JPH11323046A - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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JPH11323046A
JPH11323046A JP13540898A JP13540898A JPH11323046A JP H11323046 A JPH11323046 A JP H11323046A JP 13540898 A JP13540898 A JP 13540898A JP 13540898 A JP13540898 A JP 13540898A JP H11323046 A JPH11323046 A JP H11323046A
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JP
Japan
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inorganic
resin composition
inorganic particles
thermoplastic resin
particles
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JP13540898A
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English (en)
Inventor
Kiyotaka Komori
清孝 古森
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Panasonic Electric Works Co Ltd
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Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1GHz以上の高周波数領域で大きい比誘電
率と小さい誘電正接を有する回路基板や、大きい比誘電
率と小さい誘電正接を有する電波レンズを形成すること
が可能な、樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 樹脂組成物に、下記(A)の熱可塑性樹
脂及び下記(B)の無機粒子を含有する。 (A)シンジオタクチックポリスチレン及びポリオレフ
ィンからなる群の中から選ばれた少なくとも1種。 (B)チタニア、チタン酸マグネシウム、チタン酸スト
ロンチウム、チタン酸カルシウム及びアルミナからなる
群の中から選ばれた少なくとも1種。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波用の回路基
板や電波レンズ等に使用される樹脂組成物に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】高度情報化時代を迎え、情報伝送はより
高速化・高周波化の傾向にある。特に近年では、ITS
(Intelligent Transport Systems)関連の研究開発をは
じめ、1GHz以上の周波数が盛んに使われる傾向にあ
る。これらの情報伝送に使用される機器は小型化が望ま
れており、ITS関連の車載用途等では設置できるスペ
ースが限られることから特に小型化が望まれている。
【0003】なお、高周波用の回路基板の大きさは、使
用電磁波の波長が基準となっているため、比誘電率εr
が大きいことが望まれている。これは、比誘電率εrの
誘電体中を伝播する際の電磁波の波長λは、真空中の伝
播波長をλ0とすると下記式(a)で表される波長とな
るため、回路基板に用いる材料の比誘電率εrが大きい
程、回路基板を小型化することが可能となるためであ
る。
【0004】
【数1】
【0005】また、電波レンズにおいても、比誘電率ε
rが大きいことが望まれている。これは、比誘電率εr
の誘電体を電波レンズに使用した場合、焦点距離fは下
記式(b)で表される値となるため、電波レンズに用い
る材料の比誘電率εrが大きいほど機器を小型化するこ
とが可能となるためである。なお、式(b)中、r1,
r2はレンズの曲率半径を表す。
【0006】
【数2】
【0007】更に、高周波用の回路基板や電波レンズに
使われる材料の特性として、誘電正接(tanδ)が小
さいことも望まれている。これは、伝送中の損失Pは下
記式(c)で表されるため、誘電正接(tanδ)が大
きくなると、伝送中の損失Pが大きくなるためである。
なお、式(c)中、fは周波数を表し、Vは電圧を表
し、cは誘電体の静電容量を表す。
【0008】
【数3】
【0009】なお、従来より高周波用の回路基板や電波
レンズ用の材料として、樹脂系材料やセラミック系材料
の使用が検討されている。なお、樹脂系材料は、セラミ
ック系材料に比べて、価格や後加工性の点で優れている
が、一般的に比誘電率が小さいという問題点があった。
【0010】そのため、樹脂系材料の比誘電率を高める
ために、ポリフッ化ビニリデン(εr=13)やシアノ
樹脂(εr=16〜20)などの高誘電率樹脂を用いる
方法が検討されているが、この場合、損失が大きく、高
周波用の回路基板や電波レンズの材料としては適してい
ない。
【0011】そこで、樹脂中に無機誘電体粒子を分散し
て比誘電率を大きくする複合化技術が注目され検討され
ている(例えば、特公昭49−25159号、特公昭5
4−18754号、特開平5−128912号)。しか
し、特公昭49−25159号公報や特公昭54−18
754号公報に記載された樹脂系材料については、高周
波用途に用いるための工夫がなされておらず、損失が大
きいため高周波用の回路基板や電波レンズの用途には適
していない。
【0012】また、特開平5−128912号公報で
は、樹脂にポリフェニレンオキサイド、トリアリルイソ
シアネレート、無機誘電体粒子にチタニアを用い、それ
をガラスクロスで補強する樹脂系材料が提案されてい
る。この樹脂系材料の場合、損失が改善されているが、
この樹脂系材料を用いても、誘電正接は0.003程度
の値であり、高周波用の回路基板や電波レンズには不十
分である。そのため、更に大きな比誘電率と、小さな誘
電正接を有する樹脂系材料が望まれている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を改善するために成されたもので、その目的とするとこ
ろは、1GHz以上の高周波数領域で大きな比誘電率と
小さな誘電正接を有する回路基板や、大きな比誘電率と
小さな誘電正接を有する電波レンズを形成することが可
能な、樹脂組成物を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
樹脂組成物は、回路基板用または電波レンズ用樹脂組成
物であって、下記(A)の熱可塑性樹脂及び下記(B)
の無機粒子を含有することを特徴とする。 (A)シンジオタクチックポリスチレン及びポリオレフ
ィンからなる群の中から選ばれた少なくとも1種。 (B)チタニア、チタン酸マグネシウム、チタン酸スト
ロンチウム、チタン酸カルシウム及びアルミナからなる
群の中から選ばれた少なくとも1種。
【0015】本発明の請求項2に係る樹脂組成物は、請
求項1記載の樹脂組成物において、前記(A)の熱可塑
性樹脂及び前記(B)の無機粒子の合計100重量部に
対し、前記(A)の熱可塑性樹脂を、10〜90重量部
含有することを特徴とする。
【0016】本発明の請求項3に係る樹脂組成物は、請
求項1又は請求項2記載の樹脂組成物において、前記
(A)の熱可塑性樹脂として、シンジオタクチックポリ
スチレンを含有することを特徴とする。
【0017】本発明の請求項4に係る樹脂組成物は、請
求項1から請求項3のいずれかに記載の樹脂組成物にお
いて、前記(B)の無機粒子が、その表面に、無機水酸
化物及び/又は無機酸化物からなる無機コーティング層
が形成された前記(B)の無機粒子であることを特徴と
する。
【0018】本発明の請求項5に係る樹脂組成物は、請
求項4記載の樹脂組成物において、無機水酸化物及び/
又は無機酸化物が、チタン、アルミニウム、ケイ素、ジ
ルコニウム、スズ、亜鉛、アンチモン及びマグネシウム
からなる群の中から選ばれた少なくとも1種の元素の、
水酸化物及び/又は酸化物であることを特徴とする。
【0019】本発明の請求項6に係る樹脂組成物は、請
求項4又は請求項5記載の樹脂組成物において、無機コ
ーティング層に、前記(B)の無機粒子を構成する無機
化合物に含有する金属元素と同じ金属元素の、水酸化物
及び/又は酸化物を含むことを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明に係る樹脂組成物は、前記
(A)の熱可塑性樹脂(以下、熱可塑性樹脂Aと記す)
及び前記(B)の無機粒子(以下、無機粒子Bと記す)
を含有する、回路基板用または電波レンズ用の樹脂組成
物である。
【0021】本発明に用いる熱可塑性樹脂Aとしては、
シンジオタクチックポリスチレン及びポリオレフィンを
用いることができる。なお、ポリオレフィンとしては、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、
下記式(d)で示される環状ポリオレフィン等が挙げら
れる。なお、式(d)中、R1及びR2はアルキル基を
表し、nは正の整数を表す。これらの熱可塑性樹脂A
は、1GHz以上の高周波領域での誘電正接が小さいた
め、後記する無機粒子Bと組み合わせた場合、高周波数
領域で大きな比誘電率と小さな誘電正接を有する回路基
板や、大きな比誘電率と小さな誘電正接を有する電波レ
ンズを形成することが可能となる。
【0022】
【化1】
【0023】熱可塑性樹脂Aとしては、上記樹脂の中か
ら任意の1種以上のものを選択して使用することができ
るが、シンジオタクチックポリスチレンを用いることが
好ましい。シンジオタクチックポリスチレンは、1GH
z以上の高周波での誘電正接が小さいことに加え、成形
性が優れる、価格が比較的安いなどの利点がある。この
シンジオタクチックポリスチレンの配合量は、熱可塑性
樹脂A100重量部中に80〜100重量部含有する
と、上記効果が特に優れ好ましい。
【0024】また、本発明に用いる無機粒子Bとして
は、チタニア、チタン酸マグネシウム、チタン酸ストロ
ンチウム、チタン酸カルシウム及びアルミナを用いるこ
とができる。これらの無機粒子Bは、1GHz以上の高
周波領域での比誘電率が大きいと共に、誘電正接が小さ
いため、前記熱可塑性樹脂Aと組み合わせた場合、高周
波数領域で大きな比誘電率と小さな誘電正接を有する回
路基板や、大きな比誘電率と小さな誘電正接を有する電
波レンズを形成することが可能となる。
【0025】無機粒子Bとしては、上記の中から任意の
1つ以上のものを選択して使用することができるが、チ
タニアを用いることが好ましい。チタニアは、比誘電率
が約100と大きく、かつ、誘電正接が0.0001以
下と小さいため、特に大きな比誘電率と小さな誘電正接
を有する回路基板や電波レンズを形成することが可能と
なり好ましい。このチタニアの配合量は、無機粒子B1
00重量部中に80〜100重量部含有すると、上記効
果が特に優れ好ましい。
【0026】なお、無機粒子Bとして、2種類以上の化
合物を用いる場合は、別々の組成の無機粒子Bを熱可塑
樹脂Aにブレンドしてもよいし、無機粒子Bそれ自体
が、2つ以上の組成の固溶体であるものを用いてもよ
い。また、この無機粒子Bの粒径としては、特に限定す
るものではないが、平均粒径が0.3〜15μmである
と好ましい。平均粒径が0.3μm未満の場合、比表面
積が比較的大きいため、熱可塑性樹脂Aとの界面に空隙
が生じる場合があり、平均粒径が15μmを越える場
合、熱可塑性樹脂A中での無機粒子Bの分散性が低下す
る場合がある。
【0027】また、無機粒子Bは、その表面に、無機水
酸化物及び/又は無機酸化物からなる無機コーティング
層が形成された粒子であることが好ましい。この場合、
無機コーティング層を介して、無機粒子Bが熱可塑性樹
脂Aと馴染みやすくなるため、熱可塑樹脂Aと無機粒子
Bとの密着性が向上する。なお、この無機水酸化物及び
/又は無機酸化物が、チタン、アルミニウム、ケイ素、
ジルコニウム、スズ、亜鉛、アンチモン及びマグネシウ
ムからなる群の中から選ばれた少なくとも1種の元素の
水酸化物及び/又は酸化物であると、馴染み性が特に優
れ好ましい。
【0028】また、無機粒子Bの表面に形成された無機
コーティング層に、無機粒子Bを構成する無機化合物に
含有する金属元素と同じ金属元素の、水酸化物及び/又
は酸化物を含むと好ましい。つまり、無機粒子Bがチタ
ニアの場合はチタン系無機コーティング層、無機粒子B
がアルミナの場合はアルミニウム系無機コーティング
層、無機粒子Bがチタン酸マグネシウムの場合はチタン
系及び/又はマグネシウム系無機コーティング層が、無
機粒子Bの表面に形成されていることが好ましい。この
場合、無機粒子Bと無機コーティング層間の結合が、よ
り強固になる。更に、無機コーティング層を多層構造と
し、無機粒子Bと接する側は無機粒子Bと馴染みのよい
無機コーティング層とし、熱可塑樹脂Aと接する側は、
熱可塑樹脂Aや、後記するカップリング剤と馴染みのよ
い無機コーティング層にすると好ましい。これにより、
無機粒子Bと熱可塑樹脂A間の結合が、より強固にな
る。
【0029】無機コーティング層の形成方法としては、
気相処理法(CVD法)や液相処理法(液相反応を利用
する方法)などが挙げられる。液相処理法の場合、例え
ば以下のようにして無機コーティング層を形成すること
ができる。例えば酸化チタンコーティング層を形成する
場合は、四塩化チタンや硫酸チタニウムを含む水溶液中
に無機粒子Bを投入し、水溶液をpH8.5〜10.5
に調整することにより形成される。なお、無機粒子Bの
表面に形成する酸化チタンコーティング層の厚み(体積
量)は、上記水溶液中のチタンイオンの濃度で調整する
ことができる。
【0030】また、酸化アルミニウムコーティング層を
形成する場合は、アルミン酸ナトリウム、塩化アルミニ
ウム、硫酸アルミニウムを含む水溶液中に無機粒子Bを
投入し、水溶液をpH7程度に調整することにより形成
される。なお、無機粒子Bの表面に形成する酸化アルミ
ニウムコーティング層の厚みは、上記水溶液中のアルミ
ニウムイオンの濃度で調整することができる。また、酸
化ケイ素コーティング層を形成する場合には、ケイ酸塩
を含む水溶液を使えばよい。
【0031】また、無機酸化物や無機水酸化物を2種類
以上用いた無機コーティング層を段階的ないし同時形成
する場合には、2種以上の塩を含む液を用いて膜が析出
するようにpHを調整して形成する。段階的に形成する
場合には、例えば四塩化チタンを溶解した液を用いて、
水酸化ナトリウムでpH調整することによりチタン系の
第1コーティング層を形成し、次にその液にアルミン酸
ナトリウム、ケイ酸ナトリウムを溶解させた後、硫酸で
pH調整することによりアルミニウム−シリコン系の第
2コーティング層を形成する。勿論、第2コーティング
層をアルミニウム系の層とし、その表面にシリコン系の
第3コーティング層を形成するようにしても良い。
【0032】そして、これらの無機コーティング層を形
成した後、表面の洗浄と乾燥を行う。特に洗浄は導電性
成分が残留しないように細心の配慮を払いながら十分に
行うことが重要である。
【0033】なお、無機コーティング層の表面に、カッ
プリング剤の処理が施されていると、更に熱可塑性樹脂
Aとの密着性が優れ好ましい。この場合、無機粒子Bと
熱可塑樹脂Aとの馴染みが更に良くなるからである。上
記カップリング剤としては、例えば、γ−(2−アミノ
エチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2
−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、γ−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロ
ピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラ
ン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−アニ
リノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシ
シラン、オクタデシルジメチル[3−(トリメトキシシ
リル)プロピル]アンモニウムクロライド、γ−クロロ
プロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロ
ピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピ
ルメチルジメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリ
エトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジ
メトキシシラン、イソプロピルトリイソステアロイルチ
タネート、イソプロピルトリス(ジオクチパイロホスフ
ェート)チタネート、イソプロピルトリス(N−アミノ
エチル−アミノエチル)チタネート、イソプロピルトリ
オクタノイルチタネート、アセトアルコキシアルミニウ
ムジイソプロピレート等が挙げられる。
【0034】上記熱可塑性樹脂A及び無機粒子Bの配合
量としては、熱可塑性樹脂A及び無機粒子Bの合計10
0重量部に対し、熱可塑性樹脂Aを10〜90重量部、
好ましくは40〜80重量部含有すると好ましい。10
重量部未満の場合、誘電正接が大きくなるため、損失が
大きくなって高周波用の回路基板や電波レンズの材料と
して不向きになる場合があり、90重量部を越える場
合、比誘電率が比較的小さくなるため、機器の小型化に
対する大きな寄与が期待できなくなって問題となる場合
がある。
【0035】なお、本発明に係る樹脂組成物は、熱可塑
性樹脂A及び無機粒子Bのみを含有するものに限定する
ものではなく、必要に応じて、無機粒子B以外の無機物
や、熱可塑性樹脂A以外の樹脂や、難燃性を付与する成
分や、メッキ性を付与する成分等を含有していても良
い。特に、アスペクト比5〜1,500のガラス短繊維
をも含有すると、得られる回路基板等の機械的強度が向
上し好ましい。このガラス短繊維の配合量としては、熱
可塑性樹脂A及び無機粒子B及びガラス短繊維の合計1
00重量部に対し、ガラス短繊維を5〜30重量部配合
する。なお、これらの熱可塑性樹脂Aや無機粒子B以外
のものを配合した場合、これら及び熱可塑性樹脂A及び
無機粒子Bの合計100重量部に対し、熱可塑性樹脂A
が10〜90重量部の範囲内、無機粒子Bが10〜90
重量部の範囲内になるように調整して配合する。
【0036】これらの熱可塑性樹脂A及び無機粒子B等
は、均一に混合されていることが好ましい。この混合す
る方法としては、必要に応じて加熱しながら、二軸混練
機等を用いて混合する。
【0037】
【実施例】(実施例1〜実施例15)樹脂組成物の原料
として、下記の4種類の熱可塑性樹脂A、6種類の無機
粒子B及びガラス短繊維を用いた。 ・熱可塑性樹脂A−1:シンジオタクチックポリスチレ
ン(出光石油化学社製、商品名:ザレックS−100) ・熱可塑性樹脂A−2:ポリメチルペンテン(三菱化成
社製) ・熱可塑性樹脂A−3:環状ポリオレフィン(日本ゼオ
ン社製、商品名:ゼオネックス) ・熱可塑性樹脂A−4:シンジオタクチックポリスチレ
ン(出光石油化学社製、商品名:SP130、メッキ性
を高める処理が施されたシンジオタクチックポリスチレ
ン) ・無機粒子B−1:チタニア粒子(粒径3μm、ルチル
型結晶)の表面に無機コーティング層が形成され、更に
その表面にカップリング剤処理が施されている粒子。 ・無機粒子B−2:チタニア粒子(粒径3μm、ルチル
型結晶) ・無機粒子B−3:アルミナ粒子(粒径2.8μm、住
友化学社製) ・無機粒子B−4:チタン酸マグネシウム粒子(粒径
1.2μm、富士チタン社製) ・無機粒子B−5:チタン酸ストロンチウム粒子(粒径
1.1μm、富士チタン社製) ・無機粒子B−6:チタン酸カルシウム粒子(粒径1.
2μm、富士チタン社製) ・ガラス短繊維:直径10μm、長さ5mm、アスペク
ト比500。
【0038】なお、上記無機粒子B−1は、以下の方法
で処理して得た。まず、チタニア粒子をヘキサメタリン
酸ナトリウムを含む溶液に添加混合し懸濁分散させた。
次いで、その溶液に、無機コーティング層の原料とし
て、四塩化チタン、アルミン酸ナトリウム、ケイ酸ナト
リウムを添加した後、硫酸を用いてpH調整を行うこと
により、チタニア粒子表面に無機コーティング層を形成
した。その後、洗浄し、120℃で24時間乾燥を行う
ことにより、表面に無機コーティング層が形成されたチ
タニア粒子を得た。続いて、この無機コーティング層が
形成されたチタニア粒子をカップリング剤としてγ−
(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラ
ンを添加した水溶液中に分散させることにより、無機コ
ーティング層の表面にカップリング剤を沈積させた。そ
の後、ろ過、乾燥して、チタニア粒子の表面に無機コー
ティング層が形成され、更にその表面にカップリング剤
処理が施されている粒子を得た。
【0039】そして、上記の各原料を表1に示す重量比
で配合した後、2軸混練機で混練することにより、熱可
塑性樹脂A中に無機粒子Bがほぼ均一に分散した樹脂組
成物を得た。次いでその樹脂組成物を引き出した後、切
断することにより顆粒状物とし、次いでその顆粒状物を
射出成形して、100mm×100mm×3mmの成形
体を得た。
【0040】
【表1】
【0041】(比較例1)熱可塑性樹脂A−1に代え
て、ポリフェニレンオキサイド(GEプラスチック社
製)を用いたこと以外は実施例1と同様にして成形体を
得た。
【0042】(比較例2)熱可塑性樹脂A−1に代え
て、ポリフェニレンサルファイド(呉羽化学社製)を用
いたこと以外は実施例1と同様にして成形体を得た。
【0043】(比較例3)無機粒子B−1に代えて、チ
タン酸バリウム粒子(粒径1.5μm、富士チタン社
製)を用いたこと以外は実施例5と同様にして成形体を
得た。
【0044】(評価、結果)各実施例及び各比較例で得
られた成形体の、比誘電率及び誘電正接を測定した。ま
た、実施例1、実施例14及び実施例15で得られた成
形体については、引張り強度も測定した。なお、比誘電
率及び誘電正接の測定は、成形体をそれぞれ切断研磨し
て50mm×50mm×0.64mmの形状に加工し、
ネットワークアナライザ、誘電体共振器テストフィクス
チャを用い、摂動法により3GHz、6GHz、12G
Hzで測定した。また、引張り強度は、JIS規格K6
301に準じて測定した。
【0045】その結果は、表1に示したように、樹脂組
成物中の樹脂成分と無機粒子の重量比率が同じ比率であ
る、実施例1〜実施例4及び実施例15は、比較例1及
び比較例2と比べて高周波領域での誘電正接が小さいと
共に、比誘電率は同等で比較的大きく、高周波用の回路
基板や電波レンズの材料として適することが確認され
た。
【0046】また、樹脂組成物中の樹脂成分と無機粒子
の重量比率が同じ比率である、実施例5〜実施例10
は、比較例3と比べて、高周波領域での誘電正接が小さ
いと共に、比誘電率は同等で比較的大きく、高周波用の
回路基板や電波レンズの材料として適することが確認さ
れた。
【0047】また、ガラス短繊維を配合した実施例14
及び実施例15は、実施例1と比較して、誘電正接が多
少大きくなるが、引張り強度が優れ、機械的強度の必要
な用途にはガラス短繊維を適量添加することが効果的で
あることが確認された。
【0048】
【発明の効果】本発明に係る樹脂組成物は、上記熱可塑
性樹脂A及び無機粒子Bを配合しているため、高周波数
領域で大きな比誘電率と小さな誘電正接を有する回路基
板や、大きな比誘電率と小さな誘電正接を有する電波レ
ンズを形成することが可能となり、高周波用の回路基板
や電波レンズを用いた電子機器の小型化に寄与できる。
【0049】本発明の請求項3に係る樹脂組成物は、上
記の効果に加え、成形性が優れるため、寸法精度の優れ
た成形体を得ることが可能となる。
【0050】本発明の請求項4に係る樹脂組成物は、上
記の効果に加え、無機コーティング層を介して、無機粒
子Bが熱可塑性樹脂Aと馴染みやすくなるため、熱可塑
樹脂Aと無機粒子Bとの密着性が向上する。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(A)の熱可塑性樹脂及び下記
    (B)の無機粒子を含有することを特徴とする回路基板
    用または電波レンズ用樹脂組成物。 (A)シンジオタクチックポリスチレン及びポリオレフ
    ィンからなる群の中から選ばれた少なくとも1種。 (B)チタニア、チタン酸マグネシウム、チタン酸スト
    ロンチウム、チタン酸カルシウム及びアルミナからなる
    群の中から選ばれた少なくとも1種。
  2. 【請求項2】 前記(A)の熱可塑性樹脂及び前記
    (B)の無機粒子の合計100重量部に対し、前記
    (A)の熱可塑性樹脂を、10〜90重量部含有するこ
    とを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記(A)の熱可塑性樹脂として、シン
    ジオタクチックポリスチレンを含有することを特徴とす
    る請求項1又は請求項2記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 前記(B)の無機粒子が、その表面に、
    無機水酸化物及び/又は無機酸化物からなる無機コーテ
    ィング層が形成された前記(B)の無機粒子であること
    を特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の
    樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 無機水酸化物及び/又は無機酸化物が、
    チタン、アルミニウム、ケイ素、ジルコニウム、スズ、
    亜鉛、アンチモン及びマグネシウムからなる群の中から
    選ばれた少なくとも1種の元素の、水酸化物及び/又は
    酸化物であることを特徴とする請求項4記載の樹脂組成
    物。
  6. 【請求項6】 無機コーティング層に、前記(B)の無
    機粒子を構成する無機化合物に含有する金属元素と同じ
    金属元素の、水酸化物及び/又は酸化物を含むことを特
    徴とする請求項4又は請求項5記載の樹脂組成物。
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