JP2003311448A - メモリーカード成形品のレーザーマーキング方法、メモリーカード成形品、メモリーカード用熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

メモリーカード成形品のレーザーマーキング方法、メモリーカード成形品、メモリーカード用熱可塑性樹脂組成物

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JP2003311448A
JP2003311448A JP2002121393A JP2002121393A JP2003311448A JP 2003311448 A JP2003311448 A JP 2003311448A JP 2002121393 A JP2002121393 A JP 2002121393A JP 2002121393 A JP2002121393 A JP 2002121393A JP 2003311448 A JP2003311448 A JP 2003311448A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有彩色の下地に白色のマーキングを、凹凸を
生じさせることなくコントラスト高く形成することがで
きるメモリーカード成形品のレーザーマーキング方法を
提供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂組成物を成形して得られる
下地が有彩色のメモリーカード成形品にレーザーを照射
して白色発色のレーザーマーキング加工を施す。この際
に、YAGレーザーの第2次高調波を照射してレーザー
マーキングを行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄肉部を有するメ
モリーカード成形品のレーザーマーキング方法、このレ
ーザーマーキング方法でマーキングが施されたメモリー
カード成形品、及びこのレーザーマーキング方法の実施
に用いられるメモリーカード用熱可塑性樹脂組成物に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】メモリーカードは、基板に半導体メモリ
ーを実装し、ハウジングとなるメモリーカード成形品内
にこの基板を内装することによって形成されるものであ
る。そしてメモリーカード成形品は、基板の半導体メモ
リーを実装する凹所を形成するため、その部分を部分的
に極薄肉部として成形する必要がある。そこでこのよう
な部分的に極薄肉部を成形するのに適した図1のような
射出圧縮成形法が本出願人等によって提案されている
(特願2001−040730として特許出願)。
【0003】すなわち図1において1は一対の分割金型
1a,1bからなる成形金型であり、各分割金型1a,
1bの対向面にはキャビティ2を形成するための半部2
a,2bがそれぞれ凹設してある。3は圧縮成形用のコ
アであって、一方の分割金型1aにその先部をキャビテ
ィ2内に突出する状態で配設してあり、他方の分割金型
1bの側へさらに突出するようにスライド移動自在にし
てある。4は分割金型1a,1bの間に形成したゲート
である。
【0004】そして、射出成形機から射出された溶融状
態の熱可塑性樹脂組成物の成形材料5は、まず(A1)
及び(B1)に示すように均一な平行流となってキャビ
ティ2内を流れるが、コア3が突出する部分に達する
と、コア3の先端面とキャビティ2の内面との間の箇所
は狭く流動抵抗が大きいので、コア3の先端面とキャビ
ティ2の内面の間を流れる成形材料5aの流速よりコア
3の両側を流れる成形材料5bの流速が速くなり、(A
2)及び(B2)に示すように、両成形材料5a,5b
の先端位置に差ができ、このままでは(A3)及び(B
3)に示すように未充填部分が生じたり、あるいは成形
材料5b,5bがキャビティ2の末端部で先に合流して
ウエルドラインが生じたりするおそれがある。そこで、
(A3)及び(B3)のように不完全な状態でキャビテ
ィ2内に成形材料5が充填された後、射出を停止し、さ
らにコア3を分割金型1bの側へスライドさせてキャビ
ティ2内に突出させることによって、(A4)及び(B
4)に示すように、コア3で圧縮成形を行ない、コア3
の先端面とキャビティ2の内面の間に成形材料5を完全
に充填させると共に薄肉部11を成形することができ
る。このようにして、半導体メモリーを実装するための
凹所12を薄肉部11の成形によって形成したメモリー
カード成形品10を射出圧縮成形法で作製することがで
きるものである。
【0005】そして、このように成形して得られたメモ
リーカード成形品の表面には、所望の文字、記号、図柄
を表すマーキングが施される。メモリーカード成形品に
マーキングを行う方法としては、熱硬化性インクを用い
た印刷や、ラベルの貼り付けによる方法が一般的であ
る。しかし、樹脂成形品であるメモリーカード成形品の
表面は一般に化学的活性が乏しく、インクの密着性が不
十分で印刷の耐久性を長期に亘って得ることが難しいと
いう問題があり、またラベルを張り付ける方法では生産
性の点で問題がある。
【0006】一方、このような方法を解決して、再現性
よく、簡便にマーキングを施すことができるマーキング
方法として、レーザーを照射して熱可塑性樹脂組成物に
マーキングを行う方法が特開昭60−155493号や
特開昭61−192737号公報等で提案されている。
具体的にはその方法として、次のようなものが提案され
ている。例えば特開昭58−67496号公報などで提
案されているような、レーザーを照射した部分の表面状
態を租面化させるように変化させことによってマーキン
グする方法、例えば特開昭63−216790号公報、
特公昭61−11771号公報、特公昭61−4132
0号公報などで提案されているような、レーザーの照射
で変色あるいは脱色可能な充填物を成形品に添加してお
き、レーザー照射によって変色あるいは脱色させてマー
キングする方法、例えば特開平2−242220号公報
などで提案されているような、レーザーの照射による樹
脂の焼け焦げを利用してマーキングする方法などがあ
る。
【0007】このようにこれらは、レーザーを照射した
部分を局所的に加熱し、樹脂表面に溶解、気化、発泡、
炭化等の熱的な変化を起させることによりマーキングを
行なったり、あるいは変色や脱色可能な充填物を成形品
に添加しておき、レーザー照射で変色あるいは脱色させ
ることによりマーキングを行うものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、薄肉部を有す
るメモリーカード成形品にレーザーマーキングを行なう
場合、従来から汎用されているレーザー、例えば基本波
Nd;YAGレーザーなどを薄肉部に照射してレーザー
マーキングを施す場合、レーザー照射部分に凹凸が生じ
ることなく、鮮明なコントラストでマーキングすること
が難しく、コントラストが高く触感が良好なマーキング
を行なうことは非常に困難である。特にメモリーカード
成形品が青色など有彩色(黒色及び白色以外の色をい
う)に着色されている場合、有彩色の下地に白色系のマ
ーキングを形成することは極めて難しいものであった。
【0009】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、有彩色の下地に白色のマーキングを、凹凸を生じ
させることなくコントラスト高く形成することができる
メモリーカード成形品のレーザーマーキング方法を提供
することを目的とするものであり、またこのようなメモ
リーカード成形品の製造に適した熱可塑性樹脂組成物を
提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
メモリーカード成形品のレーザーマーキング方法は、熱
可塑性樹脂組成物を成形して得られる下地が有彩色のメ
モリーカード成形品にレーザーを照射して白色発色のレ
ーザーマーキング加工を施すにあたって、YAGレーザ
ーの第2次高調波を照射してレーザーマーキングを行な
うことを特徴とするものである。
【0011】また請求項2の発明は、請求項1におい
て、レーザー光の照射でドットを形成すると共にレーザ
ー光のスキャンでこのドットを連ねることによってレー
ザーマーキングを行なうにあたって、スキャン速度を1
00〜600mm/sec、レーザーパワーとしてのY
AGレーザーの発光強度を20〜30A、Qスイッチ発
振周波数を4〜12kHz、ドットを結ぶラインの間隔
を0.05〜0.10mmに設定して、レーザーマーキ
ングを行なうことを特徴とするものである。
【0012】また請求項3の発明は、請求項1又は2に
おいて、メモリーカード成形品はレーザーマーキングを
施す薄肉部の厚みが0.1〜1.0mmであることを特
徴とするものである。
【0013】本発明の請求項4に係るメモリーカード成
形品は、請求項1乃至3のいずれかに記載のレーザーマ
ーキング方法でマーキングが形成されて成ることを特徴
とするものである。
【0014】本発明の請求項5に係るメモリーカード用
熱可塑性樹脂組成物は、請求項1乃至4のいずれかに記
載の熱可塑性樹脂組成物であって、(A)ポリカーボネ
ート樹脂、(B)ABS系樹脂を含有して成ることを特
徴とするものである。
【0015】また請求項6の発明は、請求項5におい
て、(C)ポリカーボネート系樹脂セグメント(a)に
対して、ビニル系樹脂セグメント(b)が、分岐、また
は架橋構造的に化学結合したグラフト共重合体を含有し
て成ることを特徴とするものである。
【0016】また請求項7の発明は、請求項5又は6に
おいて、(D)結晶性樹脂を含有して成ることを特徴と
するものである。
【0017】また請求項8の発明は、請求項5乃至7の
いずれかにおいて、(E)熱重量分析における昇温10
℃/分、温度320℃における重量減少が3質量%以下
である着色剤を含有して成ることを特徴とするものであ
る。
【0018】また請求項9の発明は、請求項5乃至8の
いずれかにおいて、(F)ジエン系ゴム状重合体からな
る内核とビニル系共重合体からなる最外殻を有する多層
構造重合体を含有して成ることを特徴とするものであ
る。
【0019】また請求項10の発明は、請求項5乃至9
のいずれかにおいて、(G)結晶核剤を含有して成るこ
とを特徴とするものである。
【0020】また請求項11の発明は、請求項5乃至1
0のいずれかにおいて、(A)ポリカーボネート樹脂
が、測定温度280℃、荷重2.1kgでのMFR値が
10g/分以上のものであることを特徴とするものであ
る。
【0021】また請求項12の発明は、請求項5乃至1
1のいずれかにおいて、(A)ポリカーボネート樹脂と
(B)ABS系樹脂の合計量中、(A)ポリカーボネー
ト樹脂を30〜90質量%、(B)ABS系樹脂を70
〜10質量%含有して成ることを特徴とするものであ
る。
【0022】また請求項13の発明は、請求項6乃至1
2のいずれかにおいて、(C)グラフト共重合体におい
て、ポリカーボネート系樹脂セグメント(a)とビニル
系樹脂セグメント(b)の比率が、ポリカーボネート系樹
脂セグメント(a)が5〜95質量%、ビニル系樹脂セ
グメント(b)が95〜5質量%であることを特徴とする
ものである。
【0023】また請求項14の発明は、請求項6乃至1
3のいずれかにおいて、(C)グラフト共重合体におい
て、ビニル系樹脂セグメント(b)が、下記一般式「化
2」で示される繰り返し単位からなる重合体セグメン
ト、又はN−置換マレイミド単位からなる重合体セグメ
ント、又はα,β−不飽和酸のグリシジルエステル単位
からなる重合体セグメントであることを特徴とするもの
である。
【0024】
【化2】
【0025】(ただし、R1は水素、またはC数1〜3
の低級アルキル基、X1は、−COOCH3、−COOC2H5、−CO
OC4H9、−COOCH2CH(C2H5)C4H9、−C6H5、−CNから選ば
れた1種または2種以上の基を表す。) また請求項15の発明は、請求項14において、(C)
グラフト共重合体において、ビニル系樹脂セグメント
(b)のN−置換マレイミド単位からなる重合体セグメ
ントが、N−シクロヘキシルマレイミド、又はN−フェ
ニルマレイミド重合体から選択された少なくとも1つを
含むことを特徴とするものである。
【0026】また請求項16の発明は、請求項6乃至1
5のいずれかにおいて、(C)グラフト共重合体の配合
量が、(A)ポリカーボネート樹脂と(B)ABS系樹
脂の合計量100質量部に対して、0.5〜10質量部
であることを特徴とするものである。
【0027】また請求項17の発明は、請求項7乃至1
6のいずれかにおいて、(D)結晶性樹脂が、融点が1
50℃以上のものであることを特徴とするものである。
【0028】また請求項18の発明は、請求項7乃至1
7のいずれかにおいて、(D)結晶性樹脂が、溶融させ
たものを液体窒素中に急冷し、これをDSCを用いて、
昇温速度10℃/分で30℃〜300℃の範囲で測定し
た際の、結晶化開始温度が100℃以上のものであるこ
とを特徴とするものである。
【0029】また請求項19の発明は、請求項7乃至1
8のいずれかにおいて、(D)結晶性樹脂が、ポリエチ
レンテレフタレートであることを特徴とするものであ
る。
【0030】また請求項20の発明は、請求項7乃至1
9のいずれかにおいて、(D)結晶性樹脂の配合量が、
(A)ポリカーボネート樹脂と(B)ABS系樹脂の合
計量100質量部に対して、0.5〜10質量部である
ことを特徴とするものである。
【0031】また請求項21の発明は、請求項8乃至2
0のいずれかにおいて、(E)着色剤の配合量が、
(A)〜(G)の合計量中、2質量%以下であることを
特徴とするものである。
【0032】また請求項22の発明は、請求項9乃至2
1のいずれかにおいて、(F)ジエン系ゴム状重合体か
らなる内核とビニル系共重合体からなる最外殻を有する
多層構造重合体の配合量が、(A)ポリカーボネート樹
脂100質量部に対して、0.5〜30質量部であるこ
とを特徴とするものである。
【0033】また請求項23の発明は、請求項10乃至
22のいずれかにおいて、(G)結晶核剤が、タルク、
カオリン、マイカ、シリカ、ガラスビーズ、フレーク、
L/Dが50未満の無機繊維、ウイスカ−状無機充填材
から選択された少なくとも1つであることを特徴とする
ものである。
【0034】また請求項24の発明は、請求項10乃至
23のいずれかにおいて、(G)結晶核剤の配合量が、
(D)結晶性樹脂100質量部に対して、0.05〜1
0質量部であることを特徴とするものである。
【0035】また請求項25の発明は、請求項5乃至2
4のいずれかにおいて、スパイラルフロー金型(金型内
の流路断面の厚み0.8mm、幅6.0mm)に、シリ
ンダー温度300℃、射出圧力98.1MPa(100
0kg/cm2)、金型温度85℃の条件で射出成形し
たときの、成形されたスパイラル長さが80mm以上で
あることを特徴とするものである。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0037】本発明において、薄肉部を設けて成形した
メモリーカード成形品の表面にレーザーマーキングを行
なうにあたって、青色など有彩色(非黒色及び非白色、
つまり黒色及び白色を除く色)に着色したメモリーカー
ド成形品に白色のマーキングを、下地の有彩色と白色と
のコントラストが高く、またマーキング部分に凹凸が発
生しないように施すためには、非線形光学結晶を用いた
レーザー光を選択的に使用し、このレーザー光を照射し
てマーキングを行なうことが必要である。
【0038】ここで、非線形光学結晶とは、光と非線形
光学結晶の非線形相互作用によって基本周波数νのn倍
の周波数nν(nは整数)の光を発生するための結晶で
あり、具体的にはβ−BaB24、LiB35などがあ
る。非線形光学結晶を用いるレーザーとしては、次のも
のが知られている。すなわち基本波である第1次高調波
Nd;YAGレーザー(波長=1064nm)、第2次
高調波Nd;YAGレーザー(波長=532nm)、第
3次高調波Nd;YAGレーザー(波長=355n
m)、第4次高調波Nd;YAGレーザー(波長=26
6nm)、第2次高調波半導体レーザー(波長=429
nm等)などがある。
【0039】本発明ではこれらのうちレーザーの波長
が、第2次高調波Nd;YAGレーザー(波長=532
nm)を用いるものである。そして、有彩色に着色した
メモリーカード成形品の表面にこれらのYAGレーザー
の第2次高調波のレーザーを照射してマーキングを行な
うことによって、有彩色の下地に白色のマーキングをコ
ントラスト高く形成することができるものであり、特に
メモリーカード成形品の0.1〜1mm程度の厚みの薄
肉部にレーザーマーキングを行なうにあたって、マーキ
ング部分に凹凸が発生せず、触感の良好なマーキングを
施すことが可能になるものである。またメモリーカード
成形品の樹脂において、これらの波長に対するレーザー
の吸収が少なく、メモリーカード成形品の物性を低下さ
せることも殆どないものである。
【0040】ここで、メモリーカード成形品の表面にレ
ーザーマーキングを行なうにあたっては、レーザー光を
集光してメモリーカード成形品の表面に照射することに
よってポイント(ドットともいう)を形成し、レーザー
光をスキャンして移動させながら多数のポイントを形成
することによって、ポイントの集合体として文字、記
号、図形等を表現するようにしている。すなわち図3
(a)に示すように、レーザー光の照射によってドット
状のポイントPを形成し、矢印方向にレーザー光をスキ
ャンしながら多数のポイントPを連ねるように形成する
ことによって、多数のポイントPが一本の線として連続
するラインLを作成し、さらにレーザー光をスキャンし
ながらポイントPを連ねるように形成してラインLを作
成することによって、図3(b)に示すように複数本の
ラインLを並列させる。このようにポイントPを連ねた
ラインLによって文字、記号、図形等の形状を表現し、
このラインLを並列させることによって文字、記号、図
形等の太さを表現することができるものである。
【0041】ここで上記のようにYAGレーザーの第2
次高調波を使用してレーザーマーキングを行なう際に、
レーザーのスキャン速度、すなわちポイントをマーキン
グする速度は100〜600mm/secの範囲が好ま
しい。レーザーのスキャン速度が100mm/sec未
満であると鮮明なマーキングを得ることが難しくなり、
逆に600mm/secを超えるとメモリーカード成形
品の物性を低下させたり、マーキング部に極端な凹凸が
発生したりするおそれがある。また、レーザーパワー、
つまりYAGレーザーの発光強度は20〜30Aの範囲
が好ましい。レーザーパワーが20A未満であると鮮明
なマーキングを得ることが難しくなり、逆に30Aを超
えるとメモリーカード成形品の物性を低下させたり、マ
ーキング部に極端な凹凸が発生したりするおそれがあ
る。さらに、レーザーをQスイッチでパルス発振して照
射するにあたって、Qスイッチ発振周波数は、4〜12
kHzの範囲が好ましい。レーザーのQスイッチ発振周
波数が4kHz未満であると、鮮明なマーキングを得る
ことが難しくなり、逆に12kHzを超えるとメモリー
カード成形品の物性を低下させたり、マーキング部に極
端な凹凸が発生したりするおそれがある。また、ライン
間隔、つまりレーザーポイントの間隔は0.05〜0.
10mmであることが好ましい。ライン間隔が0.05
mm未満であると、レーザーの間隔が狭くなってレーザ
ーポイントが重なり合い、メモリーカード成形品に変形
が生じたり、焼けが生じたりする可能性がある。逆にラ
イン間隔が0.10mmを超えるとレーザーポイントの
間隔が広くなりすぎ、白色発色が弱くなるおそれがあ
る。
【0042】次に、本発明のレーザーマーキング方法で
マーキングを行なうのに適していると共に、上記のよう
な薄肉部を有するメモリーカード成形品を、図1のよう
な射出圧縮成形法で成形するのに適した熱可塑性樹脂組
成物について説明する。
【0043】すなわち、本発明で用いる熱可塑性樹脂組
成物は、(A)ポリカーボネート樹脂、(B)ABS系
樹脂を主成分とするものである。そしてさらに、(C)
ポリカーボネート系樹脂セグメント(a)に対して、ビ
ニル系樹脂セグメント(b)が、分岐、または架橋構造
的に化学結合したグラフト共重合体や、(D)結晶性樹
脂や、(E)熱重量分析における昇温10℃/分、温度
320℃における重量減少が3質量%以下である着色剤
や、及び(F)ジエン系ゴム状重合体からなる内核とビ
ニル系共重合体からなる最外殻を有する多層構造重合体
や、(G)結晶核剤を配合することもできるものであ
る。
【0044】本発明において用いられるポリカーボネー
ト樹脂(A)は、ジヒドロキシジアリールアルカンから
得られるものであり、任意に枝分かれしていてもよい。
このポリカーボネート樹脂は公知の方法により製造する
ことができるものであり、一般にヒドロキシ及び/又は
ポリヒドロキシ化合物をホスゲン又は炭酸のジエステル
と反応させることにより製造される。ジヒドロキシジア
リールアルカンはヒドロキシ基に関しオルトの位置にア
ルキル基、塩素原子又は臭素原子を有するものも含むも
のであり、ジヒドロキシジアリールアルカンの好ましい
具体例としては4,4′−ジヒドロキシ−2,2−ジフ
エニルプロパン(ビスフエノールA)、テトラメチルビ
スフエノールA、ビス−(4−ヒドロキシフエニル)−
p−ジイソフロピルベンゼン等を挙げることができる。
また分岐したポリカーボネート樹脂は、例えばヒドロキ
シ化合物の一部、例えば0.2〜2モル%をポリヒドロ
キシで置換することにより製造される。ポリヒドロキシ
化合物の具体例としては1,4−ビス−(4′,4,
2′−ジヒドロキシトリフエニルメチル)−ベンゼン、
フロログルシノール、4,6−ジメチル−2,4,6−
トリ−(4−ヒドロキシフエニル)−ヘプテン−2、
4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキ
シフエニル)−ヘプタン、1,3,5−トリ−(4−ヒ
ドロキシフエニル)−ベンゼン、1,1,1−トリ−
(4−ヒドロキシフエニル)−エタン、2,2−ビス
〔4,4−(4,4′−ジヒドロキシフエニル)−シク
ロヘキシル〕−プロパン等を挙げることができる。
【0045】ここで、ポリカーボネート樹脂(A)は、
MFR(メルトフローレート;JIS K 7210)
値が、測定温度280℃、荷重2.1kgの測定条件で
10g/分以上のものが好ましい。MFR値が10g/
分未満であると、流動性が不十分であって成形性が悪化
するおそれがある。またMFR値が100g/分を超え
ると、樹脂の機械的強度が低下し実用上使用できなくな
るおそれがあるので、MFR値が100g/分以下であ
ることが好ましい。
【0046】また本発明においてポリカーボネート樹脂
(A)は、−30℃におけるアイゾット衝撃強度が10
0J/m以上のものであることが好ましい。−30℃に
おけるアイゾット衝撃強度が100J/m未満である
と、メモリーカード成形品のヒートショック試験におい
て低温時にメモリーカード成形品にクラックが発生する
恐れがある。アイゾット衝撃強度の上限は特に設定され
るものではないが、−30℃におけるアイゾット衝撃強
度が1000J/mを超えるものは、流動性が低下し成
形性が悪化する恐れがあるので、好ましくない。
【0047】ポリカーボネート樹脂(A)は市販品を使
用することができるものであり、例えば、住友ダウ
(株)製の「カリバー」、三菱エンジニアリングプラス
チックス(株)製の「ユーピロン」、帝人化成(株)製
の「パンライト」等(いずれも商品名)を挙げることが
できる。
【0048】上記ポリカーボネート樹脂(A)は1種を
単独で用いる他、2種以上を混合して用いることができ
るものであり、ポリカーボネート樹脂(A)の配合量は
ポリカーボネート樹脂(A)と下記のABS系樹脂
(B)の合計中において、30〜90質量%の範囲にな
るように設定するのが好ましい。ポリカーボネート樹脂
(A)の配合量が30質量%未満では、耐熱性が不十分
になり、逆に90質量%を超える場合は、成形性や耐薬
品性等の点で劣るので、それぞれ好ましくない。
【0049】次に、本発明において用いられるABS系
樹脂(B)は、ゴム状重合体の存在下に、スチレン、α
−メチルスチレン等で代表される芳香族ビニル系単量
体、メタクリル酸メチル、アクリル酸メチル等で代表さ
れる(メタ)アクリル酸エステル系単量体、アクリロニ
トリル、メタクリロニトリル等で代表されるシアン化ビ
ニル系単量体、N−フェニルマレイミドで代表される
α,β−不飽和ジカルボン酸イミド系単量体などから選
ばれた少なくとも1種のビニル系単量体を、グラフト共
重合させて得られるものであり、その代表例としてはA
BS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹
脂、MBS(メチルメタクリレート−スチレン−ブタジ
エン)樹脂、AES(アクリロニトリル−エチレン−ス
チレン)樹脂などを挙げることができる。
【0050】ここでゴム状重合体としてはポリブタジエ
ンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム
(NBR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SB
R)等のジエン系ゴム、ポリブチルアクリレート、ポリ
プロピルアクリレート等のアクリル系ゴムおよびエチレ
ン−プロピレン−ジエン系ゴム(EPDM)等を用いる
ことができる。
【0051】またこのゴム状重合体にグラフト共重合せ
しめるビニル系単量体は芳香族ビニル系単量体0〜90
質量%、(メタ)アクリル酸エステル系単量体0〜10
0質量%およびシアン化ビニル系単量体及び/又はα,
β−不飽和ジカルボン酸イミド系単量体0〜40質量%
の割合が適当であり、この組成外においては耐衝撃性や
他の機械的性質が阻害される場合がある。ゴム状重合体
にグラフト共重合せしめるビニル系単量体の組合せとし
てはスチレン/アクリロニトリル、スチレン/メタクリ
ル酸メチル/アクリロニトリル、メタクリル酸メチル単
独、メタクリル酸メチル/アクリロニトリル、スチレン
/メタクリル酸メチル、α−メチルスチレン/メタクリ
ル酸メチル/アクリロニトリルなどが挙げられる。ただ
しABS系樹脂(A)におけるゴム状重合体とビニル系
単量体の割合は重要であり、ゴム状重合体5〜80質量
部、特に15〜70質量部の存在下に、ビニル系単量体
95〜20質量部、特に85〜30質量部(合計100
質量部)を重合することが必要である。ゴム状重合体の
割合が5質量部未満では得られるABS系樹脂の耐衝撃
性が不充分になり、また80質量部を超えると、得られ
るABS系樹脂の機械的性質が劣り、耐衝撃性改良効果
も発現しないため好ましくない。
【0052】ABS系樹脂(B)は、アイゾット衝撃強
度が、200J/m以上であるものが好ましい。アイゾ
ット衝撃強度が200J/m未満であると、組成物を成
形して得られたメモリーカード成形品の衝撃強度が不十
分になるおそれがある。アイゾット衝撃強度の上限値は
特に設定されるものではないが、実用上の上限は320
J/mである。尚、このアイゾット衝撃強度の数値は、
ASTM D256に従って、13mm×65mm×
6.4mmのアイゾット試験片(ノッチ付き)について
測定されたものである。
【0053】尚、上記のABS系樹脂(B)は乳化重
合、塊状重合および塊状−懸濁重合などの公知の重合法
により製造することができるものであるが、ABS系樹
脂としては上記のグラフト法によって得られたもののみ
ならず、グラフト・ブレンド法によって得られたものも
同様に使用できるものであり、この方法によって得られ
るABS系樹脂も同様に広く知られている。ABS系樹
脂(B)は市販品を使用することができるものであり、
例えば、日本エイアンドエル(株)製の「クララスチッ
ク」、「サンタック」、東レ(株)製の「トヨラック」
等(いずれも商品名)を挙げることができる。
【0054】上記のABS樹脂(B)は1種を単独で用
いる他、2種以上を混合して用いることができるもので
あり、ABS樹脂(B)の配合量は、ポリカーボネート
樹脂(A)とABS系樹脂(B)の合計中において、1
0〜70質量%の範囲になるように設定するのが好まし
い。ABS樹脂(B)の配合量が10質量%未満では、
成形性が悪化するおそれがあり、逆に70質量%を超え
る場合は、成形品の耐熱性が低下するおそれがある。
【0055】次に、本発明において使用されるグラフト
共重合体(C)は、ポリカーボネート系樹脂セグメント
(a)とビニル系樹脂セグメント(b)から構成される
ものであり、ポリカーボネート系樹脂セグメント(a)
にビニル系樹脂セグメント(b)が分岐、または架橋構
造的に化学結合したものである。
【0056】ポリカーボネート系樹脂セグメント(a)
には既述したポリカーボネート樹脂(A)と同じものを
使用することができる。このときのポリカーボネート樹
脂は粒径が0.1〜5mm程度の粉状又はペレット状で
あることが好ましい。粒径が0.1mm未満であると、
グラフト共重合体(C)を合成する際の作業性が低下
し、粒径が5mmを超えると、グラフト共重合体(C)
を合成する際の懸濁液中での分散が困難であるばかりで
なく、ビニル系樹脂セグメント(b)を構成するビニル
単量体等の含浸時間が長くなる問題が生じる。またポリ
カーボネート樹脂は多孔質であることが含浸する上でよ
り好ましい。
【0057】また、ビニル系樹脂セグメント(b)と
は、上記の一般式「化1」で示される繰り返し単位から
なる重合体セグメント、N−置換マレイミド単位からな
る重合体セグメント、α,β−不飽和酸のグリシジルエ
ステル単位からなる重合体セグメントであり、具体的に
は、スチレン、核置換スチレン、α−置換スチレンなど
の芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル単量体、(メ
タ)アクリル酸エステル単量体、マレイミド単量体から
選択される1種以上の単量体を重合して得られるビニル
系樹脂のことである。特に、芳香族ビニル単量体を50
質量%以上含むビニル系重合体は、相溶化効果が良好な
ために好ましい。
【0058】また、グラフト共重合体(C)において、
ビニル系樹脂セグメント(b)のN−置換マレイミド単
位からなる重合体セグメントとして、N−シクロヘキシ
ルマレイミド、又はN−フェニルマレイミド重合体から
選択された少なくとも1つを含むグラフト共重合体であ
るものが好ましい。このグラフト共重合体(C)は、耐
熱性が高いので好ましい。
【0059】さらにグラフト共重合体(C)において、
ビニル系樹脂セグメント(b)のα,β−不飽和酸のグ
リシジルエステル単位からなる重合体セグメントとして
は、メタクリル酸のグリシジルエステルの重合体を含む
グラフト共重合体が好ましい。このグラフト共重合体
(C)は、グリシジル基を有することで更に相溶性を高
めることができる為好ましい。
【0060】グラフト共重合体(C)中のビニル系樹脂
セグメント(b)の数平均重合度は好ましくは10〜5
000、さらに好ましくは100〜2000である。数
平均重合度が10未満であると、熱可塑性樹脂組成物を
成形して得られた成形品の耐衝撃性を向上させることは
可能であるが、耐熱性が低下するため好ましくない。ま
た、数平均重合度が5000を超えると、溶融粘度が高
くなり、成形性が低下したり、表面光沢が低下したりす
るために好ましくない。
【0061】またグラフト共重合体(C)において、ポ
リカーボネート系樹脂セグメント(a)とビニル系樹脂
セグメント(b)の比率は、ポリカーボネート系樹脂セ
グメントが好ましくは5〜95質量%、さらに好ましく
は30〜90質量%、最も好ましくは50〜80質量
%、従って、ビニル系樹脂は好ましくは95〜5質量
%、さらに好ましくは70〜10質量%、最も好ましく
は50〜20質量%である。ポリカーボネート系樹脂セ
グメントが5質量%未満あるいは95質量%を超える
と、グラフト共重合体(C)の相溶化能力が低下するた
め、耐衝撃性などの機械的物性や耐熱性が低下するとと
もに、外観が悪化して好ましくない。
【0062】そしてグラフト共重合体(C)の配合量
は、ポリカーボネート系樹脂(A)とABS系樹脂
(B)との合計量100質量部に対して0.5〜10質
量部が好ましく、さらに好ましくは1〜10質量部の範
囲である。グラフト共重合体(C)の配合量が0.5質
量部未満であると、ポリカーボネート系樹脂(A)とA
BS系樹脂(B)の相溶性が改善されにくく、層状剥離
を起こしたり、充分な衝撃強度が得られ難くなる。ま
た、グラフト共重合体(C)の配合量が100質量部を
超えると、機械的物性や耐熱性が低下するおそれがあ
り、好ましくない。従って、グラフト共重合体(C)の
配合量を0.5〜10質量部の範囲に設定することによ
り、ポリカーボネート系樹脂(A)とABS系樹脂
(B)の相溶性を改善して、熱可塑性樹脂組成物を成形
して得られる成形品の機械的物性や耐熱性、さらには成
形加工性や外観を効果的に改善することができるもので
ある。
【0063】上記のグラフト共重合体(C)を調製する
際のグラフト化法は、一般によく知られている連鎖移動
法、電離性放射線照射法等いずれの方法によってもよい
が、最も好ましいのは、下記に示す方法によるものであ
る。以下の方法によれば、グラフト効率が高く、熱によ
る二次的凝集が起こらないため、性能の発現がより効果
的であり、また製造方法が簡便であるからである。
【0064】すなわち、まず、ポリカーボネート系樹脂
粒子100質量部を水に懸濁せしめる。この懸濁液に、
別に調製した次の溶液を加える。この溶液はビニル単量
体の1種又は2種以上の混合物5〜99質量部に、下記
一般式「化3」又は「化4」で表されるラジカル重合性
有機過酸化物の1種又は2種以上の混合物を該ビニル単
量体100質量部に対して0.1〜10質量部と、10
時間の半減期を得るための分解温度が40〜90℃であ
るラジカル重合開始剤をビニル単量体とラジカル重合性
有機過酸化物との合計100質量部に対して0.01〜
5質量部とを溶解せしめたものである。
【0065】そして、ラジカル重合開始剤の分解が実質
的に起こらない条件で加熱し、ビニル単量体、ラジカル
重合性有機過酸化物及びラジカル重合開始剤をポリカー
ボネート系樹脂粒子中に含浸せしめる。次いで、この水
性懸濁液の温度を上昇せしめ、ビニル単量体とラジカル
重合性有機過酸化物とをポリカーボネート系樹脂粒子中
で共重合せしめて、グラフト化前駆体を得る。このグラ
フト化前駆体を直接ポリカーボネート樹脂(A)とAB
S系樹脂(B)と共に溶融混合してもよい。
【0066】また、グラフト化前駆体を150〜350
℃の溶融下、混練することにより、グラフト共重合体
(C)を得ることもできる。このとき、グラフト化前駆
体に、別にポリカーボネート系樹脂、ビニル系重合体又
はABS系樹脂を混合し、溶融下に混練してもグラフト
共重合体(C)を得ることができる。最も好ましいのは
グラフト化前駆体を混練し得られたグラフト共重合体
(C)である。
【0067】ここで、一般式「化3」で表されるラジカ
ル重合性有機過酸化物を次に示す。
【0068】
【化3】
【0069】(式中、R1は水素原子又は炭素数1〜2
のアルキル基、R2は水素原子又はメチル基、R3及びR
4はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基、R5は炭素数1
〜12のアルキル基、フェニル基、アルキル置換フェニ
ル基又は炭素数3〜12のシクロアルキル基を示す。m
は1又は2である。) また、一般式「化4」で表されるラジカル重合性有機過
酸化物を次に示す。
【0070】
【化4】
【0071】(式中、R6は水素原子又は炭素数1〜4
のアルキル基、R7は水素原子又はメチル基、R8及びR
9はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基、R10は炭素数
1〜12のアルキル基、フェニル基、アルキル置換フェ
ニル基又は炭素数3〜12のシクロアルキル基を示す。
nは0、1又は2である。) 上記の一般式「化3」で表されるラジカル重合性有機過
酸化物として、具体的には、t−ブチルペルオキシアク
リロイロキシエチルカーボネート;t−アミルペルオキ
シアクリロイロキシエチルカーボネート;t−ヘキシル
ペルオキシアクリロイロキシエチルカーボネート;1,
1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシアクリロイ
ロキシエチルカーボネート;クミルペルオキシアクリロ
イロキシエチルカーボネート;p−イソプロピルクミル
ペルオキシアクリロイロキシエチルカーボネート;t−
ブチルペルオキシメタクリロイロキシエチルカーボネー
ト;t−アミルペルオキシメタクリロイロキシエチルカ
ーボネート;t−ヘキシルペルオキシメタクリロイロキ
シエチルカーボネート;1,1,3,3−テトラメチル
ブチルペルオキシメタクリロイロキシエチルカーボネー
ト;クミルペルオキシメタクリロイロキシエチルカーボ
ネート;p−イソプロピルクミルペルオキシメタクリロ
イロキシエチルカーボネート;t−ブチルペルオキシメ
タクリロイロキシエチルカーボネート;t−アミルペル
オキシアクリロイロキシエトキシエチルカーボネート;
t−ヘキシルペルオキシアクリロイロキシエトキシエチ
ルカーボネート;1,1,3,3−テトラメチルブチル
ペルオキシアクリロイロキシエトキシエチルカーボネー
ト;クミルペルオキシアクリロイロキシエトキシエチル
カーボネート;p−イソプロピルクミルペルオキシアク
リロイロキシエトキシエチルカーボネート;t―ブチル
ペルオキシメタクリロイロキシエトキシエチルカーボネ
ート;t−アミルペルオキシメタクリロイロキシエトキ
シエチルカーボネート;t−ヘキシルペルオキシメタク
リロイロキシエトキシエチルカーボネート;1,1,
3,3−テトラメチルブチルペルオキシメタクリロイロ
キシエトキシエチルカーボネート;クミルペルオキシメ
タクリロイロキシエトキシエチルカーボネート;p−イ
ソプロピルクミルペルオキシメタクリロイロキシエトキ
シエチルカーボネート;t−ブチルペルオキシアクリロ
イロキシイソプロピルカーボネート;t−アミルペルオ
キシアクリロイロキシイソプロピルカーボネート;t−
ヘキシルペルオキシアクリロイロキシイソプロピルカー
ボネート;1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオ
キシアクリロイロキシイソプロピルカーボネート;クミ
ルペルオキシアクリロイロキシイソプロピルカーボネー
ト;p−イソプロピルクミルペルオキシアクリロイロキ
シイソプロピルカーボネート;t−ブチルペルオキシメ
タクリロイロキシイソプロピルカーボネート;t−アミ
ルペルオキシメタクリロイロキシイソプロピルカーボネ
ート;t−ヘキシルペルオキシメタクリロイロキシイソ
プロピルカーボネート;1,1,3,3−テトラメチル
ブチルペルオキシメタクリロイロキシイソプロピルカー
ボネート;クミルペルオキシメタクリロイロキシイソプ
ロピルカーボネート;p−イソプロピルクミルペルオキ
シメタクリロイロキシイソプロピルカーボネート等が例
示される。
【0072】また上記の一般式「化4」で表されるラジ
カル重合性有機過酸化物としては、t−ブチルペルオキ
シアリルカーボネート;t−アミルペルオキシアリルカ
ーボネート;t−ヘキシルペルオキシアリルカーボネー
ト;1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシア
リルカーボネート;p−メンタンペルオキシアリルカー
ボネート;クミルペルオキシアリルカーボネート;t−
ブチルペルオキシメタリルカーボネート;t−アミルペ
ルオキシメタリルカーボネート;t−ヘキシルペルオキ
シメタリルカーボネート;1,1,3,3−テトラメチ
ルブチルペルオキシメタリルカーボネート;p−メンタ
ンペルオキシメタリルカーボネート;クミルペルオキシ
メタリルカーボネート;t−ブチルペルオキシアリロキ
シエチルカーボネート;t−アミルペルオキシアリロキ
シエチルカーボネート;t−ヘキシルペルオキシアリロ
キシエチルカーボネート;t−ブチルペルオキシメタリ
ロキシエチルカーボネート;t−アミルペルキシメタリ
ロキシエチルカーボネート;t―ヘキシルペルオキシメ
タリロキシエチルカーボネート;t−ブチルペルオキシ
アリロキシイソプロピルカーボネート;t−アミルペル
オキシアリロキシイソプロピルカーボネート;t−ヘキ
シルペルオキシアリロキシイソプロピルカーボネート;
t−ブチルペルオキシメタリロキシイソプロピルカーボ
ネート;t−アミルペルオキシメタリロキシイソプロピ
ルカーボネート;t−ヘキシルペルオキシメタリロキシ
イソプロピルカーボネート等が例示される。
【0073】中でも好ましい化合物は、t−ブチルペル
オキシアクリロイロキシエチルカーボネート;t−ブチ
ルペルオキシメタクリロイロキシエチルカーボネート;
t−ブチルペルオキシアリルカーボネート;t−ブチル
ペルオキシメタリルカーボネートである。
【0074】また、グラフト共重合体(C)としては、
熱重量分析において、昇温10℃/分、温度330℃で
の質量減少が、5質量%以下であるものが望ましい。こ
れは、質量減少が5質量%を超えるものであると、材料
溶融混練時や成形時に揮発分により成形性が悪化するお
それがあるためである。質量減少は小さい程好ましく、
理想的には0質量%であるが、実用上の下限は0.1質
量%である。このようなグラフト共重合体(C)として
は、日本油脂(株)製の「モディパー」として市販され
ているものを使用することができる。
【0075】次に、本発明で(D)成分として用いる結
晶性樹脂は、融点150℃以上のものが使用される。耐
熱性を高く得る点で融点が150℃以上であることが好
ましいのである。結晶性樹脂(D)はポリカーボネート
樹脂(A)とABS系樹脂(B)と併用して使用される
ため、融点が高すぎると成形温度が高くなって樹脂の分
解が生じるので、結晶性樹脂(D)は350℃以下であ
ることが好ましい。
【0076】この結晶性樹脂(D)として具体的には、
ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート、シンジオタクチック構造を有す
るポリスチレン共重合体等などを用いることができ、こ
れらを1種単独で用いる他、複数種を併用することもで
きる。特に好ましいのは、溶融させたものを液体窒素中
に急冷したサンプルを、DSC(Differential Scannin
g Calorimeter;差動走査熱量計)を用いて10℃/分の
昇温速度30℃〜300℃の範囲で測定した際に、結晶
化開始温度が100℃以上で観察されるものである。こ
のように100℃以上で結晶化温度が観察されるもの
は、実際の成形時において、金型中での溶融状態が長く
なり射出圧縮成形方法において外観良好な成形品を得る
ことができるものである。結晶性樹脂(D)として最も
好ましいのは、結晶化の遅いポリエチレンテレフタレー
トである。これらは市販品を使用することができる。
【0077】結晶性樹脂(D)の配合量は、ポリカーボ
ネート樹脂(A)とABS系樹脂(B)の合計量100
質量部に対して、0.5〜10質量部の範囲が好まし
い。結晶性樹脂(D)の配合量が0.5質量部未満で
は、成形性の向上の効果を十分に得ることができず、逆
に10質量部を超える場合は、成形品の外観が悪化する
傾向がある。
【0078】次に、本発明で(E)成分として用いる着
色剤としては、熱重量分析における昇温10℃/分の条
件で、温度320℃まで加熱したときの重量減少が3質
量%以下であることが必須である。この重量減少が3質
量%を超える着色剤を用いると、メモリーカード成形品
の外観を悪化させるおそれがあり、またメモリーカード
成形品の強度を低下させてしまうおそれがある。着色剤
の重量減少は小さい程好ましく、理想的には0質量%で
あるが、実用上の下限は0.05質量%である。
【0079】本発明において着色剤(E)としては、熱
重量分析において昇温10℃/分、温度320℃におけ
る重量減少が3質量%以下である条件を満たせば、公知
の各種の顔料又は染料を使用することができるものであ
り、例えば、赤口黄鉛等の橙色顔料、弁柄等の赤色染顔
料、コバルトバイオレット等の紫色染顔料、コバルトブ
ルー等の青色染顔料、フタロシアニングリーン等の緑色
染顔料等を使用することができる。更に、最新顔料便覧
(日本顔料技術協会編、昭和52年発行)を参考にして
適宜選択して使用することができるものである。
【0080】この着色剤(E)の配合量は、(A)〜
(G)の各成分の合計量中で2質量%以下であることが
好ましい。特に好ましいのは、(A)〜(G)の各成分
の合計量中で1質量%以下である。着色剤(E)成分の
配合量が2質量%を超える場合は、メモリーカード成形
品の外観を悪化させるおそれがあり、またメモリーカー
ド成形品の強度を低下させてしまうおそれがある。着色
剤の配合量の下限は特に設定されないが、少な過ぎると
メモリーカード成形品を着色する目的が達成されないの
で、0.1質量%以上配合するのが好ましい。
【0081】次に、本発明で(F)成分として用いる、
ジエン系ゴム状重合体からなる内核とビニル系共重合体
からなる最外殻を有する多層構造重合体は、例えば、先
の段階の重合体を後の段階の重合体が順次被覆するよう
な連続した多段階シード重合によって製造されるコア/
シェル構造の重合体であり、基本的な重合体構造は、ガ
ラス転移温度の低いジエン系ゴム状重合体からなるコア
と樹脂組成物におけるマトリックスとの接着性を改善す
るビニル系共重合体からなる最外殻のシェルを有する多
層構造重合体である。
【0082】ここで、内核を形成するジエン系ゴム状重
合体におけるゴム成分としては、ポリブタジエン、スチ
レン−ブタジエン共重合体、ポリイソプレン、ブタジエ
ン−イソプレン共重合体、エチレン−プロピレン共重合
体等を挙げることができるものであり、これらのなかで
もポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体がよ
り好ましい。
【0083】また最外殻を形成するビニル系共重合体と
しては、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルス
チレン、m−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレ
ン、エチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン等
の核アルキル置換スチレン、α−メチルスチレン、α−
メチル−p−メチルスチレン等のα位アルキル置換スチ
レン、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート等
のメタクリル酸エステル、アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル等の不飽和ニトリル化合物、無水マレイン酸
等の酸無水物等の単独重合体および共重合体を挙げるこ
とができるものであり、これらのなかでもアルキル(メ
タ)アクリレート系重合体がより好ましい。
【0084】ジエン系ゴム状重合体からなる内核とビニ
ル系共重合体からなる最外殻を有する多層構造重合体
(F)の配合量は、ポリカーボネート樹脂(A)100
質量部に対し、0.5〜30質量部の範囲が好ましく、
より好ましくは0.5〜10質量部であり、さらに好ま
しくは1〜5質量部である。配合量が1質量部未満、特
に0.5質量部未満であると、メモリーカード成形品の
衝撃強度が低下し易くなり、逆に10質量部を超える
と、特に30重量部を超えるとメモリーカード成形品の
耐熱性が低下し易くなる。
【0085】次に、本発明で(G)成分として用いる結
晶核剤としては、タルク、マイカ、カオリン、ガラスビ
ーズ、珪藻土、シリカ、炭酸カルシウム、フレーク、L
/D(Lは平均長さ、Dは平均直径)<50の無機繊
維、ウイスカー状無機充填材などを挙げることができ、
これらは1種単独で用いる他、複数種を併用することも
できる。結晶核剤(E)は粒径が50μm以下のものが
好ましい。これらの無機粉末である結晶核剤(E)は市
販のカップリング剤で処理をしておいてもよい。
【0086】上記のタルクとしては、焼成タルクや酸処
理タルクが好ましい。また無機繊維として、ガラスファ
イバー、ミルドファイバーなどを挙げることができるも
のであり、これらは市販品を使用できる。さらにウイス
カー状無機充填材としては、例えば四国化成工業(株)
製の「アルボレックス」、松下アムテック(株)製の
「パナテトラ」などを挙げることができる。このウイス
カー状無機充填材の中では、酸化亜鉛ウイスカーが特に
好ましい。この酸化亜鉛ウイスカーの中でも、3次元構
造を有するものが好ましい。3次元構造とは、核部とこ
の核部から異なる複数軸方向に伸びた針状結晶部とから
なるものをいい、前記針状結晶部の基部の径が、0.3
〜14μmであり、基部から先端までの長さが3〜20
0μmであるものが好ましく用いられる。これらは、p
Hが中性付近の為、ポリカーボネート樹脂の分子量低下
等を引き起こし難いので適している。
【0087】結晶核剤(G)の配合量は、結晶性樹脂
(D)100質量部に対して、0.05〜10質量部の
範囲が好ましい。結晶核剤(G)の配合量が0.05質
量部満では、結晶核剤(G)の添加によって得られる、
成形時にメモリーカード成形品の外観に変形が生じるこ
とを防止する効果を十分に得ることができず、逆に10
質量部を超える場合は、成形時の外観が低下する傾向が
ある。
【0088】本発明の熱可塑性樹脂組成物には、必要に
応じて、本発明の目的を損なわない限り、他の合成樹
脂、エラストマー、酸化防止剤、結晶化促進剤、カップ
リング剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤等を配合すること
ができる。合成樹脂やエラストマーとしては、例えば、
ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオキシメ
チレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリ塩化ビニリ
デン樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリアミド樹脂
(ナイロン6樹脂、ナイロン66樹脂、ナイロン610
樹脂 、共重合ナイロン樹脂)、ポリアリレート樹脂、
ポリスルフォン樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポ
リフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルエーテルケト
ン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹
脂、ポリイミド樹脂、ポリスチレン樹脂、AS樹脂、石油
樹脂、石炭樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエーテルニトリ
ル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、エポキシ樹
脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等
の合成樹脂やポリオレフィンゴム、オレフィン系共重合
体、水素添加ゴム等のエラストマーを挙げることができ
る。これらは、2種類以上を混合して使用することがで
きる。
【0089】また酸化防止剤としては、リン系酸化防止
剤、フェノール系酸化防止剤等があげられる。また、こ
れらは、単独で使用しても良いし、2種類以上を混合し
て使用することができる。
【0090】またカップリング剤としては、シラン系化
合物、チタネート系化合物、アルミニウム系化合物等が
あげられ、特にシラン系化合物が好ましい。シラン系と
しては、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−
β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチ
ルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシ
シラン等のアミノシラン、γ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエト
キシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エ
チルトリメトキシシラン等のエポキシシラン、p−スチ
リルトリメトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、ビ
ニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、ビニルトリ
メトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシラン等のビニルシラ
ン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメ
ルカプトシラン、イミダゾールシラン、更に、エポキシ
系、アミノ系、ビニル系の高分子タイプのシラン等があ
る。また、これらは、単独で使用しても良いし、2種類
以上を混合して使用することができる。
【0091】本発明に係る熱可塑性樹脂組成物を製造す
るにあたっては、上記の各成分をヘンシェルミキサー等
の混合機で混合・混練し、これをペレタイズすることに
よって行なうことができるが、予め必要成分の一部をマ
スターバッチ化して混合・混練した後、他の成分を加え
てエクストルーダ等の混練機で再度混練し、これをペレ
タイズすることによっても行なうことができる。後者の
方法では、まず結晶性樹脂(D)と結晶核剤(G)の成
分を混練し、この後、この混練物をポリカーボネート樹
脂(A)、ABS樹脂(B)、グラフト共重合体
(C)、着色剤(E)など他の成分と共に二度めの混練
をするようにするのが好ましい。結晶性樹脂(D)と結
晶核剤(G)を先に混合しておくことによって、結晶性
樹脂(D)と結晶核剤(G)の分散性を向上させること
ができるものである。
【0092】このようにして得られる熱可塑性樹脂組成
物の成形の際の流動性は、スパイラルフロー試験によっ
て評価することができるが、スパイラルフロー金型(金
型内のスパイラル流路の断面の厚み0.8mm、幅6.
0mm)に、シリンダー温度300℃、射出圧力98.
1MPa(1000kg/cm2)、金型温度85℃の
条件で射出成形したときに、成形されるスパイラル長さ
が80mm以上であることが好ましい。スパイラル長さ
が80mm未満であると、流動性が不十分であって良好
な成形性を得ることができない。しかし、スパイラル長
さが500mm以上である場合には、得られた成形品は
機械的強度が低下して実用上使用できなくなるおそれが
あるので、これが上限である。
【0093】そして上記のようにして調製した熱可塑性
樹脂組成物を用い、既述の図1の方法で射出圧縮成形を
行なうことによって、薄肉部を有するメモリーカード成
形品を作製することができるものである。
【0094】また、上記の熱可塑性樹脂組成物からなる
メモリーカード成形品に対し、薄肉部などその所望位置
に前述した特定の選択されたレーザー光を照射するだけ
で、容易に下地の色とコントラストが高く凹凸のほとん
どないマーキングを得ることがきるものである。ここ
で、所望の形状のマーキングを行うためには、例えば、
図3に示すような、レーザー光を適当な大きさのスポッ
トにしてメモリーカード成形品の表面を走査させる方法
の他に、レーザー光をマスクに通すことによって所望の
パターン形状のレーザー光とし、これをメモリーカード
成形品の表面に照射する方法等を採用することができ
る。
【0095】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
する。
【0096】(実施例1〜45、比較例1〜6)ポリカ
ーボネート樹脂、ABS系樹脂、グラフト共重合体、結
晶性樹脂、着色剤、多層構造重合体、結晶核剤として、
下記のものを用い、表1〜表6に示す配合量で、まず結
晶性樹脂と結晶核剤とを混練した後、さらにこれに他の
成分を配合して溶融混練し、熱可塑性樹脂組成物を得
た。 ○ポリカーボネート樹脂(PC樹脂) ・樹脂A:ポリカーボネート樹脂(住友ダウ(株)製
「カリバー(品番301−15)」、MFR:15g/
分(280℃/2.1kg)、−30℃アイゾット衝撃
強度750J/m)) ・樹脂B:ポリカーボネート樹脂(住友ダウ(株)製
「カリバー(品番301−30)」、MFR:30g/
分(280℃/2.1kg)、−30℃アイゾット衝撃
強度170J/m)) ・樹脂C:ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリン
グプラスチック(株)製「ユーピロン(品番H400
0)」、MFR:70g/分(280℃/2.1k
g))、−23℃アイゾット衝撃強度110J/m) ・樹脂D:ポリカーボネート樹脂(住友ダウ(株)製
「カリバー(品番401−30)」、MFR:30g/
分(280℃/2.1kg)、−30℃アイゾット衝撃
強度294J/m) ○ABS系樹脂 ・樹脂A:日本エイアンドエル(株)製「クララステッ
ク(品番GA501)」(23℃アイゾット衝撃強度2
94J/m) ・樹脂B:日本エイアンドエル(株)製「クララステッ
ク(品番GA704)」(23℃アイゾット衝撃強度2
45J/m) ・樹脂C:日本エイアンドエル(株)製「サンタック
(品番AT08)」(23℃アイゾット衝撃強度137
J/m) ○結晶性樹脂 ・樹脂A:ポリエチレンテレフタレート(PET)(ク
ラレ(株)製「クラペット(品番KL236R)」、融
点260℃、結晶化温度139℃) ・樹脂B:ポリアセタール(POM)(三菱エンジニア
リングプラスチック(株)製「ユピタール(品番F4
0)」、融点165℃) ・樹脂C:シンジオタクチックポリスチレン(SPS)
(出光石油化学(株)製「ザレック(品番S10
0)」、融点270℃、結晶化温度150℃) ・樹脂D:ポリブチレンテレフタレート(PBT)(三
菱レイヨン(株)製「タフペット(品番N130
0)」、融点230℃) ○着色剤 ・着色剤A:青色着色剤(山陽化工(株)製「(品番C
Y−S2772H)」、重量減少2.40質量%) ・着色剤B:青色着色剤(山陽化工(株)製「(品番C
Y−S2790H)」、重量減少2.49質量%) ○多層構造重合体 ・多層構造重合体A:メタクリル酸アルキル/ブタジエ
ン/スチレン共重合体(三菱レイヨン(株)製「メタブ
レン C223A」) ○結晶核剤 ・核剤A:タルク(林化成(株)製「ミクロンホワイト
(品番5000R)」、平均粒径2.8μm) ・核剤B:焼成タルク(富士タルク(株)製「品番ST
100」、平均粒径6μm、pH8.6) ・核剤C:酸性処理タルク(日本タルク(株)製「品番
ROSE TALC」、平均粒径15μm、pH7.
5) ・核剤D:カオリン(富士タルク(株)製「品番特月中
和」、平均粒径3μm、pH8.4) ・核剤E:マイカ(林化成(株)製「品番#800
0)」、平均粒径5μm) ・核剤F:酸化亜鉛ウイスカ(松下アムテック(株)製
「パナテトラ(品番WZ0501)」、針状短繊維長2
〜50μm、針状短繊維径0.2〜3μm) ・核剤G:ウイスカ(四国化成工業(株)製「アルボレ
ックス(品番M20)」、平均繊維長20μm、平均繊
維径0.75μm) ○グラフト共重合体 ・共重合体A:ポリカーボネート−ポリスチレングラフ
ト共重合体(日本油脂(株)製流動性改善グレード「モ
ディパ(品番C L150D)」、PC/PS=50/
50、重量減少1.2質量%) ・共重合体B:ポリカーボネート−アクリロニトリルス
チレングラフト共重合体(日本油脂(株)製「モディパ
(品番C L430D)」、PC/AS=70/30
(質量比、以下同じ)、重量減少1.5質量%、MFR
3g/分) ・共重合体C:ポリカーボネート−アクリロニトリルス
チレングラフト共重合体(日本油脂(株)製「モディパ
(品番C H430D)」、PC/AS=70/30、
重量減少1.2質量%、MFR5g/分) ・共重合体D:ポリカーボネート−アクリロニトリルス
チレン−フェニルマレイミドグラフト共重合体(日本油
脂(株)製「モディパ試作品」、PC/AS/PMI=
70/25/5、重量減少1.0質量%、MFR5g/
分) ・共重合体E:ポリカーボネート−アクリロニトリルス
チレン−シクロヘキシルマレイミドグラフト共重合体
(日本油脂(株)製「モディパ試作品」、PC/AS/
CHMI=70/25/5、重量減少1.0質量%) ・共重合体G:ポリカーボネート−アクリロニトリルス
チレン−グリシジルメタクリレートグラフト共重合体
(日本油脂(株)製「モディパ試作品)」、PC/AS
/GMA=70/25/5、重量減少1.1質量%) そして上記のようにして得た熱可塑性樹脂組成物を成形
材料として用い、図1のようにして射出圧縮成形するこ
とによって、図2のような成形品を作製した。
【0097】(評価) (1)薄肉成形性 図2に示す、寸法が20mm×20mm×厚み0.15
mm、外周部分の厚みが2mmの薄肉成形品を10個射
出圧縮成形し、外観を観察して変形の認められる成形品
の個数をカウントすることによって、薄肉の成形性を評
価した。結果を表1〜表6に示す。
【0098】(2)流動性 スパイラルフロー金型(金型内の流路断面の厚み0.8
mm、幅6.0mm)に、シリンダー温度300℃、射
出圧力98.1MPa(1000kg/cm2)、金型
温度85℃の条件で射出成形を行ない、成形されたスパ
イラル長さを測定し、流動性の指標として評価した。結
果を表1〜表6に示す。
【0099】(3)熱変形温度 ASTM D648に従って、1.82MPaの条件で
評価した。結果を表1〜表6に示す。
【0100】(4)ノッチ付きアイゾット衝撃強度 ASTM D256に従って、13mm×65mm×
3.2mmのアイゾット衝撃試験片(ノッチ付き)を成
形し、これを23℃で評価した。結果を表1〜表6に示
す。
【0101】(5)レーザーマーキング性 薄肉成形性評価で用いた試験片の薄肉部に、LD励起レ
ーザーマーカー(ロフィン丸紅レーザー(株)製「RS
M106D−SHG」、印字範囲15×15mm)によ
って、波長532nmの第2次高調波Nd;YAGレー
ザー(可視光)を照射し、あるいはLD励起レーザーマ
ーカー(ロフィン丸紅レーザー(株)製「RSM106
D」、印字範囲15×15mm)によって、波長106
4nmの第1次高調波Nd;YAGレーザー(可視光)
を照射してマーキングを行なった。照射したレーザーの
種類、レーザー照射時のスキャン速度(Scan)、レーザ
ーパワー(Power)、Qスイッチ発振周波数(Freq)、
ライン間隔(Line)の各条件を表1〜表6に示す。
【0102】マーキングの評価は、マーキング個所の凹
凸の有無、白色マーキング性によって行なった。ここ
で、マーキング箇所の凹凸の有無は、目視観察で判定
し、(凹凸有りのサンプル数)/(全サンプル数)とし
て評価した。また白色マーキング性は、目視で判定し、
鮮明に白い場合は「○」、白い場合は「△」、灰色又は
こげ茶色の場合は「×」と評価した。結果を表1〜表6
に示す。
【0103】
【表1】
【0104】
【表2】
【0105】
【表3】
【0106】
【表4】
【0107】
【表5】
【0108】
【表6】
【0109】表1〜表6にみられるように、各実施例の
熱可塑性樹脂組成物は、流動性が良好であって、薄肉成
形性が良く、また熱変形温度が高く、耐熱性に優れると
共に耐衝撃強度も高いものであった。
【0110】また各実施例のものは、マーキング部の凹
凸が殆どなくコントラストの高い白色系の発色マーキン
グが達成されているものであった。
【0111】
【発明の効果】上記のように本発明に係るメモリーカー
ド成形品のレーザーマーキング方法は、熱可塑性樹脂組
成物を成形して得られる下地が有彩色のメモリーカード
成形品にレーザーを照射して白色発色のレーザーマーキ
ング加工を施すにあたって、YAGレーザーの第2次高
調波を照射してレーザーマーキングを行なうようにした
ので、薄肉部を有するメモリーカード成形品の有彩色の
下地に白色のマーキングを、凹凸を生じさせることなく
コントラスト高く形成することができるものである。
【0112】また本発明に係るメモリーカード成形品用
熱可塑性樹脂組成物は、(A)ポリカーボネート樹脂、
(B)ABS系樹脂を主成分とし、さらに(C)ポリカ
ーボネート系樹脂セグメント(a)に対して、ビニル系
樹脂セグメント(b)が、分岐、または架橋構造的に化
学結合したグラフト共重合体、(D)結晶性樹脂、
(E)熱重量分析における昇温10℃/分、温度320
℃における重量減少が3質量%以下である着色剤、及び
(F)ジエン系ゴム状重合体からなる内核とビニル系共
重合体からなる最外殻を有する多層構造重合体、(G)
結晶核剤を配合したものであるから、流動性が良好であ
って、薄肉部を成形性良く成形してメモリーカード成形
品を得ることができるものであり、また熱変形温度が高
くて耐熱性に優れると共に耐衝撃強度も高いメモリーカ
ード成形品を得ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】射出圧縮成形工法を工程順に示す説明図であ
り、(A)は概略平面図、(B)は概略断面図である。
【図2】実施例及び比較例で成形した薄肉成形品の形状
及び寸法を示すものであり、(a)は平面図、(b)は
断面図である。
【図3】レーザーマーキングを示すものであり、
(a),(b)はそれぞれ拡大図である。
【符号の説明】
1 成形金型 2 キャビティ 3 コア 4 ゲート 5 成形材料
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 55/02 C08L 55/02 69/00 69/00 101/00 101/00 G06K 19/077 G06K 19/00 K (72)発明者 大津 正明 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 Fターム(参考) 4E068 AB01 CA01 CA02 CA04 CA08 CD06 CE03 DA09 4J002 AA004 BC034 BN145 BN15X BN173 CB004 CF064 CF074 CG00W DE107 DJ027 DJ037 DJ047 DJ057 DK007 DL007 FA017 FA037 FA087 FD096 FD207 GS00 4J026 AB17 AC10 AC15 BA05 BA27 BA29 BA31 BA38 DB05 DB15 DB29 DB32 DB40 GA01 GA09 5B035 AA00 BB04 BC00

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂組成物を成形して得られる
    下地が有彩色のメモリーカード成形品にレーザーを照射
    して白色発色のレーザーマーキング加工を施すにあたっ
    て、YAGレーザーの第2次高調波を照射してレーザー
    マーキングを行なうことを特徴とするメモリーカード成
    形品のレーザーマーキング方法。
  2. 【請求項2】 レーザー光の照射でドットを形成すると
    共にレーザー光のスキャンでこのドットを連ねることに
    よってレーザーマーキングを行なうにあたって、スキャ
    ン速度を100〜600mm/sec、レーザーパワー
    としてのYAGレーザーの発光強度を20〜30A、Q
    スイッチ発振周波数を4〜12kHz、ドットを結ぶラ
    インの間隔を0.05〜0.10mmに設定して、レー
    ザーマーキングを行なうことを特徴とする請求項1に記
    載のメモリーカード成形品のレーザーマーキング方法。
  3. 【請求項3】 メモリーカード成形品はレーザーマーキ
    ングを施す薄肉部の厚みが0.1〜1.0mmであるこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載のメモリーカード
    成形品のレーザーマーキング方法。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載のレー
    ザーマーキング方法でマーキングが形成されて成ること
    を特徴とするメモリーカード成形品。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載の熱可
    塑性樹脂組成物であって、(A)ポリカーボネート樹
    脂、(B)ABS系樹脂を含有して成ることを特徴とす
    るメモリーカード用熱可塑性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 (C)ポリカーボネート系樹脂セグメン
    ト(a)に対して、ビニル系樹脂セグメント(b)が、
    分岐、または架橋構造的に化学結合したグラフト共重合
    体を含有して成ることを特徴とする請求項5に記載のメ
    モリーカード用熱可塑性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 (D)結晶性樹脂を含有して成ることを
    特徴とする請求項5又は6に記載のメモリーカード用熱
    可塑性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 (E)熱重量分析における昇温10℃/
    分、温度320℃における重量減少が3質量%以下であ
    る着色剤を含有して成ることを特徴とする請求項5乃至
    7のいずれかに記載のメモリーカード用熱可塑性樹脂組
    成物。
  9. 【請求項9】 (F)ジエン系ゴム状重合体からなる内
    核とビニル系共重合体からなる最外殻を有する多層構造
    重合体を含有して成ることを特徴とする請求項5乃至8
    のいずれかに記載のメモリーカード用熱可塑性樹脂組成
    物。
  10. 【請求項10】 (G)結晶核剤を含有して成ることを
    特徴とする請求項5乃至9のいずれかに記載のメモリー
    カード用熱可塑性樹脂組成物。
  11. 【請求項11】 (A)ポリカーボネート樹脂が、測定
    温度280℃、荷重2.1kgでのMFR値が10g/
    分以上のものであることを特徴とする請求項5乃至10
    のいずれかに記載のメモリーカード用熱可塑性樹脂組成
    物。
  12. 【請求項12】 (A)ポリカーボネート樹脂と(B)
    ABS系樹脂の合計量中、(A)ポリカーボネート樹脂
    を30〜90質量%、(B)ABS系樹脂を70〜10
    質量%含有して成ることを特徴とする請求項5乃至11
    のいずれかに記載のメモリーカード用熱可塑性樹脂組成
    物。
  13. 【請求項13】 (C)グラフト共重合体において、ポ
    リカーボネート系樹脂セグメント(a)とビニル系樹脂
    セグメント(b)の比率が、ポリカーボネート系樹脂セグ
    メント(a)が5〜95質量%、ビニル系樹脂セグメン
    ト(b)が95〜5質量%であることを特徴とする請求項
    6乃至12のいずれかに記載のメモリーカード用熱可塑
    性樹脂組成物。
  14. 【請求項14】 (C)グラフト共重合体において、ビ
    ニル系樹脂セグメント(b)が、下記一般式「化1」で
    示される繰り返し単位からなる重合体セグメント、又は
    N−置換マレイミド単位からなる重合体セグメント、又
    はα,β−不飽和酸のグリシジルエステル単位からなる
    重合体セグメントであることを特徴とする請求項6乃至
    13のいずれかに記載のメモリーカード用熱可塑性樹脂
    組成物。 【化1】 (ただし、R1は水素、またはC数1〜3の低級アルキ
    ル基、X1は、−COOCH3、−COOC2H5、−COOC4H9、−COO
    CH2CH(C2H5)C4H9、−C6H5、−CNから選ばれた1種また
    は2種以上の基を表す。)
  15. 【請求項15】 (C)グラフト共重合体において、ビ
    ニル系樹脂セグメント(b)のN−置換マレイミド単位
    からなる重合体セグメントが、N−シクロヘキシルマレ
    イミド、又はN−フェニルマレイミド重合体から選択さ
    れた少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項14
    に記載のメモリーカード用熱可塑性樹脂組成物。
  16. 【請求項16】 (C)グラフト共重合体の配合量が、
    (A)ポリカーボネート樹脂と(B)ABS系樹脂の合
    計量100質量部に対して、0.5〜10質量部である
    ことを特徴とする請求項6乃至15のいずれかに記載の
    メモリーカード用熱可塑性樹脂組成物。
  17. 【請求項17】 (D)結晶性樹脂が、融点が150℃
    以上のものであることを特徴とする請求項7乃至16の
    いずれかに記載のメモリーカード用熱可塑性樹脂組成
    物。
  18. 【請求項18】 (D)結晶性樹脂が、溶融させたもの
    を液体窒素中に急冷し、これをDSCを用いて、昇温速
    度10℃/分で30℃〜300℃の範囲で測定した際
    の、結晶化開始温度が100℃以上のものであることを
    特徴とする請求項7乃至17のいずれかに記載のメモリ
    ーカード用熱可塑性樹脂組成物。
  19. 【請求項19】 (D)結晶性樹脂が、ポリエチレンテ
    レフタレートであることを特徴とする請求項7乃至18
    のいずれかに記載のメモリーカード用熱可塑性樹脂組成
    物。
  20. 【請求項20】 (D)結晶性樹脂の配合量が、(A)
    ポリカーボネート樹脂と(B)ABS系樹脂の合計量1
    00質量部に対して、0.5〜10質量部であることを
    特徴とする請求項7乃至19のいずれかに記載のメモリ
    ーカード用熱可塑性樹脂組成物。
  21. 【請求項21】 (E)着色剤の配合量が、(A)〜
    (G)の合計量中、2質量%以下であることを特徴とす
    る請求項8乃至20のいずれかに記載のメモリーカード
    用熱可塑性樹脂組成物。
  22. 【請求項22】 (F)ジエン系ゴム状重合体からなる
    内核とビニル系共重合体からなる最外殻を有する多層構
    造重合体の配合量が、(A)ポリカーボネート樹脂10
    0質量部に対して、0.5〜30質量部であることを特
    徴とする請求項9乃至21のいずれかに記載のメモリー
    カード用熱可塑性樹脂組成物。
  23. 【請求項23】 (G)結晶核剤が、タルク、カオリ
    ン、マイカ、シリカ、ガラスビーズ、フレーク、L/D
    が50未満の無機繊維、ウイスカ−状無機充填材から選
    択された少なくとも1つであることを特徴とする請求項
    10乃至22のいずれかに記載のメモリーカード用熱可
    塑性樹脂組成物。
  24. 【請求項24】 (G)結晶核剤の配合量が、(D)結
    晶性樹脂100質量部に対して、0.05〜10質量部
    であることを特徴とする請求項10乃至23のいずれか
    に記載のメモリーカード用熱可塑性樹脂組成物。
  25. 【請求項25】 スパイラルフロー金型(金型内の流路
    断面の厚み0.8mm、幅6.0mm)に、シリンダー
    温度300℃、射出圧力98.1MPa(1000kg
    /cm2)、金型温度85℃の条件で射出成形したとき
    の、成形されたスパイラル長さが80mm以上であるこ
    とを特徴とする請求項5乃至24のいずれかに記載のメ
    モリーカード用熱可塑性樹脂組成物。
JP2002121393A 2002-04-23 2002-04-23 メモリーカード成形品のレーザーマーキング方法、メモリーカード成形品、メモリーカード用熱可塑性樹脂組成物の流動性評価方法 Expired - Fee Related JP4134590B2 (ja)

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