JP3592313B2 - 塔槽体の内壁面作業装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
【0003】
本願発明は、塔槽体の内壁面に対して各種作業を行うための作業装置に関するものである。特に、高圧高温下で使用される高塔槽体の内壁面に対して溶接作業を行うための作業装置及びその作業方法に関するものである。
【従来の技術】
【0004】
塔槽体の内壁面に対し各種作業を行う方法については、塔槽体内部に、櫓を組むなど幾多の提案がなされているが、作業効率、作業期間、安全性の面で十分といえる作業装置及び作業方法が見出せていない。
【0005】
塔槽体内壁面に対しての作業は、例えば、溶接、検査、改造、清掃があり、特に溶接作業はその作業の連続性、危険性、溶接制度の面から最も改善が要望されている作業である。
【0006】
例えば、製紙工場においてパルプ溶解に用いられる高炉状形態をもつ圧力容器体である蒸解釜は、高温高圧下でしかも内容物と薬品との化学反応を伴うような環境条件下で使用されるものであることから、安全基準上、第一種圧力容器として規定されている。
【0007】
このような塔槽体においては、その長期に亙る使用中において、頻繁に検査や清掃、溶接、更には改造作業を行う必要がある。特に、圧力容器体である蒸解釜においては、その長期に亙る使用中に応力腐食割れ等の経年的な亀裂状欠陥の発生が懸念される。かかる応力腐食割れは、蒸解釜の壁面を構成する素材(通常は鋼材)の局部的な組成変化等の劣化因子と、溶接施工時の熱影響に起因する引張残留応力等の応力因子、及び高温高圧あるいは化学反応等に起因する腐食環境因子等が重畳的に作用することで発生し、且つ時間の経過とともに次第に成長するものであり、このため、この応力腐食割れによる亀裂が蒸解釜の壁部を貫通し、場合によってはプラントの重大事故を招来することも懸念される。また、上述の如き応力腐食割れという亀裂状欠陥の外に、蒸解釜の長期の使用中その内壁面に内容物(例えば、パルプ素材等)が高温高圧環境下で連続的に摺接することで次第に摩滅し、その壁部肉厚が減少することも周知の事実である。
【0008】
このような事情から、蒸解釜においては、第一種圧力容器としての安全基準を確保すべく、その壁部肉厚には、強度設計上必要とされる設計必要肉厚に加えて、所定の安全率を見込んだ余肉をもたせることが義務づけられている。
【0009】
しかし、このように壁部肉厚に所要の余肉をもたせたとしても、長期に亙る使用に伴って、亀裂状欠陥の発生とか摩滅による減肉は不可避的に生じるものであり、従って、蒸解釜においては、所定の稼働時間毎に内部の腐食状況、摩滅状態等を点検監視し、必要に応じて所要の補修作業を施工するようにしている。例えば、亀裂状欠陥に対しては、欠陥部分を除去しここに肉盛をして肉厚を回復させる肉盛補修法とか、亀裂状欠陥部分を含む領域を補修用板材にて覆いこれを溶接固定することで該亀裂状欠陥部分を腐食環境から隔離してその成長を防止するライニング法の採用が考えられる。また、摩滅減肉に対しては、この減肉部分に肉盛溶接を施して肉盛により肉厚回復を図る「オーバレイ法」の採用が考えられる。そして、特に「オーバレイ法」は、上記何れの補修にも有効な手法であり、蒸解釜に代表される塔槽体の延命化対策の最適手法として注目されている。
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところが、この「オーバレイ法」を蒸解釜等の塔槽体の減肉による短命化対策として採用する場合、施工上、下記の如き種々の問題がある。
【0011】
即ち、「オーバレイ法」によって塔槽体の壁面補修を行う場合、その内面の減肉部分(即ち、補修対象部位)の全域に、肉盛を可及的に均等に施工することが必要であり、そのためには溶接ビード幅とか隣接する溶接ビード相互間の間隔寸法等の作業管理が必要不可欠である。
【0012】
この場合、特に、その施工対象となる塔槽体が、例えば蒸解釜等の大型且つ超高構造体である場合には、かかる作業管理を作業者の動作・判断のみに委ねることは、その管理精度を十分に確保し肉盛溶接による蒸解釜の延命効果を実効あらしめるという点においては限界があり、何らかの自動化手段を講じることが必要となる。
【0013】
そこで本願発明は、塔槽体の内壁面に対する各種作業を、より安全な作業環境下で作業性良く、且つ高い信頼性をもって行うことができるようにした塔槽体の内壁面作業装置及び該作業装置を用いた作業方法を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本願発明ではかかる課題を解決するための具体的手段として次のような構成を採用している。
【0015】
本願の第1の発明では、塔槽体1の内部に吊下支持基体8を設置し、該吊下支持基体8から吊梁体9を上下方向に移動可能に吊下支持するとともに、上記吊梁体9にガイド機構Zを介して作業ユニット20を上下方向及び/又は左右方向に移動可能に取付け、該作業ユニット20によって上記塔槽体1の内壁面1dに対して作業を行うように構成し、上記ガイド機構Zを、上下方向に離間対向して配置された上部ガイド体10と下部ガイド体11と、これら各ガイド体10,11の間に跨がって上下方向に向けて配置され且つ該各ガイド体10,11に沿って左右方向に移動可能とするとともに上記作業ユニット20を上下方向に移動可能に支持する縦ガイド体12とを備えて構成したことを特徴としている。
【0016】
本願の第2の発明では、上記第1の発明に係る塔槽体の内壁面作業装置において、上記作業ユニット20を、少なくとも溶接、検査、改造、清掃機能を備えた構成としたことを特徴としている。
【0017】
本願の第3の発明では、塔槽体1の内部に吊下支持基体8を設置し、該吊下支持基体8から吊梁体9を上下方向に移動可能に吊下支持するとともに、上記吊梁体9)にガイド機構Zを介して作業ユニット20を上下方向及び/又は左右方向に移動可能に取付け、該作業ユニット20によって上記塔槽体1の内壁面1dに対して作業を行うように構成し、上記塔槽体1内に上下方向に向けてポスト16を立設するとともに、上記ポスト16に沿って上下方向に自力昇降する昇降作業台14を取り付ける一方、上記ポスト16に固定作業台13を取付け且つ該固定作業台13の上記ポスト16に対する上下方向の固定位置を変更設定可能とするとともに、上記固定作業台13の固定位置の変更を上記昇降作業台14の昇降動によって行なうように構成したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0018】
本願発明ではかかる構成とすることにより次のような効果が得られる。
【0019】
(i) 本願の第1の発明に係る塔槽体の内壁面作業装置によれば、上記吊下支持基体8によって吊下支持された上記吊梁体9を上下方向に移動させることで、該吊梁体9に取り付けられた上記作業ユニット20の上記塔槽体1の高さ方向における位置、即ち、上記塔槽体1における上記作業ユニット20の作業対象部位の高さ方向への変更設定を容易に行うことができ、例えば従来のように塔槽体1内に櫓を組み立て、作業高さの変更の度に櫓の高さ変更を行う必要があるような場合に比して、作業中における段替作業が格段に簡略化、あるいは不要とされ、それだけ各種作業における安全性及び作業性の向上が図れることになる。
【0020】
さらに、上記作業ユニット20を、上記ガイド機構Zを介して上記吊梁体9に取付けてこれを上下方向及び/又は左右方向へ移動可能としているので、該作業ユニット20を用いて行われる所要の作業の管理(例えば、溶接作業にあっては、溶接ビード幅とか溶接方向、あるいは隣設する溶接ビード相互間の間隔の管理)が、例えばこれを作業者の動作・判断のみに依存するような場合に比して、極めて容易且つ確実となり、その結果、所要の高さ範囲の全域に対して可及的に均等な作業を高い信頼性をもって実現することができ、その結果、塔槽体1の延命効果が実効あらしめられることになる。
【0021】
(ii)さらに、本願の第1の発明に係る塔槽体の内壁面作業装置によれば、上記ガイド機構Zが、上記上部ガイド体10と下部ガイド体11及び上記縦ガイド体12とからなる簡単且つ安価な構成であることから、上記(i)に記載の効果を奏する内壁面作業装置をより安価に提供することができ、延いてはその運転経費の軽減に寄与し得ることになる。
【0022】
(iii) 本願の第2の発明に係る塔槽体の内壁面作業装置によれば、上記(i)及び(ii)に記載の効果に加えて次のような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記作業ユニット20を、少なくとも溶接、検査、改造、清掃機能を備えた構成としているので、塔槽体1の内壁面に対するこれら各種の作業を複合的に、且つ何れの作業とも高い信頼性の下で且つ高能率で行うことができる。
【0023】
(iv) 本願の第3の発明に係る塔槽体の内壁面作業装置によれば、上記(i)に記載の効果に加えて次のような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記塔槽体1内に上下方向に向けてポスト16を立設するとともに、上記ポスト16に沿って上下方向に自力昇降する昇降作業台14を取り付けているので、上記昇降作業台14を上記ポスト16に沿って上下方向に自力昇降させることで、例えば上記塔槽体1が高さの高い高炉状形態をもつものであったとしても、上記昇降作業台14を用いて上記作業ユニット20による作業位置へ作業資材とか作業員を安全且つ迅速に、しかも足場の段替作業等を一切必要とすることなく移動させることができ、この結果、作業の迅速性と安全性とが両立され、延いては内壁面作業装置全体としての作業コストの低廉化が図れることになる。
【0024】
(v) さらに、本願の第3の発明に係る塔槽体の内壁面作業装置によれば、上記(iv)に記載の効果に加えて次のような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記ポスト16に取り付けた固定作業台13の該ポスト16に対する上下方向の固定位置を変更設定可能としているので、該固定作業台13を上記作業ユニット20による作業位置に対応する高さ位置に固定配置することで、作業者は上記固定作業台13上に搭乗して上記作業ユニット20による作業の品質管理等を容易且つ的確に行うことができ、より一層信頼性の高い作業の実現が可能となる。
【0025】
さらに、上記固定作業台13の位置変更を上記昇降作業台14の昇降によって行うように構成しているので、該固定作業台13の位置変更作業を、例えば足場の段替等の付帯作業を一切必要とすることなく、より安全且つ迅速に行うことができ、作業上の安全性と作業コストの低廉化とが期待できる。
【発明の実施の形態】
【0026】
以下、本願発明の実施例にかかる作業装置を、溶接作業に供される装置及びこれを用いた作業方法を代表例として詳細に説明する。
【0027】
図1には、製紙工場で用いられる高炉状形態をもつ圧力容器体である蒸解釜1(特許請求の範囲中の「塔槽体」に該当する)の内部に、該蒸解釜1の内壁面の所要箇所に肉盛溶接を施工するための肉盛溶接作業装置(特許請求の範囲中の「内壁面作業装置」に該当する)を配置した状態を示している。
【0028】
A:蒸解釜1の構成等
上記蒸解釜1は、例えば、内径4〜5m、高さ40〜50mの大型の縦型密閉容器状とされ、安全基準上、第一種圧力容器に類せられるものであり、従って、その壁面の肉厚は一定以上に維持されることが必要で、この肉厚が所定以上減耗した場合には、その延命化対策として、所要の補修作業を施工してその肉厚回復を図ることが必要となることは既述の通りである。そして、この実施形態では、この蒸解釜1の壁面補修の工法として、「オーバレイ法」を採用し、その内壁面に肉盛溶接によって余肉を付けるようにしたものであり、この肉盛溶接の施工に供せられるのが上記肉盛溶接作業装置である。
【0029】
上記蒸解釜1は、大口径の筒状形態をもつ本体部2の一端側に釜底体3を、他端側に釜頂体4を、それぞれ接合して密閉容器状とされ、該釜底体3側の底部1aを基台5によって支持させた状態で鉛直方向に立設固定されている。尚、上記本体部2は、上記蒸解釜1の底部1a側から頂部1b側に向かうに伴って段階的に径寸法が減少するように構成されており、この径寸法の減少部位にはストレーナ(図示省略)等の機器が配置される。
【0030】
また、この実施形態においては、上記肉盛溶接作業装置を用いて上記蒸解釜1の内壁面に肉盛溶接を施工するに際して、その内部の換気性を確保するために、該蒸解釜1にそれ本来の機能確保上から備えられているマンホールを活用している。即ち、上記釜底体3の中心位置に設けられた底マンホール31に排気装置32を取り付けるとともに、高さ方向の略中央部に設けられた大口径のマンホール35はこれを自然給気孔として利用し、さらに上記頂部1b寄りに設けられた上下二つのマンホールにはそれぞれ排気装置33,34を配置している。そして、肉盛溶接作業中は、上記マンホール35から上記蒸解釜1内に外気を自然給気する一方、上記各排気装置32,33,34から排気を行うことで、上記蒸解釜1の内部に空気の循環流を発生させ、該蒸解釜1内における良好な作業環境を確保するものであり、これによって安全性の高い作業が担保される。
【0031】
さらに、肉盛溶接作業に際しては、上記蒸解釜1の底部1aの近傍に設けたマンホール36を資材搬入口あるいは人員の出入口として利用する一方、上記排気装置34が備えられたマンホールの直下側位置に設けられた四個の足場用ノズル26,26,・・(図5参照)を利用して後述の吊下支持基体8を取り付けるようにしている。
【0032】
そして、この実施形態においては、上記蒸解釜1の内壁面のうち、上記吊下支持基体8の取付け位置よりも下側に位置する部分に対して、次述の肉盛溶接作業装置を用いて肉盛溶接を施工する場合を例にとって説明する。尚、上記吊下支持基体8を上記蒸解釜1の頂部1b寄りに配置することで、上記本体部2の高さ方向の全域に肉盛溶接を施工することができることは勿論である。
【0033】
B:肉盛溶接作業装置の構成等
上記肉盛溶接作業装置は、図1に示すように、上記蒸解釜1の底部1a側に配置された下部固定作業床6(後述する)と頂部1b側に配置された上部固定作業床7(後述する)との間に跨がって左右一対のポスト16,16(後述する)を所定間隔をもって平行に立設配置するとともに、上記各ポスト16,16には、自力昇降する昇降作業台14(後述する)と固定作業台13(後述する)とを取り付ける一方、上記吊下支持基体8(後述する)から吊梁体9(後述する)を上下方向に昇降可能に吊下支持するとともに、該吊梁体9にガイド機構Z(後述する)を介して複数個の溶接機ユニット20(特許請求の範囲中の「作業ユニット」に該当する)をそれぞれ上下方向及び左右方向(周方向)に移動自在に取り付けて構成される。以下、これら肉盛溶接作業装置の各構成要素をそれぞれ個別に説明する。
【0034】
(B−1) ポスト16
ポスト16は、図1及び図8に示すように、矩形の断面形状と所定の軸長とをもつトラス構造のポストピース16a,16a,・・を、その軸方向に順次所定個数づつ継ぎ足して柱状形態として構成される。そして、これら各ポスト16,16は、その軸方向に所定間隔で取り付けられた継材17,17,・・によって略梯子状に一体化された状態で、その下端が後述する下部固定作業床6(図2参照)に、その上端が後述する上部固定作業床7(図4参照)に、それぞれ固定されることで、上記蒸解釜1内に鉛直方向に立設固定される。
【0035】
尚、この実施形態においては、上記ポスト16を所定間隔をもって二本並設し、これら二本のポスト16,16の共働によって、後述の如く固定作業台13及び昇降作業台14のガイド作用と支持作用とを行うようにしているが、本願発明においては上記ポスト16の設置個数は必要に応じて適宜増減設定できるものであって、例えば他の実施形態においてはこれを一本としたり、あるいは三本以上並設したりすることができるものである。
【0036】
上記各ポストピース16a,16a,・・を用いて上記ポスト16を構築する場合における作業手順は次の通りである。即ち、先ず、上記下部固定作業床6上の所定位置に、最下端に位置する一対のポスト16,16をそれぞれ立設固定する。しかる後、この最下端の各ポスト16,16に対応させて、後述する昇降作業台14を組み立て、これを自力昇降可能とする。後は、この昇降作業台14に作業者が搭乗するとともに新たに接合される上記ポストピース16a,16a,・・を搭載し、この状態で、上記昇降作業台14を既に固定されたポスト16,16に沿って昇降させつつ、既設のポスト16の上端に新たなポスト16を接合する作業を、上記上部固定作業床7側まで順次繰り返すことで行われる。即ち、この実施形態のものにおいては、上記ポスト16の構築作業に、従来のような組立式の鋼製足場を必要としないものであり、従って、足場の段替作業が省略できる分だけ、ポスト16の構築作業が安全に且つ迅速に行える。
【0037】
尚、上記各ポスト16,16の一側には、上記昇降作業台14の昇降機構の一部となるラック15が、該各ポスト16,16の長さ方向に向けて取り付けられている。
【0038】
また、上記ポストピース16aは、上記蒸解釜1の上記マンホール36からその内部へ搬入されるものであるため、該マンホール36からの搬入が可能な寸法形状に設定されている。
【0039】
(B−2) 下部固定作業床6
上記下部固定作業床6は、図1に示すように、上記蒸解釜1の上記釜底体3の直上側位置と上記マンホール36の直下側位置との中間位置に固定的に配置されるものであって、それ本来の機能である「作業台」として用いられることは勿論であるが、それ以外に上記ポスト16,16の支持基台としての重要な機能をもつものである。
【0040】
即ち、上記下部固定作業床6は、図2に示すように、四本の支持桁43,43,・・を井桁状に組付るとともに、該各支持桁43,43,・・の上側に、上記側壁1cの内壁面1dにその全周に亙って近接対向し得るように円形に形成された床材44を載置固定して構成される。そして、この下部固定作業床6には、その中央寄りに設けた左右一対の支持ベース41,41に上記各ポスト16,16の下端(即ち、ポスト16の最下端に位置するポストピース16aの下端)を載置し且つこれをその周囲に配置した位置決ストッパー42,42,・・によって移動規制するとともに固定ボルト(図示省略)で締結することによって、上記ポスト16,16が固定される。
【0041】
そして、上記下部固定作業床6が最も特徴とする点は、上記各支持桁43,43,・・の上記蒸解釜1側への固定構造にある。即ち、この実施形態では、図2及び図4に示すように、上記蒸解釜1の上記釜底体3の直上に位置する側壁1cの内壁面1dに、突片状の固定ピース45を溶接固定し、該固定ピース45と上記支持桁43の端部とを連結部材46を介して着脱自在に締結固定するようにしている。尚、上記固定ピース45は、上記四本の支持桁43,43,・・の各端部にそれぞれ位置するように、上記内壁面1dの周囲に所定間隔で固定される。そして、この各固定ピース45,45,・・は、肉盛溶接作業が完了し上記下部固定作業床6を分解除去した後においてもそのまま蒸解釜1側に取り付けられたままとされ、この固定ピース45の取付け状態のまま上記蒸解釜1を用いたパルプの蒸解作業が行われる。
【0042】
このように、上記蒸解釜1の底部1aに上記固定ピース45,45,・・を介して上記下部固定作業床6を取付け、さらにこの下部固定作業床6によって上記ポスト16,16を固定支持させることで、該ポスト16,16の自重とか、該ポスト16,16に取り付けられる後述の固定作業台13と昇降作業台14の自重、及び該各作業台13,14に載置される資材の重量等は、全て上記下部固定作業床6から上記各固定ピース45,45,・・を介して上記蒸解釜1の側壁1c側に伝達され、ここで確実に支持される。このため、上記下部固定作業床6の下側に位置している上記釜底体3側には上記ポスト16,16側からの荷重は全く掛からず、該釜底体3の損傷等が未然に且つ確実に防止される。そして、かかる効果は、上記釜底体3がその形態からして、筒状形態をもつ上記本体部2等よりも製作コストが高いことを考慮すると、特に顕著である。
【0043】
尚、上記下部固定作業床6は、肉盛溶接の施工に際して、最初に構築されるものであって、この構築された下部固定作業床6を使用して、それ以後の作業、例えば、各資材の搬入とか、上記ポスト16とか昇降作業台14とかの組み立て作業等が行われる(即ち、それ本来の作業台として機能する)。また、上記下部固定作業床6も、上記マンホール36を通して上記蒸解釜1内に搬出入されるものであることから、その各構成部材はそれぞれ上記マンホール36を通過し得るような大きさに分割可能に構成されている(図示省略)。
【0044】
(B−3) 上部固定作業床7
上記上部固定作業床7は、上記蒸解釜1の上記釜頂体4の直下位置に配置される(図1参照)ものであって、図4に示すように、円形の平面形態をもち且つ上記蒸解釜1の側壁1cの内側に該側壁1cとの間に所定間隔を確保した状態で配置される。そして、この上部固定作業床7は、その中央寄りに設けた左右一対のポスト固定材50,50を介して上記ポスト16,16の頂部に連結固定されるとともに、その外周部の四カ所にそれぞれ設けたジャッキ51,51,・・の先端を上記側壁1cの内壁面1dに突っ張らせることで平面方向における移動が規制されている。
【0045】
尚、この上部固定作業床7は、上記マンホール36を通して上記蒸解釜1内に搬出入されるものであることから、その各構成部材はそれぞれ上記マンホール36を通過し得るような大きさに分割可能に構成されている(図示省略)。
【0046】
(B−4) 吊下支持基体8
上記吊下支持基体8は、上記蒸解釜1の頂部1b寄り位置に横架配置されて後述のガイド機構Zを吊下支持するものであって、図5及び図8に示すように、上記蒸解釜1の側壁1cに、その中心に対してその一側方において同軸上に対向配置された一対の足場用ノズル26,26と、他側方において同軸上に対向配置された一対の足場用ノズル26,26とに、それぞれ桁材55を軸受57を介して嵌挿状態で架設するとともに、該一対の桁材55,55同士を継材56で接続して構成される。そして、この蒸解釜1内に横架配置された上記吊下支持基体8の中央部分に上記ポスト16,16が上下方向に向けて貫通している。
【0047】
また、上記吊下支持基体8の上記各桁材55,55の上記各継材56,56との接合部の近傍の四位置にはそれぞれ吊位置P1,P1,・・が設定されている。そして、この各吊位置P1,P1,・・には、図8に示すように、チェーンブロック18が取り付けられる。
【0048】
尚、この吊下支持基体8は、上記マンホール36を通して上記蒸解釜1内に搬出入されるものであることから、その各構成部材はそれぞれ上記マンホール36を通過し得るような大きさに分割可能に構成されている(図示省略)。
【0049】
(B−5) 吊梁体9
上記吊梁体9は、上記吊下支持基体8に上記各チェーンブロック18,18,・・を介して吊下支持されるとともに、後述のガイド機構Zを吊下支持するものであって、図6及び図8に示すように、所定間隔をもって平行配置された一対の桁材58,58上に、これら各桁材58,58に直交状態で一対の桁材59,59を取り付けて井桁状とし、さらに上記一対の桁材59,59の両端部同士に跨がってそれぞれ桁材61,61を取り付けるとともに、上記桁材58とこれに対応する上記桁材61との間に跨がって一対の桁材60,60を放射状に取り付けて構成される。
【0050】
そして、この吊梁体9においては、上記一対の桁材59,59上に、上記吊下支持基体8側の上記各吊位置P1,P1,・・のそれぞれに対応する吊位置P2,P2,・・が設定されており、該各吊位置P2,P2,・・には、上記吊下支持基体8側の上記各チェーンブロック18から垂下するチェーン19,19,・・が連結され、該各チェーン19,19,・・を介して上記吊梁体9は上記吊下支持基体8側に吊下支持され、該各チェーン19,19,・・の巻き込み・巻き戻しによって上下方向に昇降される。
【0051】
また、上記吊位置P2の上記各桁材59,59と各桁材60,60,・・には、同一円周上に且つ周方向に同一ピッチで位置するようにして吊位置P3,P3,・・が設定されている。そして、この各吊位置P3,P3,・・には、それぞれチェーンブロック27,27,・・が取り付けられ、該各チェーンブロック27,27,・・から垂下するチェーン28を介して後述する溶接機ユニット20のワイヤー送給器21が吊下支持されている。
【0052】
さらに、上記吊梁体9の上記一対の桁材58,58の両端部と、上記各桁材60,60,・・の先端部とは同一円周上において且つ周方向に所定ピッチで位置している。そして、これら各端部は、後述するガイド機構Zの吊下支持点となるものであって、それぞれ吊リンク29が取り付けられている。
【0053】
尚、上記吊梁体9は、上記マンホール36を通して上記蒸解釜1内に搬出入されるものであることから、その各構成部材はそれぞれ上記マンホール36を通過し得るような大きさに分割可能に構成されている(図示省略)。
【0054】
(B−6) ガイド機構Z
上記ガイド機構Zは、後述する溶接機ユニット20の移動をガイドして該溶接機ユニット20による良好な肉盛溶接を可能とするものであって、次述する上部ガイド体10と下部ガイド体11及び縦ガイド体12とを備えて構成される。
【0055】
(B−6−1) 上部ガイド体10
上記上部ガイド体10は、図6、図8〜図10にそれぞれ示すように、H型鋼(図9参照)を、その一対のフランジを立てた姿勢で、これを上記蒸解釜1の内壁面1dの内側へ配置可能なる如く湾曲成形した環状体(図6参照)で構成される。そして、この上部ガイド体10は、上記吊リンク29,29,・・を介して上記吊梁体9側に吊下支持されており、上記吊梁体9の昇降動作に追従してこれと一体的に昇降されるとともに、図9に示すように上記各吊リンク29,29,・・のそれぞれに取り付けたジャッキ63,63,・・の先端を上記蒸解釜1の内壁面1dに当接させてそれぞれ突っ張らせることで、該内壁面1d側に固定支持される。
【0056】
また、上記上部ガイド体10は、次述する縦ガイド体12の左右方向(即ち、上記内壁面1dの周方向)への移動をガイドするものであって、径方向に前後する一対のフランジのうち、径方向内側に位置するフランジを上記縦ガイド体12のガイドレールとして機能させるようにしており、そのために該フランジには後述する縦ガイド体12のサドル37が掛止される(図9及び図10参照)。
【0057】
尚、上記上部ガイド体10は、上記マンホール36を通して上記蒸解釜1内に搬出入されるものであることから、その各構成部材はそれぞれ上記マンホール36を通過し得るような大きさに分割可能に構成されている(図示省略)。
【0058】
(B−6−2) 下部ガイド体11
上記下部ガイド体11は、図6、図8〜図10にそれぞれ示すように、L型鋼(図9参照)を、その一方のフランジを径方向外方へ向けるとともに、他方のフランジを上方へ向けた姿勢で、これを上記蒸解釜1の内壁面1dの内側へ配置可能なる如く湾曲成形した環状体(図6参照)で構成される。そして、この下部ガイド体11は、次述する縦ガイド体12を介して上記上部ガイド体10側に支持され、該上部ガイド体10が上記吊梁体9の昇降に伴って上下方向へ移動するとき、これと一体的に移動されるとともに、図9に示すようにその周囲に所定間隔で配置したジャッキ64の先端を上記蒸解釜1の内壁面1dに当接させてそれぞれ突っ張らせることで、該内壁面1d側に固定支持される。
【0059】
尚、上記下部ガイド体11と後述する縦ガイド体12との連結は、図9及び図10に示すように、該縦ガイド体12の下端部に上下方向に延出状態で形成した長穴74に挿通された止めボルト72によって支持された固定ブラケット71と、上記縦ガイド体12側に取り付けられた押しボルト73とによって上記下部ガイド体11の一方のフランジ部分を挟着することで実現される。また、上記押しボルト73を緩めるとともに、上記止めボルト72を緩めて上記固定ブラケット71を上方へ移動させることで上記下部ガイド体11の上記縦ガイド体12との連結状態が解除される。
【0060】
(B−6−3) 縦ガイド体12
上記縦ガイド体12は、図9及び図10に示すように、所定長さの帯板材で構成されるとともに、その一端(上端)側に次述のサドル37を取り付けている。そして、この縦ガイド体12は、後述する溶接機ユニット20の上下移動をガイドするとともに、該縦ガイド体12が上記上部ガイド体10及び下部ガイド体11にガイドされて左右方向へ移動することで上記溶接機ユニット20の左右方向への移動を可能とする。
【0061】
上記サドル37は、上記縦ガイド体12を上記上部ガイド体10側に吊下支持させるとともに、これを該上部ガイド体10に沿って左右方向へ移動可能とするものであって、図9及び図10に示すように、上記上部ガイド体10のフランジ上を走行する前後一対の溝付き車輪38,38と前後一対の溝無し車輪39,39とを備えている。さらに、このサドル37には、ねじ込み操作によってその先端が上記上部ガイド体10に当接することで上記サドル37と上記上部ガイド体10との相対移動を規制する前後一対の止めボルト53,53と、上記上部ガイド体10のフランジの下面側に係合可能に配置されて上記サドル37の浮上を防止する前後一対の浮上防止体54,54とが設けられている。そして、上記サドル37には、上記縦ガイド体12が垂下状態で締結固定されている。
【0062】
また、上記縦ガイド体12の下端には、上記止めボルト72と押しボルト73とが設けられており、該ボルト72と押しボルト73の操作によって、上記下部ガイド体11の下端部は上記下部ガイド体11側に連結又は連結解除されることは既述の通りである。
【0063】
一方、上記縦ガイド体12の上下二位置にはそれぞれストッパー40,40が設けられるとともに、該各ストッパー40,40間に跨がってラック80が取り付けられている。そして、この縦ガイド体12には、次述の溶接機ユニット20が取り付けられるとともに、上記ラック80に沿って昇降可能とされる。
【0064】
以上のように構成された上記縦ガイド体12は、上記上部ガイド体10の周方向に所定間隔で複数個配置されている。尚、この実施形態では、図6において位置a〜位置hで示すように、これら八つの位置にそれぞれ上記縦ガイド体12が配置されている。
【0065】
(B−7) 溶接機ユニット20
上記溶接機ユニット20は、図9及び図10に示すように、上記縦ガイド体12に鞍座されモータ86の駆動力を受け上記ラック80に沿って昇降する台車79に、溶接機本体81とオシレート装置82と倣装置83と一対の溶接トーチ85,85及び倣い検知器87を装備して構成される。また、上記溶接機本体81は、炭酸ガス雰囲気中でアークシールド溶接(「MAG溶接」)を自動的に行うものであって、該溶接機本体81には所定間隔で並設された上記二つの溶接トーチ85,85が接続されている。従って、この実施形態のものにおいては、上述のように上記縦ガイド体12が8組備えられており、しかもこれら各縦ガイド体12にはそれぞれ二つの溶接トーチ85,85を装備されていることから、合計16個の溶接トーチ85を同時使用して肉盛溶接が行われることになる。
【0066】
尚、上記各溶接機ユニット20には、それぞれこれに属する二つの溶接トーチ85にワイヤーを供給する上記ワイヤー送給器21が備えられるが、このワイヤー送給器21は上記チェーンブロック27によって上記吊梁体9側から昇降可能に吊下支持されていることは既述の通りである。また、上記溶接トーチ85にシールドガスを供給するホース57(図8参照)も、上記ワイヤー送給器21を介して上記溶接トーチ85側に接続されている。
【0067】
ここで、上記溶接機ユニット20による上記蒸解釜1の内壁面1dに対する肉盛溶接方法等について簡単に説明する。
【0068】
この実施形態のものにおいては、上記溶接機ユニット20を使用して上記蒸解釜1の内壁面1dに対して、「立ち向き下進溶接」で肉盛溶接を行うようにしており、図13にはこの肉盛溶接における溶接ビード状態を示している。即ち、この実施形態では、所定間隔をもって並設された上記一対の溶接トーチ85,85を使用して、「立ち向き下進溶接」によって肉盛溶接を行うため、図13に実線図示するように各溶接トーチ85,85のそれぞれによる溶接ビードB1,B1が溶接トーチ間隔に対応する間隔をもって形成される。そして、上記溶接機ユニット20を上方から下方まで移動させた後、一旦アークを停止させる。そして、上記溶接機ユニット20を再上昇させるとともに、上記溶接トーチ85,85の間隔寸法に相当する寸法だけ左右方向に移動させ(即ち、上記縦ガイド体12を左右方向に移動させ)、前回の溶接ビードB1,B1の間に次回の溶接ビードB2,B2が位置するようにして、そこから次回の溶接を下方に向けて行う。
【0069】
このように、順次所定ピッチづつ肉盛溶接を実施することで、この肉盛部分によって上記蒸解釜1の側壁1cの余肉の増加(図14の寸法「h」参照)が実現されるものである。この図14からは、肉盛溶接による母材側(内壁面1d側)への溶け込み量が極めて少なく、従って母材側への熱影響が極めて少なく、増肉対策としての肉盛溶接として最適なものとなるが、これは溶接を「下進溶接」としたことに因るところが大きい。
【0070】
(B−8) 固定作業台13
上記固定作業台13は、上記ガイド機構Zの近傍に配置されて(図8の鎖線図示参照)、作業者による溶接状態の管理等に使用されるものであって、図7に示すように、格子状に配置された桟材67,68上に床材69を取り付けて構成されるものであって、上記蒸解釜1の側壁1cに沿うように円形の平面形態を有している。そして、この固定作業台13の中央寄り位置には、左右一対のポスト受材66,66が設けられており、該各ポスト受材66,66部分を貫通した状態で上記ポスト16,16が配置されている。そして、この固定作業台13は、上記ポスト16,16に沿って上下方向へ移動可能とされるとともに、上記ポスト受材66,66とこれに対応する上記ポスト16,16との間に固定ピン(図示省略)を選択的に装着することで任意の高さ位置において上記ポスト16,16側に固定保持される。この固定作業台13の設置高さの変更作業に際しては、次述の昇降作業台14が用いられる。
【0071】
尚、上記固定作業台13は、上記マンホール36を通して上記蒸解釜1内に搬出入されるものであることから、その各構成部材はそれぞれ上記マンホール36を通過し得るような大きさに分割可能に構成されている(図示省略)。
【0072】
(B−9) 昇降作業台14
上記昇降作業台14は、通常の点検作業等に使用されることは勿論、上記溶接機ユニット20を用いた蒸解釜1の内壁面1dに対する肉盛溶接作業時には上記固定作業台13側への資材の搬送あるいは作業員の移動に使用されるものであって、図1及び図11に示すように、井桁状に組まれた桁材47,48の上に床材49を取り付けて円形の平面形態をもつ如く形成したものであって、上記蒸解釜1の内壁面1dの内側にその周囲に所定間隔をもった状態で配置される。
【0073】
この昇降作業台14は、その中央寄り部位には左右一対のポストガイド62,62を備え、該各ポストガイド62,62部分に上記各ポスト16,16が貫通配置されている。そして、上記各ポストガイド62,62の一側、即ち、上記ポスト16のラック15取付側の面には、走行駆動用のモータ30,30が取り付けられており、該モータ30に備えたピニオンギヤ(図示省略)が上記ポスト16側のラック15に噛合走行することで、上記昇降作業台14は上記ポスト16,16に沿って自力昇降することになる。
【0074】
さらに、上記昇降作業台14の外周部の周方向の四カ所には、それぞれガイド輪ユニット25が備えられている。このガイド輪ユニット25は、上記昇降作業台14が昇降移動する場合において上記蒸解釜1の内壁面1d上を走行することで該昇降作業台14の横振れを規制し安定した昇降移動を確保するものである。即ち、上記ガイド輪ユニット25は、図12に示すように、上記昇降作業台14側に上記蒸解釜1の径方向に揺動自在に枢支されたアーム77の先端に車輪76を取り付けるとともに、該アーム77をダンパー78によって常時外側へ押圧付勢して構成される。かかる構成によれば、上記車輪76が常時所定の押圧力で内壁面1dに押圧された状態で走行することで上記昇降作業台14の昇降移動時における安定性が常時確保されるとともに、上記車輪76が上記蒸解釜1の径方向へ偏位自在であることで該車輪76は内壁面1dの段差に順応しこれを容易に乗り越えることができ、上記昇降作業台14の移動の信頼性が確保されるものである。
【0075】
尚、上記昇降作業台14は、上記マンホール36を通して上記蒸解釜1内に搬出入されるものであることから、その各構成部材はそれぞれ上記マンホール36を通過し得るような大きさに分割可能に構成されている(図示省略)。
【0076】
C:肉盛溶接作業装置の作動説明
続いて、肉盛溶接作業装置による上記蒸解釜1の内壁面1dに対する肉盛溶接作業について、その作業手順の一例を説明する。
【0077】
溶接作業に際しては、先ず、作業台の構築等の準備作業を行う。即ち、先ず、上記蒸解釜1の底部近傍に設けたマンホール36から必要資材を搬入する。そして、先ず、上記蒸解釜1の底部1a側に上記下部固定作業床6を構築し、さらにこの下部固定作業床6上において上記昇降作業台14を構築する。
【0078】
次に、上記昇降作業台14を昇降移動させながら、上記下部固定作業床6上に上記ポストピース16a,16a,・・を順次積み重ね状態で接合して上記ポスト16,16を構築するとともに、該各ポスト16,16の上端を、上記蒸解釜1の頂部1b側に構築される上記上部固定作業床7に固定する。以上で、上記ポスト16,16の設置が完了する。
【0079】
続いて、上記ポスト16,16に沿って昇降移動する上記昇降作業台14を使用して溶接関連機材の構築を行う。即ち、先ず、上記吊下支持基体8を構築しこれを上記蒸解釜1側に配置固定するとともに、上記吊梁体9を構築してこれを上記チェーンブロック18を介して上記吊下支持基体8に吊下支持させる。さらに、上記吊梁体9に上記上部ガイド体10を吊下支持させるとともに、該上部ガイド体10に上記各縦ガイド体12,12,・・を取付け、さらにこれら各縦ガイド体12,12,・・の下端側に上記下部ガイド体11を支持させる。この状態では、上記上部ガイド体10及び上記下部ガイド体11は、ともに上記蒸解釜1の内壁面1dに非固定とされており、自由に上下移動できるようになっている。
【0080】
さらに、上記固定作業台13を構築し、これを上記昇降作業台14に載置し、該昇降作業台14の昇降移動によって所定高さ位置まで持ち上げ、これを上記ポスト16,16に固定する。
【0081】
一方、上記蒸解釜1の外部に配置した溶接機本体22から延びるケーブル類24を、上記上部ガイド体10の底マンホール31部分から内部に引き込み、これを上記固定作業台13側まで取り出し、該ケーブル類24のうち、給電ケーブルは上記固定作業台13上に載置した溶接制御器23に接続し、また炭酸ガス供給用ホースはこれを上記各縦ガイド体12,12,・・に取り付けられた上記各溶接機ユニット20,20,・・側に接続する。
【0082】
以上で、溶接作業に先立つ準備作業が完了する。
【0083】
次に、上記各溶接機ユニット20,20,・・を用いた肉盛溶接を上記上部ガイド体10の内壁面1dに施工する。
【0084】
先ず、上記各チェーンブロック18,18,・・を同期作動させ、上記吊梁体9を対象とする溶接部位の直上方位置に移動させる。そして、その位置で、上記上部ガイド体10と下部ガイド体11とを上記蒸解釜1の内壁面1dにそれぞれ固定する。さらに、上記各縦ガイド体12,12,・・を上記上部ガイド体10及び上記下部ガイド体11に対して相対移動可能とした状態で(即ち、上記サドル37側の上記止めボルト53と、上記縦ガイド体12側の上記押しボルト73とをそれぞれ緩めた状態で)、上記各縦ガイド体12,12,・・の上記内壁面1dに対する配置位置及び該各縦ガイド体12,12,・・相互間の間隔調整とを行う。しかる後、上記各縦ガイド体12,12,・・を上記上部ガイド体10及び下部ガイド体11側に固定する。この各縦ガイド体12,12,・・の固定によって、該各縦ガイド体12,12,・・に取り付けられた上記各溶接機ユニット20,20,・・の左右方向(即ち、上記各縦ガイド体12,12,・・の周方向)における相対間隔、及び該各溶接機ユニット20,20,・・それぞれの移動方向(即ち、溶接進行方向)が固定的に設定される。
【0085】
この状態で、上記各溶接機ユニット20,20,・・をこれらがそれぞれ対応する各縦ガイド体12,12,・・の上端側に位置させる。しかる後、上記各溶接機ユニット20,20,・・の各溶接トーチ85,85側に溶接電流を給電し且つシールドガス(炭酸ガス)をしながら、該各溶接機ユニット20,20,・・を同時に下方へ向けて所定速度で移動させ、上記各溶接トーチ85,85によって肉盛溶接を施工する(図13の実線図示部分を参照)。この場合、この実施形態のものでは、上記溶接トーチ85を二つ備えた溶接機ユニット20が8個設けられているので、上記一対の溶接トーチ85,85の間隔に対応する間隔をもって平行に延びる二本の溶接ビードB1,B1が、上記内壁面1dの周方向に所定間隔をもって8カ所に、合計16本形成される。
【0086】
上記各溶接機ユニット20,20,・・が上記各縦ガイド体12,12,・・の下端側まで達すると、一旦、溶接を停止させ、そのまま上記各溶接機ユニット20,20,・・を上昇させ、上記各縦ガイド体12,12,・・の上端側で待機させる。
【0087】
次に、上記各縦ガイド体12,12,・・と上記上部ガイド体10及び下部ガイド体11との固定を解除し、該各縦ガイド体12,12,・・をそれぞれ所定量(即ち、上記一対の溶接トーチ85,85の間隔に相当する寸法量)だけ左右方向へ移動させ、ここで再度、上記各縦ガイド体12,12,・・を上記上部ガイド体10及び下部ガイド体11に固定する。この状態においては、上記各溶接機ユニット20,20,・・の各溶接トーチ85が、前回形成された二本の溶接ビードB1,B1の中間に位置している。
【0088】
この状態で、再び、上記各溶接機ユニット20,20,・・を溶接可能状態とし、且つこれら各溶接機ユニット20,20,・・をそれぞれ下方へ向けて所定速度で移動させ、上記各溶接トーチ85,85,・・によって次回の肉盛溶接を施工する(図13の鎖線図示部分を参照)。
【0089】
このような溶接施工を所定回数繰り返すことで、上記蒸解釜1の内壁面1dの高さ方向の所定範囲がその全周において肉盛され、その側壁1cの肉厚の増加が図られる。
【0090】
次に、次回の肉盛溶接を施工すべく、段替を行う。即ち、先ず、上記上部ガイド体10と下部ガイド体11の上記蒸解釜1の内壁面1d側への固定状態を解除してこれらを自由状態とする。しかる後、上記各チェーンブロック18,18,・・を作動させて上記吊梁体9を、所定寸法だけ(具体的には、前回の溶接領域の高さ方向の寸法)上昇あるいは降下させる。この吊梁体9の移動に伴って、これと一体的に上記上部ガイド体10と下部ガイド体11及び上記各縦ガイド体12,12,・・(即ち、上記ガイド機構Z)が一体的に上昇あるいは降下し、
上記各溶接機ユニット20,20,・・が次回の肉盛溶接の開始高さ位置に位置設定される。従って、後は、前回の溶接と同様手順を実行することで、前回の肉盛溶接部位の上側あるいは下側に次回の肉盛溶接が行われる。
【0091】
このような上記各溶接機ユニット20,20,・・の左右方向における位置変更と、上記ガイド機構Zの高さ方向における位置変更とを繰り返しながら順次肉盛溶接を行うことで、上記内壁面1dの減肉部分の全域に対して所要の肉厚補修が行われることになる。尚、肉盛溶接による肉厚補修作業の完了後は、施工時と逆手順で上記各機材を分解・搬出することで、全作業が完了する。
【0092】
尚、上記各排気装置32〜34は、準備作業時から溶接作業完了までの全期間を通して継続的に運転され、これによって上記蒸解釜1内の換気が良好に行われ、良好な作業環境の下での安全な作業が担保される。
【0093】
以上のように、この実施形態の肉盛溶接作業装置によれば、高さ方向における溶接位置の変更に伴う段替えが、上記各チェーンブロック18,18,・・によって上記吊梁体9を上下方向に適宜移動させることのみによって実現されるので、例えば従来のように蒸解釜1内に鋼製足場を構築して溶接高さの変更の度に該鋼製足場の継ぎ足し作業等を必要とするような場合に比して、段替作業が格段に簡略化され、段替え作業を含む溶接作業全体を通しての作業の安全性及び作業性の向上が図れ、延いては肉厚補修作業に伴う上記蒸解釜1の稼働停止期間が短縮されることになる。
【0094】
さらに、上記実施形態のものにおいては、上記溶接機ユニット20を、上記ガイド機構Zを介して上記吊梁体9に取付けてこれを上下方向及び左右方向へ移動可能としているので、該溶接機ユニット20による肉盛溶接の作業状態の管理、即ち、溶接ビード幅とか溶接方向、あるいは隣設する溶接ビード相互間の間隔の管理が、例えばこれを作業者の動作・判断のみに依存するような場合に比して、極めて容易且つ確実となり、その結果、所要の肉盛溶接部位の全域に対して可及的に均等な肉盛溶接を高い信頼性をもって実現でき、結果的に、肉厚補修による上記蒸解釜1の延命効果が実効あるものとなる。
【0095】
また、この実施形態のものにおいては、上記蒸解釜1内に上下方向に向けて上記各ポスト16,16を立設し、且つこの各ポスト16,16に上記昇降作業台14を取り付けてこれを自力昇降可能としているので、該昇降作業台14を使用することで、上記蒸解釜1が超高の高炉状形態をもつものであるにも拘わらず、上記溶接機ユニット20側に作業資材とか作業員を安全且つ迅速に、しかも足場の段替作業等とを一切必要とすることなく移動させることができ、作業の迅速性と安全性とが両立されることになる。
【0096】
さらに、この実施形態のものにおいては、上記固定作業台13を上記ポスト16に対して取付高さを変更設定可能に取り付けているので、溶接作業に際して作業者は上記固定作業台13上から上記溶接機ユニット20による溶接品質の管理等を容易且つ的確に行うことができ、それだけ肉盛溶接の信頼性が向上することになる。
【0097】
D:その他
(D−1) 上記実施形態においては、上記蒸解釜1を本願発明がその対象とする「塔槽体」の一例として説明したが、「塔槽体」はこの蒸解釜1の如く高炉状形態をもつものに限定されるものではなく、例えば貯油槽等の比較的高さの低い形態のものも含まれる。尚、この場合には、上記ポスト16及び昇降作業台14は必ずしも必要とはしない。
【0098】
また、上記「塔槽体」は、上記蒸解釜1のような圧力容器体に限定されるものではなく、比較的低圧下において使用されるものも含まれる。
【0099】
(2) 上記実施形態においては、蒸解釜1の内壁面に対する溶接作業を代表として説明したが、本願発明に係る内壁面作業装置及び作業方法はこれに限定されるものではなく、この外に、例えば検査作業とか改造作業あるいは清掃作業等の種々の作業にも適用できるものである。また、これら各作業はそれぞれこれを個別に行えることは勿論のこと、複数の作業を複合的に並行して行うこともできるものである。尚、検査作業、改造作業あるいは清掃作業等を行う場合には、例えば上記溶接機ユニット20に代えて、上記ガイド機構Zに適宜の検査機器とか改造作業用機器あるいは清掃機器を装着すれば良い。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本願発明にかかる作業装置を用いて蒸解釜の内壁面に対して肉盛溶接作業を行う場合の施工状態を示す断面図である。
【図2】図1のII−II拡大矢視図である。
【図3】図2のIII部分の構造を示す拡大分解斜視図である。
【図4】図1のIV−IV拡大矢視図である。
【図5】図1のV−V拡大矢視図である。
【図6】図1のVI−VI拡大矢視図である。
【図7】図1のVII−VII拡大矢視図である。
【図8】図1のV111部の拡大図である。
【図9】図8のIX−IX拡大矢視図である。
【図10】図9のX−X矢視図である。
【図11】図1のXI−XI拡大矢視図である。
【図12】図11のXII−XII矢視図である。
【図13】溶接ビードの状態説明図である。
【図14】図13のXIV−XIV断面図である。
【符号の説明】
【0101】
1は蒸解釜(塔槽体)、2は本体部、3は釜底体、4は釜頂体、5は基台、6は下部固定作業床、7は上部固定作業床、8は吊下支持基体、9は吊梁体、10は上部ガイド体、11は下部ガイド体、12は縦ガイド体、13は固定作業台、14は昇降作業台、15はラック、16はポスト、16aはポストピース、17は継材、18はチェーンブロック、19はチェーン、20は溶接機ユニット、21はワイヤー送給器、22は溶接機本体、23は溶接制御器、24はケーブル類、25はガイド輪ユニット、26は足場用ノズル、27はチェーンブロック、28はチェーン、29は吊リンク、30はモータ、31は底マンホール、32〜34は排気装置、35及び36はマンホール、37はサドル、38及び39は車輪、40はストッパー、41は支持ベース、42は位置決ストッパー、43は支持桁、44は床材、45は固定ピース、46は連結部材、47は桁材、48は桁材、49は床材、50はポスト固定材、51はジャッキ、52は床材、53は止めボルト、54は浮上防止体、55及び58〜61は桁材、62はポストガイド、63及び64はジャッキ、66はポスト受材、67は桟材、68は桟材、69は床材、71は固定ブラケット、72はボルト、73は押しボルト、74は長穴、76は車輪、77はアーム、78はダンパー、79は台車、80はラック、81は溶接機本体、82はオシレート装置、83は倣装置、84は検知器、85は溶接トーチ、86はモータ、87は倣い検知器、Zはガイド機構である。
Claims (3)
- 塔槽体(1)の内部に吊下支持基体(8)を設置し、該吊下支持基体(8)から吊梁体(9)を上下方向に移動可能に吊下支持するとともに、上記吊梁体(9)にガイド機構(Z)を介して作業ユニット(20)を上下方向及び/又は左右方向に移動可能に取付け、該作業ユニット(20)によって上記塔槽体(1)の内壁面(1d)に対して作業を行うように構成し、上記ガイド機構(Z)が、上下方向に離間対向して配置された上部ガイド体(10)と下部ガイド体(11)と、これら各ガイド体(10),(11)の間に跨がって上下方向に向けて配置され且つ該各ガイド体(10),(11)に沿って左右方向に移動可能とされるとともに上記作業ユニット(20)を上下方向に移動可能に支持する縦ガイド体(12)とを備えて構成されていることを特徴とする塔槽体の内壁面作業装置。
- 上記作業ユニット(20)が、少なくとも溶接、検査、改造、清掃機能を備えた構成であることを特徴とする請求項1に記載の塔槽体の内壁面作業装置。
- 塔槽体(1)の内部に吊下支持基体(8)を設置し、該吊下支持基体(8)から吊梁体(9)を上下方向に移動可能に吊下支持するとともに、上記吊梁体(9)にガイド機構(Z)を介して作業ユニット(20)を上下方向及び/又は左右方向に移動可能に取付け、該作業ユニット(20)によって上記塔槽体(1)の内壁面(1d)に対して作業を行うように構成し、上記塔槽体(1)内に上下方向に向けてポスト(16)を立設するとともに、上記ポスト(16)に沿って上下方向に自力昇降する昇降作業台(14)を取り付ける一方、上記ポスト(16)に固定作業台(13)を取付け且つ該固定作業台(13)の上記ポスト(16)に対する上下方向の固定位置を変更設定可能とするとともに、上記固定作業台(13)の固定位置の変更を上記昇降作業台(14)の昇降動によって行なうように構成したことを特徴とする塔槽体の内壁面作業装置。
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