JP2003326390A - 塔槽体の内壁面作業装置及び該作業装置を用いた内壁面作業方法 - Google Patents
塔槽体の内壁面作業装置及び該作業装置を用いた内壁面作業方法Info
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Abstract
全な作業環境下で作業性良く、且つ高い信頼性をもって
行う。 【解決手段】 塔槽体1の内部に設置した吊下支持基体
8から吊梁体9を上下方向に移動可能に吊下支持し、且
つ該吊梁体9にガイド機構Zを介して作業ユニット20
を上下方向及び/又は左右方向に移動可能に取付け、該
作業ユニット20によって塔槽体1の内壁面1dに溶接
等の作業を行うように構成する。かかる構成とすること
で、吊梁体9を上下方向に移動させることで作業ユニッ
ト20の高さ位置、即ち、該作業ユニット20による作
業高さ位置を容易に変更設定でき、作業中の段替作業が
格段に簡略化、あるいは不要となり、それだけ作業の安
全性と作業能率の向上が図れる。
Description
に対して各種作業を行うための作業装置及び該作業装置
を用いた作業方法に関するものである。特に、高圧高温
下で使用される高塔槽体の内壁面に対して溶接作業を行
うための作業装置及びその作業方法に関するものであ
る。
法については、塔槽体内部に、櫓を組むなど幾多の提案
がなされているが、作業効率、作業期間、安全性の面で
十分といえる作業装置及び作業方法が見出せていない。
溶接、検査、改造、清掃があり、特に溶接作業はその作
業の連続性、危険性、溶接制度の面から最も改善が要望
されている作業である。
いられる高炉状形態をもつ圧力容器体である蒸解釜は、
高温高圧下でしかも内容物と薬品との化学反応を伴うよ
うな環境条件下で使用されるものであることから、安全
基準上、第一種圧力容器として規定されている。
亙る使用中において、頻繁に検査や清掃、溶接、更には
改造作業を行う必要がある。特に、圧力容器体である蒸
解釜においては、その長期に亙る使用中に応力腐食割れ
等の経年的な亀裂状欠陥の発生が懸念される。かかる応
力腐食割れは、蒸解釜の壁面を構成する素材(通常は鋼
材)の局部的な組成変化等の劣化因子と、溶接施工時の
熱影響に起因する引張残留応力等の応力因子、及び高温
高圧あるいは化学反応等に起因する腐食環境因子等が重
畳的に作用することで発生し、且つ時間の経過とともに
次第に成長するものであり、このため、この応力腐食割
れによる亀裂が蒸解釜の壁部を貫通し、場合によっては
プラントの重大事故を招来することも懸念される。ま
た、上述の如き応力腐食割れという亀裂状欠陥の外に、
蒸解釜の長期の使用中その内壁面に内容物(例えば、パ
ルプ素材等)が高温高圧環境下で連続的に摺接すること
で次第に摩滅し、その壁部肉厚が減少することも周知の
事実である。
第一種圧力容器としての安全基準を確保すべく、その壁
部肉厚には、強度設計上必要とされる設計必要肉厚に加
えて、所定の安全率を見込んだ余肉をもたせることが義
務づけられている。
をもたせたとしても、長期に亙る使用に伴って、亀裂状
欠陥の発生とか摩滅による減肉は不可避的に生じるもの
であり、従って、蒸解釜においては、所定の稼働時間毎
に内部の腐食状況、摩滅状態等を点検監視し、必要に応
じて所要の補修作業を施工するようにしている。例え
ば、亀裂状欠陥に対しては、欠陥部分を除去しここに肉
盛をして肉厚を回復させる肉盛補修法とか、亀裂状欠陥
部分を含む領域を補修用板材にて覆いこれを溶接固定す
ることで該亀裂状欠陥部分を腐食環境から隔離してその
成長を防止するライニング法の採用が考えられる。ま
た、摩滅減肉に対しては、この減肉部分に肉盛溶接を施
して肉盛により肉厚回復を図る「オーバレイ法」の採用
が考えられる。そして、特に「オーバレイ法」は、上記
何れの補修にも有効な手法であり、蒸解釜に代表される
塔槽体の延命化対策の最適手法として注目されている。
バレイ法」を蒸解釜等の塔槽体の減肉による短命化対策
として採用する場合、施工上、下記の如き種々の問題が
ある。
壁面補修を行う場合、その内面の減肉部分(即ち、補修
対象部位)の全域に、肉盛を可及的に均等に施工するこ
とが必要であり、そのためには溶接ビード幅とか隣接す
る溶接ビード相互間の間隔寸法等の作業管理が必要不可
欠である。
体が、例えば蒸解釜等の大型且つ超高構造体である場合
には、かかる作業管理を作業者の動作・判断のみにに委
ねることは、その管理精度を十分に確保し肉盛溶接によ
る蒸解釜の延命効果を実効あらしめるという点において
は限界があり、何らかの自動化手段を講じることが必要
となる。
る各種作業を、より安全な作業環境下で作業性良く、且
つ高い信頼性をもって行うことができるようにした塔槽
体の内壁面作業装置及び該作業装置を用いた作業方法を
提供することを目的としてなされたものである。
を解決するための具体的手段として次のような構成を採
用している。
吊下支持基体8を設置し、該吊下支持基体8から吊梁体
9を上下方向に移動可能に吊下支持するとともに、上記
吊梁体9にガイド機構Zを介して溶接機ユニット20を
上下方向及び/又は左右方向に移動可能に取付け、該作
業ユニット20によって上記塔槽体1の内壁面1dに対
して作業を行うように構成したことを特徴としている。
係る塔槽体の内壁面作業装置において、上記ガイド機構
Zを、上下方向に離間対向して配置された上部ガイド体
10と下部ガイド体11と、これら各ガイド体10,1
1の間に跨がって上下方向に向けて配置され且つ該各ガ
イド体10,11に沿って左右方向に移動可能とすると
ともに上記作業ユニット20を上下方向に移動可能に支
持する縦ガイド体12とを備えて構成したことを特徴と
している。
の発明に係る塔槽体の内壁面作業装置において、上記作
業ユニット20を、少なくとも溶接、検査、改造、清掃
機能を備えた構成としたことを特徴としている。
は第3の発明に係る塔槽体の内壁面作業装置において、
上記塔槽体1内に上下方向に向けてポスト16を立設す
るとともに、上記ポスト16に沿って上下方向に自力昇
降する昇降作業台14を取り付けたことを特徴としてい
る。
係る塔槽体の内壁面作業装置において、上記ポスト16
に固定作業台13を取付け且つ該固定作業台13の上記
ポスト16に対する上下方向の固定位置を変更設定可能
とするとともに、上記固定作業台13の固定位置の変更
を上記昇降作業台14の昇降動によって行うように構成
したことを特徴としている。
では、塔槽体1の内部に吊下支持基体8を設置し、該吊
下支持基体8から吊梁体9を上下方向に移動可能に吊下
支持するとともに、上記吊梁体9にガイド機構Zを介し
て作業ユニット20を上下方向及び/又は左右方向に移
動可能に取付け、該作業ユニット20によって上記塔槽
体1の内壁面1dに対して作業を行うことを特徴として
いる。
り次のような効果が得られる。
面作業装置によれば、上記吊下支持基体8によって吊下
支持された上記吊梁体9を上下方向に移動させること
で、該吊梁体9に取り付けられた上記作業ユニット20
の上記塔槽体1の高さ方向における位置、即ち、上記塔
槽体1における上記作業ユニット20の作業対象部位の
高さ方向への変更設定を容易に行うことができ、例えば
従来のように塔槽体1内に櫓を組み立て、作業高さの変
更の度に櫓の高さ変更行う必要があるような場合に比し
て、作業中における段替作業が格段に簡略化、あるいは
不要とされ、それだけ各種作業における安全性及び作業
性の向上が図れることになる。
イド機構Zを介して上記吊梁体9に取付けてこれを上下
方向及び/又は左右方向へ移動可能としているので、該
作業ユニット20を用いて行われ所要の作業の管理(例
えば、溶接作業にあっては、溶接ビード幅とか溶接方
向、あるいは隣設する溶接ビード相互間の間隔の管理)
が、例えばこれを作業者の動作・判断のみに依存するよ
うな場合に比して、極めて容易且つ確実となり、その結
果、所要の高さ範囲の全域に対して可及的に均等な作業
を高い信頼性をもって実現することができ、その結果、
塔槽体1の延命効果が実効あらしめられることになる。
面作業装置によれば、上記ガイド機構Zが、上記上部ガ
イド体10とか下部ガイド体11及び上記縦ガイド体1
2とからなる簡単且つ安価な構成であることから、上記
に記載の効果を奏する内壁面作業装置をより安価に提
供することができ、延いてはその運転経費の軽減に寄与
し得ることになる。
面作業装置によれば、上記又はに記載の効果に加え
て次のような特有の効果が得られる。即ち、この発明で
は、上記作業ユニット20を、少なくとも溶接、検査、
改造、清掃機能を備えた構成としているので、塔槽体1
の内壁面に対するこれら各種の作業を複合的に、且つ何
れの作業とも高い信頼性の下で且つ高能率で行うことが
できる。
面作業装置によれば、上記,又はに記載の効果に
加えて次のような特有の効果が得られる。即ち、この発
明では、上記塔槽体1内に上下方向に向けてポスト16
を立設するとともに、上記ポスト16に沿って上下方向
に自力昇降する昇降作業台14を取り付けているので、
上記昇降作業台14を上記ポスト16に沿って上下方向
に自力昇降させることで、例えば上記塔槽体1が高さの
高い高炉状形態をもつものであったとしても、上記昇降
作業台14を用いて上記作業ユニット20による作業位
置へ作業資材とか作業員を安全且つ迅速に、しかも足場
の段替作業等とを一切必要とすることなく移動させるこ
とができ、この結果、作業の迅速性と安全性とが両立さ
れ、延いては内壁面作業装置全体としての作業コストの
低廉化が図れることになる。
面作業装置によれば、上記に記載の効果に加えて次の
ような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上
記ポスト16に取り付けた固定作業台13の該ポスト1
6に対する上下方向の固定位置を変更設定可能としてい
るので、該固定作業台13を上記作業ユニット20によ
る作業位置に対応する高さ位置に固定配置することで、
作業者は上記固定作業台13上に搭乗して上記作業ユニ
ット20による作業の品質管理等を容易且つ的確に行う
ことができ、より一層信頼性の高い作業の実現が可能と
なる。
上記昇降作業台14の昇降によって行うように構成して
いるので、該固定作業台13の位置変更作業を、例えば
足場の段替等の付帯作業を一切必要とすることなく、よ
り安全且つ迅速に行うことができ、作業上の安全性と作
業コストの低廉化とが期待できる。
面作業方法によれば、塔槽体1の内部に吊下支持基体8
を設置し、該吊下支持基体8から吊梁体9を上下方向に
移動可能に吊下支持するとともに、上記吊梁体9にガイ
ド機構Zを介して作業ユニット20を上下方向及び/又
は左右方向に移動可能に取付け、該作業ユニット20に
よって上記塔槽体1の内壁面1dに対して作業を行うよ
うにしているので、上記吊下支持基体8によって吊下支
持された上記吊梁体9を上下方向に移動させることで、
該吊梁体9に取り付けられた上記作業ユニット20の上
記塔槽体1の高さ方向における位置、即ち、上記塔槽体
1における上記作業ユニット20の作業対象部位の高さ
方向への変更設定を容易に行うことができ、例えば従来
のように塔槽体1内に櫓を組み立て、作業高さの変更の
度に櫓の高さ変更を行うことを必要とする作業方法に比
して、作業中における段替作業が格段に簡略化、あるい
は不要とされ、各種作業における安全性及び作業性の向
上が図れるものである。
及び/又は左右方向へ移動可能とされているので、該作
業ユニット20を用いた作業における作業状態の管理が
極めて容易且つ確実であり、所要の高さ範囲の全域に対
して可及的に均等な作業を高い信頼性をもって実現する
ことができることになる。
及び作業方法を、溶接作業に供される装置及びこれを用
いた作業方法を代表として詳細に説明する。
態をもつ圧力容器体である蒸解釜1(特許請求の範囲中
の「塔槽体」に該当する)の内部に、該蒸解釜1の内壁
面の所要箇所に肉盛溶接を施工するための肉盛溶接作業
装置(特許請求の範囲中の「内壁面作業装置」に該当す
る)を配置した状態を示している。
0mの大型の縦型密閉容器状とされ、安全基準上、第一
種圧力容器に類せられるものであり、従って、その壁面
の肉厚は一定以上に維持されることが必要で、この肉厚
が所定以上減耗した場合には、その延命化対策として、
所要の補修作業を施工してその肉厚回復を図ることが必
要となることは既述の通りである。そして、この実施形
態では、この蒸解釜1の壁面補修の工法として、「オー
バレイ法」を採用し、その内壁面に肉盛溶接によって余
肉を付けるようにしたものであり、この肉盛溶接の施工
に供せられるのが上記肉盛溶接作業装置である。
本体部2の一端側に釜底体3を、他端側に釜頂体4を、
それぞれ接合して密閉容器状とされ、該釜底体3側の底
部1aを基台5によって支持させた状態で鉛直方向に立
設固定されている。尚、上記本体部2は、上記蒸解釜1
の底部1a側から頂部1b側に向かうに伴って段階的に
径寸法が減少するように構成されており、この径寸法の
減少部位にはストレーナ(図示省略)等の機器が配置さ
れる。
溶接作業装置を用いて上記蒸解釜1の内壁面に肉盛溶接
を施工するに際して、その内部の換気性を確保するため
に、該蒸解釜1にそれ本来の機能確保上から備えられて
いるマンホールを活用している。即ち、上記釜底体3の
中心位置に設けられた底マンホール31に排気装置32
を取り付けるとともに、高さ方向の略中央部に設けられ
た大口径のマンホール35はこれを自然給気孔として利
用し、さらに上記頂部1b寄りに設けられた上下二つの
マンホールにはそれぞれ排気装置33,34を配置して
いる。そして、肉盛溶接作業中は、上記マンホール35
から上記蒸解釜1内に外気を自然給気する一方、上記各
排気装置32,33,34から排気を行うことで、上記
蒸解釜1の内部に空気の循環流を発生させ、該蒸解釜1
内における良好な作業環境を確保するものであり、これ
によって安全性の高い作業が担保される。
解釜1の底部1aの近傍に設けたマンホール36を資材
搬入口あるいは人員の出入口として利用する一方、上記
排気装置34が備えられたマンホールの直下側位置に設
けられた四個の足場用ノズル26,26,・・(図5参
照)を利用して後述の吊下支持基体8を取り付けるよう
にしている。
解釜1の内壁面のうち、上記吊下支持基体8の取付け位
置よりも下側に位置する部分に対して、次述の肉盛溶接
作業装置を用いて肉盛溶接を施工する場合を例にとって
説明する。尚、上記吊下支持基体8を上記蒸解釜1の頂
部1b寄りに配置することで、上記本体部2の高さ方向
の全域に肉盛溶接を施工することができることは勿論で
ある。
釜1の底部1a側に配置された下部固定作業床6(後述
する)と頂部1b側に配置された上部固定作業床7(後
述する)との間に跨がって左右一対のポスト16,16
(後述する)を所定間隔をもって平行に立設配置すると
ともに、上記各ポスト16,16には、自力昇降する昇
降作業台14(後述する)と固定作業台13(後述す
る)とを取り付ける一方、上記吊下支持基体8(後述す
る)から吊梁体9(後述する)を上下方向に昇降可能に
吊下支持するとともに、該吊梁体9にガイド機構Z(後
述する)を介して複数個の溶接機ユニット20(特許請
求の範囲中の「作業ユニット」に該当する)をそれぞれ
上下方向及び左右方向(周方向)に移動自在に取り付け
て構成される。以下、これら肉盛溶接作業装置の各構成
要素をそれぞれ個別に説明する。
形状と所定の軸長とをもつトラス構造のポストピース1
6a,16a,・・を、その軸方向に順次所定個数づつ
継ぎ足して柱状形態として構成される。そして、これら
各ポスト16,16は、その軸方向に所定間隔で取り付
けられた継材17,17,・・によって略梯子状に一体
化された状態で、その下端が後述する下部固定作業床6
(図2参照)に、その上端が後述する上部固定作業床7
(図4参照)に、それぞれ固定されることで、上記蒸解
釜1内に鉛直方向に立設固定される。
16を所定間隔をもって二本並設し、これら二本のポス
ト16,16の共働によって、後述の如く固定作業台1
3及び昇降作業台14のガイド作用と支持作用とを行う
ようにしているが、本願発明においては上記ポスト16
の設置個数は必要に応じて適宜増減設定できるものであ
って、例えば他の実施形態においてはこれを一本とした
り、あるいは三本以上並設したりすることができるもの
である。
を用いて上記ポスト16を構築する場合における作業手
順は次の通りである。即ち、先ず、上記下部固定作業床
6上の所定位置に、最下端に位置する一対のポスト1
6,16をそれぞれ立設固定する。しかる後、この最下
端の各ポスト16,16に対応させて、後述する昇降作
業台14を組み立て、これを自力昇降可能とする。後
は、この昇降作業台14に作業者が搭乗するとともに新
たに接合される上記ポストピース16a,16a,・・
を搭載し、この状態で、上記昇降作業台14を既に固定
されたポスト16,16に沿って昇降させつつ、既設の
ポスト16の上端に新たなポスト16を接合する作業
を、上記上部固定作業床7側まで順次繰り返すことで行
われる。即ち、この実施形態のものにおいては、上記ポ
スト16の構築作業に、従来のような組立式の鋼製足場
を必要としないものであり、従って、足場の段替作業が
省略できる分だけ、ポスト16の構築作業が安全に且つ
迅速に行える。
上記昇降作業台14の昇降機構の一部となるラック15
が、該各ポスト16,16の長さ方向に向けて取り付け
られている。
解釜1の上記マンホール36からその内部へ搬入される
ものであるため、該マンホール36からの搬入が可能な
寸法形状に設定されている。
釜1の上記釜底体3の直上側位置と上記マンホール36
の直下側位置との中間位置に固定的に配置されるもので
あって、それ本来の機能である「作業台」として用いら
れることは勿論であるが、それ以外に上記ポスト16,
16の支持基台としての重要な機能をもつものである。
すように、四本の支持桁43,43,・・を井桁状に組
付るとともに、該各支持桁43,43,・・の上側に、
上記側壁1cの内壁面1dにその全周に亙って近接対向
し得るように円形に形成された床材44を載置固定して
構成される。そして、この下部固定作業床6には、その
中央寄りに設けた左右一対の支持ベース41,41に上
記各ポスト16,16の下端(即ち、ポスト16の最下
端に位置するポストピース16aの下端)を載置し且つ
これをその周囲に配置した位置決ストッパー42,4
2,・・によって移動規制するとともに固定ボルト(図
示省略)で締結することによって、上記ポスト16,1
6が固定される。
とする点は、上記各支持桁43,43,・・の上記蒸解
釜1側への固定構造にある。即ち、この実施形態では、
図2及び図4に示すように、上記蒸解釜1の上記釜底体
3の直上に位置する側壁1cの内壁面1dに、突片状の
固定ピース45を溶接固定し、該固定ピース45と上記
支持桁43の端部とを連結部材46を介して着脱自在に
締結固定するようにしている。尚、上記固定ピース45
は、上記四本の支持桁43,43,・・の各端部にそれ
ぞれ位置するように、上記内壁面1dの周囲に所定間隔
で固定される。そして、この各固定ピース45,45,
・・は、肉盛溶接作業が完了し上記下部固定作業床6を
分解除去した後においてもそのまま蒸解釜1側に取り付
けられたままとされ、この固定ピース45の取付け状態
のまま上記蒸解釜1を用いたパルプの蒸解作業が行われ
る。
記固定ピース45,45,・・を介して上記下部固定作
業床6を取付け、さらにこの下部固定作業床6によって
上記ポスト16,16を固定支持させることで、該ポス
ト16,16の自重とか、該ポスト16,16に取り付
けられる後述の固定作業台13と昇降作業台14の自
重、及び該各作業台13,14に載置される資材の重量
等は、全て上記下部固定作業床6から上記各固定ピース
45,4,・・を介して上記蒸解釜1の側壁1c側に伝
達され、ここで確実に支持される。このため、上記下部
固定作業床6の下側に位置している上記釜底体3側には
上記ポスト16,16側からの荷重は全く掛からず、該
釜底体3の損傷等が未然に且つ確実に防止される。そし
て、かかる効果は、上記釜底体3がその形態からして、
筒状形態をもつ上記本体部2等よりも製作コストが高い
ことを考慮すると、特に顕著である。
施工に際して、最初に構築されるものであって、この構
築された下部固定作業床6を使用して、それ以後の作
業、例えば、各資材の搬入とか、上記ポスト16とか昇
降作業台14とかの組み立て作業等が行われる(即ち、
それ本来の作業台として機能する)。また、上記下部固
定作業床6も、上記マンホール36を通して上記蒸解釜
1内に搬出入されるものであることから、その各構成部
材はそれぞれ上記マンホール36を通過し得るような大
きさに分割可能に構成されている(図示省略)。
の直下位置に配置される(図1参照)ものであって、図
4に示すように、円形の平面形態をもち且つ上記蒸解釜
1の側壁1cの内側に該側壁1cとの間に所定間隔を確
保した状態で配置される。そして、この上部固定作業床
7は、その中央寄りに設けた左右一対のポスト固定材5
0,50を介して上記ポスト16,16の頂部に連結固
定されるとともに、その外周部の四カ所にそれぞれ設け
たジャッキ51,51,・・の先端を上記側壁1cの内
壁面1dに突っ張らせることで平面方向における移動が
規制されている。
ール36を通して上記蒸解釜1内に搬出入されるもので
あることから、その各構成部材はそれぞれ上記マンホー
ル36を通過し得るような大きさに分割可能に構成され
ている(図示省略)。
置に横架配置されて後述のガイド機構Zを吊下支持する
ものであって、図5及び図8に示すように、上記蒸解釜
1の側壁1cに、その中心に対してその一側方において
同軸上に対向配置された一対の足場用ノズル26,26
と、他側方において同軸上に対向配置された一対の足場
用ノズル26,26とに、それぞれ桁材55を軸受57
を介して嵌挿状態で架設するとともに、該一対の桁材5
5,55同士を継材56で接続して構成される。そし
て、この蒸解釜1内に横架配置された上記吊下支持基体
8の中央部分に上記ポスト16,16が上下方向に向け
て貫通している。
5,55の上記各継材56,56との接合部の近傍の四
位置にはそれぞれ吊位置P1,P1,・・が設定されてい
る。そして、この各吊位置P1,P1,・・には、図8に
示すように、チェーンブロック18が取り付けられる。
ル36を通して上記蒸解釜1内に搬出入されるものであ
ることから、その各構成部材はそれぞれ上記マンホール
36を通過し得るような大きさに分割可能に構成されて
いる(図示省略)。
ブロック18,18,・・を介して吊下支持されるとと
もに、後述のガイド機構Zを吊下支持するものであっ
て、図6及び図8に示すように、所定間隔をもって平行
配置された一対の桁材58,58上に、これら各桁材5
8,58に直交状態で一対の桁材59,59を取り付け
て井桁状とし、さらに上記一対の桁材59,59の両端
部同士に跨がってそれぞれ桁材61,61を取り付ける
とともに、上記桁材58とこれに対応する上記桁材61
との間に跨がって一対の桁材60,60を放射状に取り
付けて構成される。
対の桁材59,59上に、上記吊下支持基体8側の上記
各吊位置P1,P1,・・のそれぞれに対応する吊位置P
2,P2,・・が設定されており、該各吊位置P2,P2,
・・には、上記吊下支持基体8側の上記各チェーンブロ
ック18から垂下するチェーン19,19,・・が連結
され、該各チェーン19,19,・・を介して上記吊梁
体9は上記吊下支持基体8側に吊下支持され、該各チェ
ーン19,19,・・の巻き込み・巻き戻しによって上
下方向に昇降される。
59と各桁材60,60,・・には、同一円周上に且つ
周方向に同一ピッチで位置するようにして吊位置P3,
P3,・・が設定されている。そして、この各吊位置
P3,P3,・・には、それぞれチェーンブロック27,
27,・・が取り付けられ、該各チェーンブロック2
7,27,・・から垂下するチェーン28を介して後述
する溶接機ユニット20のワイヤー送給器21が吊下支
持されている。
8,58の両端部と、上記各桁材60,60,・・の先
端部とは同一円周上において且つ周方向に所定ピッチで
位置している。そして、これら各端部は、後述するガイ
ド機構Zの吊下支持点となるものであって、それぞれ吊
リンク29が取り付けられている。
を通して上記蒸解釜1内に搬出入されるものであること
から、その各構成部材はそれぞれ上記マンホール36を
通過し得るような大きさに分割可能に構成されている
(図示省略)。
動をガイドして該溶接機ユニット20による良好な肉盛
溶接を可能とするものであって、次述する上部ガイド体
10と下部ガイド体11及び縦ガイド体12とを備えて
構成される。
れ示すように、H型鋼(図9参照)を、その一対のフラ
ンジを立てた姿勢で、これを上記蒸解釜1の内壁面1d
の内側へ配置可能なる如く湾曲成形した環状体(図6参
照)で構成される。そして、この上部ガイド体10は、
上記吊リンク29,29,・・を介して上記吊梁体9側
に吊下支持されており、上記吊梁体9の昇降動作に追従
してこれと一体的に昇降されるとともに、図9に示すよ
うに上記各吊リンク29,29,・・のそれぞれに取り
付けたジャッキ63,63,・・の先端を上記蒸解釜1
の内壁面1dに当接させてそれぞれ突っ張らせること
で、該内壁面1d側に固定支持される。
縦ガイド体12の左右方向(即ち、上記内壁面1dの周
方向)への移動をガイドするものであって、径方向に前
後する一対のフランジのうち、径方向内側に位置するフ
ランジを上記縦ガイド体12のガイドレールとして機能
させるようにしており、そのために該フランジには後述
する縦ガイド体12のサドル37が掛止される(図9及
び図10参照)。
ール36を通して上記蒸解釜1内に搬出入されるもので
あることから、その各構成部材はそれぞれ上記マンホー
ル36を通過し得るような大きさに分割可能に構成され
ている(図示省略)。
れ示すように、L型鋼(図9参照)を、その一方のフラ
ンジを径方向該方へ向けるとともに、他方のフランジを
上方へ向けた姿勢で、これを上記蒸解釜1の内壁面1d
の内側へ配置可能なる如く湾曲成形した環状体(図6参
照)で構成される。そして、この下部ガイド体11は、
次述する縦ガイド体12を介して上記上部ガイド体10
側に支持され、該上部ガイド体10が上記吊梁体9の昇
降に伴って上下方向へ移動するとき、これと一体的に移
動されるとともに、図9に示すようにその周囲に所定間
隔で配置したジャッキ64の先端を上記蒸解釜1の内壁
面1dに当接させてそれぞれ突っ張らせることで、該内
壁面1d側に固定支持される。
イド体12との連結は、図9及び図10に示すように、
該縦ガイド体12の下端部に上下方向に延出状態で形成
した長穴74に挿通された止めボルト72によって支持
された固定ブラケット71と、上記縦ガイド体12側に
取り付けられた押しボルト73とによって上記下部ガイ
ド体11の一方のフランジ部分を挟着することで実現さ
れる。また、上記押しボルト73を緩めるとともに、上
記止めボルト72を緩めて上記固定ブラケット71を上
方へ移動させることで上記下部ガイド体11の上記縦ガ
イド体12との連結状態が解除される。
所定長さの帯板材で構成されるとともに、その一端(上
端)側に次述のサドル37を取り付けている。そして、
この縦ガイド体12は、後述する溶接機ユニット20の
上下移動をガイドするとともに、該縦ガイド体12が上
記上部ガイド体10及び下部ガイド体11にガイドされ
て左右方向へ移動することで上記溶接機ユニット20の
左右方向への移動を可能とする。
上記上部ガイド体10側に吊下支持させるとともに、こ
れを該上部ガイド体10に沿って左右方向へ移動可能と
するものであって、図9及び図10に示すように、上記
上部ガイド体10のフランジ上を走行する前後一対の溝
付き車輪38,38と前後一対の溝無し車輪39,39
とを備えている。さらに、このサドル37には、ねじ込
み操作によってその先端が上記上部ガイド体10に当接
することで上記サドル37と上記上部ガイド体10との
相対移動を規制する前後一対の止めボルト53,53
と、上記上部ガイド体10のフランジの下面側に係合可
能に配置されて上記サドル37の浮上を防止する前後一
対の浮上防止体54,54とが設けられている。そし
て、上記サドル37には、上記縦ガイド体12が垂下状
態で締結固定されている。
記止めボルト72と押しボルト73とが設けられてお
り、該ボルト72と押しボルト73の操作によって、上
記下部ガイド体11の下端部は上記下部ガイド体11側
に連結又は連結解除されることは既述の通りである。
はそれぞれストッパー40,40が設けられるととも
に、該各ストッパー40,40間に跨がってラック80
が取り付けられている。そして、この縦ガイド体12に
は、次述の溶接機ユニット20が取り付けられるととも
に、上記ラック80に沿って昇降可能とされる。
2は、上記上部ガイド体10の周方向に所定間隔で複数
個配置されている。尚、この実施形態では、図6におい
て位置a〜位置hで示すように、これら八つの位置にそ
れぞれ上記縦ガイド体12が配置されている。
に、上記縦ガイド体12に鞍座されモータ86の駆動力
を受け上記ラック80に沿って昇降する台車79に、溶
接機本体81とオシレート装置82と倣装置83と一対
の溶接トーチ85,85及び倣い検知器87を装備して
構成される。また、上記溶接機本体81は、炭酸ガス雰
囲気中でアークシールド溶接(「MAG溶接」)を自動
的に行うものであって、該溶接機本体81には所定間隔
で並設された上記二つの溶接トーチ85,85が接続さ
れている。従って、この実施形態のものにおいては、上
述のように上記縦ガイド体12が8組備えられており、
しかもこれら各縦ガイド体12にはそれぞれ二つの溶接
トーチ85,85を装備されていることから、合計16
個の溶接トーチ85を同時使用して肉盛溶接が行われる
ことになる。
ぞれこれに属する二つの溶接トーチ85にワイヤーを供
給する上記ワイヤー送給器21が備えられるが、このワ
イヤー送給器21は上記チェーンブロック27によって
上記吊梁体9側から昇降可能に吊下支持されていること
は既述の通りである。また、上記溶接トーチ85にシー
ルドガスを供給するホース57(図8参照)も、上記ワ
イヤー送給器21を介して上記溶接トーチ85側に接続
されている。
記蒸解釜1の内壁面1dに対する肉盛溶接方法等につい
て簡単に説明する。
機ユニット20を使用して上記蒸解釜1の内壁面1dに
対して、「立ち向き下進溶接」で肉盛溶接を行うように
しており、図13にはこの肉盛溶接における溶接ビード
状態を示している。即ち、この実施形態では、所定間隔
をもって並設された上記一対の溶接トーチ85,85を
使用して、「立ち向き下進溶接」によって肉盛溶接を行
うため、図13に実線図示するように各溶接トーチ8
5,85のそれぞれによる溶接ビードB1,B1が溶接ト
ーチ間隔に対応する間隔をもって形成される。そして、
上記溶接機ユニット20を上方から下方まで移動させた
後、一旦アークを停止させる。そして、上記溶接機ユニ
ット20を再上昇させるとともに、上記溶接トーチ8
5,85の間隔寸法に相当する寸法だけ左右方向に移動
させ(即ち、上記縦ガイド体12を左右方向に移動さ
せ)、前回の溶接ビードB1,B1の間に次回の溶接ビー
ドB2,B2が位置するようにして、そこから次回の溶接
を下方に向けて行う。
を実施することで、この肉盛部分によって上記蒸解釜1
の側壁1cの余肉の増加(図14の寸法「h」参照)が
実現されるものである。この図14からは、肉盛溶接に
よる母材側(内壁面1d側)への溶け込み量が極めて少
なく、従って母材側への熱影響が極めて少なく、増肉対
策としての肉盛溶接として最適なものとなるが、これは
溶接を「下進溶接」としたことに因るところが大きい。
されて(図8の鎖線図示参照)、作業者による溶接状態
の管理等に使用されるものであって、図7に示すよう
に、格子状に配置された桟材67,68上に床材69を
取り付けて構成されるものであって、上記蒸解釜1の側
壁1cに沿うように円形の平面形態を有している。そし
て、この固定作業台13の中央寄り位置には、左右一対
のポスト受材66,66が設けられており、該各ポスト
受材66,66部分を貫通した状態で上記ポスト16,
16が配置されている。そして、この固定作業台13
は、上記ポスト16,16に沿って上下方向へ移動可能
とされるとともに、上記ポスト受材66,66とこれに
対応する上記ポスト16,16との間に固定ピン(図示
省略)を選択的に装着することで任意の高さ位置におい
て上記ポスト16,16側に固定保持される。この固定
作業台13の設置高さの変更作業に際しては、次述の昇
降作業台14が用いられる。
ル36を通して上記蒸解釜1内に搬出入されるものであ
ることから、その各構成部材はそれぞれ上記マンホール
36を通過し得るような大きさに分割可能に構成されて
いる(図示省略)。
ことは勿論、上記溶接機ユニット20を用いた蒸解釜1
の内壁面1dに対する肉盛溶接作業時には上記固定作業
台13側への資材の搬送あるいは作業員の移動に使用さ
れるものであって、図1及び図11に示すように、井桁
状に組まれた桁材47,48の上に床材49を取り付け
て円形の平面形態をもつ如く形成したものであって、上
記蒸解釜1の内壁面1dの内側にその周囲に所定間隔を
もった状態で配置される。
には左右一対のポストガイド62,62を備え、該各ポ
ストガイド62,62部分に上記各ポスト16,16が
貫通配置されている。そして、上記各ポストガイド6
2,62の一側、即ち、上記ポスト16のラック15取
付側の面には、走行駆動用のモータ30,30が取り付
けられており、該モータ30に備えたピニオンギヤ(図
示省略)が上記ポスト16側のラック15に噛合走行す
ることで、上記昇降作業台14は上記ポスト16,16
に沿って自力昇降することになる。
方向の四カ所には、それぞれガイド輪ユニット25が備
えられている。このガイド輪ユニット25は、上記昇降
作業台14が昇降移動する場合において上記蒸解釜1の
内壁面1d上を走行することで該昇降作業台14の横振
れを規制し安定した昇降移動を確保するものである。即
ち、上記ガイド輪ユニット25は、図12に示すよう
に、上記昇降作業台14側に上記蒸解釜1の径方向に揺
動自在に枢支されたアーム77の先端に車輪76を取り
付けるとともに、該アーム77をダンパー78によって
常時外側へ押圧付勢して構成される。かかる構成によれ
ば、上記車輪76が常時所定の押圧力で内壁面1dに押
圧された状態で走行することで上記昇降作業台14の昇
降移動時における安定性が常時確保されるとともに、上
記車輪76が上記蒸解釜1の径方向へ偏位自在であるこ
とで該車輪76は内壁面1dの段差に順応しこれを容易
に乗り越えることができ、上記昇降作業台14の移動の
信頼性が確保されるものである。
ル36を通して上記蒸解釜1内に搬出入されるものであ
ることから、その各構成部材はそれぞれ上記マンホール
36を通過し得るような大きさに分割可能に構成されて
いる(図示省略)。
1dに対する肉盛溶接作業について、その作業手順の一
例を説明する。
等の準備作業を行う。即ち、先ず、上記蒸解釜1の底部
近傍に設けたマンホール36から必要資材を搬入する。
そして、先ず、上記蒸解釜1の底部1a側に上記下部固
定作業床6を構築し、さらにこの下部固定作業床6上に
おいて上記昇降作業台14を構築する。
ながら、上記下部固定作業床6上に上記ポストピース1
6a,16a,・・を順次積み重ね状態で接合して上記
ポスト16,16を構築するとともに、該各ポスト1
6,16の上端を、上記蒸解釜1の頂部1b側に構築さ
れる上記上部固定作業床7に固定する。以上で、上記ポ
スト16,16の設置が完了する。
降移動する上記昇降作業台14を使用して溶接関連機材
の構築を行う。即ち、先ず、上記吊下支持基体8を構築
しこれを上記蒸解釜1側に配置固定するとともに、上記
吊梁体9を構築してこれを上記チェーンブロック18を
介して上記吊下支持基体8に吊下支持させる。さらに、
上記吊梁体9に上記上部ガイド体10を吊下支持させる
とともに、該上部ガイド体10に上記各縦ガイド体1
2,12,・・を取付け、さらにこれら各縦ガイド体1
2,12,・・の下端側に上記下部ガイド体11を支持
させる。この状態では、上記上部ガイド体10及び上記
下部ガイド体11は、ともに上記蒸解釜1の内壁面1d
に非固定とされており、自由に上下移動できるようにな
っている。
れを上記昇降作業台14に載置し、該昇降作業台14の
昇降移動によって所定高さ位置まで持ち上げ、これを上
記ポスト16,16に固定する。
機本体22から延びるケーブル類24を、上記上部ガイ
ド体10の底マンホール31部分から内部に引き込み、
これを上記固定作業台13側まで取り出し、該ケーブル
類24のうち、給電ケーブルは上記固定作業台13上に
載置した溶接制御器23に接続し、また炭酸ガス供給用
ホースはこれを上記各縦ガイド体12,12,・・に取
り付けられた上記各溶接機ユニット20,20,・・側
に接続する。
する。
・・を用いた肉盛溶接を上記上部ガイド体10の内壁面
1dに施工する。
8,・・を同期作動させ、上記吊梁体9を対象とする溶
接部位の直上方位置に移動させる。そして、その位置
で、上記上部ガイド体10と下部ガイド体11とを上記
蒸解釜1の内壁面1dにそれぞれ固定する。さらに、上
記各縦ガイド体12,12,・・を上記上部ガイド体1
0及び上記下部ガイド体11に対して相対移動可能とし
た状態で(即ち、上記サドル37側の上記止めボルト5
3と、上記縦ガイド体12側の上記押しボルト73とを
それぞれ緩めた状態で)、上記各縦ガイド体12,1
2,・・の上記内壁面1dに対する配置位置及び該各縦
ガイド体12,12,・・相互間の間隔調整とを行う。
しかる後、上記各縦ガイド体12,12,・・を上記上
部ガイド体10及び下部ガイド体11側に固定する。こ
の各縦ガイド体12,12,・・の固定によって、該各
縦ガイド体12,12,・・に取り付けられた上記各溶
接機ユニット20,20,・・の左右方向(即ち、上記
各縦ガイド体12,12,・・の周方向)における相対
間隔、及び該各溶接機ユニット20,20,・・それぞ
れの移動方向(即ち、溶接進行方向)が固定的に設定さ
れる。
20,・・をこれらがそれぞれ対応する各縦ガイド体1
2,12,・・の上端側に位置させる。しかる後、上記
各溶接機ユニット20,20,・・の各溶接トーチ8
5,85側に溶接電流を給電し且つシールドガス(炭酸
ガス)をしながら、該各溶接機ユニット20,20,・
・を同時に下方へ向けて所定速度で移動させ、上記各溶
接トーチ85,85によって肉盛溶接を施工する(図1
3の実線図示部分を参照)。この場合、この実施形態の
ものでは、上記溶接トーチ85を二つ備えた溶接機ユニ
ット20が8個設けられているので、上記一対の溶接ト
ーチ85,85の間隔に対応する間隔をもって平行に延
びる二本の溶接ビードB1,B1が、上記内壁面1dの周
方向に所定間隔をもって8カ所に、合計16本形成され
る。
上記各縦ガイド体12,12,・・の下端側まで達する
と、一旦、溶接を停止させ、そのまま上記各溶接機ユニ
ット20,20,・・を上昇させ、上記各縦ガイド体1
2,12,・・の上端側で待機させる。
と上記上部ガイド体10及び下部ガイド体11との固定
を解除し、該各縦ガイド体12,12,・・をそれぞれ
所定量(即ち、上記一対の溶接トーチ85,85の間隔
に相当する寸法量)だけ左右方向へ移動させ、ここで再
度、上記各縦ガイド体12,12,・・を上記上部ガイ
ド体10及び下部ガイド体11に固定する。この状態に
おいては、上記各溶接機ユニット20,20,・・の各
溶接トーチ85が、前回形成された二本の溶接ビードB
1,B1の中間に位置している。
20,20,・・を溶接可能状態とし、且つこれら各溶
接機ユニット20,20,・・をそれぞれ下方へ向けて
所定速度で移動させ、上記各溶接トーチ85,85,・
・によって次回の肉盛溶接を施工する(図13の鎖線図
示部分を参照)。
とで、上記蒸解釜1の内壁面1dの高さ方向の所定範囲
がその全周において肉盛され、その側壁1cの肉厚の増
加が図られる。
を行う。即ち、先ず、上記上部ガイド体10と下部ガイ
ド体11の上記蒸解釜1の内壁面1d側への固定状態を
解除してこれらを自由状態とする。しかる後、上記各チ
ェーンブロック18,18,・・を作動させて上記吊梁
体9を、所定寸法だけ(具体的には、前回の溶接領域の
高さ方向の寸法)上昇あるいは降下させる。この吊梁体
9の移動に伴って、これと一体的に上記上部ガイド体1
0と下部ガイド体11及び上記各縦ガイド体12,1
2,・・(即ち、上記ガイド機構Z)が一体的に上昇あ
るいは降下し、上記各溶接機ユニット20,20,・・
が次回の肉盛溶接の開始高さ位置に位置設定される。従
って、後は、前回の溶接と同様手順を実行することで、
前回の肉盛溶接部位の上側あるいは下側に次回の肉盛溶
接が行われる。
0,・・の左右方向における位置変更と、上記ガイド機
構Zの高さ方向における位置変更とを繰り返しながら順
次肉盛溶接を行うことで、上記内壁面1dの減肉部分の
全域に対して所要の肉厚補修が行われることになる。
尚、肉盛溶接による肉厚補修作業の完了後は、施工時と
逆手順で上記各機材を分解・搬出することで、全作業が
完了する。
業時から溶接作業完了までの全期間を通して継続的に運
転され、これによって上記蒸解釜1内の換気が良好に行
われ、良好な作業環境の下での安全な作業が担保され
る。
業装置によれば、高さ方向における溶接位置の変更に伴
う段替えが、上記各チェーンブロック18,18,・・
によって上記吊梁体9を上下方向に適宜移動させること
のみによって実現されるので、例えば従来のように蒸解
釜1内に鋼製足場を構築して溶接高さの変更の度に該鋼
製足場の継ぎ足し作業等を必要とするような場合に比し
て、段替作業が格段に簡略化され、段替え作業を含む溶
接作業全体を通しての作業の安全性及び作業性の向上が
図れ、延いては肉厚補修作業に伴う上記蒸解釜1の稼働
停止期間が短縮されることになる。
上記溶接機ユニット20を、上記ガイド機構Zを介して
上記吊梁体9に取付けてこれを上下方向及び左右方向へ
移動可能としているので、該溶接機ユニット20による
肉盛溶接の作業状態の管理、即ち、溶接ビード幅とか溶
接方向、あるいは隣設する溶接ビード相互間の間隔の管
理が、例えばこれを作業者の動作・判断のみに依存する
ような場合に比して、極めて容易且つ確実となり、その
結果、所要の肉盛溶接部位の全域に対して可及的に均等
な肉盛溶接を高い信頼性をもって実現でき、結果的に、
肉厚補修による上記蒸解釜1の延命効果が実効あるもの
となる。
記蒸解釜1内に上下方向に向けて上記各ポスト16,1
6を立設し、且つこの各ポスト16,16に上記昇降作
業台14を取り付けてこれを自力昇降可能としているの
で、該昇降作業台14を使用することで、上記蒸解釜1
が超高の高炉状形態をもつものであるにも拘わらず、上
記溶接機ユニット20側に作業資材とか作業員を安全且
つ迅速に、しかも足場の段替作業等とを一切必要とする
ことなく移動させることができ、作業の迅速性と安全性
とが両立されることになる。
上記固定作業台13を上記ポスト16に対して取付高さ
を変更設定可能に取り付けているので、溶接作業に際し
て作業者は上記固定作業台13上から上記溶接機ユニッ
ト20による溶接品質の管理等を容易且つ的確に行うこ
とができ、それだけ肉盛溶接の信頼性が向上することに
なる。
本願発明がその対象とする「塔槽体」の一例として説明
したが、「塔槽体」はこの蒸解釜1の如く高炉状形態を
もつものに限定されるものではなく、例えば貯油槽等の
比較的高さの低い形態のものも含まれる。尚、この場合
には、上記ポスト16及び昇降作業台14は必ずしも必
要とはしない。
ような圧力容器体に限定されるものではなく、比較的低
圧下において使用されるものも含まれる。
1の内壁面に対する溶接作業を代表として説明したが、
本願発明に係る内壁面作業装置及び作業方法はこれに限
定されるものではなく、この外に、例えば検査作業とか
改造作業あるいは清掃作業等の種々の作業にも適用でき
るものである。また、これら各作業はそれぞれこれを個
別に行えることは勿論のこと、複数の作業を複合的に並
行して行うこともできるものである。尚、検査作業、改
造作業あるいは清掃作業等を行う場合には、例えば上記
溶接機ユニット20に代えて、上記ガイド機構Zに適宜
の検査機器とか改造作業用機器あるいは清掃機器を装着
すれば良い。
壁面に対して肉盛溶接作業を行うの場合の施工状態を示
す断面図である。
である。
釜頂体、5は基台、6は下部固定作業床、7は上部固定
作業床、8は吊下支持基体、9は吊梁体、10は上部ガ
イド体、11は下部ガイド体、12は縦ガイド体、13
は固定作業台、14は昇降作業台、15はラック、16
はポスト、16aはポストピース、17は継材、18は
チェーンブロック、19はチェーン、20は溶接機ユニ
ット、21はワイヤー送給器、22は溶接機本体、23
は溶接制御器、24はケーブル類、25はガイド輪ユニ
ット、26は足場用ノズル、27はチェーンブロック、
28はチェーン、29は吊リンク、30はモータ、31
は底マンホール、32〜34は排気装置、35及び36
はマンホール、37はサドル、38及び39は車輪、4
0はストッパー、41は支持ベース、42は位置決スト
ッパー、43は支持桁、44は床材、45は固定ピー
ス、46は連結部材、47は桁材、48は桁材、49は
床材、50はポスト固定材、51はジャッキ、52は床
材、53は止めボルト、54は浮上防止体、55及び5
8〜61は桁材、62はポストガイド、63及び64は
ジャッキ、66はポスト受材、67は桟材、68は桟
材、69は床材、71は固定ブラケット、72はボル
ト、73は押しボルト、74は長穴、76は車輪、77
はアーム、78はダンパー、79は台車、80はラッ
ク、81は溶接機本体、82はオシレート装置、83は
倣装置、84は検知器、85は溶接トーチ、86はモー
タ、87は倣い検知器、Zはガイド機構である。
Claims (6)
- 【請求項1】 塔槽体(1)の内部に吊下支持基体
(8)を設置し、該吊下支持基体(8)から吊梁体
(9)を上下方向に移動可能に吊下支持するとともに、
上記吊梁体(9)にガイド機構(Z)を介して作業ユニ
ット(20)を上下方向及び/又は左右方向に移動可能
に取付け、該作業ユニット(20)によって上記塔槽体
(1)の内壁面(1d)に対して作業を行うように構成
したことを特徴とする塔槽体の内壁面作業装置。 - 【請求項2】 請求項1において、 上記ガイド機構(Z)が、上下方向に離間対向して配置
された上部ガイド体(10)と下部ガイド体(11)
と、これら各ガイド体(10),(11)の間に跨がっ
て上下方向に向けて配置され且つ該各ガイド体(1
0),(11)に沿って左右方向に移動可能とされると
ともに上記作業ユニット(20)を上下方向に移動可能
に支持する縦ガイド体(12)とを備えて構成されてい
ることを特徴とする塔槽体の内壁面作業装置。 - 【請求項3】 請求項1又は2において、 上記作業ユニット(20)が、少なくとも溶接、検査、
改造、清掃機能を備えた構成であることを特徴とする塔
槽体の内壁面作業装置。 - 【請求項4】 請求項1,2又は3において、 上記塔槽体(1)内に上下方向に向けてポスト(16)
を立設するとともに、上記ポスト(16)に沿って上下
方向に自力昇降する昇降作業台(14)を取り付けたこ
とを特徴とする塔槽体の内壁面作業装置。 - 【請求項5】 請求項4において、 上記ポスト(16)に固定作業台(13)を取付け且つ
該固定作業台(13)の上記ポスト(16)に対する上
下方向の固定位置を変更設定可能とするとともに、上記
固定作業台(13)の固定位置の変更を上記昇降作業台
(14)の昇降動によって行うように構成したことを特
徴とする塔槽体の内壁面作業装置。 - 【請求項6】 塔槽体(1)の内部に吊下支持基体
(8)を設置し、該吊下支持基体(8)から吊梁体
(9)を上下方向に移動可能に吊下支持するとともに、
上記吊梁体(9)にガイド機構(Z)を介して作業ユニ
ット(20)を上下方向及び/又は左右方向に移動可能
に取付け、該作業ユニット(20)によって上記塔槽体
(1)の内壁面(1d)に対して作業を行うことを特徴
とする塔槽体の内壁面作業方法。
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