JP2003342478A - 熱可塑性樹脂組成物及び成形品 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物及び成形品

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JP2003342478A JP2002154816A JP2002154816A JP2003342478A JP 2003342478 A JP2003342478 A JP 2003342478A JP 2002154816 A JP2002154816 A JP 2002154816A JP 2002154816 A JP2002154816 A JP 2002154816A JP 2003342478 A JP2003342478 A JP 2003342478A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1GHz以上の高周波数領域で大きな比誘電
率と、小さな誘電正接と、小さな比誘電率の温度係数を
有する成形品を得ることのできる熱可塑性樹脂組成物を
提供する。 【解決手段】 主としてシンジオタクチック構造を有す
るスチレン系重合体と液晶ポリマー樹脂の少なくとも一
方からなる熱可塑性樹脂と、1MHzでの比誘電率が3
0以上、1MHzでのQ値が5000以上、−20℃〜
80℃における1MHzでの比誘電率温度係数が正の値
である無機充填材とを含有して熱可塑性樹脂組成物を調
製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波用の回路基
板に使用される熱可塑性樹脂組成物及び成形品に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】高度情報化時代を迎え、情報伝送はより
高速化・高周波数化の傾向にある。特に近年では、IT
S(Intelligent Transport Systems)関連をはじめ、1
GHz以上の周波数帯が盛んに使われる傾向にある。例
えば、ETC(自動料金支払いシステム)では5.8G
Hz、スマートプレート(電子ナンバープレート)では
5.8GHz、無線LAN(IEEE(米国電気電子学
会)811.01a規格)では5.2GHzなどであ
る。またこれらの情報伝送に使用される機器は小型化が
望まれており、ITS関連の車載用途等では設置できる
スペースが限られることから特に小型化が望まれてい
る。
【0003】この小型化に対応するには、高周波用の回
路基板の大きさは使用電磁波の波長が基準となっている
ので、比誘電率εrの大きい材料を用いて回路基板を形
成することが必須である。これは、比誘電率εrの誘電
体中を伝播する際の電磁波の波長λは、真空中の伝播波
長をλとすると下記式(1)で表される波長となり、
回路基板に用いる材料の比誘電率εrが大きい程、波長
λが小さくなるので、回路基板を小型化することが可能
となるからである。
【0004】λ=λ/(εr)1/2
(1)このように比誘電率を大きくすれ
ばするほど高周波用の回路基板を小型化するができる。
しかし、このような高周波用の回路基板でアンテナを作
製するにあたって、アンテナにはサイズ効果があり、小
さくし過ぎるとアンテナ特性が極端に低下してしまうの
で、アンテナの小型化には限界がある。
【0005】更に、高周波用の回路基板に使われる材料
の特性としては、誘電正接(tanδ)が小さいことも
必須である。これは、下記式(2)で表されるように、
誘電正接(tanδ)が大きくなると、伝送中の損失P
が大きくなる為である。尚、下記式(2)中、fは周波
数を表し、Vは電圧を表し、Cは静電容量を表す。
【0006】P=2πfVCtanδ
(2)また、高周波用の回路基板に使われ
る材料の特性としては、比誘電率の温度係数や誘電正接
が小さいことも必須である。
【0007】そして、これらの高周波用の回路基板の材
料として、樹脂系材料やセラミック系材料を使用するこ
とが従来から検討されている。しかし、樹脂単体の材料
は、セラミック系材料に比べて、価格や後加工性の点で
非常に優れているが、一般的に比誘電率が小さいという
問題点があり、アンテナの小型化に対応することが難し
い。そこで、樹脂系材料の比誘電率を高める為に、ポリ
フッ化ビニリデン(比誘電率13)やシアノ樹脂(比誘
電率16〜20)などの高比誘電率樹脂を用いることが
検討されているが、これらの樹脂は誘電正接が大きく、
高周波用の回路基板の材料としては不適である。
【0008】そこで、樹脂中に無機誘電体粒子を分散さ
せることによって比誘電率を大きくする複合化技術が注
目され、現在まで検討され続けている(例えば、特公昭
49−25159号公報、特公昭54−18754号公
報、特開平5−128912号公報を参照)。しかし、
特公昭49−25159号公報や特公昭54−1875
4号公報に記載されている樹脂系材料については、高周
波用途に用いる為の工夫がなされておらず、しかも誘電
正接が大きいために高周波用の回路基板の用途には全く
適していない。また、特開平5−128912号公報に
は、樹脂にポリフェニレンエーテルやトリアリルイソシ
アネレートを用い、無機誘電体粒子にチタニアを用い、
それをガラスクロスで補強する樹脂系材料が提案されて
いる。この樹脂系材料の場合、誘電正接が改善されてい
るものの、この樹脂系材料を用いても、誘電正接は0.
003程度の値であり、高周波用の回路基板には不十分
である。また製造工法の点からもガラスクロスから作製
する積層材料では、中央部分と端面部分で厚みにばらつ
きがあるなど回路基板の厚み精度や、生産性が劣り、適
していない。
【0009】また、回路基板の信頼性向上のために、比
誘電率の温度特性を安定にする技術が注目され、現在ま
で検討され続けている(例えば、特開平4−16146
1号公報、特表2000−510639号公報を参
照)。すなわち特開平4−161461号公報では、比
誘電率の温度特性が正のセラミックと比誘電率の温度特
性が負のセラミックと高分子材料による温度係数を安定
にするような複合材料が提案されている。また特表20
00−510639号公報では、熱可塑性ポリマーと、
1.0GHz及び20℃において少なくとも約50の誘
電率を有する高誘電性セラミックと、1.0GHz及び
20℃において少なくとも約5の誘電率を有する第2の
セラミック材料から製造したポリマー組成物が提案され
ており、高誘電性セラミック及び第2のセラミック材料
として互いに正負が反対の温度係数を有するものを用
い、温度によって殆ど変化しない高い誘電率を有するポ
リマー組成物が提供されている。しかし、これらの方法
では、誘電特性の大きく異なる2種類のセラミックと高
分子材料を合わせて少なくとも3種類の原材料を用いる
必要があるので、セラミックの分散状態が変動して特性
が変動し易く、実用には適していない。
【0010】また特開平11−323046号公報に
は、シンジオタクチックポリスチレンと、チタニア、チ
タン酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン
酸カルシウム及びアルミナからなる群の中から選ばれた
少なくとも1種からなる樹脂組成物が提供されている。
この中のシンジオタクチックポリスチレンとチタン酸マ
グネシウムの樹脂組成物は、比誘電率の温度特性は安定
ではあるものの、その比誘電率が低いという問題があ
る。
【0011】以上のような理由で、更に大きな比誘電
率、小さな誘電正接、小さな比誘電率の温度係数の三つ
の特性を有する樹脂系材料が強く望まれているものの、
このような樹脂系材料が実用レベルでは未だに提供され
ていないのが現状である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の点に
鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、
1GHz以上の高周波数領域で大きな比誘電率と、小さ
な誘電正接と、小さな比誘電率の温度係数を有する熱可
塑性樹脂組成物及び成形品を提供することにある。
【0013】
【課題を解決する為の手段】本発明の請求項1に係る熱
可塑性樹脂組成物は、主としてシンジオタクチック構造
を有するスチレン系重合体と液晶ポリマー樹脂の少なく
とも一方からなる熱可塑性樹脂と、1MHzでの比誘電
率が30以上、1MHzでのQ値が5000以上、−2
0℃〜80℃における1MHzでの比誘電率温度係数が
正の値である無機充填材とを含有して成るすることを特
徴とするものである。
【0014】また請求項2の発明は、請求項1におい
て、無機充填材が、チタン酸ランタンとチタン酸ネオジ
ウムの少なくとも一方であることを特徴とするものであ
る。
【0015】また請求項3の発明は、請求項1又は2に
おいて、熱可塑性樹脂と無機充填材の合計100質量部
中で、熱可塑性樹脂10〜90質量部に対し、無機充填
材を90〜10質量部含有することを特徴とするもので
ある。
【0016】また請求項4の発明は、請求項1乃至3の
いずれかにおいて、上記熱可塑性樹脂と無機充填材の他
に、酸化剤可溶性無機充填材を含有することを特徴とす
るものである。
【0017】また請求項5の発明は、請求項4におい
て、熱可塑性樹脂と酸化剤可溶性無機充填材の合計10
0質量部中で、酸化剤可溶性無機充填材を5〜30質量
部含有することを特徴とするものである。
【0018】また請求項6の発明は、請求項4又は5に
おいて、酸化剤可溶性無機充填材は、平均粒子径が6μ
m以下であることを特徴とするものである。
【0019】また請求項7の発明は、請求項4乃至6の
いずれかにおいて、酸化剤可溶性無機充填材が炭酸カル
シウムであることを特徴とするものである。
【0020】また請求項8の発明は、請求項1乃至7の
いずれかにおいて、主としてシンジオタクチック構造を
有するスチレン系重合体は、パラレルプレート法により
温度300℃、角速度100rad/sの条件下で測定
したときの溶融粘度が、1〜250Pa・sであること
を特徴とするものである。
【0021】また請求項9の発明は、請求項1乃至8の
いずれかにおいて、主としてシンジオタクチック構造を
有するスチレン系重合体は、昇温速度10℃/分、温度
330℃での質量減少が、5質量%以下であることを特
徴とするものである。
【0022】また請求項10の発明は、請求項1乃至9
のいずれかにおいて、液晶ポリマー樹脂が、p−ヒドロ
キシ安息香酸のアセチル化物とポリエチレンテレフタレ
ートの共縮合から得られる、I型、II型、III型の液晶
性芳香族ポリエステルであることを特徴とするものであ
る。
【0023】また請求項11の発明は、請求項1乃至1
0のいずれかにおいて、液晶ポリマー樹脂は、昇温速度
10℃/分、温度330℃での質量減少が、5質量%以
下であることを特徴とするものである。
【0024】また請求項12の発明は、請求項1乃至1
1のいずれかにおいて、液晶ポリマー樹脂は、融点が3
00℃以上であることを特徴とするものである。
【0025】また請求項13の発明は、請求項1乃至1
2のいずれかにおいて、無機充填材は、平均粒径が0.
1〜15μmであることを特徴とするものである。
【0026】また請求項14の発明は、請求項1乃至1
3のいずれかにおいて、無機充填材の表面に、無機水酸
化物と無機酸化物の少なくとも一方からなる無機コーテ
ィング層が形成されていることを特徴とするものであ
る。
【0027】また請求項15の発明は、請求項14にお
いて、無機水酸化物あるいは無機酸化物が、チタン、ア
ルミニウム、ケイ素、ジルコニウム、スズ、亜鉛、アン
チモン及びマグネシウムからなる群の中から選ばれた少
なくとも1種の元素の、水酸化物あるいは酸化物である
ことを特徴とするものである。
【0028】また請求項16の発明は、請求項14又は
15において、無機コーティング層に、無機充填材を構
成する無機化合物に含有される金属元素と同じ金属元素
の、水酸化物と酸化物の少なくとも一方を含有すること
を特徴とするものである。
【0029】また請求項17の発明は、請求項1乃至1
6のいずれかにおいて、無機充填材がアミノ基、又はエ
ポキシ基、又はメルカプト基を有するカップリング剤で
処理されていることを特徴とするものである。
【0030】また請求項18の発明は、請求項17にお
いて、無機充填材に処理するカップリング剤が、(N−
フェニル−γ−アミノプロピル)トリメトキシシランで
あることを特徴とするものである。
【0031】本発明の請求項19に係る成形品は、請求
項1乃至18のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を
射出成形することによって得られて成ることを特徴とす
るものである。
【0032】また請求項20の発明は、請求項19にお
いて、1GHzでの比誘電率が3〜20であることを特
徴とするものである。
【0033】また請求項21の発明は、請求項19又は
20において、1GHzでの誘電正接が0.002以下
であることを特徴とするものである。
【0034】また請求項22の発明は、請求項19乃至
21のいずれかにおいて、−20℃〜80℃における1
MHzでの比誘電率の温度係数が、−1000〜100
0ppm/℃であることを特徴とするものである。
【0035】また請求項23の発明は、請求項19乃至
22のいずれかにおいて、熱可塑性樹脂組成物を射出成
形する際に少なくとも一種類の電極材料を一体化するこ
とによって、電極が形成されていることを特徴とするも
のである。
【0036】また請求項24の発明は、請求項23にお
いて、電極材料がマット面を有する金属箔であることを
特徴とするものである。
【0037】また請求項25の発明は、請求項19乃至
22のいずれかにおいて、メッキによって電極が形成さ
れていることを特徴とするものである。
【0038】また請求項26の発明は、請求項19乃至
25のいずれかにおいて、電極の比抵抗が、1×10
−5Ω・cm以下であることを特徴とするものである。
【0039】また請求項27の発明は、請求項23乃至
26のいずれかにおいて、電極の材料が銅であることを
特徴とするものである。
【0040】また請求項28の発明は、請求項23乃至
27のいずれかにおいて、電極の厚みが10〜110μ
mであることを特徴とするものである。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0042】本発明に係る熱可塑性樹脂組成物は、熱可
塑性樹脂と無機充填材を主成分とするものであり、射出
成形することによって回路基板などを作製するために用
いられるものである。
【0043】本発明において熱可塑性樹脂としては、主
としてシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合
体と、液晶ポリマー樹脂とを用いるものであり、いずれ
か一方を単独で使用してもよく、両者を併用してもよ
い。
【0044】ここで、本発明において熱可塑性樹脂とし
て用いる、上記の主としてシンジオタクチック構造を有
するスチレン系重合体(以下SPS樹脂と記することが
ある)は、ポリスチレン系樹脂のシンジオタクチック構
造を有するものであり、立体構造が主としてシンジオタ
クチック構造、すなわち、炭素−炭素結合から形成され
る主鎖に対して側鎖であるフェニル基や置換フェニル基
が交互に反対方向に位置する立体構造を有するものであ
る。そのタクティシティーは同位体炭素による核磁気共
鳴法(13C−NMR法)より定量することができる。
13C−NMR法により測定されるタクティシティー
は、連続する複数個の構成単位、例えば、2個の場合は
ダイアッド、3個の場合はトリアッド、5個の場合はペ
ンタッドの存在割合によって示すことができるが、本発
明にいう主としてシンジオタクチック構造を有するポリ
スチレン系樹脂とは、通常は、ダイアッドで75%以
上、好ましくは85%以上、又は、ペンタッド(ラセミ
ペンタッド)で30%以上、好ましくは、50%以上の
シンジオタクティシティーを有するポリスチレン、ポリ
(アルキルスチレン)、ポリ(ハロゲン化スチレン)、
ポリ(アルコキシスチレン)、ポリ(ビニル安息香酸エ
ステル)及びこれらの混合物、あるいはこれらを主成分
とする共重合体をいうものである。尚、ポリ(アルキル
スチレン)としては、ポリ(メチルスチレン)、ポリ
(エチルスチレン)、ポリ(イソプロピルスチレン)、
ポリ(t−ブチルスチレン)などがあり、ポリ(ハロゲ
ン化スチレン)としては、ポリ(クロロスチレン)、ポ
リ(ブロモスチレン)、ポリ(フルオロスチレン)など
がある。またポリ(アルコキシスチレン)としては、ポ
リ(メトキシスチレン)、ポリ(エトキシスチレン)な
どがある。これらのうち、本発明において特に好ましい
ポリスチレン系樹脂としては、ポリスチレン、ポリ(p
−メチルスチレン)、ポリ(m−メチルスチレン)、ポ
リ(p−t−ブチルスチレン)、ポリ(p−クロロスチ
レン)、ポリ(m−クロロスチレン)、ポリ(p−フル
オロスチレン)、更には、スチレンとp−メチルスチレ
ンとの共重合体を挙げることができる。
【0045】これらのSPS樹脂として本発明では、溶
融粘度が、パラレルプレート法により温度300℃、角
速度100rad/sの条件下で測定して、1〜250
Pa・sであるものが好適に用いられる。溶融粘度が、
この範囲未満であれば、得られた成形品の機械的強度の
低下が大きくなり、又、この範囲を超えると、成形の際
の流動性が劣り成形時に未充填を起こし易い。ここでパ
ラレルプレート法は、厚み1mm×直径25mmのペレ
ットをハンドプレスで作製し、直径25mmの下部パラ
レルプレートの上にペレットを置いて上部パラレルプレ
ートを降ろして挟み、300℃で10分間保持した後に
測定をすることによって行われるものであり、例えば、
レオメトリックサイエンティフィック社製、アレス(商
品名)での測定が適当である。
【0046】またこれらのSPS樹脂として本発明で
は、熱質量分析において、昇温速度10℃/分、温度3
30℃での質量減少が、5質量%以下であるものが好ま
しく用いられる。質量減少が5質量%を超えるものであ
ると、得られた成形品の表面にモールドデポジット(汚
れ)を生じるおそれがあるので好ましくない。質量減少
は小さいほど好ましく、0%が理想であるが、入手の可
能性などから実用上は0.1質量%である。
【0047】また、SPSの分子量分布は特に制限はな
く、さまざまなものを充当することが可能である。上記
のようなSPS樹脂は、融点が高く、従来のアタクチッ
ク構造のポリスチレン系樹脂に比べて耐熱性が格段に優
れている。このようなSPS樹脂は例えば、不活性炭化
水素溶媒中又は溶媒の不存在下に、チタン化合物、及び
水とトリアルキルアルミニウムの縮合生成物を触媒とし
て、スチレン系単量体(SPS樹脂に対応する単量体)
を重合することにより製造することができる(特開昭6
2−187708号公報参照)。
【0048】本発明において熱可塑性樹脂として用い
る、上記の液晶ポリマー樹脂としては、従来から成形材
料用途に使われているものであれば特に制限されない
が、p−ヒドロキシ安息香酸のアセチル化物とポリエチ
レンテレフタレートの共縮合から得られる、I型、II
型、III型の液晶性芳香族ポリエステル等を挙げること
ができる。このp−ヒドロキシ安息香酸のアセチル化物
とポリエチレンテレフタレートの共縮合から得られるI
型、II型、III型の液晶性芳香族ポリエステルは、成形
して得られた成形品の力学特性が高く、また成形性が良
好である点で優れているので特に好ましい。
【0049】またこの液晶ポリマー樹脂として本発明で
は、熱質量分析において、昇温速度10℃/分、温度3
30℃での質量減少が、5質量%以下であるものが好ま
しく用いられる。質量減少が5質量%を超えるものであ
ると、得られた成形品の表面にモールドデポジット(汚
れ)を生じるおそれがあるので好ましくない。質量減少
は小さいほど好ましく、0%が理想であるが、入手の可
能性などから実用上は0.1質量%が下限である。
【0050】さらにこの液晶ポリマー樹脂として本発明
では、融点が300℃以上であるものが好ましい。この
ように融点が300℃以上の液晶ポリマー樹脂を用いる
ことによって、得られた成形品の半田耐熱性を高く得る
ことができるものである。液晶ポリマー樹脂の融点が高
くなりすぎると、特殊な射出成形機を用いることが必要
になるので、融点は400℃以下であることが望まし
い。
【0051】上記のような液晶ポリマー樹脂としては、
例えば、住友化学工業(株)製「スミカスーパー」(商
品名)、日本石油化学(株)・Amoco社製「Xyda
r」(商品名)、ポリプラスチックス社・Hoechst Ce
lanese社製「Vectra」(商品名)、上野製薬
(株)製「UENOLCP」(商品名)、三菱エンジニ
アリングプラスチックス(株)製「ノバキュレート」
(商品名)、ユニチカ(株)製「ロッドラン」(商品
名)、東ソー(株)製「東ソーLCP」(商品名)等市
販の液晶ポリマー樹脂の中から適宜選択して使用するこ
とができる。
【0052】本発明において用いる無機充填材は、1M
Hzでの比誘電率が30以上であり、1MHzでのQ値
が5000以上であり、−20℃から80℃における1
MHzでの比誘電率の温度係数が正である無機化合物で
ある。これらはネットワークアナライザーを用いて、比
誘電率は両端短絡法で、Q値は伝送ライン法で、比誘電
率の温度係数は空洞共振法で測定することができる。1
MHzでの比誘電率が30未満であると、熱可塑性樹脂
組成物の比誘電率を大きくすることが困難になる。また
1MHzでのQ値が5000未満であると、誘電正接を
小さくすることができない。Q値の上限は特に設定され
ないが、10000程度が望ましい。さらに−20℃か
ら80℃における1MHzでの比誘電率の温度係数が正
であれば、熱可塑性樹脂組成物として、比誘電率の温度
係数を安定にできるものである。好ましい範囲は樹脂の
温度係数と打ち消し合う範囲であり、好ましい温度係数
の範囲は50〜300ppm/℃である。
【0053】無機充填材としては、上記の条件を満たす
ものであれば特に制限されることなく用いることができ
るが、中でも特に好ましいのは、チタン酸ランタンとチ
タン酸ネオジウムである。チタンを中心金属とするペロ
ブスカイト構造のAサイトに希土類元素が入ると温度係
数が正になる傾向がある。良好な結晶構造が得られるの
は希土類のなかでランタン、ネオジウムだけである。チ
タン酸ランタンとチタン酸ネオジウムは一方を単独で用
いる他、両者を併用することもできる。
【0054】またこの無機充填材の粒径は、特に限定さ
れるものではないが、平均粒径が0.1〜15μmであ
るものが好ましい。平均粒径が0.1μm未満である
と、無機充填材の比表面積が比較的大きくなるために、
熱可塑性樹脂との濡れ性が低下して空気を巻きこみ、熱
可塑性樹脂との界面に空隙が生じて空隙に水分が入り込
むおそれがある。逆に平均粒径が15μmを超えると、
熱可塑性樹脂中に無機充填材を均一に分散させることが
難しくなる。本発明で使用することができる無機充填材
は公知のものであり、共立マテリアル(株)などで市販
されているものを入手して使用することが可能である。
【0055】また本発明において無機充填材は、その表
面に無機水酸化物及び/又は無機酸化物からなる無機コ
ーティング層が形成された粒子であることが好ましい。
このように無機充填材の表面に無機水酸化物や無機酸化
物からなる無機コーティング層を形成することによっ
て、無機コーティング層を介して無機充填材が熱可塑性
樹脂と馴染みやすくなり、熱可塑性樹脂と無機充填材と
の密着性が向上するものである。
【0056】無機コーティング層を形成する無機水酸化
物や無機酸化物としては、チタン、アルミニウム、ケイ
素、ジルコニウム、スズ、亜鉛、アンチモン及びマグネ
シウムからなる群の中から選ばれる少なくとも1種の元
素の水酸化物や酸化物が好ましい。これらの無機水酸化
物や無機酸化物は熱可塑性樹脂との馴染み性が特に優れ
ているので好ましいのである。
【0057】また無機充填材の表面に形成する無機コー
ティング層は、無機充填材を構成する無機化合物に含有
される金属元素と同じ金属元素の水酸化物及び/又は酸
化物によって形成するのが好ましい。つまり、無機充填
材がチタン酸ランタンからなる場合はチタン系の無機コ
ーティング層、無機充填材がチタン酸バリウムからなる
場合はアルミニウム系の無機コーティング層の無機コー
ティング層を、無機充填材の表面に形成することが好ま
しい。このものでは無機充填材と無機コーティング層と
の間の結合がより強固になるものである。
【0058】さらに、無機コーティング層を多層構造に
形成し、無機充填材と接する側は無機充填材と馴染みの
良い無機コーティング層にすると共に熱可塑性樹脂と接
する側は熱可塑性樹脂や後述するカップリング剤と馴染
みの良い無機コーティング層にするようにしてもよい。
このようにすることによって無機充填材と熱可塑性樹脂
との間の結合がより強固になるものである。
【0059】無機充填材の表面に無機コーティング層を
形成する方法としては、気相処理法(CVD法)や液相
処理法(液相反応を利用する方法)などを挙げることが
できる。液相処理法の場合、次のようにして無機コーテ
ィング層を形成することができる。例えば酸化チタンの
無機コーティング層の場合、四塩化チタンや硫酸チタニ
ウムを含む水溶液中に無機充填材を投入し、水溶液をp
H8.5〜10.5に調整することによって、酸化チタ
ンの無機コーティング層を形成することができる。この
とき、無機充填材の表面に形成する酸化チタンの無機コ
ーティング層の厚み(体積量)は、上記水溶液中のチタ
ンイオンの濃度によって調整することができる。また酸
化アルミニウムのコーティング層の場合、アルミン酸ナ
トリウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムを含む
水溶液中に無機充填材を投入し、水溶液をpH7程度に
調整することによって、酸化アルミニウムのコーティン
グ層形成することができる。このとき、無機充填材の表
面に形成する酸化アルミニウムの無機コーティング層の
厚みは、上記水溶液中のアルミニウムイオンの濃度で調
整することができる。さらに酸化ケイ素のコーティング
層を形成する場合には、ケイ酸塩を含む水溶液を使えば
良い。
【0060】また、無機酸化物や無機水酸化物を2種類
以上用いた無機コーティング層を段階的あるいは同時に
形成する場合には、2種以上の塩を含む液を用いて膜が
析出するようにpHを調整することによって行なうこと
ができる。無機コーティング層を段階的に複数層に形成
する場合には、例えば四塩化チタンを溶解した液を用い
て、水酸化ナトリウムでpH調整することにより、無機
充填材の表面にチタン系の第1コーティング層を形成
し、次にその液にアルミン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリ
ウムを溶解させた後、硫酸でpH調整することにより、
その上にアルミニウム−シリコン系の第2コーティング
層を形成することができる。あるいは第2コーティング
層をアルミニウム系の層とし、その上にシリコン系の第
3コーティング層を形成するようにすることもできる。
【0061】尚、上記のように無機充填材の表面に無機
コーティング層を形成した後、表面の洗浄と乾燥を行う
ことが望ましい。特に洗浄は導電性成分が残留しないよ
うに細心の配慮を払いながら十分に行うことが重要であ
る。
【0062】さらに本発明では、無機充填材の表面に、
あるいは無機充填材に形成した無機コーティング層の表
面に、カップリング剤の処理を施しておくのが好まし
い。このようにカップリング剤で表面処理することによ
って、無機充填材と熱可塑性樹脂との馴染みがさらに良
くなって、無機充填材と熱可塑性樹脂との密着性が優れ
るものである。上記のカップリング剤としては、アミノ
基、エポキシ基、メルカプト基を有するカップリング剤
を用いることができるものであり、例えば、(N−フェ
ニル−γ−アミノプロピル)トリメトキシシラン、(2
−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、
(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシ
シラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
N−ビニルベンジルアミノエチル−アミノプロピルトリ
メトキシシラン塩酸塩、グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、
ビニルトリアセトキシシラン、クロロプロピルトリメト
キシシラン、アニリノプロピルトリメトキシシラン、ビ
ニルトリメトキシシラン、オクタデシルジメチル[3−
(トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロラ
イド、クロロプロピルメチルジメトキシシラン、メルカ
プトプロピルメチルジメトキシシラン、グリシドキシプ
ロピルメチルジメトキシシラン、ウレイドプロピルトリ
エトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメト
キシシラン、イソプロピルトリイソステアロイルチタネ
ート、イソプロピルトリス(ジオクチパイロホスフェー
ト)チタネート、イソプロピルトリス(N−アミノエチ
ル−アミノエチル)チタネート、イソプロピルトリオク
タノイルチタネート、アセトアルコキシアルミニウムジ
イソプロピレート等を挙げることができる。これらの中
でも(N−フェニル−γ−アミノプロピル)トリメトキ
シシランが、無機充填材と熱可塑性樹脂との密着性を高
める効果が高いので、特に好ましい。これは、熱可塑性
樹脂の化学構造と類似していることによる効果と考えら
れる。
【0063】上記の熱可塑性樹脂と無機充填材の配合量
は、熱可塑性樹脂と無機充填材の合計100質量部中
で、熱可塑性樹脂の10〜90質量部に対して、無機充
填材を90〜10質量部に設定するのが好ましい。熱可
塑性樹脂が10質量部未満であると、熱可塑性樹脂組成
物の溶融粘度が上昇して成形性が低下するおそれがあ
る。逆に熱可塑性樹脂が90質量部を超えると、無機充
填材を含有量が少なくなって比誘電率が比較的小さくな
り、回路基板を小型に形成することができず、機器の小
型化に対する寄与が期待できなくなるおそれがある。
【0064】本発明に係る熱可塑性樹脂組成物には、上
記の熱可塑性樹脂と無機充填材の他に、酸化剤可溶性無
機充填材を配合する場合がある。このように酸化剤可溶
性無機充填材を配合して調製した熱可塑性樹脂組成物を
成形し、得られた成形品を酸化剤で処理すると、成形品
の表面に露出する酸化剤可溶性無機充填材が酸化剤に溶
出し、成形品の表面に微細な凹凸が生じて表面を粗面化
することができる。従って、成形品の表面にメッキを施
す場合に、凹凸粗面によるアンカー効果でメッキ皮膜の
密着性を高く得ることができるのである。
【0065】この酸化剤可溶性無機充填材は、重クロム
酸、過マンガン酸、重クロム酸/硫酸混液、クロム酸、
クロム酸/硫酸混液等の酸化剤溶液に可溶なものから任
意に選択して使用することが可能であり、繊維状、粒
状、粉状、フレーク状等、様々な形状のものを用いるこ
とができる。例えば、繊維状の酸化剤可溶性無機充填材
としては、ウィスカー等が挙げられる。また粒状又はフ
レーク状の酸化剤可溶性無機充填材の材質としては、例
えば炭酸カルシウム、塩基性マグネシウムオキシサルフ
ェート、炭酸マグネシウム、ドロマイト、ドーソナイ
ト、水酸化マグネシウム、カオリン、パイオフェライ
ト、ゼオライト、ネフェライト、アダマイン、パリゴル
スカイト、三酸化アンチモン、酸化チタン、酸化鉄、酸
化マグネシウム、酸化亜鉛、金属粉末等を挙げることが
できる。これらは一種を単独で用いる他、複数を併用す
ることができるが、これらの中でも、電気特性を低下さ
せることがない等の理由によって、特に炭酸カルシウム
が好ましい。
【0066】酸化剤可溶性無機充填材の平均粒子径は、
6μm以下であることが好ましく、その中でも5μm以
下がより好ましく、4μm以下であることが更に好まし
い。
【0067】そして酸化剤可溶性無機充填材の配合量
は、熱可塑性樹脂と酸化剤可溶性無機充填材の合計10
0質量部中で、酸化剤可溶性無機充填材が5〜30質量
部になるように設定するのが好ましい。酸化剤可溶性無
機充填材の配合量が5質量部未満であると、成形品にメ
ッキを施すにあたって、成形品の表面の粗面化が不十分
になってアンカーの不足により、メッキスキップの発生
や、メッキ皮膜の密着強度が不充分になるおそれがあ
る。逆に30質量部を超えると、熱可塑性樹脂組成物の
溶融粘度が上昇し、成形性が低下するおそれがある。
【0068】また、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、必
要に応じて、本発明の目的を損なわない限り、上記の熱
可塑性樹脂、無機充填材、酸化剤可溶性無機充填材の3
成分以外の、熱可塑性樹脂、エラストマー、無機物、難
燃性を付与する成分、酸化防止剤、結晶核剤、結晶化促
進剤、カップリング剤、離型剤、滑剤、着色剤、紫外線
吸収剤、帯電防止剤等を配合することができる。
【0069】上記の熱可塑性樹脂、エラストマーとして
は、例えば、ノルボルネン系樹脂、ポリオレフィン樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリオキシメチレン樹脂、ポリ
メチルペンテン樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリフ
ッ化ビニリデン樹脂、ポリアミド樹脂(ナイロン6樹
脂、ナイロン66樹脂、ナイロン610樹脂、共重合ナ
イロン樹脂)、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート
樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテルスルフォン樹
脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルエーテ
ルケトン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエーテルイミ
ド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリ
スチレン樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、フェノキシ樹
脂、ポリエーテルニトリル樹脂、ポリテトラフルオロエ
チレン樹脂、石油樹脂、石炭樹脂、ノルボルネン系の樹
脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、
ウレタン樹脂等の合成樹脂やポリオレフィンゴム、オレ
フィン系共重合体、水素添加ゴム等のエラストマーを挙
げることができる。これらは、2種類以上を混合して使
用することもできる。
【0070】上記の無機物としてはガラス繊維などを用
いることができるものであり、特に、アスペクト比5〜
1500のガラス短繊維を含有させると、成形して得ら
れる回路基板等の機械的強度が向上し好ましい。このガ
ラス短繊維の配合量としては、熱可塑性樹脂と無機充填
材と酸化剤可溶性無機充填材及びガラス短繊維の合計1
00質量部中に対してガラス短繊維を5〜30質量部の
範囲が好ましい。ガラス短繊維が5質量部未満の場合は
その添加効果を十分に得ることができず、逆に30質量
部を超える場合は成形性や成形品の誘電特性が低下する
場合がある。
【0071】上記の難燃性付与する成分の難燃剤として
は、一般に市販されているものを用いることができ、テ
トラブロモブタン、ヘキサブロモベンゼン、ペンタブロ
モ・エチルベンゼン、ヘキサブロモ・ビフェニル、ペン
タブロモクロロ・シクロヘキサン、テトラブロモ・ビス
フェノオールS、トリス(2,3ジブロモプロピルー
1)イソシアヌレート、2,2−ビス[4(2,3ジブ
ロモプロポキシ)−3,5−ジブロモフェニル]プロパ
ン、ハロゲン化アセチレンアルコール、臭素化エポキ
シ、デカブロモジフェニルエーテル、テトラブロモビス
フェノールAやそのカーボネートオリゴマーをはじめと
する誘導体、オクタブロモジフェニルオキサイド、ペン
タブロモジフェニルオキサイド、テトラブロモフェノー
ル、ジブロモスチレン、ペンタブロモベンジルアクリレ
ート、テトラブロモスチレン、ポリジブロモフェニレン
オキサイド、ビストリブロモフェノキシエタン、テトラ
ブロモフェタレーテトジオール、テトラブロモ無水フタ
ル酸、ジブロモ・クレジル・グリシジルエーテル、エピ
ブロモヒドリン、ジブロモネオペンチル・グリコール、
トリブロモネオペンチルアルコール、エチレンビステト
ラブロモフタルイミド、ブロム化ポリスチレンなどの臭
素化物、塩素化パラフィン、塩素化ポリオレフィン、ジ
メチル・クロレンデート、無水クロレンド酸、テトラク
ロロ無水フタル酸、フェニル・フォスフォン酸ジクロリ
ド、などの塩素系難燃剤、ポリテトラフロロエチレンな
どのフッ素化合物、赤リン、トリフェニルフォスフェー
ト、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェー
ト、トリクレジルフォスフェート、トリキシレニルフォ
スフェート、クレジルジフェニルフォスフェート、クレ
ジル2,6キシレニルフォスフェート、トリス(クロロ
エチル)フォスフェート、トリス(クロロプロピル)フ
ォスフェート、トリス(ジクロロプロピルフォスフェー
ト、トリス(トリブロモネオペンチル)フォスフェー
ト、ジエチルフェニルフォスフォネート、ジメチルフェ
ニルフォフォネート、ビスフェノールA−ビス(ジクレ
ジルフォスフェート)、縮合リン酸エステルなどのリン
化合物、メラミン、メラミンシアヌレート、リン酸メラ
ミン、スルファミン酸グアニジンなどの窒素化合物、メ
タホウ酸バリウム、ホウ酸亜鉛、無水ホウ酸亜鉛などの
ホウ素系化合物、シリコーンパウダー難燃剤、シリコー
ン樹脂などのケイ素含有化合物、水酸化アルミニウム、
水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウ
ム、カオリンクレー、アルミン酸カルシウム、水酸化チ
タン、水酸化亜鉛、ドーソナイト、2水和石膏、アンチ
モニー・シリコ・オキシドなどの無機系難燃剤、酸化ア
ンチモンなどの金属酸化物、低融点ガラス等がある。こ
れらは単独で用いても良いし、2種以上併用しても良
い。これらの中でも、臭素化物、特に臭素化ポリスチレ
ンが望ましい。形態については、分散性を高める点で、
粉末状の臭素化ポリスチレンが好ましい。粒径の大きい
ペレットでは、均一に分散し難く、熱可塑性樹脂組成物
中に分散のばらつきが起こる恐れがある。
【0072】上記の酸化防止剤としては、リン系酸化防
止剤、フェノール系酸化防止剤等が挙げられる。これら
は単独で使用しても良いし、2種類以上を混合して使用
することもできる。結晶核剤としては、ジベンジリデン
ソルビトール系化合物、t−ブチル安息香酸のアルミニ
ウム塩、リン酸エステルのナトリウム塩等が挙げられ
る。これらは、単独で使用しても良いし、2種類以上を
混合して使用することもできる。
【0073】上記の滑剤としては、内部滑剤、外部滑剤
の両方が使用でき、炭化水素系、脂肪酸系、脂肪酸アミ
ド、脂肪酸エステル等が挙げられる。これらは、単独で
使用しても良いし、2種類以上を混合して使用すること
もできる。また着色剤としては、公知の各種顔料又は染
料を使用することができ、例えば、カーボンブラック等
の黒色顔料、赤口黄鉛等の橙色顔料、弁柄等の赤色染顔
料、コバルトバイオレット等の紫色染顔料、コバルトブ
ルー等の青色染顔料、フタロシアニングリーン等の緑色
染顔料等を、使用することができる。更に、詳しくは、
最新顔料便覧(日本顔料技術協会編、昭和52年発行)
を参考にして、この便覧に掲載されているものを使用す
ることができる。
【0074】本発明で用いる熱可塑性樹脂組成物を調製
する方法は、上記の各成分をヘンシェルミキサー等の混
合機で混合したり、あるいは必要に応じて予め必要成分
の一部をマスターバッチ化して混合した後、エクストル
ーダ等の混練機で溶融混練して、ペレタイズする方法な
どを採用することができる。勿論、これに限定されるも
のではない。
【0075】上記のようにして得られる本発明に係る熱
可塑性樹脂組成物を射出成形することによって成形品を
得ることができる。そしてこの成形品は主として回路基
板に加工して用いることができるものであり、またこの
回路基板は主としてアンテナに加工して用いることがで
きるものである。
【0076】このようにして成形品は、高周波用途の回
路基板として用いる場合には、1GHzでの比誘電率が
3〜20、1GHzでの誘電正接が0.002以下、−
20℃〜80℃における1MHzでの比誘電率の温度係
数が、−1000〜1000ppm/℃であることが望
ましい。1GHzでの比誘電率を3〜20に設定するこ
とは、高周波用回路基板の小型化のために好ましい。ま
た1GHzでの誘電正接を0.002以下に設定するこ
とによって、伝送中の損失Pが少なくなるので好まし
い。さらに−20℃〜80℃における1MHzでの比誘
電率の温度係数を−1000〜1000ppm/℃に設
定することによって、基板の信頼性を高く得ることがで
きるので好ましい。
【0077】成形品を回路基板として用いる場合、成形
品の表面に電極を設ける必要がある。このように成形品
の表面に電極を設けるにあたっては、本発明に係る熱可
塑性樹脂組成物と射出成形する際に電極材料を同時に一
体化して、成形品の表面に電極材料で電極を形成するこ
とによって行なうことができる。例えば、電極材料とし
て銅箔等の金属箔を用い、金属箔を金型内にセットして
おいて熱可塑性樹脂を射出成形して金型に充填すること
によって、金属箔を成形品の表面に一体化することがで
き、金属箔で成形品の表面に電極を形成することができ
るものである。。電極材料として、電解銅箔のように光
沢面とマット面を有する金属箔を用いる場合、粗面であ
るマット面が成形品の表面に接着されるように使用する
のが好ましく、成形品との間で強い密着性を得ることが
できる。これは、マット面によるアンカー効果と成形時
の圧力の効果によるものである。
【0078】また、成形品を成形した後に、成形品の表
面にメッキを施して電極を形成するようにしてもよい。
このように成形品の表面にメッキを施すにあたって、上
記のように酸化剤可溶性無機充填材を配合した熱可塑性
樹脂組成物を成形して得られた成形品を用いることによ
って、メッキの前工程で成形品を酸化剤で処理して表面
を粗面化することができ、メッキ皮膜の密着性を高く得
ることができるものである。
【0079】ここで、上記のように成形品に形成する電
極は比抵抗が1×10−5Ω・cm以下であることが好
ましい。比抵抗がこれより高いと高周波特性が低下して
しまうおそれがある。比抵抗は小さい程望ましい。この
ような条件を満たす電極材料としては銅が最も好まし
い。また電極の厚みは10〜110μmであることが好
ましい。電極の厚みが10μm以下になると、回路基板
をアンテナとして用いるにあたって、電波を受信し難く
なり、逆に電極の厚みが110μmを超えると、温度サ
イクル試験などで電極の剥離などが生じるおそれがあ
る。
【0080】
【実施例】次に、本発明を実施例によって説明する。
【0081】(実施例1〜17、比較例1)熱可塑性樹
脂、無機充填材、酸化剤可溶性無機充填材及びカップリ
ング剤として、下記のものを用い、表1〜2に示す配合
量で配合して溶融混練することによって熱可塑性樹脂組
成物を得た。尚、カップリング剤は、無機充填材に直接
噴霧して無機充填材の表面を処理するのに使用した。そ
してこの熱可塑性樹脂組成物を射出成形することによっ
て、成形品を作製した。
【0082】尚、実施例17の無機充填材Aは、以下の
方法で処理して得た。まず、チタン酸ランタンをヘキサ
メタリン酸ナトリウムを含む溶液に添加混合し懸濁分散
させた。次いで、その溶液に、無機コーティング層の原
料として、四塩化チタン、アルミン酸ナトリウム、ケイ
酸ナトリウムを添加した後、硫酸を用いてpH調整を行
うことにより、表面に無機コーティング層を形成した。
その後、洗浄し、120℃で24時間乾燥を行うことに
より、表面に無機コーティング層が形成されたチタニア
粒子を得た。続いて、この無機コーティング層が形成さ
れた粒子をカップリング剤としてN−フェニル−γ−ア
ミノプロピル)トリメトキシシランを添加した水溶液中
に分散させることにより、無機コーティング層の表面に
カップリング剤を沈積させた。その後、ろ過、乾燥し
て、粒子の表面に無機コーティング層が形成され、更に
その表面にカップリング剤処理が施されている無機充填
材Aを得た。 1.熱可塑性樹脂 ・樹脂A:主としてシンジオタクチック構造を有するス
チレン系重合体(出光石油化学(株)製ザレック「30
0ZC」、融点270℃、溶融粘度98Pa・s(パラ
レルプレート法、300℃、100rad/s)、33
0℃での質量減少−3.5質量%) ・樹脂B:主としてシンジオタクチック構造を有するス
チレン系重合体(出光石油化学(株)製「S100」、
融点270℃、溶融粘度54Pa・s(パラレルプレー
ト法、300℃、100rad/s)、330℃での質
量減少−4.5質量%) ・樹脂C:液晶ポリマー樹脂(住友化学工業(株)製
「E6000」、融点320℃、330℃での質量減少
−0.2質量%) 2.無機充填材 ・充填材A:チタン酸ランタン(共立マテリアル(株)
製「TLT」、1MHzでの比誘電率45、1MHzで
のQ値5000以上、−20℃から80℃における1M
Hzでの比誘電率温度係数+160ppm/℃、平均粒
径1.5μm) ・充填材B:チタン酸ネオジウム(共立マテリアル
(株)製「TNT」、1MHzでの比誘電率40、1M
HzでのQ値5000以上、−20℃から80℃におけ
る1MHzでの比誘電率温度係数+170ppm/℃、
平均粒径1.0μm) ・充填材C:チタニア(石原産業(株)製「CR6
3」、)1MHzでの比誘電率110、1MHzでのQ
値5000以上、−20℃から80℃における1MHz
での比誘電率温度係数−750ppm/℃、平均粒径
0.3μm) 3.酸化剤可溶性無機充填剤 ・可溶性充填剤A:炭酸カルシウム(白石工業(株)製
「シルバー(品番W)」、平均粒径3.3μm) ・可溶性充填剤B:炭酸カルシウム(白石工業(株)製
「WHITON(品番P30)」、平均粒径5.6μ
m) ・可溶性充填剤C:炭酸カルシウム(白石工業(株)製
「WHITON(品番P50)」、平均粒径16.3μ
m) 4.カップリング剤 ・カップリング剤A:アミノシラン系カップリング剤
(日本ユニカー社製、品番「Y9669」:(N−フェ
ニル−γ−アミノプロピル)トリメトキシシラン) ・カップリング剤B:アミノシラン系カップリング剤
(日本ユニカー社製、品番「A1100」:γ−アミノ
プロピルトリエトキシシラン) ・カップリング剤C:エポキシシラン系カップリング剤
(信越シリコーン社製、品番「KBM403」:γ−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン) ・カップリング剤D:メルカプトシラン系カップリング
剤(東芝シリコーン社製、品番「TSL8380E」:
3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン) ・カップリング剤E:ビニルシラン系カップリング剤
(東レシリコーン社製、品番「SZ6300」:ビニル
トリメトキシシラン) <評価> (1)誘電特性(比誘電率、誘電正接) 実施例1〜16及び比較例1で得た成形品(形状、φ5
0mm×1mm)を用い、1MHzにおける比誘電率及
び誘電正接を測定した。また成形品を切断研磨して1.
7mm×1.7mm×78.0mmの形状に加工し、ネ
ットワークアナライザ、誘電体共振器テストフィクスチ
ャを用いて摂動法により、1GHz、3GHz、10G
Hzにおける比誘電率及び誘電正接を測定した。 (2)誘電特性(比誘電率の温度係数) 実施例1〜17及び比較例1で得た成形品について、−
20℃から80℃における1MHzでの比誘電率の温度
係数をネットワークアナライザで測定した。
【0083】これらの結果を表1、表2に示す。
【0084】
【表1】
【0085】
【表2】
【0086】
【発明の効果】上記のように本発明の熱可塑性樹脂組成
物は、主としてシンジオタクチック構造を有するスチレ
ン系重合体と液晶ポリマー樹脂の少なくとも一方からな
る熱可塑性樹脂と、1MHzでの比誘電率が30以上、
1MHzでのQ値が5000以上、−20℃〜80℃に
おける1MHzでの比誘電率温度係数が正の値である無
機充填材とを含有するので、1GHz以上の高周波数領
域で大きな比誘電率と、小さな誘電正接と、小さな比誘
電率の温度係数を有する成形品を容易に得ることができ
るものである。
【0087】また、熱可塑性樹脂と無機充填材の他に、
酸化剤可溶性無機充填材を含有するので、熱可塑性樹脂
組成物を成形して得られた成形品を酸化剤で処理するこ
とによって酸化剤可溶性無機充填材が溶出し、成形品の
表面に微細な凹凸を形成することができ、成形品の表面
にメッキを施すにあたってアンカー効果で密着性を高く
得ることができるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 9/02 C08K 9/02 C08L 25/04 C08L 25/04 67/02 67/02 // B29K 25:00 B29K 25:00 105:16 105:16 Fターム(参考) 4F071 AA22 AA46 AA78 AA83 AA84 AA88 AB20 AB21 AE17 AF03 AF37Y AF40Y AG06 AH12 BA01 BB05 BC03 BC07 BC12 4F206 AA13C AA13K AB11 AB16 AC07 AD03 AD18 AH33 JA07 JB12 JF05 JW31 4J002 BC03W CF06X CF18X DA067 DE077 DE107 DE127 DE136 DE137 DE217 DE237 DE267 DG047 DJ037 FA037 FB076 FB086 FD016 FD130 FD207 GQ00 GQ01

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主としてシンジオタクチック構造を有す
    るスチレン系重合体と液晶ポリマー樹脂の少なくとも一
    方からなる熱可塑性樹脂と、1MHzでの比誘電率が3
    0以上、1MHzでのQ値が5000以上、−20℃〜
    80℃における1MHzでの比誘電率温度係数が正の値
    である無機充填材とを含有して成ることを特徴とする熱
    可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 無機充填材が、チタン酸ランタンとチタ
    ン酸ネオジウムの少なくとも一方であることを特徴とす
    る請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂と無機充填材の合計100
    質量部中で、熱可塑性樹脂10〜90質量部に対し、無
    機充填材を90〜10質量部含有することを特徴とする
    請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 上記熱可塑性樹脂と無機充填材の他に、
    酸化剤可溶性無機充填材を含有することを特徴とする請
    求項1乃至3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 熱可塑性樹脂と酸化剤可溶性無機充填材
    の合計100質量部中で、酸化剤可溶性無機充填材を5
    〜30質量部含有することを特徴とする請求項4に記載
    の熱可塑性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 酸化剤可溶性無機充填材は、平均粒子径
    が6μm以下であることを特徴とする請求項4又は5に
    記載の熱可塑性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 酸化剤可溶性無機充填材が炭酸カルシウ
    ムであることを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに
    記載の熱可塑性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 主としてシンジオタクチック構造を有す
    るスチレン系重合体は、パラレルプレート法により温度
    300℃、角速度100rad/sの条件下で測定した
    ときの溶融粘度が、1〜250Pa・sであることを特
    徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の熱可塑性樹
    脂組成物。
  9. 【請求項9】 主としてシンジオタクチック構造を有す
    るスチレン系重合体は、昇温速度10℃/分、温度33
    0℃での質量減少が、5質量%以下であることを特徴と
    する請求項1乃至8のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組
    成物。
  10. 【請求項10】 液晶ポリマー樹脂が、p−ヒドロキシ
    安息香酸のアセチル化物とポリエチレンテレフタレート
    の共縮合から得られる、I型、II型、III型の液晶性芳
    香族ポリエステルであることを特徴とする請求項1乃至
    9のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  11. 【請求項11】 液晶ポリマー樹脂は、昇温速度10℃
    /分、温度330℃での質量減少が、5質量%以下であ
    ることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載
    の熱可塑性樹脂組成物。
  12. 【請求項12】 液晶ポリマー樹脂は、融点が300℃
    以上であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれ
    かに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  13. 【請求項13】 無機充填材は、平均粒径が0.1〜1
    5μmであることを特徴とする請求項1乃至12のいず
    れかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  14. 【請求項14】 無機充填材の表面に、無機水酸化物と
    無機酸化物の少なくとも一方からなる無機コーティング
    層が形成されていることを特徴とする請求項1乃至13
    のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  15. 【請求項15】 無機水酸化物あるいは無機酸化物が、
    チタン、アルミニウム、ケイ素、ジルコニウム、スズ、
    亜鉛、アンチモン及びマグネシウムからなる群の中から
    選ばれた少なくとも1種の元素の、水酸化物あるいは酸
    化物であることを特徴とする請求項14に記載の熱可塑
    性樹脂組成物。
  16. 【請求項16】 無機コーティング層に、無機充填材を
    構成する無機化合物に含有される金属元素と同じ金属元
    素の、水酸化物と酸化物の少なくとも一方を含有するこ
    とを特徴とする請求項14又は15に記載の熱可塑性樹
    脂組成物。
  17. 【請求項17】 無機充填材がアミノ基、又はエポキシ
    基、又はメルカプト基を有するカップリング剤で処理さ
    れていることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか
    に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  18. 【請求項18】 無機充填材に処理するカップリング剤
    が、(N−フェニル−γ−アミノプロピル)トリメトキ
    シシランであることを特徴とする請求項17に記載の熱
    可塑性樹脂組成物。
  19. 【請求項19】 請求項1乃至18のいずれかに記載の
    熱可塑性樹脂組成物を射出成形することによって得られ
    て成ることを特徴とする成形品。
  20. 【請求項20】 1GHzでの比誘電率が3〜20であ
    ることを特徴とする請求項19に記載の成形品。
  21. 【請求項21】 1GHzでの誘電正接が0.002以
    下であることを特徴とする請求項19又は20に記載の
    成形品。
  22. 【請求項22】 −20℃〜80℃における1MHzで
    の比誘電率の温度係数が、−1000〜1000ppm
    /℃であることを特徴とする請求項19乃至21のいず
    れかに記載の成形品。
  23. 【請求項23】 熱可塑性樹脂組成物を射出成形する際
    に少なくとも一種類の電極材料を一体化することによっ
    て、電極が形成されていることを特徴とする請求項19
    乃至22のいずれかに記載の成形品。
  24. 【請求項24】 電極材料がマット面を有する金属箔で
    あることを特徴とする請求項23に記載の成形品。
  25. 【請求項25】 メッキによって電極が形成されている
    ことを特徴とする請求項19乃至22のいずれかに記載
    の成形品。
  26. 【請求項26】 電極の比抵抗が、1×10−5Ω・c
    m以下であることを特徴とする請求項19乃至25のい
    ずれかに記載の成形品。
  27. 【請求項27】 電極の材料が銅であることを特徴とす
    る請求項23乃至26のいずれかに記載の成形品。
  28. 【請求項28】 電極の厚みが10〜110μmである
    ことを特徴とする請求項23乃至27のいずれかに記載
    の成形品。
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