JP2019508585A - 成形のために最適化されたアルミニウム合金シート - Google Patents

成形のために最適化されたアルミニウム合金シート Download PDF

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Abstract

本発明は、成形プロセスのために調製された、片側又は両側表面構造を有するアルミニウム合金からなるストリップ又はシートに関し、特に、成形された自動車部品のためのストリップ又はシートに関する。製造が容易であり、後続の成形プロセスに関してトライボロジー特性が向上した、成形プロセスのために調製された表面構造を有するアルミニウム合金ストリップ又はシートを提供する目的は、電気化学的砂目立てプロセスによって生成された潤滑剤ポケットとしてへこみを有する表面を片側又は両側に有する、アルミニウム合金からなるストリップ又はシートで達成される。【選択図】図3

Description

本発明は、少なくとも幾つかの領域に設けられ、成形プロセスのために調製された、片側又は両側表面構造を有するアルミニウム合金からなるストリップ又はシートに関し、特に、成形された自動車部品のためのストリップ又はシートに関する。本発明は、アルミニウム合金からなる成形プロセスのために調製された片側又は両側表面構造を有するストリップ又はシートを製造するための方法、及び成形されたストリップ又はシートの対応する使用にも関する。
自動車産業においては、アルミニウム合金のシートは、自動車工学における軽量化の可能性を実現するためにますます使用されている。自動車部品製造のためのストリップ及びシートは、通常、AA7xxx、AA6xxx、AA5xxx又はAA3xxxタイプのアルミニウム合金から製造される。それらは、中程度から極めて高い強度、及び極めて良好な成形挙動を特徴とする。強度が本質的に材料特性であるのに対して、成形性は、とりわけ、材料特性、表面トポグラフィ、潤滑剤量、潤滑剤タイプ及びツール表面の組合せの影響を受ける。ここで、その成形性、例えば破断伸びを有する材料自体が最も重要である。しかし、さらに、ストリップ又はシートの表面トポグラフィ又は表面構造もかなり重要であり、シート表面の潤滑剤量も同様である。同時に、ツール材料、ツール表面、成形中の接触圧、温度及び成形速度もかなり影響する。ストリップ又はシートの製造中に既に最大成形性を提供するために、アルミニウム合金のストリップ及びシートは、通常、潤滑剤ポケットとして作用する凹所(独:Vertiefungen,英:recess)をストリップ又はシート表面の片側又は両側に導入するために、最終圧延パスにおいて表面構造が提供される。これらの潤滑剤ポケットによって、塗布された潤滑剤はシート表面に成形プロセスまで残り、シート又はストリップのより高い成形度を可能にする。成形中、潤滑剤は、潤滑剤ポケットからシートの別の領域に運ばれ、そこで局所的に十分な潤滑を確保することもできる。この目的のために、使用されるロールにはテクスチャが提供され、選択されたロール構成方法に応じて、異なるテクスチャがストリップ上にもたらされる。したがって、例えば、「放電テクスチャリング」(EDT)法によって形成される表面構造は、多数のピークを表面形状にもたらす。「電子線テクスチャリング」(EBT)法によって、制御された様式で分布する表面のへこみ(独:Vertiefungen,英:depression)を形成することができる。「ショットブラスティングテクスチャリング」(SBT)法によって、エンボスロールにテクスチャを付けることもできる。また、クロムの構造層やレーザーによってテクスチャが付けられた表面も使用される。すべての製造ステップに共通するのは、表面構造が、ロールエンボス加工ステップによって、ロールからアルミニウムストリップの表面に転写されることである。一般に、そうする際には、テクスチャを転写できるようにするために、ストリップの厚さを薄くする。
成形性に対する高い要求は、別の技術分野においても課され、例えば、AA3xxx又はAA5xxxアルミニウム合金からなる、飲料缶、特に缶の本体及び最上部の製造においても課される。
特許文献1は、アルミニウムストリップの表面構造にエンボス加工をする方法であって、ストリップの厚さを薄くせずに複数のパスによってテクスチャがエンボス加工される方法を開示している。さらに、石版印刷版支持体を使用するために、適切にロールエンボス加工されたシートを電気化学的砂目立て(独:elektro-chemischen Koernen,英:electrochemical graining)プロセスに供することもできると記述されている。しかし、石版印刷版支持体は、自動車に不向きであるだけでなく、更なる成形ステップも意図されていない。それどころか、これは、アルミニウムシートの完全に異なる適用分野であり、シートは、コーティングを施すために、また、印刷に使用するために、電気化学的に粗化される。いずれにしても、成形プロセスにおけるアルミニウム合金ストリップ又はシートの成形挙動の向上に関して、特許文献1は当業者に対して何ら情報を含んでいない。
特許文献2は、表面を粗化するための石版印刷版支持体の製造のためのアルミニウム表面の電気化学的砂目立てを開示している。直流を使用する電気化学的酸洗とは異なり、電気化学的砂目立ては、交流又はパルス直流を使用して行われる。その結果、酸洗プロセスが繰り返し中断され、表面は深くエッチングされないが、例えば、深い溝はエッチングされないが、表面のくぼみ(独:oberflaechliche Mulden,英:superficial well)のみが生成され、すなわち、表面が砂目立て又は粗化される。しかし、石版印刷版支持体は、更なる成形が意図されていない。
特許文献3は、ポリアミド層をシートに固定するのに役立つ深い微小溝が電解酸洗によってエッチングされた成形プロセス用圧延アルミニウムシートを製造する方法を開示している。シートの成形は、ポリアミド層によって容易になるとされている。しかし、本発明は、ポリアミドコーティングを有するシート及びストリップの提供に関係しない。その代わりに、例えば、自動車に使用されるストリップ及びシートが提供され、成形後に塗装される。したがって、ストリップ又はシートの成形性の向上は、ポリアミドのコーティングなしで得られる。
特許文献4は、アルミニウムストリップをフッ素樹脂でコーティングする方法であって、ストリップの表面が最初に直流を使用した電解でもエッチングされる方法を記述している。
特許文献5は、成形用に調製された自動車部品用アルミニウムストリップであって、表面が、例えばEDTでテクスチャ付けされたロールを使用して、従来法でロールエンボス加工された、アルミニウムストリップを開示している。
独国特許第602 13 567(T2)号 米国特許出願公開第2008/0102404(A1)号 特開昭63−141722号 特開平06−287722号 独国特許出願公開第103 45 934号
以下、本発明の目的は、容易に製造することができ、後続の成形プロセスに関してトライボロジー特性が向上した、成形プロセスのために調製された表面構造を有するアルミニウム合金ストリップ又はシートを提供することである。本発明の更なる一目的は、対応するアルミニウム合金ストリップ又はシートを製造する方法、及びその使用を提案することである。
本発明の第1の教示によれば、アルミニウム合金のストリップ又はシートに対する目的は、ストリップ又はシートが、電気化学的砂目立て方法によって生成された潤滑剤ポケットとしてへこみを有する表面を片側又は両側に有することで達成される。
本発明者らは、電気化学的砂目立て方法によって、アルミニウム合金ストリップ又はシートの表面に、シートの成形挙動をかなり向上させることができる、すなわち、シートのトライボロジー特性にかなりポジティブに影響する、潤滑剤ポケットを導入できることを見いだした。これは、最小厚さ0.8mmのシートの場合に特に興味深い。というのは、これらの厚さのシート又はストリップの場合、より薄いシート又はストリップよりも成形力が高いため、材料特性に加えて、特に表面特性も、成形中により重要になるからである。従来の機械的にエンボス加工された表面構造に比べて、電気化学的砂目立て表面は、かなり異なる構造を有することが判明した。さらに、アルミニウム合金ストリップの表面は、電気化学的砂目立てによって表面に導入されたへこみによって分散された、圧延された平坦状テクスチャを有する。これは、これまで使用された圧延された表面テクスチャ又はへこみとは明らかに異なる。電気化学的砂目立て中にアルミニウム合金ストリップ又はシートに導入されたへこみは、機械的エンボス加工法よりも包囲容積(独:eingeschlossenes Volumen,英:enclosed volume)が大きく、したがって換算くぼみ深さ(独:reduzierte Muldentiefe,英:reduced well depth)がかなり深い。先に圧延によって導入された表面構造、例えば「ミル仕上」表面構造に加えて、表面は、表面から極めて急激に部分的に落ち込んだ、アンダーカット又は負の開口角を部分的に有する、へこみを有する。へこみのこの形状は、特に電気化学的砂目立てによる製造方法に起因する。電気化学的砂目立てに起因するへこみの特異的な形状のために、本発明に係るアルミニウム合金ストリップ又はシートは、成形に使用される潤滑剤に対する受容挙動(独:Aufnahmeverhalten,英:receiving behaviour)が向上する。潤滑剤ポケットとして形成され、電気化学的砂目立てによってシートに導入されたへこみは、換算くぼみ深さがかなり深く、閉鎖空間体積がかなり大きい。この点で、より多量の潤滑剤を成形プロセスに供給することができる。これは、このようにして製造されるストリップ又はシートの成形性の向上にも反映される。さらに、電気化学的砂目立ては、大きい経済規模で使用することができ、したがって大量生産に適した方法である。
アルミニウム合金のストリップ又はシートは、好ましくは、最小厚さが0.8mmである。少なくとも0.8mmの厚さのアルミニウム合金ストリップ又はシートは、例えば、平面シートを使用に必要な特定の形状にするために、成形プロセス、例えば深絞りに供されることが多い。自動車分野における好ましい厚さは、1.0mm〜1.5mm又は最高2.0mmでもある。しかし、厚さ最高3mm又は最高4mmのアルミニウムシートも成形プロセスで成形され、自動車分野において、例えば、車台用途に、又は構造部品として、使用される。厚さが厚いほど、必要な成形力が高くなる。しかし、シートの成形性、その表面、及び材料に課される要求は、それとともに増加する。したがって、本発明に係る表面仕上げは、すべての厚さ範囲、特に0.8mmを超えるより厚い範囲において、成形結果の向上に寄与する役割を果たす。
更なる一実施形態によれば、ストリップ又はシートは、タイプAA7xxx、タイプAA6xxx、タイプAA5xxx又はタイプAA3xxxのアルミニウム合金、特にタイプAA7020、AA7021、AA7108、AA6111、AA6060、AA6016、AA6014、AA6005C、AA6451、AA5454、AA5754、AA5251、AA5182、AA3103又はAA3104のアルミニウム合金から少なくとも部分的になる。さらに、AlMg6合金も、好ましくは、ストリップ又はシートに使用することができる。最後に、上記合金で覆われた複合材料の、例えば、コア合金としての使用も考えられる。例えば、AA8079アルミニウム合金で覆われたタイプAA6016又はAA6060のコア合金は、電気化学的砂目立てによって表面処理なしで既に極めて良好な成形性を有する。これらの性質は、本発明に係る表面テクスチャによってさらに向上し得ると考えられる。上記アルミニウム合金に共通しているのは、それらが、通常、自動車に使用するのに好ましいということである。それらは、高い成形性、及び中程度から極めて高い強度の提供によって特徴付けられる。例えば、成形後の硬化によって、タイプAA6xxx又はAA7xxxのアルミニウム合金は、極めて高い強度を得ることができ、構造用途に使用される。タイプAA5xxxの上記アルミニウム合金、及び高含有量のマグネシウムを含むAlMg6は、硬化できないが、極めて良好な成形挙動に加えて、そのまま高強度値を有する。タイプAA3xxxの合金は、自動車工学において中程度の強度を与え、好ましくは、強度が最も重要であり、高い成形性が必要である部品に使用される。上記材料の場合、本発明に係るストリップ及びシートの成形挙動が特に向上し得ることが判明した。
AA3xxx合金、例えば、AA3104又はAA3103、及び上記AA5182だけでなく、合金AA5027又はAA5042などの一部のAA5xxxも、飲料缶の製造に使用され、したがって、極めて良好な成形性と同時に成形後の良好な表面特性を持たなければならない。したがって、AA3xxx及びAA5xxx、特に上記AA3104、AA3103、AA5182、AA5027又はAA5042のアルミニウム合金も、飲料缶製造における高度の成形を伴う成形手順中の特定の電気化学的砂目立て表面の恩恵を受けると考えられる。
上述したように、電気化学的砂目立て方法は、極めて特異的な表面トポグラフィ、すなわち潤滑剤ポケットとして作用する特異的形状のへこみをもたらす。面粗さ測定のEN ISO25178によれば、換算ピーク高さ(独:reduzierte Spitzenhoehe,英:reduced peak height)Spk、コア粗さ深さ(独:Kernrautiefe,英:core roughness depth)S及び換算くぼみ深さ(独:reduzierte Muldentiefe,英:reduced well depth)(換算溝深さとも呼ばれる)Svkを使用して、特異的に成形された表面トポグラフィを記述する。
3つの上記パラメータは全て、EN ISO25178に従っていわゆるアボット曲線から読み取ることができる。アボット曲線を得るために、表面は、通常、光学的に3次元で測定される。測定面に平行に広がる平面領域が、高さcにおける表面の測定3次元高さプロファイルに導入される。cは、好ましくは、測定面のゼロ位置までの距離として測定される。高さcの測定面を有する導入された平面領域の交差領域の表面積が計算され、全測定面積のうちの交差領域の面積分を得るために、全測定面積で割られる。この面積分を様々な高さcで求める。次いで、交差領域の高さがアボット曲線が誘導される面積分の関数として示される(図1)。
換算ピーク高さ(Spk)、コア粗さ深さ(S)及び換算くぼみ深さ(Svk)は、アボット曲線によって求めることができる。3つのパラメータは全て、異なる表面特性を表す。特に、換算くぼみ深さ(Svk)は、成形挙動の向上と相関することが判明した。
アボット曲線は、通常、圧延表面の場合、S字状のコースを有する。アボット曲線のこのS字コースにおいて、長さが実質部分の40%である割線を、増加量が最小になるまでアボット曲線内で移動させる。これは、通常、アボット曲線の変曲点における場合である。0%又は100%実質部分までのこの直線の延長は、それぞれ0%及び100%実質部分における高さcの2つの値をもたらす。2つの点の垂直距離は、プロファイルのコア粗さ深さSを示す。換算くぼみ深さSvkは、アボット曲線の谷面と同一の広がりを有する、底辺の長さが100%−Smr2である、三角形Aから得られる。ここで、Smr2は、割線の延長と100%横軸との交点を通るX軸の平行線とアボット曲線の交点から得られる。面積測定においては、この同一の広がりを有する三角形の高さは、換算くぼみ深さSvkに相当する(図1)。
換算ピーク高さSpkは、アボット曲線の先端面と同一の広がりを有し、底辺の長さがSmr1である、三角形の高さである。Smr1は、上記割線の延長と0%軸との交点を通るX軸の平行線とアボット曲線の交点から得られる。
面積測定においては、パラメータS、Spk及びSvkによって、プロファイルをコア領域、ピーク領域及び溝領域又はくぼみ領域に関して別々に考察することができる。
テクスチャのくぼみ密度nclmを、表面の更なるパラメータとして使用することもできる。くぼみ密度は、測定高さcの関数としての1mm当たりの閉鎖空間体積の、すなわちへこみ又はくぼみの最大数を指す。なお、測定高さcは、アボット曲線にも示された値cに相当する。すなわち、100%では、測定高さcは、表面の最高高度に対応し、0%では、表面形状の最低点に対応する。
以下が適用される。
cl(c)=所与の測定高さc(%)における単位面積当たりの閉鎖空間領域の数(1/mm)、
及び
clm=MAX(ncl(c))、
ここで、nclmは、単位面積当たりの閉鎖空間領域の最大数(1/mm)に相当し、c=0〜100%である。
最後に、表面の閉鎖空間体積Vvclも表面を特徴づけるのに使用される。それは、例えば潤滑剤に対する、表面の受容容量を決定する。閉鎖空間体積は、閉鎖空間面積Avcl(c)を測定高さcの関数として求めることによって決定される。次いで、閉鎖空間体積Vvclは次式から得られる。
表面は、表面のトポグラフィの歪度Sskによって記述することもできる。これは、測定面が、へこみを含む平坦状構造を有するかどうか、又は高所若しくはピークを有する表面が形成されるかどうかを示す。DIN EN ISO25178−2によれば、Sskは、縦軸の値の平均立方と平均正方形高さSの立方の商である。以下が適用される。
式中、Aは、測定の制限表面部であり、zは、測定点の高さである。以下がSに適用される。
skが0未満である場合、へこみによって画定される平坦状表面が存在する。Sskが0を超える場合、表面は、ピークによって画定され、平坦状表面部が存在しないか、極めて小さな平坦状表面部しかない。
好ましい一実施形態によれば、ストリップ又はシートの少なくとも1つの表面は、換算くぼみ深さSvkが1.0μm〜6.0μm、好ましくは1.5μm〜4.0μm、より好ましくは2.2μm〜4μmである。換算くぼみ深さが1.0μm〜6.0μmの場合、従来法のロールエンボス加工表面構造に比べて少なくとも1/4倍の換算くぼみ深さSvkを、アルミニウム合金の本発明に係るストリップ又はシート上で与えることができる。換算くぼみ深さに好ましく選択される値によって、ラッカー塗装後の、後続の表面特性、例えば表面外観(独:Oberflaechenanmutung,英:surface impression)に影響を及ぼさずに、成形挙動を向上させることができる。
本発明に係るストリップの更なる一実施形態によれば、閉鎖空間体積Vvclは、好ましくは少なくとも450mm/m、好ましくは少なくとも500mm/mである。実際的な上限としては、1000mm/m又は800mm/mと考えることができる。しかし、1000mm/mを超える値も考えられる。したがって、本発明に係るストリップ表面は、これまで用いられた従来の表面よりもかなり多くの潤滑剤を成形プロセスに供給することができる。
更なる一実施形態によれば、本発明に係るアルミニウム合金ストリップは、表面のくぼみ密度nclmが、従来法で生成された表面テクスチャ、例えば、EDTテクスチャに比べて少なくとも25%増加する。表面のくぼみ密度は、好ましくは1mm当たり80個〜180個のくぼみ、好ましくは1mm当たり100個〜150個のくぼみである。
アルミニウム合金ストリップの更なる一実施形態は、表面のトポグラフィの歪度Sskが0〜−8、好ましくは−1〜−8である。その結果、これによって、表面は、へこみが設けられて潤滑剤ポケットを与える平坦状構造を確実に有する。この表面トポグラフィは、特に歪度−1〜−8の場合、例えば、「ミル仕上」ロール表面を電気化学的砂目立てすることによって得られ、好ましい成形挙動を有する。
本発明に係るストリップ又はシートの更なる一実施形態によれば、ストリップ又はシートは、焼鈍状態(「O」)、溶体化焼鈍及び急冷状態(「T4」)、又はH19状態若しくはH48状態である。どちらの状態も最大成形性を有し、ストリップ又はシートの新規な表面構造と一緒に、成形性を高めることができる。状態「O」は、あらゆる材料によって与えられるが、硬化性材料、例えば、AA6xxx合金は、溶体化処理され、次いで急冷される。この状態をT4として表す。しかし、一般に、どちらの状態も、好ましくは、成形プロセスに意図される。というのは、この状態においては、シート又はストリップによって、それぞれの材料に応じて、最大の成形度が可能であるからである。さらに、状態T4においては、強度増加が硬化によって可能になる。缶製造用合金は、好ましくは状態H19又は状態H48であり、その結果、成形後及び更なる加工後に必要強度を飲料缶に提供することができる。
更なる一実施形態によれば、ストリップ又はシートは、電気化学的砂目立て後に施される不動態化層を有する。この不動態化層は、通常、アルミニウムストリップ又はシートの表面を腐食から保護するクロマート非含有変換材料からなる。したがって、特定の不動態化層は、変換層である。電気化学的砂目立て後に施される不動態化は、ストリップ又はシートの成形プロセスに対する潤滑剤ポケットの供給に影響せず、そのため、不動態化ストリップ及びシートも、成形操作に対して最適化された表面を備えることができる。
不動態化の一代替として、アルミニウムシート又はストリップの少なくとも幾つかの領域にアルミニウムストリップ又はアルミニウム合金シートを腐食から保護する保護オイルを施すことができる。
更なる一実施形態によれば、ストリップ又はシートは、表面の少なくとも幾つかの領域に、成形助剤、特に後続の成形プロセスにおいて保護層及び潤滑剤として働き得る乾性潤滑剤を有する。その結果、保護層のおかげで取扱いも容易であると同時に、特に貯蔵可能な製品を提供することができる。
本発明の第2の教示によれば、上記目的は、アルミニウム合金ストリップ又はシートを製造する方法で達成され、アルミニウム合金からなる熱間圧延及び/又は冷間圧延されたストリップ又はシートが、圧延後に片側又は両側の電気化学的砂目立てプロセスに供され、前記電気化学的砂目立てプロセスが、均一に分布するへこみを潤滑剤ポケットとしてアルミニウム合金からなるストリップ又はシートに導入する。しかるべく製造されたアルミニウム合金ストリップ又はシートは、特定の表面を有する。ストリップ又はシートの圧延されたテクスチャは、電気化学的砂目立てによって導入された追加導入のへこみを除いて保持される。圧延テクスチャは、例えば「ミル仕上」表面の場合、均一に分布するへこみが潤滑剤ポケットとして存在する平坦状表面を形成する。したがって、本発明に係るアルミニウム合金ストリップ又はシートは、テクスチャロールエンボス加工の結果としてそのテクスチャが平坦状に形成されない従来法で製造されたアルミニウム合金ストリップ又はシートとはかなり異なる。
ストリップ又はシートは、好ましくは、成形手順、例えば深絞りに供される。実際には、深絞りは、通常、深絞り及び引張り成形部を含む。なお、アルミニウム合金ストリップ又はシートは、前もって成形助剤、例えば、潤滑剤又は乾性潤滑剤で被覆することができ、最適化された表面構造及び改善された潤滑剤コーティングのために、潤滑剤ポケットに存在する潤滑剤によって、更に良好な成形挙動が得られる。
アルミニウム合金ストリップ又はシートの更なる一実施形態によれば、ストリップ又はシートの表面の平均粗さSは、0.5μm〜2.0μm、好ましくは0.7μm〜1.5μm、より好ましくは0.7μm〜1.3μm、又は好ましくは0.8μm〜1.2μmである。自動車の内部部品用のシート又はストリップは、好ましくは、平均粗さSが0.7μm〜1.3μmであり、自動車の外部スキン部分は、平均粗さSが0.8μm〜1.2μmである。その場合、自動車の外部及び内部部品は、極めて良好な表面外観がなされる。
さらに、熱間圧延及び/又は冷間圧延されたストリップ又はシートは、好ましくは、最小厚さが0.8mmである。厚さが少なくとも0.8mmのアルミニウム合金ストリップ又はシートは、例えば、平面シートを使用に必要な特定の形状にするために、成形プロセス、例えば深絞りプロセスに供されることが多い。さらに、自動車分野における好ましい厚さも、例えば、ドア、ボンネット、ハッチなどの取付け部品の場合、1.0mm〜1.5mmであるが、構造部品、例えば、フレーム構造又は車台の部品などの場合、2mm〜3mm又は最高4mmである。対応するシートは、成形プロセスに供され、自動車分野において、例えば、車台用途に、又は構造部品として、使用される。シートの厚さが厚いほど、必要な成形力が高くなる。それによって、ツールにおける表面摩擦も成形中に増加する。厚さが増加すると、シート又はストリップの成形性に課される要求も高くなる。したがって、表面仕上げは、最大成形結果を得るのに寄与する役割を果たす。特にシート厚さ1.0mm〜1.5mmの取付け部品には、高い成形要件が要求される。というのは、ここでは、目に見えることが多いシートの個々の成形のオプションが極めて重要であるからである。
しかし、より薄いストリップ又はシート、例えば、厚さ0.8mm未満、例えば0.1mm〜0.5mmの飲料缶の製造用ストリップは、本発明に従って導入された表面構造の恩恵を受けることができる。というのは、例えば、飲料缶の製造中、アルミニウム合金ストリップ及びシートの成形性の制限が、通常、ほぼなくなっているからである。本発明に係る成形に最適化された表面を有する製造されたアルミニウム合金ストリップも、これらの薄いシートの成形の更なる向上を可能にすると考えられる。
上述したように、公知の先行技術とは対照的に、アルミニウムストリップの表面構造は、電解質を用いた電気化学的砂目立て方法によって行われる。電荷担体の導入及び電流密度を使用して、追加の圧延ステップなしに表面構造及び粗化表面の部分を調節することができる。
この方法は、取扱いが容易なだけでなく、大きい処理量に効果的に拡大することもできる。
本発明に係る方法の第1の実施形態によれば、電気化学的砂目立てを使用して、好ましくは、ストリップ又はシートの表面に換算くぼみ深さSvk1.0μm〜6.0μm、好ましくは1.5μm〜4.0μm、より好ましくは2.2μm〜4.0μmのへこみを導入する。対応する表面トポグラフィを有するストリップは、クロスツールを用いた絞り試験において特性が向上することが判明した。アルミニウムシート又はストリップのトライボロジー特性は、それによって向上することができる。限定されたへこみ深さSvkが1.5μm〜4.0μm又は2.2μm〜4.0μmの場合、後続の表面特性、例えばラッカー塗装後の表面外観に影響を及ぼさずに、成形挙動を向上させることができる。
更なる一実施形態によれば、電気化学的砂目立て前に、ストリップ又はシートは、好ましくは、清浄化ステップに供され、アルカリ洗又は酸洗によって、場合によっては更に脱脂剤を用いて、表面が清浄化され、材料が均一に除去される。材料除去は、実質的に、圧延によって導入された表面の混入物を除去すると考えられ、そのため、最も適切な表面が電気化学的砂目立てプロセスに利用可能になる。
電気化学的砂目立ては、好ましくは、濃度2〜20g/l、好ましくは2.5〜15g/lのHNOを用いて、少なくとも200C/dm、好ましくは少なくとも500C/dmの電荷担体を導入して、行われる。電流密度は、少なくとも1A/dmから好ましくは最高60A/dm又は100A/dmとすることができる。ここで述べるのは、ピーク交流密度又はパルス直流のピーク電流密度である。上記パラメータを用いて、経済的な加工時間、及び75℃未満、好ましくは室温〜50℃又は40℃の範囲の電解質温度を観測しながら、砂目立て領域の良好な表面被覆を達成することができる。硝酸の代替として塩酸を電解質として使用することもできる。
電気化学的砂目立て後に、ストリップ表面が、好ましくは変換層及び/又は成形助剤を適用することによって不動態化される、本発明に係る方法を更に構成することができる。成形助剤は、例えば、場合によっては溶融可能である潤滑剤及び乾性潤滑剤を意味すると理解される。変換層及び成形助剤は、保護層として形成することができ、個々に又は同時に耐食性を向上させ、したがってストリップ又はシートの貯蔵性を向上させる。成形助剤は、成形性も向上させる。さらに、変換層の一代替として、保護オイルを少なくとも幾つかの領域に塗布して、アルミニウム合金ストリップ又はシートの表面を腐食から保護することもできる。変換層の適用は、好ましくは溶融可能な成形助剤、特に溶融可能な乾性潤滑剤、例えば、いわゆる「ホットメルト」の適用と組み合わせることが好ましい。
上記プロセスステップの少なくとも一部が共通製造ラインで行われる場合、対応するストリップ表面又は対応するアルミニウム合金ストリップ若しくはシートの特に経済的な製造を提供することができる。同様に製造されたストリップ及びシートは、同時に、腐食及び機械的損傷から保護されるので、貯蔵可能であり、容易に取り扱うこともできる。
好ましくは、焼鈍後、又は溶体化処理及び急冷後、ストリップ又はシートを電気化学的に砂目立てする。これは、熱処理が電気化学的砂目立てプロセス後にシートの表面特性に悪影響を及ぼさず、成形要件に関して最適化されたストリップ又はシートを提供できる利点がある。しかし、場合によっては、電気化学的砂目立てによる表面テクスチャリングを最終焼鈍プロセス前に、すなわち焼鈍前に、又は溶体化処理及び急冷前に、行うこともできる。
本発明に係る方法の更なる一実施形態によれば、好ましくは、以下の方法ステップ、
− ストリップをリールから巻き戻すこと、
− ストリップを清浄化及び酸洗すること、
− ストリップを電気化学的砂目立てすること、及び、
− 少なくとも幾つかの領域において、成形助剤及び/又は変換層、又は保護オイルを適用すること、
は、製造ラインで行われる。
これらの製造ステップの結果として、貯蔵可能なアルミニウム合金ストリップ及びシートを経済的に提供することができる。成形プロセス用に調製されたアルミニウム合金ストリップ及びシートの表面の特性は、貯蔵中、実質的に不変である。潤滑剤、特に乾性潤滑剤、例えばホットメルトが、成形助剤として使用される。室温(20〜22℃)で、これらは、鉱油、合成油及び/又は再生可能原料に基づいて、非流動でペースト状のほぼ指触乾燥の薄膜をストリップ又はシートの表面に形成する。保護オイルに比べて、ホットメルトは、特に深絞り中の、潤滑性が向上する。
最後に、第3の教示によれば、上記目的は、本発明に係るストリップ又はシートから製造され、アルミニウム合金からなる、自動車の成形シートによって達成される。
成形シート、特に自動車の部品は、ある程度、極めて高い成形度を必要とし、それは、本発明に係るストリップ又はシートによって提供することができる。成形度は、最終製品、すなわち成形シート上でも少なくとも依然としてある程度維持されるシート又はストリップの特定の表面構造によって達成される。これは、特定の成形プロセスに依存する。成形性の向上のおかげで、アルミニウム合金シートのより大きな汎用性によって、自動車の可能な更なる軽量化を達成することができる。特に、シートに課された成形上の要求、すなわち設計に起因する成形要件は、アルミニウム合金シートによってより効果的に満たすことができる。
本発明を図面と併せて実施形態を参照して以下により詳細に記述する。
アボット曲線を用いたパラメータS、Spk及びSvkの決定を模式的に示す図である。 本発明に係らない一実施形態の顕微鏡画像である。 本発明に係るストリップ表面の一実施形態の顕微鏡拡大画像である。 本発明に係る方法の実施のための製造ラインの一実施形態を模式的に示す図である。 本発明に係るストリップ又はシートの一実施形態の模式的断面図である。 成形挙動を測定するためのクロスツールを用いた絞り試験の試験装置の模式的斜視断面図である。 シートの円形ブランク径の関数として、クロスツールを用いた絞り試験中の最大シート保持力(kN)を示す図である。 潤滑剤の使用が通常である、又は極めて高い、異なる円形ブランク径での最大シート保持力を示す図である。 最大シート保持力(kN)を潤滑剤の塗布量(g/m)の関数として示す図である。
図1は、コア粗さ深さS、換算くぼみ深さSvk及び換算ピーク高さSpkのパラメータ値をアボット曲線から計算する方法を示す。DIN−EN−ISO25178によれば、測定は、標準化測定領域で行われる。通常、光学的測定法、例えば共焦点顕微鏡法を使用して、測定領域の高さプロファイルを計算する。測定領域の高さプロファイルによって、測定領域に平行な領域と高さcで交差する、又は領域の上を延びる、プロファイルの面積分を計算することができる。総面積に対する交差領域の面積分の関数として交差領域の高さcを示すと、圧延表面に対して典型的なS字コースを示すアボット曲線が得られる。
それぞれコア粗さ深さS、換算くぼみ深さSvk及び換算ピーク高さSpkを求めるために、長さ40%の割線Dを、確定されたアボット曲線上で、割線Dの増加量が最小になるように移動させる。表面のコア粗さ深さSは、面積分0%及び面積分100%における割線Dと横軸の交点の横軸値の差から得られる。換算ピーク高さSpk及び換算くぼみ深さSvkは、アボット曲線のピーク面積A1又は溝面積A2と同一の広がりを有する三角形の高さに相当する。ピーク面積A1の三角形は、X軸の平行線とアボット曲線の交点から得られる値Smr1を底面積として有し、X軸の平行線は、面積分0%における割線Dと横軸の交点を通る。溝面積又はくぼみ面積A2の三角形は、値100%−Smr2を底面積として有し、Smr2は、X軸の平行線とアボット曲線の交点から得られ、X軸の平行線は、面積分100%における割線Dと横軸の交点を通る。
これらの特性値を使用して、測定プロファイルを特徴づけることができる。それがへこみを有する平坦状高さプロファイルであるかどうか、又は、例えば、ピークが測定領域の高さプロファイルで際立っているかどうか、判定することができる。前者の場合、Svkの値が増加し、後者の場合、Spkの値が増加する。
表面の更なるパラメータとして、テクスチャのくぼみ密度nclmを、測定高さcの関数として閉鎖空間体積の、すなわちへこみ又はくぼみの最大数nclmに関する表面の光学的測定から計算することができる(パーセント/mm)。これは、所与の測定高さc(%)における単位面積当たりの閉鎖空間領域の数(1/mm)を与える。最大nclmは、ncl(c)から求められる。nclmが大きいほど、表面構造が細かい。
さらに、閉鎖空間面積Avcl(c)を測定高さcに関して積分することによって、閉鎖空間体積Vvclを光学的測定によって計算することもできる。閉鎖空間体積も、本発明に係るストリップ及びシートの特徴的な表面特性である。
上述したように、表面の粗さをこのようにして光学的に測定し、サンプリングを接触測定よりもかなり速く行うことができる。光学的検出は、例えば、干渉法又は共焦点顕微鏡法によって行われ、本測定データでも同様に行われた。EN ISO25178−2によれば、測定領域のサイズも確立されている。測定データは、辺の長さがそれぞれ2mmの正方形測定領域で計算された。
例えばEDTで構築されたロールで粗化された従来のストリップと、本発明に従って構造化されたストリップとの相違を説明するために、図2に、従来のストリップ表面の250倍拡大図を示す。他方、図3は、電気化学的砂目立て方法によって生成された本発明に係るストリップ表面の一実施形態をやはり250倍で示す。一方では、電気化学的砂目立てにおける構造がより細かく、平坦状表面のへこみからなることが明瞭に見られる。図2に示した従来のロールエンボス加工に対して、本発明に係る電気化学的砂目立てにおいては、ピークが材料に導入されないが、圧延表面、ここではミル仕上表面が、へこみの導入によってのみ変化又は変調されている。電気化学的砂目立てによって生成したへこみは、閉鎖空間体積がより大きいために、より多くの潤滑剤を成形プロセスに供給することができ、したがって成形性が向上すると現時点では考えられる。より大きなくぼみ深さSvkは、表面応力が大きくとも、明らかに、成形中に潤滑剤を供給することができ、したがって成形挙動を向上させることも判明した。
図4に、本発明に係るストリップBを製造する製造ラインの模式図を用いて、方法の第1の実施形態を示す。示した実施形態においては、好ましくはタイプAA7xxx、タイプAA6xxx又はタイプAA5xxx又はタイプAA3xxx、特にAA7020、AA7021、AA7108、AA6111、AA6060、AA6014、AA6016、AA6106、AA6005C、AA6451、AA5454、AA5754、AA5182、AA5251、AA3104、AA3103又はAlMg6のアルミニウム合金から少なくとも部分的になるストリップBが、リール1から巻き戻される。ストリップの厚さは、例えば、自動車分野に使用する場合、好ましくは、少なくとも0.8mm、最大で3mm、好ましくは1.0mm〜1.5mmである。原則的には、厚さは、例えば、飲料缶製造用ストリップの場合、0.1mm〜0.5mmとすることもできる。最大成形度を必要とする飲料缶製造中の成形挙動の向上は、これらの薄いストリップの場合でも明白である。
本実施形態によれば、リール1から巻き戻されたストリップは、タイプAA5xxx、AlMg6若しくはAA3xxxのアルミニウム合金である場合、好ましくは焼鈍状態「O」であり、タイプAA6xxx若しくはAA7xxxのアルミニウム合金の場合、溶体化処理及び急冷状態「T4」状態である。したがって、ストリップは、特に効果的に成形可能な状態に既にある。しかし、表面加工後又はへこみの導入後に熱処理を行い、その際、圧延ストリップの表面を加工することも考えられる。さらに、飲料缶製造のためのタイプAA5xxx又はAA3xxxのストリップ及びシートは、それらが成形される前に状態H19でもあり、又は状態H48でラッカー塗装もされる。
実施形態によれば、巻き戻されたアルミニウム合金ストリップBは、任意選択のトリミング手順に送られて、側端2を切り取る。その後、ストリップは、場合によっては、矯正装置を通過して、ストリップからゆがみを除去する。装置4においては、ストリップは、清浄化ステップ及び酸洗ステップに供される。エッチング液として、鉱酸を使用することができるが、例えば苛性ソーダに基づく、塩基を使用することもできる。これは、電気化学的砂目立てに対するストリップの反応を向上させることができる。酸洗ステップ4も任意である。リンス後、アルミニウムストリップは、電気化学的砂目立てプロセスをステップ5において受け、へこみが表面に導入される。電気化学的砂目立て中、へこみがストリップに導入され、電解質とアルミニウム合金ストリップの反応の結果として、対応する箇所でアルミニウムが溶出する。電気化学的砂目立ては、好ましくは、くぼみ深さSvkが1.0μm〜6.0μm、好ましくは1.5μm〜4.0μm、より好ましくは2.2μm〜4.0μmになるように調節される。これらの特性値を有する場合、アルミニウム合金ストリップの成形挙動は、後続の成形プロセスにおいて極めて良好であることが判明した。
電気化学的砂目立ては、好ましくは、濃度2.5〜20g/l、好ましくは2.5〜15g/lのHNO(硝酸)を用いて、周波数50Hzの交流で行われる。電荷担体の導入は、電気化学的に導入されたへこみで満足な表面被覆を得るために、好ましくは少なくとも200C/dm、好ましくは少なくとも500C/dmである。この目的のために、少なくとも1A/dm、好ましくは最高100A/dm以上をピーク電流密度として使用する。電流密度及び電解質濃度の選択は、製造速度に依存し、それに応じて調節することができる。特に、反応性、したがって製造速度も、電解質の温度によって影響され得る。電解質は、好ましくは、最高温度75℃とすることができる。硝酸を電解質として使用するときには、好ましい作業範囲は室温〜約40℃、最高50℃である。硝酸に加えて、塩酸も電解質として適切である。
ストリップBの表面は、好ましくは、ステップ6において両側が電気化学的砂目立てに供される。しかし、対応する表面構造を片側にのみ導入することも考えられる。その後、作業ステップ6においては、図5に示した実施形態に従って、保護オイルを塗布することができ、又はアルミニウム合金ストリップの表面を、例えば変換層を適用することによって、不動態化することができる。これらの加工ステップも任意である。
乾燥手順が好ましくはステップ7で行われた後、示した実施形態に係るステップ8において、成形助剤を有する任意選択の層がストリップに、好ましくはその両側に、適用される。成形助剤は、好ましくは、潤滑剤、特に溶融可能な乾性潤滑剤、例えばホットメルトである。保護層及び潤滑剤としての溶融可能な乾性潤滑剤は、本発明に係るアルミニウム合金ストリップ又はシートの取扱いを簡単にすることができ、同時に、成形性を更に向上させることができる。例えば、羊毛脂を、再生可能な原料からの乾性潤滑剤として使用することもできる。
ストリップBをリール11で巻き取る代わりに、ベルト剪断機10でストリップを切断してシートにすることができる。ステップ9においては、表面欠陥を早期に検出できるように、ストリップの欠陥を視覚的に検査する。
上述したように、図4の実施形態は、同じ製造ラインで順次列をなして行われる幾つかの任意選択の作業ステップを示す。したがって、図4の実施形態は、本発明に係る方法の特に経済的な変形形態である。しかし、ステップ1に係るストリップの巻き戻し及びステップ5に係る電気化学的砂目立てと、巻取り又はシート金属ブランクへの切断の操作とを単に組み合わせることも考えられる。原則的には、シート金属ブランクの電気化学的砂目立ても考えられる。
図5は、表面の両側に導入されたへこみ12及び溶融可能な乾性潤滑剤の塗布層13を有する本発明に係るストリップBの一実施形態の模式的断面図である。対応するストリップBは、最大成形性を有し、さらに、表面が保護されているので、容易に貯蔵することができる。対応するストリップBは、片側が砂目立てされた表面も有し、表面が成形プロセスに対して最大限に保護され、成形手順を大いに助けるので、自動車の外部スキン部分として使用することもできる。ストリップBから製造されるシートは、表面保護のおかげで成形プロセスにおいて極めて良好な取扱い能力を有する。
成形プロセスにおいて電気化学的砂目立て表面を有するシートの成形性を試験するために、クロスツールを用いた絞り試験を行った。図6aは、クロスツールの構造の斜視断面図である。クロスツールは、パンチ21、留め具22及びダイ23を備える。試験されるシート24を、従来法によって、例えば、EDT圧延のみによって、又は本発明に係る電気化学的砂目立てのみによって、更にはEDT圧延に加えて、粗化した。
クロスツールにおける絞り試験中、円形ブランクとして成形されたシート24は、パンチング力FSTによって深絞りされ、留め具22及びダイ23は、円形ブランクに力Fで押しつけられる。クロス形パンチ21は、それぞれ、クロスの軸に沿った幅が126mmであり、ダイは、開口幅が129.4mmである。円形シートブランク24は、種々のアルミニウム合金から製造され、様々な直径を有する。円形シートブランクは、成形挙動を調べるために、様々な表面トポグラフィも備えた。
比較例の表面トポグラフィは、EDTでテクスチャ付けされたロールを用いたロールエンボス加工による従来法によって、又は「ミル仕上」表面を有するロールを用いた圧延によって、生成された。EDTロールによって刻印された表面、及び「ミル仕上」調製表面を、粗化手順の技術的効果を示すために、本発明に係る方法によって電気化学的に粗化した。
試験では、パンチ21を速度1.5mm/sでシート方向に下げ、シート24をパンチの形状に従って深絞りした。パンチ力及びパンチパスを試料が裂けるまで測定し、記録した。亀裂なしで形成することができる円形ブランクの直径が大きいほど、シートの成形性が良好である。
最後に、表面トポグラフィが異なるシートをタイプAA5xxx及びタイプAA6xxxのアルミニウム合金から製造し、それらの表面パラメータを共焦点顕微鏡を用いて測定した。タイプAA5xxxのアルミニウム合金のストリップは状態「O」であり、タイプAA6xxxのアルミニウム合金のストリップは状態「T4」であった。タイプAA5182のアルミニウム合金をAA5xxxとして使用した。AA6xxx合金のアルミニウム合金は、タイプAA6005Cのアルミニウム合金に対応した。合金のタイプ内の異なる組成の影響を除外するために、試験V1〜V4をタイプAA6005Cの同一のアルミニウム合金を用いて行い、試験V5〜V8をタイプAA5182の同一のアルミニウム合金を用いて行った。
EDTでテクスチャ付けされたロールで粗化されたシート、及び「ミル仕上」表面を備えたシートを、更に電気化学的砂目立てに供し、試験V3及び試験V4と称した。電気化学的砂目立て中、500C/dmの電荷担体をHNO濃度2.5g/l〜15g/lで導入し、へこみが均一に分布したシートを試験V3及び試験V4のために製造した。電気化学的砂目立てシートの表面のくぼみ深さSvkは、1.0μm〜6.0μmであった。すべての表面を商品名AVILUB Metapressタイプの潤滑剤で被覆した。層厚さは1g/mであった。以下の表に4種の表面及び関連するシート厚さを示す。
次いで、試料をその成形挙動に関してクロスツールで試験した。すべての試験を状態T4、すなわち溶体化処理及び急冷状態で行った。クロスツールを用いた絞り試験においては、シートが絞り手順中に裂ける際のシート保持力を測定する。V1に係る「ミル仕上」表面を有する円形シートブランクの場合、保持力45kNが円形ブランク径185mmで得られることが分かった。ロールエンボス加工円形シートブランクは、同じ円形ブランク径で55kNの保持力であった。試験V4に係るEDTロールエンボス加工表面の更なる粗化によって同じ結果が得られることが分かった。V3に係る「ミル仕上」表面とそれに続く電気化学的砂目立ての組合せでは、65kNを超えるシート保持力でのみ、亀裂が発生した。これは、EDT変形形態V2及び変形形態V4に比べて、成形挙動のかなりの向上である。
4つの試験変形形態V1〜V4をクロスツールを用いた更なる絞り試験にも供し、絞りフィルムを更に両側に使用した。厚さ45μmの従来のPTFE深絞りフィルムを絞りフィルムとして使用した。第3の変形形態においては、絞り試験前にシートを極めて多量の潤滑剤(8g/m)で被覆し、絞りフィルムを用いて、絞り試験をクロスツールで行った。その結果、異なる表面の効果が抑制されたはずである。
図8に試験結果を示す。電気化学的砂目立てによっても粗化されたシートV3及びV4の表面の場合に絞りフィルムを使用すると、シート保持力が、シートV1及びV3の非粗化表面に比べてかなり増加し得ることが分かる。ここで、520kN及び円形ブランク径185mmの変形形態V4が最高値を示し、490kNの変形形態V3が続くことが分かる。変形形態V2の410kN及び変形形態V1の385kNではかなり低い値となった。絞りフィルムなしでは、シート保持力は、4つの試験変形形態すべてでほぼ同一である。
円形ブランク径195mmの試験においては、8g/mの多量の潤滑剤コーティングを用いた両側絞りフィルムの場合、予想どおりに、壁厚がより厚いV1及びV3に係るシートは、壁厚がより薄い試験V2及び試験V4のロールエンボス加工シートよりも高い値を示すことが分かった。予想どおりに、高い割合の潤滑剤(8g/m)の使用による試験V1〜V4の異なる表面トポグラフィの効果を無視すると、クロスツールを用いた絞り試験におけるシートの成形性は、シートの壁厚にのみ依存する。
図9においては、潤滑剤の添加が、異なる表面トポグラフィの成形性をどのように向上させるかを調べた。電気化学的砂目立て変形形態は、潤滑剤の添加に対してかなり強力な効果を示すことが分かり、そのため、より多量の潤滑剤量を塗布することができ、より大きな潤滑剤効果が得られると考えられる。クロスツール試験では、V3に係る電気化学的砂目立て「ミル仕上」表面の場合のシート保持力を約85kNに増加することができた。V4に係る電気化学的砂目立てされEDTでテクスチャ付けされた表面は80kNであり、V2に係る従来のEDTでテクスチャ付けされた表面は70kNであった。それに対して、V1に係る従来の「ミル仕上」表面は、この試験では最大でわずか約55kNであった。
最後に、トポグラフィが異なるシートをタイプAA5xxx及びタイプAA6xxxのアルミニウム合金から製造し、それらの表面パラメータを共焦点顕微鏡を用いて測定した。タイプAA5xxxのアルミニウム合金のストリップは状態「O」であり、タイプAA6xxxのアルミニウム合金のストリップは状態「T4」であった。AA5xxxとして、タイプAA5182のアルミニウム合金を使用した。AA6xxx合金のアルミニウム合金は、タイプAA6005Cのアルミニウム合金に対応する。
試験V2、V6は、従来法によりEDTロールを用いてテクスチャ付けされた。試験V1及び試験V5は、従来の「ミル仕上」表面であった。表2から分かるように、EDTでテクスチャ付けされた表面を電気化学的砂目立てプロセスに供し、試験V4及び試験V8として評価した。同じことを両方のアルミニウム合金の「ミル仕上」表面を有するシートで行った。電気化学的砂目立てシートを試験V3及び試験V7として評価した。電気化学的砂目立て中、HNO濃度4g/lを電荷担体導入500C/dmで試験V3及び試験V4に使用し、HNO濃度5g/l、電荷担体導入900C/dmを試験V7及び試験V8に使用した。電解質温度は、すべての変形形態で30℃〜40℃であった。
試験シートの表面の視覚的測定においては、予想どおりに、EDTでテクスチャ付けされたロールによって従来法で製造されたシートV2、V6は、算術平均粗さ値S及び換算ピーク高さSpkが、「ミル仕上」表面を有する試験V1及び試験V5のストリップよりもかなり高い値であることが認められる。しかし、電気化学的砂目立ての実施形態V3、V4、V7及びV8は、平均粗さSがおよそ試験V2及び試験V6のEDT表面テクスチャのレベルであった。測定値を表2に示す。
しかし、従来のテクスチャとは対照的に、電気化学的砂目立てにおいては、換算くぼみ深さSvkの値が4倍以上増加し、ここでは少なくとも5倍である。これは、テクスチャの相違を明示している。
潤滑剤ポケットにおける潤滑剤の供給体積である閉鎖空間体積Vvclは、従来法でEDT圧延によってテクスチャ付けされたストリップが362mm/m又は477mm/mであり、「ミル仕上」変形形態V1及び変形形態V5の151mm/m又は87mm/mよりも大きい。
しかし、本発明に係る電気化学的砂目立ての実施形態V3、V4、V7及びV8は、少なくとも500mm/mの閉鎖空間体積Vvclを示す。電気化学的砂目立てステップを通過した本発明に係るストリップの場合、潤滑剤を受容するのに重要である閉鎖空間体積は、10%を著しく超えて増加することができる。
本発明に係る変形形態V3、V4、V7及びV8の値が80/mmを超える、好ましくは100/mm〜150/mmである構造のくぼみ密度は、比較試験V2及び比較試験V6の従来法でEDTでテクスチャ付けされたストリップ表面の場合よりも25%を著しく超えて増加した。
表面の換算くぼみ深さSvk、閉鎖空間体積Vvcl及びくぼみ密度の異なる値で特徴づけられる、本発明に係る実施形態の異なるトポグラフィは、成形挙動の向上の要因である。
その結果、最終形態に製造されるまで高い成形度を通過する成形シート、例えば、自動車のドア内部シート又は外部スキン部分も、それによって提供することができる。本発明に係る方法、及び本発明に係るストリップ又はシートの場合、したがって、自動車分野におけるアルミニウム合金の更に広範な適用分野を提供することができる。というのは、より大きな成形度は更なる使用可能性を与えるからである。
電気化学的砂目立ては、印刷版担体の製造にも使用されるので、合金A1xxxの複数のEC砂目立てリソ(リソグラフ)シートを測定し、測定結果を試験V13として要約した。リソシートは電気化学的に粗化されるが、粗化手順は異なる目的を果たす。さらに、リソストリップ及びシートは成形手順に送られないが、電気化学的粗化後、感光層で被覆される。粗化は、最も均一な印刷結果を可能にするためである。したがって、リソシート及びストリップは、本発明の趣旨では成形用に調製されない。
したがって、成形に関して本発明に従って最適化された表面は、比較例V13で示された種々の測定リソシートの要約測定結果によって実証されるように、トポグラフィがリソシートとは明らかに異なる。リソシートは、通常、平均粗さ値Svkがかなり低いだけでなく、換算くぼみ深さSvkもかなり小さい。しかし、平均くぼみ密度nclmは、本発明に係るシートV4、V3、V7及びV8の電気化学的砂目立てされ、成形に最適化された表面よりもわずかに高い。
さらに、本発明に係る一実施形態の電気化学的砂目立て表面を、クロスツールにおける強度の異なる成形手順中に、EDT圧延によってテクスチャ付けされたタイプAA6xxxの合金の従来シートの表面と比較して調べた。図2及び図3にも示したように、わずかに成形された面積の領域において表面がかなり異なることが分かった。
しかし、成形プロセス後、表面は、例えば、押さえ領域において、また、クロスツールのダイ半径において、すなわち強力に成形された領域において、ほぼ同一の形成を示した。したがって、成形挙動が向上したにもかかわらず、異なる出発トポグラフィが表面外観に対して何ら効果がないと予想される。したがって、本発明に係るアルミニウム合金ストリップ及びシートは、例えば、自動車の車体の外部スキン部分の提供に極めて適している。

Claims (16)

  1. 少なくとも幾つかの領域に設けられ、成形プロセスのために調製された、片側又は両側表面構造を有するアルミニウム合金からなるストリップ又はシートであって、
    前記ストリップ又はシートが、電気化学的砂目立て方法によって生成された潤滑剤ポケットとしてへこみを有する表面を片側又は両側に有し、ストリップ又はシートの少なくとも1つの表面の換算くぼみ深さSvkが1.0μm〜6.0μmであることを特徴とする、ストリップ又はシート。
  2. 前記ストリップ又はシートが、タイプAA7xxx、AA6xxx、AA5xxx又はAA3xxx、特にAA7020、AA7021、AA7108、AA6111、AA6060、AA6014、AA6016、AA6005C、AA6451、AA5454、AA5754、AA5182、AA5251、AlMg6、AA3104及びAA3103のアルミニウム合金から少なくとも部分的になることを特徴とする、請求項1に記載のストリップ又はシート。
  3. ストリップ又はシートの少なくとも1つの表面の換算くぼみ深さSvkが好ましくは1.5μm〜4.0μm、より好ましくは2.2μm〜4μmであることを特徴とする、請求項1又は2に記載のストリップ又はシート。
  4. 前記シート又はストリップが、焼鈍状態(「O」)、溶体化焼鈍及び急冷状態(「T4」)、又はH19状態若しくはH48状態であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のストリップ又はシート。
  5. 前記ストリップ又はシートが、電気化学的砂目立て後に施される不動態化層を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のストリップ又はシート。
  6. 潤滑剤又は乾性潤滑剤が、前記ストリップ又はシートの表面の少なくとも幾つかの領域に供給されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のストリップ又はシート。
  7. 前記表面の平均粗さSが0.7μm〜1.5μm、好ましくは0.7μm〜1.3μm又は好ましくは0.8μm〜1.2μmであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載のストリップ又はシート。
  8. 成形プロセスのために調製された、片側又は両側表面構造を有するストリップ又はシート、特に請求項1〜7のいずれか一項に記載のストリップ又はシートを製造する方法であって、
    熱間圧延及び/又は冷間圧延されたストリップ又はシートが、圧延後に電気化学的砂目立てプロセス(5)に供され、前記電気化学的砂目立てプロセスが、均一に分布するへこみを潤滑剤ポケットとして少なくとも前記ストリップ又はシートの幾つかの領域に導入し、換算くぼみ深さSvk1.0μm〜6.0μmのへこみが前記ストリップ又はシートの表面に電気機械的砂目立てによって導入されることを特徴とする、方法。
  9. 換算くぼみ深さSvk1.5μm〜4.0μm又は好ましくは2.2μm〜4.0μmのへこみが前記ストリップ又はシートの表面に電気化学的砂目立てによって導入されることを特徴とする、請求項8に記載のストリップを製造する方法。
  10. 電気化学的砂目立て前に、前記ストリップが清浄化ステップ(4)に供され、前記表面が清浄化され、材料がアルカリ洗又は酸洗によって均一に除去されることを特徴とする、請求項8又は9に記載のストリップを製造する方法。
  11. 電気化学的砂目立て(5)が、濃度2.5〜20g/lのHNOを用い、少なくとも200C/dm、好ましくは少なくとも500C/dmの電荷担体を導入して行われることを特徴とする、請求項8〜10のいずれか一項に記載のストリップを製造する方法。
  12. 電気化学的砂目立て後に、前記表面が、好ましくは変換層(6)を適用することによって、不動態化される、及び/又は溶融可能な成形助剤を有する保護層が前記ストリップの前記表面に適用されることを特徴とする、請求項8〜11のいずれか一項に記載のストリップを製造する方法。
  13. ストリップ(B)が、焼鈍手順(状態「O」)後に、溶体化処理及び急冷手順(状態「T4」)後に、電気化学的に砂目立てされ、又は状態H19で圧延されることを特徴とする、請求項8〜12のいずれか一項に記載のストリップを製造する方法。
  14. 方法ステップが製造ラインにおいて列をなして行われることを特徴とする、請求項8〜13のいずれか一項に記載のストリップを製造する方法であって、
    − 前記ストリップをリールから巻き戻すこと(1)、
    − 前記ストリップを清浄化及び酸洗すること(4)、
    − 前記ストリップを電気化学的砂目立てすること(5)、及び、
    − 少なくとも幾つかの領域において、成形助剤及び/又は変換層(6)、又は保護オイルを適用すること、
    を含む、方法。
  15. 変換層を適用した後に、溶融可能な成形助剤(8)を有する保護層が続いて適用されることを特徴とする、請求項8〜14のいずれか一項に記載のストリップを製造する方法。
  16. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のシートから製造される自動車の成形シート。
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