JPH11131789A - 作業用ゴンドラ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 容易に組み立て・解体可能であり、これによ
り、火力発電所のボイラーのように、壁部により囲まれ
てその内部が中空部とされた構造物において、壁部に形
成された小さな開口部からその中空部内に搬入して使用
することが可能であるような作業用ゴンドラを提供す
る。 【解決手段】 作業用ゴンドラ１を、ボイラー（構造
物）２側から吊り下げられたワイヤーロープ（吊り下げ
手段）６と、ワイヤーロープ６により懸吊された足場８
と、足場８の上下方向の移動を可能とするウインチ（移
動手段）７とを備えた構成とするとともに、足場８を、
平面視した場合にその輪郭内において複数の足場ユニッ
トに分割可能な構成とし、さらに、これら足場ユニット
同士を組立・分解自在な構成とした。また、各足場ユニ
ットを、長尺の板状部材により足場板と、フレームユニ
ットとによって形成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、壁部により囲まれ
てその内部が中空部とされた構造物において、壁部に形
成された小さな開口部からその中空部内に搬入すること
により使用される作業用ゴンドラに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より建設現場等において使用されて
きた作業用ゴンドラとしては、構造物の屋上等において
固定された仮設の梁等からワイヤーロープを吊し、この
ワイヤーロープに連結した巻き上げ機を操作して、足場
を昇降させる形式のものが最も一般的に用いられてい
た。また、この際に用いられる足場は、単一の板状部材
により形成されるか、または、鉄骨梁などを井げた状に
組み合わせたものの上に足場板を固定することにより形
成されるのが通常である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、従来より、
火力発電所のボイラーにおいては、定期的（例えば年一
回）に清掃・定期点検が行われている。しかしながら、
一般にこのようなボイラーは、内部空間への出入口が、
例えば、０．４ｍ×０．６ｍ程度と極めて小さいものと
されているために、上述のようなゴンドラをそのままボ
イラーの内部に搬入して使用することは困難である。

【０００４】このような事情により、現在においては、
ボイラーの内部に足場を組み上げて、ボイラーの清掃・
点検作業が行われているが、上述のように、ボイラーの
内部空間への出入口が小さいため、近年建設現場で多用
されている組立の容易な枠組み足場を用いることができ
ず、単管とクランプ金具によって足場が形成されてい
る。

【０００５】しかし、ボイラーの内部空間の寸法は、例
えば、幅９ｍ×奥行き９ｍ×高さ３０ｍと極めて大き
く、単管とクランプ金具を用いた足場では、その組立て
作業に多大な労力と時間がかかり、コストが高く付く上
に、清掃点検作業に長い期間を要する。しかも、ボイラ
ーの清掃点検中はその運転を停止させなければならず、
発電所の売電収入にも影響が及ぼされるため、清掃・点
検に要する期間の削減が望まれている。

【０００６】また、清掃前のボイラー内部は暗い上に高
温であり、特に足場の組立時には作業環境が悪く作業員
にとっては苦渋作業となり、作業員の確保も困難となっ
ている。そこで、足場を組立てることなく、ボイラー内
部の清掃・点検作業を、短期間で、なおかつ、容易に行
うことのできるような技術が求められている。

【０００７】本発明は、上記事情に鑑みなされたもので
あり、容易に組み立て、解体可能であり、これにより、
火力発電所のボイラーのように、壁部により囲まれてそ
の内部が中空部とされた構造物において、壁部に形成さ
れた小さな開口部からその中空部内に搬入して使用する
ことが容易に可能であるような作業用ゴンドラを提供す
ることを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明においては以下の手段を採用した。請求項１
記載の作業用ゴンドラは、壁部により囲まれてその内部
が中空部とされた構造物を対象として、前記壁部に形成
された開口部から前記中空部内に搬入して使用される作
業用ゴンドラであって、前記構造物側から吊り下げられ
た吊り下げ手段と、該吊り下げ手段により懸吊された足
場と、該足場の上下方向の移動を可能とする移動手段と
を備えてなり、前記足場は、平面視した場合にその輪郭
内において複数の足場ユニットに分割された構成とされ
るとともに、これら足場ユニット同士が組立・分解自在
な構成とされ、該足場ユニットは、長尺の板状部材によ
り形成された足場板と、足場板を補強するフレームユニ
ットとから構成されていることを特徴とする。

【０００９】上記のような構成とされるために、この作
業用ゴンドラは、足場を解体して構造物の内部に容易に
搬入することが可能であり、また、構造物内部において
も容易に組み立てることができる。

【００１０】請求項２記載の作業用ゴンドラは、請求項
１記載の作業用ゴンドラであって、前記足場は、少なく
とも一方向に延在するように形成された足場本体と、該
足場本体から該足場本体の延在方向と直交する方向に延
出するとともに、前記足場本体の延在方向に移動可能に
形成された移動ユニットとを備えて構成されていること
を特徴とする。

【００１１】上記のような構成とされるために、この作
業用ゴンドラにおいては、構造物の中空部内の広範囲に
渡って作業を行うことが可能でありながら、足場に必要
とされる面積を小さくすることができる。

【００１２】請求項３記載の作業用ゴンドラは、請求項
２記載の作業用ゴンドラであって、前記足場本体は、前
記一方向に延在するように形成された本体部と、該本体
部の両端から前記移動ユニットの延出方向と同方向側に
延出するように設けられた一対の側部とによって、平面
視略コ字状に形成された構成とされ、前記一対の側部の
先端間には、梁材が架設され、前記本体部および前記梁
材のそれぞれに沿ってレールが配設され、前記移動ユニ
ットは、これらレール上を移動可能とされていることを
特徴とする。

【００１３】上記のような構成とされるために、この作
業用ゴンドラにおいては、移動ユニットを簡単に移動さ
せることができる。

【００１４】請求項４記載の作業用ゴンドラは、請求項
２または３のいずれかに記載の作業用ゴンドラであっ
て、前記足場には、前記壁部内面に当接して該足場をガ
イドするガイドローラーと、該壁部内面に向けて進出自
在とされ、前記壁部内面に当接して前記足場の位置を保
持するための位置決め装置が設けられていることを特徴
とする。

【００１５】上記のような構成とされるために、この作
業用ゴンドラにおいては、足場を昇降させる際に、構造
物の内部に足場が衝突することを避けることができる。
また、作業を行う際等における足場の揺れを防ぐことが
できる。

【００１６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の一例
を、図１から図５を参照して説明する。なお、ここで説
明する実施の形態は、本発明に係る作業用ゴンドラを、
例えば火力発電所のボイラー内における清掃・点検作業
に使用する場合のものである。図１に示すように、作業
用ゴンドラ１は、火力発電所のボイラー（構造物）２の
内部の中空部３に対して設置されたものであり、ボイラ
ー２の天井４側から吊り下げられたワイヤーロープ（吊
り下げ手段）６と、ワイヤーロープ６に連結して設けら
れたウインチ（移動手段）７と、ワイヤーロープ６から
ウインチ７を介して懸吊された足場８とを備えて構成さ
れている。

【００１７】足場８は、ウインチ７によってワイヤーロ
ープ６を巻き上げることによって、中空部３内を昇降可
能な構成とされている。また図中に示すように、足場８
は、平面視略コ字状に形成された足場本体１０と、足場
本体１０から延出するように構成された移動ユニット１
１とによって形成されている。

【００１８】足場本体１０には、ガイドローラ１２，１
２，…が外方に突出するように設けられ、また、移動ユ
ニット１１の先端には、エアーシリンダ（位置決め装
置）１３が突出状態に設けられている。また、これら足
場本体１０および移動ユニット１１は、組立・解体自在
な構成とされている。

【００１９】図２は、これらボイラー２および作業用ゴ
ンドラ１を、移動ユニット１１の延出方向と平行な鉛直
断面から見た際の図である。ボイラー２は、移動ユニッ
ト１１の延出方向と平行方向の幅寸法が、底部２ａより
も中間部２ｂの一部において小となるように形成されて
おり、また、その上部２ｃには、加熱器１４が備えられ
た構成とされていることから、足場８を、中間部２ｂや
上部２ｃに上昇させる際には、図中に示すように、移動
ユニット１１の長さ寸法を縮小することによって、足場
８がボイラー２の壁部２ｄや加熱器１４に衝突すること
を防ぐこととする。

【００２０】図３は、足場８を平面視した際の状況を示
す図である。図中に示すように足場８を構成する足場本
体１０および移動ユニット１１は、ともに、複数の足場
ユニット１５，１５，…を平面的に結合することによっ
て形成されるとともに、これら足場ユニット１５，１
５，…に分解可能な構成とされている。また、図中に示
すように、足場本体１０は、一方向に延在するように形
成された本体部１６と、本体部１６の両端部１６ａ，１
６ａから移動ユニット１１の延出方向と同方向に延出す
るように設けられた一対の側部１７，１７からなる構成
とされており、これら側部１７，１７の先端１７ａ，１
７ａ間には梁材１８が架設された構成とされる。

【００２１】また、足場本体１０の本体部１４と梁材１
８とに沿って一対のレール１９，１９が配設されてお
り、移動ユニット１１は、これらレール１９，１９上に
おいて支持されるとともに、レール１９，１９に沿って
移動可能な構成とされている。

【００２２】また、図３におけるＡ−Ａ断面を示す図
が、図４である。図中に示すように、レール１９，１９
は、足場本体１０の本体部１６または梁材１８上に固定
された断面視略Ｃ字状の部材であり、レール１９の溝部
１９ａには、車輪２０，２０が配置されている。また、
移動ユニット１１，１１は、車輪２０，２０上において
支持された構成とされている。

【００２３】図５は、足場ユニット１５の構造を示す図
である。図中に示すように、足場ユニット１５は、長尺
の板状部材からなる足場板２２と、足場板２２を支持・
補強するためのフレームユニット２３により構成されて
おり、フレームユニット２３上に足場板２２を固定する
ことにより形成される。また、図中に示すように、フレ
ームユニット２３は、溝型鋼２４，２４，…をボルト結
合することによって形成されている。

【００２４】以上において、本実施の形態における作業
用ゴンドラ１の主要な構成を示したが、次に、作業用ゴ
ンドラ１のボイラー２内における使用方法についてを説
明する。ボイラー２の清掃・点検作業を行う際には、ま
ず、作業用ゴンドラ１を、ワイヤーロープ６や、ウイン
チ７、および足場ユニット１５，１５，…等に分解して
おくとともに、各足場ユニット１５を、さらに足場板２
２とフレームユニット２３とに分解しておく。また、そ
れと同時に、ボイラー２の天井４の上には仮設梁２６，
２６（図１参照）を設けておくとともに、天井４に掘削
孔２７，２７，…（図１参照）を形成しておく。

【００２５】次に、ワイヤーロープ６、ウインチ７、足
場板２２、フレームユニット２３、や梁材１８、レール
１９，１９等をボイラー２の壁部２ｄに設けられた出入
口（開口部）２８（図１参照）から、ボイラー２の中空
部３の内部に搬入する。

【００２６】さらに、ボイラー２の底部２ａにおいて、
足場板２２およびフレームユニット２３を組み立てて足
場ユニット１５を形成し、これら足場ユニット１５，１
５，…をさらに組み立てることにより、足場本体１０お
よび移動ユニット１１を形成する。また、足場本体１０
の側部１７，１７の先端１７ａ，１７ａ間には梁材１８
を架設し、本体部１６および梁材１８のそれぞれに沿っ
てレール１９，１９を配設する。一方、移動ユニット１
１には車輪２０，２０を設けておき、車輪２０，２０を
レール１９，１９の溝部１９ａ，１９ａに嵌合させるこ
とにより、レール１９，１９上において、移動ユニット
１１を支持させる。さらに、足場本体１０にガイドロー
ラ１２，１２，…を、移動ユニット１１にエアーシリン
ダ１３を取り付けることにより、足場８の組立が完了さ
れる。

【００２７】このようにして足場８を形成したら、さら
に足場８に手摺２９（図１参照）やウインチ７、照明３
０（図１参照）を取り付ける。一方、ボイラー２の天井
４には、滑車３１（図２参照）を設けておく。この滑車
３１は、仮設梁２６，２６に対して、掘削孔２７，２
７，…内に配置されたワイヤロープ３３，３３を介して
取り付けられる（図２参照）。

【００２８】続いて、滑車３１からワイヤーロープ６を
吊り下げるとともに、ワイヤーロープをウインチ７に連
結することにより、天井４側から足場８を懸吊する。さ
らに、ウインチ７を駆動して、足場８を中空部３内部の
ある一定の高さに位置させる。

【００２９】続いて、ボイラー２の清掃・点検作業を行
う。この際には、照明３０を点灯してボイラー２の内部
の明るさを確保するとともに、足場８に搭乗した作業員
が、足場８の周囲の壁部２ｄを清掃・点検していくこと
とする。

【００３０】このとき、足場８の位置が不安定とならな
いように、移動ユニット１１からエアーシリンダ１３を
壁部２ｄに向けて進出させ、エアーシリンダ１３の先端
部を壁部２ｄに当接させることによって、壁部２ｄから
反力をとることとする。これによって、足場８はエアー
シリンダ１３およびガイドローラ１２を介して、壁部２
ｄに押しつけられ、足場８の位置が固定されることとな
る。

【００３１】搭乗した作業員が、足場本体１０および移
動ユニット１１から作業を行い得る範囲内の壁部２ｄの
清掃が完了したら、次に、エアーシリンダ１３を後退さ
せて足場８の位置決めを解除し、移動ユニット１１をレ
ール１９，１９上において移動させる。

【００３２】さらに、移動ユニット１１を所定の位置に
まで移動したら、エアーシリンダ１３を壁部２ｄに向け
て進出させて、再び足場８の位置を固定し、清掃等の作
業を再開する。

【００３３】なお、この場合の移動ユニット１１の移動
は、足場本体１０側に固定した図示しないワイヤーロー
プと、移動ユニット１１側に固定した図示しない携帯用
ウインチを用いることとする。すなわち、携帯用ウイン
チによってワイヤーロープを巻き取ることによって、移
動ユニット１１を移動させる。

【００３４】さらに、このような移動ユニット１１のレ
ール１９，１９上における位置の移動を順次繰り返すこ
とによって、壁部２ｄの一定の高さ位置の全ての部分に
ついて作業員が点検・清掃作業を行うことができるよう
にする。

【００３５】壁部２ｄの一定の高さ位置における清掃・
点検作業が完了したら、今度は、ウインチ７を駆動する
ことによって、足場８を上下いずれかの方向に移動さ
せ、上述したような壁部２ｄの清掃・点検作業を、他の
高さ位置においても同様に行う。なお、この際、足場本
体１０に設けられたガイドローラー１２，１２，…は、
壁部２ｄに対して当接して、足場８をガイドするととも
に、足場８と壁部２ｄとの衝突を防ぐ役割を果たす。

【００３６】また、作業対象のボイラー２の中空部３の
寸法が変化したり、あるいは、加熱器１４が配置されて
いる箇所を点検しようとする場合には、いったん足場８
をボイラー２の底部２ａにまで下ろし、移動ユニット１
１の先端部１１ａを解体、または組み立てて付け足すこ
とによって、移動ユニット１１の長さ寸法を調整して、
作業可能な領域の寸法の変化に対応することとし、これ
によって、壁部２ｄの全ての部分について良好に清掃・
点検作業を行うことができるようにする。さらに、この
ような作業を、ボイラー２の底部２ａから上部２ｃにか
けての全ての部分について順次行なっていくことによっ
て、ボイラー２の中空部３の清掃・点検作業が完了され
ることとなる。

【００３７】このように、ボイラー２の中空部３の清掃
・点検作業が完了したら、再び、足場８をボイラー２の
底部２ａにまで下ろし、足場８を、足場ユニット１５，
１５，…やウインチ７、ガイドローラ１２やエアーシリ
ンダ１３等に解体し、さらに、足場ユニット１５，１
５，…を、足場板２２およびフレームユニット２３に解
体しておく。そして、これら解体された各部材を、ボイ
ラー２の出入口２８から外部へ搬出する。

【００３８】上述の作業用ゴンドラ１においては、足場
８を複数の足場ユニット１５に分解可能であるととも
に、さらに、これら足場ユニット１５を長尺の足場板２
２とフレームユニット２３とに分解することができるた
めに、ボイラー２の狭い出入口２８から、これら足場板
２２およびフレームユニット２３を分解した状態で搬入
することができ、また、ボイラー２の中空部３におい
て、これらを組み立てて容易に足場８を形成することが
できる。したがって、作業用ゴンドラ１をボイラー２の
清掃・点検に使用することによって、ボイラー２の清掃
・点検作業を短期間で行うことが可能となり、また、そ
の場合の作業性を優れたものとすることができる。

【００３９】また、この作業用ゴンドラ１においては、
足場８が、足場本体１０と移動ユニット１１とにより構
成されており、移動ユニット１１が足場本体１０に対し
て相対移動することによって、ボイラー２の壁部２ｄの
全ての部分に渡っての清掃・点検作業を可能とすること
ができる。これにより、壁部２ｄを清掃・点検する際
に、ボイラー２の中空部３の水平断面の全てに渡って足
場８を設ける必要がなく、足場８を軽量化・簡易化し
て、ワイヤーロープ６、ウインチ７等を利用した足場８
の懸吊・昇降移動を容易化することができ、また足場８
の組立・解体作業をより一層短期間で行えるようにする
ことができる。

【００４０】さらに、この作業用ゴンドラ１において
は、足場本体８が、本体部１６および一対の側部１７，
１７からなる略コ字状に形成されるとともに、レール１
９，１９が側部１７，１７の先端１７ａ，１７ａ間に架
設された梁材１８と本体部１６とに沿って配設され、さ
らに、移動ユニット１１がレール１９，１９によって移
動可能に支持される構成とされるために、移動ユニット
１１を中空部３の略全領域に渡って、良好に移動させる
ことができ、これによりボイラー２の清掃・点検作業を
良好に行うことが可能となる。

【００４１】さらに、作業用ゴンドラ１においては、足
場本体１０にガイドローラ１２，１２，…が設けられる
ことによって、これらガイドローラ１２，１２，…を足
場８を昇降させる際のガイドとすることができ、これに
より足場８が昇降時にボイラー２の壁部２ｄと衝突する
ことを避けることができる。また、移動ユニット１１に
エアーシリンダ１３が設けられることによって、足場８
上において作業員が作業を行う際に、エアーシリンダ１
３を壁部２ｄを押しつけるように作用させることで、足
場８の位置決めを行うことができ、足場８が不安定な状
態となることが避けられる。

【００４２】なお、上記実施の形態において、本発明の
主旨を逸脱しない範囲内で、作業用ゴンドラ１の各所の
構造、形態、用いられるべき機器、あるいは、作業用ゴ
ンドラ１が適用される構造物等について、他の構成を採
用するようにしてもよい。

【００４３】例えば、図６，７は、作業用ゴンドラ１
を、上記実施の形態におけるボイラー２よりもさらに大
規模なボイラー３２に適用した場合の例である。この例
では、図７中に示すように、用いるべき足場ユニット１
５の数を、上記実施の形態よりも増加させることによっ
て、足場８の規模を大規模なものとし、これによって、
ボイラー３２の規模に対応するようにしている。

【００４４】また、図６に示すように、この作業用ゴン
ドラ１においては、ウインチ７をボイラー３２の天井４
の外側に設置することとし、天井４に設けた掘削孔２７
にワイヤーロープ６を挿通することによって、天井４の
上方にあるウインチ７から、ワイヤーロープ６を介して
足場８を懸吊することとしている。また、足場８の昇降
に際しては、足場８上からウインチ７をリモコンにより
操作するようにする。

【００４５】このような構成とした場合、ウインチ７が
ボイラー２の外側に配置されることにより、ウインチ７
の故障時には、代わりにクレーン等によりワイヤーロー
プ６を懸吊させるなどの措置を行うことができ、したが
って、上記実施の形態に比較して、ウインチ７故障時の
対応をより容易なものとすることができる。

【００４６】また、これとは別に、上記実施の形態にお
いて用いられた足場ユニット１５の代わりに、図８に示
すような足場ユニット３４を使用するようにしても構わ
ない。図８に示す足場ユニット３４は、足場板２２とト
ラス構造を有するフレームユニット３５とを組み合わせ
ることにより形成されたものであり、上記実施の形態に
おける足場ユニット１５に比較して、軽量に構成するこ
とが可能とされたものである。したがって、この足場ユ
ニット３４を用いることにより、足場８全体の軽量化を
図ることが可能である。

【００４７】また、作業用ゴンドラ１が適用される構造
物は、上記実施の形態のようなボイラー２のみに限定さ
れず、小面積の開口部を有する内部が中空とされた構造
物であれば、他の構造物であってもよい。

【００４８】また、これ以外にも、本発明の主旨を逸脱
しない範囲内であれば、いかなる構成を採用してもよ
く、また、上記したような構成を、適宜選択的に組み合
わせたものとするようにしてもよい。

【００４９】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１に係る作
業用ゴンドラにおいては、足場が平面視した場合に複数
の足場ユニットに分解可能な構成とされるとともに、こ
れら足場ユニットが分解・組立可能な構成とされ、さら
に足場ユニットが、長尺の板状部材と、フレームユニッ
トとからなる構成とされているために、ボイラー等の構
造物に対して、開口部から、足場ユニットを分解した状
態で搬入するとともに、構造物の中空部において、これ
らを短時間のうちに組み立てて足場として使用すること
ができる。したがって、開口部が狭く、一般の作業用ゴ
ンドラが搬入不可能であるような構造物の中空部におい
て、この作業用ゴンドラを用いて、容易かつ効率的に作
業を行うことができる。

【００５０】請求項２に係る作業用ゴンドラにおいて
は、足場が、足場本体と移動ユニットとにより構成され
ており、移動ユニットが足場本体の延在する方向に相対
移動可能な構成とされていることから、移動ユニットを
移動させることで、構造物の中空部内の広い領域に渡っ
て作業が可能となる。これにより、構造物の中空部内に
おける作業を行うべき領域内の全てに渡って足場を設け
る必要がなくなり、足場を軽量化・簡易化することがで
きる。また、これにより、吊り下げ手段、移動手段等を
利用した足場の懸吊や・昇降移動等に係る作業を容易に
行うことができ、さらに、足場の組立・解体作業を短期
間で行えるようにすることができる。

【００５１】請求項３に係る作業用ゴンドラにおいて
は、足場本体が、本体部および一対の側部からなる略コ
字状の形状とされるとともに、足場本体の側部間に架設
された梁材および足場本体の本体部に沿ってレールが配
設され、移動ユニットがレール上を移動可能とされてい
る。したがって、移動ユニットを簡易な構成により、容
易に支持、移動させることができ、これにより、請求項
２に係る発明を良好に実現することが可能となる。

【００５２】請求項４に係る作業用ゴンドラにおいて
は、足場に対して、ガイドローラが設けられることによ
って、ガイドローラを足場を昇降させる際のガイドとす
ることができ、これにより足場が、その昇降時に構造物
の壁部と衝突することを防ぐことができる。さらに、足
場に対して設けられた位置決め装置が、構造物の壁部側
に進出して壁部と当接することによって、足場の位置を
保持するように機能することから、足場上において作業
員が作業を行う際において、足場が不安定な状態となる
ことを防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施の形態を模式的に示す作業用
ゴンドラと、作業用ゴンドラの適用された構造物とを示
す斜視図である。

【図２】 図１に示した作業用ゴンドラおよび構造物
を、作業用ゴンドラの本体部の延在方向と直交する方向
の断面で見た際の状況を示す立断面図である。

【図３】 図２に示した作業用ゴンドラの足場の平面図
である。

【図４】 図３におけるＡ−Ａ矢視断面図である。

【図５】 図３に示した足場ユニットの分解斜視図であ
る。

【図６】 本発明の他の実施の形態を示す作業用ゴンド
ラおよび構造物の立面図である。

【図７】 図６に示した作業用ゴンドラの足場を示す平
面図である。

【図８】 本発明の作業用ゴンドラに用いられる足場ユ
ニットの他の実施の形態を示す分解斜視図である。

【符号の説明】

１ 作業用ゴンドラ ２，３２ ボイラー（構造物） ３ 中空部 ６ ワイヤーロープ（吊り下げ手段） ７ ウインチ（移動手段） ８ 足場 １０ 足場本体 １１ 移動ユニット １２ ガイドローラ １３ エアーシリンダ １５，３４ 足場ユニット １６ （足場本体の）本体部 １６ａ 両端部 １７ （足場本体の）側部 １７ａ 先端 １８ 梁材 １９ レール ２２ 足場板 ２３，３５ フレームユニット ２８ 出入口（開口部）

フロントページの続き (72)発明者 福川 庄三 大阪府大阪市中央区南船場１丁目10番13号 株式会社サンメイ内

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 壁部により囲まれてその内部が中空部と
   された構造物を対象として、前記壁部に形成された開口
   部から前記中空部内に搬入して使用される作業用ゴンド
   ラであって、 前記構造物側から吊り下げられた吊り下げ手段と、該吊
   り下げ手段により懸吊された足場と、該足場の上下方向
   の移動を可能とする移動手段とを備えてなり、 前記足場は、平面視した場合にその輪郭内において複数
   の足場ユニットに分割された構成とされるとともに、こ
   れら足場ユニット同士が組立・分解自在な構成とされ、 該足場ユニットは、長尺の板状部材により形成された足
   場板と、足場板を補強するフレームユニットとから構成
   されていることを特徴とする作業用ゴンドラ。
2. 【請求項２】 請求項１記載の作業用ゴンドラであっ
   て、 前記足場は、少なくとも一方向に延在するように形成さ
   れた足場本体と、該足場本体から該足場本体の延在方向
   と直交する方向に延出するとともに、前記足場本体の延
   在方向に移動可能に形成された移動ユニットとを備えて
   構成されていることを特徴とする作業用ゴンドラ。
3. 【請求項３】 請求項２記載の作業用ゴンドラであっ
   て、 前記足場本体は、前記一方向に延在するように形成され
   た本体部と、該本体部の両端から前記移動ユニットの延
   出方向と同方向側に延出するように設けられた一対の側
   部とによって、平面視略コ字状に形成された構成とさ
   れ、 前記一対の側部の先端間には、梁材が架設され、 前記本体部および前記梁材のそれぞれに沿ってレールが
   配設され、 前記移動ユニットは、これらレール上を移動可能とされ
   ていることを特徴とする作業用ゴンドラ。
4. 【請求項４】 請求項２または３のいずれかに記載の作
   業用ゴンドラであって、 前記足場には、前記壁部内面に当接して該足場をガイド
   するガイドローラーと、 該壁部内面に向けて進出自在とされ、前記壁部内面に当
   接して前記足場の位置を保持するための位置決め装置が
   設けられていることを特徴とする作業用ゴンドラ。