JP2003313322A - 滑り性に優れたポリアミドフィルム - Google Patents

滑り性に優れたポリアミドフィルム

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JP2003313322A JP2002123566A JP2002123566A JP2003313322A JP 2003313322 A JP2003313322 A JP 2003313322A JP 2002123566 A JP2002123566 A JP 2002123566A JP 2002123566 A JP2002123566 A JP 2002123566A JP 2003313322 A JP2003313322 A JP 2003313322A
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polyamide film
inorganic filler
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Hideo Sano
英男 佐野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光学特性、生産性あるいは印刷特性等の諸特性
を低下させることなく、高度な滑り性を有するポリアミ
ドフィルムを提供するを提供する。 【解決手段】ポリアミド樹脂に対して、層状珪酸塩を
0.005〜10重量%および無機フィラーを0.00
5〜0.3重量%含有してなることを特徴とする滑り性
に優れたポリアミドフィルム。前記層状珪酸塩は、一辺
の長さが0.002〜1μm、厚みが6〜20Åであ
り、それぞれが平均20Å以上の層間距離を保って、ポ
リアミド樹脂中に均一に分散していることが望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリアミドフィルム
に関し、さらに詳しくは、光学特性、生産性あるいは印
刷特性等の諸特性を低下させることなく、高度な滑り性
を有するポリアミドフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリアミドフィルムは、透明性、耐ピン
ホール性、ガスバリヤー性、耐熱性および耐油性などの
諸特性が優れているために主に食品包装の分野で使用さ
れている。このポリアミドフィルムは、未延伸フィルム
および延伸フィルムに分けられる。ポリアミドフィルム
は、水蒸気バリヤー性およびヒートシール性が劣るた
め、共押出しやラミネートなどの手段によりポリオレフ
ィンと積層化したフィルムとして使用されることが多
い。近年、食品包装ではガスバリヤー性の一層の向上が
要求されているが、用途によってはポリアミドフィルム
のガスバリヤー性は十分とは言えない。特に、高湿度下
ではポリアミドフィルムのガスバリヤー性は著しく低下
する。このため、ガスバリヤー性が優れたエチレン−ビ
ニルアルコール共重合体(EVOH)とポリアミドを共押出
し成形したり、ポリアミドフィルムの表面にガスバリヤ
ー性の良好なポリ塩化ビニルデン(PVDC)をコートする
ことが行われている。しかし、このEVOHおよびPVDCは高
価格であるだけでなく、共押出しフィルムの層構成の増
加やコーティングラインの設置などによる設備面のコス
トアップもあり、価格面で要求を満たさない場合が多
い。さらに、ポリアミドフィルム、特にナイロン6フィ
ルムでは湿度の高い環境下では吸湿することによりフィ
ルムの滑り性および腰(剛性)が低下してしまう。この
ような剛性の低下はラミネート工程、印刷工程、製袋工
程などの後加工の際にトラブルを招くことになるため、
その改善が強く要望されている。
【0003】前記フィルム特性のなかで、滑り性を改善
する方法としては、金属石鹸類、ビスアミド類、ポリオ
レフィン類、無機粒子などを添加する方法が公知であ
り、なかでも二酸化ケイ素、タルク、カオリンなどの不
活性無機粒子を添加することで表面に凸凹を作る方法が
効果的であり、実用化されている。しかし、近年、印
刷、ラミネート、製袋等の後加工の処理速度があがるに
したがって、高度なスリップ性が要求されるようになっ
てきた。そのために、無機粒子の添加量の増量あるいは
表面粗さの制御といった手法が取られているが、表面を
あらすことにより高度な滑り性を付与しようとするもの
であるため、光学特性の低下、生産性の低下(メヤニサ
イクルの悪化)や無機物の分散不良等の問題点を抱えて
いた。また、ビスアミドのような表面ブリード物の添加
も、フィルム表面エネルギ−を低下させることで滑り性
付与に効果を発現するが、印刷特性の低下等の問題点が
あった。一方、吸湿によるポリアミドフィルムの剛性の
低下については改良が非常に困難である。例えば、タル
クやガラス繊維などの添加は透明性や耐ピンホール性を
低下させ、また吸湿性の低い変性ポリオレフィン、アイ
オノマー樹脂の添加はやはり透明性を損なうだけでな
く、ガスバリヤー性や剛性の低下を招く。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記問題点
を解決し、光学特性、生産性あるいは印刷特性等の諸特
性を低下させることなく、高度な滑り性を有するポリア
ミドフィルムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】従来の滑り性の改善は、
表面粗さの制御あるいは表面エネルギ−の低下といった
手法であったが、本発明者等は、ポリアミド樹脂フィル
ムの滑り性が、フィルムの接触面積に依存し、ポリアミ
ド樹脂が高い吸水性を持つために、吸水による接触面積
の増大が避けられず、その結果、滑り性が悪化する点に
着目し、ポリアミド樹脂に、所定量の層状珪酸塩と無機
フィラーを配合することにより、フィラーの補強効果と
吸水性の抑制により、接触面積の増大が抑えられ、これ
により高度な滑り性を有するポリアミドフィルムが得ら
れることを見出し、本発明に到達した。
【0006】即ち、本発明は、ポリアミド樹脂に対し
て、層状珪酸塩を0.005〜10重量%および無機フ
ィラーを0.005〜0.3重量%含有してなることを
特徴とする滑り性に優れたポリアミドフィルムに関する
ものである。
【0007】本発明のポリアミドフィルムを構成するポ
リアミド樹脂は、主鎖中にアミド結合(−NHCO−)
を含み加熱溶融できる重合体である。好適なポリアミド
樹脂として、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン
46)、ポリカプロラクタム(ナイロン6)、ポリヘキ
サメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリヘキサメ
チレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチ
レンドデカミド(ナイロン612)、ポリウンデカノラ
クタム(ナイロン11)、ポリドデカノラクタム(ナイ
ロン12)、テレフタル酸及び/またはイソフタル酸と
ヘキサメチレンジアミンとから得られるポリアミド、ア
ジピン酸とメタキシリレンジアミンとから得られるポリ
アミド、テレフタル酸とアジピン酸とヘキサメチレンジ
アミンとから得られるポリアミド、共重合成分として二
量体化脂肪酸を含む共重合ポリアミド、及びこれらのう
ち少なくとも2種の異なったポリアミド形成成分を含む
ポリアミド共重合体並びにこれらの混合物などが挙げら
れる。この中で、ナイロン6、ナイロン66は、それ自
身が靭性と剛性のバランスに優れているため特に好適で
ある。
【0008】かかるポリアミドの原料は、ジアミンとジ
カルボン酸、ラクタム類、または重合可能なω−アミノ
酸類、ジアミンとジカルボン酸からなる塩、及びこれら
原料のオリゴマーである。こうしたポリアミド原料の具
体例は、ジアミンとしてはテトラメチレンジアミン、ヘ
キサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン、キシリレン
ジアミン類等が、ジカルボン酸としてはアジピン酸、セ
バシン酸等の脂肪族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソ
フタル酸等の芳香族ジカルボン酸、二量体化脂肪酸類等
がラクタム類としてはカプロラクタム、ウンデカノラク
タム、ドデカノラクタム等が、重合可能なω−アミノ酸
類としては6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデ
カン酸、12−アミノドデカン酸等が代表的なものとし
て挙げられる。これら各種のポリアミド樹脂またはポリ
アミド原料は数種組み合わせて用いても良い。なお、こ
れらのポリアミド樹脂の分子量には特に制限はないが、
通常、1g/dl濃度の濃硫酸溶液での25℃における
相対粘度が好ましくは、0.9〜6.0であり、靭性と
成形性の点から、特に好ましくは1.0〜5.0であ
る。
【0009】本発明における、層状珪酸塩としては、珪
酸マグネシウムまたは珪酸アルミニウムの層から構成さ
れる層状フィロ珪酸鉱物を例示することができる。具体
的には、モンモリロナイト、サポナイト、バイデライ
ト、ノントロナイト、ヘクトライト、スティブンサイト
などのスメクタイト系粘土鉱物やバーミキュライト、ハ
ロイサイトなどを例示することができ、これらは天然の
ものであっても、合成されたものであってもよい。これ
らのなかでもモンモリロナイトが好ましい。
【0010】前記層状珪酸塩はポリアミド樹脂に均一に
分散された状態であることが望ましい。層状珪酸塩が均
一に分散された状態とは、一辺の長さが0.002〜1
μmで、厚みが6〜20Åの層状珪酸塩がポリアミド樹
脂中に分散させた際、それぞれが平均20Å以上の層間
距離を保ち、均一に分散されていることである。ここで
層間距離とは層状珪酸塩の平板の重心間距離を言い、均
一に分散するとは、層状珪酸塩がポリアミド樹脂中に分
散した際、その50%以上が塊を形成することなく、互い
に平行および/またはランダムに、20Å以上の層間距
離を保って分散している状態をいう。なお、層状珪酸塩
の70%以上がこのような状態にあれば、更に好ましい。
【0011】層状珪酸塩の配合量は、ポリアミド樹脂に
対して0.005〜10重量%、好ましくは、0.1〜
5重量%である。層状珪酸塩の配合量が0.0055重
量%未満であると、吸水性、滑り性、剛性などの改良効
果が低いので好ましくなく、10重量%を超えると透明
性が著しく低下するので好ましくない。
【0012】ポリアミド樹脂に層状珪酸塩を均一に分散
させる方法については特に制限はないが、本発明の層状
珪酸塩の原料が多層状粘土鉱物である場合には、ジオク
タデシルアミン、フェニレンジアミンのようなアミン、
4−アミノ−n−酪酸、12−アミノドデカン酸のよう
なアミノ酸またはε−カプロラクタムのようなラクタム
類の膨潤化剤と接触させて、予め層間を拡げて層間にモ
ノマーを取り込みやすくしたのち、ポリアミドモノマー
と混合し、重合する方法を適用することができる。ま
た、膨潤化剤に高分子化合物を用い、予め層間を20Å
以上に拡げて、これをポリアミド樹脂もしくはこれを含
む樹脂と溶融混練して均一に分散させる方法を適用する
ことができる。さらに、層状珪酸塩を高濃度で含むポリ
アミド樹脂組成物を予め前記方法で調製し、この組成物
と層状珪酸塩を含まないポリアミド樹脂を混合する方法
を適用することができる。
【0013】本発明に使用される無機フィラーについて
は、特に制限はないが、従来樹脂の充填材として慣用さ
れているものの中から任意のものを選択して使用するこ
とが出来る。具体的には、クレー、カリオン、焼成カオ
リンなどに代表されるシリカーアルミナ系粘土鉱物(含
水ケイ酸アルミニウム類)、タルクに代表されるシリカ
−マグネシウム類、さらにはケイ酸カルシウム、シリ
カ、アルミナ、炭酸カルシウムなどが挙げられるが、こ
れらの中で、特にタルク、カオリン、焼成カオリンまた
はシリカが易分散性の点から好適である。なかでもシリ
カは、得られるフィルムの透明性に優れ、滑り性も良好
であり、特に好ましく使用される。
【0014】これらの無機フィラーは、粒径10μm以
上の粒子を含まず、かつ平均粒径が0.5〜6μmの範
囲にあるものが好適である。粒径が大きいと、フィッシ
ュアイの発生の原因になり、粒径が小さ過ぎると分散性
が不良になり、またフィラーの二次凝集によるフィッシ
ュアイを招き易くなって好ましくない。また、これらの
無機フィラーは、シラン処理剤やチタニウム系処理剤な
どの周知の表面処理剤で表面処理をしたものを使用する
と、良好な分散性が得られると同時に、透明性も改良さ
れる。また、分散性を更に改良するために、ポリアミド
樹脂の重合時に、ポリアミド樹脂形成原料に無機フィラ
ーを配合し、あらかじめ樹脂中に無機フィラーを分散さ
せて使用することも、極めて有効である。
【0015】こうした無機フィラーは、1種、もしくは
2種以上を組み合わせて用いられ、その配合量は、ポリ
アミド樹脂100重量部に対し、0.005〜0.3重
量部、好ましくは0.01〜0.3重量部である。配合
量が少ないと、得られるフィルムの滑り性の改良がみら
れず、配合量が多すぎると透明性が低下する。
【0016】本発明のポリアミドフィルムの構成成分と
しては、そのほかにも必要に応じて、ヒンダードフェノ
ール、リン酸エステルや亜リン酸エステルなどの酸化防
止剤、耐熱安定剤、トリアジン系化合物などの耐候性付
与剤、帯電防止剤、顔料、染料などの着色剤、滑剤、揆
水剤、アンチブロッキング剤、柔軟性改良材などを配合
することができる。
【0017】前記ポリアミド樹脂組成物をフィルムに成
形する方法は特に制限されるものではなく、本発明のポ
リアミドフィルムは延伸フィルムまたは未延伸フィルム
のいずれの形態にもすることができる。未延伸フィルム
を成形する方法としては、例えば、ポリアミド樹脂組成
物を200〜300℃で押出し温度で押出し機により溶融混練
し、Tダイによりフィルム状に押出し、キャスティング
ロール面上にキャスティングしたフィルムを冷却するキ
ャスティング法(Tダイ法)、またはリング状ダイによ
り筒状に押出したものを空冷または水冷するチューブラ
ー法、の各方法を適用することができる。延伸フィルム
を成形する方法としては、キャスティング法またはチュ
ーブラー法で成形した未延伸フィルムを、50〜180℃の
延伸温度で一軸延伸または二軸延伸し、必要に応じて12
0℃以上で融点より低い温度で熱固定する方法を適用す
ることができる。二軸延伸を行う場合はテンター法二軸
延伸法またはチューブラー法二軸延伸法などの公知の方
法を適用することができる。
【0018】本発明のポリアミドフィルムは、前記ポリ
アミド樹脂組成物からなるポリアミドフィルムおよびそ
れ以外の高分子フィルムからなる積層体にすることもで
きる。他の高分子フィルムとしては低密度ポリエチレン
フィルム、高密度ポリエチレンフィルム、ポリプロピレ
ンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、
アイオノマー樹脂フィルムなどを挙げることができる。
ポリアミドフィルムを積層体にする方法は特に制限され
ず、例えばポリアミドフィルムと他の1種もしくは2種
以上の高分子フィルムを接着剤で接着する方法、または
ポリアミドと1種もしくは2種以上の他の高分子フィル
ムを構成する高分子化合物を、接着性樹脂を介して多層
口金から溶融共押出しする方法を適用することができ
る。
【0019】
【発明の効果】本発明のポリアミドフィルムは、フィル
ム中に均一に分散された層状珪酸塩と無機フィラーが存
在することにより、フィラーの補強効果と吸水性の抑制
により、接触面積の増大が抑えられ、これにより、光学
特性、生産性あるいは印刷特性等の諸特性を低下させる
ことなく、高度な滑り性が得られる。
【0020】
【実施例】以下において実施例および比較例を掲げて本
発明をさらに詳しく説明する。なお、以下において物性
の測定法は以下のとおりである。 [透明性]スガ試験機社製直読式ヘーズメーターによ
り、ASTM D−1003に準じてフィルムの曇価(ヘーズ
率)を測定した。 [滑り性]理学工業社製スリップテスターを用い、ASTM
D−1894−63に準じて、23℃、65%RHの雰囲気下で静
摩擦係数及び動摩擦係数(μD)を測定した。
【0021】実施例1 層状珪酸塩の一単位の厚みが平均8Åで一辺の長さが約
0.1μmの原料であるモンモリロナイト100gを2.3L
の水に分散し、これと80℃の熱水に28.1gの12−
アミノドデカン酸を均一にさせ、12mlの濃塩酸を加え
た分散液を混合し、80℃で60分間攪拌した。さらに
これを十分洗浄したのち、ブフナー漏斗を用いて吸引ろ
過を行い、含水状態の複合物を得た。(以下12MMT
と略す) なお、X線解析の結果この複合体中の層状珪酸塩の層間
距離は18.0Åであった。次に、この12MMTにε―カ
プロラクタムを、12MMTとε―カプロラクタムの比
率が1:1になるように加えて攪拌・混合し、12MM
Tとε−カプロラクタムの複合体を得た。(以下12M
MT複合体と略す) 次に、直径44mmのニ軸混練押出機でポリアミド6
(宇部興産製 UBE NYLON 1022B)を溶融し、これに前
記した12MMT複合体をフィードしながら溶融混練
し、混練機ノズルからストランド状に取り出した混練物
を水冷し、カッティングを行い、層状珪酸塩が均一に分
散したポリアミド6ペレットを得た。このペレットを熱
水中に浸漬し、未反応のモノマー約10%を抽出、除去し
たのち、真空中で乾燥した。このポリアミド樹脂組成物
に含まれるモンモリロナイト複合体は、0.5重量%で
あった。次に、ポリアミド6(宇部興産製 UBE NYLON
1022B)および無機フィラーを直径44mmのニ軸混練
機を用いて溶融混練し、混練機ノズルからストランド状
に取り出した混練物を水冷し、カッティングを行い、無
機フィラーを6重量%含有する無機フィラーのマスター
ペレットを製造した。無機フィラーとしては、富士シリ
シア(株)製 不定形シリカ サイリシア350(平均
粒子径1.4μm)を使用した。このマスターペレットお
よび前記層状珪酸塩を含有するポリアミド6ペレットお
よびポリアミド6(宇部興産製 UBE NYLON 1022B)を
用いて、無機フィラーおよび層状珪酸塩が表1記載の量
になるようにドライブレンドを行った。この混合ペレッ
トを用い、直径40mmの押出し機でシリンダー温度260℃
の条件で混練し、300mm幅のT−ダイでフィルム状に押
出し、80℃の冷却ロール上で固化し、厚さ30μmのフ
ィルムを調製した。フィルムに含有されている層状珪酸
塩の層間距離をX線回折により測定したところ、100Å
以上であった。このフィルムについて各物性の測定を行
った。結果を表1に示す。
【0022】実施例2〜8 層状珪酸塩及び無機フィラーの添加量を表1に記載のも
のに代え、実施例1と同一の装置を用い、40℃の冷却
ロール上で固化させ、厚みが135μmであること以外
は実施例1と同様にしてフィルムを調製した。得られた
フィルムを岩本製作所社製の研究用高分子フィルム二軸
延伸装置BIX−702S型で、延伸温度90℃および縦横の各
延伸倍率3.0倍で同時二軸延伸し、さらに140℃で熱固
定して厚さ15μの二軸延伸フィルムを得た。得られたフ
ィルムに含有されている層状珪酸塩の層間距離をX線回
折により測定したところ、いずれも100Å以上であっ
た。このフィルムについて物性を測定した結果を表1に
示す。
【0023】実施例9 12MMTの調製は実施例1と同様にして行った。次
に、直径44mmのニ軸混練押出機でポリアミド6/6
6(宇部興産製UBE NYLON 5034B)を溶融し、これに前
記した12MMT複合体をフィードしながら溶融混練
し、混練機ノズルからストランド状に取り出した混練物
を水冷し、カッティングを行い、層状珪酸塩が均一に分
散したポリアミド6/66ペレットを得た。このペレッ
トを熱水中に浸漬し、未反応のモノマーを抽出・除去し
たのち、真空中で乾燥した。このポリアミド樹脂組成物
に含まれるモンモリロナイト複合体は、0.5重量%で
あった。次に、ポリアミド6/66(宇部興産製 UBE
NYLON 5034B)および無機フィラーを直径44mmのニ
軸混練機を用いて溶融混練し、混練機ノズルからストラ
ンド状に取り出した混練物を水冷し、カッティングを行
い、無機フィラーを6重量%含有する無機フィラーのマ
スターペレットを製造した。無機フィラーとしては、富
士シリシア(株)製 不定形シリカ サイリシア350
(平均粒子径1.4μm)を使用した。このマスターペレ
ットおよび前記層状珪酸塩を含有するポリアミド6/6
6ペレットおよびポリアミド6/66(宇部興産製 UB
E NYLON 5034B)を用いて、無機フィラーおよび層状珪
酸塩が表1記載の量になるようにドライブレンドを行っ
た。この混合ペレットを用い、直径40mmの押出し機でシ
リンダー温度260℃の条件で混練し、300mm幅のT−ダイ
でフィルム状に押出し、80℃の冷却ロール上で固化し、
厚さ30μmのフィルムを調製した。フィルムに含有さ
れている層状珪酸塩の層間距離をX線回折により測定し
たところ、100Å以上であった。このフィルムについて
各物性の測定を行った。結果を表1に示す。
【0024】比較例1 無機フィラーが表1記載の量になるように、ポリアミド
6(宇部興産製 UBENYLON 1022B)と無機フィラーを6
重量%含有するマスターペレットのみを原料として用い
たこと以外は実施例1と同様にしてフィルムを調製し
た。このフィルムについて各物性の測定を行った。結果
を表1に示す。
【0025】比較例2 無機フィラーが表1記載の量になるように、ポリアミド
6(宇部興産製 UBENYLON 1022B)と無機フィラーを6
重量%含有するマスターペレットのみを原料として用い
たこと以外は実施例2と同様にして延伸フィルムを調製
した。このフィルムについて各物性の測定を行った。結
果を表1に示す。
【0026】比較例3 層状珪酸塩が表1記載の量になるように、ポリアミド6
(宇部興産製 UBE NYLON 1022B)と層状珪酸塩を含有
するポリアミド6ペレットのみを原料として用いたこと
以外は実施例2と同様にして延伸フィルムを調製した。
このフィルムについて各物性の測定を行った。結果を表
1に示す。
【0027】比較例4 層状珪酸塩及び無機フィラーの添加量を表1に記載のも
のに代えた他は実施例2と同様にして延伸フィルムを調
製した。このフィルムについて物性を測定した結果を表
1に示す。
【0028】
【表1】
フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA54X AA55X AA76 AB18 AB21 AB26 AB30 AE11 AF08 AF28 AH04 BA01 BB06 BB08 BC01 4J002 CL011 CL031 CL051 DE146 DE236 DJ006 DJ016 DJ036 DJ046 FA016 FD016 FD176 GG02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリアミド樹脂に対して、層状珪酸塩を
    0.005〜10重量%および無機フィラーを0.00
    5〜0.3重量%含有してなることを特徴とする滑り性
    に優れたポリアミドフィルム。
  2. 【請求項2】前記層状珪酸塩は、一辺の長さが0.00
    2〜1μm、厚みが6〜20Åであり、それぞれが平均
    20Å以上の層間距離を保って、ポリアミド樹脂中に均
    一に分散していることを特徴とする請求項1記載のポリ
    アミドフィルム。
  3. 【請求項3】ポリアミドフィルムが二軸延伸されたもの
    である請求項1記載のポリアミドフィルム。
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