JP2884766B2 - 延伸ポリアミドフィルム用樹脂組成物 - Google Patents

延伸ポリアミドフィルム用樹脂組成物

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JP2884766B2 JP2303849A JP30384990A JP2884766B2 JP 2884766 B2 JP2884766 B2 JP 2884766B2 JP 2303849 A JP2303849 A JP 2303849A JP 30384990 A JP30384990 A JP 30384990A JP 2884766 B2 JP2884766 B2 JP 2884766B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は、延伸ポリアミドフィルム用樹脂組成物に関
する。詳しくは、ポリアミド樹脂とこれに均一に分散さ
れた層状珪酸塩およびヒンダードフェノール系化合物お
よびシラン系カップリング剤及び/又はチタネート系カ
ップリング剤から成る延伸ポリアミドフィルム用樹脂組
成物で、さらに詳しくは、ガスバリヤー性、透明性及び
滑り性が優れており、かつ、ラミネート、印刷、製袋な
どの後加工に必要な剛性を有する延伸ポリアミドフィル
ム用樹脂組成物に関するものである。
(従来の技術及び発明が解決しようとする課題) ポリアミドフィルムは、透明性、耐ピンホール性、ガ
スバリヤー性、耐熱性および耐油性などの諸特性が優れ
ているために主に食品包装の分野で使用されている。
しかし、近年、食品包装ではガスバリヤー性の一層の
向上が要求されているが、用途によってはポリアミドフ
ィルムのガスバリヤー性は十分とは言えない。特に、高
湿度下ではポリアミドフィルムのガスバリヤー性は著し
く低下する。このため、ガスバリヤー性が優れたエチレ
ン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)とポリアミドを
共押出し成形したり、ポリアミドフィルムの表面にガス
バリヤー性の良好なポリ塩化ビニリデン(PVDC)をコー
トすることが行われている。しかし、このEVOHおよびPV
DCは高価格であるだけでなく、共押出しフィルムの層構
成の増加やコーティングラインの設置などによる設備面
のコストアップもあり、価格面で要求を満たさない場合
が多い。
さらに、ポリアミドフィルム、特にナイロン6フィル
ムでは湿度の高い環境下では吸湿することによりフィル
ムの滑り性および腰(剛性)が低下してしまう。このよ
うな剛性の低下はラミネート工程、印刷工程、製袋工程
などの後工程の際にトラブルを招くことになるため、そ
の改善が強く要望されている。
前記フィルム特性のなかで、滑り性を改善する方法と
しては、金属石鹸類、ビスアミド類、ポリオレフィン
類、無機粒子などを添加する方法が公知であり、なかで
も二酸化ケイ素、タルク、カオリンなどの不活性無機粒
子を添加することが効果的であり、実用化されている。
しかし、吸湿によるポリアミドフィルムの剛性の低下に
ついては改良が非常に困難である。例えば、タルクやガ
ラス繊維などの添加は透過性や耐ピンホール性を低下さ
せ、また吸湿性の低い変化ポリオレフィン、アイオノマ
ー樹脂の添加はやはり透明性を損なうだけでなく、ガス
バリヤー性や剛性の低下を招く。
そこで、ポリアミドに層状珪酸塩を均一に分散した材
料を用いて、フィルムを作成し、優れたガスバリヤー
性、滑り性、剛性、透明性を持たせるという発明がなさ
れている。(特願昭63−257306号)。
この発明は単層、多層の多様な用途に適用でき各種用
途に用いられているが、フィルムの強度等を向上させる
ため、フィルムを延伸して用いるような用途において、
そのフィルムの延伸時に透明性が低下するという欠点が
あった。
そこで、本発明者は、その欠点を解消するために、ポ
リアミド樹脂に層状珪酸塩を均一に分散させた材料にさ
らにシランカップリング剤及び/又はチタネートカップ
リング剤を添加して、フィルムの延伸時の透明性低下を
減少させたポリアミド樹脂組成物(特願平2−190432
号)、及びポリアミド樹脂に層状珪酸塩を均一に分散さ
せた材料にさらにヒンダードフェノール系化合物を添加
して、フィルムの延伸時の透明性低下を減少させたポリ
アミド樹脂組成物(特願平2−228388号)を提案した
が、フィルムの延伸時の透明性低下の減少はまだ充分と
は言えず、一部の用途には不都合を生じる場合があっ
た。
(課題を解決するための手段) 本発明は、優れたガスバリヤー性、透明性および滑り
性を有しており、かつラミネート、印刷、製袋などの後
加工に必要な剛性を有する延伸ポリアミドフィルム用樹
脂組成物を提供することにある。
本発明は、 (A)ポリアミド樹脂 60〜99.939重量% (B)(A)に均一に分散された層状珪酸塩 0.05〜30重量%、 (C)ヒンダードフェノール系化合物 0.001〜5重量%および (D)次式(I)で示されるシランカップリング剤及び
/又は次式(II)で示されるチタネートカップリング剤
0.01〜5重量%よりなることを特徴とする。
YR1nSiX3 ……〔I〕 (式〔I〕中、Xは、塩素原子、アルコキシ基又はアル
コキシエトキシ基を表し、Yは、塩素原子ビニル基、メ
タクリロイル基、グリシドキシ基、メルカプト基、アミ
ノ基、2,3−エポキシエチル基、3,4−エポキシシクロヘ
キシル基、ウレイド基又は式 を表し、R1は、アルキレン基を表し、nは、0又は1を
表す。) 式〔II〕 (式〔II〕中、R2はアルキル基を表し、R3〜R5は、それ
ぞれ置換もしくは非置換のアルキル基、アルカノイル
基、(メタ)アクリロイル基、ジアルキルピロホスフェ
ート基、N−アミノエチル−アミノエチル基、アルキル
ベンゼンスルホニル基、ジアルキルホスフェート基又は
クミルフェニル基を表し、R2とR3が一緒になってエチレ
ン基、オキサリル基または、式−CO−CH2−基でも良
い。) 本発明のポリアミドフィルムを構成するポリアミドと
は分子中に酸アミド結合(−CONH−)を有するものであ
り、例えば、ε−カプロラクタム、6−アミノカプロン
酸、ε−エナントラクタム、7−アミノヘプタン酸、11
−アミノウンデカン酸、9−アミノノナン酸、α−ピロ
リドン、α−ピペリドンなどから得られる重合体または
共重合体;ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジア
ミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジア
ミン、メタキシリレンジアミンなどのジアミンとテレフ
タル酸、イソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸などの
ジカルボン酸とを重縮合して得られる重合体もしくは共
重合体もしくはこれらのブレンド物を挙げることができ
る。
ポリアミドは、平均分子量が9,000〜30,000のものが
好ましい。
ポリアミドフィルムを構成する層状珪酸塩としては、
その厚みが6〜20Åで、一辺の長さが0.002〜1μmの
平板状のものが好ましい。
また、層状珪酸塩はポリアミド中に均一に分散するこ
とが必要であるが、分散した際にそれぞれが平均的に20
Å以上の層間距離を保ち、均一に分散されていることが
好ましい。ここで層間距離とは層状珪酸塩の平板の重心
間の距離を言い、均一に分散することは層状珪酸塩の一
枚一枚が、もしくは平均的に重なりが5層以下の多層物
が、平均にまたはランダムに、もしくは平行とランダム
が混在した状態で、その50重量%以上が、好ましくは70
重量%以上が局所的な塊を形成することなく分散する状
態を言う。従って層状珪酸塩とは例えば一辺が0.002〜
1μm、厚みが6〜20Åの物質の一単位を示すものであ
る。
このような層状珪酸塩の原料としては、珪酸マグネシ
ウムまたは珪酸アルミニウムの層から構成される層状フ
ィロ珪酸鉱物を例示することができる。具体的には、モ
ンモリロナイト、サポナイト、バイデライト、ノントロ
ナイト、ヘクトライト、スティブンサイトなどのスメク
タイト系粘土鉱物やバーミキュライト、ハロイサイトな
どを例示することができ、これらは天然のものであって
も、合成されたものであってもよい。これらのなかでも
モンモリロナイトが好ましい。
層状珪酸塩の配合量は、全体に対して、0.05〜30重量
%であり、0.1〜10重量%が好ましい。層状珪酸塩の配
合量が0.05重量%未満であるとガスバリヤー性、滑り
性、剛性などの改良効果が低いので好ましくなく、30重
量%を越えると透明性が著しく低下するので好ましくな
い。
ポリアミドに層状珪酸塩を均一に分散させる方法につ
いては特に制限はないが、本発明の層状珪酸塩の原料が
多層状粘土鉱物である場合には、膨潤化剤と接触させ
て、予め層間を拡げて層間にモノマーを取り込みやすく
したのち、ポリアミドモノマーと混合し、重合する方法
(特開昭62−74957号公報参照)を適用することができ
る。
また、膨潤化剤に高分子化合物を用い、予め層間を10
0Å以上に拡げて、これをポリアミド樹脂もしくはこれ
を含む樹脂と溶融混練して均一に分散させる方法(特願
平1−124402号参照)を適用することができる。さら
に、層状珪酸塩を高濃度で含むポリアミド組成物を予め
前記方法で調整し、この組成物と層状珪酸塩を含まない
ポリアミドを混合する方法を適用することができる。
本発明のヒンダードフェノール系化合物は、一般的に
は、酸化防止剤、加工安定剤として使用され、分子中に
2,6もしくは2,4にアルキル置換フェノール構造を有する
化合物であり、そのヒドロキシ基は、亜リン酸などの酸
でエステル化されていてもよい。さらに、アルキル置換
フェノール構造は、分子中の1か所以上の箇所に存在し
ていてもよい。
具体的には、トリエチレングリコール−ビス〔3−
(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート〕、 1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−
ブチル−4ヒドロキシ−フェニルプロピオネート〕、 ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−
t−ブチル−4ヒドロキシ−フェニルプロピオネー
ト〕、 N,N′−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−
4ヒドロキシンマミド)、 3,5−ジ−t−ブチル−4ヒドロキシ−ベンジルフォ
スフォネート−ジエチルエステル、 トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファ
イド、 テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4′
−ビフェニレンフォスフォナイト、 2′−〔2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメ
チルベンジル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、 2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニ
ル)ベンゾトリアゾールおよび、 1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ホドロキシベンジル)ベンゼンなどを挙げ
ることができる。
本発明に用いる前記式(I)で示されるシランカップ
リング剤は、オルガノファンクショナルシラン(Organo
functional Silane)、カップリングエージェント(Cou
pling Agent)、アドヒージョンプロモーター(Adhesio
n Promoter)等とも呼ばれ、無機質等の表面処理剤とし
て一般に用いられているものである。
本発明に用いるシランカップリング剤としてはたとえ
ば、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ビニルト
リクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルト
リメトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキ
シ)シラン、γ−メタクリロイルプロピルトリメトキシ
シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル
トリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−アミノプロピルメトキシシラン、N−β−
(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等を挙
げることができ、中でもγ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン及びγ−アミノプロピルメトキシシラン
が好ましい。
本発明に用いる前記式(II)で示されるチタネートカ
ップリング剤は、前記シランカップリング剤と同様に無
機質等の表面処理剤として一般に用いられているもので
あり、式(II)で示されるチタネートの塩及び配位化合
物を含む。
具体例としては、次式(a)〜(n)で示されるチタ
ネートカップリング剤を挙げることが出来る。
(a) 本発明に用いるシランカップリング剤及び/又はチタ
ネートカップリング剤は、それぞれ単独で用いてもよい
し、2種以上のシランカップリング剤又は、チタネート
カップリング剤をあわせて用いてもよいが、ヒンダード
フェノール系化合物と併用して用いなければならない。
ヒンダードフェノール系化合物の配合量は、全体に対
して、0.001〜5重量%であり、好ましくは、0.05〜2
重量%である。
ヒンダードフェノール系化合物の配合量が0.001重量
%未満の場合には、得られた延伸フィルムの透明性が損
なわれるため好ましくなく、5重量%を越える場合に
は、フィルムに成形する時に、目ヤニが発生したり、ブ
リード物が多くなったりし、またフィルムが着色しやす
くなるので好ましくない。
また、シランカップリング剤及び/又はチタネートカ
ップリング剤の配合量は、全体に対して、0.01〜5重量
%であり、好ましくは、0.05〜2重量%である。
カップリング剤の配合量が0.01重量%未満の場合に
は、得られた延伸フィルムの透明性が損なわれるため好
ましくなく、5重量%を越える場合には、フィルムに成
形する時に、目ヤニが発生したり、ブリード物が多くな
ったりし、またフィルムが着色しやすくなるので好まし
くない。
ヒンダードフェノール系化合物およびシランカップリ
ング剤及び/又はチタネートカップリング剤をポリアミ
ドおよびこれに均一に分散した珪酸塩から成る組成物に
添加する方法については、特に制限は無く、珪酸塩を含
むポリアミドにヒンダードフェノール系化合物およびシ
ランカップリング剤及び/又はチタネートカップリング
剤をブレンドし、直接フィルムを成膜してもよいし、珪
酸塩を含むポリアミドとヒンダードフェノール系化合物
およびシランカップリング剤及び/又はチタネートカッ
プリング剤を2軸混練機にて溶融混合した組成物を得、
これを用いてフィルムを成膜してもよいし、最初に珪酸
塩を含むポリアミドとヒンダードフェノール系化合物を
2軸混練機にて溶融混合した組成物にさらにシランカッ
プリング剤及び/又はチタネートカップリング剤を2軸
混練機にて溶融混合して得た組成物を用いてフィルムを
成膜してもよいし、さらには、この逆の順序によっても
よい。
また、前述した層状珪酸塩を、ポリアミド中に分散さ
せる重合ないし、混練の際に、ヒンダードフェノール系
化合物およびシランカップリング剤及び/又はチタネー
トカップリング剤を同時に添加する方法によってもよい
し、前述した層状珪酸塩を、ポリアミド中に分散させる
重合ないし、混練の際に、ヒンダードフェノール系化合
物またはシランカップリング剤及び/又はチタネートカ
ップリング剤を添加した組成物を得たのち、2種のうち
添加していない方の化合物を溶融混合する方法によって
もよい。
ヒンダードフェノール系化合物およびシランカップリ
ング剤及び/又はチタネートカップリング剤が層状珪酸
塩を含むポリアミドで作られたフィルムの延伸時の白化
を防止する理由については明らかではないが、ポリアミ
ドの分子どうしの滑り性を良くするか、ポリアミドと層
状珪酸塩の相互作用に影響し、フィルム延伸時のせん断
力によるずり応力による残留応力か気泡発生による白化
を防止するのではないかと考えられる。
また、本発明のポリアミドフィルムの構成成分として
は、その他にも必要に応じて、滑剤、酸化防止剤、耐熱
安定剤、耐候性付与剤、帯電防止剤、透明性改良剤など
を配合することができる。
ポリアミドおよびそれに均一に分散されている層状珪
酸塩およびヒンダードフェノール系化合物およびシラン
カップリング剤及び/又はチタネートカップリング剤を
含有する混合物より、未延伸のフィルムを成形する方法
については、特に制限されるものではなく、例えば、層
状珪酸塩、ヒンダードフェノール系化合物およびシラン
カップリング剤及び/又はチタネートカップリング剤を
配合したポリアミドを200〜300℃の押し出し温度で、押
し出し機により、溶融混練し、Tダイにより、フィルム
状に押し出し、キャスチングロール面上でキャスチング
したフィルムを冷却するキャスチング法(Tダイ法)、
あるいはリング状ダイにより、筒状に押し出したものを
空冷または水冷するチューブラー法等の各方法を適用す
ることができる。
延伸フィルムを成形する方法としては、特に制限は無
く、上記のようにキャスティング法またはチューブラー
法で成形した未延伸フィルムを、50〜180℃の延伸温度
で一軸延伸または二軸延伸し、必要に応じて120℃以上
で融点より低い温度で熱固定する方法を適用することが
できる。
二軸延伸を行う場合はテンター法二軸延伸法またはチ
ューブラー法二軸延伸法などの公知の方法を適用するこ
とができる。
フィルムはポリアミドおよびそれに均一に分散されて
いる層状珪酸塩およびヒンダードフェノール系化合物お
よびシランカップリング剤及び/又はチタネートカップ
リング剤を含有した混合物の単層でもよく、この材料の
層を含む多層フィルムであってもよい。
(実施例) 以下において実施例および比較例を掲げて本発明をさ
らに詳しく説明する。なお、以下において物性の測定法
は以下のとおりである。
ポリアミドの分子量 JIS K6810−1970に準じて98%硫酸を用いて相対粘度
を測定し、分子量(Mn)を求めた。
透明性 スガ試験機社製直読式ヘーズメータにより、ASTM D
−1003に準じてフィルムの曇価(ヘーズ率)を測定し
た。
酸素ガス透過度 モダンコントロール社製M0C0N 0 X−TRAN 100A
により、ASTM D−3985−81に準じてフィルムの酸素ガ
ス透過度を測定した。
測定条件は23℃、0%RHおよび100%RHである。
引張特性 東洋ボールドウィン社製テンシロンUTM−3によりAST
M D−882に準じて引張特性を測定した。フィルムの剛
性の評価法として引張弾性率をもちいた。テストピース
水分率は23℃、65%RH大気中平衡水分率である。
実施例1 層状珪酸塩の一単位の厚みが平均8Åで一辺の長さが
約0.1μmの原料であるモンモリロナイト100gを10の
水に分散し、これに51.2gの12−アミノドデカン酸と24m
lの濃塩酸を加え、5分間撹拌したのち、濾過した。さ
らにこれを十分洗浄したのち、真空乾燥した。この操作
により、12−アミノドデカン酸アンモニウムイオンとモ
ンモリロナイトの複合体を調整した。複合体中の層状珪
酸塩分は約80重量%となった。X線解析の結果この複合
体中の層状珪酸塩の層間距離は18.0Åであった。
次に、撹拌機付きの反応容器に10kgのε−カプロラク
タム、1kgの水および200gの乾燥した前記複合体を入
れ、100℃で反応系内が均一な状態になるように撹拌し
た。
さらに温度を260℃に上昇させ、15kg/cm2の加圧下で
1時間撹拌した。その後、放圧し、水分を反応容器から
揮散させながら、常圧下、260℃で2時間反応を行い、
さらに400mmHgの減圧下で260℃で、1時間反応させた。
反応終了後、反応容器の下部ノズルから、ストランド状
に取り出した反応物を水冷し、カッティングを行い、ポ
リアミドおよびモンモリロナイトからなるペレットを得
た。このペレットを熱水中に浸漬し、未反応のモノマー
約10%を抽出、除去したのち、真空中で乾燥した。
この得られた組成物に、テトラキス(2,4−ジ−t−
ブチルフェニル)−4,4′−ビフェニルフォスフォナイ
ト〔日本チバガイギー(株)製IRGAFOS168〕(以下物質
Aと記す)を0.25重量%ブレンドし、2軸混練機にて、
樹脂温度260℃にて溶融混練を行い、さらに真空乾燥
し、ペレット状の組成物を得た後、さらにこの組成物に
イソプロピルトリイソステアロイルチタネート〔味の素
(株)製プレンアクトKATTS〕(以下物質Cと記す)を
0.1重量%ブレンドし、2軸混練機にて、樹脂温度260℃
にて溶融混練を行い、さらに真空乾燥し、ペレット状の
組成物を得た。
このペレットを用い、直径40mmの押し出し機でシリン
ダー温度260℃の条件で混練し、300mm幅のT−ダイでフ
ィルム状に押し出し、40℃の冷却ロール上で固化し、厚
さ60μのフィルムを調整した。
フィルムに含有されている層状珪酸塩の層間距離は10
0Å以上であった。
さらに、このフィルムを下記の装置にて80℃の雰囲気
温度で2×2に2軸延伸した。延伸時のフィルムの水分
率は0.5%とした。
(延伸装置) 岩本製作所製 2軸延伸機 このようにして得られた15μのフィルムについて、前
述したポリアミドの分子量、透明性、酸素ガス透過度、
引っ張り特性の測定を行った。結果を第1表に示す。
実施例2 実施例1において、物質Cの配合量を0.075重量%と
した以外は、実施例1と同様の実験を行った。結果を第
1表に示す。
実施例3 実施例1において、物質Cの配合量を0.05重量%とし
た以外は実施例1と同様の実験を行った。結果を第1表
に示す。
実施例4 実施例1において、物質Aの配合量を0.05重量%とし
た以外は実施例1と同様の実験を行った。結果をを第1
表に示す。
実施例5 実施例1において、物質Aの配合量を0.15重量%とし
た以外は実施例1と同様の実験を行った。結果を第1表
に示す。
実施例6 実施例1において、物質Aの代わりに、1,3,5−トリ
エチル−2、4、6−トリス(3、5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン〔日本チバガイギ
ー(株)製IRGANOX1330〕(以下物質Bと記す)を用い
た以外は実施例1と同様の実験を行った。結果を第1表
に示す。
実施例7 実施例1において、物質Aと物質Bの溶融混練の順序
を反対にした以外は実施例1と同様の実験を行った。結
果を第1表に示す。
実施例8 実施例1において、物質Aと物質Bを同時に溶融混練
した以外は実施例1と同様の実験を行った。結果を第1
表に示す。
比較例1 実施例1において、物質Cを用いなかった以外は実施
例1と同様の実験を行った。結果を第2表に示す。
比較例2 実施例4において、物質Cを用いなかった以外は実施
例4と同様の実験を行った。結果を第2表に示す。
比較例3 実施例6において、物質Cを用いなかった以外は実施
例6と同様の実験を行った。結果を第2表に示す。
比較例4 実施例1において、物質Aを用いなかった以外は実施
例1と同様の実験を行った。結果を第2表に示す。
比較例5 実施例2において、物質Aを用いなかった以外は実施
例2と同様の実験を行った。結果を第2表に示す。
比較例6 実施例3において、物質Aを用いなかった以外は実施
例3と同様の実験を行った。結果を第2表に示す。
比較例7 実施例1において、物質A及び物質Cを用いなかった
以外は実施例3と同様の実験を行った。結果を第2表に
示す。
参考例1 参考のため、層状珪酸塩、ヒンダードフェノール系化
合物及びカップリング剤を含まないポリアミドの実験例
を参考例1として第2表に示す。
比較例8 比較例4において、物質Cの配合量を0.1wt%から0.2
5wt%に変更した以外は、比較例4と同様の実験を行っ
た。結果を第2表に示す。
〔発明の効果〕 本発明の組成物より得られた延伸フィルムは、ガスバ
リヤー性、透明性、滑り性、耐衝撃性が優れているだけ
でなく、優れた剛性を有していることから印刷、ラミネ
ート、製袋などの後加工が良好であり、特に食品包装用
フィルムとして実用上極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 5:54 5:057) (56)参考文献 特開 平4−80259(JP,A) 特開 平4−110347(JP,A) 特開 昭64−11157(JP,A) 特開 平2−105856(JP,A) 特開 昭54−139657(JP,A) 特開 昭62−32146(JP,A) 特開 昭63−251460(JP,A) 特開 平3−286826(JP,A) 特開 平2−29457(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 77/00 - 77/12 C08K 3/00 - 13/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリアミド樹脂 60〜99.939重量% (B)前記(A)に均一に分散された層状珪酸塩 0.05〜30重量%、 (C)ヒンダードフェノール系化合物 0.001〜5重量%及び (D)次式(I)で示されるシランカップリング剤及び
    /又は 次式(II)で示されるチタネートカップリング剤 0.01〜5重量% よりなることを特徴とする延伸ポリアミドフィルム用樹
    脂組成物。 YR1nSiX3 ……〔I〕 (式〔I〕中、Xは、塩素原子、アルコキシ基又はアル
    コキシエトキシ基を表し、Yは、塩素原子ビニル基、メ
    タクリロイル基、グリシドキシ基、メルカプト基、アミ
    ノ基、2、3−エポキシエチル基、3、4−エポキシシ
    クロヘキシル基、ウレイド基又は式 を表し、R1は、アルキレン基を表し、nは、0又は1を
    表す。) 式〔II〕 (式〔II〕中、R2はアルキル基を表し、R3〜R5は、それ
    ぞれ置換もしくは非置換のアルキル基、アルカノイル
    基、(メタ)アクリロイル基、ジアルキルピロホスフェ
    ート基、N−アミノエチル−アミノエチル基、アルキル
    ベンゼンスルホニル基、ジアルキルホスフェート基又は
    クミルフェニル基を表し、R2とR3が一緒になってエチレ
    ン基、オキサリル基または、式−CO−CH2−基でも良
    い。)
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