JP2003342074A - 耐食性部材 - Google Patents
耐食性部材Info
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Abstract
優れた耐食性を有していながら、高強度や耐熱衝撃性の
要求から使用が限定されていた部分への適用を可能とす
る、優れた耐食性と機械的特性等を兼ね備えた耐食性部
材を提供する。 【解決手段】窒化珪素質焼結体からなる基材と、該基材
表面に形成された被覆層とから構成された耐食性部材に
おいて、前記被覆層がRE2Si2O7及び/又はRE2S
iO5(REは希土類元素)の結晶相からなる。
Description
装置において、内壁材(チャンバー)、マイクロ波導入
窓、シャワーヘッド、フォーカスリング、シールドリン
グ等をはじめとする半導体・液晶製造装置(エッチャー
やCVD等)の構成部品、これらの装置で高真空を得る
ために使用されるクライオポンプやターボ分子ポンプ等
の構成部品、その中でも特に腐食性ガス又はそのプラズ
マに対して高い耐食性を求められる部材に関するもので
ある。
真空チャンバーの内壁材、マイクロ波導入窓、フォーカ
スリング、サセプタ等の如きフッ素系や塩素系などのハ
ロゲン系腐食性ガス雰囲気下でプラズマに曝される半導
体・液晶製造装置用部材には、石英や酸化アルミニウム
焼結体が多く使用されている。また、更に耐食性に優れ
た部材としてフッ素系や塩素系などのハロゲン系腐食性
ガス雰囲気下でプラズマに曝される表面をイットリウム
・アルミニウム・ガーネット(以下、「YAG」と略称
する)焼結体により形成することが提案されている(特
開平10−236871号公報参照)。また、酸化アル
ミニウム質焼結体の表面に、周期律表第3a族元素とア
ルミニウムの複合酸化物からなる結晶性化合物層を形成
することが提案されている(特開2000−10368
9公報)。
ら用いられている石英ではプラズマ中の耐食性が不充分
で消耗が激しく、特にフッ素系や塩素系プラズマに接す
ると接触面がエッチングされ、表面性状が変化したり、
光透過性が必要とされる部材では、表面が次第に白く曇
って透光性が低下する等の問題を生じていた。また、酸
化アルミニウム焼結体は、石英と比較するとハロゲン系
腐食性ガスに対する耐食性は優れるものの、やはりプラ
ズマと接すると腐食が徐々に進行して、セラミック焼結
体の表面や結晶粒界からハロゲン化物が蒸発し消耗して
いく。これはアルミニウム成分とプラズマで生成される
ハロゲン化物の融点が低いためである。この為、さらに
耐食性の高い材料が望まれ、特開平10−236871
号公報に開示されたYAG焼結体が提案されている。し
かしながら、これも耐食性には優れるものの、曲げ強度
や破壊靱性が十分に高くはないため、高い応力のかかる
部分には形状等の制約がある。また、大型の構造部材に
用いる場合、重量が重くなり、取り付け時やハンドリン
グ時において欠けや割れが発生するという課題がある。
公報に開示された酸化アルミニウム質焼結体の表面に周
期律表第3a族元素とアルミニウムの複合酸化物からな
る結晶性化合物層を形成したものは、大半が酸化アルミ
ニウム質焼結体で構成されているため、その曲げ強度及
び破壊靱性値が酸化アルミニウム質焼結体に比べ若干低
下するものの、前記YAG焼結体に比べると大幅に向上
している。しかしながら、例えばターボ分子ポンプを構
成するロータ等のような数万回転させることで高負荷が
かかる部品等や、エッチング装置のように腐食により蒸
発したハロゲン化物がチャンバー内壁へ堆積するのを防
ぐ目的で、ランプ等を用いて加熱することで熱衝撃がか
かるチャンバー部品等には、耐食性だけでなく、強度、
靱性、耐熱衝撃性も要求されるため、特開2000−1
03689公報で開示された酸化アルミニウム質焼結体
を基材とするものでは、十分な特性を有していない点か
ら、その使用には制約がある。
部材として使用した場合に、ハロゲン系腐食性ガスやそ
のプラズマに対して優れた耐食性を有するだけでなく、
前述したような強度、靱性、熱衝撃等が要求される過酷
な環境下で使用したときでも、破損等が発生しないだけ
でなく、大型構造部材に用いても、取り付け時やハンド
リング時において欠けや割れが発生しない耐食性部材を
提供することにある。
に、本発明の耐食性部材は、窒化珪素質焼結体からなる
基材表面に、RE2Si2O7及び/またはRE2SiO5
(REは希土類元素)を主成分とする結晶相を被覆した
ことを特徴とする。
m、La、Ce、Pr、Nd、Tm、Luのいずれかか
らなることを特徴とする。
RE2O3比(モル比)が0.9〜2.3の範囲であり、
また上記被覆した結晶相の気孔率が1%以下であること
を特徴とする。
て詳細に説明する。
腐食性ガスあるいはそのプラズマに曝される部材であ
り、ハロゲン系腐食性ガスとしては、SF6、CF4、C
2F6、CHF3、NF3、C4F8等のフッ素系ガス、Cl
2、HCl、BCl3等の塩素系ガス、あるいはBr2、
HBr、BBr3等の臭素系ガスなどがある。そして、
これらのハロゲン系腐食性ガスが使用される雰囲気下で
マイクロ波や高周波が導入されるとこれらのガスがプラ
ズマ化されることになる。
に、ハロゲン系腐食性ガスとともに、Arなどの不活性
ガスを導入してプラズマを発生させることもある。
又はそのプラズマに曝される部材を窒化珪素質焼結体か
らなる基材表面に、RE2Si2O7及び/またはRE2S
iO 5(REは希土類元素)を主成分とする結晶相を被
覆した耐食性部材としたものである。
用できる耐食性部材とするために、基材として、強度、
靱性、耐熱衝撃性に優れることからエンジニアリングセ
ラミックスとして、特に熱機関構造用材料としてその応
用が進められている窒化珪素質焼結体を選定した。窒化
珪素質焼結体は、フッ素系ガスあるいは塩素系ガスとの
反応により生成されるハロゲン化物の融点(SiF4:
−90℃、SiCl4:−70℃)が低く、耐食性が劣
るために、窒化珪素質焼結体の表層にRE2Si2O7及
び/またはRE2SiO5(REは希土類元素)を主成分
とする耐食性に優れた結晶相を被覆した。
l2O3やZrO2などをCVDや溶射の手法でコーティ
ングし、耐食性を向上する試みが行われているが、これ
らの表面被覆層は、ハロゲン系腐食性ガスに対する耐食
性が不十分(ハロゲン化物の融点AlF3:1040
℃、AlCl3:178℃、ZrF4:580℃、ZrC
l4:300℃)であったり、また基材である窒化珪素
焼結体との熱膨張差により、使用中にクラックが発生し
たり、剥離する問題があった。
からなる基材の表面に、希土類元素(RE)の結晶相、
即ち、RE2Si2O7(ダイシリケート)又はRE2Si
O5(モノシリケート)で表される化合物の結晶相が形
成されていることが重要である。
RE2SiO5(モノシリケート)から形成されている被
覆層は、前記のAl2O3、ZrO2などに比べて、ハロ
ゲン系腐食性ガスとの反応により生成されるハロゲン化
物の融点が高いことから、優れた耐食性が発揮される。
本発明において、上記結晶相の構成成分である希土類元
素は、周期律表第3a族元素であり、具体的にはY、Y
b、Sm、La、Ce、Pr、Nd、Tm、Luが、特
にフッ素との反応により生成されるハロゲン化物の融点
1150℃以上、塩素との反応により生成されるハロゲ
ン化物の融点650℃以上を示し、好適である。
る過剰SiO2量が10モル%以下、特に好適には5モ
ル%以下、更には2モル%以下、最も好ましくは1モル
%以下であることが重要である。
(ダイシリケート)或いはRE2SiO5(モノシリケー
ト)の結晶相自体が非常に優れた耐食性を有するが、か
かる結晶相の耐食性が良好であっても、この被覆層は多
結晶体からなるものであって、その結晶粒界が存在し、
この結晶粒界に、このような結晶相に寄与しないSiO
2が存在する場合、このSiO2がハロゲン系腐食性ガス
と反応して腐食され、その結果粒界相が抜け落ち、被覆
層が破壊されやすくなり、また、空隙となった粒界相を
介して窒化珪素質焼結体が腐食されやすくなる。
を前記範囲に低減するために、被覆層がダイシリケート
のみからなる場合には、被覆層中のSiO2/RE2O3
比(モル比)が1.9〜2.3、被覆層がモノシリケー
トのみからなる場合には0.9〜1.2であることが望
ましく、更に被覆層がダイシリケートとモノシリケート
との混合結晶である場合には、SiO2/RE2O3比
(モル比)が0.9〜2.3の範囲にあることが望まし
い。
以下であるのがよい。気孔率をこのような範囲に制御す
ることにより、被覆層は閉気孔が主となるため、被覆層
の機械的強度をさらに向上するとともに、耐食性を向上
することができる。
E2O3の種類にもよるが、熱処理温度を1300〜18
00℃、特に1400〜1750℃の温度とするのが良
い。熱処理温度が上記範囲よりも低いと、被覆層には、
気孔が多数残存する。熱処理温度が上記範囲よりも高す
ぎると、溶融発泡してしまう。
には10μm以上、最も好ましくは100μm以上であ
る。製品の長寿命化の観点から、厚い程好ましいことは
言うまでもない。しかしながら、被覆層を形成する基材
の厚みにもよるが、被覆層を極端に厚くすると、基材の
もつ特性を十分に発揮することができなくなる可能性も
あり、上限は1000μm以下とすることが好ましい。
る基材である窒化珪素質焼結体においては、主相である
窒化珪素結晶相の粒界に、結晶相が存在することが好ま
しい。
は、例えば希土類元素(RE)、Si(珪素)及びO
(酸素)からなる結晶であることが好ましく、さらに好
適には、前記被覆層と同様、化学式:RE2Si2O7或
いはRE2SiO5で表されるダイシリケート相もしくは
モノシリケート相であることが望ましい。即ち、このよ
うな結晶相を窒化珪素結晶粒子の粒界に存在させること
により、窒化珪素質焼結体からなる基材に対する前記被
覆層の濡れ性が良好となり、粒界結晶相が基材から被覆
層に連続しているので、両者の付着力が強固となり、ま
た、基材と被覆層間の熱膨張差を低減でき、被覆層の剥
がれを一層効果的に防止できる。
素質焼結体は、主成分である窒化珪素以外に、希土類元
素及び過剰酸素を含有することが好適である。
性、耐熱衝撃性等を十分に発現させるために、70〜9
9モル%、特に85〜99モル%の範囲にあることが望
ましい。
のであり、また上述した粒界結晶相の構成成分である。
かかる希土類元素としては、被覆層を形成する結晶相中
に存在するものと同じ物を生成することができ、焼結体
基材中の希土類元素含有量は、緻密で強度、靱性、耐熱
衝撃性に優れた窒化珪素質焼結体を得るために、酸化物
換算で0.5〜10モル%が適する。特に1〜7モル%
が望ましい。例えば、希土類元素含有量が、上記範囲よ
りも少ないと、焼結性が低下し、緻密な窒化珪素質焼結
体からなる基材をえることが困難となり、また、上記範
囲よりも多量に希土類元素を含有する場合には、高温強
度及び耐熱衝撃性の特性が劣化する傾向がある。
して存在するものであり、窒化珪素質焼結体中の全酸素
量より、希土類元素の酸化物に使用する酸素量を差し引
いた酸素量を意味する。本発明において、この過剰酸素
量は、 SiO2/RE2O3 式中SiO2は、SiO2換算での過剰酸素量(モル)を
示し、RE2O3は、酸化物換算での前記希土類元素含有
量(モル)を示す、で表されるモル比が2以上、特に2
〜3.5、更には2.1〜2.7の範囲にあることが望
ましい。即ち、このような量で過剰酸素を含むことによ
り、腐食に対する耐性の高いダイシリケート相やモノシ
リケート相を粒界に形成することができる。例えば、過
剰酸素量が上記範囲よりも少ないと、このような結晶相
を粒界に析出させることが難しい。
いて説明する。本発明によれば、基材を製造し、次いで
該基材表面に上述した被覆層を形成することにより耐食
性部材が製造される。
末と希土類元素(周期律表第3a族元素)の酸化物(R
E2O3)粉末との混合粉末が使用されるが、この混合粉
末には、必要により、粒界結晶相を析出させるためのS
iO2粉末が混合される。
使用することができ、その粒径は0.4〜1.2μm、
陽イオン不純物量は1重量%以下、特に0.5重量%以
下、不純物酸素量が0.5〜2重量%が適当であり、直
接窒化法、イミド分解法などのいずれの製法によるもの
であってもかまわない。また、サイアロン粉末を用いる
こともできる。
りに、RE2O3とSiO2との複合酸化物の粉末を使用
することもできるし、窒化珪素とRE2O3とSiO2と
の化合物粉末を用いることもできる。
た基材の組成を満足するように、各粉末の混合比率が調
整される。例えば、過剰酸素量が所定のSiO2/RE2
O3モル比を満足するためには、窒化珪素中に不可避に
含まれる酸素あるいは製造過程で吸着される酸素分等を
SiO2分として考慮して、Lu2O3などの希土類酸化
物量やSiO2粉末の添加量を調整する。
回転ミル、バレルミルなどで十分に混合した後、得られ
た混合粉末を所望の成形手段、例えば、金型プレス、鋳
込み成形、排泥成形、押し出し成形、射出成形、冷間静
水圧プレス等により任意の形状に成形し、この成形体を
焼成することにより、本発明で使用する基材を得ること
ができる。
われ、焼成温度は、1800〜2000℃の範囲が適当
である。このような条件での焼成によって、相対密度が
98%以上に緻密化した焼結体を得ることができる。焼
成温度が2000℃を越えると窒化珪素結晶が粒成長
し、強度劣化を引き起こす恐れがあり、焼成温度が18
00℃よりも低いと、緻密化が困難になることがある。
IP)法で処理し、さらに緻密化することができる。さ
らに、上記の焼成後の冷却過程で徐冷するか、または焼
結体を1000〜1700℃で熱処理することにより粒
界の結晶化を図り特性のさらなる改善を行うことが出来
る。また、場合によっては、ガラスカプセル熱間静水圧
プレス(HIP)法あるいはガラス浴熱間静水圧プレス
(HIP)法により焼結体を得ることも可能である。
は、窒化珪素粉末の一部をSi粉末に置き換えて成形体
を作製し、これを窒素含有雰囲気中、800〜1500
℃で熱処理しSi3N4に変換して成形体密度を高めたう
えで、前述した焼成条件で焼成することにより、焼成時
の収縮を小さくすることが出来る。
面に、前述した希土類元素のモノシリケート相或いはダ
イシリケート相からなる被覆層を形成する。
スパッタ法等の薄膜形成法、溶射法、スラリー塗布法を
用いて行うことができるが、本発明では、被覆層中の過
剰SiO2量が厳密に制御されていなければならない。
従って、溶射法、スラリー塗布法が望ましく、さらには
簡単に形成できる点でスラリーディップ法が望ましい。
粉末、或いはSiO2とRE2O3との混合粉末を用い、
こられの粉末中の過剰SiO2量を所定の範囲に調整
し、スラリーを作製する。このスラリーを、上記で製造
された基材表面に塗布法、即ち、スプレーによりスラリ
ーを吹き付けるか、或いはディッピング法により焼結体
表面にスラリーを均一に塗布し、次いで熱処理すること
により、目的とする結晶相からなる被覆層を形成するこ
とができる。
よるが、一般的には、1300〜1800℃、特に14
00〜1750℃の温度とするのが良い。熱処理温度が
上記範囲よりも低いと、所望の結晶相を析出させること
が困難となり、或いは得られた被覆層には、気孔が多数
残存し、耐食性部材としての機能をなさない。また、熱
処理温度が上記範囲よりも高いと、SiO2が揮発して
しまい、所定の結晶相を析出することができず、また、
粘性が低くなりすぎ、被覆層が形成されにくくなってし
まう。
素、Arなどの不活性雰囲気であればよいが、例えば、
1300℃以上もの高温下で窒素或いはAr雰囲気で熱
処理する場合、SiO2が揮発してしまい、被覆層の組
成が大きく変動してしまう恐れがある。従って、この場
合には、被覆層の組成を出発組成と実質的に同一にする
上で、高温熱処理時の雰囲気にSiOガスを発生させて
おくことが望ましい。このSiOガスを発生させるため
には、Si/SiO2の混合粉末を熱処理炉内に配置し
ておけばよい。
RE2O3粉末等は、いずれも純度99%以上であること
が望ましい。また、被覆層の過剰SiO2を低減し、耐
食性に優れる被覆層を実現するため、所望粉末等の組成
は、SiO2/RE2O3モル比を0.9〜2.3に設定
することが好ましい。
製造工程で作成された成形体表面に、上記と同様の方法
で均一塗布し、これを焼成することにより、基材と表面
被覆層とを同時に形成させることも可能である。
材は、被覆層と焼結体基材との付着力が高く、優れた強
度、靱性、耐熱衝撃性、耐食性を示し、ハロゲン系腐食
性ガス或いはそのプラズマに曝される半導体・液晶製造
装置やターボ分子ポンプ等の部材として、極めて有用で
ある。
素酸化物粉末及び酸化珪素粉末を用いた。 窒化珪素粉末: BET比表面積;9m2/g 窒化珪素のα率;99% 酸素量;1.1重量% Al、Mg、Ca、Feなどの陽イオン金属不純物量;
0.003重量%以下 希土類元素酸化物(RE2O3)粉末: RE;Yb 純度;99% 平均粒径;1.5μm 酸化珪素粉末: 純度;99.9% 平均粒径;2μm 上記の窒化珪素粉末89.5モル%と、RE2O3粉末3
モル%と、酸化珪素粉末7.5モル%とからなる混合粉
末を調合し、バインダー及び溶媒のメタノールを添加
し、窒化珪素ボールを用いて50時間回転ミルで混合粉
砕し、スラリーを調製した。
の圧力でラバープレス成形し、直径60mm、厚み20
mmの形状の成形体を作製した。
成条件にて焼成し、基材を得た。いずれの基材にも、粒
界にRE2Si2O7(ダイシリケート)の結晶相が析出
していた。
「G」は、ガス圧焼成(GPS)を示し、「H」は、ガ
ラス浴熱間静水圧プレス(HIP)による焼成を示し、
「G+H」は、1900℃でガス圧焼成を行った後、1
700℃、窒素圧196MPaで1時間HIP焼成した
ことを示す(焼成のトータル時間は10時間)。
=Lu)粉末とSiO2粉末との混合粉末を、それぞれ
メタノールに分散させてスラリーを作製し、前記で得ら
れた基材表面にスプレーによって、厚みが120μmと
なるように均一に塗布した。次いで乾燥した後、窒素雰
囲気中、Si/SiO2混合粉末が配置された炉内で、
表1に示す条件で熱処理し、耐食性部材を得た(試料N
o.1〜12)。
粒径1.5μmのものを用いた。
化珪素質焼結体、被覆層として上記混合粉末の代わり
に、SiO2粉末、ZrO2粉末又はAl2O3粉末を使用
し、窒化珪素質焼結体の表面に作製したもの、酸化アル
ミニウム質焼結体の表面に被覆層としてYAGを作製し
たものを得た(試料No.13〜17)。
種特性等を測定し、その結果を表1に示した。
覆層の結晶を、X線回折測定により同定した。表1にお
いて、モノシリケート相をRS、ダイシリケート相をR
2Sで示した。気孔率は、アルキメデス法により算出し
た。結晶の平均粒径(被覆層)は、走査電子顕微鏡(S
EM)観察写真から粒子の長径と短径の平均値を平均粒
子とし、50個の粒子の平均値として算出した。強度は
試料の焼結体を、3×4×40mmの抗折試験片形状に
し、JIS−R1601に基づいて、室温での4点曲げ
抗折強度を測定して評価した。なお、測定は、それぞれ
10個の試料について行い、その平均値を表1に示し
た。耐熱衝撃性は、前記同様の抗折試験片を所定の温度
に加熱した後、水中投下を行い、4点曲げ抗折強度を測
定し、強度の低下した温度を示した。破壊靭性は、JI
S−R1607に基づいて、ビッカース圧痕を用いる方
法で測定した。耐食性は、20×20×3mmの試験片
を準備し、RIE(リアクティブ・イオン・エッチン
グ)装置を用いて、フッ素系ガスの各流量がCF4:2
0sccm、CHF3:40sccm、Ar:60sc
cm、圧力12Paの条件と塩素系ガスの流量が100
sccm、圧力4Paの2条件で、各試験片の被覆層面
にプラズマを照射した後、プラズマ照射前後の重量の減
少量から1分間当たりのエッチングレートを算出し、被
覆層がAl2O3のエッチングレートを1としたときの相
対比較で示した。
が720MPa以上、耐熱衝撃性が770℃以上、破壊
靭性が5.1MPa・m1/2以上、耐食性比率がフッ素
系ガス条件で0.4以下、塩素系ガス条件で0.5以下
と良好な結果を示した。
o.13や被覆層がモノシリケートやダイシリケートで
形成されていないNo.14〜16は、耐食性比率がフ
ッ素系ガス条件で0.6以上、塩素系ガス条件で0.7
以上と大きく、耐食性が著しく劣っている。また、N
o.17は、耐食性は優れるものの、強度、靱性、耐熱
衝撃性が著しく劣っている。
3モル比が2.448と大きいNo.4は、いずれのガ
ス条件でも耐食性比率が若干劣っている。これは、過剰
SiO2が被覆層を構成する多結晶体の結晶粒界に存在
し、被覆層の結晶相に寄与しないSiO2がハロゲン系
腐食性ガスと反応して腐食されたためである。耐食性を
向上させるためには、過剰SiO2量を極力低減するこ
とが好ましい。また、No.3〜7は、気孔率が他より
比較的大きいため、耐食性比率が0.3〜0.4と若干
劣っている。気孔率が大きくなるとボイドのエッジが腐
食を受け易いために、小さくすることが好ましい。
粉末を使用し、これらの粉末に、表2に示すように、S
i粉末或いは平均粒径1.5μmの各種の希土類酸化物
粉末を混合し、実施例1と同様にしてスラリーの調製、
乾燥及び成形を行い、直径60mm、厚み20mmの成
形体を作製した。
0℃で焼成し、基材を得た。
とSiO2粉末との混合粉末をメタノールに分散させて
スラリーを作製し、スプレーによって上記基材の表面に
均一に塗布した(厚み:120μm)。次いで、乾燥
後、1500〜1700℃で熱処理し、耐食性部材を得
た(試料No.18〜51)。
評価し、その結果を表2に示した。なお、基材の相対密
度はアルキメデス法により算出した。
組成を変えた本発明の試料No.18〜28は、室温強
度が760MPa以上、耐熱衝撃性が790℃以上、破
壊靭性が5.8MPa・m1/2以上、耐食性比率がフッ
素系ガス条件で0.2、塩素系ガス条件で0.3と良好
な結果を示した。
て基材が作製された本発明の試料No.29〜36は、
室温強度が810MPa以上、耐熱衝撃性が800℃以
上、破壊靭性が6.0MPa・m1/2以上、耐食性比率
がフッ素系ガス条件で0.2、塩素系ガス条件で0.3
と良好な結果を示した。
の試料No.37〜51は、室温強度が790MPa以
上、破壊靭性が6.0MPa・m1/2以上、耐食性比率
がフッ素系ガス条件で0.3以下、塩素系ガス条件で
0.4以下と良好な結果を示した。これらの希土類元素
の中でも、Y、Yb、Sm、La、Ce、Pr、Nd、
Tm、Luからなる希土類酸化物を添加したNo.37
〜39、No.46〜51が、特にフッ素系ガス、塩素
系ガスいずれのハロゲン系腐食性ガスに対しても優れた
耐食性を示した。
素質焼結体からなる基材表面に、RE 2Si2O7及び/
またはRE2SiO5(REは希土類元素)を主成分とす
る結晶相を被覆することで、フッ素系や塩素系などのハ
ロゲン系腐食性ガス或いはそれらのプラズマに曝された
としても、優れた耐食性を有するという効果があるばか
りでなく、高い強度や熱衝撃がかかる過酷な条件下にお
いても用いることができる。
Claims (4)
- 【請求項1】窒化珪素質焼結体からなる基材表面に、R
E2Si2O7及び/またはRE2SiO5(REは希土類
元素)を主成分とする結晶相を被覆したことを特徴とす
る耐食性部材。 - 【請求項2】上記希土類元素が、Y、Yb、Sm、L
a、Ce、Pr、Nd、Tm、Luのいずれかからなる
ことを特徴とする請求項1記載の耐食性部材。 - 【請求項3】上記被覆した結晶相のSiO2/RE2O3
比(モル比)が0.9〜2.3の範囲であることを特徴
とする請求項1または2記載の耐食性部材。 - 【請求項4】上記被覆した結晶相の気孔率が1%以下で
あることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
耐食性部材。
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