなる。例えば、Feの含有量が、1.0質量%より多くなると圧延途中に割れが生じやすくなる。
そのため、本発明者らは、特に固溶量に注目し、連続鋳造で製造したアルミニウム合金板に電解粗面化処理を施す際に、Siの固溶量をある範囲に保つことに加え、Feの固溶量をある値以下に保つことが、電解粗面化処理の安定性により優れた効果を示すことを見出した。
Feの含有量および固溶量がこの範囲であると、機械的強度が高くなり、平版印刷版を印刷機の版胴に取り付ける際の版切れを防止でき、また、高速で大部数の印刷を行う際にも同様に版切れを防止することができる。
また、Feの含有量および固溶量がこの範囲であると、必要以上に高強度とならず、平版印刷版を印刷機の版胴に取り付ける際のフィットネス性に優れ、印刷中の版切れを防止できる。
Cu含有量が0.020質量%超であると、硝酸液中での電解粗面化処理により生成するピットの径が大きくなりすぎるとともに径の均一性が低下するため、特に耐汚れ性に劣る。
また、Cuの固溶量は、100ppm以下であるのが好ましい。
この不可避不純物としては、例えば、Mg、Mn、Zn、Cr、Zr,V,Zn,Be等が挙げられ、これらはそれぞれ0.05質量%以下含まれていてもよい。
また、不可避不純物の大部分は、Al地金中に含有される。不可避不純物は、例えば、Al純度99.5%の地金に含有されるものであれば、本発明の効果を損なわない。
不可避不純物については、例えば、L.F.Mondolfo著「Aluminum Alloys:Structure and properties」(1976年)等に記載されている量の不純物が含有されていてもよい。
これにより、本発明においては、外観欠陥がなく均一な電解粗面化面を有する平版印刷版用支持体を得ることができ、かつ、耐刷性および耐汚れ性に優れた平版印刷版を得ることができるのである。
また、これらの固溶量が下限値を下回ると、電解粗面化面にピットが十分に形成されず、アルミニウム合金板のわずかな故障(例えば、アルミ結晶の大きさの不均一部分、凹凸等)が顕著に可視化され、粗面化処理された電解粗面化面の外観も不均一になり、平版印刷版としての耐刷性も劣化する。
本発明においては、電解粗面化した平版印刷版用支持体に適したアルミニウム合金板を得るために、連続鋳造圧延法を用い、特定の化学組成およびSiの固溶量を特定値とするのが好ましい。
連続鋳造による圧延は、鋳造材表面の凝固速度が大きいので晶出物が微細均一であり、DC鋳造法で必要とする鋳塊の均質化熱処理が不要であり、長時間の処理を施されないことから品質が安定しているため、平版印刷版用支持体用の素板として適切である。
まず、所定の合金成分含有量に調整したアルミニウム合金溶湯に、常法に従い、必要に応じて清浄化処理を施すことができる。
清浄化処理としては、例えば、溶湯中の水素等の不要ガスを除去するための脱ガス処理(例えば、アルゴンガス、塩素ガス等を用いたフラックス処理等);セラミックチューブフィルタ、セラミックフォームフィルタなどのいわゆるリジッドメディアフィルタや、アルミナフレーク、アルミナボールなどをろ材とするフィルタや、グラスクロスフィルタなどを用いるフィルタリング処理;このような脱ガス処理とフィルタリング処理とを組み合わせた処理;等が挙げられる。
連続鋳造は、アルミニウム合金溶湯を溶湯供給ノズルを介して一対の冷却ローラの間に供給し、該一対の冷却ローラによって該アルミニウム合金溶湯を凝固させつつ圧延を行う工程であり、双ロール法(ハンター法)、3C法に代表される冷却ロールを用いる方法、双ベルト法(ハズレー法)、アルスイスキャスターII型に代表される冷却ベルトや冷却ブロックを用いる方法等により施すことができる。
連続鋳造法は、一般的には、DC鋳造法に比べて冷却速度が速いため、アルミマトリックスに対する合金成分固溶度を高くすることができるという特徴を有する。また、冷却速度が100〜1000℃/秒の範囲で凝固する。
連続鋳造法に関しては、本願出願人によって提案された技術が、特開平3−79798号、特開平5−201166号、特開平5−156414号、特開平6−262203号、特開平6−122949号、特開平6−210406号、特開平6−26308号の各公報等に記載されている。
また、ハズレー法等の冷却ベルトを用いる方法を用いると、板厚10〜50mmの鋳造板を鋳造することができ、一般的に、鋳造直後に熱間圧延ロールを配置し連続的に圧延することで、板厚1〜10mmの連続鋳造圧延板が得られる。
また、冷間圧延の前もしくは後、またはその途中において、中間焼鈍処理を施してもよい。この中間焼鈍の条件は、具体的には、バッチ式焼鈍炉を用いて280〜600℃で2〜20時間、好ましくは350〜500℃で2〜10時間加熱する条件;連続焼鈍炉を用いて400〜600℃で6分以下、好ましくは450〜550℃で2分以下加熱する条件;等が好適に例示される。
冷間圧延および中間焼鈍の条件については、本願出願人によって提案された技術として、特開平6−220593号、特開平6−210308号、特開平7−54111号、特開平8−92709号の各公報等に記載されている。
更に、連続焼鈍炉を用いて10〜200℃/秒の昇温速度で加熱して、結晶組織を細かくすることもできる。
また、所定の板幅に加工するため、スリッタラインを通してもよい。
更に、アルミニウム合金板同士の摩擦による傷の発生を防止するために、アルミニウム合金板の表面に薄い油膜を設けてもよい。油膜には、必要に応じて、揮発性のものや、不揮発性のものが適宜用いられる。
熱処理の温度は、300℃以上であるのが好ましく、600℃以下であるのが好ましい。熱処理の時間は、5時間以上であるのが好ましく、36時間以下であるのが好ましい。
冷間圧延途中または最終冷間圧延後に適正な条件で熱処理が行われないときは、電解粗面化面のピットの大きさが均一ではなく、保水性を損ないインキ汚れを起こし印刷での耐刷性が劣る。
本発明の平版印刷版用支持体は、上述した連続鋳造工程ならびに所望により行われる各種工程(例えば、中間焼鈍工程、冷間圧延工程等)を経て得られるアルミニウム合金板の表面に、粗面化処理を施して得られるものである。
粗面化処理としては、一般に、機械的粗面化処理、化学的粗面化処理および電気化学的粗面化処理のうちの1種または2種以上の組み合わせが用いられる。
本発明においては、粗面化処理として、少なくとも電解粗面化処理を施し、電解粗面化処理の前にアルカリエッチング処理(第1アルカリエッチング処理)を施すのが好ましく、電解粗面化処理の後にアルカリエッチング処理(第2アルカリエッチング処理)を施すのが好ましい。
また、上記アルカリエッチング処理(第1アルカリエッチング処理)の前に、機械的粗面化処理を施すのが好ましい。
更に、上記陽極酸化処理の後に、更に封孔処理および親水化処理を施すのも好ましい。
以下、表面処理の各工程について、詳細に説明する。
本発明においては、アルミニウム合金板の表面の中心平均表面粗さを0.35〜1.0μmとする目的で行われる機械的粗面化処理を施すのが好ましい。
以下、機械的粗面化処理として好適に用いられるブラシグレイン法について説明する。
上記ローラ状ブラシおよびスラリー液の代わりに、表面に研磨層を設けたローラである研磨ローラを用いることもできる。
本発明では、ナイロンブラシは複数本用いるのが好ましく、具体的には、3本以上がより好ましく、4本以上が特に好ましい。ブラシの本数を調整することにより、アルミニウム合金板表面に形成される凹部の波長成分を調整できる。
研磨剤のメジアン径は、粗面化効率に優れ、かつ、砂目立てピッチを狭くすることができる点で、2〜100μmであるのが好ましく、20〜60μmであるのがより好ましい。研磨剤のメジアン径を調整することにより、アルミニウム合金板表面に形成される凹部の深さを調整することができる。
機械的粗面化処理に適した装置としては、例えば、特公昭50−40047号公報に記載された装置を挙げることができる。
第1アルカリエッチング処理は、アルミニウム合金板をアルカリ溶液に接触させることにより、表層を溶解する処理である。
第1アルカリエッチング処理においては、エッチング量は、0.1g/m2以上であるのが好ましく、0.5g/m2以上であるのがより好ましく、1g/m2以上であるのが更に好ましく、また、12g/m2以下であるのが好ましく、10g/m2以下であるのがより好ましく、8g/m2以下であるのが更に好ましい。エッチング量の下限が上記範囲にあると、電解粗面化処理(第1電解粗面化処理)において均一なピットを生成でき、更に処理ムラの発生を防止できる。エッチング量の上限が上記範囲にあると、アルカリ水溶液の使用量が少なくなり、経済的に有利となる。
また、アルカリ溶液は、アルミニウムイオンを含有しているのが好ましい。アルミニウムイオン濃度は、1g/L以上であるのが好ましく、50g/L以上であるのがより好ましく、また、200g/L以下であるのが好ましく、150g/L以下であるのがより好ましい。このようなアルカリ溶液は、例えば、水と48質量%カセイソーダ水溶液とアルミン酸ソーダとを用いて調製することができる。
第1アルカリエッチング処理においては、処理時間は、1秒以上であるのが好ましく、2秒以上であるのがより好ましく、また、30秒以下であるのが好ましく、15秒以下であるのがより好ましい。
即ち、カセイソーダ濃度とアルミニウムイオン濃度とのマトリクスに対応する、電導度と比重と温度とのマトリクス、または、電導度と超音波伝搬速度と温度とのマトリクスをあらかじめ作成しておき、電導度と比重と温度、または、電導度と超音波伝搬速度と温度によって液組成を測定し、液組成の制御目標値になるようにカセイソーダと水とを添加する。そして、カセイソーダと水とを添加することによって増加したエッチング液を、循環タンクからオーバーフローさせることにより、その液量を一定に保つ。添加するカセイソーダとしては、工業用の40〜60質量%のものを用いることができる。
電導度計および比重計としては、それぞれ温度補償されているものを用いるのが好ましい。比重計としては、差圧式のものを用いるのが好ましい。
水洗処理は、自由落下カーテン状の液膜により水洗処理する装置を用いて水洗し、更に、スプレー管を用いて水洗するのが好ましい。
この装置においては、給水タンクに給水筒から水が供給され、水が給水タンクからオーバーフローする際に、整流部により整流され、自由落下カーテン状の液膜がアルミニウム板に供給される。この装置を用いる場合、液量は10〜100L/minであるのが好ましい。また、整流部とアルミニウムとの間で水が自由落下カーテン状の液膜として存在する距離Lは、20〜50mmであるのが好ましい。また、アルミニウム板の角度αは、水平方向に対して30〜80°であるのが好ましい。
第1アルカリエッチング処理を行った後、表面に残留する汚れ(スマット)を除去するために酸洗い(第1デスマット処理)を行うのが好ましい。デスマット処理は、アルミニウム合金板を酸性溶液に接触させることにより行う。
なお、第1アルカリエッチング処理の後に行われる第1デスマット処理においては、電解粗面化処理(第1電解粗面化処理)として引き続き硝酸電解が行われる場合には、硝酸電解に用いられる電解液のオーバーフロー廃液を用いるのが好ましい。
第1デスマット処理においては、1〜400g/Lの酸および0.1〜5g/Lのアルミニウムイオンを含有する酸性溶液を用いるのが好ましい。
中でも、酸性溶液をアルミニウム合金板の表面に噴きかける方法が好ましい。具体的には、φ2〜5mmの孔を10〜50mmピッチで有するスプレー管から、スプレー管1本あたり、10〜100L/minの量でエッチング液を吹き付ける方法が好ましい。スプレー管は複数本設けるのが好ましい。
水洗処理は、アルカリエッチング処理の後の水洗処理と同様である。ただし、スプレーチップ1本あたりの液量は1〜20L/minであるのが好ましい。
なお、第1デスマット処理において、デスマット処理液として、引き続き行われる硝酸電解に用いられる電解液のオーバーフロー廃液を用いる場合には、デスマット処理後にニップローラによる液切りおよび水洗処理を行わず、アルミニウム合金板の表面が乾かないように、必要に応じて適宜デスマット処理液をスプレーしながら、硝酸電解工程までアルミニウム板をハンドリングするのが好ましい。
第1電解粗面化処理は、硝酸または塩酸を含有する水溶液中での電解粗面化処理である。
本発明においては、第1電解粗面化処理は、硝酸を含有する電解液中で、台形波形の交流電流を用いる処理であるのが電解粗面化面のラチチュードが拡大する理由から好ましく、塩酸を含有する電解液中で、正弦波形の交流電流を用いる処理であるのが電解粗面化面の表面形状の制御しやすい理由から好ましい。
なお、第1電解粗面化処理のアルミニウム板表面の平均粗さRaは、0.2〜1.0μmであるのが好ましい。
硝酸電解により、好適な凹凸構造をアルミニウム板の表面に形成させることができる。本発明において、アルミニウム板がCuを比較的多量に含有している場合には、硝酸電解において、比較的大きく、かつ、均一な凹部が形成される。その結果、本発明の平版印刷版用支持体を用いた平版印刷版は、耐刷性が優れたものになる。
また、硝酸を含有する水溶液には、鉄、銅、マンガン、ニッケル、チタン、マグネシウム、シリカ等のアルミニウム合金中に含まれる金属が溶解していてもよい。次亜塩素酸や過酸化水素を1〜100g/L添加してもよい。
具体的には、硝酸濃度5〜15g/Lの硝酸水溶液に、硝酸アルミニウムを溶解させてアルミニウムイオン濃度を3〜7g/Lとなるように調整した液が好ましい。
この際の電流密度は、電流のピーク値で5A/dm2以上であるのが好ましく、20〜100A/dm2であるのがより好ましい。
塩酸を含有する水溶液は、通常の直流または交流を用いた電気化学的な粗面化処理に用いるものを使用でき、1〜30g/L、好ましくは2〜10g/Lの塩酸水溶液に、硝酸アルミニウム、硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウム等の硝酸イオン、塩化アルミニウム、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム等の塩酸イオンを有する塩酸または硝酸化合物の1つ以上を1g/L〜飽和まで添加して使用することができる。
また、塩酸を含有する水溶液には、鉄、銅、マンガン、ニッケル、チタン、マグネシウム、シリカ等のアルミニウム合金中に含まれる金属が溶解していてもよい。次亜塩素酸や過酸化水素を1〜100g/L添加してもよい。さらに、上記した銅と錯体を形成する化合物を1〜200g/Lの割合で添加することもできる。
このような塩酸水溶液を用いて電解粗面化処理を行うと、電解粗面化面がより均一になり、また、低純度のアルミニウム合金板を使用しても、高純度のアルミニウム合金板を使用しても、処理ムラが発生せず、平版印刷版としたときにより優れた耐刷性および耐汚れ性を両立できる。
また、電気量を増やしていく(電気量の総和(アノード反応)が150〜2000C/dm2)と、平均開口径0.01〜0.4μmのピットを表面に有する平均開口径1〜30μmのピットが生成する。このような砂目を得るためには電解反応が終了した時点でのアルミニウム板のアノード反応にあずかる電気量の総和が、10C/dm2以上であるのが好ましく、50C/dm2以上であるのがより好ましく、さらには100C/dm2以上であるのが好ましい。また、2000C/dm2以下であるのが好ましく、600C/dm2以下であるのがより好ましい。
また、特開昭52−58602号、特開昭52−152302号、特開昭53−12738号、特開昭53−12739号、特開昭53−32821号、特開昭53−32822号、特開昭53−32833号、特開昭53−32824号、特開昭53−32825号、特開昭54−85802号、特開昭55−122896号、特開昭55−132884号、特公昭48−28123号、特公昭51−7081号、特開昭52−133838号、特開昭52−133840号、特開昭52−133844号、特開昭52−133845号、特開昭53−149135号、特開昭54−146234号の各公報等に記載されているもの等も用いることができる。
即ち、硝酸濃度または塩酸濃度とアルミニウムイオン濃度とのマトリクスに対応する、電導度と比重と温度とのマトリクス、または、電導度と超音波伝搬速度と温度とのマトリクスをあらかじめ作成しておき、電導度と比重と温度、または、電導度と超音波伝搬速度と温度によって液組成を測定し、液組成の制御目標値になるように硝酸または塩酸と水とを添加する。そして、硝酸または塩酸と水とを添加することによって増加した電解液を、循環タンクからオーバーフローさせることにより、その液量を一定に保つ。添加する硝酸としては、工業用の30〜70質量%のものを用いることができる。添加する塩酸としては、工業用の30〜40質量%のものを用いることができる。
液組成の測定に用いるために電解液から採取されたサンプルは、電解液とは別の熱交換機を用いて、一定温度(例えば、40±0.5℃)に制御した後に、測定に用いるのが、測定の精度が高くなる点で好ましい。
台形波とは、図1に示したものをいう。この台形波において電流がゼロからピークに達するまでの時間(TP)は0.5〜3msecであるのが好ましい。TPが3msecを超えると、特に硝酸を含有する水溶液を用いると、電解処理で自然発生的に増加するアンモニウムイオン等に代表される電解液中の微量成分の影響を受けやすくなり、均一な砂目立てが行われにくくなる。その結果、平版印刷版としたときの耐汚れ性が低下する傾向にある。
交流の周波数は0.1〜120Hzのものを用いることが可能であるが、50〜70Hzが設備上好ましい。50Hzよりも低いと、主極のカーボン電極が溶解しやすくなり、また、70Hzよりも高いと、電源回路上のインダクタンス成分の影響を受けやすくなり、電源コストが高くなる。
電解槽には1個以上の交流電源を接続することができる。主極に対向するアルミニウム板に加わる交流の陽極と陰極との電流比をコントロールし、均一な砂目立てを行うことと、主極のカーボンを溶解することとを目的として、図2に示したように、補助陽極を設置し、交流電流の一部を分流させることが好ましい。図2において、11はアルミニウム板であり、12はラジアルドラムローラであり、13aおよび13bは主極であり、14は電解処理液であり、15は電解液供給口であり、16はスリットであり、17は電解液通路であり、18は補助陽極であり、19aおよび19bはサイリスタであり、20は交流電源であり、40は主電解槽であり、50は補助陽極槽である。整流素子またはスイッチング素子を介して電流値の一部を二つの主電極とは別の槽に設けた補助陽極に直流電流として分流させることにより、主極に対向するアルミニウム板上で作用するアノード反応にあずかる電流値と、カソード反応にあずかる電流値との比を制御することができる。主極に対向するアルミニウム板上で、陽極反応と陰極反応とにあずかる電気量の比(陰極時電気量/陽極時電気量)は、0.3〜0.95であるのが好ましい。
直流を用いた電気化学的粗面化処理は、回分法、半連続法および連続法のいずれでも行うことができるが、連続法で行うのが好ましい。
陽極としては、例えば、チタン、タンタル、ニオブ等のバルブ金属に白金族系の金属をめっきし、またはクラッドしたもの;バルブ金属に白金族系の金属の酸化物を塗布し、または焼結させたもの;アルミニウム;ステンレスが挙げられる。中でも、バルブ金属に白金をクラッドしたものが好ましい。電極の内部に水を通して水冷化するなどの方法により、陽極の寿命を更に長くすることができる。
陰極としては、例えば、ブールベイダイヤグラムから、電極電位を負としたときに溶解しない金属等を選択して用いることができる。中でも、カーボンが好ましい。
水洗処理は、スプレー管を用いて水洗するのが好ましい。水洗処理に用いられるスプレー管としては、例えば、扇状に噴射水が広がるスプレーチップをアルミニウム板の幅方向に複数個有するスプレー管を用いることができる。スプレーチップの間隔は20〜100mmであるのが好ましく、また、スプレーチップ1本あたりの液量は1〜20L/minであるのが好ましい。スプレー管は複数本用いるのが好ましい。
第1電解粗面化処理と第2電解粗面化処理との間に行われる第2アルカリエッチング処理は、第1電解粗面化処理で生成したスマットを溶解させること、および、第1電解粗面化処理により形成されたピットのエッジ部分を溶解させることを目的として行われる。
これにより、第1電解粗面化処理によって形成された大きなピットのエッジ部分が溶解して表面が滑らかになり、インキを該エッジ部分にひっかかりにくくするため、耐汚れ性に優れる平版印刷版を得ることができる。
第2アルカリエッチング処理は、基本的に第1アルカリエッチング処理と同様であるので、異なる点のみ以下に説明する。
また、アルカリ溶液は、アルミニウムイオンを含有しているのが好ましい。アルミニウムイオン濃度は、1g/L以上であるのが好ましく、50g/L以上であるのがより好ましく、また、200g/L以下であるのが好ましく、150g/L以下であるのがより好ましい。このようなアルカリ溶液は、例えば、水と48質量%カセイソーダ水溶液とアルミン酸ソーダとを用いて調製することができる。
第2アルカリエッチング処理を行った後、表面に残留する汚れ(スマット)を除去する
ために酸洗い(第2デスマット処理)を行うのが好ましい。第2デスマット処理は、第一デスマット処理と同様の方法で行うことができる。
第2デスマット処理においては、1〜400g/Lの酸および0.1〜8g/Lのアルミニウムイオンを含有する酸性溶液を用いるのが好ましい。
硫酸を用いる場合は、具体的には、硫酸濃度100〜350g/Lの硫酸水溶液に、硫酸アルミニウムを溶解させてアルミニウムイオン濃度を0.1〜5g/Lとなるように調整した液を用いることができる。また、後述する陽極酸化処理に用いられる電解液のオーバーフロー廃液を用いこともできる。
第2デスマット処理においては、酸水溶液の温度は、20℃以上であるのが好ましく、30℃以上であるのがより好ましく、また、70℃以下であるのが好ましく、60℃以下であるのがより好ましい。
第2電解粗面化処理は、塩酸を含有する水溶液中での交流または直流を用いた電気化学的粗面化処理である。
本発明においては、上述した第1電解粗面化処理だけでもよいが、この第2電解粗面化処理を組み合わせることにより、さらに複雑な凹凸構造をアルミニウム板の表面に形成させることができ、ひいては、耐刷性を優れたものにすることができる。
第2電解粗面化処理における塩酸を含有する水溶液中での電気化学的な粗面化でアルミニウム板が陽極反応にあずかる電気量の総和は、電気化学的な粗面化処理が終了した時点で、10〜200C/dm2の範囲から選択でき、第1電解粗面化処理で形成した粗面を大きくくずさないためには、10〜100C/dm2が好ましく、50〜80C/dm2が特に好ましい。
上記処理を組み合わせて行う場合は、硝酸を含有する電解液中でアノード反応における電気量の総和が65〜500C/dm2となる硝酸電解、溶解量が0.1g/m2以上となるアルカリエッチング処理、塩酸を含有する電解液中でアノード反応における電気量の総和が25〜100C/dm2となる第2塩酸電解、および、溶解量が0.03g/m2以上となるアルカリエッチング処理をこの順で施すのが好ましい。
この組み合わせで粗面化処理すれば、耐汚れ性および耐刷性がより優れた平版印刷版を得ることができる平版印刷版用支持体が得られる。
第2電解粗面化処理の後に行われる第3アルカリエッチング処理は、第2電解粗面化処理で生成したスマットを溶解させること、および、第2電解粗面化処理により形成されたピットのエッジ部分を溶解させることを目的として行われる。第3アルカリエッチング処理は、基本的に第1アルカリエッチング処理と同様であるので、異なる点のみ以下に説明する。
また、アルカリ溶液は、アルミニウムイオンを含有しているのが好ましい。アルミニウムイオン濃度は、1g/L以上であるのが好ましく、3g/L以上であるのがより好ましく、また、50g/L以下であるのが好ましく、8g/L以下であるのがより好ましい。このようなアルカリ溶液は、例えば、水と48質量%カセイソーダ水溶液とアルミン酸ソーダとを用いて調製することができる。
第3アルカリエッチング処理においては、処理時間は、1秒以上であるのが好ましく、2秒以上であるのがより好ましく、また、30秒以下であるのが好ましく、10秒以下であるのがより好ましい。
第3アルカリエッチング処理を行った後、表面に残留する汚れ(スマット)を除去するために酸洗い(第3デスマット処理)を行うのが好ましい。第3デスマット処理は、基本的に第1デスマット処理と同様であるので、異なる点のみ以下に説明する。
第3デスマット処理においては、5〜400g/Lの酸および0.5〜8g/Lのアルミニウムイオンを含有する酸性溶液を用いるのが好ましい。硫酸を用いる場合は、具体的には、硫酸濃度100〜350g/Lの硫酸水溶液に、硫酸アルミニウムを溶解させてアルミニウムイオン濃度を1〜5g/Lとなるように調整した液が好ましい。
第3デスマット処理において、デスマット処理液として、引き続き行われる陽極酸化処理に用いられる電解液と同じ種類の液を用いる場合には、デスマット処理後にニップローラによる液切りおよび水洗処理を省略することができる。
以上のように処理されたアルミニウム合金板には、陽極酸化処理を施すのが好ましい。
陽極酸化処理はこの分野で従来行われている方法で行うことができる。この場合、例えば、硫酸濃度50〜300g/Lで、アルミニウム濃度5質量%以下の溶液中で、アルミニウム板を陽極として通電して陽極酸化皮膜を形成させることができる。陽極酸化処理に用いられる溶液としては、硫酸、リン酸、クロム酸、シュウ酸、スルファミン酸、ベンゼンスルホン酸、アミドスルホン酸等を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
アルミニウム板に直流を印加する場合においては、電流密度は、1〜60A/dm2であるのが好ましく、5〜40A/dm2であるのがより好ましい。
連続的に陽極酸化処理を行う場合には、アルミニウム板の一部に電流が集中していわゆる「焼け」(皮膜が周囲より厚くなる部分)が生じないように、陽極酸化処理の開始当初は、5〜10A/m2の低電流密度で電流を流し、陽極酸化処理が進行するにつれ、30〜50A/dm2またはそれ以上に電流密度を増加させるのが好ましい。
具体的には、直流電源の電流配分を、下流側の直流電源の電流が上流側の直流電源の電流以上にするのが好ましい。このような電流配分とすることにより、いわゆる焼けが生じにくくなり、その結果、高速での陽極酸化処理が可能となる。
連続的に陽極酸化処理を行う場合には、アルミニウム板に、電解液を介して給電する液給電方式により行うのが好ましい。
このような条件で陽極酸化処理を行うことによりポア(マイクロポア)と呼ばれる孔を多数有する多孔質皮膜が得られるが、通常、その平均ポア径は5〜50nm程度であり、平均ポア密度は300〜800個/μm2程度である。
中でも、図3に示す装置が好適に用いられる。図3は、アルミニウム板の表面を陽極酸化処理する装置の一例を示す概略図である。
アルミニウム板416と陰極430の間隔は50〜200mmであるのが好ましい。陰極430としてはアルミニウムが用いられる。陰極430としては、アノード反応により発生する水素ガスが系から抜けやすくなるようにするために、広い面積を有する電極でなく、アルミニウム板416の進行方向に複数個に分割した電極であるのが好ましい。
本発明においては、必要に応じて陽極酸化皮膜に存在するマイクロポアを封じる封孔処理を行ってもよい。封孔処理は、沸騰水処理、熱水処理、蒸気処理、ケイ酸ソーダ処理、亜硝酸塩処理、酢酸アンモニウム処理等の公知の方法に従って行うことができる。例えば、特公昭56−12518号公報、特開平4−4194号公報、特開平5−202496号公報、特開平5−179482号公報等に記載されている装置および方法で封孔処理を行ってもよい。
陽極酸化処理後または封孔処理後、親水化処理を行ってもよい。親水化処理としては、例えば、米国特許第2,946,638号明細書に記載されているフッ化ジルコニウム酸カリウム処理、米国特許第3,201,247号明細書に記載されているホスホモリブデート処理、英国特許第1,108,559号に記載されているアルキルチタネート処理、独国特許第1,091,433号明細書に記載されているポリアクリル酸処理、独国特許第1,134,093号明細書および英国特許第1,230,447号明細書に記載されているポリビニルホスホン酸処理、特公昭44−6409号公報に記載されているホスホン酸処理、米国特許第3,307,951号明細書に記載されているフィチン酸処理、特開昭58−16893号公報および特開昭58−18291号公報に記載されている親油性有機高分子化合物と2価の金属との塩による処理、米国特許第3,860,426号明細書に記載されているように、水溶性金属塩(例えば、酢酸亜鉛)を含む親水性セルロース(例えば、カルボキシメチルセルロース)の下塗層を設ける処理、特開昭59−101651号公報に記載されているスルホ基を有する水溶性重合体を下塗りする処理が挙げられる。
更に、特開昭60−64352号公報に記載されている酸性染料による着色を行うこともできる。
載されている方法および手順に従って行うことができる。
アルカリ金属ケイ酸塩としては、例えば、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウムが挙げられる。アルカリ金属ケイ酸塩の水溶液は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等を適当量含有してもよい。
また、アルカリ金属ケイ酸塩の水溶液は、アルカリ土類金属塩または4族(第IVA族)金属塩を含有してもよい。アルカリ土類金属塩としては、例えば、硝酸カルシウム、硝酸ストロンチウム、硝酸マグネシウム、硝酸バリウム等の硝酸塩;硫酸塩;塩酸塩;リン酸塩;酢酸塩;シュウ酸塩;ホウ酸塩が挙げられる。4族(第IVA族)金属塩としては、例えば、四塩化チタン、三塩化チタン、フッ化チタンカリウム、シュウ酸チタンカリウム、硫酸チタン、四ヨウ化チタン、塩化酸化ジルコニウム、二酸化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、四塩化ジルコニウムが挙げられる。これらのアルカリ土類金属塩および4族(第IVA族)金属塩は、単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
このアルカリ金属ケイ酸塩処理により、平版印刷版用支持体の表面のアルカリ現像液に対する耐溶解性向上の効果が得られ、アルミニウム成分の現像液中への溶出が抑制されて、現像液の疲労に起因する現像カスの発生を低減することができる。
この方法に用いられる親水性ビニルポリマーとしては、例えば、ポリビニルスルホン酸、スルホ基を有するp−スチレンスルホン酸等のスルホ基含有ビニル重合性化合物と(メタ)アクリル酸アルキルエステル等の通常のビニル重合性化合物との共重合体が挙げられる。また、この方法に用いられる親水性化合物としては、例えば、−NH2基、−COOH基およびスルホ基からなる群から選ばれる少なくとも一つを有する化合物が挙げられる。
上述したようにして平版印刷版用支持体を得た後、画像記録層を設ける前に、平版印刷版用支持体の表面を乾燥させるのが好ましい。乾燥は、表面処理の最後の処理の後、水洗処理およびニップローラで液切りしてから行うのが好ましい。
乾燥温度は、70℃以上であるのが好ましく、80℃以上であるのがより好ましく、また、110℃以下であるのが好ましく、100℃以下であるのがより好ましい。
乾燥時間は、1秒以上であるのが好ましく、2秒以上であるのがより好ましく、また20秒以下であるのが好ましく、15秒であるのがより好ましい。
本発明においては、上述した表面処理に用いられる各種の処理液の組成を、特開2001−121837号公報に記載されている方法で管理するのが好ましい。あらかじめ、種々の濃度の多数の処理液サンプルを調製し、それぞれ二つの液温における超音波の伝搬速度を測定し、マトリクス状のデータテーブルを作成しておき、処理中に、液温および超音波の伝搬速度をリアルタイム測定し、それに基づいて濃度の制御を行うのが好ましい。特に、デスマット処理において、硫酸濃度250g/L以上の電解液を用いる場合においては、上述する方法により、濃度の制御を行うのが好ましい。
なお、電解粗面化処理および陽極酸化処理に用いられる各電解液は、Cu濃度が100ppm以下であるのが好ましい。Cu濃度が高すぎると、ラインを停止するとアルミニウム板上にCuが析出し、ラインを再度稼動した際に析出したCuがパスロールに転写されて、処理ムラの原因となる場合がある。
本発明の平版印刷版用支持体には、画像記録層を設けて本発明の平版印刷版原版とすることができる。画像記録層には、感光性組成物が用いられる。
本発明に好適に用いられる感光性組成物としては、例えば、アルカリ可溶性高分子化合物と光熱変換物質とを含有するサーマルポジ型感光性組成物(以下、この組成物およびこれを用いた画像記録層について、「サーマルポジタイプ」という。)、硬化性化合物と光熱変換物質とを含有するサーマルネガ型感光性組成物(以下、同様に「サーマルネガタイプ」という。)、光重合型感光性組成物(以下、同様に「フォトポリマータイプ」という。)、ジアゾ樹脂または光架橋樹脂を含有するネガ型感光性組成物(以下、同様に「コンベンショナルネガタイプ」という。)、キノンジアジド化合物を含有するポジ型感光性組成物(以下、同様に「コンベンショナルポジタイプ」という。)、特別な現像工程を必要としない感光性組成物(以下、同様に「無処理タイプ」という。)が挙げられる。以下、これらの好適な感光性組成物について説明する。
<感光層>
サーマルポジタイプの感光性組成物は、アルカリ可溶性高分子化合物と光熱変換物質とを含有する。サーマルポジタイプの画像記録層においては、光熱変換物質が赤外線レーザ等の光のエネルギーを熱に変換し、その熱がアルカリ可溶性高分子化合物のアルカリ溶解性を低下させている相互作用を効率よく解除する。
とりわけ、赤外線レーザ等の光による露光での画像形成性に優れる点で、フェノール性ヒドロキシ基を有する樹脂が好ましく、例えば、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、m−クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂、p−クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂、m−/p−混合クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール/クレゾール(m−、p−およびm−/p−混合のいずれでもよい)混合−ホルムアルデヒド樹脂(フェノール−クレゾール−ホルムアルデヒド共縮合樹脂)等のノボラック樹脂が好適に挙げられる。
更に、特開2001−305722号公報(特に[0023]〜[0042])に記載されている高分子化合物、特開2001−215693号公報に記載されている一般式(1)で表される繰り返し単位を含む高分子化合物、特開2002−311570号公報(特に[0107])に記載されている高分子化合物も好適に挙げられる。
また、サーマルポジタイプの感光性組成物中には、添加剤として、感度調節剤、露光による加熱後直ちに可視像を得るための焼出し剤、画像着色剤としての染料等の化合物、塗布性および処理安定性を向上させるための界面活性剤を含有させるのが好ましい。これらについては、特開2001−305722号公報の[0056]〜[0060]に記載されているような化合物が好ましい。
上記以外の点でも、特開2001−305722号公報に詳細に記載されている感光性組成物が好ましく用いられる。
2層構造の画像記録層(重層系の画像記録層)としては、支持体に近い側に耐刷性および耐溶剤性に優れる下層(以下「A層」という。)を設け、その上にポジ画像形成性に優れる層(以下「B層」という。)を設けたタイプが好適に挙げられる。このタイプは感度が高く、広い現像ラチチュードを実現することができる。B層は、一般に、光熱変換物質を含有する。光熱変換物質としては、上述した染料が好適に挙げられる。
A層に用いられる樹脂としては、スルホンアミド基、活性イミノ基、フェノール性ヒドロキシ基等を有するモノマーを共重合成分として有するポリマーが耐刷性および耐溶剤性に優れている点で好適に挙げられる。B層に用いられる樹脂としては、フェノール性ヒドロキシ基を有するアルカリ水溶液可溶性樹脂が好適に挙げられる。
A層およびB層に用いられる組成物には、上記樹脂のほかに、必要に応じて、種々の添加剤を含有させることができる。具体的には、特開2002−3233769号公報の[0062]〜[0085]に記載されているような種々の添加剤が好適に用いられる。また、上述した特開2001−305722号公報の[0053]〜[0060]に記載されている添加剤も好適に用いられる。
A層およびB層を構成する各成分およびその含有量については、特開平11−218914号公報に記載されているようにするのが好ましい。
サーマルポジタイプの画像記録層と支持体との間には、中間層を設けるのが好ましい。中間層に含有される成分としては、特開2001−305722号公報の[0068]に記載されている種々の有機化合物が好適に挙げられる。
サーマルポジタイプの画像記録層の製造方法および製版方法については、特開2001−305722号公報に詳細に記載されている方法を用いることができる。
サーマルネガタイプの感光性組成物は、硬化性化合物と光熱変換物質とを含有する。サーマルネガタイプの画像記録層は、赤外線レーザ等の光で照射された部分が硬化して画像部を形成するネガ型の感光層である。
<重合層>
サーマルネガタイプの画像記録層の一つとして、重合型の画像記録層(重合層)が好適に挙げられる。重合層は、光熱変換物質と、ラジカル発生剤と、硬化性化合物であるラジカル重合性化合物と、バインダーポリマーとを含有する。重合層においては、光熱変換物質が吸収した赤外線を熱に変換し、この熱によりラジカル発生剤が分解してラジカルが発生し、発生したラジカルによりラジカル重合性化合物が連鎖的に重合し、硬化する。
ラジカル発生剤としては、オニウム塩が好適に挙げられる。特に、特開2001−133969号公報の[0030]〜[0033]に記載されているオニウム塩が好ましい。
ラジカル重合性化合物としては、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物が挙げられる。
バインダーポリマーとしては、線状有機ポリマーが好適に挙げられる。水または弱アルカリ水に対して可溶性または膨潤性である線状有機ポリマーが好適に挙げられる。中でも、アリル基、アクリロイル基等の不飽和基またはベンジル基と、カルボキシ基とを側鎖に有する(メタ)アクリル樹脂が、膜強度、感度および現像性のバランスに優れている点で好適である。
ラジカル重合性化合物およびバインダーポリマーについては、特開2001−133969号公報の[0036]〜[0060]に詳細に記載されているものを用いることができる。
また、サーマルネガタイプの画像記録層の一つとして、酸架橋型の画像記録層(酸架橋層)も好適に挙げられる。酸架橋層は、光熱変換物質と、熱酸発生剤と、硬化性化合物である酸により架橋する化合物(架橋剤)と、酸の存在下で架橋剤と反応しうるアルカリ可溶性高分子化合物とを含有する。酸架橋層においては、光熱変換物質が吸収した赤外線を熱に変換し、この熱により熱酸発生剤が分解して酸が発生し、発生した酸により架橋剤とアルカリ可溶性高分子化合物とが反応し、硬化する。
熱酸発生剤としては、例えば、光重合の光開始剤、色素類の光変色剤、マイクロレジスト等に使用されている酸発生剤等の熱分解化合物が挙げられる。
架橋剤としては、例えば、ヒドロキシメチル基またはアルコキシメチル基で置換された芳香族化合物;N−ヒドロキシメチル基、N−アルコキシメチル基またはN−アシルオキシメチル基を有する化合物;エポキシ化合物が挙げられる。
アルカリ可溶性高分子化合物としては、例えば、ノボラック樹脂、側鎖にヒドロキシアリール基を有するポリマーが挙げられる。
光重合型感光性組成物は、付加重合性化合物と、光重合開始剤と、高分子結合剤とを含有する。
付加重合性化合物としては、付加重合可能なエチレン性不飽和結合含有化合物が好適に挙げられる。エチレン性不飽和結合含有化合物は、末端エチレン性不飽和結合を有する化合物である。具体的には、例えば、モノマー、プレポリマー、これらの混合物等の化学的形態を有する。モノマーの例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸)と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミドが挙げられる。
また、付加重合性化合物としては、ウレタン系付加重合性化合物も好適に挙げられる。
高分子結合剤は、光重合型感光性組成物の皮膜形成剤として機能するだけでなく、画像記録層をアルカリ現像液に溶解させる必要があるため、アルカリ水に対して可溶性または膨潤性である有機高分子重合体が用いられる。そのような有機高分子重合体としては、特開2001−22079号公報の[0036]〜[0063]に記載されているものが好適に挙げられる。
更に、特開2001−228608号公報の[0124]〜[0165]に記載されているような中間層または接着層を設けるのも好ましい。
コンベンショナルネガタイプの感光性組成物は、ジアゾ樹脂または光架橋樹脂を含有する。中でも、ジアゾ樹脂とアルカリ可溶性または膨潤性の高分子化合物(結合剤)とを含有する感光性組成物が好適に挙げられる。
ジアゾ樹脂としては、例えば、芳香族ジアゾニウム塩とホルムアルデヒド等の活性カルボニル基含有化合物との縮合物;p−ジアゾフェニルアミン類とホルムアルデヒドとの縮合物とヘキサフルオロリン酸塩またはテトラフルオロホウ酸塩との反応生成物である有機溶媒可溶性ジアゾ樹脂無機塩が挙げられる。特に、特開昭59−78340号公報に記載されている6量体以上を20モル%以上含んでいる高分子量ジアゾ化合物が好ましい。
結合剤としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸またはマレイン酸を必須成分として含む共重合体が挙げられる。具体的には、特開昭50−118802号公報に記載されているような2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸等のモノマーの多元共重合体、特開昭56−4144号公報に記載されているようなアルキルアクリレート、(メタ)アクリロニトリルおよび不飽和カルボン酸からなる多元共重合体が挙げられる。
コンベンショナルポジタイプの感光性組成物は、キノンジアジド化合物を含有する。中でも、o−キノンジアジド化合物とアルカリ可溶性高分子化合物とを含有する感光性組成物が好適に挙げられる。
o−キノンジアジド化合物としては、例えば、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロライドとフェノール−ホルムアルデヒド樹脂またはクレゾール−ホルムアルデヒド樹脂とのエステル、米国特許第3,635,709号明細書に記載されている1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロライドとピロガロール−アセトン樹脂とのエステルが挙げられる。
アルカリ可溶性高分子化合物としては、例えば、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール−クレゾール−ホルムアルデヒド共縮合樹脂、ポリヒドロキシスチレン、N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミドの共重合体、特開平7−36184号公報に記載されているカルボキシ基含有ポリマー、特開昭51−34711号公報に記載されているようなフェノール性ヒドロキシ基を含有するアクリル系樹脂、特開平2−866号公報に記載されているスルホンアミド基を有するアクリル系樹脂、ウレタン系の樹脂が挙げられる。
無処理タイプの感光性組成物には、熱可塑性微粒子ポリマー型、マイクロカプセル型、スルホン酸発生ポリマー含有型等が挙げられる。これらはいずれも光熱変換物質を含有する感熱型である。光熱変換物質は、上述したサーマルポジタイプに用いられるのと同様の染料が好ましい。
微粒子ポリマーとしては、微粒子同士が熱により溶融合体するものが好ましく、表面が親水性で、湿し水等の親水性成分に分散しうるものがより好ましい。具体的には、Reseach Disclosure No.33303(1992年1月)、特開平9−123387号、同9−131850号、同9−171249号および同9−171250号の各公報、欧州特許出願公開第931,647号明細書等に記載されている熱可塑性微粒子ポリマーが好適に挙げられる。中でも、ポリスチレンおよびポリメタクリル酸メチルが好ましい。親水性表面を有する微粒子ポリマーとしては、例えば、ポリマー自体が親水性であるもの;ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール等の親水性化合物を微粒子ポリマー表面に吸着させて表面を親水性化したものが挙げられる。
微粒子ポリマーは、反応性官能基を有するのが好ましい。
このようにして、本発明により得られる平版印刷版用支持体上に各種の画像記録層を設けて得られる本発明の平版印刷版原版の裏面には、必要に応じて、重ねた場合における画像記録層の傷付きを防止するために、有機高分子化合物からなる被覆層を設けることができる。
本発明により得られる平版印刷版用支持体を用いた平版印刷版原版は、画像記録層に応じた種々の処理方法により、平版印刷版とされる。
像露光に用いられる活性光線の光源としては、例えば、水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプが挙げられる。レーザビームとしては、例えば、ヘリウム−ネオンレーザ(He−Neレーザ)、アルゴンレーザ、クリプトンレーザ、ヘリウム−カドミウムレーザ、KrFエキシマーレーザ、半導体レーザ、YAGレーザ、YAG−SHGレーザが挙げられる。
現像液は、アルカリ現像液であるのが好ましく、有機溶剤を実質的に含有しないアルカリ性の水溶液であるのがより好ましい。
また、アルカリ金属ケイ酸塩を実質的に含有しない現像液も好ましい。アルカリ金属ケイ酸塩を実質的に含有しない現像液を用いて現像する方法としては、特開平11−109637号公報に詳細に記載されている方法を用いることができる。
また、アルカリ金属ケイ酸塩を含有する現像液を用いることもできる。
(実施例1〜7、比較例1〜3)
下記表1に示した組成のアルミニウム材(Al−1〜Al−8)に、下記表2に示す熱処理を施して、下記表2に示すSiおよびFeの固溶量を調製し、連続鋳造によりアルミニウム合金板を製造した。
製造した各アルミニウム合金板に、以下の粗面化処理を施し、平版印刷版用支持体を製造した。
粗面化処理Iとして、下記(a)〜(e)の処理を施した。なお、全ての処理工程の間には水洗処理を施した。
製造した各アルミニウム合金板に、カセイソーダ濃度25質量%、アルミニウムイオン濃度100g/L、温度60℃の水溶液をスプレー管から吹き付けて、エッチング処理を行った。アルミニウム板の後に電気化学的粗面化処理を施す面のエッチング量は、5g/m2であった。
(b)デスマット処理
次いで、温度35℃の1質量%の硝酸水溶液をスプレー管から5秒間吹き付けて、デスマット処理を行った。
(c)電解粗面化処理
その後、1質量%硝酸水溶液に硝酸アルミニウムを溶解させてアルミニウムイオン濃度を4.5g/Lとした電解液(液温50℃)を用い、60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的粗面化処理を行った。交流電源波形は図1に示した波形であり、電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、duty比(ta/T、1サイクルに占めるアノード反応時間の割合)0.5であった。カーボン電極を対極として用いた。補助アノードにはフェライトを用いた。電解槽は図2に示すものを2槽使用した。
電気化学的粗面化処理において、交流のピーク時におけるアルミニウム板のアノード反応時の電流密度は、60A/dm2であった。アルミニウム板のアノード反応時の電気量の総和とカソード反応時の電気量の総和との比は0.95であった。電気量はアルミニウム板のアノード時の電気量の総和で190C/dm2であった。補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。アルミニウム板と電解液の相対速度は、電解槽内の平均で1.5m/secであった。
(d)アルカリエッチング処理
アルミニウム板に、カセイソーダ濃度5質量%、アルミニウムイオン濃度5g/L、温度35℃の水溶液をスプレー管から吹き付けて、エッチング処理を行った。アルミニウム板の電気化学的粗面化処理を施した面のエッチング量は、0.1g/m2であった。
(e)デスマット処理
水溶液としては、硫酸濃度300g/L、アルミニウムイオン濃度5g/L、液温35℃を用いて、スプレー管から5秒間吹き付けて、デスマット処理を行った。
SiおよびFeの固溶量は、フェノール溶解抽出法により測定した。
具体的には、得られらた各平版印刷版用支持体からなる試験片を熱フェノールで溶解させた後、ベンジルアルコールを添加した。次いで、ポリテトラフルオロエチレン製フィルターを用いて濾過し、金属間化合物残渣を除去した。次いで、ベンジルアルコールで希釈した後、溶液中に含まれるSiおよびFeを抽出し、標準添加ICP発光分析法で定量した。
なお、各平版印刷版用支持体におけるSiおよびFeの固溶量は、それぞれの作製に用いたアルミニウム合金基板におけるSiおよびFeの固溶量と同様の値である。
電解粗面化処理後の各平版印刷版用支持体表面を、走査型電子顕微鏡(SEM:日本電子製5500)で観察(倍率2000倍)し、以下に示す基準で砂目立ての均一性を評価した。
◎:丸いピットが全体の90%以上である。
○:丸いピットが全体の50%以上90%未満である。
△:丸いピットが全体の10%以上50%未満である。
×:丸いピットが全体の10%未満である。
電解粗面化処理後の各平版印刷版用支持体表面を、白灯下で目視により観察し、外観欠陥の有無を確認し、以下に示す基準で評価した。
◎:全体に濃度ムラがなく、スジ状のムラがない。
○:濃度ムラがないが、スジ状ムラが全体の10%未満ある。
△:濃度ムラがみられ、スジ状ムラが全体の10%以上、50%未満ある。
×:全体に濃度ムラが激しく、スジ状ムラがある。
電解粗面化処理後の各平版印刷版用支持体表面を、電子顕微鏡により倍率500倍および2000倍(いずれも角度0°)で観測し、以下に示す基準で評価した。
A:0.01〜0.05μmおよび0.05〜1.5μmの平均開口径を有するピットが表面全体に均一に形成。
B:0.01〜0.05μmまたは0.05〜1.5μmの平均開口径を有するピットが表面全体に均一に形成。
C:0.01〜0.05μmの平均開口径を有するピットが表面全体の20%以下の割合(面積比)で形成。
D:1.5μmより大きい平均開口径を有するピットが表面全体の20%以上の割合(面積比)で形成。
粗面化処理IIとして、下記(a)〜(e)の処理を施した。なお、全ての処理工程の間には水洗処理を施した。
製造した各アルミニウム合金板を、パミストン(粒子径30μm(メジアン径))/水の懸濁液(比重1.5)中でブラシグレイニングした。
(b)アルカリエッチング処理
次いで、カセイソーダ濃度25質量%、アルミニウムイオン濃度100g/L、温度60℃の水溶液をスプレー管から吹き付けて、エッチング処理を行った。アルミニウム板の後に電気化学的粗面化処理を施す面のエッチング量は、0.3g/m2であった。
(C)デスマット処理
次いで、温度30℃の1質量%の硝酸水溶液をスプレー管から10秒間吹き付けて、デスマット処理を行った。
(d)電解粗面化処理
その後、1質量%硝酸水溶液に硝酸アルミニウムを溶解させてアルミニウムイオン濃度を4.5g/Lとした電解液(液温50℃)を用い、60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的粗面化処理を行った。交流電源波形は図1に示した波形であり、電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、duty比(ta/T、1サイクルに占めるアノード反応時間の割合)0.5であった。カーボン電極を対極として用いた。補助アノードにはフェライトを用いた。電解槽は図2に示すものを2槽使用した。
電気化学的粗面化処理において、交流のピーク時におけるアルミニウム板のアノード反応時の電流密度は、60A/dm2であった。アルミニウム板のアノード反応時の電気量の総和とカソード反応時の電気量の総和との比は0.95であった。電気量はアルミニウム板のアノード時の電気量の総和で190C/dm2であった。補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。アルミニウム板と電解液の相対速度は、電解槽内の平均で1.5m/secであった。
(e)デスマット処理
温度60℃の硫酸水溶液(濃度300g/L)をスプレー管から3秒間吹き付けて、洗浄処理を行った。
粗面化処理IIIとして、下記(a)〜(k)の処理を施した。なお、全ての処理工程の間には水洗処理を施した。
図5に模式的に示したような装置を使って、研磨剤(パミス)の水懸濁液(比重1.12g/cm3)を研磨スラリー液としてアルミニウム板の表面に供給しながら、回転するローラ状ナイロンブラシにより機械的粗面化処理を行った。図5において、1はアルミニウム板、2および4はローラ状ブラシ、3は研磨スラリー液、5、6、7および8は支持ローラである。
ここで、研磨剤の平均粒径は40μm、最大粒径は100μmであった。ナイロンブラシの材質は6・10ナイロン、毛長は50mm、毛の直径は0.3mmであった。ナイロンブラシはφ300mmのステンレス製の筒に穴をあけて密になるように植毛した。回転ブラシは3本使用した。ブラシ下部の2本の支持ローラ(φ200mm)の距離は300mmであった。ブラシローラはブラシを回転させる駆動モータの負荷が、ブラシローラをアルミニウム板に押さえつける前の負荷に対して7kWプラスになるまで押さえつけた。ブラシの回転方向はアルミニウム板の移動方向と同じであった。ブラシの回転数は200rpmであった。
カセイソーダ濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%、温度70℃の水溶液を用いてスプレーによるエッチング処理を行い、アルミニウム板を10g/m2溶解した。その後、スプレーによる水洗を行った。
温度30℃の硝酸濃度1質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーで水洗した。デスマット処理に用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用いて電解粗面化処理を行う工程の廃液を用いた。
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝酸10.5g/L水溶液(アルミニウムイオンを5g/L、アンモニウムイオンを0.007質量%含む。)、液温50℃であった。交流電源波形は図1に示した波形であり、電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、duty比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。電解槽は図2に示すものを使用した。
電流密度は電流のピーク値で30A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で220C/dm2であった。補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。
その後、スプレーによる水洗を行った。
カセイソーダ濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%の水溶液を用いてスプレーによるエッチング処理を60℃で行い、アルミニウム板を1.0g/m2溶解し、前段の交流を用いて電解粗面化処理を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分を除去し、また、生成したピットのエッジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、スプレーによる水洗を行った。
温度30℃の硫酸濃度15質量%水溶液(アルミニウムイオンを4.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーで水洗した。デスマット処理に用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用いて電解粗面化処理を行う工程の廃液を用いた。
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、塩酸7.5g/L水溶液(アルミニウムイオンを5g/L含む。)、温度35℃であった。交流電源波形は図1に示した波形であり、電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、duty比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。電解槽は図2に示すものを使用した。
電流密度は電流のピーク値で25A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で50C/dm2であった。補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。
その後、スプレーによる水洗を行った。
カセイソーダ濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%の水溶液を用いてスプレーによるエッチング処理を32℃で行い、アルミニウム板を0.5g/m2溶解し、前段の交流を用いて電解粗面化処理を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分を除去し、また、生成したピットのエッジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、スプレーによる水洗を行った。
温度60℃の硫酸濃度25質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーによる水洗を行った。
図6に示す構造の陽極酸化装置を用いて陽極酸化処理を行った。第一および第二電解部に供給した電解液としては、硫酸を用いた。電解液は、いずれも、硫酸濃度170g/L(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)、温度38℃であった。その後、スプレーによる水洗を行った。最終的な酸化皮膜量は2.7g/m2であった。
液温20℃の3号ケイ酸ソーダの1質量%水溶液の処理槽の中に10秒間浸せきさせることで、親水化処理(アルカリ金属ケイ酸塩処理)を行った。その後、井水を用いたスプレーによる水洗を行った。
粗面化処理IIIを施して得られた各平版印刷版用支持体に、以下のサーマルポジタイプの画像記録層を設けて平版印刷版原版を得た。なお、画像記録層を設ける前には、以下の下塗層を設けた。
・下記高分子化合物 0.3g
・メタノール 100g
・水 1g
・ノボラック樹脂(m−クレゾール/p−クレゾール=60/40、重量平均分子量7,000、未反応クレゾール0.5質量%含有) 0.90g
・メタクリル酸エチル/メタクリル酸イソブチル/メタクリル酸共重合体(モル比35/35/30) 0.10g
・下記構造式で表されるシアニン染料A 0.1g
・テトラヒドロ無水フタル酸 0.05g
・p−トルエンスルホン酸 0.002g
・エチルバイオレットの対イオンを6−ヒドロキシ−β−ナフタレンスルホン酸にしたもの 0.02g
・フッ素系界面活性剤(ディフェンサF−780F、大日本インキ化学工業社製、固形分30質量%) 0.0045g(固形分換算)
・フッ素系界面活性剤(ディフェンサF−781F、大日本インキ化学工業社製、固形分100質量%) 0.035g
・メチルエチルケトン 12g
その後、下記組成のアルカリ現像液を仕込んだ富士写真フイルム(株)製PSプロセッサー940Hを用い、液温を30℃に保ち、現像時間20秒で現像し、平版印刷版を得た。
・D−ソルビット 2.5質量%
・水酸化ナトリウム 0.85質量%
・ポリエチレングリコールラウリルエーテル(重量平均分子量1,000) 0.5質量%
・水 96.15質量%
上記で得られた平版印刷版を用い、三菱ダイヤ型F2印刷機(三菱重工業社製)で、DIC−GEOS(s)紅のインキを用いて印刷し、1万枚印刷した後におけるブランケットの汚れを目視で確認し、以下に示す基準で評価した。
A:ブランケットが汚れていないもの
B:ブランケットがほとんど汚れていないもの
C:ブランケットが少し汚れていたもの
D:ブランケットが汚れているものの許容できる範囲にあるもの
E:ブランケットが汚れており印刷物が明らかに汚れているもの
F:ブランケットの汚れがかなりとなるもの
G:ブランケットの汚れが激しいもの
小森コーポレーション社製のリスロン印刷機で、大日本インキ化学工業社製のDIC−GEOS(N)墨のインキを用いて印刷し、ベタ画像の濃度が薄くなり始めたと目視で認められた時点の印刷枚数により、耐刷性を評価した。
2、4 ローラ状ブラシ
3 研磨スラリー液
5、6、7、8 支持ローラ
11 アルミニウム板
12 ラジアルドラムローラ
13a、13b 主極
14 電解処理液
15 電解液供給口
16 スリット
17 電解液通路
18 補助陽極
19a、19b サイリスタ
20 交流電源
40 主電解槽
50 補助陽極槽
410 陽極酸化処理装置
412 給電槽
413 中間槽
414 陽極酸化処理槽
416 アルミニウム板
418、426 電解液
420 陽極
422、428 パスローラ
424 ニップローラ
430 陰極
434 直流電源
436、438 給液ノズル
440 しゃへい板
442 排液口
610 陽極酸化処理装置
612 給電槽
614 電解処理槽
616 アルミニウム板
618、626 電解液
620 給電電極
622、628 ローラ
624 ニップローラ
630 電解電極
632 槽壁
634 直流電源
Claims (11)
- アルミニウム合金溶湯を溶湯供給ノズルを介して一対の冷却ローラの間に供給し、前記一対の冷却ローラによって前記アルミニウム合金溶湯を凝固させつつ圧延を行う連続鋳造により得られる平版印刷版用アルミニウム合金板であって、
0.10〜0.20質量%のSiと0.10〜0.40質量%のFeとを含有し、Siの固溶量が200〜600ppmであり、Feの固溶量が250ppm以下である、平版印刷版用アルミニウム合金板。 - Cuの含有量が0.02質量%以下である請求項1に記載の平版印刷版用アルミニウム合金板。
- 請求項1または2に記載の平版印刷版用アルミニウム合金板の表面に、電気化学的粗面化処理を含む粗面化処理を施して得られる平版印刷版用支持体。
- 前記粗面化処理が、前記電気化学的粗面化処理の前に、更にアルカリエッチング処理を含む請求項3に記載の平版印刷版用支持体。
- 前記電気化学的粗面化処理により生成するピットの径が、0.01〜1.5μmで均一である請求項3または4に記載の平版印刷版用支持体。
- 前記粗面化処理が、前記電気化学的粗面化処理の後に、更にアルカリエッチング処理を含む請求項3〜5のいずれかに記載の平版印刷版用支持体。
- 前記電気化学的粗面化処理の電流密度が5A/dm2以上であり、
前記電気化学的粗面化処理の後の前記アルカリエッチング処理による前記平版印刷版用アルミニウム合金板の表面の溶解量が0.1g/m2以上である、請求項6に記載の平版印刷版用支持体。 - 前記電気化学的粗面化処理が、硝酸を含有する電解液中で、台形波形の交流電流を用いる処理である請求項3〜7のいずれかに記載の平版印刷版用支持体。
- 前記電気化学的粗面化処理が、塩酸を含有する電解液中で、正弦波形の交流電流を用いる処理である請求項3〜7のいずれかに記載の平版印刷版用支持体。
- 前記粗面化処理が、硝酸を含有する電解液中でアノード反応における電気量の総和が65〜500C/dm2となる第一の電気化学的粗面化処理、前記平版印刷版用アルミニウム合金板の表面の溶解量が0.1g/m2以上となる第一のアルカリエッチング処理、塩酸を含有する電解液中でアノード反応における電気量の総和が25〜100C/dm2となる第二の電気化学的粗面化処理、および、前記平版印刷版用アルミニウム合金板の表面の溶解量が0.03g/m2以上となる第二のアルカリエッチング処理を含む請求項3に記載の平版印刷版用支持体。
- 請求項3〜10のいずれかに記載の平版印刷版用支持体上に画像記録層を設けてなる平版印刷版原版。
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