JP2005171529A - ガラスカーテンウォールの施工方法 - Google Patents

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博司 名知
Tadashi Ono
正 小野
Keisuke Yonemaru
啓介 米丸
Takashi Kunugi
隆 椚
Yasuo Jinno
靖夫 神野
Tomomi Kanemitsu
智巳 兼光
Satoshi Taki
諭 瀧
Hiroshi Kojima
浩士 小島
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Shimizu Corp
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Shimizu Construction Co Ltd
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Abstract

【課題】 ガラスカーテンウォールを効率的に施工する。
【解決手段】 複数のガラス板1を1枚ずつ順次揚重して上下の支持枠2a、2bの間に並べて設置することでガラスカーテンウォールを施工するに際し、揚重した1枚のガラス板を上下の支持枠の間の任意の位置に自立させた状態で装着した後、そのガラス板を上下の支持枠をガイドとして横方向に移動させて設置位置に導き、そこで位置決めを行って固定する。下側の支持枠2b内に走行可能な台車を配置しておいてその台車にガラス板を載置して横移動させる。あるいは、下側の支持枠2b内の底部に転動可能なガイドローラを間隔をおいて複数設置しておいてそれらガイドローラによりガラス板を支持しつつ横移動させる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、建物の外壁としてのガラスカーテンウォールを効率的に施工するための方法に関する。
ガラスカーテンウォールは従来より建物の外壁として広く採用されている。ガラスカーテンウォールの施工に際しては、個々のガラス板を1枚ずつクレーンにより揚重し、クレーン操作によってそれを設置位置に導き、クレーンにより支持している状態で位置決めを行って仮固定し、しかる後に本固定を行うという作業手順がとられることが一般的である。また、特許文献1には、大規模な超高層建物におけるガラスカーテンウォールの施工方法として、ガラスカーテンウォールを横連窓を構成するような大型の外壁ユニットとして予め製作してそれを一括して揚重して設置することが提案されている。
特開2001−164757号公報
しかし、従来の手法によりガラス板を1枚ずつ揚重し、位置決めし、固定することでは、それらの作業の殆どをクレーンに頼って行わざるを得ず、したがってクレーン操作に熟練を要するばかりでなく、1枚のガラス板を設置するに要するクレーンの操作時間や作業員の待機時間が長くかかり、極めて作業効率が良くないものであった。また、ガラスカーテンウォールを予め大型の外壁ユニットとして製作してそれを一括して設置することは大型のクレーンが必須であるので、中小規模の建物の施工や既存建物の改修に際しては適用し難いものであった。
上記事情に鑑み、本発明は、ガラスカーテンウォールを効率的に施工することのできる有効適切な施工方法を提供することを目的とする。
本発明は、複数のガラス板を1枚ずつ順次揚重して上下の支持枠の間に並べて設置することでガラスカーテンウォールを施工するに際し、揚重した1枚のガラス板を上下の支持枠の間の任意の位置に自立させた状態で装着した後、そのガラス板を上下の支持枠をガイドとして横方向に移動させて設置位置に導き、そこで位置決めを行って固定するようにしたものである。
本発明においては、下側の支持枠内に走行可能な台車を配置しておいてその台車にガラス板を載置して横移動させたり、あるいは、下側の支持枠内の底部に転動可能なガイドローラを間隔をおいて複数設置しておいてそれらガイドローラによりガラス板を支持しつつ横移動させることが考えられる。
本発明においては、ガラス板の揚重作業とそれ以降の作業とを切り離してそれらを独立に行い、前者をクレーン等の揚重手段により行い、後者を作業階において作業員が行うことにより、全体として効率的な作業が可能となる。すなわち、クレーン等の揚重手段はガラス板を任意の位置において揚重して支持枠の任意の位置に対して自立状態で装着するまでの作業を行えば良く、したがって煩雑な揚重操作は必要としないし、それ以降は直ちに次のガラス板の揚重作業に移行でき、それにより揚重作業効率を高めることができるし、無駄な待機時間が生じることもない。一方、作業階においては、支持枠に自立状態で装着されたガラス板を支持枠それ自体をガイドとしてそのまま設置位置まで横移動させ、そこで厳密な位置決めを行って仮固定し、最終的に本固定を行えば良く、それらの作業を揚重作業とは独立に最も効率的に行うことが可能である。
また、本発明においては、下側の支持枠内に、ガラス板を支持する台車を配置しておいたり、あるいはガイドローラを設けておくことにより、ガラス板の横移動をよりスムーズに行うことができてより効率的な作業が可能となる。
本発明の一実施形態を図1〜図5を参照して説明する。本実施形態の施工方法は、複数(以下の図示例の場合は4枚)のガラス板1を適宜のクレーンにより1枚ずつ順次揚重して、上下の支持枠2a、2bの間に並べて設置することでガラスカーテンウォールを施工する場合の適用例である。
まず、図1に示すように上下の支持枠2a、2bおよびバックマリオン3を通常の手法で施工する。上下の支持枠2a、2bは従来のこの種のガラスカーテンウォールにおいて採用されているものをそのまま採用すれば良いが、これらの支持枠2a、2bはいわゆる倹飩(けんどん)式にガラス板1を装着する溝状のものであって、襖や障子等の引き戸を鴨居と敷居の間に立てる要領でガラス板1をそれらの間に自立させた状態で装着することができ、かつ引き戸を開閉するようにガラス板1をそのまま横移動させることができるものである。具体的には、ガラス板1をやや傾けてその上部を上側の支持枠2a内に嵌入した後、ガラス板1を鉛直姿勢としてその下部を下側の支持枠2b内に嵌め落とすことにより、ガラス板1をそれらの間に容易に装着することができ、かつ、その状態では上下の支持枠2a、2bが鴨居と敷居として機能してガラス板1があたかも引き戸のように横方向に自由に移動できるものである。
支持枠2a、2bの間にガラス板1を設置するための具体的な手順としては、まず、図2に示すようにクレーンの吊具4によりガラス板1を吊り支持して任意の位置(図示例では右端側)において揚重し、上述したように引き戸を立てる要領で図3に示すようにその位置に対して装着する。その作業は必要に応じてチェーンブロック等の器具を補助的に使用すれば良いが、この時点では厳密な位置決めを行う必要はない。そして、そこに装着されたガラス板1はそのまま自立状態で安定に支持されて転倒する懸念はないから、その時点でクレーンの吊具4を外してクレーンは直ちに次の作業に移行すれば良い。
上記のようにして支持枠2a、2bの間に装着したガラス板1を、図4に示すようにそれら支持枠2a、2bをガイドとして横移動させてその設置位置(図示例では支持枠の左端側)に導く。その横移動は上述したように引き戸を開閉する要領で容易にかつ安全に行うことができる。ガラス板1を設置位置まで移動させたら、そこで従来と同様にチェンブロック等の器具を用い、セッティングブロックにより厳密な位置決めを行って仮固定し、最終的に本固定する。
そして、同じく図4に示しているように、上記のガラス板1の横移動、位置決め、固定作業との並行作業により、先の揚重作業と同様にして次のガラス板1を揚重してきて同様に支持枠2a、2bに対して装着する。
図5に示すように、以上の手順を繰り返して、各ガラス板1を1枚ずつ揚重しては横移動させてそれぞれの設置位置に固定し、最終的に隣接するガラス板1どうしを相互に接合する。また、ガラス板1のサイズが大きいような場合には、面外方向の挙動を抑える目的で、必要に応じて各ガラス板1を束材等を介してバックマリオン3に対して連結すれば良く、以上により当階におけるガラスカーテンウォールの施工完了となる。なお、各ガラス板1の揚重に際しては、その揚重位置を変更する必要がなければ常に定位置で揚重を行えば良いが、必要であれば揚重位置をより作業性に優れる位置に変更しても良い。
以上のように、従来においてはガラス板1の設置に係わる作業の大半をクレーンに頼って行っていたのに対し、上記方法のようにクレーンによる揚重作業とその後の作業とを切り離してそれらを独立に行うことにより、クレーンによる揚重作業効率を大きく改善することができ、それによりガラスカーテンウォール全体の施工効率を大きく向上させることができる。勿論、上記方法は従来一般の構造のガラスカーテンウォールの施工に対してそのまま適用できるものであるし、格別の機材や複雑な工程管理等を必要とするものでもなく、上記方法を実施するに当たってのコストアップの要因は全くないので、極めて合理的であり有効である。
以上で本発明の一実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものでは勿論なく、施工対象のガラスカーテンウォールの規模や構造その他諸条件を考慮して適宜の設計的変更が可能であることは言うまでもない。以下に補足的な説明と変形例、応用例を列挙する。
上述したように、支持枠2a、2bは自ずと鴨居や敷居として機能するものであるので、ガラス板1をそれら支持枠2a、2bに対して直接的に装着することでもその横移動は充分に可能であるが、よりスムーズに横移動させるために支持枠2a、2bにそのための機構を備えておくことも考えられる。たとえば、図6に示すように、下側の支持枠2b内にガラス板1を支持して支持枠2b内を走行可能な簡易な台車5を配置しておき、ガラス板1をその台車5に載置した状態で支持枠2a、2bに装着し、台車5を走行させることでガラス板1を横移動させることが考えられる。この場合、図示しているように少なくとも2台の台車5によりガラス板1の前後を支持することにより最も安定に横移動させることができる。また、ガラス板1を位置決めして本固定するに際しては、台車5を撤去してセッティングブロックに置き換えれば良い。
あるいは、同様の目的で、図7に示すように下側の支持枠2b内の底部に、ガラス板1を支持して転動可能なガイドローラ6を間隔をおいて複数設置しておき、これらのガイドローラ6によりガラス板1を支持しつつ横移動させることも考えられる。この場合、ガラス板1の幅寸法に対応して常に少なくとも2つ以上のガイドローラ6によりガラス板1を支持するようにその間隔を設定しておけば、ガラス板1を常に安定に支持しつつ横移動させることができる。なお、この場合も、最終的にはガラス板1をセッティングブロックにより位置決めして本固定すれば良い。また、図8に示すように、ガイドローラ6を取り付けたローラ台7を支持枠2b内に所定間隔で配置しておいて、最終的にはローラ台7を撤去することも考えられる。
上記実施形態はガラス板の揚重をクレーンにより行う場合の例であるが、揚重手段はクレーンに限るものではなく、たとえばホイストやゴンドラ、仮設エレベータ等を使用することでも良く、そのような場合は揚重位置を変更せずに定位置で揚重を行うことにより盛り替え作業が不要であるので効率的である。
あるいは、揚重手段として、ガラス板をガイドしつつ垂直搬送するための専用の搬送機構を外壁部に設置することも考えられ、その場合にはガラス板の垂直搬送作業や支持枠への装着作業、さらには設置位置まで横移動させる作業等を予め設定したプログラムにしたがって自動的に行うようなことも可能となる。
ガラス板を固定するための支持枠の形状やガラス板を支持枠に対して固定するための構造は特に限定されるものではなく、既に述べたように従来一般のものをそのまま採用することでも勿論良いが、支持枠をガイドとしてガラス板を横移動させることができる限りにおいて適宜の形状の支持枠や適宜の固定構造を任意に採用可能である。
本発明は、建物の規模を問わず、また、新築や改築の別なく広く適用可能であるが、特に大型のクレーンを必要としないことから、中小規模の既存建物の外壁をガラスカーテンウォールに改修するための改修工事に際して特に好適に採用可能である。
本発明の施工法の実施形態を示すもので、ガラス板を設置するための支持枠を施工した状態を示す図である。 同、最初のガラス板を揚重した状態を示す図である。 同、ガラス板を上下の支持枠の間に装着した状態を示す図である。 同、ガラス板を設置位置に向けて横移動させ、かつ次のガラス板を揚重した状態を示す図である。 同、作業が進捗した状況を示す図である。 同、下側の支持枠内に配置した台車にガラス板を載置して横移動させる場合の例を示す図である。 同、下側の支持枠内に設けたガイドローラによりガラス板を支持して横移動させる場合の例を示す図である。 同、ガイドローラの他の設置例を示す図である。
符号の説明
1 ガラス板
2a、2b 支持枠
3 バックマリオン
4 吊具(揚重手段)
5 台車
6 ガイドローラ
7 ローラ台

Claims (3)

  1. 複数のガラス板を1枚ずつ順次揚重して上下の支持枠の間に並べて設置することでガラスカーテンウォールを施工するに際し、揚重した1枚のガラス板を上下の支持枠の間の任意の位置に自立させた状態で装着した後、そのガラス板を上下の支持枠をガイドとして横方向に移動させて設置位置に導き、そこで位置決めを行って固定することを特徴とするガラスカーテンウォールの施工方法。
  2. 下側の支持枠内に、ガラス板を支持して支持枠内を走行可能な台車を配置しておき、該台車にガラス板を載置して横移動させることを特徴とする請求項1記載のガラスカーテンウォールの施工方法。
  3. 下側の支持枠内の底部に、ガラス板を支持して転動可能なガイドローラを間隔をおいて複数設置しておき、該ガイドローラによりガラス板を支持しつつ横移動させることを特徴とする請求項1記載のガラスカーテンウォールの施工方法。

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