JP2019026714A - カーボネート−オレフィン系共重合体 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリカーボネートが有する優れた特性を保持しつつ、優れた耐擦傷性を示すカーボネート−オレフィン系共重合体、及びこれを含む成形品を提供する。
【解決手段】ポリカーボネートブロックと、オレフィン系重合体ブロックと、特定の構成単位とを有する、カーボネート−オレフィン系共重合体。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐擦傷性に優れたカーボネート−オレフィン系共重合体及びこれを含む成形品に関する。
近年、熱可塑性樹脂の耐擦傷性向上に関する要望が高まっている。例えば、ポリカーボネートは、透明性、耐熱性及び機械特性等に優れる特性を有しており、例えば、OA・家電の筐体や電気・電子分野の部材、レンズの光学材料等、幅広い用途に使用されている。しかしながら、ポリカーボネートは表面硬度が低いために、傷がつきやすいという欠点があった。
これに対して、例えば、ポリカーボネートに透明樹脂であるアクリル系ポリマーを配合することにより、透明性を維持しながら表面硬度を向上させることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平6−256494号公報
特許文献1の方法であっても、ポリカーボネートの優れた特性を保持しつつ十分満足できる耐擦傷性を発現できるとはいい難い。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、ポリカーボネートが有する優れた特性を保持しつつ、優れた耐擦傷性を示すカーボネート−オレフィン系共重合体、及びこれを含む成形品を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、ポリカーボネートブロックと、オレフィン系重合体ブロックとが、特定構造を有する構成単位によって連結されてなるカーボネート−オレフィン系共重合体によって上記課題を解決し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、下記のカーボネート−オレフィン系共重合体、及びこれを含む成形品に係る発明である。
1.下記一般式(I)で表される繰り返し単位を有するポリカーボネートブロックと、下記一般式(II)で表される繰り返し単位を有するオレフィン系重合体ブロックと、下記一般式(III)で表される構成単位とを有する、カーボネート−オレフィン系共重合体。
(式(I)中、RA1及びRA2は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を示す。XA1は、単結合、炭素数1〜8のアルキレン基、炭素数2〜8のアルキリデン基、炭素数5〜15のシクロアルキレン基、炭素数5〜15のシクロアルキリデン基、フルオレンジイル基、炭素数7〜15のアリールアルキレン基、炭素数7〜15のアリールアルキリデン基、−S−、−SO−、−SO−、−O−又は−CO−を示す。a及びbは、それぞれ独立に、0〜4の整数を示す。)
(式(II)中、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1〜12の炭化水素基を示す。Aは、単結合、カルボニルオキシ基、又はオキシカルボニル基を示す。)
(式(III)中、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数6〜12のアリール基を示す。RB1は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を示す。cは、0〜4の整数を示す。Aは、単結合、又は下記式(III−d)で表される2価の基である。*で示される結合手は、少なくともいずれか一方が前記オレフィン系重合体ブロックに結合する。**で示される結合手は、前記ポリカーボネートブロックに結合する。)
(式(III−d)中、Xは、単結合、炭素数1〜12のアルキレンオキシ基、炭素数6〜12のアリーレン基、下記式(III−a)で表される2価の基、又は下記式(III−b)で表される2価の基を示す。)
(式(III−a)〜(III−b)中、R及びRは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数6〜12のアリール基を示す。Yは、単結合、炭素数1〜12のアルキレン基、又は下記式(III−c)で表される2価の基を示す。RB2は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を示す。dは、0〜4の整数を示す。***で示される結合手は、前記ポリカーボネートブロックに結合する、又は水素原子若しくは1価の有機基に結合する。)
(式(III−c)中、Zは、炭素数1〜12のアルキレン基を示す。Zは、単結合、又は炭素数1〜12のアルキレン基を示す。pは1〜10の整数を示す。)
2.前記カーボネート−オレフィン系共重合体中の、前記一般式(II)で表される繰り返し単位、及び前記一般式(III)で表される構成単位のうちアルケニル基に由来する部分の合計含有量が5〜90質量%である、上記1に記載のカーボネート−オレフィン系共重合体。
3.前記一般式(II)で表される繰り返し単位、及び前記一般式(III)で表される構成単位の合計に対する、前記一般式(III)で表される構成単位の割合が、0.01〜20モル%である、上記1又は2に記載のカーボネート−オレフィン系共重合体。
4.前記一般式(I)で表される繰り返し単位に対する、前記一般式(III)の構成単位のモル比率〔構成単位(III)/繰り返し単位(I)〕が、0.1/99.9〜50/50である、上記1〜3のいずれかに記載のカーボネート−オレフィン系共重合体。
5.前記一般式(III)で表される構成単位が、下記式(III−1)で表される、上記1〜4のいずれかに記載のカーボネート−オレフィン系共重合体。
(式(III−1)中、R、R、R、R、RB1、RB2、Z、Z、c、d、p、*、**、及び***は、前記と同じである。)
6.前記オレフィン系重合体ブロックが、下記一般式(IV)で表される繰り返し単位を有する(メタ)アクリル系重合体ブロックを含む、上記1〜5のいずれかに記載のカーボネート−オレフィン系共重合体。
(式(IV)中、R10、R11、R12及びR13は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数6〜12のアリール基を示す。)
7.前記カーボネート−オレフィン系共重合体の粘度平均分子量が、10,000〜80,000である、上記1〜6のいずれかに記載のカーボネート−オレフィン系共重合体。
8.前記カーボネート−オレフィン系共重合体中の、前記一般式(I)で表される繰り返し単位の繰り返し数が、29〜79である、上記1〜7のいずれかに記載のカーボネート−オレフィン系共重合体。
9.前記カーボネート−オレフィン系共重合体が、前記一般式(II)で表される繰り返し単位、及び前記一般式(III)で表される構成単位を有する変性オレフィン系ポリマーと、前記一般式(I)で表される繰り返し単位を有するポリカーボネートとの共重合体である、上記1〜8のいずれかに記載のカーボネート−オレフィン系共重合体。
10.前記変性オレフィン系ポリマーの数平均分子量(Mn)が、3,000〜50,000である、上記9に記載のカーボネート−オレフィン系共重合体。
11.上記1〜10のいずれかに記載のカーボネート−オレフィン系共重合体を含む、成形品。
本発明のカーボネート−オレフィン系共重合体を含む成形品は、ポリカーボネート樹脂が有する優れた特性を保持しつつ、優れた耐擦傷性を発揮することができる。
合成例1における変性(メタ)アクリル系単量体の構造を示すNMRチャート 製造例1における変性(メタ)アクリル系ポリマーの構造を示すNMRチャート 実施例1におけるカーボネート−オレフィン系共重合体の構造を示すNMRチャート 実施例1におけるカーボネート−オレフィン系共重合体のDSC曲線を示す。
[カーボネート−オレフィン系共重合体]
本発明のカーボネート−オレフィン系共重合体は、上記一般式(I)で表される繰り返し単位を有するポリカーボネートブロックと、上記一般式(II)で表される繰り返し単位を有するオレフィン系重合体ブロックと、上記一般式(III)で表される構成単位とを有する。
以下、本発明のカーボネート−オレフィン系共重合体について説明する。なお、本明細書において、好ましいとされている規定は任意に採用することができ、好ましいもの同士の組み合わせはより好ましいといえる。本明細書において、「XX〜YY」の記載は、「XX以上YY以下」を意味する。
[ポリカーボネートブロック]
本発明のカーボネート−オレフィン系共重合体は、下記一般式(I)で表される繰り返し単位を有するポリカーボネートブロック(単に「ポリカーボネートブロック」ともいう。)を有する。ポリカーボネートブロックの主鎖が下記一般式(I)で表される繰り返し単位を有することが好ましい。
上記式(I)中、RA1及びRA2は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を示す。XA1は、単結合、炭素数1〜8のアルキレン基、炭素数2〜8のアルキリデン基、炭素数5〜15のシクロアルキレン基、炭素数5〜15のシクロアルキリデン基、フルオレンジイル基、炭素数7〜15のアリールアルキレン基、炭素数7〜15のアリールアルキリデン基、−S−、−SO−、−SO−、−O−、−CO−のいずれかを示す。a及びbは、それぞれ独立に0〜4の整数である。RA1及びRA2が複数ある場合それぞれ同一でも異なっていてもよい。
本発明におけるポリカーボネートブロックとしては、特に制限なく、公知の方法により製造されたものを用いることができる。
例えば、二価フェノールとカーボネート前駆体とを溶液法(界面重縮合法)又は溶融法(エステル交換法)により製造したもの、すなわち、末端停止剤の存在下に、二価フェノールとホスゲンのようなカーボネート前駆体とを反応させる界面重縮合法、又は末端停止剤の存在下に、二価フェノールとジフェニルカーボネートのようなカーボネート前駆体とをエステル交換法等により反応させて製造されたものを用いることができる。
本発明において主鎖を構成するための二価フェノールとしては、特に制限はないが、上記一般式(I)で表される繰り返し単位を形成する下記一般式(1)で表される二価フェノールを用いることが好ましい。
なお、式(1)中、RA1、RA2、XA1、a及びbは、上記と同義である。
A1及びRA2で示されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が挙げられる。RA1及びRA2で示される炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、各種ブチル基(「各種」とは、直鎖状及びあらゆる分岐鎖状のものを含むことを示し、以下同様である。)、各種ペンチル基、各種ヘキシル基が挙げられる。RA1及びRA2で示される炭素数1〜6のアルコキシ基としては、炭素数1〜6のアルキル基部位が前記アルキル基である場合が挙げられる。
A1及びRA2としては、いずれも、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基である。
A1で示される炭素数1〜8のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基等が挙げられ、炭素数1〜5のアルキレン基が好ましい。XA1で示される炭素数2〜8のアルキリデン基としては、エチリデン基、イソプロピリデン基等が挙げられる。XA1で示される炭素数5〜15のシクロアルキレン基としては、シクロペンタンジイル基やシクロヘキサンジイル基、シクロオクタンジイル基等が挙げられ、炭素数5〜10のシクロアルキレン基が好ましい。XA1で示される炭素数5〜15のシクロアルキリデン基としては、例えば、シクロヘキシリデン基、3,5,5−トリメチルシクロヘキシリデン基、2−アダマンチリデン基等が挙げられ、炭素数5〜10のシクロアルキリデン基が好ましく、炭素数5〜8のシクロアルキリデン基がより好ましい。XA1で示される炭素数7〜15のアリールアルキレン基及び炭素数7〜15のアリールアルキリデン基のアリール部位としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントリル基などの環形成炭素数が6〜14のアリール基が挙げられる。
a及びbは、それぞれ独立に0〜4の整数を示し、好ましくは0〜2、より好ましくは0又は1である。
上記一般式(1)で表される二価フェノールとしては、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−1−メチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ナフチルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン及び2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン及び1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン等のビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;4,4’−ジヒドロキシフェニルエーテル及び4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルフェニルエーテル等のジヒドロキシアリールエーテル類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド及び4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィド等のジヒドロキシジアリールスルフィド類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド及び4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシド等のジヒドロキシジアリールスルホキシド類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン及び4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホン等のジヒドロキシジアリールスルホン類;4,4’−ジヒドロキシジフェニル等のジヒドロキシジフェニル類;9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン及び9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン等のジヒドロキシジアリールフルオレン類;1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン及び1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジメチルアダマンタン等のジヒドロキシジアリールアダマンタン類;ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、4,4’−[1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスフェノール、10,10−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−9−アントロン、1,5−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)−2,3−ジオキサペンタエン、α,ω−ビスヒドロキシフェニルポリジメチルシロキサン化合物等が挙げられる。上記二価フェノールは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記二価フェノールの中でも、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〔通称:ビスフェノールA〕が好適である。
本発明で用いるカーボネート前駆体としては、例えばカルボニルハライド、炭酸ジエステル、ハロホーメート等を挙げることができる。具体的には、ホスゲン、2価フェノールのジハロホーメート、ジフェニルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等である。中でも、界面重合法で使用されるホスゲンが好ましい。上記カーボネート前駆体は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、本発明においてポリカーボネートブロックは、分岐構造を有していてもよく、分岐剤としては、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、α,α’,α”−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、フロログルシン、トリメリット酸及び1,3−ビス(o−クレゾール)等がある。
末端停止剤としては、1価フェノールであれば特に制限は無く、例えば、フェノール、o−n−ブチルフェノール、m−n−ブチルフェノール、p−n−ブチルフェノール、o−イソブチルフェノール、m−イソブチルフェノール、p−イソブチルフェノール、o−t−ブチルフェノール、m−t−ブチルフェノール、p−t−ブチルフェノール、o−n−ペンチルフェノール、m−n−ペンチルフェノール、p−n−ペンチルフェノール、o−n−ヘキシルフェノール、m−n−ヘキシルフェノール、p−n−ヘキシルフェノール、p−t−オクチルフェノール、o−シクロヘキシルフェノール、m−シクロヘキシルフェノール、p−シクロヘキシルフェノール、o−フェニルフェノール、m−フェニルフェノール、p−フェニルフェノール、o−n−ノニルフェノール、m−n−ノニルフェノール、p−n−ノニルフェノール、o−クミルフェノール、m−クミルフェノール、p−クミルフェノール、o−ナフチルフェノール、m−ナフチルフェノール、p−ナフチルフェノール、2,5−ジ−t−ブチルフェノール、2,4−ジ−t−ブチルフェノール、3,5−ジ−t−ブチルフェノール、2,5−ジクミルフェノール、3,5−ジクミルフェノール、p−クレゾール、平均炭素数12〜35の直鎖状又は分岐状のアルキル基をオルト位、メタ位又はパラ位に有するモノアルキルフェノール、3−ペンタデシルフェノール、9−(4−ヒドロキシフェニル)−9−(4−メトキシフェニル)フルオレン、9−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−9−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、4−(1−アダマンチル)フェノールなどが挙げられる。
これらの中でも、p−t−ブチルフェノール、p−クミルフェノール、p−フェニルフェノールが好ましく、p−t−ブチルフェノールがより好ましい。末端停止剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、本発明におけるポリカーボネートブロックは、例えば、下記一般式(I−1)で表される構成単位を有していてもよい。ポリカーボネートブロックが下記一般式(I−1)で表される構成単位を有することにより、カーボネート−オレフィン系共重合体の流動性を向上させることができる。
下記一般式(I−1)で表される構成単位は、下記一般式(1−1)で表されるフェノール変性ジオールを用いることにより形成することができる。
上記一般式(I−1)及び一般式(1−1)中、RA5及びRA6は、それぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基を示し、YA1は炭素数2〜15の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示す。e及びfは、それぞれ独立に0〜4の整数を示し、mは、2〜200の整数を示す。RA5及びRA6が複数ある場合それぞれ同一でも異なっていてもよい。
上記一般式(1−1)で表されるフェノール変性ジオールは、ヒドロキシ安息香酸又はそのアルキルエステル、酸塩化物とポリエーテルジオールから誘導される化合物等である。フェノール変性ジオールは、特開昭62−79222号公報、特開昭60−79072号公報、特開2002−173465号公報等で提案されている方法により合成することができ、これらの方法により得られるフェノール変性ジオールに対し適宜精製を加えることが望ましい。精製方法としては、例えば、反応後段で系内を減圧にし、過剰の原料(例えばパラヒドロキシ安息香酸)を留去する方法、フェノール変性ジオールを水又はアルカリ水溶液(例えば炭酸水素ナトリウム水溶液)等で洗浄する方法等が望ましい。
さらに、本発明におけるポリカーボネートブロックは、例えば、前記一般式(I)で表される繰り返し単位と下記一般式(I−2)で表される構成単位を有する共重合体であってもよい。下記一般式(I−2)で表される構成単位は、下記一般式(1−2)で表されるポリオルガノシロキサンを用いることにより形成することができる。
上記一般式(I−2)又は一般式(1−2)中、RA7、RA8、RA9及びRA10は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数6〜12のアリール基を示す。ZA1は、アリル基を有するフェノール化合物から誘導される、トリメチレン基を有するフェノール残基を示す。nは19〜1000を示す。
このようにポリカーボネートブロックを、上記一般式(I−2)で表される構成単位を有する共重合体とすることにより、カーボネート−オレフィン系共重合体の難燃性を向上させることができる。
上記一般式(1−2)で表されるポリオルガノシロキサンは、末端が水素のポリオルガノシロキサンの末端を、例えば、2−アリルフェノール及びオイゲノール等のアリル基を有するフェノール化合物で変性したものである。末端がアリル基を有するフェノール化合物で変性されたポリオルガノシロキサンは、例えば、特開2014−80462号公報等に記載の方法により合成することができる。
上記ポリオルガノシロキサンとしては、上記一般式(1−2)においてRA7、RA8、RA9及びRA10のいずれもがメチル基であることが好ましい。
本発明において、ポリカーボネートブロックは、得られる成形体の透明性、機械的特性、熱的特性等の観点から、ビスフェノールA構造を有するポリカーボネートブロックを含むことが好ましい。ビスフェノールA構造を有するポリカーボネートブロックとしては、具体的には前記一般式(I)において、aおよびbが0であり、XA1が単結合または炭素数1〜8のアルキレン基であるもの、またはaおよびbが0であり、XA1が炭素数3のアルキレン基、特にイソプロピリデン基であるものが好適である。ポリカーボネートブロック中のビスフェノールA構造を有するポリカーボネートブロックの含有量は、好ましくは50〜100質量%、より好ましくは75〜100質量%、更に好ましくは85〜100質量%である。
[オレフィン系重合体ブロック]
本発明のカーボネート−オレフィン系共重合体は、下記一般式(II)で表される繰り返し単位(単に「繰り返し単位(II)ともいう」)を有するオレフィン系重合体ブロック(単に「オレフィン系重合体ブロック」ともいう。)を有する。
前記式(II)中、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1〜12の炭化水素基を示す。Aは、単結合、カルボニルオキシ基、又はオキシカルボニル基を示す。
、R、R及びRで示される炭素数1〜12の炭化水素基としては、炭素数1〜12の飽和脂肪族炭化水素基、炭素数2〜12の不飽和脂肪族炭化水素基、又は炭素数6〜12の芳香族炭化水素基が挙げられる。前記飽和脂肪族炭化水素基及び不飽和脂肪族炭化水素基は、直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましく、直鎖状であることがより好ましい。
前記炭素数1〜12の飽和脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜12のアルキル基が挙げられる。炭素数1〜12のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、各種ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種ヘプチル基、各種オクチル基、各種ノニル基、各種デシル基、各種ドデシル基が挙げられる。前記炭素数2〜12の不飽和脂肪族炭化水素基としては、例えば、ビニル基、各種ブテニル基、各種ヘキセニル基、各種ヘプテニル基、各種オクテニル基、各種ノネニル基、各種デセニル基、各種ドデセニル基等が挙げられる。前記炭素数6〜12の芳香族炭化水素基としては、炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基などが挙げられる。炭素数6〜12のアリール基としては、例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニル基等が挙げられ、炭素数7〜12のアラルキル基としては、例えばベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、メチルベンジル基、メチルフェネチル基、メチルナフチルメチル基等が挙げられる。
、R、R及びRは、それぞれ独立に、好ましくは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、又は炭素数7〜12のアラルキル基を示し、より好ましくは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数6〜12のアリール基を示す。
は、好ましくは単結合又はカルボニルオキシ基であり、より好ましくはカルボニルオキシ基である。
オレフィン系重合体ブロックは、下記一般式(IV)で表される繰り返し単位(単に「繰り返し単位(IV)ともいう」)を有する(メタ)アクリル系重合体ブロックを含むことが好ましい。
前記式(IV)中、R10、R11、R12及びR13は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数6〜12のアリール基を示す。前記繰り返し単位(IV)は、前記式(II)におけるAがカルボニルオキシ基である場合に相当し、R10、R11、R12及びR13における炭素数1〜6のアルキル基、及び炭素数6〜12のアリール基の具体例は前記式(II)におけるR、R、R及びRで例示したものが同様に挙げられる。
前記式(IV)におけるR10及びR11は、水素原子であることが好ましく、そして、R12は、水素原子又はメチル基であることが好ましい。更には、前記式(IV)におけるR13は、炭素数1〜6のアルキル基を示すことが好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基又はn−ブチル基を示すことがより好ましく、メチル基又はエチル基を示すことが更に好ましく、メチル基を示すことがより更に好ましい。R13で示される炭素数1〜6のアルキル基は、ヒドロキシ基を有していてもよい。
オレフィン系重合体ブロックは、前記繰り返し単位(II)の原料となる重合性不飽和単量体に由来する繰り返し単位を有する。重合性不飽和単量体は、下記一般式(2)で表される。
前記式(2)中、R、R、R、R、及びAは、前述したとおりである。
重合性不飽和単量体としては、オレフィン系重合体ブロックを形成し得るラジカル重合性不飽和単量体であれば公知のいずれの単量体をも使用することができる。重合性不飽和単量体としては、例えば(メタ)アクリル系単量体、ビニル単量体、ビニルエステル単量体等が挙げられる。
前記重合性不飽和単量体は、1種単独でも、又は2種以上を組み合わせてもよい。
前記(メタ)アクリル系単量体としては、(メタ)アクリル酸、アルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシ基含有アルキル(メタ)アクリレート及びアリール(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。なお、本明細書において、(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルを意味する。また、(メタ)アクリレートは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
前記(メタ)アクリル系単量体としては、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ビニル単量体としては、脂肪族炭化水素系ビニル単量体、脂環式炭化水素系ビニル単量体及び芳香族炭化水素系ビニル単量体等が挙げられる。
脂肪族炭化水素系ビニル単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン等が挙げられる。
脂環式炭化水素系ビニル単量体としては、例えば、シクロヘキセン、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、ピネン、リモネン、ビニルシクロヘキセン及びエチリデンビシクロヘプテン等が挙げられる。
芳香族炭化水素系ビニル単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、4−エチルスチレン、4−イソプロピルスチレン、4−ブチルスチレン、4−フェニルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ベンジルスチレン、p−メチルスチレン及びビニルナフタレン等が挙げられる。
ビニルエステル単量体としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等が挙げられる。
前記繰り返し単位(IV)の含有割合は、全繰り返し単位(II)中、20〜100質量%が好ましく、50〜100質量%がより好ましく、80〜100質量%が更に好ましく、95〜100質量%がより更に好ましい。
[式(III)で表される構成単位]
本発明のカーボネート−(メタ)アクリル系共重合体は、下記一般式(III)で表される構成単位(単に「構成単位(III)ともいう」)を有する。
前記式(III)中、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数6〜12のアリール基を示す。RB1は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を示す。cは、0〜4の整数を示す。
、R及びRは、前記式(IV)におけるR10、R11及びR12の具体例と同じものが例示でき、好ましいものも同じである。RB1は、前記RA1及びRA2の具体例と同じものが例示でき、好ましいものも同じである。cは、a及びbと同じであり、好ましいものも同じである。
前記式(III)中、*で示される結合手は、少なくともいずれか一方が前記オレフィン系重合体ブロックに結合する。**で示される結合手は、前記ポリカーボネートブロックに結合する。
前記式(III)中、Aは、単結合、又は下記式(III−d)で表される2価の基である。
前記式(III−d)中、Xは、単結合、炭素数1〜12のアルキレンオキシ基、炭素数6〜12のアリーレン基、下記式(III−a)で表される2価の基、又は下記式(III−b)で表される2価の基を示す。
前記式(III−d)中、カルボニル基が有するフリーの結合手(他の基と結合可能な手)は、前記一般式(III)におけるRと結合する炭素原子と結合する。前記式(III−d)中、Xが有するフリーの結合手は、前記一般式(III)におけるAに結合するベンゼン環に結合する。
前記式(III−b)中、RB2は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を示す。dは、0〜4の整数を示す。***で示される結合手は、前記ポリカーボネートブロックに結合する、又は水素原子若しくは1価の有機基に結合する。
***における結合手と結合する1価の有機基とは、特に限定されないが、末端停止剤として例示した1価フェノールに由来する1価の基、フェノール性水酸基の保護基となるアシル基等が例示される。アシル基としては、炭素数1〜6のアルキルモノカルボン酸由来のアシル基が挙げられる。
前記式(III−a)〜(III−b)中、Yが有するフリーの結合手は、前記一般式(III−d)におけるXに結合する酸素原子と結合する。前記式(III−a)〜(III−b)中、炭素原子が有するフリーの結合手は、前記一般式(III)で表される繰り返し単位におけるAに結合するベンゼン環に結合する。
前記式(III−a)〜(III−b)中、R及びRは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数6〜12のアリール基を示す。R及びRで示される炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、各種ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基等が挙げられる。R及びRで示される炭素数1〜6のアルキル基は直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよいが直鎖状であることが好ましい。R及びRで示される炭素数6〜12のアリール基としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。R及びRは、水素原子及びメチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
前記式(III−a)〜(III−b)中、Yは、単結合、炭素数1〜12のアルキレン基、又は下記式(III−c)で表される2価の基を示す。
前記式(III−c)中、Zは、炭素数1〜12のアルキレン基を示す。Zは、単結合、又は炭素数1〜12のアルキレン基を示す。pは1〜10の整数を示す。Z及びZで示される炭素数1〜12のアルキレン基としては、直鎖でも分岐鎖状でもよく、メチレン基、エチレン基、プロピレン基及びブチレン基等が挙げられる。これらの中でも、メチレン基及びエチレン基が好ましく、エチレン基がより好ましい。前記式(III−c)で示されるpは、1〜6の整数が好ましく、1〜4の整数がより好ましく、1〜2の整数が更に好ましい。
前記式(III−c)中、Zが有するフリーの結合手は、前記式(III−d)におけるXに結合する酸素原子と結合し、前記式(III−c)中、Zが有するフリーの結合手は前記式(III−a)及び(III−b)におけるYに結合する炭素原子と結合する。
前記一般式(III)で表される構成単位は、ポリカーボネート鎖中にオレフィン系重合体ブロックを導入する観点から、前記式(III)におけるAが前記一般式(III−d)で表される2価の基であることが好ましく、前記式(III−d)におけるXが前記式(III−b)で表される2価の基であるものがより好ましく、前記式(III)で表される構成単位が下記式(III−1)で表される構成単位(単に「構成単位(III−1)ともいう」)であることが更に好ましい。
前記式(III−1)中、R、R、R、R、RB1、RB2、Z、Z、c、d、p、*、**、及び***は、前述したとおりである。
前記式(III−1)で表される構成単位は、前記一般式(III)におけるAが前記式(III−d)で表される2価の基であり、前記式(III−d)で示されるXが前記式(III−b)で表される2価の基であり、前記式(III−b)で示されるYが式(III−c)で表される2価の基であるものをいう。
前記構成単位(III)は、特に限定されないが、フェノール性水酸基を有する重合性不飽和単量体(以下、「変性不飽和単量体」ともいうことがある)から誘導される。変性不飽和単量体は、下記一般式(3)で表される。
前記式(3)中、R、R、R、A、RB1、及びcは、前述したとおりである。前記一般式(3)において、Aが前記式(III−d)で表される2価の基であり、前記式(III−d)におけるXが前記式(III−b)で表される2価の基である場合には、前記式(3)における式(III−b)は、下記式(3−b)に読み替える。
前記式(3−b)中、R、Y、RB2、及びdは、前述したとおりである。
変性不飽和単量体としては、変性(メタ)アクリル系単量体が好ましい。ここで、変性(メタ)アクリル系単量体とは、前記式(3)におけるAが前記式(III−d)で表される2価の基である変性不飽和単量体をいう。
変性(メタ)アクリル系単量体としては、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリル系単量体とカルボキシ基含有フェノール誘導体とのエステル化反応生成物、ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアリール(メタ)アクリレート等が例示される。
ヒドロキシ基含有(メタ)アクリル系単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
カルボキシ基含有フェノール誘導体としては、p−ヒドロキシフェニル酢酸、p−ヒドロキシフェニルプロピオン酸、p−ヒドロキシフェニルブタン酸、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシフェニル安息香酸、ヒドロキシフェノキシ安息香酸及びジフェノール酸等が挙げられる。
変性(メタ)アクリル系単量体としては、好ましくは下記式(3−1)で表されるものである。下記式(3−1)で表される変性(メタ)アクリル系単量体は、前記構成単位(III)が前記構成単位(III−1)であるときの変性(メタ)アクリル系単量体である。
前記式(3−1)中、R、R、R、R、RB1、RB2、Z、Z、c、d及びpは、前述したとおりである。
変性(メタ)アクリル系単量体以外の変性不飽和単量体としては、例えば、4−ビニルフェノール、3−ビニルフェノール、2−ビニルフェノール等のビニルフェノール等が挙げられる。
[変性オレフィン系ポリマー]
前記構成単位(III)をカーボネート−オレフィン系共重合体に導入する方法としては、特に制限はないが、例えば、オレフィン系重合体ブロックを構成する重合性不飽和単量体と、変性不飽和単量体とを反応させることで、変性オレフィン系ポリマーとし、その後、変性オレフィン系ポリマーと前記一般式(I)で表される繰り返し単位を有するポリカーボネートとを反応させることで共重合体を得る方法が好ましい。変性オレフィン系ポリマーは、前記繰り返し単位(II)を有するオレフィン系重合体ブロックと、変性不飽和単量体から誘導される前記構成単位(III)とが連結していればよく、変性オレフィン系ポリマー中における変性部位は両末端、片末端、側鎖型のいずれでもよい。なお、本明細書では、重合性不飽和単量体として、変性(メタ)アクリル系単量体を用いて得られた変性オレフィン系ポリマーを、「変性(メタ)アクリル系ポリマー」ということがある。
変性オレフィン系ポリマーの製造方法に特に制限はないが、例えば、変性不飽和単量体、及び重合性不飽和単量体を、適切なラジカル重合開始剤を用いて共重合させることにより、変性オレフィン系ポリマーを得ることができる。このとき、必要に応じて、有機溶剤を用いることもできる。また、変性オレフィン系ポリマーの単量体として、重合性不飽和単量体及び変性不飽和単量体と共重合可能な他の単量体を用いることもできる。
ラジカル重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物、過酸化ベンゾイル、過酸化水素、クメンハイドロパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等が挙げられる。ラジカル重合開始剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
変性不飽和単量体の使用量は、カーボネート−オレフィン系共重合体の製造時にポリカーボネートブロックとオレフィン系重合体ブロックとが相溶する量を適宜選択すればよく、具体的には、原料として使用する単量体の総量に対して、好ましくは0.01〜20モル%、より好ましくは0.1〜2モル%、更に好ましくは0.15〜1.5モル%、より更に好ましくは0.2〜1モル%である。
ラジカル重合開始剤の使用量は、使用する開始剤の種類によって異なるが、開始剤の量が少ないと重合率が低下し、開始剤の量が多いと分子量が小さくなる傾向があるため、使用する単量体の総量100質量部に対して、0.0001質量部以上5質量部以下が好ましく、0.0001質量部以上4質量部以下がより好ましく、0.001質量部以上3質量部以下が更に好ましい。
変性オレフィン系ポリマーの重合に使用可能な有機溶媒としては、原料の単量体と、生成するポリマーと、開始剤とが溶解すればよく、特に制限はないが、トルエン、キシレン、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ブチル、酢酸エチル、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。
変性オレフィン系ポリマーは、前記繰り返し単位(II)と、前記構成単位(III)とを有する。
変性オレフィン系ポリマーの数平均分子量(Mn)は、好ましくは3,000〜50,000、より好ましくは4,000〜30,000、更に好ましくは5,000〜20,000である。なお、変性オレフィン系ポリマーのMnはGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)測定によりを標準物質としてポリメチルメタクリレート(PMMA)を用いて算出され、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
[カーボネート−オレフィン系共重合体の製造方法]
本発明のカーボネート−オレフィン系共重合体の製造方法は、特に制限はないが、ポリカーボネートブロックを界面重合法により製造する場合には、例えば、二価フェノールとホスゲン等のカーボネート前駆体とを反応させて、前記ポリカーボネートブロックを構成するポリカーボネートオリゴマーを製造する工程(1)、及び前記ポリカーボネートオリゴマーと二価フェノールと末端停止剤と変性オレフィン系ポリマーとを反応させてカーボネート−オレフィン系共重合体を製造する工程(2)を有することが好ましい。
工程(1)における二価フェノールとカーボネート前駆体との反応は、特に制限されるものではなく、公知の方法を採用でき、不活性有機溶媒の存在下、界面重合法によって実施することが好ましい。必要に応じて、重合触媒の存在下に反応させることもでき、また、そうすることが好ましい。なお、二価フェノールとしては、好ましくは二価フェノールのアルカリ水溶液を用いる。
工程(1)における反応温度は通常0〜80℃、好ましくは5〜70℃の範囲で選ばれる。
<重合触媒>
重合触媒としては相間移動触媒が好適であり、例えば、三級アミン又はその塩、四級アンモニウム塩、四級ホスホニウム塩等を好ましく用いることができる。
三級アミンとしては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、ピリジン、ジメチルアニリン等が挙げられ、また三級アミン塩としては、例えばこれらの三級アミンの塩酸塩、臭素酸塩等が挙げられる。四級アンモニウム塩としては、例えばトリメチルベンジルアンモニウムクロリド、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド、トリブチルベンジルアンモニウムクロリド、トリオクチルメチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミド等が、四級ホスホニウム塩としては、例えばテトラブチルホスホニウムクロリド、テトラブチルホスホニウムブロミド等が挙げられる。重合触媒は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記重合触媒の中では、三級アミンが好ましく、特にトリエチルアミンが好適である。
<有機溶媒>
有機溶媒としては不活性有機溶媒が好適であり、例えば、塩素化炭化水素や、トルエン、アセトフェノン等を好ましく用いることができる。
塩素化炭化水素としては、例えば、ジクロロメタン(塩化メチレン)、トリクロロメタン、四塩化炭素、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1,2−テトラクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、ペンタクロロエタン、クロロベンゼン等が挙げられる。上記有機溶媒は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記有機溶媒の中では、特にジクロロメタンが好適である。
有機溶媒の使用量は、通常、有機相と水相との容量比が、好ましくは5/1〜1/7、より好ましくは2/1〜1/4となるように選択される。
<アルカリ水溶液>
アルカリ水溶液としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、水酸化マグネシウム、及び水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物などのアルカリ性無機化合物の水溶液を挙げることができる。これらの中でも、アルカリ金属水酸化物の水溶液が好ましく、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムの水溶液がより好ましい。
二価フェノールを溶解させるアルカリ水溶液は、通常そのアルカリ濃度が1〜15質量%のものが好ましく用いられる。アルカリ水溶液中の二価フェノール量は、通常0.5〜20質量%の範囲で選ばれる。
工程(2)は、二価フェノールと、工程(1)で得たポリカーボネートオリゴマーと、変性オレフィン系ポリマーと末端停止剤とを、反応させる工程である。工程(2)における反応は、特に制限されるものではなく、公知の方法を採用でき、不活性有機溶媒の存在下で実施される。必要に応じて、重合触媒の存在下に反応させることもでき、また、そうすることが好ましい。なお、二価フェノールとしては、好ましくは二価フェノールのアルカリ水溶液を用いる。工程(1)で得たポリカーボネートオリゴマーは、不活性有機溶媒と混合された状態、つまり、ポリカーボネートオリゴマー溶液として本工程(2)に用いることが好ましく、工程(1)で得たポリカーボネートオリゴマーを含有する不活性有機溶媒相をそのまま用いることがより好ましい。二価フェノール、アルカリ水溶液、及び重合触媒については、前述したものと同じものが挙げられ、好ましいものも同じである。末端停止剤は、不活性有機溶媒に溶解して、濃度を好ましくは2〜20質量%、より好ましくは4〜15質量%、さらに好ましくは4〜12質量%にして用いることが好ましい。
工程(2)において、通常0〜50℃、好ましくは20〜40℃の範囲の反応温度において界面重合させる。
本発明のカーボネート−オレフィン系共重合体における、前記繰り返し単位(II)、及び前記構成単位(III)のうちアルケニル基に由来する部分の合計含有量は、好ましくは5〜90質量%、より好ましくは7〜50質量%、更に好ましくは10〜40質量%である。
前記構成単位(III)のうちアルケニル基に由来する部分とは、前記一般式(3)で示される変性不飽和単量体の構造中で、前記一般式(3)及び前記式(3−b)に含まれるフェノール構造を除いた残基に由来する部分を意味する。前記繰り返し単位(II)及び前記構成単位(III)のうちアルケニル基に由来する部分の合計含有量は、後述する実施例に記載の方法によって算出することができる。
本発明のカーボネート−オレフィン系共重合体における、前記繰り返し単位(II)、及び前記構成単位(III)の合計に対する、前記構成単位(III)の割合は、好ましくは0.01〜20モル%、より好ましくは0.1〜2モル%、更に好ましくは0.15〜1.5モル%、より更に好ましくは0.2〜1モル%である。
本発明のカーボネート−オレフィン系共重合体における、前記一般式(I)で表される繰り返し単位に対する、前記一般式(III)の構成単位のモル比率〔構成単位(III)/繰り返し単位(I)〕は、好ましくは0.1/99.9〜50/50、より好ましくは0.3/99.7〜30/70、更に好ましくは0.5/99.5〜10/90である。
本発明のカーボネート−オレフィン系共重合体の粘度平均分子量は、機械的特性及び成形性の点から、好ましくは10,000〜80,000、より好ましくは15,000〜30,000、さらに好ましくは18,000〜25,000である。
本発明において、粘度平均分子量(Mv)は、ウベローデ型粘度計を用いて、20℃における塩化メチレン溶液(濃度:g/L)の粘度を測定し、これより極限粘度[η]を求め、下記のSchnellの式にて算出する。
[η]=1.23×10−5Mv0.83
本発明のカーボネート−オレフィン系共重合体中の、前記繰り返し単位(I)の繰り返し数は、好ましくは29〜79、より好ましくは39〜74、更に好ましくは49〜69である。前記繰り返し単位(I)の繰り返し数が前記範囲内にあると、機械的特性と成形性のバランスが好適となる。
[樹脂組成物]
本発明のカーボネート−オレフィン系共重合体は、さらに該共重合体以外の熱可塑性樹脂を含む熱可塑性樹脂組成物とすることができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、酢酸セルロース樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂(PET、PBT等)、ポリ乳酸及び/又はポリ乳酸を含む共重合体、ポリアクリロニトリル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)、ポリフェニレンオキサイド樹脂(PPO)、ポリケトン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂(PPS)、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリベンズイミダゾール樹脂、ポリアミドエラストマー等、及びこれらと他のモノマーとの共重合体が挙げられる。
前記熱可塑性樹脂組成物中に占めるカーボネート−オレフィン系共重合体の比率は、より高い耐擦傷性を得る観点から、好ましくは85質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上、より更に好ましくは97質量%以上、特に好ましくは99質量%以上である。
また、本発明のカーボネート−オレフィン系共重合体は、熱可塑性樹脂に常用されている添加剤成分を必要により添加含有させた樹脂組成物とすることができる。添加剤成分としては、例えば、可塑剤、安定剤、無機充填剤、難燃剤、シリコーン系化合物、フッ素樹脂等が挙げられる。添加剤成分の配合量は、本発明のカーボネート−オレフィン系共重合体の特性が維持される範囲であれば特に制限はない。
本発明のカーボネート−オレフィン系共重合体を含む樹脂組成物は、上記熱可塑性樹脂を任意の割合で、さらには他の添加剤成分を任意の割合で配合し、200〜350℃程度の温度で混練することにより得られる。このときの配合および混練は、通常用いられている機器、例えばリボンブレンダー、ドラムタンブラーなどで予備混合して、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、単軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機、コニーダ等を用いる方法で行うことができる。混練の際の加熱温度は、通常240〜330℃の範囲で適宜選択される。
[成形品]
本発明の成形品は、本発明のカーボネート−オレフィン系共重合体を含むものである。当該成形品は、カーボネート−オレフィン系共重合体を含む溶融混練物、又は、溶融混練を経て得られたペレットを原料として、射出成形法、射出圧縮成形法、押出成形法、ブロー成形法、プレス成形法、真空成形法及び発泡成形法等により製造することができる。特に、得られたペレットを用いて、射出成形法又は射出圧縮成形法により成形品を製造することが好ましい。
本発明の成形品の鉛筆硬度は、好ましくはH以上、更に好ましくは2H以上である。鉛筆硬度がH未満では、成形品の表面が傷つきやすい傾向がある。本発明において、H以上の鉛筆硬度は、本発明のカーボネート−オレフィン系共重合体によって達成し得る。本発明において鉛筆硬度はISO/DIN 15184;2012に準拠して測定される。
本発明の成形品の全光線透過率は、好ましくは80%以上、より好ましくは82%以上、更に好ましくは85%以上である。本発明において全光線透過率はJIS K7361−1;1997に準拠して測定される。
本発明のカーボネート−オレフィン系共重合体を含む成形品は、幅広い分野に使用することが可能であり、電子電気機器やその部品、OA機器、情報端末機器、機械部品、家電製品、車輌部品、建築部材、各種容器、照明機器、遊戯具及び雑貨などの各種用途に有用である。
以下の実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例において、物性測定及び評価は、以下に示す方法により測定した。
(1)粘度平均分子量
ウベローデ型粘度計を用いて、20℃におけるジクロロメタン溶液の粘度を測定し、これより極限粘度[η]を求め、[η]=1.23×10−5Mv0.83の式により、粘度平均分子量(Mv)を算出した。
(2)変性(メタ)アクリル系単量体の帰属
重クロロホルムに溶解した試料のH−NMRを測定し、下記製造例において製造された式(3−1)で表される変性(メタ)アクリル系単量体の構造を帰属した。
H−NMR測定条件>
核磁気共鳴(NMR)装置:(株)JEOL RESONANCE製「ECA500」
プローブ:50TH5AT/FG2
観測範囲:−5〜15ppm
観測中心:5ppm
パルス繰り返し時間:9秒
パルス幅:45°
NMR試料管:5mmφ
サンプル量:30〜40mg
溶媒:重クロロホルム
測定温度:室温
積算回数:256回
NMRチャートを図1に示す。
(3−1)変性(メタ)アクリル系ポリマー構造の帰属
(株)JEOL RESONANCE製「ECA500」で、重クロロホルムに溶解した試料のH−NMRを前記と同じ測定条件で測定し、下記製造例において製造された繰り返し単位(IV)及び式(III−1)で表される構成単位を有する変性(メタ)アクリル系ポリマーの構造を帰属した。
た。NMRチャートを図2に示す。
(3−2)式(III−1)で表される構成単位の含有量
次の2つのピークの積分値(i)及び(ii)から、プロトン数を考慮し、変性(メタ)アクリル系ポリマー中における構成単位(III−1)の含有量を以下の式により求めた。なお、図2に示される丸囲み数字の1及び2は、それぞれ(i)及び(ii)と対応する。
(i)δ4.0〜4.4付近に観測される変性(メタ)アクリル系単量体部のオキシメチレン基の積分値
(ii)δ3.2〜4.0付近に観測されるメチルメタクリレート(MMA)部のメチルエステル基の積分値
構成単位(III−1)の含有量(モル%)=[((i)/4)/((i)/4+(ii)/3)]×100
(4−1)カーボネート−オレフィン系共重合体構造の帰属
(株)JEOL RESONANCE製「ECA500」で、重クロロホルムに溶解した試料のH−NMRを前記と同じ測定条件で測定し、カーボネート−オレフィン系共重合体の構造を帰属した。NMRチャートを図3に示す。
(4−2)共重合体中の繰り返し単位(II)と、構成単位(III)のうちアルケニル基に由来する部分との合計含有量
次のピークの積分値(i)〜(vii)から、プロトン数を考慮し、カーボネート−オレフィン系共重合体中の前記含有量を以下の式により求めた。なお、図3に示される丸囲み数字の1〜7は、それぞれ(i)〜(vii)と対応する。
(i)δ6.8〜7.7付近に観測されるビスフェノールA(BPA)部のフェニル基の積分値
(ii)δ6.6〜6.8付近に観測されるBPA部のヒドロキシ基末端フェニル基の積分値
(iii)δ4.0〜4.4付近に観測される変性(メタ)アクリル系単量体部のオキシメチレン基の積分値
(iv)δ3.2〜4.0付近に観測されるメチルメタクリレート(MMA)部のメチルエステル基の積分値
(v)δ1.2〜1.4付近に観測される4−t−ブチルフェノール(PTBP)部のブチル基の積分値
(vi)δ−0.2〜0.2付近に観測される重クロロホルム中のトリメチルシリル(TMS)の積分値
(vii)重クロロホルムのみを測定した際にTMSの積分値を1とした際にδ7.0〜7.5付近に観測される重クロロホルム中のクロロホルムの積分値

a=(iii)/4
b=(iv)/3
c=(v)/9
d=〔(i)+(ii)−a×8−c×4−(vi)×(vii)〕/8
T=a+b+c+d
変性(メタ)アクリル系単量体残基(mol%)A=a/T×100
MMA残基(mol%)B=b/T×100
PTBP残基(mol%)C=c/T×100
BPA残基(mol%)D=d/T×100
変性(メタ)アクリル系単量体残基(質量%)=A×424/TW×100
MMA残基(質量%)=B×100/TW×100
PTBP残基(質量%)=C×149/TW×100
BPA残基(質量%)=D×254/TW×100
TW=A×424+B×100+C×149+D×254
変性(メタ)アクリル系単量体残基(質量%)及びMMA残基(質量%)の総和から、共重合体中の繰り返し単位(II)と、構成単位(III)のうちアルケニル基に由来する部分との合計含有量(質量%)を算出する。
(4−3)繰り返し単位(I)に対する、構成単位(III)のモル比率
BPA残基(mol%)に対する、変性(メタ)アクリル系単量体残基(mol%)の比率を算出する。
(5)変性(メタ)アクリル系ポリマーの分子量(Mn)測定
変性(メタ)アクリル系ポリマー10mgをテトラヒドロフラン(THF)10mLに溶解し、下記条件としたGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)装置を用いて数平均分子量(Mn)を測定した。
装置;東ソー(株)製GPCシステム(HLC8220)
検出器;RI検出器
カラム;Tsk−gel G4000HXL+G2000HXL
標準物質;ポリメチルメタクリレート(アジレントテクノロジー社製)
溶離液;THF、1.0mL/min
注入量;0.1mL
(6)ガラス転移温度(Tg)の測定
試料3.90mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、−40℃に冷却し5分保持、−40℃から昇温速度20℃/minにて260℃に加熱し、260℃で1分保持、260℃から降温速度20℃/minにて−40℃まで冷却し、−40℃で5分保持、更に、昇温速度20℃/minにて260℃まで加熱し、示差走査熱量計(Diamond DSC、パーキンエルマー社)によりDSC測定を行った。得られたDSC曲線の2回目の昇温時のピークからガラス転移温度を求めた。実施例1で製造したカーボネート−オレフィン系共重合体のDSC曲線を図4示す。
(7)耐擦傷性の評価
耐擦傷性については以下に示す方法により評価した。
(a)成形片の作製
小型混練機(PSM社製、商品名:Micro(15cc) Twin Screw Compounder 10cc)にて、240〜300℃で樹脂(複数の樹脂の混合物を含む)を投入後1.5分間混練した。その後、小型射出成形機(PSM社製、商品名:Micro(12cc) Injection Molding Machine)にて、射出圧力1MPa、射出時間20秒の条件で試料を射出成形した。シリンダー温度は前記Compounderの混練温度と同温にし、金型温度は40℃とした。その結果、縦150mm、横10mm、厚さ4mmのダンベル型の成形体(ISOダンベル片)が得られた。
(b)鉛筆硬度の測定
JIS K5600−5−4 1999(ISO/DIN 15184 2012)に従って前記で作製しISOダンベル片の鉛筆硬度を、鉛筆硬度試験機を用いて、750g荷重にて測定し、耐擦傷性を評価した。
(8)全光線透過率の測定
JIS K7361−1 1997に従って、日本電色工業(株)製ヘーズメーター「NDH−5000」を用い、前記(7)と同じ方法で作製されたISOダンベル片の全光線透過率を測定した。
合成例1:変性(メタ)アクリル系単量体の合成
氷浴、スターラー、撹拌子を備えた300mLナスフラスコにヒドロキノン100mg(0.9mmol)を加え、フラスコ内を窒素置換した。シリンジで酢酸エチル100mL、2−ヒドロキシエチルメタクリレート7.3mL(60mmol)、塩化メタンスルホニル5.1mL(66mmol)を添加し、氷浴に浸けて撹拌した。トリエチルアミン9.2mL(66mmol)を滴下し、滴下後、0℃で2時間撹拌を続けた。
撹拌後、得られた溶液を分液ロートに取り出して飽和塩化ナトリウムで洗浄後、有機相を得た。有機相は硫酸ナトリウムで脱水後、溶媒を留去してオイル状物質を得た。このオイル状物質に、ヒドロキノン100mg(0.9mmol)、ジメチルホルムアミド30mLを加え溶液とし、オイル状物質のジメチルホルムアミド溶液を得た。
オイルバス、スターラー、撹拌子を備えた300mLナスフラスコにジフェノール酸17.8g(63mmol)、炭酸水素ナトリウム6.6g(79mmol)を加え、フラスコ内を窒素置換した。シリンジでジメチルホルムアミド150mLを加え、80℃に加温した。ここに、前記で得たオイル状物質のジメチルホルムアミド溶液を加え、80℃で10時間撹拌を続けた。
撹拌後、得られた溶液を分液ロートに取り出して飽和塩化ナトリウムで洗浄後、有機相を得た。有機相は硫酸ナトリウムで脱水後、溶媒を留去して粗生成物を得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製(溶媒:n−ヘキサン、酢酸エチル)することにより、黄色粘性オイルを得た。NMRによる構造解析から図1に示す目的物の変性(メタ)アクリル系単量体であると判断した。
製造例1:変性(メタ)アクリル系ポリマーの合成
オイルバス、冷却管、スターラー、撹拌子を備えた100mLナスフラスコに脱水トルエン30mL、合成例1で製造した変性(メタ)アクリル系単量体375mg、メタクリル酸メチル(MMA)10mL、アゾ開始剤AIBN54mgを加え、75℃で6時間撹拌を続けた。
スラリー状の反応液を1Lのメタノールに投入し、ポリマーを析出させた。析出したポリマーは吸引ろ過で分離回収し、100℃で5時間真空乾燥し、変性(メタ)アクリル系ポリマーを得た。
得られたポリマーのNMR測定から、変性(メタ)アクリル系単量体由来の構造/メタクリル酸メチル由来の構造の比率は1.2/98.8(mol/mol)であった。またGPC測定によるPMMA換算分子量Mnは18900であった。
製造例2:変性(メタ)アクリル系ポリマーの製造
製造例1において、アゾ開始剤AIBNの使用量54mgを108mgに変えた以外は、製造例1と同様の方法で、変性(メタ)アクリル系ポリマーを得た。
得られたポリマーのNMR測定から、変性(メタ)アクリル系単量体の由来の構造/メタクリル酸メチル由来の構造の比率は1.2/98.8(mol/mol)であった。またGPC測定によるPMMA換算分子量Mnは15000であった。
製造例3:変性(メタ)アクリル系ポリマーの合成
製造例1において、変性(メタ)アクリル系単量体の使用量375mgを135mgに変えた以外は、製造例1と同様の方法で、変性(メタ)アクリル系ポリマーを得た。
得られたポリマーのNMR測定から、変性(メタ)アクリル系単量体由来の構造/メタクリル酸メチル由来の構造の比率は0.6/99.4(mol/mol)であった。またGPC測定によるPMMA換算分子量Mnは18800であった。
製造例4:ポリカーボネートオリゴマーの製造
5.6質量%水酸化ナトリウム水溶液に、後から溶解するビスフェノールAに対して2000質量ppmの亜二チオン酸ナトリウムを加え、これにビスフェノールA濃度が13.5質量%になるようにビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶液を調製した。
このビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶液40L/hr、塩化メチレン15L/hrの流量で、ホスゲンを4.0kg/hrの流量で、内径6mm、管長30mの管型反応器に連続的に通した。管型反応器はジャケット部分を有しており、ジャケットに冷却水を通して反応液の温度を40℃以下に保った。
管型反応器を出た反応液は、後退翼を備えた内容積40Lのバッフル付き槽型反応器へ連続的に導入され、ここにさらにビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶液2.8L/hr、25質量%水酸化ナトリウム水溶液0.07L/hr、水17L/hr、1質量%トリエチルアミン水溶液を0.64L/hr添加して反応を行った。槽型反応器から溢れ出る反応液を連続的に抜き出し、静置することで水相を分離除去し、塩化メチレン相を採取した。
このようにして得られたポリカーボネートオリゴマー溶液(塩化メチレン溶液)は、濃度347g/L、クロロホーメート基濃度0.71mol/Lであった。
実施例1:カーボネート−オレフィン系共重合体の製造
邪魔板、パドル型撹拌翼及び冷却ジャケットを備えた1L槽型反応器に、製造例4で製造したポリカーボネートオリゴマー(PCO)溶液235mL、塩化メチレン439mLを仕込み、ここに製造例1で製造した変性(メタ)アクリル系ポリマー40.8gを投入して撹拌溶解した。100rpmで撹拌下、1質量%のトリエチルアミン塩化メチレン溶液6.7gを仕込み、次に6.4質量%の水酸化ナトリウム水溶液20.8gを添加し、10分間、400rpmで撹拌した。更にp−t−ブチルフェノールの10質量%塩化メチレン溶液(10質量%PTBP溶液)38.1g及びビスフェノールAのアルカリ水溶液(ビスフェノール13.3gを6.4質量%の水酸化ナトリウム水溶液135.3gに溶解したもの)を添加し、50分間、500rpmで撹拌した。
撹拌を停止し溶液を静置することで共重合体を含む有機相と、過剰のビスフェノールA及び水酸化ナトリウムを含む水相に分離し、有機相を単離した。
有機相は、該溶液に対して順次、15容積%の0.03mol/L水酸化ナトリウム水溶液、0.2mol/L塩酸で洗浄した。次いで純水で洗浄を繰り返し、洗浄後の水相中の電気伝導度が0.1mS/m以下になるようにした。
こうして得られたカーボネート−オレフィン系共重合体の塩化メチレン溶液を濃縮した後、粉砕し、得られたフレークを減圧下に100℃で乾燥した。
フレークの粘度平均分子量(Mv)を測定したところ、Mv22100であった。
NMR測定により、カーボネート−オレフィン系共重合体中の繰り返し単位(II)と構成単位(III)のアルケニル基に由来する部分との合計含有量は34.9質量%であった。
DSCによるガラス転移温度の測定結果は、図4に示すように単一ピークで127.98℃であった。
得られたカーボネート−オレフィン系共重合体について、粘度平均分子量、鉛筆硬度及び全光線透過率を表1に示す。
実施例2〜3:カーボネート−オレフィン系共重合体の製造
実施例1において、製造例1で製造した変性(メタ)アクリル系ポリマーに変えて、表1に示す製造例2又は3に示す変性(メタ)アクリル系ポリマーを用い、10質量%PTBP溶液の添加量を表1に示す値に変えたこと以外は、実施例1と同様の方法によって、カーボネート−オレフィン系共重合体を得た。得られたカーボネート−オレフィン系共重合体について、繰り返し単位(I)に対する構成単位(III)のモル比率、粘度平均分子量、共重合体中の繰り返し単位(II)と構成単位(III)のアルケニル基に由来する部分との合計含有量、鉛筆硬度及び全光線透過率を表1に示す。
比較例1〜3
表2に示した樹脂又は樹脂の混合物を用いて、成形片を作製し、鉛筆硬度及び全光線透過率を測定した。結果を表2に示す。
比較例1〜3に使用した樹脂は、以下のとおりである。
FN2200(出光興産(株)製、商品名:タフロンFN2200、Mv21300の直鎖状ポリカーボネート)
H−880(三菱ケミカル(株)製、商品名:メタブレンH−880、アクリル系樹脂)
80N(旭化成(株)製、商品名:デルペット80N、メタクリル樹脂)
本発明のカーボネート−オレフィン系共重合体は、ポリカーボネートが有する優れた特性を保持しつつ、優れた耐擦傷性能を有していることから、自動車分野、家電分野、電子機器分野、食品分野、建材分野の上記特性を要する成形品に用いることが好適である。

Claims (11)

  1. 下記一般式(I)で表される繰り返し単位を有するポリカーボネートブロックと、下記一般式(II)で表される繰り返し単位を有するオレフィン系重合体ブロックと、下記一般式(III)で表される構成単位とを有する、カーボネート−オレフィン系共重合体。

    (式(I)中、RA1及びRA2は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を示す。XA1は、単結合、炭素数1〜8のアルキレン基、炭素数2〜8のアルキリデン基、炭素数5〜15のシクロアルキレン基、炭素数5〜15のシクロアルキリデン基、フルオレンジイル基、炭素数7〜15のアリールアルキレン基、炭素数7〜15のアリールアルキリデン基、−S−、−SO−、−SO−、−O−又は−CO−を示す。a及びbは、それぞれ独立に、0〜4の整数を示す。)

    (式(II)中、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1〜12の炭化水素基を示す。Aは、単結合、カルボニルオキシ基、又はオキシカルボニル基を示す。)

    (式(III)中、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数6〜12のアリール基を示す。RB1は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を示す。cは、0〜4の整数を示す。Aは、単結合、又は下記式(III−d)で表される2価の基である。*で示される結合手は、少なくともいずれか一方が前記オレフィン系重合体ブロックに結合する。**で示される結合手は、前記ポリカーボネートブロックに結合する。)

    (式(III−d)中、Xは、単結合、炭素数1〜12のアルキレンオキシ基、炭素数6〜12のアリーレン基、下記式(III−a)で表される2価の基、又は下記式(III−b)で表される2価の基を示す。)

    (式(III−a)〜(III−b)中、R及びRは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数6〜12のアリール基を示す。Yは、単結合、炭素数1〜12のアルキレン基、又は下記式(III−c)で表される2価の基を示す。RB2は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基を示す。dは、0〜4の整数を示す。***で示される結合手は、前記ポリカーボネートブロックに結合する、又は水素原子若しくは1価の有機基に結合する。)

    (式(III−c)中、Zは、炭素数1〜12のアルキレン基を示す。Zは、単結合、又は炭素数1〜12のアルキレン基を示す。pは1〜10の整数を示す。)
  2. 前記カーボネート−オレフィン系共重合体中の、前記一般式(II)で表される繰り返し単位、及び前記一般式(III)で表される構成単位のうちアルケニル基に由来する部分の合計含有量が5〜90質量%である、請求項1に記載のカーボネート−オレフィン系共重合体。
  3. 前記一般式(II)で表される繰り返し単位、及び前記一般式(III)で表される構成単位の合計に対する、前記一般式(III)で表される構成単位の割合が、0.01〜20モル%である、請求項1又は2に記載のカーボネート−オレフィン系共重合体。
  4. 前記一般式(I)で表される繰り返し単位に対する、前記一般式(III)の構成単位のモル比率〔構成単位(III)/繰り返し単位(I)〕が、0.1/99.9〜50/50である、請求項1〜3のいずれかに記載のカーボネート−オレフィン共重合体。
  5. 前記一般式(III)で表される構成単位が、下記式(III−1)で表される、請求項1〜4のいずれかに記載のカーボネート−オレフィン系共重合体。

    (式(III−1)中、R、R、R、R、RB1、RB2、Z、Z、c、d、p、*、**、及び***は、前記と同じである。)
  6. 前記オレフィン系重合体ブロックが、下記一般式(IV)で表される繰り返し単位を有する(メタ)アクリル系重合体ブロックを含む、請求項1〜5のいずれかに記載のカーボネート−オレフィン系共重合体。

    (式(IV)中、R10、R11、R12及びR13は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数6〜12のアリール基を示す。)
  7. 前記カーボネート−オレフィン系共重合体の粘度平均分子量が、10,000〜80,000である、請求項1〜6のいずれかに記載のカーボネート−オレフィン系共重合体。
  8. 前記カーボネート−オレフィン系共重合体中の、前記一般式(I)で表される繰り返し単位の繰り返し数が、29〜79である、請求項1〜7のいずれかに記載のカーボネート−オレフィン系共重合体。
  9. 前記カーボネート−オレフィン系共重合体が、前記一般式(II)で表される繰り返し単位、及び前記一般式(III)で表される構成単位を有する変性オレフィン系ポリマーと、前記一般式(I)で表される繰り返し単位を有するポリカーボネートとの共重合体である、請求項1〜8のいずれかに記載のカーボネート−オレフィン系共重合体。
  10. 前記変性オレフィン系ポリマーの数平均分子量(Mn)が、3,000〜50,000である、請求項9に記載のカーボネート−オレフィン系共重合体。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載のカーボネート−オレフィン系共重合体を含む、成形品。
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